2016.11.24 平成28年第4回定例会

○午後1時開会
○議長(大沢真一君)
ただいまから平成28年第4回品川区議会定例会を開会いたします。
これより本日の会議を開きます。
○会議録署名人選定について
○議長(大沢真一君)
会議録署名議員をご指名申し上げます。
松
澤
利
行
君
あくつ
広
王
君
ご了承願います。
この際、ご報告いたします。
本日の会議につきましては、傍聴人より写真撮影の申請が議長に提出されましたので、品川区議会傍
聴規則第8条の規定により、これを許可いたしました。
○日
程
○議長(大沢真一君)
これより日程に入ります。
本日の日程はお手元に配付の議事日程のとおりであります。
○会期決定について
○議長(大沢真一君)
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日程第1
会期の決定について
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を議題に供します。今期定例会の会期を本日から12月7日までの14日間といたしますが、ご異議ありま
せんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(大沢真一君)
ご異議なしと認めます。よって、会期は14日間と決定いたしました。
次に、
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日程第2
一般質問
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を行います。
順次ご指名申し上げます。
塚本よしひろ君。
〔塚本よしひろ君登壇〕
○塚本よしひろ君
区議会公明党を代表して、一般質問を行います。
初めに、教育の格差を解消する支援拡充についてです。
家庭の経済的事情で生じる子どもの教育格差を解消するため、国や東京都では、返済の必要がない給
付型奨学金の検討がされています。公明党としても早期実現に向け取り組んでいるところです。
ところで、区民の方から、中学卒業とともに児童手当、すこやか医療、就学援助など公的支援がなく
なる一方、私立高校などの進学に教育費がかかり、家計の負担は重いとの声を聞くことが多くなってき
1
ました。
質問の1点目は、高校などの入学準備にかかる負担軽減についてです。
高校の授業料は、国や東京都の支援により、私立高校に通う年収約250万から350万円の世帯では37万
2,600円が給付されています。また、年収約250万円未満の世帯で私立高校に通う世帯には東京都の奨学
給付金6万7,200円が給付され、授業料以外の教育費に必要な経費を助成しています。ほかに、私立高
校の入学金を支援するための入学支度金貸付制度がありますが、これは返済が必要です。中学卒業から
高校などの入学まで、受験料や入学に必要な制服、靴などをそろえる費用がかかります。入学の準備に
かかる費用は、現在、生活保護世帯においては入学準備金として上限6万3,200円が支給されています。
生活保護世帯のみならず、一般に低所得と言われる世帯に対しても、高校などの入学準備にかかる経済
的負担を軽減する施策が必要ではないでしょうか。国や東京都によって高校、大学の教育費の負担軽減
が検討されている中、高校などの進学を控えた子どもがいる家庭の入学準備の負担軽減について、区の
見解を伺います。
質問の2点目は、高校などの受験に備えたインフルエンザ予防接種助成についてです。
現在、品川区では、65歳以上と60歳から64歳で障害者手帳1級程度の方を対象に、高齢者インフルエ
ンザ予防接種助成を行っています。他区では、渋谷区が1歳から中学3年生までの接種費用を全額助成、
世田谷区でも本年10月より1歳から中学3年生まで1回の接種当たり1,000円の助成を開始しました。
これまで品川区議会公明党は、インフルエンザ予防接種の助成対象者の拡大、とりわけ子どもへの拡大
を求めてきましたが、区の見解は、インフルエンザは毎年の接種が必要となることから財源確保が難し
いとのことでした。そこで、インフルエンザ罹患の心配なく大切な受験を迎えられるよう、受験を控え
た中学3年生を対象としたインフルエンザ予防接種費用の助成を提案します。区の前向きな答弁を求め
ます。
次に、子育て・障がい児支援について伺います。
質問の1点目は、西品川1丁目再開発地区に子育て支援施設、いわゆる保育所の設置についてです。
待機児童の解消は区としても喫緊の課題としていますが、保育需要の伸びに保育定員の拡大が追いつ
かず、待機児童の解消は道半ばの状況です。今年度も区は総合的な待機児童対策として、認可・認証・
小規模施設など、さまざまな形で保育定員を拡大しています。
ところで、品川区内では幾つかの地域で再開発が行われています。平成27年4月1日から施行された
東京都の「新しい都市づくりのための都市開発諸制度活用方針」の改定では、福祉の都市づくりの推進
がうたわれ、具体的な取り組みとして、一定規模以上の都市開発については、都市開発諸制度を適用す
るに当たり、「事前に関係する区市町村と当該地域における子育て支援施設整備の必要性を協議方式に
より確認することを条件とする」とあります。これにより、武蔵小山駅前や大井1丁目南第1地区の再
開発地区では、再開発後に保育所が設置される予定となっています。一方、西品川1丁目地区には、保
育所設置の予定が現在はありません。これは子育て支援施設整備の協議制度が施行される以前に再開発
が進んでいたことによるものだそうですが、西品川1丁目地区は人口が増加している大崎に隣接し、保
育需要は高い地域です。
西品川1丁目地区には大きなオフィスビルが建設される予定ですが、地域住民だけでなくオフィスで
働く従業員の福利厚生にもなる事業所内保育所などを設置すれば、西品川1丁目再開発にかかわる方々
にとっても望ましいことと考えます。西品川1丁目再開発地区に保育所を設置できるよう、区として積
極的な働きかけを求めます。区の見解を伺います。
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質問の2点目は、障がい児の放課後一時預かりについてです。
児童福祉法第6条の3第2項に基づき、保護者が仕事で家にいない小学生に対し、品川区は、すまい
るスクールにて放課後健全育成事業を実施しています。また、障害のある児童については、区内2か所
の「にじのひろば」で放課後一時預かり事業を実施し、さらには療育を目的とした放課後等デイサービ
スがあります。事務事業概要で近年の放課後一時預かりと放課後等デイサービスの利用実績を見ると、
2つの事業を合わせた利用者の総数は年々増加していますが、放課後一時預かり事業は平成26年の
5,495人をピークに平成27年度は減少したのに対し、放課後等デイサービスは毎年利用者が増加してい
ます。
ところで、区は、放課後等デイサービスの1か月の利用日数を10日までと制限しています。保護者が
格差を感じることのない放課後預かり事業にとの視点で質問します。
まず、放課後等デイサービス利用者には月10日以上の利用を希望する声もあると聞いていますが、区
が10日までとしている理由をお知らせください。
次に、平成25年から27年にかけて放課後等デイサービス利用者の大幅増加と放課後一時預かり事業の
減少傾向について、両事業の相互バランスをどのように考えているか、区の見解を伺います。加えて、
「にじのひろば」では、定員の余裕があっても預かれない場合や事業者の負担を懸念する保護者の声な
どがあります。「にじのひろば」の抱える課題と、その解消策について区の考えをお示しください。
次に、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けたまちづくりについて伺います。
平成32年に2020年東京オリンピック・パラリンピックが開催され、品川区では潮風公園がビーチバレ
ー、大井ふ頭中央海浜公園がホッケーの競技会場となり、多数の外国人観光客、区外からの日本人観光
客が訪れると予想されます。国は、東京オリンピック・パラリンピックの年に訪日外国人4,000万人、
2030年には6,000万人を目標としています。オリンピック・パラリンピックのレガシーとしては、一般
に競技会場の持続的な活用が挙げられますが、品川区を訪れる観光客に対応したまちづくりは、東京オ
リンピック・パラリンピックを契機にその後のレガシーとして次の時代に継承されるべきものとの考え
から質問します。
質問の1点目は、補助26号線開通と新たな人の流れの創出についてです。
品川区を訪れる観光客には品川区内をくまなく訪れてもらい、区全体の活性化につながることを期待
します。
さて、平成30年度には補助26合線が開通する予定となっています。平成27年第2回定例会の区議会公
明党の一般質問で、区の東西を結ぶ補助26号線開通に向けた路線バス拡充に関するバス事業者との協議
状況について質問し、路線バス導入を前提としてバス停留所の位置など協議を行っているとの答弁があ
りました。オリンピックホッケー会場となる大井ふ頭中央海浜公園は26号線の延長線上にあり、さらに
1キロメートルも離れていない先には荏原地域の区民から電車・バスでアクセスが不便とされる臨海斎
場があります。オリンピックで品川区を訪れる観光客から、区内の新たな人の流れと活性化を創出する
ため、東西を結ぶ26号線への路線バス導入が果たす役割は大きいのではないでしょうか。26号線の路線
バス導入が、区内の新たな人の流れや活性を生み出すものとなるよう、区としての対応をお聞かせくだ
さい。また、26号線の開通を契機にオリンピックのホッケー会場や臨海斎場へのアクセスがどのように
展開されるのか、区の見解を伺います。
質問の2点目は、2020年東京オリンピック・パラリンピックを契機とした公衆トイレの洋式化につい
てです。
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東京オリンピック・パラリンピックを契機に外国人観光客が、水辺、商店街、史跡など、品川区内の
観光スポットを訪れる際、公衆トイレ洋式化へのニーズは必然的に高まるでしょう。また、公衆トイレ
洋式化への要望は、高齢者や和式トイレになじみのない子どもなど、多数の区民からお声を頂戴してい
ます。品川区は、公園の公衆トイレ洋式化については公園の大規模改修時に実施するものとしています
が、それでは時代のニーズに間に合わないのではないでしょうか。東京オリンピック・パラリンピック
を契機に公衆トイレを洋式化することは、時代の要請にも応える施策と考えます。区内の公衆トイレ洋
式化の積極的な推進について、区の見解を伺います。
次に、防災対策について質問します。
ことしの4月14日から発生した熊本地震、先月21日に発生した鳥取中部地震において、犠牲者になら
れた方々のご冥福をお祈り申し上げるとともに、いまだ避難生活を余儀なくされている方々にお見舞い
申し上げます。また、一昨日は、福島県沖を震源とする3.11以来最大の余震が発生しました。いつやっ
てくるかわからない災害に対して備えておく大切さを改めて痛感しています。
さて、私が所属する建設委員会は、先月、地震で大きな被害を受けた熊本市と、近隣自治体として被
災地支援に当たった福岡市を行政視察で訪れました。そこで、今回の熊本地震の災害対応に当たった自
治体から得た教訓をもとに質問します。
質問の1点目は、道路の無電柱化についてです。
熊本地震で被災直後の支援物資は、被災地の要請を受けてから行う「プル型」の物資輸送ではなく、
必要と見込まれる物資を国が被災地に送り込む「プッシュ型」の物資輸送を大規模に実施しました。プ
ッシュ型の物資輸送は、東日本大震災の支援体制の教訓から、今回、熊本地震で初めて本格的に実施さ
れたものです。品川区においても、災害時に全国からの支援物資を区内の各避難所に輸送するには、区
道など生活道路も含めた道路が通行可能でなければなりません。区議会公明党では、東日本大震災で病
院前の道路が陥没し、救援活動が妨げられたことなどから、区道の空洞調査を訴え、区も実施をしてい
ます。また、電柱倒壊で物資輸送はもとより避難住民や緊急車両などの通行を妨げることがないよう、
道路の無電柱化も喫緊の課題です。
平成26年12月に東京都がまとめた東京都無電柱化推進計画では、区道や市道の無電柱化は、2020年東
京オリンピック・パラリンピック競技会場周辺道路、緊急輸送道路、緊急輸送道路と避難所を結ぶ道路
などが整備対象となっています。そして、都議会第3回定例会では、公明党の伊藤こういち都議会議員
の一般質問で、「都がこれまで取り組んできた都道の無電柱化に加えて区市町村道のような生活道路の
無電柱化を早急に進めるべき」との訴えに対し、小池都知事からは「区市町村道のような狭い道路こそ
電柱や電線をなくしていくべきとの考えから、区市町村に対する技術的、財政的な支援を行う」と答弁
しています。これまで区の無電柱化の議論では、コスト削減のための技術革新の動向や、電線類の地中
化のための道路幅員は7メートル以上が必要などがあります。
一方、他自治体では、住民の理解を得ながら軒下への配線や変圧器を民地に置くなど、地域事情に則
した手法で進めている事例があります。また、つくば市では、電線を新設する際は原則として地下埋設
を義務づけ、違反者の氏名を公表することも規定した市無電柱化条例を施行しています。
今後、都による区道の無電柱化への支援拡充が期待される状況において、品川区は何を目的として、
どの区道から無電柱化していくのか、基本的な考えをお示しください。また、つくば市のように自治体
が無電柱化を推進するための総合的な施策や計画が必要と考えますが、区の見解を伺います。
質問の2点目は、支援物資輸送の物流情報管理についてです。
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熊本地震発災直後の大規模なプッシュ型の物資輸送により、水、食料といった主要物資が不足するこ
となく、被災者は安心感を得ることができたとのことでした。しかしながら、国の支援が想定していた
のは、全国からの支援物資を被災地の広域物流拠点へ搬入するまでで、そこから避難所までのいわゆる
「ラストワンマイル」の物資輸送については課題があったとしています。ラストワンマイルとは、もと
もとICT用語でインターネット通信業者とユーザーを結ぶ最後の区間という意味ですが、熊本地震に
おいては広域拠点に集まった支援物資を各避難所まで輸送することを指します。その際、どの物資が発
注されたか、輸送業者から発送されたのか、物資の在庫状況はなど、物資輸送の情報管理におけるソフ
ト面のインフラが脆弱なため、避難所に物資が届く時間がわからず、受け入れ準備が整っていないため、
荷下ろしに無駄な時間がかかる、トラックに複数の避難所宛ての物資を積んだところ、届け出先でどの
避難所の物資かわからなくなる等、混乱が生じたとのことでした。その後、携帯端末を活用した簡易な
アプリを導入することで大きく事態を改善しましたが、あらかじめ物流情報管理などをシステム化する
ソフトインフラの強化を指摘しています。
