4.1st wk - JESUS-FOLLOWER/イエスに従う人たち

弟子の使命
マスターライフ
第4巻
エイブリー・ウイリス、ケイ・モーア
翻訳・出版: 日本バプテスト宣教団 メディア部
c Copyright 1997 ● LifeWay Press
All rights reserved
ISBN 0-7673-2582-6
Design: Edward Crawford
Cover illustration: Mick Wiggins
LifeWay Press
127 Ninth Avenue,
North Nashville,
TN 37234, U.S.A.
Japanese Edition 2000
Translated and printed by permission of copyright owner.
c
著作権:1997
LifeWay Press
2000 日本語版発行
発行者:日本バプテスト宣教団
バプテストメディアセンター
〒 151-0011 東京都渋谷区東 3-14-14
無断で複写・転載することを禁じます。
使用許可:日本聖書協会「口語訳聖書」使用許可承認済
日本聖書協会「新共同訳聖書」使用許可承認済
日本聖書刊行会「新改訳聖書」使用許可承認済
いのちのことば社「リビングバイブル」使用許可承認済
(聖書からの引用に関しては、特に明記されていなければ、
すべて口語訳聖書からの引用です。
)
目次
著者紹介・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
ディサイプルシップ(弟子訓練)の要素・・・・・・・・・・・・7
ディサイプルシップ(弟子訓練)誓約・・・・・・・・・・・・・8
第1週 誤った人間関係を正す・・・・・・・・・・・・・・・・ 9
第2週 人間関係を通してのあかしと弟子づくり・・・・・・・・32
第3週
霊的乳児の信仰の土台をすえる・・・・・・・・・・・55
第4週
霊的弟子として成熟する・・・・・・・・・・・・・・76
第 5 週 霊的弟子を訓練する・・・・・・・・・・・・・・・・98
第 6 週 主にある同労者として仕える・・・・・・・・・・・・ 122
弟子の十字架・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 144
熟練した建築師・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 145
福音を手に・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 151
祈りのリスト・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 155
関係指数表・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 156
弟子としての自己評価チェックシート・・・・・・・・・・・・・ 157
霊の賜物チェックシート・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 163
霊の賜物の定義・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 168
索引・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 169
4 /弟子の使命
著者紹介
著者:エイブリー・ウイリス
南部バプテスト連盟国際伝道局副総裁。アメリカのオクラホマ州、テキサス
州の教会で牧師として 10年間奉仕した後、インドネシアで宣教師として 14 年
間奉仕する。その間、インドネシアバプテスト神学校の学長として 6 年間奉仕
する。その後アメリカに帰国し、南部バプテスト連盟日曜学校局教育・弟子訓
練部の主事を務める。その間、
「信徒養成講座(LIFE)」という弟子訓練コースの
開設に貢献する。
この「マスターライフ」の初版である、
「マスターライフ:リーダーのための
弟子訓練」は 1980年に発行され、アメリカにおいて25 万人以上の人々に用い
られている。また、50 以上の言語に訳され、世界各地で用いられている。
おもな著作として「Indonesian Revival: Why Two Million Came to
Christ」、
「The Biblical Basis of Missions」
、
「MasterBuilder: Multiplying
Leaders」
、「BibleGuide to Discipleship and Doctrine」がある。またイン
ドネシア語で書かれた出版物もある。
共著者:ケイ・モーア
著者、編集者、セミナー講師。家族、人間関係、クリスチャン生活に関する
数多くの本の出版に携わり、またクリスチャン関係の様々な機関誌に寄稿して
いる。南部バプテスト連盟日曜学校局教育・弟子訓練部において、
「LIFE Support Series(ライフサポートシリーズ)」の編集チームのスタッフを務めた。
おもな著作として「Gathering the Missing Pieces in an Adopted Life」
がある。
はじめに/ 5
はじめに
マスターライフは、あなたがキリストに従
い、キリストとの関係を深めていくことを助
ける、小グループによる弟子訓練です。マス
ターライフは全4巻からなり、「弟子の使命」
は、その第 4 巻です。他の 3 巻は第 1 巻が「弟
子の十字架」、第 2 巻が「弟子の人格」、第3 巻
が「弟子の勝利」です。この訓練を通して、あ
なたはキリストを自分の人生の主とし、また、
キリストの弟子としての生き方を確立してい
きます。
マスターライフの目標と特徴
マスターライフの目標は、弟子訓練を通し
てあなたがキリストに似た者となることです。
そのためには、キリストに従い、キリストが弟
子に教えられたことを身につけ、他の人々が
キリストの弟子となるように助けなければな
りません。マスターライフは、あなたがその経
験を通してキリストに従うことの充実感とキ
リストとの関係における喜びを見出すことを
助けます。マスターライフは、以下に示されて
いる「ディサイプルシップ」の定義を自分の生
き方とすることができるように構成されてい
ます。
ディサイプルシップ(キリストの弟子とな
ること)とは、生涯にわたり、イエス・キ
リストに対する従順な関係を築いていくこ
とであり、この関係を通して、キリストの
品性が養われ、神のみこころに沿った価値
観が培われ、家庭、教会、地域社会、世界
において神の宣教のわざを担う者へと変え
られていくことです。
マスターライフ第 1 巻「弟子の十字架」を
通して、あなたはイエス・キリストと個人的
な関係を築き、深めるための学びをしました。
「弟子の十字架」の図を描くことを通して、バ
ランスの取れた弟子としての生き方を身につ
けることを学びました。
マスターライフ第 2 巻「弟子の人格」では、
聖霊の働きによってあなたの品性がキリスト
に似たものへと変えられていくことに焦点を
合わせて学びました。そして助け主であられ
る聖霊をより深く知る機会が与えられました。
聖霊は、私たちを教え、導き、私たちのため
にとりなし、神のみこころを行うための力を
私たちに与えて下さるお方です。
マスターライフ第 3 巻「弟子の勝利」では、
霊の戦いにおいて勝利を得ることを学びまし
た。また、この世、肉、悪魔に対して、霊の
武具を用いて立ち向かうにはどうしたらよい
か学びました。
「すべての思いをとりこにして
キリストに服従させ」るために(II コリント
10:5)、自分自身のうちにあるサタンの要塞を
打ち砕くことを通して、あなたはさらに神を
信頼するようになったことでしょう。
マスターライフ第 4 巻「弟子の使命」では、
