1.単元デザイン 2.単元で育成する資質・能力 4年「およその数」

中学年部会
9月
4年「およその数」
提案資料
中丸小学校
単元の主張
三塚大亮
日常生活の事象の解決に、概数や概算を活用して、目的に応じて合理的かつ能率的に判断することがで
きる。
1.単元デザイン
①
②③
④
⑤(本時)
⑥
⑦
概数の意味理解
日常生活の中で、概数が用いら
れる場合について知り、概数の
意味や概数を用いる目的につい
て考える。
四捨五入の意味理解
四捨五入の意味と用いられる
場合について知る。
切り上げ、切り捨ての意味理解
切り上げ、切り捨ての意味と
用いられる場合について知
る。
目的に応じた概数での見積りと判断の根拠の説明
場面や目的に応じた概数を用いて、手際よく処理
したり、結果について適切に判断したりする。
日常場面への活用
生活場面での概
数の活用やその
よさについて見
直す。
・求める位未満が 0 以外なら、
求める位を 1 大きくするこ
とが切り上げ、求める位未満
を全て 0 とみなすことを切
り捨てであることを知る。
・問題解決において、場面や目的に応じて四捨五入
や切り上げ、切り捨てで概数にし、それぞれのよ
さについて考える。また、目的に応じて計算結果
の見積りをし、計算の仕方や結果について適切に
判断し説明する。
概数を用いたグラフの作成
概数を用いたグラフの作
成を通して、概数の果た
す役割や概数を用いる場
面を理解する。
・資料や紙面の大きさに応
じて適切な概数を判断
し、それを棒グラフや折
れ線グラフに表す。
・概数を生活場面
に活用する。
・正確な値を必要としない場合
や、およその大きさを表すよう
な場合、詳しい値をつきとめる
ことが難しい場合などは、概数
を用いることに気付く。
・四捨五入するときに、例えば
1000 と 2000 のどちらに近い
かを見付けるには、何の位の
数字に着目したらいいかに気
付く。また四捨五入する前の
もとの数の範囲を考える。
①十進位取り記数法、概数
についての意味理解
①四捨五入についての意
味理解
①概数を用いる場合や目
的の理解
③身の回りの事象を考察
し、生活へ活用しようと
する態度
①切り上げ、切り捨てにつ
いての意味理解
①概数を用いる 場合や 目
的の理解
③身の回りの事象 を考 察
し、生活へ活用しようと
する態度
①概数を用いる場合や目的
の理解
①概数を用いる場合や目的
の理解
①概数を用いる場合や目
的の理解
②見通しをもち、目的に応
じて四則計算の結果の見
積りをする力
②根拠を明確にして考えを
説明する力
②見通しをもち、目的に応
じて四則計算の結果の見
積りをする力
②根拠を明確にして考えを
説明する力
②見通しをもち、目的に応
じて四則計算の結果 の
見積りをする力
③概数による解決の妥当性
を批判的に検討しようと
する態度
③概数による解決の妥当性
を批判的に検討しようと
する態度
③身の回りの事象を考察
し、生活へ活用しようと
する態度
2.単元で育成する資質・能力
①算数の教科固有の知識・技能
・十進位取り記数法、概数についての意味理解
・概数を用いる場合や目的の理解
・切り上げ、切り捨て、四捨五入についての意味理解
②算数で大切な見方・考え方
・見通しをもち、目的に応じて四則計算の結果の見積りをする力
・根拠を明確にして考えを説明する力
目的に応じて和、差、積、商を概数で見積もることによって、結果
日常生活の中で、概数が用いられる場合について知り、
概数の意味や概数を用いる目的について考えることがで の見通しを立てたり、大きさの誤りを防いだりすることができるこ
きる。また、切り上げ、切り捨て、四捨五入の意味と用い とに気付く。また、目的に応じて概数を使い、その根拠を説明しなが
られる場合について理解し、目的に応じて数を概数にする ら概数を活用することができる。
ことができる。
③主体的に学ぶ態度
・身の回りの事象を考察し、生活へ活用しようとする態度
・概数による解決の妥当性を批判的に検討しようとする態度
概数や概算がどのような場面で用いられるかを考え、概数で
表すことのよさを実感する。見積りをする目的をとらえ、その結
果の数値の妥当性を検討し、根拠をもって自分の考えを説明し
たり実際の生活場面で活用したりできるようにしていく。
1
3.本時について
【本時目標】
<本時の主旨>
目的に応じた概数での見積り方を判断し、その根拠を説明することができる。
問題解決において、場面や目的に応じて四捨五入や切り上げ、切り捨てで概数にし、それぞれのよさについて考える。
《最終板書》
B
C
A
①問題場面の情報の整理
〇与えられた条件に適した計算について考える。
・本時の学習へとつながるように、児童に身近な
場面での数値から学習意欲を高める。