品川区においても、避難所までのラストワンマイルの物資輸送に混乱を生じさせないよう、ソフト面
のインフラ強化が必要です。地域防災計画では、「事前に物流事業者団体等との連携を図り、物流専門
家等の支援を受ける体制を構築する」とあります。災害時協定を結んでいる物流事業者とも協議しなが
ら携帯端末を活用するなどソフトインフラを強化し、そのノウハウをあらかじめ訓練して災害時に備え
るよう求めます。また、熊本地震では、熊本市と災害支援に当たった福岡市で別々の事業者によるシス
テムを使用していました。そのことで両者の連携に支障が生じることもあったと推察します。ソフトイ
ンフラの強化に際しては、自治体間で共有できる形を念頭に進めることも求めます。それぞれ区の見解
をお聞かせください。
質問の3点目は、国や都、近隣自治体からの支援と区の関係についてです。
熊本地震では、被災自治体の要請を待たずに国の職員をプッシュ型で直接送り込み、支援に当たらせ
ました。また、福岡市は、熊本地震発生から5日後には100名の職員を被災地に派遣し、被災地のニー
ズを自ら把握し、必要な物資を調達して避難所に届けるという自己完結型と称される支援物資輸送を行
いました。
品川区では、災害時に区長を本部長とする災害対策本部が設置され、管理職など約170名の職員が本
部に参集します。また、本部長が必要と認めたとき各避難所が開設され、各避難所にはあらかじめリス
ト化されている職員が10名程度派遣されます。また、各地域センターにも、ふだん勤務している職員の
参集に加えて応援職員が10名程度派遣されることになっています。熊本地震の検証レポートには、初動
対応で被災自治体側の環境整備ができていなかったため、プッシュ型で送り込まれた職員が十分に機能
できない場合もあったとの指摘があります。災害時に国や都、近隣自治体から品川区への職員派遣をど
のように想定しているのか、派遣される職員の役割や支援内容についてお知らせください。また、品川
区には「特別区災害時相互協力及び相互支援に関する協定」や、品川・目黒・大田・世田谷・渋谷の
「災害時における城南5区相互応援協定」による相互協力の枠組みがありますが、100名の職員派遣を
実施した福岡市が支援を通して得た教訓の一つに、支援を受け入れる側の受援計画の必要性を挙げてい
ます。品川区にも受援計画が必要と考えます。来年度の地域防災計画の見直しに当たって受援計画を策
定する考えがあるのか、区の方針をお聞かせください。
以上で一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
〔区長濱野健君登壇〕
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○区長(濱野健君)
私からは、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けたまちづくりについ
てお答えを申し上げます。
まず、補助26号線への路線バスの導入についてですが、区の東西、大井町と武蔵小山を結ぶ主要な道
路である補助26号線の開通により、地域の利便性が向上することに加え、品川区を訪れる観光客にとっ
ても回遊性が向上し、まちの活性化に寄与するものと考えております。区といたしましては、補助26号
線の完成時期に合わせて路線バスが導入されるよう、具体的な協議を引き続きバス事業者と行ってまい
ります。
また、大井ふ頭中央海浜公園等につきましては、オリンピックを一つの契機とし、区内の道路整備の
進捗状況やご提案のエリアを含め、地域からの声をバス事業者にしっかりと伝え、さらなるバス路線網
の充実を事業者に求めてまいります。
次に、公衆トイレ洋式化についてですが、品川区内には公衆便所と公園・児童遊園便所を合わせて
162か所あり、そのうち45か所が洋式化されております。これまでも利用者が快適にご利用いただける
ように、公衆便所や公園・児童遊園の改修・整備に合わせて洋式化の整備を進めてきております。今後
は、2020年東京オリンピック・パラリンピック開催に向け、観光名所である旧東海道や大井町駅などの
主要ターミナル駅、オリンピック会場の周辺について、重点的に洋式化の整備を実施していきたいと考
えております。
その他のご質問等につきましては、各担当部長等よりお答えを申し上げます。
〔子ども未来部長齋藤信彦君登壇〕
○子ども未来部長(齋藤信彦君)
私からは、教育格差解消等についてのご貨問にお答えいたします。
初めに、高校の授業料については、両親と子ども2人のモデル世帯で給与収入910万円までを対象に、
国、都の制度により負担が軽減されますが、議員ご指摘のとおり、進学準備その他の費用については、
生活保護・非課税世帯を除き、公的な支援の仕組みはございません。区といたしましては、国・都の奨
学金制度見直しの動きを踏まえつつ、「子どもの未来応援プロジェクト」検討委員会において、低所得
世帯への支援のあり方を検討してまいります。
次に、インフルエンザ予防接種についてです。
高齢者については予防接種法に基づく定期接種であるため、一定の自己負担で接種できますが、それ
以外の年齢については任意接種となり、全額自己負担となっております。国ではワクチンの有効性や安
全性、費用対効果などを評価しながら定期接種化について検討しています。区では、定期接種化が検討
されているおたふく風邪やロタウイルスワクチンの予防接種については既に接種費用の一部を助成して
いるところです。現在、子どものインフルエンザ予防接種については国の定期接種化の検討対象には入
っていないため、受験を控えた中学3年生についても接種費用の助成については考えておりませんが、
今後の国の動向を見てまいります。
最後に、西品川1丁目の再開発地区に事業所内保育所設置をとのご提案ですが、勤務先に近接するこ
とで職場の理解を得た多様な働き方が可能となり、勤労の継続と子育ての両立が期待されます。また、
区民を対象とした地域枠により、待機児童解消に寄与いたします。現在、再開発組合では、事業化の発
意はございませんが、入居開始後、事業所の意向を踏まえ、開設を働きかけてまいります。
〔福祉部長榎本圭介君登壇〕
○福祉部長(榎本圭介君)
私からは、障害児の放課後一時預かりについてのご質問にお答えします。
放課後等デイサービスは児童福祉法上のサービスで、学校教育だけでは体験できない社会活動や創作
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活動など、日常生活の充実を図るものです。教育が療育の基本であることから、上乗せとして週2日程
度の支給を基本としているところです。また、児童福祉法の改正により、この間、民間事業所による放
課後等デイサービスが急増し、預かりやレスパイトを目的とする日中一時支援から放課後等デイサービ
スに移行されるお子さんが増えております。区といたしましては、ご相談を受ける中で、より目的に合
った利用を促してまいります。
最後に、「にじのひろば」の課題ですが、民間の放課後等デイサービスでは対応が難しい重度の知的
障害や肢体不自由のお子さんの放課後の居場所となっています。1対1の対応が必要なお子さんが多く、
結果として定員に余裕があっても受け入れが難しいことがあります。職員のスキルの向上や環境設定な
どの工夫を行い、障害のあるお子さんの放課後支援の場として充実させてまいります。
〔防災まちづくり部長松代忠德君登壇〕
○防災まちづくり部長(松代忠德君)
私からは、防災対策についてお答えいたします。
初めに、道路の無電柱化についてですが、品川区では、都市防災機能の強化や良好な都市景観の創出、
安全で快適な歩行空間の確保などを目的に、道路の無電柱化を進めております。特に、都市計画道路な
どの幹線道路の整備に合わせて無電柱化を進めることで、災害に強いまちづくりに大きく寄与するもの
と考えております。今後も、災害時の物資輸送等の基盤となる都市計画道路整備や再開発事業の中で無
電柱化を進めるとともに、オリンピック会場周辺の無電柱化を行ってまいります。
次に、無電柱化の整備計画等についてですが、区では、品川区長期基本計画に基づき、道路の無電柱
化を計画的に進めているところです。今後は、課題となっている狭い道路への無齢化の方策について、
国や都が進める技術的な検討の動向に注視しながら、さらなる防災性の向上につなげてまいります。
次に、支援物資輸送の物流情報管理についてですが、発災時には、避難所運営に従事する職員が避難
所の状況を把握し、定期的に災害対策本部へ報告を行うこととしております。その中で、避難所ごとに
不足する物資の情報が本部に集約され、これに基づいて支援物資を供給する体制を整えております。こ
の情報の伝達・共有がさらに迅速・的確となるよう、体制の強化が必要であると認識しております。今
後は、ご提案のソフトインフラを含め幅広く検討してまいります。
次に、国や都、近隣自治体からの支援と区との関係についてですが、区では現在、飲料水・食糧品を
含む必要な物資の供給、職員の派遣等について、52の自治体と相互に援助する協定を締結しております。
しかしながら、派遣される職員に期待する役割や支援内容は被害の状況に応じて全く異なるものとなる
ため、あらかじめ決めることなく柔軟に判断すべきものと考えております。また、受援計画につきまし
ては、来年度の地域防災計画の修正において盛り込んでまいります。
○塚本よしひろ君
それぞれご答弁ありがとうございました。自席より要望と再質問させていただきた
いと思います。
初めに、要望なんですけれども、区道の無電柱化のところにつきまして、要望というか、特に東京都
のほうから、そういう区道、そういう狭い道路に、これも一層支援をしていくということが出てきてお
りますので、やっぱりそういったところをしっかりと連携を東京都と、されるとは思いますけれども、
一刻も早くこれが前に進んでいくようにお願いしたいというふうに思います。
再質問のほうなんですが、公衆トイレの洋式化についてなんですけれども、区長の答弁では、大井町
などのターミナル駅、またオリンピック会場周辺ということでご答弁ありましたが、ちょっとあえて伺
わせて──これは品川区全体ということで、荏原のほうについてもそれはもちろん検討の対象となって
いるということであろうかということで、確認の意味で再質問させていただきます。
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〔区長濱野健君登壇〕
○区長(濱野健君)
公衆便所の洋式化に関してでありますけれども、私ども、今予定をしております
のは、どちらかというと品川・大井が中心になっております。荏原についても当然のことながら必要に
応じて実施をしていくわけでありまして、やり方としては、いわゆる比較的大きな公園の大規模改修に
合わせて行う。そういう意味で言いますと、この荏原の南公園ですか、ここの改修が予定をされており
ますので、ここについては荏原地域の洋式化ということで実施をしてまいりたい。同じように、大規模
改修という意味では品川区民公園の大規模改修を予定しておりますので、それに合わせて洋式化をして
いくということと、あとは単体の公衆便所を着実に洋式化していくという、そういう方法でやっていき
たいというふうに思っているところでございます。
以上です。
○議長(大沢真一君)
以上で、塚本よしひろ君の質問を終わります。
次に、石田ちひろ君。
〔石田ちひろ君登壇〕
○石田ちひろ君
日本共産党を代表し、一般質問を行います。
初めに、「選択的夫婦別姓の実現、LGBTアライの広がりで、誰もが自分らしくありのままに」で
す。
私は、ことし2月定例会で選択的夫婦別姓の実現を主張し、私を含め、苦しい当事者の思いを示しま
した。区の答弁は大変残念でしたが、「議会で取り上げてくれてうれしい」との感想や、結婚で夫の姓
に変更した方からは「変えたくないという人の気持ちは大事にされるべき」との声もありました。誰も
が自分らしくありのままに、そんな社会が急がれます。
前回も述べたとおり、世界で夫婦同姓を法律で強制するのは日本だけ。国連女性差別撤廃委員会は、
民法が差別的規定だと政府に廃止の要請。国会では野党4党が民法改正法案を共同提出しました。
私は、小学生の子どもがいる夫婦別姓の方に話を聞きました。別姓の希望は夫からで、「夫婦はお互
いを尊重し、対等だからこそ向き合える」と理由を話し、不安を聞くと、「戸籍に名前がないため、い
ざというとき夫婦と認められないことが心配。財産も遺言書を残しても、法的な相続権がない」と話し
ます。
前回の質問で、品川区は「民法では、姓の選択は夫婦の話し合いに委ねており、男女間の不平等は存
在しない。よって、人権侵害ではない」と答弁がありました。話し合いと言いますが、選択肢のない話
し合いとは、どちらかへの名前の強制であり、人格を否定する人権侵害です。
憲法24条は、「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立」「法律は個人の尊厳と両性の本質的平等に立
脚し、制定」とあり、どちらかへの強制は憲法違反です。
区は、夫婦の話し合いによって合意と言いますが、別姓の選択肢がない中での話し合いは名前の変更
合意が強制される人権侵害ではないのか。それでも「人権侵害ではない」と言えるのか、理由を伺いま
す。
改めて選択的夫婦別姓の実現が必要とだと思いますが、いかがでしょうか。
次に、LGBTアライについて伺います。
まず、LGBTとは、レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーの頭文字を組み合わ
せ、性的少数者を表す言葉です。性のあり方は本人の意思で変えられるものではなく、その人を構成す
る重要なアイデンティティーです。そして、アライとは、LGBTを初めとする性的少数者のことを理
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解し、自分にできることは何かを考えて行動する支援者のことです。
性の多様性とは、マイノリティーもマジョリティーもどちらも大事な存在であり、一つとして同じ性
はないということ。LGBTのシンボルが虹色であるように、性の多様性を理解し、社会生活で実践す
ることが大切です。例えば、「彼氏・彼女いないの?」など、異性愛を当然視する日常会話は、当事者
にとって顔で笑って心で傷つき、LGBTアライは、そうした差別的な冗談を客観的にただしたり、当
事者の悩みを代弁できます。
学校では、先生の話が異性愛を前提にしていたり、いわゆるホモネタが子ども同士の笑いの種にされ
たり、いじめの対象にされたり、傷つき、学校に通えない生徒もいます。
また、当事者の悩みの一つが就職です。「面接で話したら、採用に不利になるのでは」「黙って就職
した後、ずっと我慢し続けるのか」「いつでも仕事を変えられるアルバイトを選ぶしかない」など深刻
です。
渋谷区や世田谷区では、同性カップルを「結婚に相当する関係」と認める事業を始めました。企業で
も、野村證券や日本IBM、GAPジャパン、LUSH、ユニリーバーなどで始まり、野村證券では人
事課を中心に「性別と仕事の能力は関係ない」と、LGBT研修を充実させています。