「行って、すべての国民を弟子と」する (マタ
イ 28:19)ことの意味を理解し、キリストの
弟子として次の段階へと成長していくにはど
うしたらよいか学びます。あなたは、生涯に
わたる霊的成長の過程を示す「熟練した建築
師」の発表を学びながら、さらなる霊的成長
のため、また未信者の人たちにキリストをあ
かしするため、そして他の人をキリストの弟
子として育てるための計画を立てます。さら
に、自分に与えられている霊の賜物を見出し、
神が示しておられる働きが何であるかを見極
めていきます。また、第 1 巻「弟子の十字架」
で学んだ以下の 6 つの訓練領域を引き続き実
践していきます。
●主と共に時を過ごす
●みことばに生きる
●信仰によって祈る
●クリスチャンと交わる
●世に向かってあかしする
●他の人に仕える
6 /弟子の使命
各週の最初のページの「今週の主と共なる
マスターライフ第 4巻「弟子の使命」は、全 歩み」の中に、また日々の学びの中にそれぞれ
24 週からなる弟子訓練過程の一部です。全 4 のマークが記されていますが、それはその週
巻を修了することにより、キリストの弟子と の実習課題に関連しています。 して知っておくべき事柄や体験が得られるよ 学びに集中できる時間と場所を決めて下さ
うに構成されています。各巻はそれぞれ前の い。そして、いつも聖書を手元に用意して下さ
巻の訓練をもとにしているので、順を追って い。聖句暗唱は、あなたの実習課題の中でも重
学習することをお勧めします。マスターライ 要なことの一つですから、そのために特別な
フは小グループで訓練を受けるようになって 時間を取って下さい。マスターライフのテキ
います。ディサイプルシップとは体験を通し ストの中では様々な聖書の訳を用いますが、
て身につけるものです。マスターライフの訓 聖句暗唱に関しては、あなたが普段使ってい
練を通して得られる体験は、あなたの人生を る訳で覚えて下さい。
日ごとの学びと実習課題を終えた後、その
変えることでしょう。この体験を小グループ
週の最初のページを開き、
「今週の主と共なる
で互いに話し合うことが大切なのです。
歩み」に挙げられている実習課題を見て下さ
い。完了した実習課題については、◇印の中
このテキストの学び方
に、縦線を引いて下さい。集会の時に、他のグ
週5日間、毎日その日の決められた部分を
ループメンバーにあなたが宿題を完了したこ
学び、その学びに関連した実習課題を行いま
とを確かめて、◇印の中に横線を引き、十字架
す。日々の訓練には 30 分位かかるでしょう。
をつくってもらいます。
それよりも短い時間で学ぶこともできるかも
しれませんが、学びを 5 日間に分けることに
➡
➡
よって、学んだ真理を実生活に適用すること
が大切です。
宿題を
宿題を
集会で
以下の十字架のマークは、それぞれの 6 つ
完了した後、
完了する前
グループ
の弟子訓練領域と、それぞれの実習課題の内
自分で引く
メンバーに
容がどの領域と関係しているかを示します。
引いてもらう
マスターライフの訓練過程
熟練した建築師
主と共に
時を過ごす
みことばに
生きる
クリスチャンと
交わる
世に向かって
あかしする
信仰によって
祈る
他の人に
仕える
145-150ページに、
「熟練した建築師」の発
表が記されています。
「熟練した建築師」は、
霊的成長の過程を示すもので、この巻の学び
全体の要となるものです。毎週、
「熟練した建
築師」の部分ごとを学び、覚えていきます。こ
の巻の学びを完了するまでに、あなたは「熟練
した建築師」の図を描きながら、自分の言葉で
説明できるようになります。「熟練した建築
師」の図に示されている弟子としての霊的成
長の過程において、あなた自身が、また他の人
が今どの段階にいるかを見極め、あなたも、他
の人も成長し続けていくにはどうしたらよい
か学びます。
はじめに/ 7
ディサイプルシップ(弟子訓練)の要素
II テモテ 2 章を読み、以下の各節にディサイプルシップ(弟子訓練)について何と記され
ているか書き出して下さい。そして、グループ集会で分かち合うことができるように準備
しておいて下さい。
1. 1節:弟子訓練の目標の一つは、私が 2. 2節:弟子訓練の使命の一つは、
3. 3節:弟子訓練に必要な献身の一つは、
4. 4節:弟子訓練に携わる者の取るべき態度は、
5. 5節:弟子訓練において従うべきことは、
6. 7節:弟子訓練における教師は、
7. 8節:弟子訓練の基盤は、 8. 9節:弟子訓練の源は、
9.10節:弟子訓練の実、または弟子訓練をする究極的な理由は、 10.15 節:弟子訓練において励むべきことは、
11.20-21 節:弟子訓練において用いられる器となるための秘訣は、
12.21 節:弟子訓練を通して目指すべきことは、
13.24-25a節:弟子訓練に必要な品性は、
14.24-26 節:弟子訓練における働きの一つは、
8 /弟子の使命
ディサイプルシップ(弟子訓練)誓約
マスターライフに参加するに当たり、あなたは神とマスターライフグループに対して以
下のような献身の決意をすることが求められます。現時点では、以下に挙げたことを全
て行うことはできないかもしれませんが、これから訓練を進めながらこれらを実行に移
して下さい。
私は、イエス・キリストの弟子として、これから訓練を進めながら以下のことを実行に
移すことを、今ここに署名することによって、誓います。
●毎日、イエス・キリストを、私の主と告白する。
●やむを得ない場合をのぞいて、すべてのグループ集会に出席する。
●毎週の実習課題を完了するために、毎日、30 分の時間をとる。
●毎日、静聴の時を持つ。
●神が私に語られたこと、また私が神に語ったことを、
「主との交わりの日課表」
に記入する。
●教会の礼拝や諸集会に忠実に出席し、与えられた奉仕を喜んで行う。
●グループのメンバー一人一人を愛し、励ます。
●人々にキリストをあかしする。
●メンバーがこのグループ集会で分かち合うことは、すべて秘密として守る。
●毎週、実習課題を完了したことを他のメンバーにチェックしてもらう。
●神が与えて下さる機会を用いて、他の人をキリストの弟子として育てる。
●聖書の教えに従って献金し、自分の教会を経済的に支える。
署名 日付 誤った人間関係を正す/ 9
第1週
誤った人間関係を正す
今週の目標
他の人との関係を評価し、和解する必要のある人との関係を修復する。
今週の主と共なる歩み
聖書に基づいた6つの訓練領域について、以下の実習課題を実践し、完了した際に、◇印に
縦線を引いて下さい。
主と共に時を過ごす
◇日々静聴の時を持つ。静聴の時を持った曜日を○で囲む。
日 月 火 水 木 金 土
みことばに生きる
◇毎日聖書を読む。神が自分に語られたこと、自分が神に語ったことを書き
とめる。
◇マタイ 5:23-24 を覚える。
信仰によって祈る
◇祈りのパートナーと共に祈る。
クリスチャンと交わる
◇「『関係指数表』の用い方」を読む。
◇配偶者、家族、または友人と共に「関係指数表」を用いて、お互いの関係を
評価する。
世に向かってあかしする
◇「祈りのリスト」に未信者の人たちの名前を記入する。
◇今週、未信者の友人や近所に住んでいる人を少なくとも一人訪問する。
他の人に仕える
◇「個人評価表」に記入し、完成させる。
◇「熟練した建築師」を読む。
今週の暗唱聖句:マタイ 5:23-24
(あなたが普段慣れ親しんでいる聖書の訳で覚えて下さい。)
10 /弟子の使命
第1日
人間関係の大切さ
弟
子としての霊的成長の過程を示す、「熟練した建築師」の
発表について、あなたはリーダーから説明を受けたことで
しょう。
「熟練した建築師」に示されている霊的成長の過程を歩み
続け、キリストから与えられた使命を成し遂げるためには、よい
人間関係を築くことが不可欠です。では、キリストの弟子である
私たちには、どのような使命が与えられているのでしょうか?
