学 校 だ よ り

学校だより
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NO. 2
静岡県立浜松聴覚特別支援学校( 浜 松 聾 学 校 )
謹んで新年のご挨拶を申し上げます ********************************
新しい年を迎えるとともに、さらに第3学期という新しい学期を迎えました。学校では子供た
ちの笑顔と元気な声があふれ、冬休みのこと、3学期のことなど話題が尽きません。子供たちのや
る気を高め、御家庭と協力をしながら一年のまとめをしていきたいと思います。
子育てについて、こんな言葉を目にしました。
「乳幼児はしっかり肌を離すな。(たっぷりスキンシップをしましょう。)
幼児期は肌を離せ 手を離すな。(手をかけ、目をかけ、心をかけましょう。
自分でできることを増やしましょう。)
児童期は手を離せ 目を離すな。(目をかけ、心をかけましょう。そして、
自立・自律に向けて積極的に挑戦させましょう。)
青年期は目を離して 心を離すな。(心をかけながら自立・自律をさせましょう。)」
進級・卒業に向けて、子供の成長に合った関わり方について今一度振り返っていただけたらと
思います。
さて、今年も本校の重点目標の一つ『気持ちのよい挨拶を交わし合う』ことを大切にしていきま
す。先日、卒業生が後輩に伝えたいこととして次のように話しました。
「社会人になって心細い毎日
でしたが、周りの人の名前を覚えて、自分から挨拶をして話しかけるようにしていました。いつの
まにか理解者が増え、今では親しい人が何人もできました。自分からの挨拶は重要ですね。」実感の
こもった体験談でした。このお話を聞きながら「挨拶は相手の心を開き、自分の心を育てるものな
のだなあ。」とあたたかい気持ちになりました。
人間関係をさらに深めるために、今年も気持ちのよい挨拶から始めたいと思います。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。皆様にとって良い一年となることを願いますとともに、
一日も早い東日本の復興を心より祈念いたします。 (校長 谷脇 葉子)
先輩に学ぼう
12 月 17 日(土)に、ドキュメンタリー映画『珈琲とエンピツ』の上映会が本校で行われ、児童生徒や保護者
ら約 60 人が鑑賞しました。この映画は、本校卒業生の太田辰郎さんが念願のサーフショップを開き、筆談
や身振りなどを使って聞こえるお客さんとも積極的にコミュニケーションする姿を描いたものです。夢をあきら
めずに努力して実現するという生き方や、聞こえる聞こえないを問わず心を開いて人と接する姿勢など、見
る人に大きな感動を与えてくれる映画でした。上映後には太田辰郎さんご自身から子どもたちに、「夢を持
ってください」とお話をいただきました。子どもたちも「夢を実現させるってすごいと思った」と、先輩の姿に勇
気をもらった様子でした。
また、各学部では、卒業生やその保護者など、さまざまな「先輩」を招いてお話を聞く機会を設けています。
中学部では、大学に在学中の卒業生から、受験勉強や大学生活について話を聞きました。美術を専攻し
教員を目指しているという先輩の体験談に、生徒たちは自分の将来の姿を重ねながら聞いていました。小
学部 6 年生は、企業で働く難聴者から、生い立ちや様々な仕事について話を聞きました。また幼稚部の両
親教室では、卒業生や先輩保護者から幼稚部時代に大切にしたいことなどのお話を聞きました。いずれも
これからに生きる貴重な体験談でした。
各部の 2 学期のあれこれ
☆ 幼稚部
2学期も幼稚部では楽しい行事がてんこ盛り。9月は運動会でかわいい
宇宙人になって踊ったり、ダースベーダーを恐々やっつけたりしました。
10月はフルーツパークで果物、学校の畑でサツマイモと、秋の味覚を収穫
しました。11月は焼き芋大会と学習発表会。劇「こびとのくつや」は可愛い
演技が大好評でした。12月はクリスマス会とおもちつき。今年のサンタさんは
本当に外国から来たみたいでした!?
<劇「こびとのくつや」>
行事への事前・事後の取り組みや当日の楽しい活動を通して、子供たちの
豊かな心と確かな言葉の力を育てています。お母さん方のご協力、ありがとうございます。
☆ 小学部
11月下旬から終業式前日まで、恒例のぱるるんマラソンに取り組みました。
<8分間って結構長い…>
2時間目と3時間目の間の長い休み時間(ぱるるんタイム)に、低学年は5分
間、高学年は6分間(16 日の発表会では8分間)、全員で運動場を走ります。
順位を競うのではなく、「自分のペースで最後まで走り続ける」ことが目標です。
子供たちは、「1 分で2周走りたい」「1周を〇秒で走り続けるぞ」など、それぞ
れの目標に向かって、毎日、息を切らせながら力走を続けました。毎年ぱるる
んマラソンは、継続して頑張ることの大切さを身をもって学ぶ良い機会です。
☆ 中学部 今年度から部活動が、卓球部と文化部の2つになりました。 卓球部では、12月に5回、あの水谷隼選手のお母さんが特別コーチに
来て下さいました。オリンピック選手を育てた専門家のご指導を受け、生徒
たちは目を輝かせて練習に取り組みました。生徒の「やる気」を引き出す指
導は、教員にとっても大変勉強になりました。
文化部では、絵を描くことが大好きな生徒たちが集まり、イラストやポスター
作品の制作、バザーで販売するブックカバー等の製品作りなどを行ってい
ます。1学期には、大会に出場する卓球部の友達のために応援の垂れ幕や
ポスター作りにも取り組みました。
<勝利を祈って垂れ幕作り>
☆ 支援部 乳幼児教室や通級指導教室では、教室に通ってくる子供たちが在籍している保育園や幼稚園、小中学
校に担当者が出向き、聞こえにくい子供たちへの接し方等をお話しする「地域支援」も行っています。ある小
学校では、在籍する難聴児が、通級担当教員の支援のもと、自分の聞こえにくさや友達に分かってほしいこ
となどを同級生の前で発表するという取り組みを行いました。発表後、クラスの友達とのコミュニケーションが
以前より深まり、本人も自信がついたといううれしい報告がありました。
☆ 寄宿舎 寄宿舎では、お預かりしている子供たちの命を守るため、避難訓練を年に 5 回、防犯訓練を 1 回行って
います。11 月には抜き打ちで、就寝中の火災発生を想定した訓練を行いました。夜 11 時ごろ、非常ベルの
音やパトライトの光に気付かず眠っている子供たちを、指導員や舎監が起こして回りました。揺り起こされて
もしばらくぼんやりしている子もいましたが、何とか全員非常口から外へ避難。集合場所では寮長の生徒が
てきぱきと指示をして無事人員確認が終了。また、地震に備え枕元にはヘルメットと着替えを用意して就寝
しています。