品川区はどうでしょうか。ことし3月、「性自認、性的指向とは何か」と質問しましたが、不明確な
答弁でした。すぐできることとして、学校でのポスター掲示や図書室での本の配置を求めましたが進ま
ず、職員研修も本格実施とは言えません。
性の多様性ついて、基本的なことですが「体の性」「性自認」「性的指向」とはそれぞれ何か、LG
BT当事者は、これらのことで、学校、就職、職場、病院、住宅など社会生活を送る中でどんな悩みや
偏見で苦しんでいるのか、そしてLGBTアライとは何か、まず正しい理解を広げたいとの思いからの
質問ですので、丁寧なご答弁をお願いします。
そして、学校での専門図書の配置やポスターの掲示、子どもや社会人への相談窓口の設置、渋谷区や
世田谷区と同様にパートナーシップ制度など支援に向けた検討組織の立ち上げ、また、学校や庁舎など
区施設でのトイレや更衣室などの施設整備について、LGBT当事者の意見を聞きながら、子どもも大
人も安心できる環境整備を求めます。いかがでしょうか。
LGBT当事者にとって就職はとても大きな壁です。品川区で安心して働くことができることを明ら
かにしたいので、あえて伺いますが、区は職員採用時、LGBTを理由に採用を拒むことはあるのか。
職員の福利厚生は、LGBTを理由にした差別がない対応を求めますが、いかがでしょうか。
次に、「1500万円かけたリオ五輪視察はムダ遣い
東京五輪に向け日常的な文化・スポーツの環境づ
くりこそ」です。
区職員5名と区議2名による1,500万円もかけたことし8月のリオ五輪視察。改めて述べますが、主
催者である東京都からの視察要請はなく、区が独自に1,500万円もの税金をかけ開催中の現地を確認し
なければ東京五輪を迎えることができない特別な事情はなく、税金の無駄遣いです。
視察報告書には、成果として4点の提案があります。まず、ボランティアでは、「観戦後に食の魅力
等による区内誘導」「区内全体で観光客をおもてなしする雰囲気づくり」「ボランティアの宿泊システ
ム構築」、いずれも開催に向け地元自治体との連携に必要な準備は主催者である東京都が行うことであ
り、区独自の現地確認は必要ありません。
文化プログラムでは、コンセプトの明確化、早期着手、区民参加、SNS活用を「重要」と、認識の
深まりを成果としますが、視察前のオリンピック・パラリンピック推進持別委員会で東京都から説明を
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受けており、準備も含め主催者との連携で可能です。
まちづくりでは、バリアフリーについて「東京都等に確実な実施の申し入れ」「さらに徹底」「駅と
接続する道路のバリアフリー」を挙げますが、現地まで行かなくとも区の課題は確認できます。
ホスピタリティハウスでは「創意工夫が必要」と記載。
これが成果と言えるのでしょうか。いずれも独自に1,500万円もかけるべき調査ではなく、それはオ
リンピック開催中の視察が23区で品川区のみだったことからも明らかです。
ずばり、1,500万円もの税金をかけて開催中の現地でなければ知り得なかった価値とは何か、具体的
にご説明ください。
そもそもオリンピック・パラリンピックとは「スポーツと文化・平和の祭典」です。品川区は、海外
からの来訪者誘導など経済効果ばかりに目が向き、肝心のオリンピック・パラリンピックの理念を脇に
置いています。本来実施すベきは、例えば日常的なスポーツや文化に親しむための環境整備や施設利用
料の軽減、障害者スポーツセンターの建設など、支接体制です。
品川区が平成22年に文化芸術・スポーツ振興ビジョン策定時に実施した調査では、スポーツについて
7割が「関心がある」と回答しながら、頻度は1位が「週1~2回程度」、2位が「ほとんどやらな
い」。「どのようなスポーツ活動か」の設問では、1位が「テレビ観戦が中心」です。文化芸術では7
割の方が「関心がある」としながら、その活動は「たまに楽しむ程度」が1位。内容は、映画やビデオ
の鑑賞が断トツの1位。活動で困っていることでは、1位が「料金・費用が高い」、2位が「自分の時
間に合わない」です。スポーツも文化も豊かさに欠けた深刻な状況。東京大会に向けた機運醸成とは、
これらの改善こそ重要です。
また、このビジョンに障害者の位置づけがないのは大問題です。障害がある方は毎日の生活と合わせ、
支援者や移動、用具の確保、そのほか、トイレや更衣室の整備など高いハードルがあります。また、観
戦することも大切なスポーツ参加。精神・知的・視覚障害者など、全ての障害がある方が参加できるバ
リアフリーが必要です。
東京オリンピックの機運醸成へ、日常的に区民が文化やスポーツに親しむための新たな施設整備や利
用料の軽減、さらには労働環境の改善など、今から進めることが必要だと思いますが、いかがでしょう
か。
東京パラリンピックの機運醸成へ、(仮称)品川区障害者スポーツ振興計画を策定し、品川区障害者
スポーツセンターの建設や運営の検討を求めますが、いかがでしょうか。
視覚障害者や精神障害者も含めた全ての障害がある方が、東京オリンピック・パラリンピックに例え
ば観客としての参加を可能にするため、観覧席の確保はもちろん、家族やボランティア、医療体制、費
用負担の軽減など、当事者の意見を聞きながら進め、日常生活も含めたバリアフリーのまちをレガシー
として残す整備を早急に求めます。いかがでしょうか。そのためにも、例えば品川区文化芸術祭や区民
スポーツ大会への障害者の観客席設置などの具体化を進めるよう求めますが、いかがでしょうか。
次に、「区立ひろまち保育園の民営化、夢工房による運営に疑義
徹底した真相解明を」です。
まず、区の反省です。子どもに重大な影響を及ぼす事業者交代について、区は保護者会で「反省の意
と迷惑をかけたことは伝えた」と答弁しますが、保護者の方に話を聞くと、謝られた印象はないと話し
ます。事業者交代という重大事態を引き起こした反省の思いが伝わるよう、保護者に対する謝罪はもち
ろんのこと、議会、区民への謝罪を求めますが、いかがでしょうか。
次に、解除の理由が不明確という問題です。
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新たに開所時に絵本の数が数冊だったことが報告されましたが、区は解除の理由とする保育方針の違
いを「具体的な保育観が違った」との説明で、中身が不明です。
保育方針の違いについて、開設当初から今まで区が改善を求めたことは何か、具体的な中身を伺いま
す。
そして、看護師配置の問題です。
区は、看護師の未配置について「相手方の自主的な対応」と、他人事です。区立ひろまち保育園で看
護師配置を実現できない業務委託は問題ではないのか、伺います。
また、区は、新たな事業者が配置しない場合は一定の対応をすると話しますが、一定の対応とは何か、
現事業者では一定の対応をしない理由をそれぞれ伺います。
次に、保育方針を守らせることができない問題です。
保育方針に従わないことや看護師の未配置を不履行とする一方で、区は「一般条項が守られないこと
で、とがめ立ては難しい」との説明。区立なのに区の方針を守らせることができず、区も業務委託には
あらゆるリスクがあると述べています。業務委託のリスクとは何か、リスクがあるにもかかわらず業務
委託するのはなぜか、それぞれ伺います。
現在の委託先である夢工房について、兵庫県の第三者委員会は調査報告書を発表し、そこには理事長
親族らの法人私物化、高級婦人服や新婚家具などの購入、領収書を偽造し、複数園に分割計上、勤務実
態のない親族へ給与の支払いなど、私的流用は1億4,000万円と報告。また、職員へのパワハラ、保育
園の絵本はブックオフの中古品、おもちゃは100円均一、補助金の不正受給では、姫路市で3,668万円、
港区で890万円、品川区では開設準備金約200万円の水増し請求の可能性を指摘しています。横浜市の監
査でも678件の不適切な支出が指摘されています。区は当初、「不正はない」と断言しましたが、その
後、領収書の内容に疑義があり、カーテンや教材の金額が高い理由を調査中と説明します。
ひろまち保育園の一連の問題を明らかにした区の調査報告書を作成し、提出を求めますが、いかがで
しょうか。
区は、保育園民営化を「国の補助金が私立のほうが多い」「待機児対策」など述べますが、結局は区
の経費削減が一番の狙いです。事業者交代で信頼していた保育士が変われば、子どもの成長・発達に大
きな影響を与えます。将来を担う子どもたちへの影響は社会にとっても不利益です。地方自治体の保育
責任を投げ出す民営化はやめるべきです。いかがでしょうか。
最後に、「区長公約先送りは許されない
来年4月の待機児ゼロを」です。
区長は待機児ゼロを公約に掲げましたが、認可保育園に入園できなかった子どもは、昨年4月1,015
入、ことし4月971人。保育園に落ちたママからは「妊娠中から保育園を回り、どこにしようか悩んだ
のに結局どこも選べない。仕事を諦めろというのか」と、深刻です。しかし、来年4月も、ことし10月
時点でゼロにならないことが報告されました。
ことし4月、認可保育園を希望し入園できなかった971人の内訳、認証保育園に預けた数、認可外施
設に預けた数、仕事をやめた数、育児休暇を延長した数、祖父母に預けたなどその他の保育の数、それ
ぞれ伺います。
区は、来年4月に10園、8月に2園、合計974人の認可園を増設します。一定の評価はしますが、問
題は、来年はことしより400人多い予想に対し、申し込みのうち9割を占める0・1・2歳は383人分の
みと、公約の待機児ゼロにならないという問題です。しかも、その原因を「乳幼児人口の増加と働く母
親が増え、希望者が増え、定員拡大が追いつかない」と述べました。待機児が解消しないのは子どもを
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産む母親のせいですか。働くお母さんが増えるせいですか。伺います。
民営化や民間誘致では待機児は解消しません。区立保育園民営化を4年後に三ツ木、八潮西、5年後
に八潮北、この保育園としていますが、その破綻は区立ひろまち保育園で明らかです。また、民間保育
士への置きかえは低賃金で保育士が確保できない問題を悪化させ、待機児解消に逆行です。民間誘致も、
必要な場所に必要な数が必要な時期に開設できません。
区立保育園はつくらない方針の転換と、地域・年齢ごとの認可保育園需要調査を求めますが、いかが
でしょうか。
小山台住宅跡、旧第一日野小学校跡、林試の森隣に公園用地として都市計画決定されている都有地
O.5ヘクタールなど、来年4月待機児ゼ口実現のため、国・都・区有地など早急に認可保育園用地を確
保し、区立保育園増設を求めます。緊急対策として分園建設も求めます。いかがでしょうか。
認可保育園が足りないため、次々に認可外施設がつくられ、そこに預けざるを得ない状況が広がる中、
ことし3月、大田区の認可外保育施設で6か月の幼い命が失われる死亡事故が起きました。保育施設で
命を落とした子どもは10年間で146人、そのうち7割が認可外保育施設です。区内では認可外保育施設
21か所に214人の子どもがいます。
認可外保育施設について、認可化への財政支援、検査指導の強化、高い保育料の負担軽減のため助成
制度を求めますが、いかがでしょうか。
基金903億円と土地活用で待機児ゼロの実現を求め、一般質問を終わります。ありがとうございまし
た。(拍手)
〔区長濱野健君登壇〕
○区長(濱野健君)
私からは、夫婦別姓等についてお答えを申し上げます。
昨年12月に、最高裁におきまして夫婦同姓は合憲との判決が出されました。その中で、姓──名字で
あります。姓の選択は夫婦の話し合いに委ねられており、旧姓の通称使用が広まることで不利益は緩和
できると結論づけております。そのため、別姓の選択肢がなくとも人権侵害には当たらないと考えてお
ります。また、選択的夫婦別姓の問題につきましては、この判決を踏まえ、国が対応していく事柄であ
ると考えております。
次に、LGBTの質問にお答えいたします。
「体の性」とは出生時に判定された身体の性別、「性自認」とは自分が認識している自分自身の性別
のことであります。「性的指向」とは、どのような性別の人を好きになるかということであります。ま
た、「LGBTアライ」とは、ご質問の中にもありましたように、a11y(アライ)、英語で盟友・味方
が語源だそうで、LGBTを理解し、支援する人のことを意味しております。これまでLGBTの相談
はございませんが、一般に、人に打ち明けられない不安や悩みをもっていると言われております。また、
職場で明らかにされたことによっていじめを受けるのではないかという悩みがあると言われております。
次に、専門図書やポスターについてですが、教育委員会では国や都の動向を踏まえつつ、研究してま
いります。
また、相談窓口の設置ですが、学校では教職員の正しい認識を基本とし、巡回相談員が対応できるよ
うにしております。さらに、性的マイノリティーの人権相談として、都では「よりそいホットライン」
を初め、「みんなの人権110番」等がございます。区におきましても人権啓発課の既存の相談窓口を活
用し対応しており、引き続き区民へのPRに努めてまいります。
次に、検討組織についてですが、これまでも相談や要望等はございませんので、立ち上げる考えはご
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ざいません。
また、環境整備につきましては、スペース的な課題もございますので、必要があれば施設面での利用
の工夫等も含め、国や都の動きを踏まえた上で研究してまいります。
最後に、区職員の採用についてですが、LGBTを理由に採用を拒むことは一切ごさいません。また、
福利厚生ですが、これまでも職員からの相談はございませんが相談等があれば関係団体と協議してまい
ります。
その他のご質問等につきましては、関係部長等よりお答えを申し上げます。
〔文化スポーツ振興部長安藤正純君登壇〕
○文化スポーツ振興部長(安藤正純君)
私からは、リオデジャネイロオリンピック視察についてお答
えをいたします。
3泊7日という強行軍ではございましたが、合計21項目にわたる調査を実施し、大会関係者に直接お
話を伺うとともに、100人以上のボランティアの方々にインタビューを行いました。その結果、報告書
でお示ししたとおり、大会本番における区内開催競技会場、ボランティア、文化プログラム等の実態に
ついて確認することができました。
次に、区民が文化・スポーツに親しむための施設整備等についてお答えいたします。
区では、平塚小学校跡地に「荏原平塚総合区民会館」の建設、品川学園の校庭面積の拡大、また、荏
原第二中学校跡地の「ひらさん広場」の整備、さらに、八潮北公園でのスケートボード場の計画や公園
運動施設のグラウンド改修に合わせた多目的化など、機に即して区民の文化・スポーツの活動する場を
広げてまいりました。区立体育館等の施設利用に当たっては、区民が優先的に予約でき、区民料金での
利用ができる仕組があり、多くの人に利用していただいています。
次に、障害者スポーツ振興計画の策定についてですが、品川区は、他区に先駆けて平成7年、障害者