・四捨五入して計算する場面なのか、切り捨てて
計算する場面なのか、概数をどのように使って
いくことが目的に合っているのかを考える。
②適切な見積りについての判断、説明
③目的に応じた見積りとそれぞれの方法のよさの実感
〇概数で計算する目的を明確にし、適切な計算
方法を考える。
○本時で学んだことを他の場面で適用する。
・四捨五入して計算する場面や、切り上げたり
切り捨てたりして計算する場面について、そ
れらを使い分けた理由を説明する。
・和や差を見積もるときは、場面によって見積りの仕方
を変えることで、概数での計算を日常に活かせるよさ
に気付く。
1
A
T6: みんな切り捨ての考えは大丈夫ですか。四捨五入の考えは、この場合だったら、十の位を見て、4 より下
4.授業記録
は切り捨てます。5 より上は切り上げます。だけれど、切り捨ての考えだと、十の位がいくつであっても、
①問題場面の情報の整理
切り捨てて 0 にするという考えです。
T1: みんなは家の人と一緒に買い物に行くことはありますか。
C9: 本も、900 円と考えられます。
C1: はい。ぼくはお母さんと一緒にA店に行きます。
C10:そうすると、合計は 2000 円と考えられます。
C2: 私も一緒にB店に行ったりします。
T2: 今日はそんな日常的な場面を考えてみましょう。
みんながお家の人とあるスーパーマーケットに行ったとしましょう。
②適切な見積りについての判断、説明
ここに行くと、2000 円以上のものを買うと、抽選券がもらえます。
T7: ここでみんなに考えてもらいたいのは、抽選券をもらいたいと考えたときに、この二人のどちらの考え方
がいいと思いますか。その考えを説明しましょう。
C3: B店は 1000 円だよ。
<課題提示>
C4: ぼくがお母さんと一緒に行くスーパーマーケットは 2000 円以上買うと駐車券が無料になります。
<問題場面提示>
抽選券をもらう考えとしては、どちらがいいだろう?
あるスーパーマーケットでは、2000 円以上買うと、抽選券がもらえます。
T3: そこで、家の人とお買い物をします。
B
<自力解決>
C11:お母さんの切り捨ての考えのほうがいいと思います。
まずシャンプーを買います。お団子も買います。ペン、本も買います。
切り捨てをすると、実際の値段よりも高くなってしまいます。四捨五入で考えてしまうと、切り上げをし
それぞれの値段が表示されていました。
ているところもあって、実際の値段よりも高くなってしまうことがあります。
シャンプーが 625 円、お団子 384 円、ペン 252 円、本 937 円。
お母さんの考えだと、それよりも少し低い値段になります。それで考えれば、実際よりも低い値段で 2000
2000 円以上買うと抽選券がもらえるよ、というお話です。
円を超えれば、実際の値段は 2000 円を超えていると分かるので、お母さんの切り捨ての考えがいいと思
そこで、これまで学習してきた四捨五入の考えが使えるかどうかを考えていきたいと思います。
います。
T8: 今の考えは分かりましたか。四捨五入の考え方をすると、実際の値段よりも高くなってしまうことがある、
お母さんが、もう 2000 円以上買えたかしらと考えています。
A
太郎くんが「ぼく学校で四捨五入の勉強をしたんだけど、こんなこと考えてみたよ。
」と言いました。
ということですね。
C12:私もお母さんの切り捨ての考えがいいと思います。
四捨五入で考えてみるから、シャンプーは 600 円、お団子は 400 円、ペンは 300 円、本は 900 円になる
理由は、同じように、太郎くんの考えは実際の値段よりも高くなってしまうからです。例えば、お団子の
よ。
384 円を 400 円と考えてしまうと、実際の値段よりも 16 円高くなってしまいます。切り捨てで考えてみ
この概数で考えたときの合計は、いくらになりますか。
ると 300 円で、実際の値段より 84 円下回ります。そう考えてみると、下回った 84 円とかを考えないで、
C5: 2200 円になります。
ほかの 600、200、900 を全部たしていくと 2000 円になって、それよりもあまりがあるので 2000 円より
T4: 太郎くんは四捨五入で考えたから 2200 円になりました。お母さん、もうこれ 2000 円以上になったから
も多くなります。
抽選券もらえるよ、と考えました。
しかし、お母さんは別の切り捨ての考えをしました。
シャンプーの 625 円は・・・。
T9: いまはお団子に注目しましたね。切り捨ての考えで行くと 384 円が 300 円になりました。四捨五入の考え
だと 384 円は 400 円になりました。そう考えてみたときに、いまの切り捨てで考えてみると?
