売れるロジックの見つけ方

マーケッターとデータサイエンティストが語る
売れるロジックの見つけ方
行動経済学より役立つLPOツールで解明する計画外の購買行動
ユーザー行動調査で一気
に調査する。
著者: 山本覚/後藤一喜
出版社: 宣伝会議
発売日: 2015/1/7
ISBN: 9784883353224
P. 204 – 206に掲載
が可能になりました。なお、私が
知りうる範囲では、Pop Insight
社のユーザーテストが最も安価で
高品質です。以後「ユーザー行動
さあ、ここからが仮設構築の真骨 調査」と言った表現は、ウェブサ
頂です。本書の中でも最も読み応 イトに改善を盛り込むことができ
えのある項の一つになります。
るオンラインユーザー行動調査を
前章の仮設構築時の決定事項の説 指します。 ユーザー行動調査で
明でかなり仰々しく説明した内容 は、ユーザーに実際のページに触
が、実は一つの調査方法で全て埋 れながらタスクをこなしてもらう
まるのです。その方法とは、ユー のですが、その様子を音声付きの
ザー行動調査です。
動画として録画しておきます。そ
の際、思ったことを常にクチに出
ユーザー行動調査とは?
してもらいます。少なくともその
ユーザーに関しては行動時の心理
ユーザー行動調査とは、ユーザー 状態が実測できるようにするため
に実際にページを閲覧してもらい、 です。これは他のどの調査でも出
所定のタスクをクリアしていく中 来なかったことです。例えばネッ
で思ったことをヒアリングする手 トリサーチであれば、ウェブから
法です。従来のユーザー行動調査 離れたところで何を考えているの
はテストユーザーを検査室に呼び、 かの調査はできても、ウェブ上で
テストのモデレーターと対話しな も実際に同じ心理状態になってい
がら調査を行っていました。とこ る保証はありません。またアクセ
ろが最近では、ユーザーにタスク ス解析であれば、人がどのように
のみを伝え、自宅でテストを実施 行動しているかは実測できても、
するオンラインユーザー行動調査 その際に何を考えているのかは分
が可能になり、価格が著しく低下 かりません。いずれにしても、現
しました。この価格低下により、 場の声をきちんと反映していると
は言い難い状況でした。 このよ
定常的なウェブサイトの改善に
ユーザー行動調査を盛り込むこと うに、ユーザー行動調査は行動時
の心理状態が実測できる現状唯一
の方法であり、その有効性が期待
されるのですが、調査のサンプル
数が他の調査と比較すると極端に
少ないという実態があります。た
だ、この少ないサンプル数でも、
実はほぼ問題ないことが過去の調
査から分かっています。下の図は
ユーザビリティの大家である、ヤ
コブ・ニールセン氏の調査に基づ
くものです。この図は3人のモニ
ターに対して調査を実施した場合
にページが抱える課題のうち約
65%の課題が発見され、5人のモ
ニターに対して調査を実施した場
合には80%の課題が発見されると
いうことを示しています。つまり
これにより、実現可能なテスト量
で仮説の構築が十分可能であるこ
とが保障されているというわけで
す。