アナウンサー/この放送は、積水ハウス、マツダ

●0:00:00
♪~『金曜ロードショーのテーマ』
アナウンサー/この放送は、積水ハウス、マツダと、ご覧の
スポンサーの提供でお送りします。
{提供:積水ハウス、mazda、アース製薬、JA共済、JAバ
ンク、ブルボン、NTT東日本・西日本、日清食品、ヤマト
運輸}
{日本テレビ開局 55 年記念番組・読売テレビ開局 50 年記念}
●0:00:37
[ヴェスパニア王国 王家私有林]
《チッチッ チチッ チチッ…:小鳥》
(小鳥のさえずりが響く青空の下、4台の黒い車が列をなし
て、緑の間の 1 本道を上ってくる。
「WARNING」の立て札。遠
くには高い山が連なる)
《ゴ――――:車》
(車にたなびく、赤・青・緑ベースのカラフルな国旗)
《ガリガリガリ…キュキュ――》
(4 台の車が次々と止まる)
♪~
《ガチャッ》
(車のドアが開く。降りる黒い服のSPたち)
SP(無線の声)/A 地点に到着。これから開始する。
SP/異常なし。
SP/各班、位置つきました。
(SP が一番大きな車のドアを開く。降りてきたのは口髭の体
格のいい中年男性。いかめしい顔つき。ハンチングベストに
ハンチング帽の狩猟ファッションに身を包む)
{ヴェスパニア王国公爵 ジラード・ムスカ・ヴェスパラン
ド}
(続いて降り立つ金髪の青年。20 歳ぐらいに見える)
{ヴェスパニア王国王子 ジル・カウル・ヴェスパランド}
(SP が車の後部を開く。施錠された鎖の奥にライフルが2丁。
SP のリーダーのカイルが、ライフル1丁をジラード公爵に手
渡す)
《チャッ カチーャッ チャッ》
(ライフルの確認操作をするジラード公爵)
ジラード公爵/お前たちは、ここで待機していてくれ。大勢
で行くと、獲物が逃げてしまうからな。
(SPに指示するジラード。低く渋い声)
(銃弾のケースを運ぶSP。それを見て、車から降りるサク
ラ女王が声をかける)
サクラ王女/それは、わたくしが。
{ヴェスパニア王国女王 サクラ・アルディア・ヴェスパラ
ンド}
(女王は 40 代ぐらい。静かな雰囲気の女性。ピンク色の長い
ウェーブヘア)
(銃を確認するジル王子とジラード公爵)
ジラード/使い方は教えた通り。覚えていますね。
ジル王子/ええ。完璧ですよ。
あ、忘れたほうが良かったですか。
ジラード/できれば、そのほうがありがたい(笑)
(2人に近づくサクラ女王)
女王/これを。
(銃弾の箱をジラードに差し出すサクラ女王)
ジラード/これは…。陛下自ら、申し訳ない。
(帽子を少しずらして会釈するジラード)
王子/お母さま。本当にご一緒にはいらっしゃいませんか。
女王/わたくしは結構です。
狩猟などという野蛮なものは、好きではありません。
(ジル王子に銃弾の箱を手渡すサクラ女王)
王子/野蛮だなんて…。
狩猟は、れっきとしたスポーツですよ。
(サクラ女王は答えず、車に戻っていく)
ジラード/いいじゃないか、王子。ここは男同士、差しの勝
負と行こう。狩猟の楽しみは、男で無いと。
(ジル王子に目配せするジラード)
女王/聞こえましたわよ。
ジラード/いやっ、これは、これは、ハハハハッ。
王子/ハッハハ。
(頭をかいて笑うジラード。それを見て笑うジル王子)
●0:02:35
[森の中。木漏れ日が差し込む]
《ピーピピッピーー
チッチチッ・チチッ・チチッ:複数
の小鳥のさえずり》
《ザッ ザッ ザッ……:草の上を歩く靴音》
(森の中を歩いて行くジラードとジル王子)
《ザザザザッザザッ:茂みが揺れる》
王子/あっ…。
(茂みの向こうに狐を発見するジル。地面に穴を掘る狐。
)
♪~
(ライフルに銃弾を装填するジル王子)
王子/ふっ。
(王子、ライフルを構える)
《ダ―――――ン:ライフル》
狐/ウャ――――!!