スポーツプログラムを策定し、障害のある方が参加できるスポーツ教室や水泳教室、ユニバーサルスポ
ーツ大会等の事業を開催するなど、障害者のスポーツ振興を図っております。ことし3月には、国の審
議会が「地域における障害者スポーツの普及促進について」を報告したところですが、区としましては、
国の指針等を参考に、スポーツを誰もが、いつでも、どこでも、いつまでも、親しめる社会の構築に努
めております。また、障害者スポーツセンターについては、現在都内に2か所ありますが、城南地域に
も設置するよう都に要望しているところでございます。
最後に、障害のある方々の東京オリンピック・パラリンピックへの参加についてでございますが、区
内競技会場については、障害のある方を最優先として区民のための優先席を確保できるよう既に組織委
員会に働きかけているところです。また、区内のバリアフリー整備につきましては計画的に行っていま
す。区といたしましては、ソフト・ハードの両面にわたり、全ての区民が文化・スポーツ活動に親しめ
る環境づくりをめざしてまいります。
〔子ども未来部長齋藤信彦君登壇〕
○子ども未来部長(齋藤信彦君)
私からは、ひろまち保育園等についてお答えします。
まず、議会、区民への謝罪についてですが、これまで、議会、保護者の皆様に意を尽くしてご説明さ
せていただきました。3回の保護者説明会で、議員が指摘されたようなご意見はございませんでした。
この間、夢工房では保育士の退職が続き、来年度の事業継続に不安がある園のほか、地元自治体の保育
士が派遣される園などの報道がございまして、合意解除と丁寧な保育の引き継ぎに保護者の理解をいた
だいております。
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次に、区が求めた改善ですが、絵本、備品の追加購入、子どもの成長を記録する様式類の変更のほか、
グループ保育、散歩などでの区の保育を最大限尊重することです。看護師ですが、保育課や近隣保育園
の看護師が随時対応しており、不履行については年度末に委託料を清算いたします。
次に、来年度の看護師ですが、新しい事業者は配置を確約しており、履行できない場合には違約金を
徴収いたします。夢工房の代表代行者には繰り返し配置を求めていますが、法人内部での混乱が続く状
況にございます。
次に、業務委託のリスクですが、保育園は乳幼児を対象とした施設で、公立私立を問わず不測の事態
への対応が必要となります。民間事業者に委託する理由ですが、期間を限定して保育人材を確保すると
ともに、効率的な運営を図るには民間活力が不可欠と考えております。
次に、報告書の提出ですが、区はこれまで、ひろまち保育園での対応と兵庫県の第三者委員会による
調査報告書を、議会、保護者にご説明させていただいており、区として報告書を提出する考えはござい
ません。
最後に、保育責任ですが、効率的かつスピード感を持って待機児童対策を実施するため、数多くの自
治体で公立園の民営化が図られております。議員のご指摘のように、民間活力の導入が自治体の責任を
放棄するものとは考えておりません。
次に、待機児童等についてお答えします。
まず、不承諾の内訳ですが、認証保育所が324人、転園できず在籍園での継続が178人で、退職や育児
休業を継続された方などの数は把握しておりません。
次に、待機児童が解消しない理由ですが、区政の確かさと住みよさが評価され、乳幼児人口が前年よ
り800人以上増えております。また、区内に転入し入園した方が14%を占めるなど、区の待機児童対策
への期待の高まりと理解しております。
次に、公設保育園の整備ですが、用地取得から整備まで最短でも3年を要しますので、現下の待機児
童対策に有効な手法ではございません。
次に、認可保育園需要調査ですが、待機児童・不承諾者の地域別・年齢別の数を把握しておりますの
で、改めて調査を行う考えはございません。
次に、都有地等の活用ですが、これまで区は保育園に利用可能な用地情報を収集し、関係機関と協議
を進めてまいりました。引き続き活用に向け情報に注視し、関係機関に働きかけてまいります。
次に、認可外保育施設への財政支援等のお尋ねですが、いずれも総合的な待機児童対策の中で検討し
てまいります。
○石田ちひろ君
自席より再質問させていただきます。
まず、夫婦別姓ですけれども、国が対応ということでした。ここでも国の問題だから答弁しないとい
う残念な状況です。独立した意思を持つ地方自治体は、国に意見を言うことができます。区民の人権、
夫婦別姓を他人事にしないでください。なぜ国に民法改正を求めないのか、現在の民法は人権侵害では
ないのか、改めて伺いたいと思います。
リオ視察についてですけれども、オリンピック開催時はオリンピック価格で高騰し、宿泊費は10倍、
航空機代2倍でした。費用は合計で1,500万円。そこまで高い税金をかけて、答弁にあった実態の確認、
これをしなければ品川区が東京五輪を迎えられない理由とは何か、具体的にご説明ください。そして、
ここに1,500万円かけるべき価値とは何か伺います。
続いて、ひろまち保育園です。私の質問は、事業者交代という重大事態を引き起こしたことに対して
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の謝罪です。全く答弁がありませんでしたので、改めて事業者交代という重大な事態を起こしたことへ
の謝罪を求めますが、答弁をお願いします。
また、区立保育園を民営化しても定員は増えません。答弁で待機児対策とありましたが、なぜ民営化
が待機児対策なのか、理由を伺います。
そして最後に、待機児問題です。解消しない原因は区にその計画がないことであって、母親のせいで
はありません。原因を人のせいにするのは間違っていると思いますけれども、いかがでしょうか。
〔区長濱野健君登壇〕
○区長(濱野健君)
夫婦別姓の問題であります。国が対応していく事柄だということは、私が申し上
げるというよりも、最高裁の判決の中でそのような内容のことが言われているわけでありまして、実際
に今、国会で夫婦の名字の問題については議論が始まっているところであります。こうした問題につい
ては十分に注視をしていく必要があると考えているところであります。
〔文化スポーツ振興部長安藤正純君登壇〕
○文化スポーツ振興部長(安藤正純君)
再質問にお答えいたします。
リオデジャネイロオリンピック視察にどうしても行かなければいけなかった理由でございますけれど
も、再度の答弁になりますけれども、大会前として、実際に行うリオに行って、品川区でも実際に大会
の開催の競技場になってございます。そのような場所を実際に見て、聞いて、そして東京オリンピック
の成功に、一層の成功に結びつけるための視察でございます。あとは大会の報告書に全て記載をしてご
ざいます。(発言する者あり)
○議長(大沢真一君)
ご静粛に願います。
〔子ども未来部長齋藤信彦君登壇〕
○子ども未来部長(齋藤信彦君)
再質問にお答えいたします。
まず、謝罪ですが、基本的には来年度以降も保育事業の継続をするということと、保育の質を確保す
るための事業者交代でございます。謝罪につきましては繰り返しおわびを申し上げております。先般、
保育課で、窓口業務の向上ということで、3人の弁護士の方から極めて貴重な講演会をいただきました。
謝罪を繰り返してもなおかつ謝罪やそういったことを繰り返し要求する場合は、一定程度でお話を区切
ることが適切だという話も頂戴いたしました。もちろん議員と議論をやめるつもりは毛頭ございません
けれども、公の場の議論といたしましては具体的に事実を摘示して謝罪等を言ってください。私どもは
十分意を尽くして説明しているところでございます。
民営化につきましてですが、待機児解消は財政負担を平準化し、簡素で効率的な行政を進めるという
区民の願いと、子どもを保育園に預けたいという保護者の思いを合わせて民営化を進めるものでござい
ます。ご理解のほどお願い申し上げます。
原因は何かということで、私は保護者の方を責めるつもりは、責めたことは一切ございません。あく
まで品川区の住みやすさ、そして区政の確かさを評価されて転入されている方が多くございます。した
がいまして、転入された方も踏まえまして転園拡大に努めているところでございます。
○石田ちひろ君
自席より再々質問させていただきます。
夫婦別姓ですけれども、区は前回、心情は理解できると述べていただきました。しかし、実現を求め
ることも人権侵害ということも考えていないということなんですね。一体どんな心情を理解していただ
いたのかと思います。この間、選択的夫婦別姓を取り上げることで、別姓を望む人も同姓を望む人も、
多くの方々と意見の共有もできてきました。ライフスタイルや結婚のあり方も多様化する今、選択的夫
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婦別姓は人権を守る上でも不可欠です。ぜひ品川区としてもこうした議論を広げることを進めていただ
きたい。そして、選択的夫婦別姓を国に求めていただきたいと思います。改めていかがでしょうか。
次に、リオ視察です。1,500万円かけるほどの実態の確認だったのかと思います。品川区がそれを確
認しなければオリンピックを迎えられない理由が全然わかりません。区が独自に1,500万円もかけるべ
き実態の確認とは具体的に何か、伺いたいと思います。
そして、ひろまち保育園です。謝罪について、繰り返しわびているということでした。先日の決算質
疑でも、おわび、謝罪、反省ということが述べられていますけれども、事業者交代が起きたことへの発
言なのか、わかりません。ずばり何に対する謝罪なのか、区民にも議会にも謝罪していただきたい。は
っきり説明していただきたいと思います。
そして、最後に待機児問題です。待機児解消ができない原因を、区ではなく親に求めることはひどい
と思います。そもそも区長の公約が守られていないことに、まずは反省の気持ちはないのでしょうか。
原因を親に求めるのは間違っていると思いますけれども、いかがでしょうか。
〔区長濱野健君登壇〕
○区長(濱野健君)
名字の問題ということにつきましては、家庭の事柄であり、そしてまた同時に、
それぞれ一人ひとりの問題でもあり、また、社会全体の問題でもあるというふうに思っております。し
たがいまして、これは国全体の問題として十分に慎重に、国において議論をすべき事柄であると考えて
いるところであります。
〔文化スポーツ振興部長安藤正純君登壇〕
○文化スポーツ振興部長(安藤正純君)
委員の再々質問についてお答えいたします。
リオの実態の確認ではございますけれども、先ほど答弁でもございましたけれども、100人以上のボ
ランティアの方々に実際にお会いして、実際にお話を聞くことができました。そのボランティアの方々
は、今まで東京都でもどこでもやっていないことでございます。ですから、実際にその現場に行って、
聞いて、そこで東京の、我が品川区の開催会場のために働いていただくボランティアの方に反映させて
いただくということでございます。
〔子ども未来部長齋藤信彦君登壇〕
○子ども未来部長(齋藤信彦君)
再質問についてですが、まず、謝罪につきましては、繰り返し、繰
り返しお話をさせていただきましたが、意を含めてお話をさせていただいており、事業者交代につきま
しては、委員がご指摘のとおり、保育の質を確保するためには事業者交代という手法が最も最善でした。
その行政としての責任は果たしたと考えております。
次に、待機児童ですけれども、合計特殊出生率を想定とした子ども・子育て計画上、来年度では、本
来であれば子どもの数は十分受け皿と見合いで待機児ゼロを実現する見込みでしたが、合計特殊出生率
を超える形で子どもの数が流入しております。転入されております。これは、引き続き言いますけれど
も、区の区政の確かさ、住みよさが確認されてのことだと思います。引き続きスピード感を持って待機
児童対策に取り組んでまいります。
○議長(大沢真一君)
以上で、石田ちひろ君の質問を終わります。
会議の運営上、暫時休憩いたします。
○午後2時14分休憩
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○午後2時30分開議
○副議長(浅野ひろゆき君)
休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を続けます。
いながわ貴之君。
〔いながわ貴之君登壇〕
○いながわ貴之君
民進党・無所属クラブを代表して一般質問を行います。
初めに、区内企業とのまちづくり連携について、2点お伺いします。
大井町駅周辺地区では、本区における行政・文化・商業・業務および交通の中心として、より一層の
発展を図りながらまちづくりを進めております。昭和56年に大井町駅周辺地区再開発基本計画を策定、
また、平成13年に市街地整備基本方針を定め、まちづくりを進めてきました。そして、区民の新しいニ
ーズや時代に対応すベく、計画的なまちづくりを推進するため、まちづくりに関する各分野を包括した
総合的な計画として、平成25年2月に品川区まちづくりマスタープランを策定しました。これらの計画
や方針、プランは、現在行われている都市整備の根幹であり重要な位置づけであることは承知しており
ます。
1点目は、広町JR社宅跡地利用の創出についてであります。
時代の流れとともに幹線道路の整備や駅前ホテルの建てかえ、整備、にぎわいの中心となる施設がオ
ープンしてまちづくりの動きが活性化している中、昭和62年5月に策定された大井プレイス構想の一部
を取り入れた大井町駅周辺地区まちづくり構想を平成23年6月に策定し、将来のまちづくりの方針を示
しました。「人が集まる」「歩きたくなる」「環境配感・魅力的」「まちの更新に合わせたまちづく
り」、こうした考えの中で、東京の表玄関として出会いや交流、本区の商業・文化の中心として気軽に
出かけられ、人と環境に配慮した持続可能なまちづくりの形成は、いわば後世に継承できる都市環境と
いっても過言ではありません。主観的ではありますが、その中心は広町JR社宅跡地のまちづくりにあ
ると考えます。
本区は区有地との開発構想の検討を今年度もJRと共同で進めている中で、JRは東京オリンピッ
ク・パラリンピックが閉会した以降に開発を進めることを検討中と聞いております。大井町駅周辺まち
づくり構想では、基本的な考え方、まちの将来像は掲げていますが、殊さらJR社宅跡地と区有地の一
体的な整備について、例えば豊島区のような手法による分譲マンション一体型の行政施設やMICE
(マイス)に対応した施設等が考えられますが、本区のお考えをお聞かせください。
また、社宅6棟のうち3棟が既に解体の準備に入っております。全棟解体終了時期は未定であります
が、跡地の暫定利用として東京オリンピック・パラリンピック開催時におけるホスピタリティハウスや
スポンサーハウスなど、競技大会に関連する施設の誘致を行うことも、今後、本区が都市型観光施策を
実施する上で有益に働くと考えますが、本区のご所見をお伺いします。
2点目は、民間企業の社屋等建てかえに際しての連携についてであります。
1917年に設立した日本光学株式会社の大井第一工場、第二工場では商品開発が行われ、世に多くの光
