平成 24 年度 PIANC-Japan 活動報告会

平成 24 年度
PIANC-Japan 活動報告会
平成 24 年 6 月 22 日
国 際 航 路 協 会 日 本 部 会
平成 24 年度 PIANC-Japan 活動報告会
平成 24 年 6 月 22 日
15:30~16:50
霞山会館
1)
スペインの港湾概要
須野原
2)
会長
久夫
(15:50~16:05)
五洋建設(株)
常務執行役員
嘉章
(16:05~16:20)
(社)日本港湾協会
環境委員会(EnviCom)報告
中村
5)
PIANC-Japan
海港委員会(MarCom)報告
樋口
4)
豊
国際協力委員会(CoCom)報告
大内
3)
(15:30~15:50)
由行
(16:20~16:35)
(独)港湾空港技術研究所
MarCom WG145 (接岸速度と防舷材の設計)報告
上田
茂
企画部長
(株)いであ
研究主監
(16:35~16:50)
技術顧問
2012/6/7
THE SPANISH PORT SYSTEM
THE SPANISH PORT SYSTEM
DESCRIPTION
港湾分布と管理者
スペインの港湾概要
(PIANC バレンシアAGA関係資料から作成)
46 PORTS
28 PORT AUTHORITIES
PUERTOS DEL ESTADO
AGA 2012, MAY 22, VALENCIA - SPAIN
THE SPANISH PORT SYSTEM
AGA 2012, MAY 22, VALENCIA - SPAIN
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DESCRIPTION
DESCRIPTION
ポートオーソリティ
スペイン港湾の公共性
• 商港 → 中央政府
• マリーナ・漁業施設 → 地方(州)政府
プエルト・デル・エスタ-ド(国家港湾庁)
• 港湾システム効率化の調整・管理
• 発展省( The Ministry of Fomento:旧公共事
業・運輸省)の下部組織
AGA 2012, MAY 22, VALENCIA - SPAIN
•
•
•
•
港湾運営の独立した組織
地方政府が参画した国の機関
社長(President)の任命
理事会(Board of Directors)
‒ 中央政府
‒ 地方(州)政府
‒ 地域(市)政府
‒ 港湾関係機関・団体
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1
2012/6/7
THE SPANISH PORT SYSTEM
THE SPANISH PORT SYSTEM
MAIN PRINCIPLES
• インフル部分はポートオーソリティが用意
• サービス(含む施設)は民間企業が用意
• BOT モデル
TOTAL TRAFFIC
500
450
400
Traffic (x 10^6 tons)
ポートオーソリティは自主的管理・運営
法令及び港湾庁による一般的なルールの下
でのポートオーソリティ間での競争
セルフフイナンスシステム(利用者払い)
土地利用モデル:
TRAFFIC
350
300
250
200
150
100
50
0
1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011
Liquid Bulks
Solid Bulks
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THE SPANISH PORT SYSTEM
General Cargo
Others
AGA 2012, MAY 22, VALENCIA - SPAIN
THE SPANISH PORT SYSTEM
TRAFFIC
TRAFFIC
TOTAL TRAFFIC (2011)
CONTAINER TRAFFIC
85
15,000
80
14,000
75
13,000
12,000
65
Traffic (x 10^3 TEU)
Traffic (x 10^6 tons)
70
60
55
50
45
40
35
30
25
11,000
10,000
9,000
8,000
7,000
6,000
5,000
4,000
20
3,000
15
10
2,000
5
1,000
0
0
1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011
AGA 2012, MAY 22, VALENCIA - SPAIN
AGA 2012, MAY 22, VALENCIA - SPAIN
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2012/6/7
THE SPANISH PORT SYSTEM
THE SPANISH PORT SYSTEM
TRAFFIC
INVESTMENTS
PASSENGERS
INVESTMENTS
1,400
28,000
450
26,000
1,200
24,000
1,100
400
1,000
350
Investments (x 10^6 €)
Traffic (x 10^3 PAX)
500
1,300
22,000
20,000
18,000
16,000
14,000
12,000
10,000
900
300
800
700
(*)
600
250
200
500
400
150
6,000
300
100
4,000
200
2,000
100
8,000
0
1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011
Cruise passengers
(*) Cruise passengers available from 2002
50
0
0
1993 1994 1995
1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002
Public Investments
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THE SPANISH PORT SYSTEM
Traffic (x 10^6 Tons)
30,000
Private Investments
2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
Total Traffic
2011
(*) Estimated
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THE SPANISH PORT SYSTEM
BREAKWATER ATLAS
NORTH EXPANSION. PORT OF VALENCIA
バレンシア港北拡張
バレンシア港
4.600 m of rubble mound
and vertical breakwaters
AGA 2012, MAY 22, VALENCIA - SPAIN
AGA 2012, MAY 22, VALENCIA - SPAIN
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2012/6/7
THE SPANISH PORT SYSTEM
THE SPANISH PORT SYSTEM
SOUTH EXPANSION. PORT OF BARCELONA
バルセロナ港南拡張
AGA 2012, MAY 22, VALENCIA - SPAIN
THE SPANISH PORT SYSTEM
AGA 2012, MAY 22, VALENCIA - SPAIN
THE SPANISH PORT SYSTEM
PORT OF ALGECIRAS BAY. ISLA VERDE EXTERIOR
アルへシラス港
イスラ・ベルデ地区外港区
外港区
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防波堤断面図
AGA 2012, MAY 22, VALENCIA - SPAIN
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2012/6/7
THE SPANISH PORT SYSTEM
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EXTENSION OF THE PORT OF GIJÓN
ヒホン港
拡張
Breakwater total length 3.867 m
Norh Quay 1250 m
Basin Surface 145 Has
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ヒホン港
拡張地区の防波護岸断面図
AGA 2012, MAY 22, VALENCIA - SPAIN
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NEW LOCK. PORT OF SEVILLE
セビリア港(河川港)の新閘門建設
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2.国際協力委員会(CoCom)報告
五洋建設株式会社
大内
久夫
平成 23 年度には、第 82 回 CoCom 会合が 2011 年 10 月 19 日パリで、第 83 回 CoCom
会合が 2012 年 2 月 22 日インドのチェンナイで開催され、両会合に出席した。両会合の概
要は、以下の通りである。なお、インドのチェンナイで開催された CoCom 会合は、4 年ご
とに開催される第 8 回 PIANC-COPEDEC に併せて開催されたものであり、同会議は
CoCom の所管であることから、この会議の模様についても報告する。
Ⅰ.第 82 回 CoCom 会合
1.出席、欠席の確認
共同議長 Edward Schmeltz、事務局 Peter Dewolf を含め、8 人の委員が出席。
もう一人の共同議長 Akula Rao は、急遽欠席となった。
2.今回の議事内容の確認
事務局提案通り了解
3.前回会合の議事録の確認
1 カ所のマイナーな変更があったが、その他は了解
4.Action Plan 2010-2014 についての討議
前回の ExCom で了解された Strategic Plan に基づく新たな Action Plan 2010-2014
について、個別の項目毎に、実施者、関係機関、実施時期、現時点の状況確認を行っ
た。(全体時間の約半分がこの討議に費やされた。)
5.新規勧誘会員国について
議長 Edward より、各委員が1カ国について新たに PIANC 会員となるよう働きかけ
をしてほしい旨の要請があった。各委員が、どの国を担当するかは後日、事務局に連
絡することとなった。
大内より、フィリピン PPA とのコンタクト内容を報告した。
他委員より、チリ、メキシコ、アルゼンチンの勧誘予定が表明された。
6.Organizational Structure and Activities についての討議
1)メンバー変更に関し、現委員の活動状況について確認が行われ、全く活動のない
委員については、当該委員の所属する国内委員会に変更を求めることとなった。
2)韓国の Mr. Young-Min をあらたに CoCom メンバーに加えるかどうかは、この話
をすすめた議長 Rao が欠席したため、後日検討することとなった。
7.小委員会報告
1)研修と教育
2-1
研修のデータベース作成の進捗状況について、Stive 委員より報告があった。
日本の集団研修で、PIANC の WG 等の成果を教えるプログラムを組むことについて
は、報告書をそのまま提供しない限り問題ないとされた。
2)地域グループ、COPEDEC については、特に議論がなかった。
8.前回会合以降の活動状況についてのフォローアップ
項目毎に確認が行われた。
9.その他
特になし
10、次回会合の場所と日時
PIANC-COPEDEC VIII の会合にあわせてインドのチェンナイで開催する。
Ⅱ.第 83 回 CoCom 会合
1.委員長挨拶、出席者が自己紹介
オランダの Ali Dastgheib がビザ取得ができず、急遽不参加となった他は、当初予定
の 12 名が全員参加した。
2.前回議事録の検討と承認
Rao が、自分の発言部分の修正を求め了解された以外は、修正なしで承認された。
3.新規会員勧誘対象国の検討
今回の CoCom の主要討議課題であり、多くの開発途上国について会員勧誘対象国と
するかどうかの討議が行われた。
・ 初めに、この対象国の選定は CoCom のメンバーが個人的に行うのか、国内部会も
含めて行うのかとの質問が出されたが、原則として CoCom メンバーが選定したも
のをもとにリストを作成し、必要に応じて国内部会の協力を仰ぐことで了解された。
・ タイについて、本部が 2 日間のセミナーを開催したこと、気候変動に関する会議も
企画していることから、積極的に勧誘している旨の報告があった。
・ 日本からは、前回フィリピンを勧誘したことに続いて、現在在インドネシアの専門
家を通じて DGSC の勧誘を行っていることを報告。関心のある仏、オーストラリア
とも共同歩調を取って進めるようにとの話があった。
・ アフリカについては、アンゴラ、モザンビーク、リビア、エジプトが候補としてあ
げられた。
・ その他、ドバイ、ギリシャ、トルコも検討することとなった。
・ 米国より、メキシコ、チリを積極的に勧誘するとの話があった。そして、単に個別
に勧誘するのではなく、戦略的アプローチが必要であるとして、米国の戦略的アプ
ローチのペーパーが紹介された。
以上を取りまとめて、第1次勧誘国リストを作成する。
4.小委員会報告
2-2
a) 第1小委員会
研修と教育 :R. Stive
第1委員会の委員長である Stive が、Ali と共同で進めている研修に関するデータ
ベースについてその進捗状況について報告すると共に、多くの人がこのデータベー
スにアクセスし利用してもらうことを希望する旨の発言があり、また、今後の作業
についても多くの人手がかかるので、協力要請があった。
b) 第2小委員会
地域グループ:E.Schmeltz 特に議論なし
c) 第3小委員会
IOC PIANC-COPEDEC :Ranjit Galappatti
国際組織委員会の委員長である Ranjit Galappatti から今回の PIANC- COPEDEC
が成功裏に開催されているとの報告があり、続いて次回の開催を Brasil とするこ
と及びそれに伴い費用が多くかかることになるため PIANC の主要加盟国に支援を
仰ぎたい旨の発言があった。
5.前回委員会以降の活動のフォローアップ
項目毎に、進捗状況の確認が行われた。
6.「自然との作業」陪審-ボランティアについて
Envi-Com から協力要請があったことが報告された。
7.論文選定小委員会の作業方法についての議論
Edward(議長)が、追ってメモを送付するので早急に読んで意見を提出することに
なった。
(提出論文が英文でなく、事務局で英文にすることが必要となり支出負担が増
えたため、このようなことをなくすための提案が記載されているとのこと。)
8.新/旧事業の確認
特になし
9.次回 CoCom 会合の場所と日時
スペインで開催される AGA においては、参加見込み者が少ないため非公式会合とし
て開催することとなった。
10 月に正式会合は、ExCom の開催の前後に開催する。
