世界不動産連盟 2007 年バルセロナ世界総会(概要) 平成 19 年 6 月 7 日世界不動産連盟日本支部 5 月 28 日(月)から 6 月 2 日(土)までの 6 日間にわたり、スペイン・バルセロナ (於 Palau de Congressos de Catalunya)において、世界不動産連盟第 58 回世界総会が、「世界の不動産における金融と情報技術(IT)」をメインテーマとして開催され、世界 38 ヶ国・地域から約 600 名、日本支部からは答島海志・支部会長((社) 全日本不動産協会理事)のほか総勢で 84 名が参加しました。その概要は以下のとおりです。１．開会式、基調講演、フォーラム等大会に先立ち、5 月 28 日から 30 日までの 3 日間にわたり経理、人事、アジア・太平洋地域(APREF)等の各種委員会や通常総会が開催され、日本支部から答島会長をはじめ関係委員等が出席しました。開会式は、5 月 31 日午前 9 時から行われ、参加国代表者の紹介に続き、オーウェン・グィン世界会長(アメリカ)が参加者を歓迎し挨拶を行いました。続いて、以下のテーマで、5 月 31 日、6 月 1 日の両日にわたり、基調講演およびフォーラムが行われました。（１）基調講演(5 月 31 日(木)) ①全体講演不動産および金融市場を取り巻く環境やその関連性について報告がありました。 ○ スピーカー：Jose Maria Espi 氏（スペイン）また、全体講演終了後、2007 年度 FIABCI エクセレンス大賞がとり行われ、各部門毎の最終選考プロジェクトの紹介と受賞物件が発表されました。 ②不動産業における情報技術(IT)の影響本セクションには、日本より、山本常男・東急リバブル㈱IT 推進部長が登壇し、日本の不動産流通業における IT 事情について、日本の住宅市場動向を踏まえつつ、レインズの利用状況や不動産事業者の IT 化への取り組み等を中心にご講演頂きました。 ○モデレーター：Kumar Tharmalingam 氏(マレーシア) -1- ○スピーカー：山本常男氏(日本)、Jeroen Wilhelm 氏（オランダ） Joesph Fisher 氏(アメリカ) ③国際的不動産市場における投資の実質的影響国際的な資本市場を通じて急激な成長を遂げたスペインの住宅ローン市場のリファイナンス、フィリピンにおける海外投資や不動産業の状況および不動産と金融の関連等について報告がありました。 ○モデレーター：Shlomo Grofman 氏(イスラエル) ○スピーカー： Roberto Colomer 氏(スペイン)、Robert Marie Sy 氏(フィリピン) Frederic Haven 氏(フランス) ④ユーロが不動産業界に与える影響ユーロが不動産バブルに与えた影響や、US ドルとユーロとの比較において、将来的にどのようなファクターがアメリカと欧州の不動産市場に影響するか等について報告がありました。 ○モデレーター：William Endsley 氏(アメリカ) ○スピーカー：Ramon Riera 氏(スペイン) 、Anton Kozar 氏(スロベニア) Emilio Colomina 氏(スペイン) （２）フォーラム(6 月 1 日(金)) ①不動産業界のパノラマ商業物件について、市場の一般的なビジョンとして、スペインにおける事務所、工場およびショッピングセンターについて報告があり、居住用物件について、フィリピンにおける建築や都市計画等について報告がありました。 ○モデレーター：Evert Jan Stoel 氏(オランダ) ○スピーカー： Andres Escarpenter(スペイン) 、Luis Basagoiti 氏(スペイン) Robert Marie Sy 氏(フィリピン)、Ann Bosley 氏(アメリカ) ②不動産取引における透明性とデューデリジェンス不動産評価における市場情報の利用や、外国投資に関する仲介業に対するデューデリジェンス、ブラジル不動産市場における投資等について報告がありました。 ○モデレーター：Wayne Thorburn 氏(アメリカ) ○スピーカー： Luis Leirado 氏(スペイン) 、Stephano Lucatello 氏(イギリス) Flavio Gonzaga B.Nunes 氏(ブラジル) ③国際的なフランチャイズは不動産業における専門的水準の改善とみなされ -2- ているか国際的不動産フランチャイズが各国でどのようにみなされており、また、それが専門的水準にとって有益な役割を果たしているか等について報告がありました。 ○モデレーター：Danielle Grossenbacher(アメリカ) ○スピーカー： Joan Olle 氏(スペイン)、Javier Parraga 氏(アメリカ) Laurence J.McCabw 氏(アイルランド) ④アメリカの住宅価格の下落が世界の住宅市場にどのように影響したかアメリカより住宅市場の現状と今後の見通しや経済に与える影響について報告があり、その後アメリカをはさむカナダとメキシコから両国の住宅市場の見通しやアメリカ市場からの影響等について報告がありました。 ○モデレーター：Peter Bolton King(イギリス) ○スピーカー： Dorothy Mason 氏(カナダ)、Dick Gaylord 氏(アメリカ) Gerardo Paredes 氏(メキシコ) ２．業務視察、専門セッション等 5 月 31 日から 6 月 2 日にかけて、業務視察として、バルセロナ市内の視察や、アグバタワー、22 世紀プロジェクト等の視察が行われました。また、6 月 2 日には、不動産事業者がプレゼンテーションを行うマーケティングセッションが、商業部門と住宅部門に分けて開催されました。また、不動産関係企業・団体のブースが設けられた展示会等において、最新情報やネットワーク構築の機会が提供されました。３．社交行事、閉会式会期中には、スペイン支部による社交行事も催され、5 月 30 日には歓迎ウェルカムパーティーが、同 31 日には、オープニングランチおよびアメリカ支部主催カクテルパーティーが、6 月 1 日には、フォーラムランチおよびアジア・太平洋、アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ地域別のディナーが、同 2 日にはビジネスコンタクトランチが行われました。大会は、6 月 2 日に閉会式を迎え、オーウェン世界会長より閉会挨拶が行われ、続いて、ジュリアン・ジョセフ新世界会長(イギリス) を始めとした新本部理事が紹介されました。ジュリアン新会長からは、FIABCI は困難な状況にあるが、 -3- オーウェン会長が作った改革のレールを着実に実行し、サービスの強化や会員の増強に努めたい旨の就任挨拶がありました。その後、専門部門長が、今大会を総括し、成功を讃えると、大会組織委員長およびメンバーに対して、参加者から拍手がおくられました。式典は、来年の世界総会開催地であるオランダ支部代表団からの挨拶と案内ビデオの上映をもって終了しました。また、閉会式終了後にはフェアウェルディナーが行われ、改めて今大会の成功が讃えられました。４．2008 年アムステルダム世界総会今大会において、2008 年アムステルダム世界総会の概要が以下のとおり発表されました。（１）期間：2008 年 5 月 26 日(月)∼5 月 31 日(土) ・本部会議：5 月 26 日∼28 日・大会、フォーラム等：5 月 29 日∼5 月 31 日（２）場所：オランダ・アムステルダム(於 Beurs van Berlage) （３）テーマ：「水、脅威、機会、可能性」５．2008 年∼2009 年世界会長今大会期間中に行われた本部通常総会において、本部代議員の投票による選挙によって、2008 年∼2009 年世界会長に、ルイス・フェルナンド・コッレラ・バハモン氏(コロンビア)が内定しました。2008 年世界総会時に就任する予定です (任期 1 年)。 -4-