日立 自治体ソリューション 文書管理システム 福島県国見町様 導入事例

福島県国見町 様 導入事例インタビュー
公文書管理法の施行・東日本大震災をきっかけに、文書管理の根本的な見直しを遂行し、活用される財産に。
文書管理に対する意識付けを継続し、
住民の財産としてさらに活用できるよう整備していきたいです。
八島 章 様
(福島県 国見町 総務課 庶務係 主査)
福島県国見町様は、公文書管理法の施行をきっかけに文書管理のあり方を検討していましたが、
東日本大震災で庁舎を利用できない状態となり、
庁舎内の全文書の棚卸しを余儀なくされました。
全庁的に不要な文書の廃棄や新しい文書の分類方法の確立、文書管理勉強会などが行われ、
文書管理に対する意識付けがなされました。さらに、2012年6月に自治体向け文書管理シス
テム「e-文書」をクラウドサービスで導入し、効率的な文書管理を実現しています。
※本事例は、株式会社日立システムズ東北支社が受注・導入したものです。
お客さまの問題
文書管理のルールはあったが、
周知徹底が足りずに形骸化してしまっていた
従来の文書管理はどのように行われていましたか?
国見町では以前から文書管理規定が定められていたものの、それ
が職員に根付いているかというとそうではありませんでした。文書
の私物化といいますか、担当者しかそのありかがわからなかったり、
個 人の引き出しに入っていたりというような状 況が散 見されて
いました。これは個々の職員が悪いのではなく、文書管理規定の
周知や啓蒙活動が不足していたというのが一番の原因だったと
感じています。
かなり大変な作業だったのではないでしょうか。
あのときは、庁舎が倒壊するのではないかと思うほど余震もひど
かったのですが、休日返上で棚卸しを行いましたね。文書の量は
全部で段ボール4,000箱分あっ
たのですが、そのうち廃棄するこ
とになったのは6割 強 の2,500
箱にもなり、いかに不 要な文 書
が 多 かったかを実 感しました。
まずは文書のライフサイクルをし
っかりさせなくてはいけないとい
震災後の書庫の状況
うことで、ルールを一から考え直
すこととしました。
職員への啓蒙活動
文書管理見直しのきっかけ
公文書管理法の施行、東日本大震災の発生により、
文書管理のあり方を考え直した
文書の管理を見直そうと思ったきっかけは何ですか?
公文書管理法の施行が大きいですね。
「文書の適切な管理」
が努力
義務とはいえ法律化されたことで、この機会にきちんとした形で
国見町でも文書管理を行いましょうということになりました。具体
的にどのように進めていこうかを検 討しているところで、東日本
大震災が起きてしまったのです。
東日本大震災での、文書の被害はどのような状況でしたか?
国見町の庁舎は、天井が全部落ちてしまい使用不可能な状態に
なってしまいました。文書を保管している保管庫からもファイル
がすべて床に落ちてしまったり、ガラスの割れた窓から雪が吹き
込んでだめになったりした文書もありました。それまで考え始め
ていた文書管理の見直しの計画は、白紙となってしまい途方に暮
れていた状態だったのですが、床に落ちた文書を見ていたところ、
不要な文書がかなり存在することに気づき、全職員で文書の棚卸
しを行うことになりました。
文書管理の必要性を職員に理解してもらうために
さまざまな施策を実施
新しい文書管理のルールはどのように決めていったのでしょうか?
今までは「割り付け式」
と言って、トップダウンで分類を指示する
やり方だったのですが、今回はボトムアップで各課が分類を決め
ていくというやり方にしました。初めてのことだったため、外部の
コンサルタントに協力してもらい、3 ヵ月ほどかけて分類の素案を
作り上げました。
その分類に沿った文書管理方法はどのように浸透させていったのですか?
勉強会ですね。実際に自分たちが管理している文書を持ち寄り、
新しく決めた分類にファイリングしていくという、実践型の勉強会
です。全 職 員が 受 講できるよう、
何回も開催しました。勉強会と並
行して、文 書の大 切さや、文 書 管
理における先 進自治 体の事 例を
全職員あてに通知を出して紹介す
るなど、意識の向上を促しました。
(裏面に続く)
仮庁舎での文書管理勉強会の様子
福島県国見町 様 導入事例インタビュー
公文書管理法の施行・東日本大震災をきっかけに、文書管理の根本的な見直しを遂行し、活用される財産に。
文書管理システムの導入についてはどのように考えられていたのですか?
今後の計画
ライフサイクルに沿った文書管理を行うためには、システムの導
入は必須だと考えていました。ただ、これまで個人でやりやすいよ
うに行っていた文書の管理をシステムで行うことにより、逆に職
員の手間がかかってしまうことは明白です。職員にその手間が「必
要な手間」であることを理解してもらうことが一番の課題でした。
住民の財産である文書をより活用できる形にもっていく
文書管理の品質を維持するために工夫されていることはありますか?