(飛び上がって一目散に逃げる狐)
王子/ふっ。
(にっこりするジル王子)
[丘の上。青空の下、満開の花を咲かせる 1 本の桜の大木]
♪~
(桜の木に歩み寄るサクラ女王。桜の花びらが舞う中、桜の
木を見上げ微笑む女王)
1
女王/んー?
(ふと何かに気づいたように横を見るサクラ女王。茂みの中
から、さっきの狐がヒョコッと顔を出す。
)
女王/ここに居ては、いけません。
さ、早く!お逃げなさい。
(一陣の風が吹く。桜の枝の先が突如プツッと飛び散る)
女王/はっ…!
《ド――――ン:銃声》
女王/ああっ!
(サクラ吹雪の中、ゆっくりと倒れるサクラ女王。倒れた女
王の髪の上に、折れた桜の枝先がフワリと落ちる)
毛利小五郎/よっしゃーーー!!ビール、ビール!うははは
は~~。
(ビールを取りに、千鳥足で部屋を出て行く小五郎)
毛利蘭/お父さん、5 本目よ!飲みすぎー!
江戸川コナン(心の声)/大目に見てやれば~。唯一の楽し
みなんだから。
(缶ビールを両手に 1 本ずつ持って、ご機嫌で戻ってくる小
五郎)
小五郎/頼むぞ~ルミチャン!外野フライでいいがなー。
いやー、一発いっちゃうか~!
蘭/何また2つ持ってきてんの?
小五郎/三振しちゃイヤよ~。
蘭/お父さん!
♪~
《ザッザッザッザッ:草の上を走る足音》
(丘の上に現れるジル王子)
王子/はっ…。
(倒れて動かない女王を見て息を飲む王子)
王子/お母さん…。そんな…。
う、嘘だ!ううーっ、う、嘘だーーー!!
《ピポーン・ピポーン・ピポーン:ニュース速報のチャイム》
実況/ここで欲しいのは三振ですか。
解説/さあ~?
実況/ほしの監督の選択は?
{テレビの画面:臨時ニュース、NNN ニュース速報、ヴェス
パニア王国のサクラ女王とジル王子が事故死}
(ジラード、ポケットから無線機を取り出す)
ジラード/至急来てくれ!急げ!
SP/はい。
蘭・コナン/えっ?
小五郎/おっ?
(ハッとテレビ画面を見る 3 人)
SP/お前は車の用意!
SP/はっ。
(急いで走り出す SP たち)
アナウンサー/野球中継の途中ですが、臨時ニュースをお伝
えします。
小五郎/おい おい、ちょっとー!ほんとかよー!
やめて―――!
(ニュース画面に切り替わるテレビ。画面には「ヴェスパニ
ア女王 死去!!」の文字)
《バーン:銃声》
(丘の上に駆けつける SP)
SP/あっ…。
♪~
(桜の幹にもたれかかり首を垂れるジル王子。足元にはライ
フルが転がる)
(たたずむジラード。走り寄る 4 人のSP)
SP/ジラード公爵!
(静かに帽子を取り、うなだれるジラード)
ジラード/止める…暇も無かった……。
(ジル王子の右手にはリボルバーの拳銃が握られている)
●00:05:05
♪~『コナンのテーマソング』
[毛利小五郎探偵事務所。テレビで野球中継を見る小五郎、
蘭、コナン]
(缶ビール片手の小五郎の前には、カラになった缶が 3~4
本)
テレビの実況/ながた!連続フォアボール!
解説/これが怖いんですよー。
実況/ノーアウト満塁。
アナウンサー/臨時ニュースをお伝えします。
現地時間の午前 10 時 20 分ごろ、ヴェスパニア王国で、サク
ラ王女とジル王子が、猟銃の事故で死亡しました。
コナン/はっ…。
(真剣な顔でテレビを見るコナン)
アナウンサー/繰り返します。ヴェスパニアのサクラ女王と
ジル王子が死亡しました。
ヴェスパニア王国では、先ごろ未知の鉱石の発見によって、
世界的から注目を浴びています。親日派で知られるサクラ女
王は…。
コナン/猟銃事故…。
●0:06:00
[夜。飛行機]
(飛行機の中では乗客が睡眠中。窓際には赤いジャケットに
青いシャツ、黄色いネクタイの男…ルパン三世。頭の後ろで
手を組み、怖い顔で一点を見つめている。
)
●00:06:45
[番組オープニング]
『ルパン三世 VS 名探偵コナン』
2
女官の 1 人が割れたグラスを片付けている)
♪~『ルパン三世のテーマ』
[ヴェスパニア国際空港]
(夜が明け、着陸する飛行機。黒縁眼鏡の出っ歯男に変装し
たルパンが、ゆうゆうと税関を通っていく)
(トイレで変装を落とすルパン。鏡を見てニヤリ)
ミラ王女/何してるの!早く、あいつらを黙らせなさい!