C13:84 円下回ります。
C6: 600 円と考えられます。
C14:四捨五入の考えだと、16 円上回ります。
T5: それでは、お団子は?
T10:これが問題だと言っていましたね。
C7: 300 円で考えられます。
C15:私はお母さんの切り捨ての考えでやります。理由は、切り捨てだと例えばお団子だと 384 円が 300 円に
C8: ペンは、200 円で考えられます。
なって、そう考えてみるとちょうど 2000 円になります。でも、その場合はシャンプーだったら 25 円、お
2
B
団子だったら 84 円、ペンだったら 52 円、本だったら 37 円というようにあまりが出ているので、その
B
あまりの部分もたすと 2000 円を超えるので、その考え方がいいと思います。
C25:私もつけたします。なぜお母さんの考え方がいいかというと、太郎くんの考え方だとマイナスもプラスも
四捨五入のときは、何円ですべて買えるかのようなときは、使っていいと思います。
円はいまは考えなくていいと思います。
あるということは、低くもなるし高くもなるということだから、四捨五入の考え方はいいと思いますが、
T11:どれくらい差が出てくるのか、もう一度整理してみましょう。
もしかしたら四捨五入だとマイナスばかりで、2000 円よりも下回ってしまうこともでてきてしまうこと
いま実際の値段と、切り捨ての値段と、四捨五入の値段でバラバラになってくるという話ですね。
もあるかもしれません。だから、お母さんの考えは最低だけをたしていって 2000 円ということは、絶対
C16:切り捨ての考えだと、実際の値段 625 円、384 円、252 円、937 円が、これが 600 円、300 円、200 円、
2000 円を超えるということになるから、お母さんの考え方がいいと思います。
900 円になります。
T12:これが切り捨ての考えですね。
③目的に応じた見積りとそれぞれの方法のよさの実感
C17:四捨五入の考えだと、600 円、400 円、300 円、900 円と考えられます。
T17:もしも、お団子が 384 円ではなくて 310 円だったらどうですか。
C18:そう考えてみると、切り捨ての考えと、四捨五入の考えを比べてみると、差が出るのがわかります。
C26:どれの考え方もできなくなります。なぜなら、310 円の場合 74 円がマイナスになるので、2000 円を上回
C19:そう考えると、ぼくはお母さんの考えのほうがいいと思います。
っていないと、絶対に 2000 円を超えているという証拠がなくなるので地道に計算するしかなくなります。
まず四捨五入で考えると、マイナスになったりプラスになったりしてぐちゃぐちゃになってしまって、で
T18:お母さんの考え方ではいけないということですか。
きるときとできないときがでてきます。なので、ぼくは最初に切り捨てを考えます。最低の場合、2000 円
C27:いけるけれど、100%ではなくなってしまう・・・。
なのですから、十の位と一の位をたすと、絶対に 2000 円を超えているので、お母さんの考えのほうがいい
C28:太郎くんの考え方だと、スーパーマーケットに来ているわけだから、より簡単に、より正確に計算をした
と思います。
ほうがいいから、そうなると四捨五入というよりは、さっきも言っていたように 84 円下回ったり、16 円
C20:説得力がある・・・。
上回ったりというように、なかなか正確な数値が出てこないので、お母さんの考え方だと、増えることも
T13:いまの話は、切り捨てると最低の値段だけを考えられるよ、ということでしたね。切り捨てだと、マイナ
予想しつつ切り捨てて考えられると思います。
スだけをみるから、最低の値段になっています。だけれど、四捨五入だと、マイナスもあればプラスもあ
C29:お団子が 310 円になっても切り捨ての考えでいけると思います。
る。だから最低の値段とは言い切れない、ということでしたね。
C21:だけれど、実際の値段と比べてみたら、625+384+252+937 は 2198 になって、太郎くんの考えだとたっ
た 2 の差しかなくて、お母さんは正確なものを考えたいと思っているので、2000 円だと 198 円の差があ
るので、太郎くんの考えがいいと思います。
T14:お母さんの考え方ではなくて、太郎くんの考え方だと、2200 円という概数で表した数値が、実際の 2198
円と 2 円の差しかいないということなので、太郎くんの考え方のほうが正確なのではないかということで
した。
C22:いま考えているのは、正確な数字ではないと思います。
T15:いまは正確な数字を求めたいのか、それとも概数で考えて 2000 円を超えているかどうかを求めたいか、
どちらの課題かということですね。