キリストの弟子の使命は、
● 生涯にわたって、
キリストに従う弟子となることによって、
神に栄光を帰すこと。
● すべての国民をキリストの弟子とすることによって、神に
栄光を帰すこと。
● 以下のことにおいて、神のみわざに参加すること。
- 神の御名をほめたたえる
- キリストを主としてあがめる
- この世を神と和解させる
- 神の国を建設する
よい人間関係を築くこと
は、福音を宣べ伝え、す
べての国民を弟子とする
ためになくてはならない
ものです。
よい人間関係を築くことは、福音を宣べ伝え、すべての国民を
弟子とするためになくてはならないものです。よい人間関係を築
くことができなければ、未信者の人にあかしすることも、新しい
クリスチャンの信仰の土台をすえることも、クリスチャンを訓練
することも、
「弟子を生み出す弟子」を整えることも、あるいは「主
にある同労者」と共に仕えることも、効果的にすることができま
せん。これから、
「熟練した建築師」に示されている霊的成長の過
程の各段階を見ていく前に、健全な人間関係を築き、保つために
はどうしたらよいか学んでいきます。
クリスチャンは、神の家族として互いに愛し合うべきですが、家
庭と同じように、時には教会でもいざこざが生じることがありま
す。今週は、クリスチャンの間で問題が生じた場合に、どのよう
に対処すべきかについて考えます。この学びを終えるまでに、あ
なたは以下のことができるようになります。
●人間関係をすみやかに修復すべき 3 つの理由を述べます。
●他の人を傷つけた場合、どのような行動を取るべきか説明し
ます。
●
他の人に傷つけられた場合になすべき 6 つのステップを述べ
ます。
●仲裁者の役割を説明します。
誤った人間関係を正す/ 11
キリストにある交わり
クリスチャン生活において、他のクリスチャンと交わりを持つこ
とは不可欠です。私たちはキリストを通して与えられている神と
の関係によって、キリストのからだとして結び合わされています。
イエス様が十字架にかかられたことによって、私たちの罪の代
価は支払われ、神との損なわれた関係が回復されました(ローマ
5:1 参照)。またイエス様の十字架によって、神の子どもとされた
者たちは、お互いの間に正しい関係を持つことができるようにな
りました。ヨハネは、私たちの神への愛は、私たちのお互いに対
する愛を通して示されると教えています(Iヨハネ 4:20-21参照)。
クリスチャン生活におい
て、他のクリスチャンと
交わりを持つことは不可
欠です。
I ヨハネ 3:14 を読んで下さい。私たちがすでに「死からいのちに
移ってきたことを」、私たちはどのようにして知ることができます
か?
I ヨハネ 3:14
私たちが霊的に死んでいた状態からキリストにある永遠のいの
ちに移されたことは、お互いに対する愛によって示されます。他
の人に対してキリストの愛を示す人は、永遠のいのちを持ってい
ることをあかしします。
I ヨハネ 3:18 にあるように、私たちは言葉においても、行いに
おいても、他の人を愛するべきです。しかし私たちのうちにある
罪が、お互いの交わりを妨げてしまうことがあります。
I ヨハネ 3:18
あなたと他の人との交わりを妨げた、あるいは妨げている原因に
ついて、当てはまるものに下線を引いて下さい。
ねたみ 高慢 怒り 誤解 むさぼり 無神経さ
うわさ話 自慢 苦々しい思い 短気 不作法 貪欲
意見の衝突、性格の違いから生じる摩擦、勢力争いなども、お
互いの愛の関係を傷つけます。イエス様の弟子たちはこのような
人間的な罪を持っていたので、互いに愛し合うことに困難を覚え
ました。
マタイ 20:20-24 を読んで下さい。
弟子たちは、だれに対して憤慨しましたか? マタイ 20:20-24
なぜ、憤慨したのですか? 弟子たちはヤコブとヨハネに対して憤慨しました。それは、こ
の二人が天の御国において重要な地位につくことを願ったので、
12 /弟子の使命
主との交わり
の日課表
I ヨハネ 3:11-24
彼らに対してねたみを覚えたからです。
キリストにつながることによって、私たちは他の人との関係を
修復することができます。赦しを求めることによって、神と、ま
たお互いと和解することができるのです。
神が聖書を通して私に語
られたこと
I ヨハネ 1:7 を読んで下さい。
クリスチャンの交わりの源は何ですか? その交わりをきよめるものは何ですか? 私が祈りを通して神に
語ったこと
キリストを通して与えられている神との関係が、クリスチャン
の交わりの源です。イエス様の血が私たちの関係をきよめ、修復
させます。
今週の暗唱聖句、マタイ 5:23-24 には、他の人との関係を
どのように修復すべきかについて記されています。覚え始
めるために、この聖句を 3 回読んで下さい。
「弟子の十字架」の縦木と横木を思い出して下さい(144 ページ
参照)。みことばと祈りを表す縦木は、私たちと神との関係を示し
ています。私たちがみことばに生き、信仰によって祈るなら、神
との縦の関係が、他のクリスチャンと交わったり、世に向かって
あかししたりするという横の関係に影響を及ぼします。
主と共に使命を遂行する
145-150 ページの「熟練した建築師」の発表を読んで下さ
い。この発表を一語一句覚える必要はありませんが、その
中に記されている原則を学んで下さい。第 2 週以降、週ご
とに「熟練した建築師」の各段階について学んでいきます。この
巻の学びを終えるまでに、あなたは「熟練した建築師」の図を描
きながら、自分の言葉で説明することができるようになります。
弟子として成長していく上で、他の人との関係の大切さについ
て理解を深めるためには、日々の静聴の時に、神が語られること
に耳を傾け、自分のうちにあることを神に語りかけることが大切
です。
今日の静聴の時に、他の人とどのように関わるべきかにつ
いて記されている、I ヨハネ 3:11-24 を読んで下さい。それ
から「主との交わりの日課表」に示されたことを記入して
下さい。
誤った人間関係を正す/ 13
第2日
キリストの命令
第
1 日に学んだように、クリスチャンも人間関係における
問題に直面することがあります。たとえあなたがキリストの
栄光を表す生活を送ろうとしても、周りの人々があなたを攻撃し
たり、無視したり、陰口を叩いたり、避けたりすることがありま
す。あなたも他の人との関係において、同じような罪を犯してし
まうことがあるかもしれません。しかし、人間関係における問題
があることに気づいたときは、その関係を正すために必要なこと
をすぐに行うようにしましょう。そうする必要があるのは、以下
の 3 つの理由のためです。
●他の人との関係が正されていないと、あなたと神との関係にも
影響が及んでしまうから。
●他の人との関係を正すことをキリストが命じておられるから。
●この世の人々に対してキリストをあかしするために、人間関係
を正す必要があるから。
神との関係に及ぼす影響
他の人との関係が正されていないとき、神との関係にどのような
影響が及んでしまうか見ていきましょう。
以下の聖句を読み、その内容を自分の言葉で要約して下さい。
マタイ 6:14-15: I ヨハネ4:20-21: 罪は、人と人との交わりに亀裂を生じさせます。マタイ6:14-15
をもう一度読んで下さい。私たちに対して罪を犯した人を私たち
が赦さないなら、神は私たちを赦して下さることができるでしょ
うか?人間関係の修復は、赦すことを通してなされていきます。
I ヨハネ4:20-21 にも、他の人とよい交わりを保つことの大切さが
記されています。もし主にある兄弟姉妹を愛さないなら、
「私は神
を愛しています」と言う言葉は空しいものとなってしまいます。
キリストの命令
人間関係を修復すべき第 2 の理由は、キリストがそうするように
と命じられたからです。
マタイ 6:14-15
I ヨハネ 4:20-21
14 /弟子の使命
今週の暗唱聖句、マタイ 5:23-24 を思い起こして、別紙に
書き出して下さい。それから、マタイ18:21-22 とヨハネ13:
34-35 を読み、以下の各文について、正しいものに○、間
違ったものに×を記入して下さい。
マタイ5:23-24 によると、私たちは、他の人が私たちに罪を犯
したときにのみ、人間関係を修復すべきである。
マタイ 18:21-22
マタイ 18:21-22 によると、他の人を 7 度の 70 倍赦す必要が
ある。
ヨハネ 13:34-35
ヨハネ 13:34-35 によると、私たちはキリストが私たちを愛さ
れたようには、互いに愛し合う必要はない。
この3つの聖句は、私たちはだれが罪を犯したかに関わらず、人
間関係を修復すべきであることを命じています。また、私たちは
何度も何度も他の人を赦す必要があります。キリストはどのよう
に他の人を愛するべきか私たちに示して下さいました。私たちは、
キリストが私たちを愛して下さったように互いに愛し合う必要が
あります。上記の第 2 の文は正しく、それ以外の文は間違いです。
この世の人々に対するあかし
人間関係を修復すべき第 3 の理由は、救われていないこの世の
人々にキリストをあかしするためです。イエス様は弟子たちに、彼
らがキリストの弟子であることをこの世の人々に示すにはどうし
たらよいか教えられました。
先にヨハネ 13:34-35 を読みましたが、その箇所によると、真のキ
リストの弟子であることを示すしるしは何ですか?