Ⅲ.第 8 回 PIANC-COPEDEC について
COPEDEC は、スリランカのコロンボで開催された第 1 回会議が成功裏に終了したこと
から、恒常的な事務局が設置され 4 年ごとに開催されることになった国際会議である。そ
の後、北京(1987 年)、ケニア(1991 年)、リオデジャネイロ・ブラジル(1995 年)、ケープタウ
ン・南アフリカ(1999 年)での開催を経て、2003 年に再びスリランカのコロンボで第 6 回の
COPEDEC が開催された際に PIANC との併合が調印され、PIANC のもとで PIANCCOPEDEC として実施されることになった。新たに国際組織委員会が設置され、PIANC 本
部の事務局長も委員として参加している。新体制での初めての会議は 2008 年にアラブ首長
国連邦のドバイで PIANC-COPEDEC VII として開催され、今回インドのチェンナイでの
PIANC-COPEDEC VIII は 2 回目の開催にあたる。
2-3
この PIANC-COPEDEC の理念・目的は
・ 開発途上国の沿岸・港湾技術者が、それぞれの間で、また先進国からの参加者との間で、
知識や経験を交換することのできる国際フォーラムを開催すること
・ 開発途上国が沿岸・港湾開発の専門家の人的資源を持続的に保有できるようにすること
である。なお、PIANC 組織の中では CoCom がこの会議を所管している。また、我が国と
の関係では、先日ご逝去された合田先生が長年この COPEDEC の論文審査委員をされてお
られた。現在は早稲田大学の柴山教授がその後任として活動されている。
今回の PIANC-COPEDEC VIII の全体テーマは「沿岸環境課題への対応」であり、論文
は、途上国及び先進国の沿岸・港湾技術の実務への適用、計画、維持管理及び環境等に関
するものに焦点をあて選定された。参加者は 300 名以上、展示場への出展は 24 であり、論
文発表は 5 日間で 194 編にのぼった。日本からの参加は 3 名(3 名とも各論文発表セッシ
ョンの司会を担当)、採択された論文は 3 編、日本人の論文報告者は 1 名であった。
また、この会議の直前の 18-19 日には、PIANC 主催の開発途上国技術者を対象とした
短期研修(Short Course)も開催されている。18 日は「沿岸技術者のための沿岸力学」、19
日は「港湾計画とエンジニアリング」「浚渫」についての講義が行われた。
会場となった都市チェンナイは、インド南部のベンガル湾に面した東岸部位置する都市
圏人口 770 万人のインド第 4 位の大都市で、タミルナードゥ州の州都である。自動車メー
カーや IT 関連企業の進出が盛んである。かつてはマドラスと呼ばれていたが、1996 年に
チェンナイに改称した。東京からチェンナイへは直行便はなく、今回は比較的接続の良い
シンガポール航空を利用し、シンガポール経由で往復した。飛行機に乗っている時間だけの
合計で、行きは 11 時間 40 分、帰りは 10 時間 40 分の長旅である。ちなみに、PIANC 本部
のあるベルギーのブリュッセルからは直行便があり約 9 時間の飛行時間とのことである。
また、会議場となった IIT Madras は、敷地面積が 250ha で、学生数 4,500 名の大学生、
大学院生を抱える技術系の高度教育施設あり、その中の一角を占める IC & SR ビルの 4 つ
の部屋を使用して 4 つの技術セッションが開催された。IIT Madras の正門を入ると会議場
のビルまで車で 5 分以上かかり、参加者は朝バスでホテルから会議場にはいると夕方 5 時
まで缶詰という状況であった。
会議の参加者登録は、
19 日の 11 時から 15 時まで行われ、会議は 20 日朝 9 時から PIANC
会長 G.Caude 氏の挨拶で始まった。その後、スクリーンに先日逝去された合田先生の写真
が映し出され、ご逝去の報告と参加者全員での黙祷が捧げられた。
続く基調講演 1 では、当初 I.P.C.C.会長の R.K. Pachauri 氏が「気候変動の科学:海運産
2-4
業のための取組」と題する講演を行う予定であったが急遽出席できなくなり、米国工兵隊
水資源研究所副所長の Ms. Lillian Almodova が代理の基調講演者として、米国工兵隊の気
候変動に対する取組の講演を行い、その最後に R.K. Pachauri 氏のビデオメッセージが伝
えられた。講演 2 では、インド政府海運省局長兼局次長 R.Shrivastava 氏が「インドにお
ける港湾界発」と題する講演を行った。
写真1:開会時の会場の状況
(PIANC-COPEDEC VIII の報告ページから転載)
この後は、24 日の午前中まで、4 つの会場に分かれて論文発表が行われた。各会場とも 4
編の論文で1つのセッションの構成であった。1 つの論文には 25 分が割り当てられ、最初
の 2 分が論文名、発表者の紹介、20 分が論文発表、3 分が質疑となっており、各会場間を
移動して発表を聴くことも可能となっていた。各論文に対して活発な質疑が行われ、司会
は時間管理に苦労していた。発表論文は開発途上国からのものだけではなく先進国からの
ものも数多くあり、論文のレベルや内容、発表に際してのパワーポイントの作成技術、発
表技術は、千差万別であったが、これは開発途上国からの参加者にその差を感じてもらい、
更なる向上を促すとの意味合いもあるとのことであった。
2-5
写真2:技術セッションの質疑状況
会議 3 日目の 22 日は、午前に 1 つのセッションを行った後 11 時から夕方まで 3 つのグ
ループに分かれて技術視察が行われた。
1グループ:チェンナイ港
2 グループ:エノア港
インド東海岸に位置する主要港の一つで 1875 年開業
チェンナイ港の北約 24km に位置する火力発電用の石炭を
揚げる港でチェンナイ港の付属港湾の位置づけ
3 グループ:沿岸施設
世界第 2 の規模を誇るマリーナビーチ他
私はこの日の午後に CoCom の会合がエノア港内で開催されるため第 2 グループとともに
移動したが、チェンナイ港からエノア港の間は 24km しかないにも拘わらず、2 車線の凸凹
の道路を 40 フィートのコンテナを積載したトレーラーが両方向から極めてゆっくり進んで
いるため片道 2 時間半も要し、参加者は皆疲れ果てていた。
会議の全体総括については、国際組織委員会の委員長である Dr. Ranjit Galappatti も述
べているように、全世界から 300 人を超える参加者があり、多くの論文発表と活発な質疑
が行われたことから成功であったと言える。ただ一つの難点をあげれば、ロジが不十分で
あった。各参加者は空港に着いた後は会議関係者が到着ロビーで出迎え、各ホテルまで送
ってくれることになっていたが、ブースが出来ているわけでもなく担当者を見つけるのに
30 分以上を要したほか、ホテルから会場まで送ってくれるバスが予定の時間から 30 分遅れ
てきた上に全員が乗れず開会式に遅れそうになったり、技術視察の出発が当初予定より 1
時間半も遅れたりしたが、インドでの開催を考えるとこのくらいは我慢すべきことであっ
たのかもしれない。
次回は 4 年後にブラジルで開催されることになっており、日本からも更に多くの参加が
期待される。
2-6
3.海港委員会(MarCom, Maritime Navigation Commission)の報告
MarCom 委員
(社)日本港湾協会
港湾政策研究所所長代理
兼
企画部長
樋口嘉章
2011 年の海港委員会(MarCom)の活動状況について紹介する。
(基本的には、MarCom 年
次報告の日本語訳)
1. 全般
プログラム
2011 年に MarCom は、進行中の WG についてのフォローアップとともに、将来的な活動の
優先順位づけ議論した。25 回総会に際して行った質問票を整理すると、よせられた回答は
LNG ターミナル、RoRo 港湾、コンテナ・ターミナル、沖合港湾、タグによるアシスト、航
路の増深、構造物の補修などのいくつかの話題に集中している一方、船舶、港湾活動、港
湾計画、構造物設計、浚渫、さらにはメンテナンス、水理と堆積、環境、沿岸が散見され
た。MarCom ではこの情報をもふまえて、将来の WG のトピックを考えていく。
あまり多くの WG を一度に立ち上げることは考えておらず、定常的に進めていきたいと考
えている。
会議
2011 年 MarCom は 2 回の会議を開催した。
―2011 年 2 月 2~3 日
於ロッテルダム(蘭)
―2011 年 9 月 15 日 於ニューオリンズ(米)、
MarCom メンバーの交代
2012 年 1 月時点の MarCom メンバーは別添-1 の通りである。
11 年 5 月の AGA(ベルリン)で、MarCom の議長 Caude Geoffrois(仏)が会長に選出され
たことを受けて、9 月から MarCom の新議長に Mr. Francisco Esteban Lefler(西)が就任
した。
新たにイラン代表として、Mr. Ali Safaaei がメンバーとなった。また、インド代表の Mr.
S.S.Tripathi の後任として、Mr. Bhuvaragan Poiyaamozhi がメンバーとなった。
2. 発表
2 月の会議では、WG55 の議長 Mr. Thorensen が、
「石油・ガスタンカーの接岸作業の安全」
の報告書草案を、WG57 の議長 Mr. Verhagen が、「護岸被覆材の安定性」の報告書草案を発
表した。
9月の会議では、EG の議長 Mr. Caude が「内陸水運船舶による海港への直接アクセス」
3-1
の報告書草案を、WG49 の議長 Mr. McBride が「航路の水平鉛直寸法」を,
WG54 の議長 Mr. O’Brien が「港湾への安全なアクセスのための海象・気象情報活用」の報
告書草案を、発表した。
MarCom で議論を行い、最終報告書へ向けた意見を出した。
3. 出版物
2011 年には下記の2つの報告書が、出版すべく本部へ送られ、PIANC によって刊行され
た。
―WG56「ウォーターフロント防護へのジオテキスタイルの適用」議長 Mr. Voskamp
(Report113-2011)
MarCom の WG21 報告書「海洋環境下におけるジオテキスタイルを使用した順応性のある護
岸の設計と建設のためのガイドライン Guidelines for the Design and Construction of
Flexible Revetments Incorporating Geotextiles in Marine Environment」が出版されて
以来、沿岸域でのジオシンセティックの使用は増えてきている。港湾・水路の管理者にと
ってこのような構造が古典的な構造形式に替えて採択可能かを決めることは難しい。また、
ジオシンセティックをその他のウォーターフロントや海洋の構造物に採択可能かを決める
ことも難しい。このような状況を受けて本レポートは海洋環境下におけるジオテキスタイ
ルのウォーターフロント防護への適用についてのガイドラインを提供している。形式、荷
重条件、施工面、長期供用のための考慮事項などが概観されている。また、環境面につい
ても扱われている。
―WG57「護岸被覆材の安定性」議長 Mr. Verhagen(Report114-2011)
MarCom の WG21 報告書「海洋環境下におけるジオテキスタイルを使用した順応性のある護
岸の設計と建設のためのガイドライン Guidelines for the Design and Construction of
Flexible Revetments Incorporating Geotextiles in Marine Environment」が 1992 年に
出版されて以来、ブロック式護岸の設計ルールは大いに進歩してきている。ランナップと
越水に関する研究についての広範かつ国際的な調査が行われたほか、主にオランダで設置
されたブロックの安定性についての調査が行われた。この報告書で護岸被覆ブロックのお
もに波力に対する設計についての簡潔な概観がなされている。また、ブロック式のマット
についても扱っている。
4.MarCom ワーキンググループの進捗状況
PIANC で新しく電子媒体でレポートを公にすることとしたので、2012 年には例年よりも
多くのレポートを出すことができる見込みである。
・WG47「防波堤の形式を選ぶにあたっての基準」テキストはほぼ最終となっており、近々
発表予定。
・WG48「バウ・スラスターに関する港湾建設ガイドライン」議長 Mr. Sas が、リヴァプー
ルの会議で発表を行って以降、4 年経ち、また PIANC 会長の個人的な調停が行われたにもか
3-2
かわらず、レポートは出ておらず、解消となる恐れがある。しかし、出版に向けた努力が
行われている。
・WG49「航路の垂直・水平寸法」報告書の出版は 2012 年の予定。(別添-2)
・WG51「水注入浚渫」報告書の出版は 2012 年初め。
・WG52「コンテナ船の積み込み(降ろし)基準」報告書の出版は 2012 年初め。
・WG53「港湾における津波災害の緩和」9 月の会議で樋口日本委員より、「東日本を襲った
津波と巨大自然災害に対する備え」と題した特別発表があった。パリで行われた ExCom で、
2011 年 3 月 11 日の津波災害を扱った補遺を日本側で準備することが承認された。2012 年 2
月の ExCom において、スケジュールが報告される。
・WG54「港湾への安全なアクセス最適化のための海象・気象情報の利用」報告書の出版は
2012 年。
・WG55「オイル・ガスタンカーの接岸作業の安全性」報告書の出版は 2012 年初め。
・WG135「中小規模のコンテナ・ターミナルの設計基準」約 80%進捗しており、2012 年に
は報告書(案)を提出できる見込み。
・WG144「浚渫土・岩の分類」関連するトピックについての他の活動中の WG と接触を始め
ている。2012 年 2 月に発表予定。
・WG145「接岸速度と防舷材設計」2012 年 9 月に MarCom で目次(案)を議論した。作業が開
始されている。(日本から上田茂博士が共同議長として参画)
・EG146「固体バルク貨物の浮体積み替えターミナル」参加国が少ないため、EG 変更された。
・WG152「クルーズ・ターミナルのガイドライン」2012 年 9 月に MarCom で目次(案)を議論
した。とても活動的なグループ。
・WG153「海洋オイル・ターミナルの設計に関する勧告」アメリカの Mr. Ron Heffron が議
長となる。2012 年 9 月に MarCom で目次(案)を議論した。多くの参加があり、グループが大
きくなった。2012 年 2 月の会議で 2012 年 2 月の MarCom で、議題とする。
・EG160(前 WG50)
「港湾構造物の設計基準・ガイドライン概観」2011 年初めにキックオフ・
ミーティング。日本、ドイツ、英国、米国等からもメンバーを期待。
(日本からは国総研松
本英雄港湾新技術研究官が参加)
5.新しい WG
MarCom で議論された下記の ToR が 2011 年に ExCom で承認された。
―「既存港湾のマスタープラン」(WG158)
港湾のマスタープランは港の競争力にとって戦略的な道具である。マスタープランによっ
て、概念設計や詳細設計の段階に先立って、将来時間経過とともにどのように港湾を発展
させていくか、技術的、環境上、財政的観点からフィージビリティを確認する。港湾計画