文書管理を徹底するためには、維持管理に一番力を入れなくては
いけないと考えています。そこで、定期的にコンサルタントによる
監査を行っており、今年は年3回実施しました。監査は100点満
点で、課ごとに点数を出して、点数が低かった課は再度やり直す
ということを繰り返しています。最近では、どの課も監査を始めた
当初に比べて高い水準になりました。
システム導入に対する職員の方の反応はいかがでしたか?
勉強会などを通して職員の方に文書管理の重要性を理解しても
らえたので、特に大きな混乱はありませんでした。4,000箱分の
文書の棚卸しを全職員で行った経験も、文書管理の大切さが職
員に浸透したきっかけになったと思っています。
今後の国見町の文書管理をどうしていきたいですか?
「e-文書」選定の理由
より体系的な文書管理を行えるような環境を整えて、各課の仕切
りを設けない「キャビネット室」を新庁舎に作成したいと考えてい
ます。わたしたちの文書は町民の財産ですし、課の垣根を越えて
もっとオープンにして、活用できるようにしたいと考えています。
セキュリティの問題など解決しなくてはいけない懸案はあります
が、実現できるように現在計画しています。さらに将来的にめざ
すところは、ペーパーレス化ですね。なかなかハードルが高い目
標ですが、セキュリティという面でも管理がしやすいこともありま
すし、他の自治体での取り組み事例などを参考に、考えていきた
いと思います。
文書管理業務の負担を軽減できる、優れた操作性を評価
システム選定にあたり、
どのような点を重視しましたか?
多くの職員が利用するものですし、これまでの文書管理業務より
も手間をかけさせてしまうので、極力操作にストレスがないもの
を、という観点でシステムを選定しました。何社かデモを見せても
らった中で、操作性や視認性に最も優れていたのが日立公共シス
テムエンジニアリングの「e-文書」だったので、選びました。
2013 年 3 月取材
システム導入の効果
紙のファイリングも合わせて、文書が体系化され検索しやすく
システム導入から8ヵ月経過して、現在の状況はいかがですか?
操作性を重視して選定したこともあり、職員も使いやすいようで、こ
れまでシステムに対して苦情らしい苦情はありませんね。システム導
入から現在までで、約8,000件の文書を
「e-文書」
で処理しています。また、文書
管理を推進する立場からすると、システ
ムからファイルの背表紙が出力される機
能が便利で、この背表紙を貼っている文
書は正しく管理されている文書、と一目
「e- 文書」利用の様子
でわかるようになりました。
お客さまメモ
福島県国見町
http://www.town.kunimi.fukushima.jp/
福島県中通りの最北端に位置し、北は宮城県白石市と接しています。
コシヒカリと桃を中心とした農業を主産業としており、信達盆地の肥沃な
土地に恵まれた町です。また、国指定史跡である阿津賀志防塁など多く
の史跡が点在し、豊かな自然と義経ゆかりの町としても知られています。
2011年3月の東日本大震災で、庁舎は利用不可能な状況となり現在仮
庁舎で業務を行っていますが、2015年に新庁舎が完成する予定です。
住民への情報提供というところでは効果がありますか?
情報公開の請求件数の実績でいうと国見町はあまり多くありま
せんが、簡単な情報提供を求められた際に検索しやすくなったの
で、情報の活用は以前に比べてだいぶ良くなったと思います。文
書というのは、町民の財産ですからね。誰でも検索できてありか
が分かる、というのが一番の形です。
※「自治体向け文書管理システム e-文書」は2013年10月より、
「日立 自治体ソリューション ADWORLD 文書管理システム」に製品名を変更しました。
商標に関する表示
記載されている会社名、商品名は、各社の商標または登録商標です。
※ 本カタログの内容は、2014年1月現在のものです。
※ 製品仕様は改良のため予告なく変更することがあります。ご不明な場合は、弊社担当営業にお問い合わせください。
※ 本製品を輸出される場合には、
「外国為替及び外国貿易法」の規制ならびに米国輸出管理規制など外国の輸出関連法規をご確認の上、必要な手続きをお取りください。
なお、不明な場合は、弊社担当営業にお問い合わせください。
※ 本事例に記載の内容はインタビュー当時のものであり、現在と異なる場合があります。
※ 日立公共システムエンジニアリング株式会社は2014年1月より、株式会社 日立公共システムに社名を変更しました。
本製品に関するお問い合わせ
[製品情報サイト]http://www.hitachi.co.jp/adworld/
〒135-8633 東京都江東区東陽二丁目4番18号 http: //www.hitachi-gp.co.jp/
HGP-5819
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