講義資料[PDF:594KB]

観光産業とリスクマネージメント
(社)海外邦人安全協会
2010/12/22
1.企業のリスク管理
1)リスクとは
(1)発生は予想されるが、時期や規模につい
ては予測、特定化が困難な企業に負の
影響を与える要因
(2)事業活動を脅かす全ての事態
2).リスクマネジメント
(1)リスクを適切に把握、評価、予測する
(2)損失を回避、低減するための対策を講じる
1.企業のリスク管理
3).危機管理
危機とはリスクが現実に発生し、あるいはまさに発
生しようとしている事態
(1)危機(事故・事件)発生時に被害を最小限に食い
止め、被害の拡大を防ぐ
(2)危機に迅速に対応し早期離脱を目指す
(3)発生した危機、損失を掌握し適切な被害対策を
講じる
(4)危機収束後に実施した対策の評価、再発防止
を危機管理の向上を目指す
2.海外でのリスクの内容
~最近のリスクの傾向~
●貧富の格差の拡大による治安の悪化
犯罪の増加、失業率の高止まり(犯罪予備軍)
●テロ形態の多様化・homegrownテロリスト
ムンバイ(銃撃型)、ジャカルタ(自爆型)
NYCのテロ未遂(米国民)、イエメン発小包爆弾
●政治的混乱
タイ(大規模抗議行動)、キルギス(政変)
●自然災害・天災の頻発
大地震(ハイチ、チリ)、大洪水(中国・パキスタン)
森林火災(ロシア)
2.海外でのリスクの内容
1)海外のリスクの殆どは万国共通
(1)犯罪
強盗、窃盗、詐欺、すり、置き引き
(2)事故
交通事故、水難事故、航空機事故、火災
(3)疫病、天災
感染症、地震、洪水
2.海外でのリスクの内容
2)海外の特異性によるリスク
(1)外国人ゆえのリスク
*不慣れな場所、環境
*外国人=金持ち
(2)異なる治安情勢
*警察力の弱さ・腐敗
*犯罪の常態化=犯罪への許容性
*政治・統治の弱体化=ゲリラ・テロ
2.海外でのリスクの内容
2)海外の特異性によるリスク
(3)宗教・慣習の違い(異文化)
*宗教戒律(禁酒、女性蔑視、ポルノ排除)
*風俗、風習、慣行
(4)法律・コンプライアンス
*罰則の軽重(麻薬への極刑)
*特殊な法律(王室侮辱罪、買春罪)
2.海外でのリスクの内容
2)海外の特異性によるリスク
(5)騒乱・争議
*政情不安、暴動
*労働争議、抗議行動
(6)テロ・脅迫
(7)誘拐
身代金目的、人身売買
2001年以降の主な邦人誘拐例
発生年月
発生国
誘拐場所
被害者
結果
犯人・目的
2010・07
フィリピン
スルー州
永住者(医療関係)
拘束
武装組織・身代金目的(?)
2010・03
アフガン
?
フリージャーナリスト
解放
地方部族・身代金目的(?)
