政治宣伝の手段として利用されてきた側面を持つ。例 えば

C
歴史 上 ⑦ メ デ ィアは , ⑧ 政治宣 伝の 手段と して 利用さ れて きた側 面を 持つ。 例
えば,モロッコを保護領化する前の時期に,フランスは「文明」をもたらそうと
する自国の使命や立場をモロッコの知識人らに説明する手段として,ジブラルタ
ル海峡に面した町タンジールでアラビア語の新聞を発行した。一方, ⑨ 列強に よ
る勢力拡大の動きのなかで,自国の君主に対して諸改革の推進を要求する勢力も,
パンフレットを印刷して配布し,知識人らの支持を獲得する手段として用いた。
問7
下線部⑦の歴史について述べた文として正しいものを,次の①~④のうちか
ら一つ選べ。
7
①
モールスは,電信機を発明した。
②
アークライトは,無線電信を発明した。
③
19 世紀後半に,アメリカ合衆国でラジオ放送が開始された。
④
20 世紀前半に,インターネットが普及した。
問8
下線部⑧に関連して,歴史上のスローガンや理念,主張について述べた文と
して誤っているものを,次の①~④のうちから一つ選べ。
①
8
アメリカ合衆国では,西部開拓を進める際に,「マニフェスト=デスティニ
ー(明白な天命)」が主張された。
②
解説へ
インドでは,国民会議派が「スワデーシ」や「スワラージ」を掲げてイギリス
の支配に対抗した。
③
中国では,義和団が「滅満興漢」を唱えた。
④
ソ連では,ゴルバチョフが「グラスノスチ」を唱えた。
解説へ
問9
下線部⑨に関連して,アジア・アフリカ地域における列強の勢力拡大やその
影響について述べた文として波線部の正しいものを,次の①~④のうちから一
つ選べ。
①
9
イ ラ ン で , ド イ ツ 人 に タ バ コ 利 権 が 譲 渡 さ れ る と , タ バ コ =ボ イ コ ッ ト 運
動が起こった。
②
マダガスカルは,フランスの支配を受けた。
③
イタリアは,マフディー国家を滅亡させた後,スーダン支配を確立した。
④
インドで,オランダの支配に対抗して,シパーヒーの反乱が起こった。
解説へ
問7
正解①
(メディアの歴史)
7
問題へ
P.204 に載っている科学や技術の進歩は,現代生活につながるものが多いだけに無
視できない。常識的な範囲はおさえたいところ。
こ の よ う な 様 々 な 科 学 技 術 の 集 大 成 の 一 つ が ラ ジ オ ・ テ レ ビ だ が , い ず れ も 1920
年 代 の ア メ リ カ が 実 用 化 に 大 き な 役 割 を 果 た し た 。 P.230 1 を 中 心 に , 今 と は 違 っ
た意味で超大国であったアメリカの様子をイメージしてほしい。
ラジオ放送を使って「説明責任」を果たした,フランクリン=ローズヴェルトのこと
も P.236 に掲載されている。
インターネットの普及は,グローバリゼーションを象徴するという意味で,既に世
界史の一部を構成する。P.2541 などを見て,冷戦の崩壊からグローバル化の波を,
少しでも追いかけておこう。
問8
正解③
(歴史上のスローガン・理念・主張)
8
アメリカの領土拡大過程は頻出事項。P.200 の年表と地図をよく確認したい。買収
にせよ,戦争でもぎ取ったにせよ,先住民を無視した側面があるのは事実。ジャク
ソン大統領のように,強制移住というあからさまな方策が出る一方で,マニフェス
ト=ディスティニーという美辞麗句も使用されるようになった。
インドの反英運動については,P.233 に詳しい。国民会議派の動きをカルカッタ大
会やラホール大会に注目して整理する一方,ガンディー・ネルー・ジンナーの路線
の違いを把握すれば,第二次世界大戦後のインドも理解しやすくなる。
19 世紀の中国の変化については,P.2121 を参照したい。太平天国の滅満興漢と義
和団の扶清滅洋の対比もできる。同じ年表で,一連の条約によって,中華帝国の朝
貢体制が崩壊していく順序も整理できる。また,19 世紀の中国でもう一つ対比され
やすい,洋務運動と変法運動に関しては,P.2135 がわかりやすい。P.2135
戦後史学習までは時間が割けない受験生も多いだろう。しかし,冷戦とその終結な
ど,常識的事項は優先的にやっておきたいところ。P.246~255 を使えば,一通りの
概観が可能なので利用してほしい。ソ連のゆきづまりについては,P.2536 を参照。
問題へ
問9
正解②
(アジア・アフリカでの列強の勢力拡大)
9
イランの状況は P.2081 を参照。タバコ=ボイコット運動は反英運動的側面が強いが,
立憲革命は,列強に対抗できないカージャール朝政府に向けられる。
インドの植民地化については P.2091 を参照。イギリスの植民地拡大過程における
諸戦争の順序,東インド会社の役割の変化,シパーヒーの反乱の結果としての同会
社の解散(直轄支配)など,重要なポイントが満載である。
アフリカの植民地化については,P.217 の地図を中心に基本事項を整理するのが第
一。
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