学製品を送り出し、中核的な工場でありました。言い方を変えれば、約100年の間、大井町駅周辺のま
ちづくりの変遷を当事者として見届けてきたといっても過言ではありません。しかし、その歴史も一つ
の終着点を迎えました。本年4月より、株式会社ニコン大井製作所は、企業としての土地の有効活用等
で旧第一・第二工場建屋の解体工事が始まりました。企業の方針で時代に即した有効利用を行うことは
当然のことである一方、本区の産業発展の一翼を担ってきた工場の解体は物寂しさを感じるところであ
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ります。
こうした現状の中、跡地利用に関してはまだ決まっていないと伺っておりますが、まちづくりの連携
において本区は何らかのアプローチをされているのでしょうか。今後する予定はあるのでしょうか。本
区のご所見をお伺いします。
また、隣接する区立西大井広場公園は災害時に近隣町会の一時集合場所であり、保育園の建設も進め
られております。こうした公園利用を考えると、周辺道路の幅員確保も必要になると考えます。隣接す
る間を交通量が多い区道が通っており、立会道路との交差部は安全に往来できる構造になっていません。
こうした現状から、大井製作所側の隅切りや歩道としてのご協力を促すことも必要と考えますが、本区
のご所見をお伺いします。
今回は一例を挙げましたが、区内企業とのまちづくり連携については大崎駅前の明電舎やソニーなど
も挙げられます。今後も区内企業の建てかえや解体等が行われる機会に本区もアプローチをしていただ
き、協力を仰ぐことが必要と考えますが、本区のご所見をお伺いします。
次に、戦略的都市型観光について5点お伺いします。
先日、区民委員会の行政視察で函館市における観光基本計画についてお伺いしました。函館市は、ご
存知のようにブランド総合研究所の地域ブランド調査2016において市町村の魅力度ランキング1位の評
価を得ています。ここ数年をさかのぼっても常に3位以内にランクインをしており、豊富な観光資源が
詰まった都市であり、観光のカテゴリーも違い、本区が行う都市型観光との比較は安易にできませんが、
函館市というブランドに頼ることなく、常に新たな観光資源の創出と既存観光資源の磨き上げを行って
いることが現在の函館市の観光を支えていることに感服いたしました。この観光資源の創出と磨き上げ
は本区においても有益に働くものと確信しておりますので、ぜひこうした考え方を取り入れて都市型観
光の確立を行っていただきたいと考えます。
1点目は、品川区観光マーケティング調査の実施についてであります。
函館市を例にとっても、魅力度ランキングの結果を問わず、そこには並々ならぬ観光に対しての思い
と情熱が降り注がれていることがわかります。観光施策を行う都市は、国内外問わず、観光客の視点が
どこに向いているのか、どの分野に力を入れるべきなのかなど、詳細な分析が必要であります。特に観
光客入り込み数や観光客の特性、都市を選んだ理由、訪問先、宿泊客数などの数値の把握は必要不可欠
なものであると考えます。
平成28年度予算特別委員会総括質疑において、観光施策を実施する上で極めて信頼度が高く、それに
携わる方々が問題意識を共有することができる本区独自の観光マーケティングの実施について質問をい
たしました。「本区として観光データは、国または都レベルで収集されたデータを準用している。国お
よび都の調査で、ある程度多様なことがわかる。早急な独自調査を行う必要性は低い。しかしながら、
今後設置予定の協議会に加盟する多岐にわたる事業者の皆様から得られる品川独自のさまざまな推定値
を有効に活用する」とご答弁をいただきました。担当部長として、今回の区民委員会での視察や、視察
団として渡伯して得た情報等は今後の本区における観光施策に大いに生かせることができる中、観光マ
ーケティングの実施、もしくは本区における観光マーケティングの実施、もしくはそれに類似するオリ
ジナルの観光指標を作成する必要性があると考えますが、改めて本区のご所見をお伺いします。
2点目は、SNSの有効活用についてであります。
観光戦略に欠かせない一つに情報発信があります。世界的に見ても、多くのSNSが存在する中、個
人的にもSNSを情報発信の有効な手段として活用している方も多く、企業のPRにおいても利用度は
18
高いものと考えられます。本区においてもSNSやアプリを導入し、情報発信を積極的に行っているこ
とは承知しています。これらは時代に則したことであり、評価するとともに、今後の最新の情報を発信
に努めていただきたいと思います。
一方で、情報の煩雑化や利用者の多様化に対応するSNSを配信していかなくてはならないと考えま
す。特に観光SNSについては、今後も増加することが予想される外国人観光客や東京オリンピック・
パラリンピックに向けて外国人のニーズに合ったものが必要であります。既存のSNS等を利用するこ
とも大切でありますが、外国人観光客にターゲットを絞って情報発信をするSNSの構築も必要と考え
ますが、本区のご所見をお伺いします。
また、リオデジャネイロオリンピック開会式において、Facebookでは世界で5,200万人の投
稿に対して1億900万の書き込みが4時間の間であったと聞いております。国内ユーザーが約2,600万人、
海外ユーザーは16億人を超えているSNSを利用することも必要と考えますが、本区のご所見をお伺い
します。
3点目は、Wi-Fi環境整備についてであります。
博報堂スマートデバイス・ビジネスセンターのスマートフォン購入による行動変化調査で、スマート
フォン購入により「屋外検索」や「情報シェア」が浸透しているという結果を見ると、SNSの写真や
動画、コメントの配信は屋外が多いことが考えられます。来訪者へのインターネットサービスは必要不
可欠であると考えます。観光庁が行った外国人旅行者に対するアンケート調査の結果で、旅行中困った
ことについては、公衆無線LAN環境が36.7%で最も多く、次にコミュニケーション、公共交通の経路
情報の入手と続き、最も困ったことも傾向は同様でありました。今後の外国人観光客の増加、特に2020
年に開催される東京オリンピック・パラリンピックに向けてのWi-Fi環境の整備は行政の喫緊の課
題とも言えます。リオデジャネイロオリンピック視察においてもWi-Fi環境の劣悪さを肌身で感じ
たところであります。
過日の決算委員会において、石田しんご議員の質問に対して、Wi-Fiスポットは大井町駅と公園
の6か所で、主要駅、公共施設への整備・増設も進めると担当課長よりご答弁をいただきましたが、通
常の行政サービスを考えれば、この整備によって事足りると思いますが、殊さら観光の視点で考えたと
き、環境を整備する場所やターゲットなどを考えていかなくてはならないと思います。本区が都市型観
光として考えているエリアを所管する課と連携して整備を進めることが必要と考えますが、本区のご所
見をお伺いします。
また、東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて競技場周辺および最寄り駅などに臨時のWi
-Fiスポットを整備することも必要と考えますが、本区のご所見をお伺いします。
4点目は、区内飲食店等における外国人観光客のおもてなしについてであります。
近年、外国人観光客に対応すベく、飲食店等は個店の努力の中でさまざまな取り組みを行っておりま
す。この努力は個店にとどまることなく、地域、品川区のおもてなしへつながるものと考えます。その
努力はメニューの多言語化やWi-Fi環境整備、ハラールの提供などが挙げられ、インバウンド対応
を前向きに進めています。しかし、このことはたとえ自社の利益につながろうとも、それ以上に本区が
進めているおもてなしの一つであると考えます。こうしたおもてなしに積極的な個店に対して本区とし
て何らかの支援を行う必要があると考えますが、本区のご所見をお伺いします。
また、多くある飲食店では外国人観光客への対応に臨時しているところもあると考えられます。こう
した個店に対しては外国人観光客への対応講座などを開講することも必要と考えますが、本区のご所見
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をお伺いします。
さらなるおもてなしを追求するのであれば、外国人観光客への対応済み飲食店等を取りまとめたマッ
プの作成も効果的と考えますが、本区のご所見をお伺いします。
これらの質問はリオデジャネイロオリンピックの視察において飲食店における対応を肌身で感じたと
ころでありますので、ぜひ外国人旅行者に対しては最高のおもてなしで迎え入れていただきたいと思い
ます。
5点目は、シェアサイクルの検証・導入についてであります。
シェアサイクルやコミュニティサイクル、自転車シェアリングなど、名称はさまざまありますが、全
国的に導入に向けた社会実験等が実施されています。国土交通省都市局街路交通施策課が平成27年3月
に取りまとめたコミュニティサイクルの取り組み等についてでは、72都市で本格導入されていると記載
されています。その導入目的としては観光戦略の推進、公共交通の機能補完、地域活性化が挙げられ、
特に観光戦略の推進においては多くの自治体がそれを目的としています。殊さら本区においても都市型
観光を推進する上でシェアサイクルの社会実験や導入は必要不可欠なものであり、本区内の観光スポッ
トをシェアサイクルで移動するだけではなく、既に社会実験を行っている行政との都市型観光の連携を
推進することも必要と考えますが、本区のご所見をお伺いします。
このことは、第1回定例会一般質問において松永よしひろ議員が質問を行い、他区で参入している民
間企業等が区内でもスムーズに事業展開できるように自転車推奨ルートの活用やサイクルステーション
のあり方について検討、環境整備に努めるとご答弁していますが、現在の取り組み状況をお知らせくだ
さい。
東京都区市町村との連携による地域環境力活性化事業実施要項の将来的な広域展開に向けて先駆的な
取り組みモデル事業として推進にも、ICT技術を活用した自転車シェアリングの普及促進事業が記載
されていますので、今後、本区も積極的に取り組んでいただきたいと考えますが、ご所見をお伺いしま
す。
次に、東京オリンピック・パラリンピックに向けての具体的取組について、2点お伺いします。
今回のリオデジャネイロオリンピック視察では、醗成させるためのイベントや会場周辺において多く
の文化プログラムが展開され、来伯する人々を魅了し、熱気を最大限に引き出す工夫がされていること
がわかりました。東京オリンピックでは2競技が本区内で開催される予定になっている中、本区におい
ても国・東京都・組織委員会それぞれが立場の中で取り組むべきことは明白でありますが、積極的に提
案・アプローチを行っていただきたく思います。
質問の1点目は、文化プログラム等の会場選定についてであります。
本区では、毎週末といっても過言ではないほど、文化的イベントやスポーツイベントを区内各地で開
催しています。こうした日ごろの文化・スポーツ活動がオリンピック・パラリンピック開催時に有益に
働くものと考えます。しかし、年間を通して行われる行事をオリンピック・パラリンピック開会中に凝
縮することで、会場がタイトになることが危倶されます。区内施設は通常の区民等の利用がありますの
で、最低でも2年前には方向性を定め、事前告知を行う必要もあります。現時点で構いませんので、会
場確保や利用調整についてどのようにお考えか、本区のご所見をお伺いします。
2点目は、ホッケー会場におけるにぎわい創出についてであります。
2020年の東京オリンピックではホッケーが区内開催競技の一つで、会場は大井ふ頭中央海浜公園で予
定されております。週末には老若男女問わずスポーツでにぎわいを見せておりますが、公園内にあるホ
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ッケー場は数年前の利用率はないに等しいと聞いており、国内競技人口も約3万人で、メジャースポー
ツのサッカーや野球の数百万人を考えるとマイナースポーツに位置づけられると考えます。こうした現
状の中、本区ではホッケーが区内開催競技に決定してから一貫してホッケー体験イベントを行っている
ことは承知しております。その情熱を大いに評価するところであります。しかし、リオデジャネイロオ
リンピックのホッケー競技観戦では、予選ではありましたがドイツ対インドという世界ランキングも10
位以内に入っている対戦カードでも観客席はまばらで、空席が目立っており、会場周辺の人の流れもま
ばらで、にぎわいに欠ける一面を見せておりました。その一方で、会場周辺にはバスケットボールや近
代五種競技など他の競技場が隣接され、ホッケー会場周囲では来観者に向けての体験・参加型イベント
など開催されるなど、他の競技会場の集積やイベントはにぎわいの創出につながっていると考えます。
この現状を考えると、本区も東京都や組織委員会と連携して大井ふ頭中央海浜公園内の陸上競技場など
を利用して、既存スポーツやニュースポーツなどさまざまなイベントを展開して、にぎわいの創出を行
うことは必須であると考えますが、本区のご所見をお伺いします。
以上で一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
〔区長濱野健君登壇〕
○区長(濱野健君)
私からは、まちづくり連携についてお答えいたします。
まず、広町におけるJR社宅跡地と区有地の整備につきましては、まちづくりマスタープランや大井
町駅周辺地区まちづくり構想の方針に沿い、現在、都市計画の手法や都市基盤の整備についてJRとの
共同検討を進めている段階でございます。今後、庁舎のあり方などと同時に、さまざまな可能性も含め
検討することが必要と考えております。
また、社宅解体後の跡地暫定利用につきましては、オリンピック・パラリンピックに関連した利用や、
地域からもさまざまな要望が出てくると思われますので、JRとは連携して対応していくことを要望し
ているところでございます。
次に、民間企業との連携についてですが、ニコン大井製作所は、現在解体工事に着手しており、平成
29年10月に完了予定であることと、以降の計画については現時点において未定であることを確認してお
ります。区といたしましては、引き続き積極的に情報収集を行い、今後の動向について注視してまいり
ます。
また、西大井広場公園との間の区道につきましては、現在、公園側に歩行者通路を設置する計画で工
事が行われております。ニコン大井製作所側につきましでも、可能な限りの協力を求めてまいります。
最後に、今後の区内企業の建てかえや解体等における連携につきましては、まちづくりマスタープラ
ンを踏まえるとともに、個別の立地条件等の状況に応じ、必要な指導や区の施策への協力を求めてまい
ります。
その他の質問等につきましては、各関係部長等よりお答えを申し上げます。
〔文化スポーツ振興部長安藤正純君登壇〕
○文化スポーツ振興部長(安藤正純君)
私からは、戦略的都市型観光についてと、東京オリンピッ