2010・03
コロンビア
カリ郊外
園芸家
解放
FARC・身代金
2009・11
イエメン
サヌア郊外
JICA関係者
解放
部族組織・仲間解放要求
2009・11
中国
広州
ビジネスマン
解放
債務問題のもつれ
2008・11
ソマリア
アデン湾
日本人船長
解放
海賊・身代金
2008・09
エチオピア
オガデン地区
女性医師
解放
ソマリア武装組織・身代金
2008・09
南アフリカ
ヨハネスブルク
ビジネスマン
解放
犯罪者・身代金・詐欺
2008・08
アフガン
ジャララバード
NPO従事者
死亡
武装組織・政治
2008・05
イエメン
マリブ
女性観光客2人
解放
部族組織・仲間解放要求
2007・10
イラン
バム
学生旅行者
解放
犯罪組織・仲間解放・金
2007・10
中国
深セン
日本企業工場長
解放
犯罪者・身代金
2007・04
パラグアイ
幹線道路上
宗教関係男女
解放
強盗団・身代金
2005・11
ブラジル
サンパウロ
会社経営者
解放
犯罪者・身代金
2005・05
イラク
カイム
民間警備員
死亡
反政府組織・政治
2004・10
イラク
バグダッド
旅行者
死亡
反政府組織・政治
2004・04
イラク
バグダッド
市民団体2人
解放
反政府組織・政治
2004・04
イラク
ファルージャ
ボランティア3人
解放
反政府組織・政治
2003・04
中国
瀋陽空港
旅行者
解放
犯罪者・身代金
2001・08
コロンビア
ボゴタ近郊
農場経営者
解放
FARC・身代金
2001・05
ブラジル
サンパウロ
現地法人社長
解放
犯罪者・身代金
2001・02
コロンビア
ボゴタ
現地法人副社長
死亡
FARC・身代金
2001年以降の邦人関連主要テロ事件
発生年月
発生国
テロ内容
邦人の被害状況
2009・07
インドネシア
ジャカルタのホテルへの同時自爆テ
ロ
1人軽傷
2008・11
インド
ムンバイのホテル等へのテロ攻撃
1人死亡、1人軽傷
2008・03
パキスタン
イスラマバードのレストラン爆弾攻撃
日本人記者死亡
2007・06
アフガニスタン
カブールの警察本部への爆弾攻撃
NPOの2人負傷
2005・10
インドネシア
バリ島の飲食店2ヶ所爆弾攻撃
1人死亡、3人負傷
2005・07
英国
ロンドン地下鉄自爆攻撃
1人地下鉄内で軽傷
2004・05
イラク
ムハマディアで武装組織が銃撃
旅行者2人が死亡
2003・11
イラク
ティクリットで外交官の車が銃撃
外交官2人死亡
2003・08
イラク
バグダッドの国連事務所へ爆弾攻撃
1人負傷
2003・05
サウジアラビア
リヤドのコンパウンドでの銃爆弾テロ
2人重軽傷
2003・03
トルコ・ギリシャ
トルコ航空機ハイジャック・犯人投降
乗客2人無事
2002・10
インドネシア
バリ島のクラブ数軒への爆弾攻撃
2人死亡、14人負傷
2002・05
トルコ
イスタンブールのホテル立て篭もり
宿泊客2人無事
2002・03
パキスタン
イスラマバードの教会へ爆弾攻撃
女性1人が負傷
2001・09
米国
NYK等への同時多発テロ
WTC等で21人死亡
参考資料:2009年外務省邦人援護統計
被害・事故
交通事故
件数
人数
(内)死亡
(内)負傷
206
268
29
149
航空機・列車・船舶事故
27
35
10
7
地震・風水害等の災害
23
36
11
3
水難・登山等その他事故
96
115
43
42
3
1
0
0
20
20
16
2
5292
5762
2
166
499
553
0
2
1253
1379
292
51
68
68
55
4
遺失物
2661
2701
0
0
その他(出入国・調査等)
6546
7621
53
17
16616
18559
511
443
戦闘・暴動
殺人被害(未遂含む)
その他犯罪被害
犯罪加害(麻薬・傷害等)
疾病・精神障害
自殺(未遂含む)
合計
09年最多10都市外務省邦人援護件数と在留邦人数
在外公館
援護件数
在留邦人数(順位)
在タイ大使館
1193
33,152
(4) バンコク圏
在上海総領事館
1071
48,255
(3)
在フィリピン大使館
927
10,186
(19)マニラ圏