□ガリラヤなまり □互いに愛し合うこと □魚のしるし
II コリント 5:18
互いに愛し合うことが真のキリストの弟子であることを示すし
るしであると、イエス様は教えられました。主にある兄弟姉妹を
愛さずに、未信者の人々に神の愛を語ることができるでしょう
か?神がキリストを通して、この世をご自身と和解されたように、
神は私たちに和解の務めを与えられました。II コリント 5:18を読
んで下さい。
私たちがキリストとどのような交わりを持っているかは、私た
ちが他の人とどのように関わるかを通して表されます。人々は、私
たちがクリスチャンとしての生活をどのように送っているか見て
います。クリスチャンであると自称していても、私たちのうちに
苦々しい思い、赦さない心、あるいは批判的な態度があるなら、私
たちのあかしは説得力に欠けたものとなってしまいます。
誤った人間関係を正す/ 15
155 ページにある「祈りのリスト」に未信者の友人や家族
の名前を記入し、その人たちが福音に対して心を開くこと
ができるように、祈りのパートナーと共に祈って下さい。
また、あなたの人生、使命、働きにおける神のみこころが示され
るように、そして、あなたと他の人々との関係がより良いものと
なり、そのことを通して主の栄光が現されるように祈ってもらい
ましょう。
主のあかし人として生きる
人間関係についての学びを進めてきて、あなたは他の人々との関
係を修復したり、人間関係における問題を避けたりするための方
法を身につけたいと感じているかもしれません。家族や友人と共
に、お互いの関係について話し合い、より深く理解し、より良い
関係を築いていくために、156 ページにある「関係指数表」を用
いることができます。
以下の「『関係指数表』の用い方」を読んで下さい。
「関係指数表」の用い方
156 ページにある「関係指数表」を、一回につき一人の人と用
いて下さい。一人ずつ別々の用紙を用いる必要があるので、必
要な枚数だけコピーして下さい。 1.「関係指数表」は、7 つの指数に基づいてお互いの関係を評
価するものである。
それぞれの指数の両極に正反対の言葉が
書かれている。たとえば「分かち合い指数」においては「閉
鎖的 - 開放的」
、
「傾聴指数」においては、
「聴かない - 聴く」
となっている。この両極の間に7 つの縦線があり、お互いの
関係が、どの程度閉鎖的、あるいは開放的であるかなどを示
すようになっている。横線の上には、
「相手」の自分に対す
る態度についてふさわしいところに印をつけ、
横線の下に は、
「私」の相手に対する態度についてふさわしいところに
印をつける。
2. 次に、相手もあなた自身も、
「関係指数表」にあるそれぞれ
の「指数」の意味を理解するようにする。
a. 分かち合い指数:内面に感じたことや考えたことを共に
分かち合っているか、
それとも自分のうちに抱えこんだま
までいるか?相手の気持ちを推測しなければならない場合
が多いか、少ないか?
お互いの関係について話
し合い、より深く理解
し、より良い関係を築い
ていくために、「関係指
数表」を用いることがで
きます。
16 /弟子の使命
b. 傾聴指数:相手に対して、理解をもって注意深く耳を傾
けているか?あるいは、聞く耳を持とうとしていない
か?相手の話をうわの空で聞きながら、生返事をして
いるだけか?それとも、相手の話す内容に充分に注意を
払っているか?
c. 励まし指数:相手を支え、励まし、助け、大事にし、誠
意を示しているか?それとも相手をけなしたり、放った
らかしにしたり、妨げたり、孤独にさせているか?相手
は「あの人はいつも私のことを気づかい、私の最善のた
めを考えて助けてくれている」と感じているか?
d.称賛指数:お互いに相手に対して、また第三者に対して、
相手をほめ、長所を認めているか?それともいつも批判、
軽蔑、中傷、叱責をしているか?
e. 霊的指数:自分の信仰の歩みについて、お互いに心を打
ち明けて分かち合っているか?または、神との交わりに
おいて起こっている出来事や、心の葛藤、勝利、希望な
どを親しく語っているか?あるいは、自分の霊的状態に
ついて、よそよそしく話したり、口を閉ざしたりしてい
るか?
f. 自由指数:相手が神の願っておられるように成長するこ
とを助けているか?あるいは相手を操ったり、押さえた
りして、自分の思い通りに動かそうとしているか?
g. 態度指数:相手に対して、態度で愛情を表し、良い関わ
りをもっているか?それとも、何も答えず、無関心で、冷
たいか?
3.「関係指数表」を相手に渡す。そして、お互いに相手がど
のように記入しているかを見ないように、別々に書き入れ
る。その際に、以下の指示に従って記入する。
a. 各指数の横線の上には、相手があなたに対してどのよう
に関わっているかを考え、印をつける。
b. 各指数の横線の下には、あなたが相手に対してどのよう
に関わっているかを考え、印をつける。
4. 表に記入し終えた後、お互いの評価を比べ合う。特に双方
のつけた印の位置が違う場合、なぜ違うのか、その理由に
ついて話し合う。なぜ異なった見方をしているかという理
由は、つけた印の位置の違いそのものと同じくらい重要な
ことなので、必要に応じて時間をとって話し合う。
5. 二人の関係について各指数ごとに比べ合いながら、どうし
たらより良い関係を築くことができるか話し合う。このと
き最も大切なことは、相手の話によく耳を傾けることであ
る。決して反論せずに、相手の意見を真剣に理解しようと
誤った人間関係を正す/ 17
努める。相手の評価について、反論したり、議論したりし
てはいけない。相手の評価は、あなたが好むと好まざると
を問わず、その人の正直な評価なのである。非難したり、と
がめたりしてはならない。もし相手の評価に不満を示した
ら、
せっかく開かれた心を閉ざすことになるかもしれない。
また、もし相手に対するあなたの評価が、相手が自己評価
したこと以上のものだった場合は、その理由を説明するこ
とによって相手を励ますことができる。
6. 自分に対する評価で低かったことに注目し、二人の関係を
より良くするためにどのようなことができるか考える。そ
して二人で一緒に実行できることについて話し合う。
7. 二人の関係をより良いものとするために、自分が最も助け
を必要としていることは何であるか考え、その計画を立て
始める。自分の、または相手の表の中で、中央の線より左
につけられた印は、改善を必要としている領域を示してい
る。もしそのような印があれば、相手の助けを求める。も
しかすると、相手がある指数について低い評価をした原因
は、あなたの態度であったかもしれない。例えば、相手は
心を開いて打ち明けたいと思っていながらも、打ち明けた
場合にあなたがどのような反応を示すか恐れたため、
「分か
ち合い指数」の項目で「閉鎖的」のところに印をつけた、と
いうようなことがあるかもしれない。
8.「関係指数表」を用いることの目的は、私たちの人間関係に
ついての専門的、臨床的な評価をすることではない。むし
ろ、二人がお互いの関係について、語りやすくするための
手段なのである。明らかになった問題を解決するために、第
三者、あるいは専門家の助けを求める必要が出てくるかも
しれない。お互いの関係について共に祈り合い、より良い
関係を築くためにお互いに協力することを約束することが
大切である。
主との交わり
の日課表
マタイ 5:21-48
神が聖書を通して私に語
られたこと
私が祈りを通して神に
語ったこと
次回の集会までに、配偶者、家族、または友人と共に「関
係指数表」を用いて、お互いの関係を評価するときを持っ
て下さい。
今日の静聴の時に、他の人とどのように関わるべきかにつ
いて記されている、マタイ 5:21-48 を読んで下さい。それ
から「主との交わりの日課表」に示されたことを記入して
下さい。
18 /弟子の使命
第3日
和解に向けて歩み出す
私
が属している教会の前の牧師は、かつて心に深い傷を負
う経験をし、苦々しい思いにかられてしまったことがありま
した。その牧師は、赦すことについて神の語りかけを求めていた
とき、マタイ 18 章からいくつかのことを学びました。
●赦すことは、自分の意志に基づいた意識的な決意である。相手