は多方面からの検討の結果である。本レポートにおいては、(国によって変わる)行政的手
続きや規則・規制ではなく、概念・戦略面や手法に焦点を当てて、港湾計画の現況を批判
的にレビューする。そして、港湾の計画についてのガイドラインをまとめる。補遺におい
3-3
ては、ケース・スタディが紹介・コメントされる。
―「海港における再生可能エネルギー」(WG159)
多くの港は、現有の、または将来計画されているインフラを使って、また沿岸部の立地
上の利点を生かして、再生可能エネルギーを発展させる可能性のある場所に立地している。
本WGでは、再生可能エネルギー源を設置しようとする際、計画担当者へのガイド・助言
をまとめることを目標とする。特に焦点を当てるのは下記の点である。①港湾のインフラ
と共に、またはその中で実施可能な再生可能エネルギー装置の最新の状況についての批判
的レビュー
こと
②全体的潜在的な再生可能エネルギーを評価するための全般的基準を供する
③海洋における港湾インフラと再生可能エネルギーの関係に関して、商業的また
は実験的プロジェクトの実施のための助言を与えること
―「沖合の風力発電施設と海上航行の相互作用」(WG161)
環境にやさしい電力を増やすために、いくつかの沿岸国は、沿岸部-送電ロスを最小と
するために、できるだけ岸に近く-での発電を増やそうとしている。沿岸部では航路の間
または近くのため、船舶の航行との競合が起こりうる。発電のために大規模に沿岸部を使
わせることとなった場合、船舶航行にとってのリスクを最小化する必要がある。本レポー
トは、海洋における発電風車の近傍における船舶航行リスクの最小化に関するガイドライ
ンとなる。
以上の 3 つの WG は 2012 年に開始される見込みである。
新しく下記の TOR が 2012 年 2 月の ExCom に承認を求めて提出される。
―「海洋コンクリート構造物の耐久性・供用期間延長のための勧告」
このWGは世界中の海洋コンクリート構造物の所有者や設計者にガイドラインを提供す
ることが目的である。レポートでは、コンクリートの耐久性と供用期間に関する現存の基
準に加えて、単なるガイドラインとして考えられるべきものである。さらに、コンクリー
トを打設する際の品質管理を改善するとともに、構造物の供用期間中の品質管理と予防的
維持管理のための追加的な文書と考えられるべきである。
2010 年会議で実施した質問票に多くの回答をいただいており、いくつかの興味深い課題
も提案されている。これらについては現在 MarCom で議論されている。
6.ジョイント WG と専門家会議の進捗状況
MarCom の連絡員
・気候変動に関する常設タスク・グループ(PTG CC);Mr. Hunter
・Working with Nature(自然と調和した工事?);Mr. van der Weck(蘭)
・WG136「持続可能な海上航行」;Mr. Hauser(独)
・WG150「グリーン・ポート」;Mr. Ferrante(伊)
・WG140「内陸の水理構造物に関する半確率論的設計コンセプト」;
3-4
EG160「設計基準」の議長 Mr. Fernagu
・WG147「レクレーション、漁業、商業航海の間の調整のためのガイドライン」;
グループの再開後 2012 年に指名予定。
InCom との協力:「内陸水路航行船の海港への直接アクセス」2012 年 2 月の InCom で発
表が予定されている。
7.特別な活動
国際交通フォーラム(ITF, International Transport Forum)
MarCom は、ITFと協働する用意がある。ExCom におけるどのように ITF と付き合っ
ていくかの議論をふまえて、対応していく。
ウォーター・ディクショナリー
現在、MarCom のホーム・ページに各国語での用語対応辞書が公開されており、
PIANC,CEDA,IHO からの約 11000 語が掲載されているが、重複も見られる。
Mr. H.J. Verhagen の提案を受けて、MarCom はウォーター・ディクショナリーの再構
築に同意した。新しい枠組みでは 6 以上の言語に対応可能となる。それぞれの言語につ
いて校訂者が指名される。
8.MarCom の現場視察
2 月のロッテルダムでの会議翌日、マースフラクテⅡの工事現場を視察した。また、9
月のニューオリンズでの会議翌日、ハリケーン・カトリーナによる被害後の護岸や排水
システムの復旧状況の視察を行った。
9. その他
・2012 年の MarCom は 1 月 31 日~2 月1日にブリュッセル(白)で開催された。次回は 9
月 20 日にヴィルヘルムスハーフェン(独)で予定されている。
上で述べた津波レポートについては、3.11 の経験と教訓について、日本側でとりま
とめて、2010 年のレポートの Appendix とする提案が ExCom で認められたことをうけ
て、日本側から TOR を出した。これをもとに 2012 年 4 月に港湾空港技術研究所を中
心に作業グループが作られた。2012 年 9 月の MarCom で、報告できるよう、現在作業
が始められている。
・2013 年 9 月の MarCom については、日本の八戸(または仙台)で開催する予定となっ
た。
・MarCom のセクレタリーとしては、12 年 2 月から Mr.Jean-Bernard Kovarique(仏)の
後任に Mr. Dominique(仏)が就任した。
(2012/06/11 記)
3-5
(別添-1)The World Association for Waterborne
Transport Infrastructure
Maritime Navigation Commission - MarCom
Association Mondiale pour des Infrastructures de Transport
Maritimes et Fluviales
Commission de la Navigation Maritime - MarCom
List of Members of MarCom – September 15, 2011
Secretary: Jean-Bernard
Member: Hans
Mr. Jean-Bernard Kovarik
Ministry of Ecology, Sustainable
Development, Transport and Housing
Arche Sud
92055 La Défense Cedex
France
Mr. H.F. Burcharth
Professor Dr. Techn.
Dep. of Civil Eng.
Aalborg University
Sohngaardsholmvej 57
DK-9000 Aalborg
Denmark
Member: Peter
Member: Andrea
Mr. P.D. Hunter
HR Wallingford
Howbery Park
Wallingford
Oxon, OX10 8BA
United Kingdom
Mr. Andrea Ferrante
Ministry of Infrastructure
Transport
Via Nomentana 2
00161 Roma
Italy
Member: Luc
Member: Fer
Mr. Tore Lundestad
Port Director
Borg Haven IKS
Port Authority of Fredrikstad and
Sarpsborg
Øraveien 27
NO-1630 Gamle Fredrikstad
Norway
Member: Veikko
Mr. Luc Van Damme
Flemish Ministry of Mobility and
Public Works
Maritime Access Division – Coastal
Division
Vrijhavenstraat 3
B-8400 Oostende
Belgium
Member: Kjell
Mr. F.M.J. van de Laar
IAPH Europe
Spreenwendaal 6
2914 KK Nieuwerkerk IJssel
The Netherlands
Mr. Veikko Saukkonen
Port of Helsinki
P.O. Box 800
FIN-00099 Helsinki
Finland
Mr. Kjell Karlsson
Director of Port Infrasructure
Port of Stockholm
P.O. Box 27314
SE-102 54 Stockholm
Sweden
Chairman: Francisco
Mr. Francisco Esteban Lefler
Director
of
Innovation
Technology
Technical Services
FCC Construcción
Acanto 22, 4th Floor
28045 Madrid
Spain
Member: Arjan
Mr. Arjan van der Weck
Royal
Westminster/Hydronamic
Rosmolenweg 22
Postbus 209
Papendrecht
3350 AE
The Netherlands
Member : Tore
and
Boskalis
3-6
and
Member: Stefan
Mr. Stefan Hauser
Federal Ministry of Transport,
Building and Urban Development
Dienstsitz Bonn, Referat WS 12
P.O. Box 20 01 00
D-53170 Bonn
Germany
Member: Yoshiaki
Member: Dan
Member: Rafael
Mr. Yoshiaki Higuchi
Director of Planning Division
The Ports and Harbours Association
of Japan
Sumitomo Seimei Sanno Bldg. 8F,
3-3-5, Akasaka, Minato-ku,
Tokyo, 107-0052
Japan
Member: Bhuva
Mr. E.D. Allen
Director of Port Engineering
Moffatt & Nichol
3780 Kilroy Airport Way
Suite 600
Long Beach
California 90806
U.S.A.
Member: Adel
Mr. Rafael Escutia
Port Insight Consulting
Pl. Tirant lo Blanc, 3-6º-1ª
08005 - Barcelona
Spain
Mr. Bhuvaragan Poiyaamozhi
Development Advisor (Ports)
Ministry of Shipping
R. No. 537, Transport Bhavan
Parliament Street
New Delhi 110001
India
Dr. Adel Banawan
Associate professor
Naval Architecture and Marine
Engineering Department
Faculty of Engineering
Alexandria University
Alexandria
Egypt
Alternate Member USA: Vahan
Mrs Hadewych Verhaeghe
Flemish Ministry of Mobility and
Public Works
Maritime Access Division – Coastal
Division
Vrijhavenstraat 3
B-8400 Ostende
Belgium
Young Professional : Manuel
Mr. Vahan Tanal
President
Vahan Tanal Consulting, Inc.
6 Luquer Road
Manhasset
NY 11030
USA
Mr. Manuel Arana Burgos
Puertos del Estado
Av. del Partenón 10
Campo de las Naciones
28042 Madrid
Spain
Alternate Member UK: Stephen
Mr. Stephen Cork
Technical Director
Ports and terminal Planning
HR Wallingford
Howbery Park
Wallingford
Oxon, OX10 8BA
United Kingdom
Member : Ali
Mr. Ali Akbar Safaaei
Ports & Maritime Organisation
Building n°2
South Diddar Street
Shahid Haghani Highway
Vanak Square
Tehran
Iran
Observer
Young Professionnal : Kim
Mr. Kim Andersson-Berlin
Arcus Ltd
Linnankatu 16
FI-20100 TURKU
Finland
3-7
Young Professional: Hadewych
(別添-2)
2012.05.18 港空研 特研@高橋メモ
-
PIANC WG49 への対応について(日本の航路基準と合わせて)
-
1.日本の新航路基準の経緯
○1997-2004 日本の航路基準に関する検討会
日本海難防止協会,航海学会他/東京商船大
○2004.4
岩井先生,神戸商船大
本田先生の参加
「次世代の航路計画規準(2004)」日本航海学会規格委員会・国総研港湾研究部
東京海洋大,神戸大,鳥取大,北海道大,富山商船大,海上保安大学校
日海防,船主協会,船長協会,パイロット協会,航路標識協会,コンサル,国総研
○2004.11 PIANC
WG49 の設置
○2005.7
WG49 開始
PIANC
○2007.7 改訂版 「港湾の施設の技術上の基準」での位置づけ
2.PIANC WG49 これまでの経緯
第1回 WG
2005.07.08 (スペイン) 9名参加(日本1名参加)
・委員長 McBride 氏が欠席/自己紹介/会議目的の確認/各国からの状況説明/シミュレータ
見学
第2回 WG
2005.09.29 (ベルギー) 9名参加(日本1名参加)
・委員長 McBride 氏が出席-実質的に第1回
・WG30 を踏まえた検討課題の整理
・日本委員から
第3回 WG
および
プログラムデモにより日本提案の説明
2006.05.19 (ポルトガル) 12 名参加(日本1名参加)
・スペイン
第4回 WG
PPT資料
ROM3.1 の提案
/
日本
プログラムデモ
2006.11.10 (英国) 22 名参加(日本1名参加)
・報告書作成のための作業グループ(3Gr.)の設置
・この検討会から
第5回 WG
実質的な原稿作成作業の開始
2007.04.26 (米国 US Army Corps of Engineers)13 名参加(日本3名参加)
・全体会議および Vertical Dimension WG と Horizontal Dimension WG の開催
>日本提案全般について特に反論はなく,委員長他のメンバー理解は得られていると思
われる・・・.
