当協会はサーベインズ・オクスリー法第 402 条の対象から外国銀行を

Institute of International Bankers
International Banking Focus (October 2, 2002)
当協会はサーベインズ・オクスリー法第 402 条の対象から外国銀行を除外するよう求め、
SEC、財務省及び FRB と会談
当協会が提案していた、サーベインズ・オクスリー法第 402 条の対象から外国銀行を除外
することに関して、当協会は証券取引員会(SEC)、財務省及び FRB と議論を続けている。
月 16 日の SEC への提案で、当協会は、国際的な銀行監督基準に準じている外国銀行、
及び国際的な銀行監督基準が満たされなくても米国内の基準を満たす外国銀行と2つに分
けて 402 条の適用除外を受け入れるよう SEC に主張した。当協会は、また、提案した 402
条の外国銀行への適用除外に対する支援を求めて、グリーンスパン FRB 議長、オニール財
務長官にレターを送付した。レターに応じて、財務省は、402 条に基づく外国銀行の処遇
に関する当協会の懸念は SEC に対し迅速に注意を促すメリットがあるという見方を伝え
た。
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サーベインズ・オクスリー法の第 402 条は、公開企業が取締役や幹部職員に個人ローンを
提供することを禁止している。この禁止条項は、1934 年証券取引法に従い証券を登録した
り、また、SEC へ決算報告を提出している米国外の上場企業を含むすべての上場企業に適
用される。米国の証券取引所に預託証券を上場している外国銀行、もしくはその親会社も
402 条に従うこととなる。
内部者向け貸出禁止は、米国及び非米国籍のいずれの上場企業にも適用される限定的な除
外事項に従っている。しかしながら、銀行に対する除外事項は、米銀のみに適用され、外
国に本店を置く銀行には適用されない。特に、FDIC によって付保されている預金金融機
関は、一般的には非米国籍の銀行には適用されない米国内部者向け貸出規制(FRB のレギ
ュレーション O)に従っていれば、内部者向け貸出禁止条項の適用は受けない。
当協会の提案では、FRB が決定した包括的統合監査を行っている外国銀行は、402 条の適
用を免れるであろう。他の外国銀行は、米銀向けの内部者向け貸出規制の核となっている
原則に従えば、402 条の禁止条項に関わらずローンを実行することが許されるであろう。
財務省は USA パトリオット法の 313 条及び 319 条(b)の最終ルールを発行
月 18 日、財務省の Financial Crime Enforcement Network(以下“FinCEN”:財務省の
下部組織)は、USA パトリオット法の 313 条及び 319 条(b)を実施する最終ルールを発行し
た。このルールによって、米国の金融機関(米銀、証券会社及び外銀の米国支店)がいわゆる
シェルバンク(実体がなく、当局により監督を受けていない非米国銀行)に対して、コル
レス勘定を維持することを禁ずる 313 条と、米国の金融機関に非米国コルレス先に関する
情報(コルレス先のオーナーシップ、米国での法的サービス代理人を含む)を記録維持するこ
とを要求する 319(b)条が施行されることになる。
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の最終ルールは、協会がリクエストしていた 313 条の“間接的”コルレス関係の
範囲限定を認めるもの。また、協会のコメントレターでの他の提案もいくつか採用されて
いる。
FinCEN
ニューヨーク州銀行局は資産担保差入規制公式改革案を公開
月 18 日、ニューヨーク州銀行局は、外銀のニューヨーク支店に要求される資産担保差入
規制改正案を公開した(Superintendent’s Regulation Part 322)。45 日のコメント期間の
後、11 月半ばにこの改正案は有効となる。今回の改正案は、基本的に 6 月に公開された前
回の改正案と軌を一にするものであり、現在、ニューヨーク州免許の支店によって差入れ
られている総担保残高を約$350 億ドル分減額するものである。
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改正案では、(i)資産担保差入額は第三者に対する負債の 5%から 1%に減ずる、(ii)”well
capitalized”および”well managed”基準を満たす評価の高い銀行には、差入額$4 億ドルの
上限適用、(iii)資産担保差入額の 50%を超えない範囲で、現在は認められていない種類
の資産を差入可能とする、および(iv)プレッジ額の計算において、前月の負債額の平均に基
づく方法を採用し事務を簡素化、等が主要点となっている。他方、前回の改正案にもあっ
たが、自国にて発行された資産は差入禁止としている。(譲渡可能性預金に対しては 1 年間
の猶予期間がある)