が赦しを求めてこなくても、自分の心のうちで「私はあの人の
ことを赦す。」と決心することができる。
● サタンは私たちの感情に働きかけ、
私たちがその人によってど
れだけ傷ついたかを思い起こさせようと誘惑する。
そのような
とき、
「いいえ、私は○月○日に、あの人を赦すことを堅く決
意した。」と答えて、サタンの誘惑に立ち向かうことができる。
●赦すことによって、霊的な葛藤から解放される。赦さないでい
ると、肉体的な健康が損なわれることもある。
●他の人を赦すとき、その人を神の御前に差し出し、
「主よ、あ
なたがこの人をあわれみのうちに導いて下さることを信じ、こ
の人をあなたの御手におゆだねします。
」と祈る。
●赦すことによって、私たちは神に信頼することができる。赦さ
ないなら、それはあたかも、
「神様、私の喜びはあなたにでは
なく、あの人の行いに基づいています。」と言っているような
ものである。私たちは他の人を赦すとき、神が与えて下さる力
によって、その人を赦すのである。
苦々しい思いを抱くことの危険性
誤った人間関係を正すには自分から一歩踏み出す勇気が必要です。
私たちは「このままにしておけば状況は収まるだろう」とか、
「気
が向いてからにしよう」と自分自身に言い訳をして、問題の解決
を先延ばししようとするかもしれません。しかし自分から勇気を
もって取り組まないなら、いつまでもこじれたままの関係を引き
ずることになります。
ヘブル人への手紙の著者は、関係の修復にただちに取り組まな
い場合の危険性について説明しています。
ヘブル 12:15
ヘブル12:15を読み、関係の修復にただちに取り組まない場合の危
険性について、その聖句に書かれていることを以下の中から選ん
で下さい。
□相手がその問題を忘れてしまう。
□「あの人を赦さない」という思いを抱き続けてしまう。
□苦々しい思いがはびこり、多くの人を汚してしまう。
誤った人間関係を正す/ 19
損なわれた人間関係を正す取り組みをすぐに始めないでいると、
「苦い根がはえ出て」きます。苦々しい思いは、赦さない心と恨み
から生じます。それらによってその人の人格が歪められ、また周
りの人たちも悪い影響を受けます。苦々しい思いを抱き続けるな
ら、そのことに私たちの心が奪われ、肉体的にも疲れてしまいま
す。関係の修復に早い段階で取り組むなら、私たちは時間とエネ 和解を求める姿勢は、ク
ルギーを有益なことに用いることができます。和解を求める姿勢 リスチャンとしての特徴
の一つであるべきです。
は、クリスチャンとしての特徴の一つであるべきです。
今週の暗唱聖句、マタイ 5:23-24 でイエス様は、関係を修
復する必要があると気づいた人が何をすべきかについて
語っておられます。まず、この聖句を思い起こして暗唱し
て下さい。次に、この質問に答えて下さい。
「関係を修復すべきで
あると気づいたとき、この人はどこにいましたか?」
この聖句には、だれかとの関係が気まずくなってしまったこと
に気づいたとき、この人が祭壇の前にいたことが記されています。
私たちは神の御前に進み出るとき、人間関係における問題に気づ
かされることがあります。私たちが聖霊に対して心を開くとき、聖
霊は私たちの心を探り、罪を指摘されます。そしてどのような態
度を抱き、行動を取るべきか、神のみこころを示して下さいます。
マタイ 5:23-24 には、どのように関係を修復するか、その過程
についても記されています。ここでは祭壇の前にいた人が相手を
傷つけたのか、相手に傷つけられたのかは、はっきりとは記され
ていません。しかし、だれかが自分に対して良くない感情を抱い
ていることを思い出したなら、私たちは関係を修復する必要があ
る、と記されているのです。
I ヨハネ 1:9 によると、私たちはだれかを傷つけたと気づいたなら
何をすべきですか?
だれもが罪を犯しますが、私たちが罪を告白するなら、神は真
実なお方なので私たちの罪を赦して下さいます。神が私たちを赦
して下さるかどうか、私たちは悩んだり、思い煩ったりする必要
はありません。
また傷つけた相手にも、自分の犯した罪を具体的に言い表し、赦
しを求める必要があります。
I ヨハネ 1:9
20 /弟子の使命
赦しを求めるときにどうすればよいか、以下の中から最も良い求
め方を選んで下さい。
□「私が悪かった。でも、もしあなたが ...」
□「もし私が悪かったのなら、赦して下さい。」
□「あなたを怒らせてしまってごめんなさい。」
□「私は をしてしまいました。どうぞ赦して下さい。」
私たちの罪の告白は条件付きのものであってはなりません。
「も
し ... なら」、あるいは「... かもしれない」というような態度が含ま
れていてはいけません。また相手の怒りを引き起こしたことを
謝っても、それは相手を赦すこととはなりません。私たちのなす
べきことは、自分の過ちを言い表し、赦しを求めることです。
実践を通して成長する だれかと一対一で会って関係を修復するときに何をすべきか、以
下に示されています。
和解を求めるには
聖書は私たちに和解する
ことを命じ、その方法を
はっきりと示していま
す。
神の働きと、クリスチャンの交わりを妨げる最大の原因は、
赦し合わない心ではないでしょうか。このような心は和解の
妨げとなります。もしあなたが長い間このような重荷を負っ
てきたのなら、今こそ解決すべきときです。聖書は私たちに
和解することを命じ、その方法をはっきりと示しています。
私たちの責任
1. 平和を求める。
「すべての人と相和し、」
(へブル 12:14a)。
a. 嫌な人、傷つけた人、赦せない人との和解を求める。
b. 自分が正しいかどうかに関わらず、自分に対して何か
恨みを持っている人と和解するように努める。
c. 不当なことをした人と和解するように努める。
d.「平和をつくり出す人」(マタイ 5:9)であるように
努める。
2. きよく、聖なる者として生きる(へブル 12:14b-15 参照)。
a. だれかと和解しようとする前に、主のきよめを求める。
b. 他の人たちが神の恵みと赦しを受けられるように、その
人たちときよい関係を持つように努める(へブル 12:15
参照)。
c.他の人の悪口を言ったり、うわさ話をしたりするよりも、
その人たちとの関係を修復するように努める。
3. 恨みや敵意を抱かない(へブル 12:15 参照)。
誤った人間関係を正す/ 21
a. 人を赦さない心は苦い根を生じ、悪い実をならせ、それ
によって多くの人を汚すことになる。
b. 和解しないでいると苦い根が広がり、当事者同士の関係
がさらに悪くなっていく。
和解の源
1. 神の赦し(マタイ 18:21-35 参照)。
a. 他の人からどんなに不当な仕打ちを受けたとしても、私
たちが神に対して犯した罪はそれ以上に重い。なぜなら、
私たちの罪が神のひとり子を十字架につけてしまったか
らである。しかし神は私たちのその罪を赦して下さった。
b. 私たちは神によって赦されているので、他の人をも赦せ
るはずである。私たちが体験しているような恵み、愛、喜
びを体験していない人にとっては、他の人を赦すことが
難しい(マタイ 18:25-35 参照)。
2. 神との交わり(I ヨハネ 1 章参照)
a. イエス様が神と共に歩まれたように、光の中を、素直に
正直に歩む。神に隠れて何かをしようとしてはいけない。
b. 光の中を、他の人と共に、素直に正直に歩む。自分の罪
を神に対して、また他のクリスチャンに対して告白する
(ヤコブ 5:16 参照)。
c. 私たちが神と、また他の人と豊かな交わりを持つことを
神は望んでおられる。神に対して、また他の人に対して
自分の罪を告白することによって、私たちは神と、また
他の人と素晴らしい交わりを持つことができるように
なる。
3. 聖霊があなたに和解の必要を示されるとき、相手のうちに
も同じように働いておられるかもしれない。あるいは、あ
なたを用いてその人に和解の必要を気づかせようとしてお
られるのかもしれない。
和解の方法
1. 二人だけで会って、和解するように努める。そのために、邪
魔されずに話すことのできる場所を探しておく。
2. 自分の過ちを告白する(もし聖霊によって何の罪も示され
ないなら、この項目を飛ばし、3 に移る)。