(立ち上がり、窓のほうを指差すミラ王女)
女官 A/ミラ様。どうぞ お静まりに…。
ミラ/うるさい!
女官 A/う…。
(息を飲む)
ミラ/私があんなこと言われて平気なの!
キース、キースはどこ?早くキースを呼んで!
(ポケットに手を入れ、空港を出て行くルパン)
●00:07:30
[ヴェスパニア王宮]
{7 日後}
{ヴェスパニア王国伯爵 キース・ダン・スティンガー}
(キース伯爵は、スラリとした金髪の男性。30 代に見える)
《カチャン:ドアが開く》
キース/私ならここに。いかがされました、ミラ王女。
(ソファに腰を下ろすミラ王女。後ろに控えるキース。
)
ミラ/ふん。聞こえるでしょ、あの声。
あれが国民の声よ。
言われなくたって、こっちから願い下げよ!
(ミラ王女の顔が初めて映る。毛利蘭と そっくりの王女)
キース伯爵/来賓を招いての崩御の式は、1ヵ月後に行うこ
とにしました。
ジラード/今回のような事故では、それも仕方ないだろう。
私がついていながら、最悪だな。
せめて、王子の自殺は止めなくてはなあ。
キース/すべては起きてしまったこと。あまりご自分を責め
ずに、これからのことを考えましょう。
ジラード/うむ。そう言ってもらえると助かる。
ミラ王女の様子はどうだ。
キース/相変わらずです。女王になどは なりたくないの一
点張りで。
キース/母親と兄を一度に亡くしたんだ。無理もないか。
しかも……、あれではな。
(バルコニーに出るジラードとキース。広大な前庭の向こう
に見える門の外側では、大勢の人々が抗議行動をしている。
)
ミラ/誰が国王なんかに……なるもんですか!
キース/あなたは、第 1 王位継承者となったんです。駄々を
こねてないで覚悟をお決めください。
ミラ/そんなの知らないわ。この国の次期国王はお兄さまが
なるもんだと…。
ずっと……そう思ってた…。
キース/早速ですが、王女には公務で日本に行ってもらいま
す。
ミラ/日本?
嫌よ!聞いているぞ、私に危害を加えようとしている者がい
ると。私は、ここから一歩も出ないから!
キース/私たちが命を掛けてお守りいたします。
さらに、パーフェクトなボディーガードも同行させます。
入れ!
ミラ/…?
群集/ミラ王女を次期国王、反対!
群集/小娘に国を任せるな!
群集/王制制度を廃止しろー!
ジラード/反王女グループ。
キース/仮にも一国の王女を小娘呼ばわりとは。
ジラード/中にはテロをも辞さない危険分子もいると聞く。
王女の身辺警護、頼んだぞ。
キース/はい。
♪~
《カチャッ:ドアが開く》
(入口にもたれかかって、帽子に手を当てる次元大介。
)
次元大介/よう、姫君。
(キッと眉をひそめ、プイッと横を向くミラ王女)
ミラ/私、ひげづらの男って大っ嫌い。
次元/ふっふ…。
はっは~~。
(愉快そうに笑う次元)
●0:08:45
[王女の部屋]
(閉じた扉の外には衛兵が 2 人、槍を持って立っている)
《王制反対!王制反対!…》
(外の群集の声が、かすかに聞こえてくる)
●0:10:19
[夜、飛行機が管制塔の明かりの横を飛び立っていく]
{8 時間後 PM 10:26}
《ヒュ――――ン:飛行機》
{ヴェスパニア王室専用機 日本に向け離陸}
《カシャ――ン:薄いガラスが割れるような高い音》
衛兵/あっ…。
(ハッとしてドアのほうを見る衛兵)
(部屋の中、ソファに座るミラ王女。傍らには女官が 2 人。
[ヴェスパニア王国 金庫室]
(白い壁に囲まれた近代的な建物の廊下。
次元が歩いてくる)
《コツ コツ コツ コツ…:次元の靴音》
衛兵 A/ああっ…。
3
はっ!