第6回 WG
2007.10.25-26 (ベルギー) 19 名参加(日本3名参加)
・全体会議および Vertical Dimension WG と Horizontal Dimension WG の開催
>WG30 での方式を踏襲すべき,内容が高度・複雑である他
・第7回のWGに向けて
第7回 WG
日本提案に対する批判
日本案が提案されるべく各種作業・調整を実施
2008.4.17-18 (オランダ MARIN)20 名参加(日本3名参加)
・全体会議および Vertical Dimension WG と Horizontal Dimension WG の開催
3-8
・最終原稿の基本構成について
第8回 WG
概ね確定
2008.10.1-2 (フランス ルアーブル港湾局)21 名参加(日本3名参加)
・Vertical Dimension WG では 最終原稿の取り纏めについて議論
・Horizontal Dimension WG では WG30 の内容と日本案,スペイン案の仕切について議
論また
第9回 WG
本編と付録との仕切についても議論
2009.5.11-12 (ロンドン)16 名参加(日本1名参加)
・Horizontal Dimension WG では 再度 取り纏めの方向について議論
>スペイン案の原稿提出なし
第 10 回 WG
2009.10.19-20 (ドイツ)23 名参加(日本2名参加)
・事前に配布される原稿案に基づき
第 11 回 WG
2010.3.18-19
最終取り纏め方向およびスケジュールの確認
(南アフリカ)7名参加(日本の参加なし)
・最終案のとりまとめ
第 12 回 WG
2010.6.17-18
・報告書の構成
(オランダ)16 名参加(日本から3名)
本編:1~3章
付録:A~G
+
日本の計算プログラム
1章
全体概要
2章
航路水深設計法
前回は記載無し
3章
航路幅員設計法
前回の設計手法の改良+新設計法
第 13 回 WG
2010.11.4-5
(ベルギー)
日本からの参加なし
・報告書のとりまとめ??
・事前に Rink 氏から修正資料修正の指示あり
・事後に
J-Fairway の送信
第 14 回 WG
2011.5.16-17
稼働に際してのトラブルあり
(ロンドン)
日本からの参加なし
・Final Meeting
○MarCom
2011.9.15-16
(USA ニューオリンズ)
・委員長 McBride 氏から MarCom 委員への最終報告書の提示
但し1,6章,3章の一部,App.A,B,G未提示(なおGは修正中)
・12 月を報告書の完成見込として提示 (I have suggested an anticipated completion date
of December.)
・プレゼンテーションに対して MarCom 委員は了解 なお 今月後半にはコメントが提示
される
・日本
樋口委員から日本側の主張を発言
**最終報告案において日本提案の内容で採択された主要な部分
【日本の技術基準から採択された内容
①船舶諸元の具体的数値
②風圧面積の算定式
③航路水深での波による影響の算定手法
3-9
④Squat 算定の一手法としての芳村の式
⑤航路幅員での従来方式に対する新設計手法
⑥航路屈曲部での具体的算定手法
⑦航路設計プログラム(国総研プログラム J-Fairway)・・・
本文に引用明記
【日本の技術基準以外から採択される内容
①Air Draught に関する概念および具体的数値 (国総研報告で提案した指標 Hkt の採択)
3.今後の対応
・2011.12 において 報告書の HP 上の提示なされていない
・2011.5 段階においても
>WG49 の首領
今なお原稿の調整中
ドイツのワーナ氏の我が儘と座長の McBride 氏のサボりが原因!
・今後の見通し不明
3-10
4.環境委員会(EnviCom)報告
(独)港湾空港技術研究所
研究主監
中村
由行
1.会議日程
第 35 回会合
2011 年 9 月 22~23 日:ロッテルダム(MAASVLAKTE2の視察含む)
第 36 回会合
2012 年1月 31 日(火)~2 月 1 日(水)@ブリュッセル PIANC 本部会議室
2.第 36 回会合の主要な議事(35 回の内容は重複するため省略)
(1)議題の確認
(2)委員の交代の確認
フィンランド及びインドからの新メンバーの紹介
ほかにオーストラリアから新メンバー加入予定
委員長(H.Koethe)及び副委員長(E. Russo)の再任の承認
(3)前回議事録、アクションポイントの確認
(4)各 WG や TG の活動状況確認
a)”Working with Nature”(自然との共生)の取り組み
・PIANC 全体の環境への取組のスタンスを示す position paper
・”Working with Nature”の関連した取り組みの紹介との差別化
オランダ EcoShape での”Building with Nature”
米国での”Engineering with Nature”の取り組み紹介(米国委員から)
・中村が日本語訳のほか、中国語・韓国語訳のコーディネーター担当
中国語・韓国語訳を含め、PIANC ホームページに update
・”Working with Nature Award”への取り組み(詳細は別紙参照)
ExCom での承認に向けた作業と今後の予定確認
候補となるケーススタディーの Web でのデータベース化
Corresponding member として国総研古川新技術研究官が参加
b)気候変動(地球温暖化)関するパーマネントタスクグループ PTG の取組み
・国総研鈴木沿岸海洋・防災研究部長が委員として参加
・2011 年 1 月 31 日・2 月 1 日に kickoff meeting がブリュッセルで開催
目標である報告書の概要等を議論
・今後は、Teleconference のほか、AGA や EnviCom 会合にあわせて会合予定
c)WG 活動報告
・WG16:航路と魚介類生息場の WG について、長らく休止状態であったが、新
たな Chairperson として Jan Hoover 氏(ERDC)が決まり、新たな TOR 作
成に向けて準備中
4-1
・WG136:持続可能な海運に関する WG。日本からは不参加
・WG143:環境影響評価にかかわる WG(国総研岡田室長が委員)
メンバーによる活発な情報交換活動が既に開始されている
・WG150 :EcoPort に関連した WG の開始
元港空研白石氏が委員として参加、今後の継続参加を要確認。
アジア地区での取り組み紹介が期待されている
・WG157 :サンゴ礁まわりの浚渫や港湾建設
日本人メンバー募集中
・その他パートナーWG(他の委員会付属の WG への参加)
河港委員会 InCom の WG128 を中村が担当
Chairperson が病気のため、活動が中断中(現在、新たな委員長を選任中)
(5)国際的・地域的なセクターへの情報交換
・European Commission WG on Rivers について、積極的な関与を確認
・LONDON 条約対応
浚渫土砂評価のガイドラインについて、EnviCom 委員長から積極的にガイド
ライン改訂に関してコメントすべきとの発言があった。5 月に韓国で開催予定の
ロンドン条約科学者会合にて、EnviCom からの出席者(米国委員)に対して発
言を要請
・OSPAR 条約に関する取り組みの報告
OSPAR の浚渫土砂ガイドラインの改訂へのコミットメント
(6)他の関連した他協会等の取組の紹介と協力関係の構築
ASCE、CEDA などの会議や取り組みの紹介
(7)PIANC ExCom 及び他の常設委員会や会議予定の報告
前回 ExCom 会合の報告と、次回会合(AGA、バレンシア)での準備
他の PIANC の委員会や会合予定の確認
(8)PIANC 内外への環境委員会の取り組みの広報
EnviCom の website の準備状況報告
news letter 電子版の発行、PAINC 年鑑 year book
(9)関連した他協会等の取組の紹介と協力関係の構築
・European Commission WG on Rivers について、積極的な関与を確認
(10)次回以降の開催地・開催時期等の決定
2012 年 10 月4~5日:コブレンツ(ドイツ)
2012 年 2 月:ブリュッセル(予定)
2013 年 9 月:オーストラリア(予定)
4-2
Working with Nature Award について
EnviCom 日本委員
港湾空港技術研究所
中村由行
1.Working with Nature とは?
PIANC 全体の環境への取組のスタンスを示す position paper
EnviCom が原案を作成し、ExCom で承認。2010 年 PIANC_Japan 総会でも内容紹介。
2011 年に改訂し、その日本語訳は中村が担当(PIANC ホームページに掲載)
www.pianc.org/workingwithnature.php
主要な考え方
1) プロジェクト計画段階からの対象水域の環境特性の把握
2) プロジェクト関係機関・団体の計画段階からの参画による win-win な解決
3) プロジェクトの目的の達成と環境保全の両立を目指した計画の推進
2.Award のねらいと手順
Working with Nature の考え方を活かした港湾関連のインフラ整備プロジェクト等に対
してそれを顕彰し、Working with Nature の理念の普及を図る。
手順:PIANC WwN データベースへのプロジェクト応募(内部のみ閲覧)
→審査委員会による審議(6 カ月おき?にメイル審議)
→WwN の理念に沿うプロジェクトの認証 Label of recognition
→WwN のオープンサイトへの掲載
→認証されたプロジェクトの中から、2 年または 4 年おきに Award(3 件程度)選定
→Award winner による PIANC Congress での発表
3.準備状況(2012 年 5 月 21 日開催の ExCom での承認時点)
Working with Nature の corresponding group の結成
(Chair: J. Brook)
候補になりそうなケーススタディーの収集とデータベースの作成
Awarding の準備
審査委員会メンバーの選任 Jury member
各常設委員会 EnviCom、MarCom、InCom、RecCom から選任(現在 6 人態勢)
+オブザーバー
Label of recognition 認証制度
認証ロゴ
今後のスケジュールの案
一連の手順案を確定(6/30 ごろまで?)
審査委員会による予備的な審査・審査規定の整備(~9/1 頃)
ExCom での認証制度の確定(~9/15 頃)
公募開始(10/1 頃~)
関連機関への周知・広告
次期 EnviCom での審議(10/4)
4-3
4.現在データベース用に収集したプロジェクト
Flood Spillway Rees, River Rhine, Germany
The Broads, Norfolk & Suffolk, UK
Thorsminde Harbour, West coast of Denmark
Lengthening of “Grand Canal du Havre” adjacent to a nature reserve, Le Havre Port,
France
4-4
5.MarCom WG145 (接岸速度と防舷材の設計)報告
(株)いであ 技術顧問
上田 茂 WG145「Berthing Speed and Fender Design」の活動
1. 船舶接岸用防舷材の役割
船舶接岸用防舷材は船舶接岸エネルギーを吸収し接岸力を和らげる目的で
主に岸壁に設置される.
船舶の大型化に伴い,もっぱら高性能ゴム防舷材が用いられる.
60
Tanker Ship vs. Fender
ESSO PACIFIC (51.6)
50
GLOBTIC TOKYO 48.5)
40
THE OKINOSHIMA MARU( 25.4)
30
THE IDEMITU MARU(20.9)
20
HYPER CELL
THE TOKYO MARU( 15.9)
SUPER CELL
THE TOKYO MARU(13.9)
10
0
1940
CELL
(2.8)
CYLINDRICAL
1950
SUPER ARCH
1960
SUPER M
1970
year
5−1
DYNA ARCH
1980
1990
上田 いで あ 2 01 0.8 .24
京葉シーバース
建造年
2006
2006
2006
2006
2006
2006
2006
2006
2006
2003
2005
2006
2001
コンテナ積載可能TEUによる世界のコンテナ船の大きさ
船幅
総トン数 重量トン数
船名
全長(LOA.)
喫水(d) 最大TEU
(Beam)
(GT)
(DWT)
Emma Mærsk
397.7
56.4
15.5
14,500
170,794
156,900
Georg Mærsk
367.3
42.8
9.3
10,150
97,933
115,700
CSCL Le
336.7
45.6
10.2
9,572
107,200
102,200
Havre
Cosco Beijing
350.0
42.8
13.5
9,469
109,149
107,504
CMA CGM
351.0
42.8
11.9
9,415
107,898
108,000
Fidelio
NYK Vega
338.2
45.6
12.4
9,200
97,825
103,310
MSC Esthi
MSC
Madeleine
Hannover
Bridge
Arnold Mærsk
Gudrun Mærsk
Hatsu Smart
Hatsu Eagle
336.7
45.6
11.9
9,178
107,849
110,838
348.5
42.8
10.6
9,113
107,551
107,200
336.0
45.8
13.0
9,040
98,747
99,500
352.6
366.93
299.99
299.9
42.8
42.8
42.8
42.8
14.0
15.0
14.2
13.5
9,310
8,500
7,024
6,332
93,496
97,933
75,246
76,067
HATSU
SMART
5−2
船主/船籍
Maersk Line/Denmark
Maersk Line/Denmark
Danos Shipping/Cyprus
Costamare Shipping/Greece
CMA CGM/France
NYK/Panama
MSC(Mediterranean Shipping
Company S.A.)/Panama
MSC(Mediterranean Shipping
Company S.A.)/Panama
K-Line/Panama
93,496
Maersk Line/Denmark
1,157,000
Maersk Line/Denmark
78,693
Hatsu Marine/United Kingdom
75,898
Halifax Leasing /United Kingdom
EMMA Maersk
いずれも平行舷(Parallel side)が極端に小さいのが特徴.