当改正案により、ほとんどの銀行が差入額を大幅に減額できることになる。従って、当協
会は基本的にこの改正案を支持するつもりである。しかしながら引き続き、(i)上限額をさ
らに引下げるべきであること、(ii)上限規制の適用資格が銀行資本に基づくべきではない
こと、および(iii)自国発行資産の禁止規定が不必要に厳しいことは認識している。協会のコ
メントレターの草案は、銀行局宛提出前にメンバー行に対して回覧する予定。
当協会は FRB のフォーム FR Y-7、年次報告改正案に対し、コメントレターを提出の予定
フォーム FR Y-7、外銀の年次報告に関する FRB 改正案に対し、当協会はコメントレター
を提出の予定。コメントレターの締切は 10 月 18 日である。
改正案は主に、現行の FR Y-7 にて要求されるある種の財務データを対象としている。特に
資本適正情報や在米ノンバンク子会社の財務報告が FR Y-7 より外され、FR Y-7Q(資本適
正情報)、FR Y-7N 及び FR Y-7NS(在米ノンバンク子会社の財務報告)の新フォームでの
報告となる。フォームの提出時期に関しては、全般的に現行の FR Y-7の年度締後 120 日
以内の締切よりも短くなる。
当協会の代表とメンバー行は連邦議会の関係者及び財務省の政策立案担当者と会合を持ち、
アーニング・ストリッピング規則の改正案について議論
月 2 日、当協会の代表とメンバー行 5 行が連邦議会税務委員会のチーフスタッフである
リンディ・パウル氏、財務省のアシスタントセクレタリー(税務政策担当)であるパメラ・オ
ルソン氏及び財務省のスタッフと、別々に会合を持ち、税法 163 条(j)のアーニング・ストリ
ッピング規則の改正案について議論した。改正案が法制化されると、外国銀行の米国子会
社・支店や外資系企業の支払利息の損金算入が制限される可能性がある。今回の会合は、
改正案に関する当協会としての継続的な啓蒙活動及びロビイング活動の一環である。 改正
案は、米国子会社もしくは支店の負債比率が全世界ベースの負債比率よりも高い場合には、
その差額の比率に対応する米国子会社もしくは支店から米国外の関連会社に支払う支払利
息の損金算入を(実際に利息収支がプラスであったかどうかにかかわらず)制限するもので
ある。
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当協会の代表とメンバー行は、連邦議会税務委員会と財務省に対してこの改正案は、以下の
3つの理由で金融機関に大きな影響を与えると主張した。まず、第一の理由は、金融機関
のビジネス内容によって負債比率は大きく変わるものという点である。例えば、証券ビジ
ネスは一般的に他の金融ビジネスよりも高い負債比率を必要であり、ほとんどの外国銀行
及び金融機関グループが証券業務をかなりの規模で米国にて展開しているため、改正案の
負債比率テストの結果、ほとんどの場合において米国での負債比率は全世界ベースの比率
よりも高くなるという結論になるであろう。第二の理由は、外国銀行が、最も低い資金調
達を行いたい等の経済合理的な観点から、親銀行においてあらゆる外部資金の調達を集中
的に行い、その資金の一部を関連会社に貸し付ける傾向にある点である。従って、米国に
おける外国銀行の負債の大部分が関連当事者間との負債になり、改正案での損金不算入の
対象となってしまう。第三の理由は、改正案での損金不算入の対象とする支払利息がネッ
トベースではなく、グロスベースであるために、金融機関における負債とそれに伴う利息
の支払が持つ役割を改正案がまったく考慮していないことになる点である。当協会は、金
融機関にとって支払利息は、資本コストではなく、事業費用であり、製造業で言うならば
製造原価に相当するものだと説明した。この支払利息の損金不算入は、金融機関にとって
の米国での課税対象が、ネットベースでの収益からのグロスベースの収益に変わることを
意味する。
IRS
は QI(適格仲介人)の外部監査に関する最終ガイドラインを公表
は QI(適格仲介人)の外部監査に関する最終ガイドラインを公表した。 この最終ガイド
ラインは、外部監査プロセスの簡素化に関する当協会の提案を受け入れるなど、当協会や
他の仲介金融機関の代表が表明してきた懸念に十分に対処しているものであり、これによ
り外部監査に必要なコストと負担がかなり軽減されるであろう。しかしながら、コストは
大手金融機関にとっては依然として高いものである。メンバー行とその関連会社およびア
ドバイザーがガイドラインを実務的な観点から評価したなら、ガイドラインの更なる簡素
化を IRS に促すために今度も努力が必要になるかもしれない。
IRS
改正ガイドラインの5つの主要論点である、1)監査免除となる対象 QI の拡大、2) 監査プ
ロセスの簡素化、3)サンプリング、4)過少源泉徴収の推定、5)外部監査人の内部監査人への
依拠 については 8 月 21 日付の当協会のメモで説明されている(当協会のウェブサイト
www.iib.org/member/8-21QIMemo.pdf で入手可能)。