(扉の前の衛兵が次元に気づきパッと敬礼する)
次元/よう!ご苦労さん。
(軽く手を上げ、ニコッとする次元)
[扉の中。監視モニタールーム]
(スッと扉が開く。扉の向こうには次元と衛兵 A)
衛兵 A/今度、射撃のご指南をお願いします。
次元/おやすいごようで。
(扉のほうに目を向ける衛兵 B)
衛兵 B/次元先生!
次元/“先生”は、やめてくれ。
(部屋に入る次元。背後で扉が閉まる)
衛兵 B/王女と一緒に日本に行かれたのかと。
次元/その王女に嫌われた。
衛兵 B/は?
次元/ちょっと聞くが、王女が戴冠式でかぶるクイーンクラ
ウンっていうのは、この中にあるのか?
衛兵 B/はい。ご覧になりますか?
次元/ええ?ご覧になっちゃっていいのか?
(衛兵 B がカードキーを差し込み、コンピュータの画面を押
す。大きな金庫の丸い金属扉が開く)
《ブ――――:金庫のブザー》
《ピーッ ピーッ ピーッ ピーッ:警報のような音》
(金庫の中にはクイーンクラウン。丸い金庫室の中央の台座
に置かれ、ガラスケースで覆われている。色とりどりの大き
な宝石が散りばめられた鮮やかな王冠)
次元/これが、クイーンクラウンか。
衛兵 B/歴代女王に代々受け継がれる、この国の至宝です。
次元/ほう…、たいしたもんだ。
(金庫の中に近づこうとする次元)
衛兵 B/駄目ですよ、先生!
次元/取りゃしねーよ。
衛兵 B/違います。その先からは、ここでもセキュリティが
切れないんです。
(にこやかに説明する衛兵。コンピュータの画面には、金庫
室内の警備装置が作動している)
衛兵 B/一歩でも中に入ったら、たちまち閉じ込められてし
まいます。開けるパスワードは、私たちにも知らされてはい
ません。
次元/ほーう。そりゃあ厄介だ。
(次元のネクタイピンに仕込まれたカメラがキラーンと光
る)
●0:11:48
[ヴェスパニア ヴェスパランド広場]
(噴水の周りにはパラソルを差したテーブルが沢山並んでい
る。その1つにはルパンと次元)
{PM00:15}
ルパン三世/ほ~んと、厄介だこと。
大事に大事に守られちゃって~。過保護もいいとこ。
(コンピュータで金庫のシステムをチェックするルパン)
♪~
ルパン/まずは、
床に足を付けたら、
重量センサーでアウト。
それを避けても…赤外線センサーでアウト。
更にそれを避けても、サーモセンサーでアウト。
はっ、スリーアウト・チェンジってか。
次元/昔、誰かさんが盗みに失敗しやがったから、必要以上
に厳重になっちまったんだろう。
ルパン/失敗したんじゃね~よ~!
次元/で、どうするんだ。あきらめて観光でもすっかあ。俺
のバイト料で。
ルパン/俺様が今までに あきらめたこと、あったっけか?
次元/だから迷惑してんだ。
ルパン/これ見てしょーゆ。
(コンピュータを次元のほうに向けるルパン)
次元/は?ハッカー自慢か?
ルパン/違うって。
この石ころ様が今回のラッキーアイテム、
ヴェスパニア鉱石。
(意味アリ顔のルパン。画面には CONFIDENTIAL の文字。台の
上に乗る1つの小石の写真)
*CMここから
【CM1】
(住宅の前。家の前にはグリーンの車)
娘/行ってきまーす。
母/デミオ?
娘/自転車。近いし。
あなたの環境意識にも応える、
クラストップレベルの低燃費。
母/自転車?
娘/今日はデミオ。行ってきます。
新しくなった環境コンパクト。デミオ。
♪~mazda
【CM2】
《パン パン!:手拍子》
(車の後部座席に座る劇団ひとり)
ひとり/おーーー!伸びすぎだよ、すごいなあ!お、おお。
人形/最広(さいこう)ビアンテ!なんでもできそう!