2. 防舷材に関わる研究会の経緯
係留施設における防舷材の設計に関する研究は,第二次世界大戦以後欧米で
本格的に始められた.
我が国ではこれより 10 年ほど遅れて研究が開始された.
2.1 第 18 回国際航路会議(PIANC)1953
1953 年,ローマで開催された第 18 回国際航路会議(PIANC)において,
係留施設の防舷材の設計に関する議題が取り上げられ,イタリア,ドイツ,ベ
ルギー,アメリカ,フランス,オランダ,ポルトガル,イギリスの各国から合
計 10 編の論文が提出された.
論文の内容は
(ア) 各国の係留施設における防舷材の状況
(イ) 船舶に作用する風荷重,潮流による荷重
(ウ) 係船ドルフィンの抵抗試験
(エ) 接岸時に係船岸およびドルフィンに作用する荷重の計算
(オ) その他,防舷材の設計に関する事項
論文の内容から判断すると,当時の防舷材の主流は木材であった.当時,目
新しいものとして,ベル式の重力式防舷材,鋼管杭式ドルフィンなどであった.
この会議で提案された接岸時に係船岸およびドルフィンに作用する荷重の
5−3
計算法は,長く防舷材の設計法の基本として用いられている.
2.2 防舷材分科会 1954
我が国では PIANC における論議を契機に,係留施設における防舷材の設計
法を確立するための研究が開始され,1954 年に防舷材分科会が運輸省港湾局
のワーキンググループとして発足した.防舷材委員会においては,PIANC の
成果を取り入れ,弾性防舷材の設計法を取りまとめた.また,ゴム防舷材の材
質基準を設定した.この間建設局において,防舷材に作用する接岸エネルギー
および衝撃力の実船観測が行われている.また,新しい防舷材の開発が進み,
吸収エネルギー性能が良い V 型のゴム防舷材が開発され,神戸港に設置された.
この種の防舷材は定反力型防舷材(座屈型防舷材ともいう)と呼ばれるもので,
ゴム防舷材の初期の変形に対して反力の増加が大きく,かつ,定反力領域を有
するので,単位反力あたりの吸収エネルギーが大きいという特徴をもつ.吸収
エネルギー当たりの反力が小さいので低反力型ともいわれる.以来,ゴム防舷
材の開発は,より吸収エネルギー性能が良い定反力型ゴム防舷材開発の方向に
進み,その後,1970 年前後に,H 型,セル型,サークル型,パイ型,また,
これよりあと,反力漸増型の ABF-P,などの大型防舷材が開発され,今日に
至っている.
図-1
防舷材の変位復元力特性と吸収エネルギー
5−4
2.3 NATO 国際研究集会 1965,1973,1986
船舶の接岸および係留に関する研究は,大型船の就航を契機に再び活発に行
われ,接岸操船および係留船舶の動揺観測などが各方面で実施された.NATO
(北大西洋条約機構)は,1965 年リスボン,1973 年イギリスのウォリングフ
ォード,
1986 年 9 月にノルウェーのトロンハイムで国際研究集会を開催した.
2.4 第 24 回 PIANC 通常総会 1977
1977 年 6 月当時ソ連のレニングラードにおいて第 24 回 PIANC 通常総会が
開催され,議題4(SⅡ-4)で,「桟橋および岸壁の弾性度を考慮に入れた,
超大型船や高速コンテナ船,その他の大型船のための防舷材の設計について」
が取り上げられ論議された.
2.5 Fender Commission 1981-1984
これを受けて,ベルギー,イギリス,フランス,オランダ,ポルトガル,西
ドイツ,アメリカ,日本の代表者で構成される「Fender Commission=防舷材
委員会,ランゲフェルド委員長(オランダ)」が設置された.
1981 年のエジンバラにおける第 25 回 PIANC 通常総会において中間報告を
行い,ついで,1985 年のベルギーにおける第 26 回通常総会において最終報告
書を提出している.
その間実に 15 回もの委員会を開催し熱心な討議を行った.
我が国からも,開催されたほとんどすべての委員会に代表者を派遣し,PIANC
国内委員会に「防舷材委員会,松並仁茂および石渡友夫委員長」が,運輸省港湾
局,農水省水産庁漁港部,運輸省港湾技術研究所,同船舶技術研究所,防舷材
メーカーからのメンバーによって構成され,ブリュッセルにおける本委員会に
先立って,日本における防舷材の現状を取りまとめた英文の報告書を提出した.
また,和文の報告書をとりまとめ,我が国の港湾および漁港関係者に配布した.
2.6 PIANCWG33 1996-2002
1996 年に PIANCWG33(Paul Lacey 議長(イギリス))が設置され,同年 7
月に第 1 回会議がロンドンで開催され,以降,ブラッセル,ロッテルダム,ビ
ルバオ,ローマなどで開催された.我が国は代理出席(2 回)を含め毎回出席し
た.また,運輸省技術課,港湾技術研究所,防舷材メーカーからなる国内委員
会 WG を設置して我が国からの提案を行った.2000 年 12 月 22 日に Final
Draft が作成され議長から各委員に送付され,1 月 12 日を期限にコメントを要
請された.日本委員会 WG はすべてのコメントを取りまとめ送付した.その後,
議長から問い合わせがあり,ロッテルダムにおいて議長のポール・レーシー,
オランダのメージャー,上田の三人が最終 WG を行い,日本の提案を報告書に
5−5
取り込むことを最終確認した.WG33 の主要な目的は以下の課題である.
1. 1984 年に出版された Fender Commission の報告書 9)の記述内容を更新し,
改訂する時期である.
2.高性能防舷材が開発されているが,メーカーがカタログなどに提示してい
る性能に関わる試験法がまちまちで,国際的にも統一されていない.
3.防舷材の性能評価に荷重速度影響,温度影響を考慮すべき.
4.設計法において,仮想質量係数公式を再検討し集約する.
5.防舷材目録を作成(最新情報).
6.設計に関わる定数,例えば安全係数などを検討する.
7.船側外板圧の再検討.
8.接岸速度の検討と提示
9.RO/RO 船,コンテナ船,フェリーバースなど特殊ケースに関する情報の提
示.
主要な課題について概要を述べる.
① 防舷材性能試験法および性能評価
今日まで,防舷材の性能試験は実物を圧縮試験機などで低速で載荷し,試験
から得られた荷重と変位の関係から防舷材の吸収エネルギーを算出し,性能評
価していた.この試験法に対して,海外メーカーの一つが防舷材の実物を設計
接岸速度相当の速度で圧縮するべきであると提案した.このメーカーの製品は
いわゆるユニット型といわれるもので,構成部材の一部分のみを試験して性能
評価する.したがって,反力もさほど大きくないので,通常の載荷試験機でも
十分対応できるものである.高速で載荷すると部材反力に速度影響が現れ,同
一変位に対しては低速載荷時より反力が大きくなる.そのことにより,反力は
増加するものの,防舷材の吸収エネルギー性能が向上する.速度影響について
はこれまでも認識があり,これを性能評価に取り入れることについては国内委
員会 WG においても了解したが,問題は実物大試験機であった.
ユニット型の場合には最大反力は高々1,000kN 程度であるが,我が国で製造
される超大型防舷材では最大反力が 5,000kN を超えるものがあり,一部には
10,000kN のものもある.この実物を設計接岸速度で載荷することは困難であ
る.我が国では,従来高速載荷に伴う速度影響は縮尺模型で試験し,ひずみ速
度を導入した相似則に基づいて実物に適用している.したがって,すべての防
舷材に実物大試験を適用することに異議を申し立て,かなり時間を掛けた議論
の後,実物大試験と縮尺模型による試験の二方法を試験法として併記すること
を提案した.
5−6
② 接岸速度と安全係数
船舶接岸用防舷材の設計において最も重要な設計条件は船舶接岸速度であ
る.船舶接岸速度は,バースサイトの自然条件,接岸の容易性,接岸方法,船
舶種類,タグボートの使用,接岸頻度,係留施設の外観,貨物種類,風圧面積,
人的要因などに影響される.今日まで接岸速度の実測例は極めて少なく,古典
的文献,経験などに基づいて決められている実情である.この WG において,
英国基準(British Standard)に基づく安全係数が提案され,この数値の妥当
性について白熱した議論が展開された.デンマークの Burcharth 教授が信頼性
理論に基づく安全性に関する理論を提示した.日本部会からは上田教授が大型
タンカーの接岸速度データ,第二港湾建設局が実施した一般貨物船の接岸速度
データなどを提示し,接岸速度の特性値と安全性係数の関係について見解を示
した.特性値,すなわち変数の平均値あるいは 95%信頼値に対する安全性係数
は異なるので,設計接岸速度の特性値を明確に規定しなければならない.結局,
この WG 報告書では BS に規定されている安全係数をそのまま掲載することに
なったが,今後検討が必要である.
③ 設計細目
議長が英国代表であったことから,この報告書の記述には BS の規定が随所
に見られる.たとえば,防舷材のフレームに用いる鋼材の最小板厚について,
当初 JIS には規定されていないものが当初提案された.このことについて日本
は,詳細にすぎるとの意見を述べていたが,当初は相手にされていなかった.
WG の後半になって,貢献度の高かった議長国,オランダ,日本,ノルウェー
などの主張が取り入れられ修正された.
④ 船舶諸元の解析
港湾技術研究所の赤倉康寛氏による船舶諸元の解析結果 13)を資料として提
示した.この資料は高く評価され,Appendix C として収録された.
⑤ 防舷材目録の作成,設計事例の提示
日本委員会 WG のメンバーの努力により,資料が提示された.
5−7
2.7
PIANCWG145 2010-2013
2010年WG145が設置され,再度防舷材の設計にかかわる検討がなされるこ
とになった.このWGでは,日本の上田 茂 鳥取大学名誉教授と,イギリスの
Mike Harrison氏が共同議長を務め,船舶の接岸速度に関わる情報収集と設計用
値の提案,防舷材の設計について取りまとめる.1984年及び2002年にPIANC
の報告書あるいはガイドラインが作成されているが,近年の船舶の大型化に伴
い,これらの報告書に記載されている船舶接岸速度を実態に合わせて見直し,
設計に反映させる目的で,前回のWG33からおよそ10年で改めて検討すること
となった.コンテナ船やバルク船の急激な大型化に伴い,主としてヨーロッパ
の主要港における限られた水域での接岸操船と防舷材の設計が重要課題として
浮上したものと考えられる.
表-1は国別のメンバーと所属、出席記録である.MarComのメンター(調
整役)を含めて24名で,所属別に見ると,政府・港湾管理者5名,学識経験者2
名,防舷材メーカー及びコンサルタント7名,建設コンサルタント及び建設会社
9名という構成である.出席者の自己紹介によると,建設コンサルタントが多い
ことの理由の一つに,この分野への進出に関心を持っていることが考えられる.
防舷材メーカー-はトレレ社から2名,日本メーカー(ブリヂストン、住友ゴム
工業)から2名,他の3名は防舷材コンサルタントである.