ク・パラリンピックに向けての具体的取り組みについてお答えをいたします。
初めに、観光マーケティング調査の実施についてですが、区としてもマーケティングの重要性は認識
しています。しかしながら、大規模な観光資源を持つ都市、いわゆる観光地におけるマーケティング調
査と品川区のような都市型観光に関する情報の把握・分析は、調査手法や規模等が異なると考えていま
す。区としては、都市型観光プラン策定時の基礎調査を踏まえ、観光庁や都の関連デー夕、来訪者アン
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ケート、観光振興協議会に参加している区内宿泊事業者から提供される実績データを活用するとともに、
国別・地域別の来訪者数、品川を選んだ理由などの指標を設定し、分析を行い、適切な観光施策の展開
に生かしてまいります。
次に、SNSの有効活用についてですが、SNSは世界中で国やエリアに関係なく多くの利用者が存
在し、拡散性もあることから、観光の情報発信に効果的なツールであると認識しています。また、その
ほかにも国外旅行者向けのウエブサイトや宿泊施設の有線放送、テレビ放送のグローバル・ネットワー
クなど、さまざまなツール・媒体があることから、SNSを含め、ターゲットや目的に応じた手法で、
より効果的な情報発信に取り組んでまいります。
次に、Wi-Fiの環境整備については、都市型観光を積極的に推進する観点から、観光施設や水辺
のにぎわい創出への活用など、庁内で連携し、設置箇所の拡充を図ってまいります。
また、東京オリンピック・パラリンピック開催に向けた競技会場周辺等におけるWi-Fiについて
は、最寄り駅付近への整備とともに、臨時的な設置のあり方についても、東京都の動きを踏まえつつ検
討してまいります。
次に、区内飲食店等のおもてなしについてですが、区ではこれまでも、英語少し通じます商店街プロ
ジェクトを初め、多言語による情報提供等、外国人受け入れのための環境整備に取り組む商店街に対し
ての支援を通じ、おもてなし機運の醸成を図ってまいりました。今後の展開といたしましては、それぞ
れの店舗や商店街の取り組みをよりわかりやすく見える化するとともに、文化や習慣への対応なども進
めていく必要があると考えており、区商連などと連携を図りながら積極的に検討してまいります。
最後に、シェアサイクルの検証・導入についてですが、観光目的での活用については、近隣区との連
携も視野に、先日開催した「しながわ観光フェア」においてもモデル実施を行うなど、主に臨海部を対
象とした適切な推奨ルートについて検討しているところです。また、事業者参入に向けた環境整備等の
取り組み状況ですが、他区におけるシェアサイクルの導入状況や運営形態を初め、ポート設置の考え方
などを分析・調査し、区における実施のあり方について検討を進めているところです。その上で、区へ
の導入につきましては、都によるICTを活用した広域連携シェアサイクル事業の補助活用や、隣接区
との連携等も視野に入れ、判断してまいります。
次に、東京オリンピック・パラリンピックに向けての具体的取り組みについてお答えいたします。
まず、文化プログラムについては、既に品川区民芸術祭を初め、区民団体や企業においても自発的に
多くの文化イベントを実施しています。ロンドン大会では、劇場からまちかどまで、さまざまな会場で
イベントが行われていました。区といたしましても、自主的な団体等により文化イベントがさまざま展
開されることは、区の魅力を世界に発信する絶好の機会と捉え、会場調整については必要性を見きわめ
ながら対処してまいります。
次に、大井ホッケー競技場でございますが、区としてもリオデジャネイロオリンピックのホッケー競
技の実態は把握し、集客とにぎわいの創出の必要性を実感しています。ご指摘の趣旨につきましては、
今後も引き続き東京都に要望してまいります。
○副議長(浅野ひろゆき君)
以上で、いながわ貴之君の質問を終わります。
次に、本多健信君。
〔本多健信君登壇〕
○本多健信君
品川区議会自民党・子ども未来を代表して一般質問を行います。
質問の第1点目は、ホテル誘致の取り組みについて伺います。
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政府は、9月9日、国家戦略特区諮問会議を開き、個人宅を宿泊施設として貸し出す「民泊」を認め
る最低滞在日数を6泊7日から2泊3日に短縮する方針を決めた。短縮滞在が可能となることで民泊の
利用が拡大し、日本に訪れる外国人客の増加によるホテル不足の緩和につながると見込まれています。
民泊は特区に指定されている大田区や大阪府で実施されていますが、滞在期間の条件が最低7日では長
過ぎるとして、緩和を求める声が出ていました。会議での決定を受け、政府は近く関係政令を改正し、
宿泊者名簿の設置義務なども政令に明記する方針です。その後、10月25日に閣議で、国家戦略特区で個
人宅を宿泊施設として貸し出す「民泊」について、要件を緩和する政令改正を決めました。最低宿泊日
数を6泊7日から2泊3日に短縮し、短期滞在の需要を取り込めるように施行されました。このような
国の動きを十分認識しつつ、伺います。
現在、品川区内における宿泊施設、ホテル等の利用状況について、どのように把握されているのかお
知らせください。
また、1年後、2年後、3年後、4年後の短期、そしてその後の中期、長期にわたる需要と供給につ
いて、どのような捉え方をされているのかお知らせください。
その需要と供給のバランスの整合性を図るため、積極的に品川区内にホテル誘致の取り組みが必要か
と思います。その取り組みについて、短期、中期、長期にわたり、それぞれの視点でご所見をお聞かせ
ください。
ホテル誘致の取り組みについて次の質問は、大井競馬場敷地内においてホテル誘致ができないものか
質いたします。あわせて、敷地外大井競馬場周辺に限定してホテル誘致ができないものか質問いたしま
す。ご所見をお聞かせください。
そして、現在進められています市街地再開発事業では用途が決定されてきていますので、今後将来に
向けまして、品川区全域の市街地再開発事業についてのかかわりにつきましてもご所見をお聞かせくだ
さい。
また、相乗効果を狙いとしての捉え方、一例としてはアウトレットモールなど、ショッピングモール
等の相乗効果の目線に向けまして、ご所見をお聞かせください。
質問の第2点目は、建築における附置義務について伺います。
駐車場附置に関する法律等について、東京都駐車場条例の定めるところにより、大規模な建築物に駐
車施設の附置を義務づけています。また、延べ面積が1万平米を超える建築物で集合住宅の用途に供す
る部分の床面積の合計が2,000平米を超えるものへの駐車施設の附置について、東京都集合住宅駐車施
設附置要綱を定めています。これまでの間、社会情勢等に対応して、附置義務台数の算定基準の見直し
や荷さばき駐車施設の義務づけ、地区特性に応じた附置義務台数の設定、地域ルールを可能にする等の
改正が行われました。近年、少子高齢化や自動車の保有状況の変化、公共交通の発達や環境への意識の
高まりなどの理由により、建築物の駐車需要が変化し、駐車施設の利用率の低い事例があること、エコ
まち法の施行などによるもの、そして、平成25年12月20日条例改正され、平成26年4月1日施行されま
した。主な改正点は、区部における共同住宅および大規模事務所に係る附置義務台数の算定基準の見直
し。共同住宅300平米につき1台から350平米につき1台に緩和。利用実績に応じた既存建築物の駐車台
数の低減等。既存建築物について、区長の認定を取得することにより、必要とされる台数まで低減し、
または位置を変更できることとした。これにより、あいたスペースをほかの建築関係法令に適合する範
囲で、不足している自転車や自動二輪用の駐車施設としたり、防災倉庫等へ転用が可能となりました。
また、地域の実情に応じて、駐車場の集約化などのルールづくりを行うことができる範囲の拡大がされ
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ました。
品川区中高層建築物等の建設に関する開発環境指導要綱では、平成24年4月1日最終改訂され、日も
まだ浅いところではありますが、駐車場附置に関する内容では、集合住宅、寮、寄宿舎等が対象で、住
戸の数が20以上の集合住宅の建設事業、延べ面積が2,000平米以上の建設事業、敷地面積が1,000平米以
上の建設事業。算定式は、55平米以上では計画戸数の30%、30平米以上55平米未満では計画戸数の10%、
30平米未満では計画戸数の5%。ただし、用途地域が商業地域または近隣商業地域にあっては、集合住
宅等の用途に供する部分の床面積が2,000平米以内の場合は2台以上、2,000平米を超える場合は、東京
都駐車場条例によるものとしています。そして、設置台数の緩和として、自動車の保有率が低いと見込
まれる施設等、区長が特にやむを得ないと認めた場合は、協議の上、設置台数を緩和することができる
としています。東京都も品川区も、時代背景や社会情勢等に対応したルールづくりをしていただいてお
ります。これから建設されるケースは、非常に取り入れやすいものと思います。
質問は、既存建築物に対して、緩和されたルール、制度を活用できていない状況へのさらなる取り組
み、工夫ができないものか伺います。建築物オーナーへの周知、過去の条例のままの駐車場保有台数に
より、空き状態を解消し、ほかの目的による経済効果を生み出すことにつなげるなどの視点で東京都へ
働きかけるなど、この点につきましてご所見をお聞かせください。
質問の第3点目は、事故等の防止対策について伺います。
初めに、運転免許についてです。先月の28日、横浜市港南区の市道で集団登校中の児童9人の列に軽
トラックが突っ込み、小学校1年生の児童が死亡し、4人の児童が重軽傷を負った悲しい事故が発生い
たしました。軽トラックを運転していた87歳の男性は、自動車運転死傷行為処罰法違反容疑で逮捕され、
前日朝に軽トラックで自宅を出た後、帰宅しておらず、どこをどう走ってきたのか覚えていない、現場
までの経路やぶつかった理由がわからないなど説明をされたようです。男性の家族も、27日朝出て帰っ
ていないと話しているようです。お亡くなりになりました小学校1年生の児童の将来の夢は、父親の母
校の横浜高校で野球をすることだったと、身内の方が声を詰まらせ話されていたようです。悲しみの極
限です。児童の夢はかなえることができません。残念です。以降もこのような事故が発生しています。
近年、交通死亡事故は減少しているが、高齢ドライバーによる死亡事故は高どまりしている状況で、
警視庁によると、昨年1年間に全国で75歳以上が起こした死亡事故は458件、10年前とほぼ同数ですが、
死亡事故全体に占める割合は12.8%と5.4ポイント上昇し、半数近くの212件で認知症や認知機能低下の
疑いがありました。そのため、2009年6月から、75歳以上は免許更新時に認知機能検査を受けることが
義務化され、来年3月施行の改正道路交通法では、信号無視などの違反をした時点で改めて検査を受け
なければならなくなりました。品川区は、こうした課題に対して、運転免許の自主返納をサポートして
おりますが、これまでの状況と取り組みの強化策など、どのようなお考えなのか、ご所見をお聞かせく
ださい。
次に、清掃車両についてです。
先月行われました決算特別委員会の決算審議の際、確認できました内容では、清掃車両あるいは中継
所におきます火災の実績は、23区総体で平成26年は96件、平成27年は64件あり、そのうち清掃車両にお
いては、平成26年が43件、平成27年が35件という状況にあり、品川区においては平成27年度だけで4件
の火災事故が発生しました。その対策として、原因が主にガスコンロのバーナーのスプレー缶であり、
これを収集時に圧縮することによって発火の原因になっているのが一番多いので、基本的にはプレスを
かけないということを基本にして、今年度はそれを平積みの収集にした場合に火災が防げるのではない
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かという実験をしている。また、清掃工場への不適正搬入防止策としては、可燃ごみとして搬入されて
いるけれども、大きさその他の規模から、そのまま処理をするとプラントを傷めかねないようなもの、
あるいはそもそも不燃のものが混入しているもの、そういった搬入を最小限度にしていく。工場の安定
稼働を確保するということで、清掃工場の搬入の時点で点検し、それを持ち込む特別区収集の担当者も
一緒に、自分の目でその実態を確かめながら、できれば車に入れる段階で、その不適正なものについて
は可能な限り排除していこうという連携をとっている。年に数階、その週間等については、技能長ある
いは収集職員が現場に行って、清掃工場の職員と一緒に搬入の状況を確認していく。その結果、各区ご
とにそれぞれA、B、C、Dのランクに分けて、可能な限りオールAになるように、不適正な搬入がな
いように対策がとられています。それぞれの対策とともに、さらなる安全性の工場もめざして、清掃車
両にウォーターミスト消火を導入するべきではないでしょうか。エンジンルームの火災、電池火災、燃
料火災、あらゆる火災を急速消火。消火剤のベースは水であり、人・機材と環境に無害。火災発生後の
後片付けも極めて簡単。電気配線が一切不要。二次災害防止と電気絶縁性が高いため、バス、鉄道車両、
特殊車両、建設重機など、一般的に広く取り入れられてきています。これまでの対策と合わせまして、
さらなる安全性向上のため、ウォーターミスト消火の導入につきましてご所見をお聞かせください。
次に、気候動向についてです。
「世界中の青空を全部東京に持ってきてしまったような、すばらしい秋日和でございます」、1964年、
昭和39年10月10日に行われました東京オリンピックの開会式をテレビ中継で見た方なら、NHKアナウ
ンサー北出清五郎の歴史に残る名調子を覚えていることと思います。「体育の日」の起源となったのは
東京オリンピック。アジア初のオリンピックを記念し、10月10日が国民の祝日となった。現在はハッピ
ーマンデー制度で10月第2月曜日になりましたが、ことしは10日がその日に当たりました。秋日和があ
らわすように、秋には晴れてさわやかな日が多い。中でも10月10日は晴れる確率が高い。晴れの特異日
で、開会式がこの日に決まったのはそれゆえだという説があります。最近は9月末になっても日中は真
夏のように暑い日があるほど気候の変化は著しく、8月末に東北地方と北海道に記録的な大雨を降らせ、
多くの被害と犠牲者を出した台風10号が観測史上初めて太平洋側から東北地方に上陸したのは、その顕
著な例です。台風の通り道といえば、沖縄地方です。台風10号がたどった異例のコースを見ると、東北
地方が沖縄まで南下したようなものです。17年前、横浜で開かれたライフスタイル見直しフォーラムで、
環境文明21、当時の代表理事の加藤三郎さんは、もし気温が6度上昇すれば、東京が沖縄ぐらいまで南
下することになると訴えました。そこで心配なのは、2020年のオリンピック・パラリンピック。近年猛
