LHCアトラス実験が切り拓く 素粒子物理学の新たな展開

LHCアトラス実験が切り拓く
素粒子物理学の新たな展開
陣内研究室
平成21年度卒業研究ガイダンス研究室紹介
始めに
• 陣内(じんのうち)研究室は平成21年度からスタート
する新しい研究室です
• 陣内はこれまで、スイスジュネーブにあるCERN研究
所のLHCアトラス実験(後述)で活動して来ました
• これまでにCERNで培って来た経験を基に、これから
東工大基礎物理学専攻に、LHCアトラス実験の為の
研究室を立ち上げます
• 陽子・陽子衝突型加速器実験を用いて、「高エネル
ギーフロンティアに於ける新しい素粒子物理事象を
探索すること」が主な研究テーマになります
世界最大・最強の加速器(LHC)
モンブラン
ジュネーブ市街
ジュネーブ空港
地下100m
スイス側
フランス側
CERN
大まかな国境の位置
周長27kmのリング
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アトラス測定器
建設場所(CERN
研究所の目の前)
CERN研究所はジュネーブ郊外にあって、スイスーフランス国境に跨るよ
うに位置しています
LHCの陽子・陽子衝突エネルギー(14TeV)は現在までの最大加速器(米
国 Tevatron 1.96TeV)を遥かに凌ぎ、衝突頻度は10倍以上に達します
アトラス実験
ミューオントリガー
検出器
超伝導ソレノイド
シリコン検出器
日本による建設
担当部分
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高さ25m, 全長44m, 重量7000トン 史上最大の検出器
37の国と地域から数多くの研究者が参加(日本からは15の機関が参加)
日本グループは装置の建設から物理解析まで第一線で活躍しています
LHCは2008年秋に稼働開始しました。物理データ収集・解析は2009年
から始まります!
主な研究課題
• 素粒子物理学では、我々の周りの物質の最小単位(素粒
子)とその間に働く力(相互作用)を理解することが目的です。
近年、非常に多くのことが分かり、体系が確立されて来まし
たが、依然として根源的な問題が解決されないままでいます
• LHC実験ではそれらの問いに対する直接的な答え、ヒントが
得られると信じて取り組んでいます
• 陣内研究室では、
– 素粒子標準理論という枠組みの中で唯一未発見、質量
の起源となるヒッグス粒子
– 宇宙の大半を占める暗黒物質の候補でもある超対称性
粒子などの未知の新しい粒子
の発見・測定を目的にして、物理データ解析を中心にした研
究活動を展開して行きます
最後に
• TV・新聞等でご存知のように、2008年ノーベル物理学賞を
受賞した南部先生、小林・益川先生達の理論はLHCの物理
と直接そして深く関係します
• 世界中が注目しているこの国際協力研究にあなたも参加し
て、科学史の1ページにその名を刻んでみませんか?
• 時間・紙面の関係で詳しいことは触れることが出来ませんで
したが、アトラス実験に興味がある方は、 http://atlas.kek.jp
にアクセスしてみて下さい。日本語の資料があります
• 陣内研に興味があり、質問等がある方は、
[email protected] にメイルを下さい
データ解析以外に、アトラス実験アップグレードに向けたシリコ
ン検出器R&D、ポジトロニウム(電子・陽電子束縛系)を用い
た小規模素粒子実験などハードウェア面の活動も計画して
います
アトラス検出器建設現場
2008年時点で建設は完了
現在試験運転中