a. 好ましい告白の仕方:
●「私たちの関係について考えている中で、主は私があなた
に対して (誤った態度)を抱いていたことを示さ れ、 (誤った行動)をしてしまったことに気づか
他の人からどんなに不当
な仕打ちを受けたとして
も、私たちが神に対して
犯した罪はそれ以上に重
い。
自分の過ちを告白する。
22 /弟子の使命
何か気に障ることがない
か相手に尋ねる。
されました」と言う。
「誤った態度」の例は、
「赦さない
心」、
「苦々しい思い」、
「恨み」、
「傲慢」、
「批判的な思い」
などである。また「誤った行動」の例は、
「無視する」、
「避
ける」、
「うわさ話をする」、
「裁く」、
「口論する」、
「攻撃
する」、
「辱める」、
「からかう」、
「嫌がらせる」、
「怒らせ
る」、「そそのかす」、などである。
「たぶん私は、…」と
か「もし私が、…」などと言ってあいまいにしてはいけ
ない。聖霊によって示された自分の罪を告白する必要が
ある。相手にその罪を過小評価させたり、忘れさせたり
することによって、罪の重さを軽くしようとするべきで
はない。相手が悪かったとしても、それに対する自分の
態度や行動が間違っていたならば、自分の罪を認め、赦
しを求める。そしてその人が罪を認めるかどうかは、聖
霊の導きにゆだねる。
●次に、
「私は神に赦しを求めました。そして今、あなたに
も赦しを求めたいのです。」と言う。このとき「赦し」と
いう言葉を使う。相手に「赦して下さい」と願い、でき
れば相手に「私はあなたを赦します」と言ってもらうよ
うにする。相手はあなたを心から赦す代わりに、あなた
の過ちが何でもなかったかのようなふりをして、
「そんな
こと何でもありませんよ」とか、
「私も同じことをしまし
たよ」とか、
「気にしないで下さい」などと言うかもしれ
ない。その場合にはこのように言ってみる。
「分かってい
ただけるかどうか分かりませんが、あなたに赦していた
だたくことは私にとっては大事なことなのです。どうぞ
私を赦して下さい」。相手があなたを赦したくないような
ら、
「あんなことをしてごめんなさい。いつかまた話し合
うことができるときが与えられることを願っています」
と言う。
b. 誤った告白の仕方:相手を非難したり、自分の罪を弁解
することは誤ったやり方である。
「あなたとはうまが合い
ませんね」。
「私は悪かった、でもあなたがそうしたから
私も…」といった言い方は、相手に責任を転嫁すること
になる。
3. 何か気に障ることがないか相手に尋ねる。
a. もし相手が「ある」と言えば、どのように気に障ったか
尋ねる。相手の言うことをよく聞き、相手の立場で状況
を見るようにする。
●相手の言っていることが正しいなら、赦しを求める。
誤った人間関係を正す/ 23
●もし相手の言っていることが事実に基づいていないなら、
できるだけ客観的に本当のことを伝える。
●相手が事実に基づいて話していても、あなたの行いや動
機について、あなたが意図したことと異なった受け止め
方をしているなら、そのような印象を与えてしまったこ
とを謝り、自分が意図していたことを伝える。そしてこ
れからは自分の行いについてもっと注意深くなることを
約束し、また相手の助けを求める。
b. もし相手が「ない」と言えば、二人の関係がうまくいっ
ていないのはなぜか、相手の考えを聞く。
●隠れていた間題が明らかになれば、話し合う。
●相手は何も問題はないと感じているかもしれない。もし
そうなら、相手の考えを受け入れ、互いに愛し助け合う
ことを約束する。
4. もし他のクリスチャンがあなたに過ちを犯したなら、愛の
心をもって相手に自分の気持ちを言い表す(マタイ 18:15 17、ガラテヤ 6:1 参照)。
a. 問題を無視してはいけない。問題を無視するなら、
「だれ
も神の恵みから落ちる者がないように」
(へブル12:15 新
改訳)という教えを守らないことになる。問題を示すこ
とによって、相手が神の赦しを求めるのを助けることが
できるかもしれない。相手はその問題に気づいていない
かもしれないし、または他の人が気づいていることを知
らないでいるかもしれない。
b. 相手を非難するのではなく、そのことによって自分がど
のような感情を抱いたかを伝える。例えば、
「私について
あなたがこのようなことを言ったと知ったとき、私は傷
つきました。」といった言い方をする。「あなたは をしましたね。」といった言い方は相手を自己防衛的にさ
せ、相手はあなたの感情を受け止めにくくなってしまう。
c.二人で話し合っても和解ができない場合は、成熟した、思
いやりのある他のクリスチャンに仲介を依頼する。
d. それでもまだ和解ができない場合は、教会に申し出る必
要があるかもしれない。しかし、この最終的な努力でさ
えうまくいかないことがあるかもしれない。相手が和解
を拒み、自分自身を孤立させてしまっても、それを事実
として受け止めるべきである。しかし聖書は相手への深
い愛と思いやりと和解への望みを持ち続けるようにと教
えている。
もし他のクリスチャンが
あなたに過ちを犯したな
ら、愛の心をもって相手
に自分の気持ちを言い表
す。
24 /弟子の使命
主との交わり
の日課表
マタイ 18:21-35
神が聖書を通して私に語
られたこと
e. あなたが求めているのは和解であり、自分を弁解した
り、弁護したりすることではないことを常に心に留め
ておく。上に記されている過程は、あなたが相手との
交わりを真心と愛をもって回復しようと願うときにこ
そ有効である。
5. お互いに神の光の中を歩み、純粋で偽りのない関係を持
つことができるように一緒に祈る。
6. 自分が関わっている人たちとの関係を祈り深く見直す。
a. 和解する必要のある人の名前をすべて書き出す。
b. この手引きを用いて最も困難な人から和解を始める。
c.「あなたがたは、できる限りすべての人と平和に過ご
しなさい」
(ローマ12:18)というみことばが現実のも
のとなるまで和解を求め続ける。
和解する必要のある人がいるかどうか示して下さるように、聖霊
に祈り求めて下さい。その人の名前を別紙に書いてもよいでしょ
う。
「和解を求めるには」を参照しながら、その人との関係を修復
するためにすべきことは何か考えて下さい。和解するために何を
すべきかについて、明日もさらに学んでいきます。
今日の静聴の時に、赦しについて書かれている、マタイ18:
21-35を読んで下さい。それから、
「主との交わりの日課表」
に示されたことを記入して下さい。
私が祈りを通して神に
語ったこと
第4日
償いをする
昨
日は自分の罪を告白し、赦しを求めることの大切さにつ
いて学びました。しかし、それだけでは不充分なときもあり
ます。相手に赦しを求めた後、償いをする必要があるかもしれま
せん。ザアカイは自分の罪を告白した後、不当に得たお金を 4 倍
にして償うことを約束しました。ルカ 19:8 を読んで下さい。
適切な償い方について、当てはまるものに印をつけて下さい。
□ 1. 自分が悪かったことを関わっている人たちに伝える。
□ 2. ゴシップを言い広めたり、中傷するために話した言葉、また
偽りを伝えたことを、公に謝罪し、撤回する。
□ 3. 盗んだものを返す。
□ 4. 損害をかけたことについて弁償する。
□ 5. 相手の仕事を助ける。
誤った人間関係を正す/ 25
償いとは単に「ごめんなさい」と言うことではなく、謝罪の気
持ちを具体的な行いによって示すことです。償うとは、自分がし
てしまった発言や行いによって生じた損害について、できる限り
もとの状態に戻すことです。上記の 5 以外の文はすべて適切な償
い方を示しています。相手の仕事を助けることは、それが自分の
犯した過ちに直接関係するときにのみ、償いとなります。関係の
ないことについて助けることは、まるで「罪滅ぼし」のためにす
るようなものであり、償いではありません。
以下の事例を読み、A さんがした償いについて記されている部分
に下線を引いて下さい。
A さんは Bさんを最初から信頼していなかったので、B さんを困ら
せるために、彼についてのうわさ話を職場の人たちに言い広めま
した。職場の人たちは A さんが言い広めたうわさを信じ、B さん
を無視するようになりました。しかしその後、A さんは B さんが
