チュートリアル通信

KALS 大学院入試対策講座 受講生の皆様
100%合格に向けて!チューターからメッセージ
2014 チュートリアル通信
【心理系大学院受験対策 VOL.2】
参考図書について
横浜校チューター:嶋田 陽介
いよいよ GW ですね。日中は暖かくなりましたが、朝晩はまだ寒い日もあり、体調等崩されてないですか。
さて、今回のチュートリアル通信は、みなさんが KALS の授業と並行して勉強される際におススメな参考図書
をご紹介します。各領域で何冊かピックアップしますので、実際に手にとってご覧になってみてください。
心理学概論書
《心理学概論:京都大学心理学連合(2011)/ナカニシヤ出版》
¥3,000+税
内容は少し難し目ですが、基礎からガッツリ勉強しようと思う方にはおススメです。心理学について横断的
にすべてがきっちりまとまっております。
《心理学(New Liberal Arts Selection):無藤隆・森敏昭・遠藤由美・玉瀬耕治/有斐閣》
\3,700+税
基礎心理学的な話から、発達、社会、臨床とそれぞれの領域が詳しく説明されており、専門度が高い印象で
す。どういった領域においても必要となるような、知識・概念がしっかり説明されており、専門的な知見が体
系的に説明されております。既習者の方にも復習としておススメです。
《心理学史への招待
現代心理学の背景:梅本尭夫・大山正 編著(1994)/サイエンス社》
¥2,800+税
心理学史をしっかり学べます。心理学史が直接入試問題に出るということは、少ないかもしれませんが、ど
のようにしてそれぞれの理論が生まれたか、考えられたかということを知ることはとても重要です。心理学の
大きな流れを学ぶことができます。
《心理学 [第4版]:鹿取廣人・杉本敏夫・鳥居修晃/東京大学出版会》 \2,400+税
大学(学部)の心理学の概論の授業でよく用いられているそうです。ページ数も多すぎず、適宜図や表が記
載されているのでわかりやすいです。重要な概念が太字になっています。
臨床心理学
《臨床心理学
朝倉心理学講座9:桑原知子 編(2007)海保博之 監修/朝倉書店》¥3,400+税
臨床心理学についてしっかりまとめられており、臨床心理のイメージを掴めるような 1 冊。心理の世界の難
しさ、大変さなども理解できる。臨床の世界を知りたいという方は、手に取ってしっかり読んでみても良いと
思います。
《よくわかる臨床心理学[改訂新版]:下山晴彦編/ミネルヴァ書房》
\3,000+税
よくわかるシリーズの臨床心理学バージョンです(よくわかるシリーズは、色々な領域で出されております。
臨床心理学以外にも、自分の興味の深い領域においては、一度目を通しておいてもよいかもしれません)
。各ト
ピックが完結形式で説明されています。臨床心理学を初めて学習される方向けに書かれている印象があり、臨
床心理学の外観を知るのにはおススメの一冊です。
《臨床心理学キーワード:坂野雄二 編(2005)/有斐閣》¥1,800+税
臨床心理学に関する基本的な事柄、用語の重要なキーワードについて、各領域の専門の先生が詳しく解説し
ており、特に精神障害について、体系的にまとめられている印象です。概念の正確な把握、知識の整理に使え
ると思います。
《臨床心理学:玉瀬耕治・佐藤容子編著/学文社》¥1,700+税
ある程度勉強が進んだ段階で、論述の練習にも使える一冊です。○○とは何か。○○について述べよ、とい
う問いに対して、それぞれの解説がしっかり記載されています。ほかの参考書、辞典なども併用することで論
述対策として読んでみてください。
《臨床心理士・指定大学院合格のための心理学キーワード辞典
:大学院入試問題分析チーム編集/オクムラ書店》
¥2,800+税
心理学における基本的でかつ重要なキーワードが取り上げられ、用語説明形式で解説されています。辞典と
しての役割には不十分であるが、入試問題でもよく取り上げられるようなものがまとまっており、初学者の方
が理解するのにはおススメです。
統計・研究法
《本当にわかりやすい すごく大切なことが書いてある ごく初歩の統計の本:吉田寿夫(1998)/北大路書房》
¥2,500+税
人文系向けに書かれた統計本であり、考え方や留意点が詳細に記載されております。
タイトルに胡散臭さを感じてしまう人もいるかもしれませんが、私の印象としては、本当にわかりやすく読め
ました。図や表が多く、統計の分析法の意味や考え方を理解できると思います。
《[改訂版]心理学の研究法
実験法・測定法・統計法:加藤司著/北樹出版》
¥1,900+税
研究の基礎から統計的な内容、心理検査の生い立ちなどわかりやすくまとめられております。また雑学的な
内容も盛り込まれており、とても学びやすくまとまっています。統計や研究法の本ではあるのですが、色々な
領域の分野の勉強にも繋がっていくイメージです。著者の先生から見た臨床心理学についての批評もコメント
されており、なかなか面白い本です。
《[改訂新版]心理学論文の書き方
卒業論文や修士論文を書くために:松井豊著/河出書房新社》
¥1,700+税
研究計画書作成のためにも読んでおきたい本です。論文の構成などわかりやすくまとまっており、大学院に
進んでからの修士論文にも役立つ本だと思います。
精神医学
《看護のための精神医学
第 2 版:中井久夫+山口直彦
医学書院》
¥2,800+税
看護師の方、あるいは看護師を目指されている方向けにという本ですが、それ以外の医療従事者にも分かり
やすいように編集されているので、臨床心理を学習する皆さんにもオススメです。因みに、著者の中井久夫先
生は精神科医ですが、皆さんがこれからよく本で目にする方です。
《図説 精神医学入門
:C.カトナ
第4版
C.クーパー
M.ロバートソン
監修
島悟
監訳
高野知樹・吉村靖司》¥2,800+税
(海外の)事例なども載せながら、症状、病気についての説明をしてくれているのが、わかりやすい。ただ、
医学書であるので、神経精神医学や薬物療法の内容がメインに置かれている(精神療法などの記載も当然有る
が)
。医療系に興味がある方は、見てみてください。
その他
《臨床の知とは何か:中村雄二郎(1992)岩波新書》¥760+税
哲学者による、
「科学の知」と「臨床の知」の対比からみた現代社会の様相などが描かれており、自然科学が
如何に絶対的なものでないかがわかります。臨床心理学の考え方に大きな影響を与えています。
《セラピスト:最相葉月/新潮社》
¥1,800+税
著者はもともと心理とは関係のないルポライター。カウンセリングに対する不審をきっかけに著者自ら心理
について学び始め、同時に治療の変遷などを辿っていきます。河合隼雄の箱庭療法の意義、精神科医の中井久
夫(上記にもあげましたが)と対話を重ね、セラピストとは何かを探っていくような本です。
本や参考書はそれぞれ合う、合わないがあると思いますので、
必ず実際に手に取って内容を確認してください。
参考図書はこれ以外にもたくさんあります!!
次回は志望校の決め方について書きたいと思います。