在LA総領事館
742
67,018
(1)
在フランス大使館
684
12,512
(15)パリ圏
在NYK総領事館
668
56,174
(2)
在英国大使館
657
26,965
(5)ロンドン圏
在大韓民国大使館
641
8,554
在香港総領事館
629
21,210
(9)
在中国大使館
451
10,416
(18)北京圏
(21)ソウル
3.海外でのリスク管理の基本
1)安全対策の基本的心構え
(1)自己防衛=自分の身は自分で守る
(2)予防が最良のリスク管理
(3)脅威を知り、リスク度を把握する(情報)
(4)有事においては、速やかで適切な対応
3.海外でのリスク管理の基本
2)犯罪回避策の基本
(1)目立たない行動と身なり
(2)行動のパターン化を避ける工夫
(3)常に用心を怠らない
4.海外のリスク情報
1)外務省海外安全情報の構成
(1)国別情報
①渡航情報(危険情報):海外邦人安全課
国別、地域別の4段階の危険情報
*十分注意してください
*渡航の是非を検討してください
*渡航の延期をお勧めします
*退避を勧告します
4.海外のリスク情報
1)外務省海外安全情報の構成
(1)国別情報
②渡航情報(スポット):海外邦人安全課
邦人テロ対策室、政策課
限定された期間、場所、事項について
安全対策の観点から個別に取り急ぎ
出される渡航情報
4.海外のリスク情報
1)外務省海外安全情報の構成
(2)広域情報:海外邦人安全課、邦人テロ対策
室、政策課
テロや疫病など多国間、地域にまたがる広い
範囲での注意が必要な渡航情報
(3)安全対策基礎データ:海外邦人安全課
国別の犯罪・防犯・入出国審査・風俗・習慣・
健康への留意点などの基礎的情報
4.海外のリスク情報
1)外務省海外安全情報の構成
(4)危険情報の例
イラクに対する渡航情報(危険情報)の発出(2009/12/18)
●バグダッド国際空港敷地内(バグダッド国際空港ホテル及びイラク航空
国際ビジネス・センターを含む)、クルディスタン地域及びバスラ国際
空港敷地内を除くすべての地域
:「 退避を勧告 します。渡航は延期してください。」(継続)
●バグダッド国際空港敷地内(バグダッド国際空港ホテル及びイラク航空
国際ビジネス・センターを含む)及びクルディスタン地域(エルビル市
を除くエルビル県、スレイマニーヤ県及びドホーク県)
:「渡航の延期をお勧めします。」(継続)
●バスラ国際空港敷地内
:「渡航の延期をお勧めします。」(引き下げ)
●エルビル市
:「渡航の是非を検討してください。」(継続)
4.海外のリスク情報
1)外務省海外安全情報の構成
(5)危険情報の読み方
①欧米諸国など危険情報の出ていない
国が多くある
②外務省は通常3ヶ月毎に見直す
③同じレベルの危険情報でも国、地域で
その本文で濃淡がある
4.海外のリスク情報
1)外務省海外安全情報の構成
(6)段階別危険情報の読み方
①十分注意をしてください
通常は、政情不安、テロ多発などの国、
地域が対象だが、極度に犯罪が多発す
る地域(ヨハネス、リオ、メキシコシティー
等)が対象となる
4.海外のリスク情報
1)外務省海外安全情報の構成
(6)段階別危険情報の読み方
②渡航の是非を検討してください
政情不安、暴動の散発・地域的発生など
で、渡航時の安全に問題がある場合、
渡航に際し十分な注意を促し、また、
不要不急の渡航に是非に慎重な検討を
促す
4.海外のリスク情報
1)外務省海外安全情報の構成
(6)段階別危険情報の読み方
③渡航の延期をお勧めします
内乱、暴動の多発、疫病の蔓延など渡
航
時の安全確保が困難な場合で、家族な
いし一部の駐在員の国外退避も推奨さ
れる
4.海外のリスク情報
1)外務省海外安全情報の構成
(6)段階別危険情報の読み方
④退避を勧告いたします
クーデター、戦乱状態など在留者の生命
の危険性が極めて高く、安全の確保が
困難な状況。渡航の延期も勧められる。
3.海外のリスク情報
2)安全情報への企業の対応
(1)A旅行会社の海外旅行実施例
①「十分注してください」対象国・地域
イ.募集型企画旅行
*原則として予定通り催行
*契約前に出されている危険情報をお客に
周知する
*契約後、出発までに出された危険情報を