C23:私は太郎くんの考えは 2200 円で、実際の数字も 2198 円で 2 円の差しかなくても、いまは 2000 円以上買
うと抽選券がもらえるということを考えていて、2000 円を超えるかどうかということを問題としているの
で、太郎くんのやり方ではなくて、お母さんのやり方のほうがいいと思います。
T16:いまは実際の値段を求めたいわけではない。2000 円以上かどうかを求めたいから、お母さんの考え方が
よりいいのではないか、ということですね。
C24:つけたします。いまは、より正確な数値よりも抽選券がもらえるかもらえないかを考えているので、198
四捨五入だと、その考えはいけなくなってしまいます。
C30:私も切り捨ての考えのほうが、より確実だと思います。
C
T19:それでは、最後に・・・お母さんが実際にレジに行きました。お財布の中に 2500 円しかなかったときは、
どういう考え方だったら、太郎くんはお母さんのことを納得させてあげられますか。
C31:ぼくは四捨五入で考えます。四捨五入の考えだと、最高で 2500 円なのですから、2200 円に近い数だから
2500 円は超えないと思います。
C32:私は切り上げで考えます。切り捨ての考えの反対で、切り上げるとシャンプーが 700 円、お団子が 400 円、
ペンが 300 円、本が 1000 円になります。それを全部たすと、2400 円になります。最高で 2400 円なので、
2500 円は超えないから、お母さんを納得させられると思います。
C33:そう考えると、この場面では切り上げで考えたほうが、お母さんを納得させられると思います。
T20:切り上げだと最高で 2400 円なので、切り上げの考えを使うと太郎くんはお母さんを納得させられますね。
最後に今日のふりかえりを書いてください。
C34:場合によって、切り捨てがいいとき、四捨五入がいいとき、切り上げがいいとき、場合によって考え方が
異なるから、場面場面でうまく使い分けることが必要だと思いました。
C35:四捨五入だけではなくて、切り捨てや切り上げの考えも日常的に使えることが分かりました。
3
5.考察
A
日常生活の中で、四捨五入による処理の方法は多く用いられる。
B
この学習を通して、四捨五入や切り上げ、切り捨ての処理ができるよ
C
学習して身に付けた力を、日常の様々な場面に応じて発展的に活か
そこで、日常生活の場面と結び付け、実際の数に近い数を求めて結 うにするだけではなく、実生活や身の回りの事象の考察や説明などに していくことが、この先、求められる資質・能力であると考える。概
果の見通しをもつことが有効であることや、その処理のよさが実感 使えるようにしていきたい。見当を付けたり予想を立てたりして、物事 数で計算することはこれまでも経験しているが、四捨五入や切り上
できるようにしていきたいと考える。また、四捨五入だけではなく、 を解決する手段として実際に使える力を身に付け、さらにその力を高 げ、切り捨ての計算処理だけで終わるのではなく、目的に応じて適切
場面によっては切り捨ての考えでも物事を処理することができると めていきたいと考える。
いう見通しをもち、問題を解決するよさを感じ、主体的に算数の問
題に取り組もうとする態度を育てていきたいと考える。
な見積りの仕方を選び計算することに関しては、ほとんど意識がされ
多くの子どもたちは、自分の考えを整理したり、友達に分かりやすく ていなかった。その点において本時の課題は、子どもたちにとっても
伝えたりするための手段として、四捨五入や切り上げ、切り捨ての考え 身近なものであり、今後の日常生活でも活かすことができるため、意
本時で、四捨五入のよさ、切り上げ、切り捨ての考えのよさを実 を適切に判断しながら使うことができていた。しかし、前時までに四捨 欲的に学習に取り組むことができたのだと考える。子どもたちの多く
感させたいので、前時までの流れで、日常生活で四捨五入や切り上 五入や切り上げ、切り捨ての意味を理解した上で本時に臨んだつもり が、自分事として問題をとらえ、解決しようとする姿が見られた。
げ、切り捨てが使われる場面を意識しながら進めると、子どもたち ではあったが、実際、日常的な場面でどのように使えばいいのかが分か
の見通しの持ち方が変わってくるのではないか等、検討する必要が らず、手立てが必要な子どもも数名いた。
ある。
他にも、概数を使って物事を解決しようとしている場面など、学習
をさらに活用していこうとするための、適用場面・適用問題について
始めの学習からワークシートを用意して、四捨五入の場合、切り捨て 検討していく必要がある。また、子どもたちが自ら日常的な場面に目
の場合などと一つ一つ丁寧に考え、整理していった方がよかったのか を向けられるように工夫することも必要であると考える。
どうかは今後の課題として考えられる。
4