しかも低燃費!マツダ・ビアンテ!
ひとり/お店で最高体験。
♪~mazda
【CM3】
4
(志田 未来)
ひとつのカラーで満足ですか?
カラーを選んでみませんか?
これからは、アソートしよう!
1 本で 3 つのテイスト。
携帯フルーツ粒飴。
ブルボン アソートスリー、デビュー。
【CM⑥】
(サザエさん)
サザエ/使えてお得な JA カードは、
給油でお得。
得点もいっぱい!
さらに、電気代などのお支払いで年会費も無料に!
お得です!JA カード。
JA バンク
【CM4】
プチ・24。
(倉庫の棚前面に並ぶプチ)
若者/これ全部?
みんな/プッチー!
若者/行くぞ!
みんな/おー!
(店の棚にズラッと並んだプチ)
みんな/お~~。
若者/プチってこんなにあるんだ!
みんな/おーー!
(若者たち、円陣を組む)
若者/プチ!
みんな/ばんざーい!いえーい!
24 の選べる美味しさ。
ブルボン・プチシリーズ。
若者/新しい!
【CM⑦】
サザエ/マイホームをお考えのみなさんに
マスオ/お得
波平/納得
サザエ/とくとくなマイホームの味方です。
♪/とくとくプ~ラ~ン♪
男性/住宅ローンのご相談はお近くの JA バンクへ。
JA バンク
【CM⑧】
BGM(♪いっしょに つくろう おおきな ゆめ~ うん
ぱかぱっぱ うんぱかぱっぱ うんぱかぱっぱっぱ~
♪まもって あげるよ ぼくらの ゆめ~ うんぱかぱっぱ
うんぱかぱっぱ うんぱかぱっぱっぱ~)
アンパンマン/うふふふふ。がんばれ~。
あかちゃんまん/んん、んあーーー。
んっ、んっ
あーっ。
【CM5】
フレッツ!
(画面には打席に立つイチロー。それを見て応援する長澤ま
さみ)
♪~
長澤/打って!打って!
やったー!
行けーーーー!行けーーーー!
JA の子供共済は、教育資金の備えはもちろん、お子様が入
院・手術・通院のとき医療補償で、ご契約者が万一のとき養
育年金で幅広く補償いたします。
やっぱり、頼りになりますね。
新しい暮らしのスタートに。
任せて安心、フレッツ光。
一番選ばれている光。
*CMここまで
イチロー/さあ
長澤/この春
イチロー・長澤/フレッツ光を始めよう!
長澤/初期工事費無料!
アンパンマン・みんな/わくわくするね、君の未来!
♪~JA 共済
●0:15:25
[東京。サクラ サク・ホテル]
{PM06:02}
(上空を旋回するヘリコプター)
男/ヘリ 2 号から本部。ただいま、サクラ・サク・ホテル上
空。要人警護の要請は入っているか?
男/こちら本部。何も入ってない。
♪~NTT 西日本
[ホテル内、パーティー会場]
5
(ドレスアップした人々。クラシック音楽が流れる。その中
に、コナン、小五郎、鈴木園子の姿)
園子/んもう!せっかくイケメン芸能人やスポーツ選手にた
くさん遭えるチャンスだってーのに、空手のお稽古だと。
コナン/相変わらず好きだね、園子ねえちゃん。
園子/ほんと、蘭って物好きよね。気が知れんわ。
コナン/おめえのことだよ、おめえの。(つぶやくコナン)
小五郎/遅れても来るって言ってんだから。では~。
園子/なーにが、
「では~」
。
コナン/決まってんじゃん。沖野ヨーコさん探し。
園子/は~。懲りないねえ。
コナン/うん。
[ホテル内、王女控室]
ミラ/馬鹿じゃないの!
こんな気持ちのときにパーティーに?
嫌って言ったら…
キース/わかりました、王女。
では、母上が進めてきたこのパーティーを中止して、悲しん
でくださってる日本の皆様に、何も言わずに帰りたいとおっ
しゃ…。
ミラ/うるさい!
