大気汚染物質の発生・輸送・除去に関する研究 ~窒素酸化物の in situ

大気汚染物質の発生・輸送・除去に関する研究
~窒素酸化物の in situ 観測から温室効果気体の大気輸送モデル解析まで~
国際基督教大学
教養学部
峰島
自然科学デパートメント
知芳(みねじま ちか)
東アジアでは、経済発展が進むにつれ、二酸化炭素(CO2)などの温室
効果気体・大気汚染物質の排出量が増大している。特に中国では、CO2 の排出量
が 2006 年に米国を凌いで世界第1位となった。日本は、それらの巨大な排出量
を持つ国々の風下に位置し、特に、冬季には大気汚染の飛来を頻繁に観測して
いる。温室効果気体・大気汚染物質の排出量、排出場所を正確に把握すること
は、将来の地球温暖化を予測する上で、また、大気環境を管理する上で非常に
重要である。その為のツールの1つに大気輸送モデルを用いた温室効果気体・
大気汚染物質の濃度シミュレーションと観測値の比較がある。この2つが一致
する為には、対象となる物質の排出量マップと大気の輸送表現が正確に現実を
再現する必要がある。今回は、大気輸送モデルの1つである、ラグランジュ型
後方粒子拡散モデル FLEXPART について紹介する。このモデルは、汚染空気塊
の観測場所から、多数の模擬粒子を飛ばし、現在から過去に向けて遡らせるこ
とで、汚染空気塊の発生源を再現するモデルである。また、沖縄県波照間島で
実際に観測された大気汚染物質の濃度(CO2、CO、CH4、その他)と比較につい
て述べる。
また、大気中の窒素酸化物の一つである亜硝酸の発生源を探るフィール
ド観測を中心とした研究についても触れる。