暑日が続く7月末から9月初めにかけて開かれる予定です。前回のように秋に開催したほうがいいとい
う声がありましたが、IOCの規定で秋に開催することはできなくなりました。自然災害だけでなく、
気候変動の影響はスポーツにもおよびます。猛暑対策にどう知恵を絞るのか。アスリート、観光客への
おもてなしは自然との闘いでもあります。品川区だけで対応する話ではありませんが、こうした課題を
どう捉えるのか、どう着眼するのか、ご所見をお聞かせください。
以上で一般質問を終了します。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
〔区長濱野健君登壇〕
○区長(濱野健君)
私からは、ホテルの誘致についてお答えを申し上げます。
初めに、区内宿泊施設の利用状況の把握についてですが、区では、観光庁による宿泊旅行統計調査か
ら情報を得ております。
次に、宿泊施設の今後の需要と供給の展望ですが、区内の客室数と宿泊者数の状況を見ますと、客室
25
数は平成26年度が7,879室、27年度が8,056室と2.2%の微増であるのに対し、宿泊者数は26年度が延べ
約158万人、27年度が延べ約188万人と18.9%の大きな伸びとなっております。4年後のオリンピック・
パラリンピックを控え、さらに増加をするものと見込んでおります。中長期的にも、交通の要衝である
品川区の地の利を考えると、現状以上の宿泊者が続くものと想定されます。
こうしたことから、民泊の活用等による当面の対応とともに、中長期的には一定数の宿泊者を持続的
に受け入れる施設整備が必要であります。そのため、新たに五反田でのホテル建設の動きが出ているこ
となども踏まえ、旅館・ホテル事業者や開発事業者に対し、改めてホテルの誘致について要請してまい
ります。
なお、大井競馬場敷地内への誘致につきましては、競馬場内における施設の改築等は都市計画法上の
制限から、現存する建築物の規模以下となるなど、新たな施設の建築は難しいものと考えております。
ご提案の大井競馬場周辺につきましては、土地所有者に直接申し入れる機会をつくってまいります。
次に、再開発の計画と相乗効果でありますが、品川区における市街地再開発事業は、まちづくりマス
タープランにおける商業や業務、居住等、それぞれの地区の特徴を踏まえたまちづくり方針に基づき、
望ましい市街地を形成していくものであります。具体的な事業計画を立てる上で、魅力とにぎわいのあ
る良好な都市空間を必要とする場合などは、事業者においてホテル等の宿泊施設や商業施設の設置によ
る相乗効果を含め、まちづくり方針に沿って事業が実施されるものと考えております。
その他のご質問等につきましては、関係の部長等よりお答えを申し上げます。
〔都市環境部長藤田修一君登壇〕
○都市環境部長(藤田修一君)
私からは、建築における駐車場附置義務についてお答えいたします。
区ではこれまでも利用実態に応じた既存建築物の駐車場台数の相談に対し、個別の事情に応じながら、
適切なアドバイスを行ってまいりました。既存建築物に対するさらなる取り組みにつきましては、制度
に変更があったことを知っていただくことが第一と考えており、これまでの窓口相談に加え、区ホーム
ページや周知チラシを作成し、品川区中高層建築物等の建設に関する開発環境指導要綱に基づき協定を
締結した個別の事業者に対し積極的に周知を図ってまいります。
〔防災まちづくり部長松代忠德君登壇〕
○防災まちづくり部長(松代忠德君)
私からは、事故等の防止対策についてお答えいたします。
初めに、運転免許証の自主返納制度への取り組み状況についてですが、区内の交通事故発生件数は
年々減少している中、高齢者の起こした事故の割合は増加しているところであります。また、全国的に
認知機能低下の疑いのある高齢運転者の重大交通事故が発生しており、区としましでも対策の重要性を
認識しているところであります。区ではこれまで、警視庁からの要請を受け、自主返納に向けたさまざ
まな支援を行ってきたところであり、現在では高齢者モデル地区での交通安全講習会、高齢者を対象と
した広報紙、お元気だよりでの周知など、自主返納に向けた啓発を継続しているところであります。来
年3月には、高齢運転者の交通安全対策の推進のため、特定の交通違反や交通事故を起こした場合に、
臨時認知機能検査を受けるなどの改正道路交通法が施行されます。これを機に、区といたしましてもよ
り一層警察と連携を図りつつ、交通安全教室やホームページ、区広報紙等を活用し、制度の周知を図り、
交通事故防止および自主返納の啓発に努めてまいります。
次に、清掃車両の火災事故防止についてお答えいたします。
清掃車両の火災事故につきましては、区として地域の皆様にご心配をおかけしていると認識しており、
この解消に向け鋭意努力しているところでございます。ご提案のウォーターミストは、車両内部のスプ
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リンクラー機能による消火設備ですが、清掃車の荷箱内ではちりやほこり等による目詰まりが危倶され、
また、満載されたごみ等がプレス圧縮されることにより火元に消火水が届きにくい状態となります。あ
わせて、消火水を積載するスペースの確保や腐食対策等の課題もございます。このため、清掃車の装備
における23区の統一基準では、現在のところウォーターミストの導入は困難な状況となっております。
現在、被害を最小限度にとどめるため、清掃車の電気配線に防火皮膜を施し、火災から配線設備を守る
ことで荷箱を開放し、消火できる状態を確保して、消防隊が迅速に水を注入する対策が主流となってお
ります。今後も効果的な装備の検証を継続するとともに、まずは発生抑制が重要と考えますので、収集
方法の再構築と適正な排出の周知徹底を進めてまいります。
次に、東京2020大会における猛暑対策についてお答えいたします。
国においても、アスリート・観客の暑さ対策について検討を進めているところです。また、組織委員
会においても、遮熱性舗装等の整備やクールスポットの創出など、大会における暑さ対策を実施すべき
具体例として挙げております。このような中で、区としても重要な課題と捉え、区を訪れる観光客等が
快適に過ごせるために、現在独自に取り組んでいる避暑シェルターの拡充を検討するとともに、国や東
京都・組織委員会の動向を注視してまいります。
○副議長(浅野ひろゆき君)
以上で、本多健信君の質問を終わります。
次に、田中さやか君。
〔田中さやか君登壇〕
○田中さやか君
品川・生活者ネットワークを代表し、通告順に従って一般質問をいたします。
初めに、品川区の公教育について伺います。
品川区が進めている公教育の改革は、「品川から日本の教育を変える」との号令で、教育行政主導で
進められています。小学校の通学区域のブロック自由化、中学校の区内全域の自由化、習熟度別授業、
小学校の教科担任制、学力定着度調査、区内全校を小中一貫の9年制とする小中一貫教育と、さまざま
進めてきました。しかし、そこには、肝心の子どもの目線に立ち、意見を反映する姿勢は見られません。
子ども、教職員、保護者や地域住民の意見表明や議論の場も用意されているとはいえません。
地域住民の数々の疑念の声も上がっています。例えば、学校選択制と小中一貫教育は子どもたちにと
ってプラスであるのかどうか。小中一貫校導入の目的に挙げた不登校・中1ギャップの解消は、その目
的を果たし得ているのかどうか。そのような声をよそに、ことしの4月からは施設一体型の小中一貫校
が義務教育学校へと移行しました。
このような教育改革にはどのような評価点があり、また、問題点があるのかという視点で、品川・生
活者ネットワークは6月と7月、2回の連続講座を行いました。うち1回は、教育社会学の第一人者で
あり、品川区立小学校の元外部評価委員でもある藤田英典さんを招き、市民の方たちとともに学びまし
た。中1ギャップの解消が主目的とされた品川の教育改草は、不登校・中1ギャップのゆがんだ危機の
捉え方に問題があると講師からの指摘がありました。学年別の不登校数では、小6で著しく減少。中学
に入学してから増加し、ピークは中学2年。また、学年別いじめの認知件数でも、小1から徐々に増加
が見られるが、小5はやや少なく、小6では著しく減少するという実態が報告されています。小6で減
少に転ずるのは上級学年としての自覚や成長効果、自己発揮というリーダーシップを経験する小学校高
学年特有のよい現象と見ることができます。一方で、中学生には「高校受験への競争圧力」「集団圧
力」「管理統制の強化」や「客観的視点を持ち始める思春期特有の他者からの自分評価の不安」、これ
ら「負の中学校文化効果」を区教委は見落としているのではと、意見がされました。
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2005年10月に中央教育審議会で義務教育学校の設置などの義務教育制度の見直しの提言がされ、品川
区は義務教育学校を設置するために動き出し、2016年に品川区は義務教育学校を設置しました。当時の
教育長は、品川区小中一貫教育の効果検証、第一年次報告書の中で「小中学校の教師間に根強く存在す
る相互不信や不干渉主義ともいえる意識から生じる責任転嫁が、互いの意思の疎通や共通理解を困難に
し、子どもたちの9年間の連続した学びや人間形成の妨げになっていると考えられる」と述べています。
質問します。品川区の教育改草により、当初課題となっていた小学校と中学校の教員間の不信感は解
消され、子どもたちの人間形成の妨げは解消されたのでしょうか。伺います。
2016年の決算特別委員会でも、プラン21により生じている課題について議論がありました。例えば、
学校選択制により非常に小規模となった小学校の存在などが例に出され、「地域とともにある学校づく
りを進めることは、なかなかハードルが高い部分があるだろう」と、教育長も認め、言及をしています。
学校選択制により、「よく見かける子でも、遠くの学校へ通っているためにその子の友達が見えず、学
校生活がうまくいっているのか見えてこない。逆に、遠くから通ってきているために子どもの保護者が
見えづらく、帰り道や地域での居場所があるのか心配だ」という、子どもたちを守りたいのに守りづら
くなっている地域の声を聞きます。区は、「地域コミュニティで地域は学校へかかわってほしい」と地
域の方へ期待をしています。しかし、地域からは「学校選択制により地域と学校は切り離されてしまっ
た。今の状況を改善させない限り難しい」という声が聞こえてきます。
品川区は、これらの問題意識も含めて、義務教育9年間の一貫教育のさらなる充実および地域との連
携強化に向け、区立学校における適正な教育環境を確保するための方策について学事制度審議会に諮問
しました。第1回が10月27日に開かれましたが、非公開でした。そもそも学事制度審議会の設置要綱に
非公開が定められているということです。品川区には、会識を非公開にする場合の根拠として情報公開
条例・個人情報保護法条例第8条にその根拠を持っています。8条5号には、「公にすることにより、
率直な意見の交換もしくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ、不当に区民の間に混乱を生じ
させるおそれ、またはほかの者に不当に利益を与え、もしくは不利益を及ぼすおそれがあるもの」と規
定されており、この場合はここに該当すると判断されていると推察します。しかし、ここに規定されて
いる「不当に」とは、審議・検討途中の意思形成過程の情報を公にすることの公益性を考慮してもなお、
公開のもたらす支障が重大な場合を示すと考えます。また、「おそれ」の程度も、単なる可能性ではな
く法的な保護に値するほどの必然性が必要です。今回の学事制度審議会の場合、諮問事項は①将来の就
学人口動向等を踏まえ、地域とともに義務教育9年間の一貫教育を一層推進していく上で望ましい学区
域、学校選択制、学校規模および学校種・地域バランスのあり方について、②①を踏まえた今後の学校
改築の考え方について、③上記事項を実現するための方策についての3点です。どれもとても重要な諮
問内容だと考えます。
質問します。諮問内容の重要性、地域の方たちの関心の高さを考慮すれば、上記8条5号の「不当
に」にも「おそれ」にも当たらないと考えます。行政の説明責任を全うするためにも、公開と適正と考
えます。見解を伺います。
次に、命を大切にする教育について伺います。
品川区では、報告されているだけでも5回の重大事態が起こっています。そのたびに重大事態に対す
る検証や原因究明がされ、子どもたちへの命の教育へとつなげる努力がなされてきたと考えます。それ
にもかかわらず、2016年5月に子どもが自ら命を絶つという痛ましい事態が起こりました。これまで、
命を大切にする教育にはどのように取り組んでこられたのでしょうか。市民科の教科書を一読したとこ
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ろ、他者への尊重などに触れていますが、はっきりとした「命」そのものについての記述は読み取るこ
とができなかったため、具体的にお答えください。
2016年6月の文教委員会で、教育総合支援センター長は「命の大切さに関する教育というものは、学
校だけではなく、家庭、それから地域、また関係機関の連携が必要不可欠だ」ということに加え、「市
民科等でも、命の教育については推進していく」と答弁をされています。有効な命の教育にするために
も、今回の事態を受けて、再発防止の視点をもった検証が不可欠です。もし、いじめによる重大事態の
場合には、いじめ問題調査委員会が設置され、再発防止の取り組みがされたと考えます。今回はいじめ
が原因ではないと判断されたため、重大事態にもかかわらず、いじめ問題調査委員会の設置はなかった
と聞きました。品川・生活者ネットワークは、いじめ防止対策推進条例の議論のときに、子どもたちを
守るにはいじめだけに限らない条例を作成するべきだと主張してきましたが、残念ながら反映できませ
んでした。いじめ以外の重大事態の再発防止に向けた検証はどこでされているのか伺います。
命を大切にする教育というのは、過去の事態への対処ではなく、命の根源について学ぶ取り組みが求
められているのだと思います。かつて品川区立小学校においても「命の授業」が行われたと聞きました。
その授業では、日本での性教育の先駆けの講師を招き、命の木の考え方を学んだそうです。1年生は命
の誕生。あなたの命がかけがえのないものだということを、精子と卵子の結びつきということから教え
る授業から始まり、思春期の体の変化や男性・女性の違い、また、エイズについても学べる内容で、1
年生から9年生まで学年に合ったプログラムが用意されていたそうです。授業を受けた子どもたちが書
いた感想文からは、自分が生まれてきた命のこと、性のことにきちんと向き合った子どもたちの様子が
読み取れたと、当時の保護者から伺いました。
質問します。今、障がい者への理解を進める教育、多様な性を認め合おうという啓発、そして「生き
抜く力」を育てる教育など、さまざま進められています。全て必要なことですが、その根底にこのよう