立派な人であることを知り、それまで抱いていた B さんに対する
思いが間違っていたことに気づかされました。そして B さんとよ
り深く関わるようになり、彼が信頼することのできる人であるこ
とを知りました。
自分の発言と行いによって B さんを傷つけたことを思い知らされ
た A さんは、B さんに赦しを求めました。そして周りの人たち一
人一人に対して、Bさんについてのうわさ話が偽りだったことを伝
えました。また機会のあるごとに、Bさんが信頼のおける人である
ことを人々の前で示し、彼の評判の回復に努めました。
あなたは、
「そして周りの人たち...伝えました。」と「また機会
のあるごとに...努めました。」というところに下線を引いたので
はないでしょうか。A さんは自分が言い広めたうわさ話が間違い
であったことを人々に知らせ、職場での B さんの評判がよくなる
ように努めました。A さんは言葉だけではなく、行いによって B
さんに償ったのです。
ふさわしい行動を取る責任
他のクリスチャンに傷つけられた場合、私たちはその人が問題の解
決に乗り出すまで待つという態度を取ってしまうかもしれません。
しかしマタイ18:15-17 でイエス様は、罪を被った側にもふさわし
い行動を取る責任があることを教えておられます。
マタイ 18:15-17 を読み、以下に挙げた行動をどのような順序で行
うべきか、数字を記入して下さい。
26 /弟子の使命
マタイ 18:15-17
傷つけた人に対する傷つ
けられた人の態度は、引
き続き深い愛と同情を
持ったものでなければな
りません。
証人たちの同行によっても和解が成立しないなら、
教会に申し
出ます。
あなたに罪を犯した人のところへ言って、和解を求めます。
二人が合意できれば、関係は修復されます。
あるクリスチャンがあなたに対して罪を犯したとします。
罪を犯した人が和解を拒むなら、クリスチャンの友人を一人
または二人、証人として連れていって、和解を求めます。
もし罪を犯した人が教会の忠告を聞かないなら、その人を異邦
人、または取税人同様に扱います。
キリストのからだにおいて健全な交わりを保つために、クリス
チャンはお互いの間にある争いを解決する必要があります。
あるク
リスチャンが他のクリスチャンに対して罪を犯したなら、
その二人
の間で問題を解決する必要があります。
それで二人が和解すること
ができれば望ましいのですが、うまくいかないなら、他のクリス
チャンの助けが必要となります。それでも和解が成立しないなら、
教会全体が問題の解決に取り組みます。
それでもうまくいかないな
ら、教会は罪を犯した人に対してなすべきことをしたのですから、
その人のことを主にゆだねるべきです。正しい答えは、5、2、3、
1、4、6 です。
あらゆる試みにもかかわらず、相手が和解しようとしないなら、
聖書は「異邦人または取税人同様に」その人と関わるようにと教え
ています。しかし、その人がキリストにある私たちの兄弟ではなく
なったとは書かれていません。また傷つけられた人や教会は、その
人に対して苦々しい思いを抱いたり、復讐心を抱いたり、報復した
り、のけものにする権利があるなどとも書かれていません。私たち
はみな、罪人です。傷つけた人に対する傷つけられた人の態度は、
引き続き深い愛と同情を持ったものでなければなりません。
その人
との関係は変わっても、
その人に対する私たちの態度は変えるべき
ではありません。
今週の暗唱聖句、マタイ 5:23-24を覚え続けましょう。あな
たはこの聖句を自分の生活にどのように適用し、他の人と
の関係を修復しようと思いますか?
主のあかし人として生きる
和解についての学びを通して、あなたはマスターライフ第3巻「弟
子の勝利」の中で「あかしの同心円」に未信者の人たちの名前を記
入したことを思い起こしたかもしれません。
その人たちとの関係が
正しくないなら、彼らに福音を伝えることは困難です。
誤った人間関係を正す/ 27
ある神学校の教授は、この真理について彼の本の中で次のように
述べています。
「私たちの人生において神が出会わせて下さる一人
一人の人たちとの関係について、神は私たちに責任を問われる。ま
た、他の人との関係が壊れているなら、神との関係も壊れているこ
とになる。」さらに彼は、
「私たちがほとんど知らない人たちに福音
を伝えようとするが、親戚や友人には伝えようとしないのは、親戚
や友人との関係がうまくいっていないことについて罪責感を覚えて
いて、それを和らげたいと思うからである。
」と言います。そして
次のように結論づけています。
「それは、私たちが主を知らないか
らではない。主が私たちの生活において、本当の意味で主として認
められていないからである。私たちはすべてのことにおいて主を認
め、主が人々を受け入れておられるように彼らを受け入れようとは
しないのである。... もし私たちが誠実に生きようとするなら、自分
にとって最も身近な人たちに、福音を分かち合いたいと思うはずで
ある。」
ある日、彼が神学校のクラスでこのことを説明していたとき、一
人の学生があかしについてのこのような考え方に対して異論がある
と主張しました。「私の父は 26 年半も前に、母と私を捨てたので
す。」とこの学生は叫びました。
「私は今、27 歳ですが、まだ一度
も父に会ったことはありません。また会いたいとも思いません。」
それに対してこの教授はこう言いました。
「もし私が神の無限の恵
みに基づいて他の人を赦さないなら、神は私を赦して下さると思い
ますか?あなたのお父さんは、確かに赦される資格のない人です
が、それはあなたや私も同じなのです。」
この学生は、彼の父親が今どこにいるのか、また果たして今生き
ているのかどうかさえ分からない、と言いました。するとこの教授
は、
「それは別として、あなた自身の態度について考えてごらんな
さい。そのことを神にゆだね、何をすべきか神様に示していただき
なさい。神様の助けによって、あなたがお父さんを見つけることが
できたら、何をすべきかがそのとき分かるはずです。」
その後この学生に何が起きたか、この教授は次のように書いてい
ます。「何週間か経ったある日のこと、彼は私のところに急いで
やってきて、
『先生、父から連絡がありました。』と知らせてくれま
した。家族の人が亡くなったことをきっかけに、何の前ぶれもなく
電話をかけてきた、とのことでした。自分の息子が神学校で学んで
いることをどこからか聞きつけた彼の父親は、自分もクリスチャン
になったことを息子に知らせたかったのでした。そして息子に赦し
を求め、神学校の卒業式に出席してもよいか尋ねた、とのことでし
た。」 「その年の卒業式に、私が他の教授たちと共にステージに向かっ
て整列して進んでいたとき、だれかが私の腕をつかみ、外に引っ張
り出しました。なんと、あの学生だったのです。彼は眼鏡をかけた
28 /弟子の使命
主との交わり
の日課表
初老の男性を涙ながらに私に紹介してくれました。
『先生、私の父
1
です』。」
I ヨハネ 4:7-21
155 ページにある「祈りのリスト」に、あなたが関わってい
る未信者の人たちの名前を記入して下さい。それから、あ
なたがその人たちに対して抱いている、苦々しい思いや赦
さない心を取り除いて下さるように、神に祈り求めて下さい。
神が聖書を通して私に語
られたこと
今日の静聴の時に、神の愛と私たちの他の人に対する愛に
ついて書かれている、I ヨハネ 4:7-21 を読んで下さい。それ
から「主との交わりの日課表」に示されたことを記入して
下さい。
第5日
平和のうちに生きる
私が祈りを通して神に
語ったこと
第
4 日に、聖書的な他の人との和解の仕方について学びま
した。今日も引き続きこのことについて見ていきます。
和解の仕方
マタイ18:15-17でイエス様は、罪を犯した人とどのように和解す
るか教えておられます。顔と顔を合わせて話し合い、意見が異な
る場合も、相手の話を聞きます。また、自分にも非があったなら
そのことを率直に認め、この状況を生み出した原因が自分にもあ
るかどうか尋ねます。人間関係のこじれは霊的な問題です。祈り
は霊的な解決をもたらす手段です。
争いを解決するのに、祈りはどのように役立つでしょうか?