表-1
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
PIANC
WG145
メンバー及び出席記録
Bremer
Bremer
Brussels
Brussels
Brussels Antwarpen Brussels
Brussels
Haven
Haven
Belgium
Belgium
Belgium
Belgium
Belgium
Belgium
Germany Germany
2010 11 29 2010 11 30 2011 3 16 2011 3 17 2011 11 22 2011 11 23
2012 4 25 2012 4 26
Presence Presence Presence Presence Presence Presence Presence Presence
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
Member
Shigeru Ueda
JPN M,C AC
Mike Harrison
UK M,C FC
Pierre Francois Demenet FRN
M
C
Jacques Failly
FRN AL
FM
Steave Buchanan
AUT CR
C
Seigi Yamase
JPN
M
FM
○
○
Elizabeth C. Burkhart
USA YP
C
○
Kecin Matakis
USA AL
C
○
○
Christopher J Forgan
UK
CR
FC
○
○
○(behalf)
Ollero Juan
DEU
M
C
○
○
Christian Hein
DEU
M
AD
○
○
○
○
Tom van Autgaerden
BEL YP
AD
○
○
○
○
Leon Groenewegen
NLD
M
C
○
○
○
○
○
A. Roubos
NLD YP
AD
○
○
○
○
○
○
Marco Gaal
NLD AL
FM
○
○
○
○
○
○
Carl August Thoresen
NOR
M
AC
○
○
○
○
Svein Ove Nyvoll
NOR
M
C
○
○
○
○
Patrick Friede
DEU YP
C
○
○
○
○
Joep Wiffels
NLD
M
C
○
○
M
AD
○
○
○
○
Elena Rodorigues La Ossa ESP
Ignacio Trejo Vargas
ESP AL
AD
Mark Fowler
UK
CR
FM
○
○
Kazuya Narukawa
JPN
M
FM
○
○
○
○
○
○
A. van der Weck
NLD Ment MarC
○
○
M;Member,AL;Alternative,CR;Corresponding Member,YP;Young Professional,Ment;MarCom Mentor ,C;Co-Chairman
AC;Academic,AD;Government and/or Port Authority,C;Consultants,FM;Fender Manufacture,FC;Fender Consultants
5−8
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
-
-
○
○
3.
防舷材の設計
船舶接岸用防舷材は,接岸時の防舷材の変形とそれに伴って生じる反力によ
る吸収エネルギーが船舶接岸エネルギーを下回らないよう設計される.
船舶接岸エネルギーは,船舶質量、接岸速度、付加質量、偏心係数を変数と
して次の算式で与えられる.
ES d =
1
2
M d vd C m d Ce d C s d Cc d
2
(3.1)
ここに,
E S d = 接岸エネルギー E S の設計用値(kNm)
M d = 船舶質量 M (=displacement)の設計用値 (ton)
vd = 接岸速度 v の設計用値 (m/s)
Cm d = 仮想質量係数 C m の設計用値
Ce d = 偏心係数 Ce の設計用値
Cs d = 柔軟性係数 C s の設計用値
Cc d = バースの形状係数 Cc の設計用値
一般に設計用値は特性値に部分安全係数を乗じて得られる.
Fd = γ F Fk
(3.2)
ここに,
Fd = 要因 F の設計用値
γ F = 要因 F の部分安全係数
Fk = 要因 F の特性値
柔軟性係数 C s とバースの形状係数 Cc は 1.0 とする.
なお,現行設計では(3.2)式の Fk を確定し, γ F を 1.0 としている.安全率は
特性値の与え方によって異なり,1.0~2.0 の範囲である.
5−9
船舶質量、接岸速度、付加質量、偏心係数は対数正規分布に従い, DWT と
の相関式が得られる.
X=PX・DWTa
Confidence 50%
20 0000
Vb = PVb ⋅ DWT −0.338
0 .200
Vb(m/s)
PDT
μ=2.131 σ=0.156
10 0000
Confidence 95%
Confidence 90%
0 .250
DT = PDT ⋅ DWT 0.957
15 0000
DT
Confidence 75%
5 0000
PVb
μ=2.040 σ=0.714
0 .150
0 .100
0 .050
0
0 .000
0
2000 0
40000
60000
8000 0
100 000
1200 00
0
10000
20000
DWT
30000
40000
5 0000
DWT
2.2
0 .60
2.1
0 .55
1.9
Ce
CM
2.0
CM = PCM ⋅ DWT 0.022
1.8
1.7
0 .50
Ce = PCe ⋅ DWT 0.015
0 .45
PCM
μ=1.491 σ=0.054
1.6
1.5
0
20000
40000
60000
8 0000
100000
PCe
μ=0.621 σ=0.019
0 .40
120000
0
2 0000
40000
DWT
図-2
60000
800 00
10 0000
120000
DWT
9
船舶質量、接岸速度、付加質量、偏心係数と DWT の相関
一方,防舷材の吸収エネルギーも正規分布に従う.図-○は,ある防舷材の吸
収エネルギーのカタログ値に対する比の度数分布と確率密度関数である.
図-3
防舷材製造誤差係数 Z の確率分布
5−10
防舷材の設計に関わる各要因が DWT の関数で与えられるので,性能関数 G
は次式与えられる.性能関数 G が負のとき,防舷材は破壊する.
(
G = γ Z ⋅ Z k ⋅ E cat − 1 / 2 ⋅ γ PDT ⋅ PDTk ⋅ γ PVb ⋅ PVbk
γ X = (1 − α X βT VX )
∑σ
2
X
μX
)
2
⋅ γ PCM ⋅ PCM k ⋅ γ PCe ⋅ PCek ⋅ (γ DWT ⋅ DWTk )
(3.3)
0.288
(3.4)
i
Xk
≅ ∑ (α X σ X )
∑ (α
X
(3.5)
) 2 = 1.0
部分安全係数 γ X は一次ガウス近似法、FORM などを用いて算出できる.ここ
に α X は感度係数で,この値が大きい要因は性能関数に及ぼす影響が大きい.
表-2 は計算の一例であるが,接岸速度 PVb の感度係数が-0.961 で支配的である.
ついで,入港船舶の DWT の感度係数が大きい.これは,これらの変数の変動
係数(標準偏差/平均値)が大きいことを意味する.
表-2
感度係数,安全性指標,部分安全係数の計算例
μX
Z
0.997
P DT
2.131
P Vb
2.040
P Cm
1.491
P ce
0.621
DWT(35,000) 30265
σX
0.031
0.156
0.714
0.054
0.019
15117
VX
0.031
0.073
0.350
0.036
0.030
0.499
αX
βT
0.044
-0.103
-0.961
2.203
-0.051
-0.044
-0.194
γX
0.997
1.017
1.741
1.004
1.033
1.214
βTO
2.600
γXO
0.996
1.020
1.875
1.005
1.003
1.252
以上のように,船舶接岸用防舷材の設計において、接岸速度が最も重要な要
因であり,またその確率的特性が接岸施設および接岸船舶の安全性に関わるの
で,接岸速度の実測データを収集し,設計に反映することとした.
5−11
4. 接岸速度の基準値と安全性
図-4
船舶接岸速度の提案値、規準,測定値の事例
図-4 は,接岸速度の Brolsma の提案値(図の曲線),スペイン規準(3 種、DWT
に対して 3 段階),英国規準(1 種、DWT に対して 4 段階),守屋の実測値の平
均値を示したものである.接岸速度に関わる要因は多種・多様であるが,スペ
イン規準および英国規準は Brolsma の提案値をもとに定められているといえ
る.守屋の測定値は Brolsma の,よく遮蔽された操船しやすい条件(一点鎖
線)の 1/2 から 2/3 程度である.英国規準では,算出した接岸エネルギーに表
-3 に示す異常接岸速度係数を乗じて設計接岸エネルギーを求めるが,この場合
の接岸速度などの特性値は平均値である.
表-3
異常接岸係数(エネルギーに乗ずる)
Factor for Abnormal Berthing Impact
(C ab ) -Safety Factor
Tanker and
Largest
1.25
Bulk
Smallest
1.75
Largest
1.5
Container
Smallest
2
General Cargo
1.75
Ro-Ro and Ferry
2.0 or
5−12
表-4 信頼度に対する接岸速度および接岸エネルギーの比率
(接岸速度の平均値で算出した接岸エネルギーに対する係数)
接岸速度
変動係数(δ=σ/μ)
信頼度50%
信頼度75%
信頼度90%
信頼度95%
信頼度99%
接岸エネルギー
変動係数(δ=σ/μ)
信頼度50%
信頼度75%
信頼度90%
信頼度95%
信頼度99%
0.1
1.00
1.07
1.13
1.16
1.23
0.1
1.00
1.14
1.27
1.36
1.52
0.2
1.00
1.13
1.26
1.33
1.47
0.2
1.00
1.29
1.58
1.77
2.15
0.3
1.00
1.20
1.38
1.49
1.70
0.3
1.00
1.45
1.92
2.23
2.89
0.5
1.00
1.34
1.64
1.82
2.17
0.5
1.00
1.79
2.69
3.32
4.69
1
1.00
1.67
2.28
2.65
3.33
1
1.00
2.80
5.21
7.00
11.09
*μ
*μ
*μ
*μ
*μ
*μ*μ
*μ*μ
*μ*μ
*μ*μ
*μ*μ
表-4 は接岸速度の平均値を設計用値として接岸エネルギーを算出し,これに
異常接岸係数 2.0 を乗じた接岸エネルギーの信頼度を示したものである.信頼
度は変動係数に依存し,変動係数が大きいほど信頼度レベルが低下する.例え
ば変動係数δ=0.2 の場合では,異常接岸係数 2.0 を乗じて設計した防舷材の
信頼度 95%程度であるが,変動係数δ=0.5 の場合には信頼度は 75%にしかな
らない.変動係数δ=0.5 の場合とき防舷材の信頼度を 95%または 99%にする
には平均値を設計用値として算出したエネルギーに対する安全係数を 3.3 倍ま
たは 4.7 倍にしなければならない.
このようにシステムの安全性は変動係数に依存するので,単純に安全係数を
乗じても安全性は保証されない.異常接岸係数を 2.0 取っても十分安全とは言
い切れない.
信頼性設計では次式で与えられる安全性指標 β を用いて信頼度を評価する.
β=
μG
σG
(3.6)
Pf = 1 − Φ(β )
(3.7)
ここに
β =安全性指標
μ G =性能関数の平均値
σ G =性能関数の標準偏差
Pf =破壊確率
Φ (β ) =正規確率分布
である.
5−13
図-5 は安全性指標の定義を示したものである.横軸は性能関数 G でその平均
値 μ G は零よりかなり大きく μ G = β ⋅ σ G である.縦軸は性能関数の確率密度で
ある.性能関数の値が負のときシステムは破壊する.図の左裾の斜線部の面積
は破壊確率である.安全性指標 β は性能性能関数 G の平均値 μ G と零との距離
を示す指標で,性能性能関数 G の平均値 μ G と性能関数の標準偏差 σ G の比で表
される.
図-5
0.025
安全性指標の定義
破壊確率
Definition of0.2Safety Index 0.3
安全性指標β
5
4
Pf=1-Φ(β) 0.00000029 0.00003170
1
1
0.15865500
G
μμ
Z
0.02
Density of Probability
0.5
2
0.02275000
0.015
βσ
G
βσ
Z
0.01
0.005
0
-100
-50
0
50
100
150
200
250
300
Performance
Function
Performance
FunctionGZ
β =1,μ=100 ,σ=100 ,δ=1
β = 2 ,μ=100 ,σ=50 ,δ=0.5
β = 4 ,μ=100 ,σ=25 ,δ=0.25
β = 5 ,μ=100 ,σ=20 ,δ=0.2
Figure-6.13 Probability
of Failure vs to Coefficient of Variance
図-6 変動係数と破壊確率
5−14
350
図-6 は性能関数の平均値が同一で変動係数が異なる場合の安全性指標と破壊
確率を示したものである.変動係数が小さい場合には確率密度関数は尖った形
になり,安全性指標が大きく,したがって破壊確率が小さくなります.逆に変
動係数が大きいと確率密度関数は平たくなり,安全指標が小さく,したがって
破壊確率が大きくなる.したがって,接岸速度の確率分布の特性によって,破
壊確率が異なる.
5. 接岸速度の実測値
5.1 N,M,Y,B,S 港の接岸速度測定事例
図-7 は N,M,Y,B,S 港で測定した接岸速度の度数分布と確率密度関数
である.また,表-5はそれらの特性値である.接岸速度は対数正規分布に従う.
このうち,Bulk は 20 万 DWT 球のバルクキャリアの船首、船尾の接岸速度、
他はコンテナ船である.ポート B の接岸速度がかなり大きいが,ポート N の
平均値は 4.61cm/s、標準偏差 2.85cm/s であるのに対し,ポート S,Y,M の
平均値は 7.79s~9.13cm/s,標準偏差 4.13~4.32cm/s である.Bulk およびポ
ート N の変動係数は 0.40~0.41 であるが,他は 0.55~0.79 である.