女官 A・B/王女さま…。
キース/予定の時間を過ぎている。早く王女の支度を。
女官 B/は、はい。
(ミラ王女に歩み寄る女官 B)
女官 B/ミラ王女…。
ミラ/だいっきらい…。
[パーティー会場]
(立食パーティの料理が並ぶ)
園子/で、居た?ヨーコちゃん。
小五郎/いませんでした…。
園子・コナン/ンハハハハハハ。
《バーン:照明の切れる音》
(暗くなる会場。スポットライトの下、司会者登場)
司会/みなさま、大変お待たせいたしました。
どうぞ、盛大な拍手でお迎えください。
本日のサプライズゲスト、ヴェスパニア王国、ミラ王女のご
登場です!
アナウンス/Please welcome this surprise guest.
Here is Princess Mira!
(場内、拍手)
[パーティー会場の裏]
(SP のリーダー、カイルが厳しい顔で無線で指示を出す)
(カイルは黒スーツ黒ネクタイ。
端整な顔立ちで頭は 5 分刈。
30 代後半に見える)
カイル/王女が出た。全員、客から目を離すな。
この時点で会場を出ようとする奴には、必ず張りつけ。
SP/了解。
SP/こちら正面受付。しばらく、ここの入口は閉じます。
来場者は、サイドの扉に回します。
カイル/聞いた。B 班。
SP/了解。
[パーティー会場]
(金屏風の前の席に向かうミラ王女。ボーイがエスコートし
ている)
司会/どうぞ、お座りください。
(会場内 拍手。ムスッとしたまま席につくミラ王女。隣に
はキースが着席)
コナン・園子/んあぁ…!
(驚いた表情のコナンと園子)
コナン/蘭…。
園子/蘭に、そっくり…。
小五郎/あーん?
(食べるのをやめ、振り返って王女を見る小五郎)
小五郎/蘭はあんなに盛らねーよ。
(冷めた目で見る小五郎)
●0:17:45
[都内の電車内]
(制服姿の蘭。手には学生鞄と空手着)
蘭/クシュッ。
(くしゃみ)
蘭/やだ、シャワーで冷めちゃったかなあ。
(腕時計を見る蘭)
蘭/うわぁ、もうこんな時間。園子、怒ってるだろうなあ。
[パーティ会場]
(相変わらずムスッとしているミラ王女)
司会/あのー、ミラ王女…。
何か一言、お言葉を頂戴できれば…。
会場/え?
(少しザワザワする会場)
(スッと王女に近づき、マイクを取るキース)
《キ――――ン:マイクの音》
キース/ミラ王女は、
初めての来日を心から喜んでおります。
小五郎/おいおい、後ろのヤツが喋りだしたぞ。
園子/えーっ。王女、感じ悪…。
小五郎/仮にも一国の王女様が、ホテルのレセプションにわ
ざわざ来るか?
コナン(心の声)/このホテルの名前、サクラ・サク・ホテ
ル。亡くなったサクラ女王は、自分の名前と同じ、日本の桜
が大好きだった。
その桜をコンセプトにした、このホテルのレセプション。急
な事故が無ければ、本人が出席できたはず。
普通なら、王女も来日中止になるところだけど、ヴェスパニ
アの国としては、今は利権も絡んで、日本に貸しを作りたい
6
ところ。
かわいそうにな…。
司会/日本で行かれたい場所は?
キース/ミラ王女は、昔から京都に行ってみたいと。
司会/あ…はい。
では、お好きな 日本の食べ物は?
キース/王女はお寿司が大好きです。
小五郎/なんだよー。みんな あいつが答えてんぞー。
おい ちょっと、これ持ってろ。トイレ行ってくる。
(ワイングラスをコナンに渡し、会場を出て行く小五郎)
コナン/小学生にワイン預けんなって。
(呆れ顔でつぶやくコナン)
(会場の中、金髪ロングヘアにサングラスの女性が腕を組ん
で微笑を浮かべている。紫のイブニングドレスの胸元は豊満
なバスト。変装した峰不二子。
)
司会/では、ここで改めて、ミラ王女に乾杯のご発声をお願
いしたいと思います。
みなさま、どうぞグラスをお持ちください。
園子/あ、ち、ぐ、ジュースな~い。
コナン/ああ…、ボクもらってくるよ。
園子/あら、ガキンチョ~、悪いわね~。ハハハハ~。早く
ね~。
コナン/よく言うよ、目が取ってこいって言ってたぜ。
(ジュースを取りに行くコナン。
乾杯用ワインを台車に乗せて
運ぶソムリエとすれ違う)
コナン/あ…。
(すれ違いざま、ハッとした顔で振り返るコナン)
{サクラ サク ホテル PM06:37}
(王女のグラスに赤ワインを注ぐソムリエ)
司会/では、ミラ王女。乾杯のご発声をお願いいたします。
アナウンス/Princess Mira, please give us a toast.