に「命の根源」について学ぶ機会を品川区として用意すべきと考えます。見解を伺います。
次に、環太平洋パートナーシップ協定、いわゆるTPPの自治体への影響について伺います。
日本政府は、次期アメリカ大統領がTPP参加への反対を表明し、したがって協定が成立するか否か
も不透明な中で、批准の国会承認を拙速に進めています。生活者ネットワークは、日本がこの交渉に参
加するか否かの議論のときから一貫して反対を唱えてきました。その主たる理由は、私たちの食の基盤
を担う農・漁業が海外との競争にさらされ、結局は食の安全を脅かされること、助け合いの考えを基本
とする共済が保険業と同様にみなされ、利潤ではなく加入者の立場を優先する現在の仕組みを維持でき
なくなる可能性があることです。
しかし、TPPへの懸念はそこにとどまりません。ここで取り上げたいのは、自治体施策への影響に
ついてです。例えば、多くの自治体では、自治体内の中小事業者に優先的に事業を委託するなどの支援
策を実施しています。これが自由な競争を妨げるとして禁止される可能性が指摘されています。政府は、
現段階では基礎的自治体への影響はないとしてTPPの発効を進めようとしていますが、TPPテキス
トでは既に禁止の対象を広げるための追加の交渉が定められています。政府が公表した暫定仮訳の段階
で確認したところでは、第15章政府調達の章の23条「政府調達に関する小委員会」と24条「追加的な突
渉」に関連して、以下のように明記されていました。以下、一部引用です。「附属書15-Aに掲げる調
達機関の表の拡大ならびに附属書15-Aに規定する除外および例外の削減により市場アクセスの適用範
囲を改善すること」、この附属書15-Aの表は対象となる調達機関との調達の対象基準額が示されてお
り、その中には東京都が含まれております。そして「適用範囲の改善」とは「適用範囲を広げる」こと
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を意味しています。
質問します。TPPが発効してしまった場合、東京都に影響があることが明白であり、当然23区にも
何らかの影響があると考えます。東京都への影響と区への波及について、現段階での研究の状況につい
てお答えください。この件について東京都とどのように連携をとりながら対策を進めるのかについても
あわせて伺います。
この条文の「追加的交渉」は「いずれかの締約国の日本に対する要請によって」始められ、「適用範
囲の拡大達成のために発効後3年以内に地方政府に関する適用範囲を含めた交渉」を始めることになっ
ています。ここに言う「地方政府」には基礎的自治体が含まれる可能性があり、つまり、この3年後の
交渉では品川区もその範囲に入る可能性があるということです。
質問します。適用範囲が拡大されたときには、例えば品川区が行う中小企業支援策などへの影響が懸
念されますが、現段階ではどのように研究され、どのような見解をお持ちか、お答えください。また、
特別区が連携して、東京都や直接の交渉に臨む国に対して立場を主張することが必要と考えますが、こ
の点についても見解を伺います。
最後に、羽田増便計画により品川上空を低空飛行するルート変更に対する品川区の姿勢について伺い
ます。
羽田空港増便による飛行ルート変更案が国土交通省から示されたのは2014年6月です。国交省は、
2020年東京オリンピック・パラリンピックに間に合わせるためには、ことしの夏が最終案を示すタイム
リミットであると言っていました。しかし、11月7日に羽田問題を考える住民の会が国交省にヒアリン
グを行った際に、担当者は「まだルート案は確定していません」と答えていました。この発言は、都心
上空を低空飛行するルート案に住民が納得していないという意思表示の結果であり、当然です。品川・
生活者ネットワークは一貫して、この低空飛行ルートの変更は、住民との約束で、安全性、騒音の解消
のために海上ルートに変更した歴史的背景を反故にし、落下物の危険性を人口が密集する都心住民に与
えるおそれのあるルートであるため到底認められないと主張してきました。そして、品川区にも、区民
の不安・怒りに応えて国土交通省に計画の撤回を求めるべきであると強く要請してきた立場です。
行財政改革特別委員会では、8月の時点ですが、「品川区は都心上空・品川区上空の低空飛行ルート
に変更することは合意をしていない」「区として合意したとなると、かなり大きな決定となるので、区
民の皆様にお知らせなしに国のほうに回答するということはない」「区としての賛否については今後考
えなければならない」という答弁をされています。羽田増便による飛行ルート変更に関する質問は、行
財政改革特別委員会の場や一般質問などでも取り上げられています。生活者ネットワークの質問に対し
ても、区は「さまざまなことを要望している」と答弁されています。区民の不安を払拭する丁寧な説明
あるいは騒音対策などというようなざっくりしたことは知ることができるのですが、具体的に何を国土
交通省に区が要望したのか、区民にはわかりません。品川区は文書化した要望項目というのを持ち合わ
せているのでしょうか。品川区は国に対する要望項目に対して具体的な回答を明確にしておかなければ、
今後、国交省との協議の中で、協議の判断や賛否を表明する根拠、事後の確認などができないと考えま
す。
質問します。品川区の態度を明確にするためにも、さまざまな要望は文書化すべきと考えます。文書
化はされているのでしょうか。もし存在しないのであれば、協議の判断や賛否を表明する根拠、事後の
確認など、どのように行うのか伺います。
生活者ネットワークが国交省にヒアリングを行った際に、国土交通省は「今後自治体の意見を確認し
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ていく」と回答していました。ことしの第2回定例会で品川・生活者ネットワークは、「国交省から区
が意見を求められた場合、どのような手順で品川区の意見をまとめるのか、区議会での判断も含めた手
順」をただしました。しかし、最近になって国交省は、自治体の意見は聞かなくても飛行ルートの変更
は可能と態度を翻しています。地方自治をないがしろにするもので、品川区は国交省に抗議すべきでは
ないでしょうか。他方、予想以上の住民の反対の声を無視できなくなったとも思われます。しかしなが
ら、過去の答弁にもあるように、品川区が低空飛行ルートに合意するか否かについて、「区民にお知ら
せしないと国には回答できない」という姿勢は評価します。
質問します。国から意見を求められなくても区の判断を明確に示すことが求められています。どのよ
うな手順で品川区の意見をまとめるのか、区議会での判断も含めた手順を改めて伺います。明確にお答
えください。
以上で一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
〔区長濱野健君登壇〕
○区長(濱野健君)
私からは、TPP協定についてお答えを申し上げます。
TPP協定につきましては、国会における質疑や次期アメリカ合衆国大統領の発言等、日々さまざま
な報道がなされております。また、議員ご指摘のように、TPP協定発効による影響を不安視する声が
あることも認識しております。TPP協定が発効した場合の区民生活や地方自治体に及ぼす影響につき
まして、今後の動向に十分注視しつつ、引き続き情報収集に努めてまいります。
その他のご質問等につきましては、関係部長等よりお答えを申し上げます。
〔教育次長本城善之君登壇〕
○教育次長(本城善之君)
私からは、品川区の公教育と、命を大切にする教育に関するご質問にお答
えいたします。
まず、教育改革についてですが、本区では、義務教育学校はもとより、小中学校の教員がともに授業
づくりを行ったり、生活指導について情報交換したりすることが日常的に行われております。こうした
ことから、小中学校間における教員の信頼感は確実に高まっており、このことが当然のことながら子ど
もたちの人間形成によりよい影響を与えているものと考えております。
次に、学事制度審議会を公開すべきとのご意見についてですが、審議の過程においては具体的な地域
や学校名等を挙げての議論が予想され、その際に率直な意見交換や意思決定を行うには、周りからの影
響を受けない環境の確保が重要であります。また、議論される内容によってはさまざまな憶測や不必要
な混乱、不安を、区民あるいは地域にもたらすおそれもあることから、学事制度審議会では非公開が適
切であると判断したものでございます。なお、今回の審議におきましては、会議終了後、議論の要点を
まとめた議事録をホームページで公開するなど、行政としての説明責任をしっかりと果たしてまいりま
す。
次に、命を大切にする教育については、これまでも市民科学習の中で、自分や他者の命の大切さの理
解だけでなく、命には多くのつながりがあることやさまざまな命に支えられていること等、発達段階に
応じて系統的に行っております。なお、「命」という言葉を単元名にした学習は、3・4年生に設定し
てあります。
次に、いじめ以外の重大事態に関するご質問ですが、学校は、校長を中心に、個人情報に留意しなが
ら子どもや教員からの聞き取り等の調査を行い、情報を収集し、共有する体制を常に整えています。同
時に、教育委員会や関係機関と連携を図り、ケース会議等でさまざまな対策を検討し、再発防止に努め
31
ております。
次に、「命の根源」を学ぶ機会についてのご提案ですが、かけがえのない自他の生命を尊重する教育
は、既に国語科の命をテーマにした物語教材や理科の単元「人の誕生」など、各学年のさまざまな学習
内容の中に明確に位置づけ、実施しております。今後とも、市民科を中心とした教育活動のあらゆる場
面において、命あるものを慈しみ、畏れ、敬い、そして尊ぶ心情と態度を養うことにより、自他の命に
関する認識を深めてまいります。
〔都市環境部長藤田修一君登壇〕
○都市環境部長(藤田修一君)
私からは、羽田空港の機能強化についてお答えいたします。
国への要望につきましては、まず、平成26年8月に設置された、区としても参加をしております都お
よび関係区市連絡会幹事会の中で文書化した要望を提出しており、区のホームページにも内容を掲載し
ております。また、これまでオープンハウスなどを実施する中で地域の皆様からいただいた意見や、安
全や騒音などに対する不安を解消するように国に求めているもので、こうした意見や不安については国
の発行するニュースレターに、品川区も含めた地域の意見として取りまとめられているものでございま
す。また、区議会の意見書は平成26年12月25日に取りまとめ提出されており、現在も改めて取りまとめ
をしているところと認識してございます。区といたしましては、安全対策や騒音影響など、国による今
までの説明が必ずしも十分とは言えないと考えますので、区民の皆様の不安払拭に向け、より具体的な
対策について説明を実施するよう、引き続き国に申し入れてまいります。
○田中さやか君
公教育についてです。学事制度審議会の公開については、ことしの決算特別委員会で
教育長は、地域とともにある学校づくりについては、地域の人たちに地域プライドを育てる必要がある
と考えているという趣旨の答弁をされています。自分たちの学校について議論されている内容を地域の
方に知らせないでプライドを持てというのは、矛盾しています。公開の場で情報を地域の方に知らせな
がら審議会を進めるのは当然だと考えます。公開について改めて見解を伺います。
そして、いじめ対策、重大事態の再発防止に向けた検証の場のことです。学校と連携をし、再発防止
に向けた検討を行っていると聞きました。その検証の詳細を、検討について詳細を教えていただきたい
です。
そして、TPPについてです。少なくとも日本政府は断念していないわけで、他国間のTPPにしろ、
二国間のFTAにしろ、進める方向で政府は動いています。自治体への影響は早目に研究し、早急に対
策することを要望します。
そして、羽田です。羽田問題についてです。国の問題ですか。国の責任であることは理解しています。
しかし、区民の命と財産を守る品川区としての責任を区民は品川区と区議会に問うと思います。区民の
声を代弁して撤回を主張することを要望します。
〔教育次長本城善之君登壇〕
○教育次長(本城善之君)
私からは、学事制度審議会に関する再質問と、重大事態に対する対応につ
いての再質問にお答えいたします。
まず、学事制度審議会の公開のあり方につきましては、先ほどの答弁と重なるところがございますが、
この審議会においては具体的な学校あるいは地域の事情について忌憚なく率直な意見を伺うことが何よ
り大切だと考えております。そのような意味で、会議自体は非公開といたしますが、同時に、その後議
事録の要旨を公表すること、あるいはパブリックコメント等によって意見を求めること等によって適切
な行政責任を果たしていきたいと考えているところでございます。
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それと、もう一点につきましては、重大事態に対する調査につきましては、個々のケースによってさ
まざまな形ではあり得ますが、基本的には先ほどご答弁申し上げましたように、校長のリーダーシップ
の組織的な対応の中で、さまざまな責任体制の中で、関係機関とも連携しながら個々の状況をしっかり
把握していくのが基本的な姿勢でございます。
○田中さやか君
重大事態についての質問です。再発防止に向けて検討を行っていた、重大事態が過去
にも5回起こっているんです。これ以上本当に、品川区に限らずですけれども、子どもが自分から命を
絶つということは絶対に起きてほしくありません。そのためにちゃんと、どのような再発防止の策が本
当に考えられているのか、そこのところをちゃんと教えてください。
そして、学事制度審議会についてです。先ほども申し上げましたが、公開をせずに地域の方たちに、
地域とともにある学校づくりについては、地域の人たちに地域プライドを育てる必要があると考えてい
るという答弁をちゃんとされています。公開を要望いたします。
〔教育次長本城善之君登壇〕
○教育次長(本城善之君)
それでは、私から、重大事態に対する対応についてお答えいたします。
こちらについては、先ほどのご答弁と重なりますが、個々の状況によって学校長が関係機関とも密接
な連携をとりながらしっかり対応していくというのが基本でございます。それとともに、命の大切さの
教育について、そのようなことを通じて子どもたちにしっかりと命の大切さ、その重要性についてしっ
かり伝えていく、そのような姿勢で臨んでいるところでございます。
○副議長(浅野ひろゆき君)
以上で、田中さやか君の質問を終わります。
これをもって本日の一般質問を終わります。
以上で本日の日程は終了いたしました。
次の会議は明25日、本日に引き続き一般質問を行います。なお、明日の会議は午前10時から開きます。
本日はこれをもって散会いたします。
○午後3時59分散会
────────────────────────────────────────
議
33
長
大
沢
真
一
副議長
浅
野ひろゆき
署名人
松
澤
利
行
同
あくつ
広
王