図-7
N,M,Y,B,S港の接岸速度確率密度
5−15
表-5
N,M,Y,B,S港の接岸速度の特性値
Berthing Velocity (cm/s)
DWT
Standard Coefficient
Standard Coefficient
Average
Average
Deviation of Variance
Deviation of Variance
Bulk Bow
2.87
2.37
0.83
202,459
80,533
0.40
Bulk Stern
3.40
2.70
0.79
28,751
0.41
Port N
4.61
2.85
0.62 69,545
38,151
0.69
Port S
7.79
4.13
0.53 55,020
24,077
0.55
Port Y
8.08
4.32
0.53 44,040
21,593
0.79
Port M
9.13
4.21
0.46 27,302
22,473
0.70
Port B
14.00
7.41
0.53 32,025
5.2
R 港の接岸速度測定事例
表-6
Ship Class
Small Feeders
Feeders
Panamax
Post Pnamax
New Panamax
ULCV
R港のコンテナ船の接岸速度の特性値
Container vessels Maasvlakte Rotterdam
Berthing Velocity (cm/s)
N LOA(m)
B(m)
d(m)
TEU
DWT(ton)
Mean SD
COV
31
Max.23
Max.1000
6200-15000
6.3
2.0
0.32
26
23-30.2
1000-2799 15000-38500
4.9
2.3
0.47
3.8
1.7
0.45
39 Max.294.1 Max.32.2Max.12.04 2800-5499 38500-66000
52
>32.2(39.8-45.6)
5500-9999 66000-118000
3.0
1.5
0.50
2.6
1.5
0.58
21 Max.365.8 Max.48.8 Max.15.210000-12999118000-150000
9
>48.8
>13000
>150000
1.7
0.7
0.41
表-6 は R 港のコンテナ船の接岸速度の特性値である.Feeder 船の接岸速度
の平均値は 6.3~4.9cm/s,標準偏差 2.0~2.3cm/s,変動係数 0.32~0.47 であ
るが,大型船では接岸速度の平均値は 3.8~2.6cm/s,標準偏差 1.7~1.5cm/s,
150000DWT 以上の超大型コンテナ船では接岸速度の平均値は 1.7cm/s,標準
偏差 0.7cm/s,変動係数 0.41 である.
5.3
船型と接岸速度との関係
図-8
R港のDWTと接岸速度の関係
5−16
N,M,Y,B,S港のDWTと接岸速度の関係
図-9
図-8 および 9 はコンテナ船の DWT と接岸速度との関係を示したものである.
大型船に対する操船の配慮が見受けられる.
5.4
タグボートの支援と接岸速度
表-7
R港のタグボート支援と接岸速度の関係
Without tugs
Vessel type
n
v (cm
/s)
Small feeder
29
6.1
Feeder
12
5.7
Mean
DWT (t)
New Panamax
ULCV
1
3.0
n
9004
2
8.5
7617
11
4.5
21771
3
3.3
36583
15
3.8
42424
22
3.6
13
2.8
87340
37
3.1
4
3.0
114327
18
3.1
114277
2
3.0
116733
5
1.8
153552
4
1.5
153140
5−17
v (cm/s)
Mean
DWT (t)
With 3 tug
16250
10469
6
Mean DWT (t)
With 2 tug
v (cm/s)
Panamax
Post‐Panamax
With 1 tug
n
n
v (cm/s)
Mean DWT (t)
55120
2
5.5
55170
90029
1
5.0
102396
図-10
R港のタグボート支援と接岸速度の関係
表-7 および図-10 は R 港の接岸操船におけるタグボート支援と接岸速度との
関係を示したものである.大型船に対してタグボートの配船を規定していると
考えられる.
図-11
Y港のタグボート支援およびスラスター使用と接岸速度の関係
これに対し,図-11 は Y 港のタグボートおよびスラスター使用と接岸速度と
の関係を示したものである.タグボートおよびスラスター使用時にも大きなと
接岸速度が出現しており,タグボート支援およびスラスター使用が接岸速度低
減に及ぼす影響は明確でない.
5−18
図-12
図-13
M港のタグボート支援およびスラスター使用と接岸速度の関係
Y港,M港の船型,タグボート支援,スラスター使用と接岸速度の関係
図-12 は M 港のタグボート支援およびスラスター使用と接岸速度の関係,ま
た図-13 は Y 港,M 港の船型,タグボート支援,スラスター使用と接岸速度の
関係を示したものである.M 港では船型によってタグボートの配船を規定して
いるが,Y 港、M 港ともにタグボート支援およびスラスター使用が接岸速度低
減に及ぼす影響は明確ではない.
5−19
図-14
S港のタグボート支援と接岸速度の関係
図-14 は S 港のタグボート支援と接岸速度の関係である.同様にタグボート
支援が接岸速度の低減に及ぼす影響は明確ではない.
6. おわりに
PIANC WG145 の活動を通して,大型コンテナ船等の接岸速度記録が取得
され,接岸速度に及ぼす要因分析がなされた.その結果,接岸操船の影響が大
きいことがほぼ明らかになった.湾奥の良く遮蔽された港湾において得られた
接岸速度の特性値が異なることは,当該の港湾区域における接岸操船の方法の
相違によるものと考えられる.一般に大型船に対しては慎重な接岸がなされ,
多くの場合,バース前面で一旦船舶を静止させ,その後徐々に接岸させる.そ
のため,非常に小さい接岸速度での接岸が実現している.接岸速度は,船舶接
岸エネルギーに最も影響を及ぼす確率変数であるが,接岸時の船舶および係留
施設の安全性を確保するために,接岸速度の確率分布特性および,入港船舶の
船型の分布,船舶排水量と DWT の関係,仮想質量,偏心係数などの変数の確
率分布特性,係留施設の耐力の確率分布特性を考慮して,船舶接岸用防舷材お
よび係留施設の安全性を適切に示すことができる設計法を提示する必要があ
る.WG145 においては,このほか防舷材の試験方案の改訂も議論している.
現在,得られたデータを活用して報告書作成に取り掛かっており,参加メンバ
ーの意見を汲み取り,有用な成果を得たいと考える.
5−20
参考;破壊確率の算定
5−21
議事録
1)第1回WG(2010年11月29-30日)参加者15名
2010年11月29-30日キックオフミーティングが,ブリュッセルのPIANC本部で
開催された.主要な議事は以下の通り.
①船舶の接岸速度データの取得と集積並びに設計への活用
②各国の状況および接岸速度の測定事例;レーザ-,超音波,操船シミュレ
ーション
③接岸速度の測定法
④ポートオーソリティー,OCIMF,IAPHなどに対するアンケート
⑤Reliability Design of Fender Systemおよび日本における接岸速度測定事例
の紹介
⑥付加質量,パネル,フェリ-のエンドフェンダーなどの項目が挙げられた.
対象船種は,コンテナ,バルク,大型クルーズ船,フェリーなどに拡大する意
見が有った.また大型船の定義について議論し,概ね5万トン以上とするが,
コンテナ,バルク等は10万トン級に着目することした.
⑦他のWGとの情報交換をする.各国で当該委員との連絡を取ることとした.
⑧今後の予定など
第二回 2011年3月16-17日;ブリュッセルで開催
第三回 2011年11月22-23日;ブリュッセルで開催
第四回 2012年4月25-26日;ブレメルハーヘンで開催
第五回 2012年11月14-15日;ヒューストンで開催予定
第六回 2013年2月東京で開催予定
その後MarComへ報告書提出,MarComの意見を受けて編集会議開催の予定
である.
2)第2回WG(2011年3月16-17日)参加者13名
2011 年3月 16-17 日ブリュッセルの PIANC 本部で開催.
① 各国の進捗状況;
イ) スペイン;Oil Terminal で波浪影響のあるバースでの測定,レーザー,
GPS 検討,
ロ) ベルギー;レーザーを用いて Antwerp での測定を検討
Dock Pilot によるシミュレーションを検討
Erosion by ship の WG と連携
ハ) オランダ;レーザーシステムで測定を計画
ニ) ノルウェー;Oil & Gas terminal で測定がなされているのでデータの
確保に努める
5−22
ホ) フ ラ ン ス ; ア ン テ ィ ファ ー で 接 岸 速 度 測 定 ,2000~ 5000TEU,
13000TEU など
ヘ) ブレメルハーヘン(独);Gas Terminal にコンタクト
ト) UK;パイロットにコンタクトしている
チ) 日本;4 月以後アンケート調査の予定
②
他の WG との連携
WG52 – Loading and unloading of container ships
WG55 – Safety aspects of berthing operations at oil and gas terminals
WG48 – Guidelines for port construction related to bow thrusters
WG 49 – Design of approach channels (new ship tables will be included)
WG 135 – Design of small and medium ports
③
Bremenports Reports
(ア) Hein 氏からブレメル・ハーヘンにおけるコンテナ船の接岸記録につ
いて説明があった.
(イ) 気象海象条件に関する質問があった.
(ウ) 接岸速度計はレーザー.
(エ) 解析を日本が行う.エクセルデータを送付依頼.
④
Berthing Velocity in Klaipeda Portt (LT)
Wiffel 氏欠席のため Mike が紹介;測定装置は RTK-GPS
接岸時の船舶の姿勢について質問があった.バース法線直角か?
Berthing Velocity : YAMASE;上田が説明;
もう少し個別に分析したほうがよいだろう.
⑤
⑥
A proposal to estimate berthing velocity at the exposed berth
UEDA が動揺計算について説明
⑦
Velocity and Temperature Factor on the Performance of Solid Type
Rubber Fender, Applying “Temperature-Frequency Reducibility” to
Rubber Fender :YAMASE;
次回までに試験方案の立案
⑧ Comparison of the Velocity and Temperature Factor stated in some
fender catalogues and some consideration :YAMASE;
次回各メーカーの試験方法の詳細を持ち寄る.
⑨ Some Discussion on the Recommendation of PIANC WG33 Report
2002;
(ア) 異常接岸係数の設計における適用;適用していないところがほとん
ど
5−23
(イ) スペイン基準は平均値であるが標準偏差または分散を調査
(ウ) 付加質量式;欧州は Vasco Costa 式,流体力学的に求めているもの
はない.流体力学的に求めたものと,Vasco Costa 式および上田式と
の比較を行う.日本,フランス
(エ) 接岸シミュレーションについて
a) 接岸シミュレーションで接岸速度を決めている事例はない.操船
シミュレーションではフェンダーに接触するまでシミュレーシ
ョンを継続していない.
b) また,波浪影響を考慮しているものもないようである.今後さら
に内外の状況を調査する.
c) 接岸シミュレーションではヒューマンファクターが大きな影響
を持つ.PIANC2002 Recommendation に記載されているよう
に,タグに作用する波浪外力までも考慮した接岸操船シミュレー
ションプログラムを開発することはかなり大変だと想像する.
d) 実際に適用する場合には,最初大きな目標接岸速度を設定してシ
ミュレーションを試行し,次第に下げて行って実現可否を判定す
る.その結果をもとに適切に設計接岸速度を決めることになろう.
(上田コメント)
⑩
Tentative proposal of the contents of the Report.
項目と主たる担当者は項目 12 に示す
⑪
Others
(ア) アメリカの Elizabeth C. Burkhart から活動報告がメール送付され
ていたが会議後メンバーに送付された
(イ) Ship Table について赤倉氏に提供を求める.Parallel side ( Flat
side) の数値も欲しい
(ウ) 接岸シミュレーションについてさらに情報収集する.
(エ) PIANC2002 の Hull pressure について造船関係者に意見照会する
(オ) 次回は Wallingford UK において9月開催.
3)第3回WG(2011年11月22-23日)参加者14名
2011 年 11 月 22-23 日ブリュッセルの PIANC 本部で開催.
① 各国の進捗状況 WG145 3rd meeting Nov. 22-23. 2011
イ) 日本;国土交通省による船舶接岸速度調査の概要を上田が説明した.ア
ンケート調査(第一段階では,193 施設に調査票を配布し,119 施設か
ら回答を得,うち 68 バースが接岸速度を計測している.アンケート調
査(第二段階では,30 バースから計測データ提供の申し出があり,現在
5−24
データ収集中であることを報告した)
ロ) ドイツ;ブレメルハーヘン港のデータについて Hein 氏から紹介があっ
た.データを日本に送付していただく.
ハ) アメリカ;日本の調査を参考にして主要バースでの接岸速度調査を行う
方針が示された.
ニ) オランダ;ロッテルダム港で実施している接岸速度測定について概要が
説明された.接岸速度,接岸角度ともにかなり小さな値である.
ホ) イギリス;Mike Harrison が接岸速度計について取りまとめた資料を
送付している(欠席)
.
ヘ) スペイン;Ossa 氏から接岸速度実測の概要が資料として提示された(欠
席).
②
報告書の草稿の議論
以下の項目について順次説明され,質疑応答した.
イ)
Preface;防舷材に関する PIANC,NATO などの研究の概要の
記述;コメントを求める.