お客に周知する
3.海外のリスク情報
2)安全情報への企業の対応
(1)A旅行会社の海外旅行実施例
①「十分注してください」対象国・地域
ロ.手配旅行
*旅行実施の可否はお客の判断
*契約前から出発前まで出された
危険情報をお客に周知する
3.海外のリスク情報
2)安全情報への企業の対応
(1)A旅行会社の海外旅行実施例
②「渡航の是非検討」対象国・地域
イ.募集型企画旅行
*原則として催行中止とするが、催行中止の期間
を定める場合もある。
*催行中に危険情報が出た場合は、お客にその旨を
伝え、対象地域から速やかに退避する。
*ただし、旅行社の判断で旅行継続可能とし、お客
の
了承を得た場合は、旅行を継続する
3.海外のリスク情報
2)安全情報への企業の対応
(1)A旅行会社の海外旅行実施例
②「渡航の是非検討」対象国・地域
ロ.手配旅行
*旅行の実施または継続はお客の
判断
*契約前から出発時までに出た危険
情報をお客に周知する
3.海外のリスク情報
2)安全情報への企業の対応
(1)A旅行会社の海外旅行実施例
知
③「渡航の延期・国外退避」対象国・地域
イ.募集型企画旅行
*催行中止
*旅行中に危険情報が出た場合は、
・危険情報をお客に説明する
・速やかに旅程を変更し、対象地域から退避する。
ロ.手配旅行
*旅行の実施または継続の可否はお客が判断する
*契約前から出発までに出た危険情報はお客に周
する
3.海外のリスク情報
2)安全情報への企業の対応
(2)B総合商社の海外旅行実施例
①「十分注意してください」対象国、地域
出張者、駐在員へ危険情報を周知する
②「渡航の是非を検討」対象国、地域
イ.事前に安全管理部署と相談
ロ.現地での受け入れなど十分な安全
対策を講じて渡航する
3.海外のリスク情報
2)安全情報への企業の対応
(2)B総合商社の海外旅行実施例
①「渡航の延期お勧め」対象国、地域
イ.原則として出張禁止
ロ.駐在員の帯同家族、一部駐在員の
退避を準備ないし実施
ハ.緊急性の出張は安全担当役員の
承認
3.海外のリスク情報
2)安全情報への企業の対応
(2)B総合商社の海外旅行実施例
④「退避勧告」対象国、地域
イ.出張の全面的禁止
ロ.②全駐在員、帯同家族の退避
ハ.全駐在員退避だが、場合によっては
役員の判断で拠点長残留もあり得る
4.観光旅行時の安全対策
1)企画旅行参加者への安全対策の徹底
(1)現地治安情報の入手と周知
①外務省情報、英米政府情報等の入手
②旅行者への的確な情報提供
(2)企画旅行参加者への防犯注意
①渡航先のリスク、回避策の指導
②渡航先別防犯の注意事項を周知
4.観光旅行時の安全対策
2)防犯指導のポイント
(1)空港での注意
①置き引き、スリの横行に注意
イ.荷物から目と手を離さない
ロ.貴重品は身に付ける工夫
②チェックインで他人の品を預からない
イ.麻薬の運び屋にされるリスク・死刑
ロ.違法品の運び屋にされるリスク
4.観光旅行時の安全対策
2)防犯指導のポイント
(1)空港での注意
③到着地での両替に注意する
イ.多額の両替は犯罪者の目を引く
ロ.両替夢中で荷物に不注意
④チェックイン後は速やかに通関へ
通関後の犯罪リスクは大幅低減
4.観光旅行時の安全対策
2)防犯指導のポイント
(2)ホテルでの注意
①チェックイン時も用心
イ.貴重品は常時手元に
ロ.スーツケースの安全管理も
②部屋での注意
イ.見知らぬ人にドアを開けない
ロ.Don’t Disturbの札は有効
ハ.貴重品は部屋に残さずフロントの金庫に
4.観光旅行時の安全対策
2)防犯指導のポイント
(2)ホテルでの注意
③非常時への注意
イ.自分の階の非常口を確認
ロ.荷物より身の安全を優先
④レストランでも用心
イ.手ぶらが基本
ロ.一時離席時は貴重品を手に
4.観光旅行時の安全対策
2)防犯指導のポイント
(3)外出時の注意
①日本より安全な場所はない
イ.夜間の単独外出は厳禁
ロ.外出時は常時周辺に注意を払う
②襷がけは功罪半ばする
イ.道路側にバッグを下げない
ロ.引ったくりで転倒・死傷者も
バンコクで英国人女性がバッグをオートバイに乗った男
にひったくられ、転倒し頭を打って重態に。(09-09-01)
被害者はバッグはどう持っていたのでしょうか?
