脊髄・脊椎疾患に対する磁気共鳴画像/拡散テンソル投射路撮影による

説明文 「脊髄・脊椎疾患に対する磁気共鳴画像/拡散テンソル投射路撮影による評価法の確立」 の研究に関するご協力のお願い はじめに 慶應義塾大学医学部整形外科学教室では医学部放射線診断学教室や生理学教室と協力して、病気や怪我に
よる脊髄の状態を正確に評価する新しい方法を開発しようとしています。現在、最も頻繁に使用される磁気
共鳴画像(以下 MRI)は脊椎脊髄の病気の診療において欠かせないものとなっています。しかし、脊髄の中の
神経線維の状態は従来の MRI では評価ができませんでした。そこで、MRI の特殊撮影法を用いて脊髄の中の神
経線維の状態を見えるようにしようという研究を計画しました。本文書はあなたにこの研究への協力をお願
いするために、研究内容とその方法について説明したものです。この文書をよく読んで、理解したうえであ
なたがこの研究に同意していただける場合には同意の表明として同意書に署名をお願いいたします。 (1) 研究協力の任意性と撤回の自由 この研究への協力の同意は提供者であるあなたの自由意志で決めて下さい。決して強制するものではありま
せん。また同意しなくても、あなたの不利益になるようなことは一切ありません。一旦同意した場合でも、あ
なたが不利益を受けることはなく、いつでも同意を取り消すことができ、その場合は採取した試料は廃棄され、
診療記録などもそれ以降は本研究目的に用いられることは原則としてありません。ただし、同意を取り消した
時すでに研究結果が論文などで公表されていた場合などのように、実験結果などを廃棄することができない場
合があります。
(2) 研究計画 研究題目:「脊髄・脊椎疾患に対する磁気共鳴画像・拡散テンソル投射路撮影による評価法の確立」 研究機関名および研究責任者氏名:慶應義塾大学整形外科学教室 中村 雅也(講師) (3) 研究目的 私たちは、これまでに多くの脊髄や脊椎の病気の患者さんを治療してきました。MRI は脊髄・脊椎の病気の
臨床の現場では不可欠な検査法になっています。それは、MRI が脊髄の状態(圧迫、腫瘍、炎症、出血、空洞
など)を描出することができるからです。しかし、患者さんの手足の動きや感覚の回復に最も大きな影響を
与える脊髄の中の神経線維の情報は従来の撮像法では得ることができませんでした。そこで、従来の MRI に
加えて新しい撮像法である拡散テンソル投射路撮影(DTT)を手術前後に行い、画像上の変化と患者さんの症
状の変化とを比較検討することにより、その臨床的意義を明らかにすることが本研究の目的です。 (4) 研究方法 MRI の撮影には、通常私たちが病院で使用している臨床用 MRI 装置(GE 社)を用います。拡散テンソル撮影法
は、一般の臨床で広く使用されている拡散強調画像と基本的には同一のものであり、撮影時間は通常よりも
数分長く 4∼5 分で撮影できます。撮影回数は手術前と手術後3回ですが、これは通常の診療でも行われるも
のであり、患者さんの負担がふえるものではありません。撮影データは、パーソナルコンピュータ(PC)上で
動作する専用の解析ソフトウェアで解析して、診断と研究に使用します。 1
(5) 研究計画書等の開示 御希望があれば、あなたはこの研究の研究計画書の内容を見ることができます。 (6) 画像提供者にもたらされる利益および不利益について 患者さんにはさしあたってのメリットはないが、将来的に DTT による脊髄の中の神経線維の状態が見える
ようになれば、脊髄・脊椎の病気の患者さんに対する手術のタイミング、手術の方法の選択、回復の程度の
予測などが可能となり、臨床において非常に有意義な情報が得られると考えています。 脊髄・脊椎の病気に対する MRI は通常の診療で既に確立された検査法です。患者さんへの不利益は撮像時
間が数分長くなること以外に危険性や合併症はありません。 (7) 個人情報(プライバシー)の厳重保護について 個人情報(プライバシー)は厳重に保護されます。撮像した画像は患者さんの個人情報としてその他の画
像(通常の MRI、単純 X 線)とともに病院で管理します。 (8) 解析結果の個人への開示について 本研究で得られた画像は、ご希望があれば説明させていただきます。 (9) 研究成果の公表について あなたの協力によって得られた研究の成果は、あなたの氏名など個人を特定する情報が明らかにならない
ようにした上で、学会発表や学術雑誌およびデータベース上等で公に発表されます。 (10) 研究から生じる知的財産権について 本研究の結果として知的財産権が生じる可能性がありますが、その権利は大学(研究機関)
、民間企業を
含む研究機関および研究遂行者などに属し、あなたはこの知的財産権を持っていると言うことができません。
また、その知的財産権をもととして経済的利益が生じる可能性がありますが、あなたはこれについても権利
をもちません。 (11) 本研究終了後の画像の取り扱いの方針 研究期間終了時に撮像した画像は患者さんの個人情報としてその他の画像(通常の MRI、単純 X 線)とと
もに病院で管理します。 (12) 費用負担に関する事項 通常の診療費以外の余分な費用は一切かかりません。なお、交通費や謝礼金などの支給は行いません。 お問合せ先 慶應義塾大学医学部整形外科学教室 中村 雅也 連絡先:電話 03-3353-1211 内線 62344 2
同意文書 慶應義塾大学医学部長 末松 誠 殿 私は研究課題「脊髄・脊椎疾患に対する磁気共鳴画像・拡散テンソル投射路撮影による評価法の確立」につ
いて、その目的や方法について説明文書を用いて説明を受け、その研究の意義・必要性について十分理解を
しました。ついては、次の条件で研究の協力に同意いたします。 説明を受け理解した項目(□の中にご自分で レ をつけて下さい。) □(1)研究協力の任意性と撤回の自由 □(2)研究計画 □(3)研究目的 □(4)研究方法 □(5)研究計画書等の開示 □(6)画像提供者にもたらされる利益および不利益 □(7)個人情報の保護 □(8)本研究結果の開示 □(9)研究成果の公表 □(10)研究から生じる知的財産権の帰属 □(11)本研究終了後の画像の取り扱いの方針 □(12)費用負担に関する事項 画像が本研究に使用されることに同意します。 はい いいえ 画像が保存され、将来新たに計画・実施される医学研究に使用されることに同意します。
はい いいえ 平成 年 月 日 患者記名または署名 代諾者の場合本人との関係 研究実施責任者 慶應義塾大学医学部整形外科 中村 雅也 説明医師署名(自署) 3