あなたは、
「祈りによって自分の罪を知ることができ、他の人を
赦すことができる」と答えたかもしれません。また祈りを通して、
私たちの心が整えられ、相手に対してどのように関わるべきかが
分かります。祈りを通して、問題を解決するための方法が聖霊に
よって示されるからです。
マタイ18:15-17には、和解を進めるために証人が必要になるか
もしれないことが書かれています。証人は必ずしも何かをしたり、
話したりする必要はありません。この人の役割は、当事者たちが
和解のためにすべきことをしているかどうかを確かめるために立
会うことです。その人が共にいることによって、当事者たちは神
に栄光を帰すことができるように、問題の解決に向けて取り組む
誤った人間関係を正す/ 29
ための励ましを得ることができます。
証人、あるいは仲裁者は、成熟したクリスチャンであって、客
観性を保ち、聖霊の導きに従う人であるべきです。ガラテヤ6:1で
パウロは仲裁者が何をすべきかを述べています。
マタイ 18:15-17
ガラテヤ6:1でパウロが述べていることを、自分の言葉でまとめて
下さい。
ガラテヤ 6:1
仲裁をする霊的に成熟した人は、罪を犯した人に対して柔和な
心をもってその罪を指摘するようにとパウロは述べています。仲
裁者は自分も同じ罪を犯すことがないように注意しながら、罪を
犯した人を愛し、やさしく、しかし妥協せずに戒める必要があり
ます。
和解したなら、あるいは和解できなくても自分のすべきことを
すべてし尽くしたなら、私たちはきよめられ、このことから解き
放たれます。私たちが神の御前で祈り深く、聖書に基づいて和解
の過程を進めたなら、相手が望ましくない仕方で応じてきたとし
ても、私たちに責任はありません。神の御前で私たちはきよめら
私たちが神の御前で祈り
深く、聖書に基づいて和
解の過程を進めたなら、
相手が望ましくない仕方
で応じてきたとしても、
れているのです。神は私たちを完全に赦して下さり、また私たち 私たちに責任はありませ
も相手に対してすべきこと成し遂げました。相手を無条件で赦し、 ん。
また自分自身のことも赦しましょう。
今週の暗唱聖句、マタイ 5:23-24 には、和解の過程が何に
よって完結すると書かれていますか?この質問に答える前
に、この聖句を思い起こして暗唱して下さい。
和解の過程は、神の御前で神を礼拝することによって完結しま
す。
あなたが傷つけたかもしれない人、または平安な心で神を礼拝で
きないほどにまであなたを傷つけた人について、神に示して下さ
るように祈り求めて下さい。そして、その人との関係を修復する
ためにすべきことを以下の欄に書いて下さい。
30 /弟子の使命
主の働きに備える
毎週、
「主の働きに備える」では、神があなたに用意しておられる
働きに備えるための実習課題に取り組みます。
145-150 ページにある「熟練した建築師」を参照し、その
図を見ながら、以下の「個人評価表」に記入して下さい。
個人評価表
○
霊的に死ん
でいる人
○
霊的乳児
○
霊的弟子
○
弟子を生み
出す弟子
○
主にある
同労者
1. 上記の 5 つの段階のうち、今あなたがいる段階を示す○印
を、◎にして下さい。
2. 今あなたが個人的に関わり、助けている人たちの名前を
それぞれ当てはまる段階の欄に記入して下さい。
3. 自分がより良い模範を示す必要のある段階に、「+」印を
つけて下さい。
4. 以下に弟子づくりの働きをする人の各段階における役割が
示されていますが、上の欄にあなたが最も多くの時間を用
いていると思うものから順に、1,2,3... と数字を記入して下
さい。まだしていないと思うものについては、空欄のまま
にしておいて下さい。
あかしする
土台をすえる
訓練する
整える
遣わす
5. あなたの霊の賜物、働きの役割、あなたが助けている人の
必要などをもとに、下の欄にあなたが最も多くの時間を
用いる必要があると思うものから順に、1,2,3... と数字を記
入して下さい。
6. 上記の役割のうち、まだあなたがしていないこともあるか
もしれません。その役割を果たすために、あなた自身が
さらに訓練を受ける必要があると思うものを○で囲んで
下さい。
誤った人間関係を正す/ 31
もしまだしていないのなら、配偶者、家族、または友人と
の関係を 156 ページの「関係指数表」を用いて、評価し合
うときを持って下さい。
主との交わり
の日課表
エペソ 4:25-32
今週、未信者の友人や近所に住んでいる人を、少なくとも
一人訪問して下さい。そして、その人の必要を見出し、155
ページにある「祈りのリスト」に、その人の名前と祈りの
課題を記入して下さい。その人と接し続け、その人のために祈るこ
とによって、福音を伝える機会が与えられるかもしれません。
神が聖書を通して私に語
られたこと
今日の静聴の時に、クリスチャン同士がお互いにどのよう
に関わるべきかが書かれている、エペソ4:25-32を読んで下
さい。それから、
「主との交わりの日課表」に示されたこと
を記入して下さい。
この一週間何か変化がありましたか?
9ページにある「今週の主と共なる歩み」をもう一度見て下さい。
完了した実習課題については、左側の◇印の中に縦線を引いて下さ
い。まだ終えていない課題は、完了させて下さい。これらの実習課
題について、グループ集会で分かち合いたいことを考えておいて下
さい。
今週の「誤った人間関係を正す」の学びを通して、解決すること
が困難と思われていた問題に対する具体的な助けをあなたが得たこ
とを望みます。神の栄光を現し、この世において主と共に使命を遂
行するために、あなたも神が与えて下さる方法を用いて他の人との
関係を修復することができます。
私が祈りを通して神に
語ったこと
W.Oscar Thompson, Concentric Circles of Concern (Nashville:
Broadman Press, 1981), 22-27 ページ
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