4.観光旅行時の安全対策
2)防犯指導のポイント
(3)外出時の注意
③甘い誘いに注意
④親切があだに
(4)有事の対応
①金より命に徹する
②素早い判断と行動(先ず逃げる)
4.観光旅行時の安全対策
3)添乗員の安全対策へのヒント
(1)顧客の自由行動への注意義務
十分な警告→自己リスク
(2)臨機応変な対応
①有事の機転・先手を打つ対応・誘導
②的確な情報入手
(3)お客のパスポート一括預かりの是非論
お客の紛失リスク⇔添乗員の紛失リスク
(参考)邦人の被害事例と対策
1)米国
(1)辻強盗被害
真夜中、邦人居住者がNYK市内のバス停付近で、
羽交い絞めの強盗にあって財布などを盗まれた。
⇒対策 ・深夜の一人での外出を控える
・周囲の不審な人物に用心する
(2)置き引き被害
アトランタのホテル内のビュッフェレストランで、席
を離れている間にバッグを盗まれた。
⇒対策 ・ホテル内でも貴重品は常に手元に置いて
おく
(参考)邦人の被害事例と対策
1)米国
(3)短時間誘拐
ロスで夜間、自宅のガレージ前に駐車したところ、
拳銃を持った男たちに乗り込まれ、市内の複数のATMへ
連れ回され、合計2千ドルを引き出させた後、やっと解放
された。
⇒対策 ・夜間の帰宅時は、周辺の不審者に気をつける
・キャッシュカードやクレジットカードを必要以外に
持ち歩かない
・拉致、拘束されたら無抵抗に徹する
(参考)邦人の被害事例と対策
1)米国
(4)児童虐待、家庭内暴力
①アトランタで、スーパーでの買い物の間、熟睡の幼児を
駐車場の社内に置いたままの両親が、児童虐待の容疑で
逮捕。保釈金で釈放されたが、保護された幼児の返還に
弁護士を通じての、多大な時間と費用が発生。
②シカゴで夫婦喧嘩の結果、夫がドメスチックバイオレンス容
疑で逮捕、最終的に不起訴で釈放。
⇒対策・日本の習慣で判断しない=外国の法令を知ること
・近隣者よる警察への通報に注意
(参考)邦人の被害事例と対策
2)中国
(1)東莞:強盗
市内の銀行で邦人が従業員の給与を引き出して車で
戻ろうとしたところを、尾行してきた拳銃所持の3人組に
襲われ、金品、パスポートを強奪され、軽症を負った
⇒対策:・大金を銀行から下ろす際は複数で行動する
・見張りや、尾行者に気を配る
(2)深セン:強盗
バス停に居たところ、2人組みの男に無理やり車に押し
込まれ、殴打された上、通帳、現金、カードを奪われ、軽傷
⇒対策・周囲に気を配り、隙を見せない
(参考)邦人の被害事例と対策
(3)広州:ひったくり
タクシーで帰宅中、信号待ちで停車の間にドアを開けられ、
路上に引き出された上、殴打されて携帯電話を強奪された
⇒対策:可能であればドアをロックして置く
(4)上海:ぼったくり
中国人から「日本語を教えて欲しい」と言われ、一緒に入った
飲食店で高額の料金を請求された。
⇒対策:・見知らぬ人の誘いに乗らない
・知らない店には行かない
(参考)邦人の被害事例と対策
(5) 東莞:強盗タクシー
流しのタクシーに乗ったところ、しばらくして、運転手が車を止
め、そこに拳銃を持った複数の男が乗り込み、現金や所持品
を強奪した後、郊外の見知らぬ場所へ放り出された。
⇒対策:流しのタクシーを避け、予約制のタクシーかホテル
専属のものを選ぶ
(参考)邦人の被害事例と対策
(6)上海:脅迫タクシー
浦東国際空港などで拾った日本人客をわざと遠回りして高い