ロ)
Members;メンバーリストの改訂
ハ)
ニ)
ホ)
ヘ)
ト)
チ)
リ)
ヌ)
Terms of Reference
Role of fenders at berth ;未定稿;日本が原稿作成
Ship’s Berthing Energy and Fender Design;日本が信頼性理論
に基づく設計法を提示し,同時に防衝設備の安全性について,
従来の異常接岸係数などの安全係数との関係について説明した.
また,フランスから,仮想質量係数の流体力学的計算結果が示
された.アンダーキールクリアランスの影響が考慮されている.
注)日本の既往研究と比較し検討する.
Ship’s berthing speed ;日本から既往の接岸速度データの紹介
がなされた.のちに⑧の接岸速度計測と合併する方向
Measuring way of berthing speed;Mike から資料提示
Collection of site data and use for design ;オランダからロッ
テルダム港での計測について概要が示された.日本から,接岸
速度のアンケート調査を行っていること,南アジアにおける計
測を実施中であることを報告した.
Reliability Design of fender system;日本から信頼性設計につ
いて説明した.⑤に関係するので,最終報告では目次の位置づ
けを再考する.
Proposal for test measuring Temperature factor and Velocity
Factor for Solid Rubber Fender;日本から温度ファクターにつ
5−25
いて国際規格に基づいて公開試験を行うことを提案した.
ル)
ヲ)
ワ)
カ)
ヨ)
A Procedure to Measure Temperature Factor and Velocity
Factor for Solid Rubber Fenders (draft):日本から座屈型防舷材
の温度ファクターと速度ファクターの測定法について説明した;2002
年版の改訂
Test Procedure on VF of Pneumatic Fenders;日本から空気式
防舷材の速度ファクターの測定法について説明した;2002 年版の改
訂
Standards in the Scheme for Certification of Rubber fender
durability;日本から防舷材の 3000 回耐久試験方法及び認証制
度について説明した.2002 年度版の追補版
Typical Ship Dimensions(Appendix C of WG49)および Ship
Table Takahashi;日本から船舶諸元表について現状を紹介した.
Berthing Simulation;議論無し
Other items for fender design
Added mass
Under keel clearance
Abnormal factor or Safety factor
Berthing angle
上記項目について,ホ),ヘ),チ)の項目で議論した.
③ Alternation of List of Contents;上記の内容で微調整
④ Next Meeting;次回は 2012 年 4 月 25-26 日,ドイツ連邦共和国ブレメ
ルハーヘン港で行う.
⑤ 今後の予定
イ) 1 月下旬または 2 月上旬,ノルウェーで Carl Thoresen
Nyvoll と打ち合わせ
ロ) 4 月 25-26 BremerHaven で第 4 回会議
ハ) 9 月にヨーロッパのどこかで第 5 回会議
ニ) 11 月に日本で第 6 回会議
ホ) 編集会議;ヨーロッパで主要メンバーによる協議
ヘ) 報告書提出
ト) MarCom からのコメントに対応;メールおよび主要メンバーに
よる協議
以上
タ)
5−26
4) 第 4 回 WG(2012 年 4 月 25-26 日) at Bremer Haven;参加者 15 名
① 議長挨拶;上田,Mike Harrison
② 歓迎挨拶;Christian Hein
③ 各国の進捗状況
イ) オランダ;ロッテルダム港で実施している接岸速度概要データの解析
がなされていることが報告された.
ロ) アメリカ;主要バースでの接岸速度調査を行う方針が示された.
ハ) ドイツ;ブレメルハーヘン港のデータについて Hein 氏から紹介があっ
た.接岸速度データが修正された.
ニ) 日本;国土交通省による船舶接岸速度調査の概要を上田が説明した.
ホ) イギリス;Christopher が Gaal と共に fender panel について取りま
とめたことを報告した.
ヘ) スペイン;Ossa 氏(欠席)から接岸速度実測の概要が資料として提示
されたことが事務局長(成川)から説明された.
ト) フランス;Demenet 氏(欠席)から付加質量の計算結果について資料
が提示されたことが事務局長(成川)から説明された.
④ 末尾に示す目次(案)について共同議長(上田)が説明し討議した.信頼性
設計の記述の位置づけについて意見があった.2 時間ほどの議論であった.
⑤ 接岸速度の取得状況についてオランダ(Roubos),ドイツ(Hein),日本
(山瀬)から説明した.またノルウェーから設計接岸速度の事例について紹介
があった.
オランダのデータ解析は DWT と接岸速度の曲線回帰式を求めている.一方,
日本のデータ解析では,接岸速度に及ぼす操船の影響に注目し,日本の異なる
地域の港湾で,立地上の自然条件がほぼ同一であるにも拘わらず,接岸速度の
分布が異なる事例に着目し,操船が影響するとしている.ドイツのブレメルハ
ーヘン港の接岸速度記録は一部修正がなされたが,依然接岸速度の平均値およ
び変動係数が大きいデータであった.オランダは接岸速度の平均値および変動
係数はバースの立地条件に依存し、とくに波浪条件が影響するとの Brolsma
の 考 え に 従 っ て い る . Hein 氏 に ブ レ メ ル ハ ー ヘ ン 港 は 、 遮 蔽 さ れ た 港
(sheltered)か、あるいは遮蔽されていない港(exposed)のいずれかと問うた
ところ,Hein 氏はブレメルハーヘンは遮蔽された港湾であると明言した.
⑥ フレーアングルと防舷材設計について日本(山瀬)が説明し討議した.
⑦ 氷海における防舷材の設計について Nyvoll(ノルウェー)が説明し討議
した.
5−27
⑧
ソリッド型防舷材の試験方案の改訂について日本(山瀬)から説明した.
また,主要防舷材メーカーの製品の公開立会い試験について,山瀬,Mike
Harrison、Christopher Forgan、Marco Gaal の 4 者で協議することとな
った.
⑨ 空気式およびフォーム防舷材の試験方案の改定について日本(上田)が説
明した.
⑩ 3000 回耐久試験方案について日本の実施例を説明した(上田)
⑪ 接岸速度計について Mike が説明した.
⑫ 船舶諸元について,WG49 の中間報告,日本の高橋他の研究事例について
紹介した(上田).また,Mike が船舶諸元の相関に関わる Wallingford の
研究成果を紹介した.これに関して,すでに赤倉他の研究成果が WG33 報
告書に記載されていること,高橋他が 2007 年に最新版を発表していること
を紹介した(上田)
⑬ フェンダーパネルについて執筆方針が紹介された(Gaal,Christopher)
⑭ スペインの接岸速度データ解析について配布された資料について事務局長
(成川)が紹介した.Ossa 氏は欠席のため,資料配布のみ.
⑮ フランスの Demenet 氏の付加質量に関する配布資料について事務局長(成
川)が紹介した.Demenet 氏は欠席.上田が計算結果は既往の研究成果に
比較して課題であることを指摘した(上田)
.新たな提案を直ちに報告書に
記述することについてメンバーから異論があった.
⑯ Introduction,Member,Terms of Reference,Role of Fender(1~4 章)に
ついて上田が概略説明した.前回と同一内容.
⑰ Reliability Design Method(5 章)および Ship’s Berthing Energy and
Fender Design(6 章)について上田が説明した.
⑱ 目次案について再度議論した.Terms of Reference の下記の記述に基づい
て,接岸速度の記録についてのみ提示すべきだとの意見がアメリカ,ドイ
ツなどからあった.これに対し,上田は接岸速度の防舷材設計への活用が
重要であり,信頼性理論に基づいて安全性を定量的に評価することが重要
であること, BS 規準に示される異常接岸係数は安全性について曖昧であ
るが,信頼性理論の導入により安全性が定量的に明示できるなどを主張し
た.なお,信頼性理論の導入については前回 WG33 でも議題に上がったが,
当時は接岸速度をはじめとする要因の確率分布が得られていなっかたの今
後の課題とされていた.2 時間ほど議論をしたが,結論が得られず.共同
議長 Mike が下記について MarCom に照会することになった.メンバーの
6~7 割は a)および c)の意見である.
a) 接岸速度データに基づき接岸速度の推奨値を提示する.
5−28
⑲
b) 接岸速度データおよび関連する主要要因の確率分布関数に基づ
き信頼設計に反映する.
c) 新たな WG を設置して設計法について検討する.
ブレメルハーヘン港のコンテナバースを見学した.
5−29
12.Provisional Contents of Report and Responsible persons
(2012.3.16-17)
Contents
1. Preface
2. Members
3. Terms of Reference
4. Number of Meetings
5. Role of fenders at berth --- S.Ueda, Carl August Thoresen
6. Items to be considered for fender design
- Fender panel --- Christfer J Forgan, Maak Gaal
- Hull pressure --- Christfer J Forgan, Maak Gaal
- Hull shape --- S.Yamase
- Flare ---S.Yamase
- Tidal level --- S.Ymase
- Drift ice --- Svein Ove Nyvoll
7. Ship’s berthing speed --- Christian Hein, S.Ueda
8. Measuring way of berthing speed --- Mike Harrison, Mark Gaal, S.Yamase
9. Collection of site data and use for design --- Ueda, Yamase, Elena Rodriguez, Alfred,
Leon
10. Reliability Design of fender system --- S.Ueda, Carl August Thoresen
11. Berthing Simulation --- Pierre Francois, Elena Rodriguez
12. Other items for fender design --- Christopher J Forgan, Ueda, Mark Gaal, Pierre
13.
Francois
Added mass
Under keel clearance
Abnormal factor or Safety factor
Berthing angle
Fender selection
Energy absorption by berth structure
Revised test protocol of fender test--- S.Yamase, Mike, Elizabeth, J Forgan, Mark
Gaal
14. Ship Table(Appendix)
- Flat side or Parallel side
- Belting
- LNG
- LPG
- Working Group 49&55 table --- S.Ueda, Carl, Elena
5−30
目次(案)
(2012.4.25-26)
15. Introduction
16. Members of WG145
17. Terms of Reference of WG145
18. Role of fenders at berth --- Ueda, Carl August Thoresen
4.1 Required performance of fender at berth
4.2 Fender selection at vessel berthing and mooring
4.3 Characteristics and energy absorption of fenders
19. Reliability Design of Fender System --- Ueda, Carl August Thoresen
5.1 Performance function and probability of failure
5.2 First Order Reliability Method (FORM) and Safety index
5.3 Monte Carlo Simulation
5.4 Determination target safety index
5.5 Calculation safety index in Level 1 reliability design method
5.6 Comparison with deterministic method
☆ abnormal factor
☆ failure probability
5.7 Reliability design of berth structure
20. Ship’s Berthing Energy and Fender Design
6.1 Factors to be considered for fender design
6.1.1 General
6.1.2 Ship mass ( M )
6.1.3 Virtual mass factor ( C m )
☆
Hydrodynamic force ; Demenet,Ueda
6.1.4 Berthing speed ( v )
6.1.5 Eccentricity factor ( Ce )
6.1.6 Flexibility Factor and Berth Configuration Factor
6.2 Calculation of ship’s berthing energy by reliability design
6.2.1
Ship’s berthing energy
6.2.2
Safety index of Ship’ Berthing Energy
21. Measuring and Analysis of Ship’s berthing speed --- Christian Hein, Ueda
7-1.Measuring way of berthing speed --- Mike Harrison, Marco Gaal, Yamase
7-2. Measured Ship’s Berthing Speed and use for design --- Ueda, Yamase, Elena
Rodriguez La Ossa, Alfred Leon
5−31
7-3.Berthing Simulation --- Pierre Francois Demenet, Elena Rodriguez La Ossa
8. Other items for fender design
8-1. Flare angle and berthing angle --- Yamase
berthing angle
8-2. Fenders in icy areas --- Nyvoll
8-3. Fender for cruise vessels--8-3. Fender panel--- Chritopher Forgan
8-4. Hull pressure--- Chritopher Forgan
8-5. Tidal level--- Yamase
9. Conclusion
Appendix A. Reliability Design Method
Appendix B. A Procedure to Measure Temperature Factor and Velocity Factor for
Solid Rubber Fenders --- Yamase, Mike, Elizabeth C Burkhart, Christopher J Forgan,
Marco Gaal
Appendix C. Test Procedure on Velocity Factor of Pneumatic Fenders --- Yamase, Mike,
Elizabeth C Burkhart, Christopher J Forgan, Marco Gaal
Appendix D. Standards in the Scheme for Certification of Rubber fender durability --Yamase
Appendix E. Typical Ship Dimensions (Appendix C of WG49)
Appendix F. Ship Table Takahashi ---Ueda
5−32