料金を請求、支払い拒否すると脅迫行為を行い、最高で60
倍の料金を払わせた悪質運転手が横行。
⇒正規の場所で並んでタクシーに乗るホテルないしオフィス
の前まで行かせ、助けを呼ぶ
(参考)邦人の被害事例と対策
3)ドイツ:フランクフルト
(1)朝9時半頃、アルトザクセン近くのマイン河沿いで、3人組
の少年に背後から目隠しをされ、首を絞められた上、カメラ、
財布を奪われた。
(2)夕方、フランクフルト市内で3人組の少年にひったくりに遭っ
た際、抵抗したため、刃物で刺された。
(3)中央駅及び市中心部で偽警察官に声をかけられ、財布を
確認するふりをして所持金を抜き取られる事件が頻発。
⇒欧州の主要都市の空港、駅、繁華街は犯罪多発
常に周囲に気を配り油断をしない、隙を見せない
(参考)邦人の被害事例と対策
4)インドネシア
(1)パンク強盗(インドネシア、南アフリカ)
空港から街中に向かう途中、路上に釘などを撒いて、狙った
車をパンクさせ、停まったところを武装した男たちが襲い、
身ぐるみ剥がす。空港から狙われ、先回りの手口も。
⇒対策:パンクしても停まらず、安全な場所まで辿り着くこと。
(参考)邦人の被害事例と対策
4)インドネシア
(2)いかさま賭博(インドネシア、タイ、ドイツ)
見知らぬ男が、家族が日本へ行くので日本語を教えてくれと
自宅へ案内され、そこでトランプゲームに誘われ、最初は大
勝ちするも、気がついたら大負けしており、金を払わねば殺
すと脅かされ、有り金巻き上げられた。
⇒対策:賭博やうまい話には決して乗らない
見知らぬ人の家にうかうかと行かない
(参考)邦人の被害事例と対策
5)サンパウロ:強盗
(1)夜間、空港から市内の会社前にタクシーで到着した際、
オートバイに乗った二人組みに拳銃を突きつけられカバンを
強奪された
(2)夜間、自宅にタクシーで戻った際、別の車の男がタクシー
に乗り込み、拳銃を突きつけ、日本人家族の貴重品入りの
バッグを強奪して逃走した
⇒対策:・タクシーに乗っている際、尾行車に注意(特に空港
から乗った場合)
・自宅前で下車する前に周囲の不審者(車)に注意
(参考)邦人の被害事例と対策
6)カラカス
(1)不良警官
市内を移動中の邦人男性が、警官の職務尋問で、パスポート
のコピーしかないため、オリジナルのあるホテルまで警察車
両で行き、オリジナルを提示したが、時間と手間をかけたと
して、警官に多額の罰金を支払わされた。
⇒対策:・場所によってはパスポート本体を常に携行する
・警察の不当な要求であれば、警察署ないし大使館
へ同行することを主張する
(参考)邦人の被害事例と対策
7)メキシコ
(1)集団スリ(メキシコ、フランス、ロシア)
地下鉄に乗車する際に、前後をグループに囲まれ、降り口
の寸前で前にいた男がつまずく振りをし、こちらが気をとられ
ている間に後ろの男が財布を抜き取った。
⇒対策:財布や貴重品はジャケットのポケットなど、すられに
くい場所に入れるか、現金を2ヶ所以上のポケットに
分散させておく
(参考)邦人の被害事例と対策
8)南アフリカ
(1)邦人居住のマンションに武装強盗(ヨハネスブルク)
夕刻、武装した多数の強盗が外国人の多く住む集合住宅
を襲撃、外出中の邦人宅は難を免れた。警備員は無抵抗。
⇒対策:より警備の厳重なマンションを選ぶ
パニックルームの設置も考慮する
ご清聴有難うございました