(立ち上がり、グラスを手に取るミラ王女)
コナン/飲んじゃ駄目だ!
ミラ/はっ…?
(王女の視線の先にはコナン。ポケットに手を入れ、強気な
笑みを浮かべるコナン)
コナン/ごめんなさい、王女さま。でも、そのワイン、つい
でくれたその人に味見してもらってよ。
(皆の視線がソムリエへ。ざわめく会場。キースが王女の身
体をサッとカバーする。ザワザワする会場)
男性/誰かそいつを…そいつを捕まえてくれー!
(下着姿で頭を抑えながら叫ぶ、本物のソムリエ。
)
SP/押さえろ!
《ドンガチャーン:台車が倒れ、ガラスが割れる》
カイル/厨房だ!外の出口を!
人々/キャーー。
(一斉に出口へ逃げようとする会場の人々。
人の波にもまれ、
SP の身動きがとれない。その様子を静かに見ている峰不二
子)
司会/みなさん、落ち着いて!走らないで!危険です!
(犯人を追い、走るコナン。その行く手に小五郎。ハンカチ
で手を拭きながらトイレから出てくる)
偽ソムリエ/どけー!
(人を蹴散らし、逃げる偽ソムリエ。逃げる方向には小五郎)
コナン/おじさん!そいつ捕まえて!
偽ソムリエ/ぅあーかーーー!
(走りながら懐からナイフを出し、小五郎に向かっていく偽
ソムリエ。
)
小五郎/……ふんっ。
(小五郎、迷惑そうな顔でハンカチを胸ポケットにしまう。
次の瞬間、小五郎の目がキラッと光る)
小五郎/うりゃっ!はっ!
(ナイフを持つ犯人の手首を内側から払い、右の拳をみぞお
ちに一発。そのまま右手を取って 1 本背負い)
偽ソムリエ/お……。
小五郎/でりゃ~~!
《ド~~ン:偽ソムリエが床に投げ倒される》
(右手を高く上げ、勝ち誇った顔の小五郎)
小五郎/この毛利小五郎にヤイバを向けるたあ…
{サクラ・サク・ホテル 会議室}
(決め台詞中に画面は切り替わり、テロップが)
小五郎/あー、ちょ、ちょっと…まだセリフ途中なんすけど
~…。
●0:20:45
[ホテル会議室]
(警視庁の目暮警部、高木刑事がキースに話を聞いている。
小五郎、コナンも同室)
高木刑事/王女のワインからは、致死量の毒物が発見されま
した。
目暮警部/Mr.キース。サプライズも結構ですが、我々にも内
緒では、警備のしようがありません。
キース/王家の SP だけで充分だと判断したもので。
高木/充分?厨房まで人が回らないような警備で?
目暮/高木君。
(たしなめる口調)
キース/あらかじめ、王女にはパーティの飲み物も食事も手
をつけないよう、打ち合わせてありました。
ですが、そのお二人にはお礼を申し上げる。
[王女控え室]
女官 B/ミラ様。
(王女に、グラスに入った水を差し出す女官)
ミラ/はっ…。
いや!
(グラスを払いのけるミラ王女)
7
女官 B/ご、ご安心ください。これは、私たちがご用意した
お水でございます。
ミラ/あ…。
もういい。下がってて。一人にして!
(顔を見合わせる SP。女官、SP が部屋を出て行く)
カイル/我々は外にいます。落ち着かれたら、お声をかけて
ください。
♪~
(1 人ソファに座り、ギュッと手を握る王女)
(胸元からロケットを取り出す王女。中にはサクラ女王とジ
ル王子の笑顔の写真。
)
ミラ/おかあさま…。無理よ……。私には、できっこない…。
(王女の目から涙が落ちる)
ミラ/う…
(顔を覆い、肩をふるわせて涙する王女)
[扉の外。カイルと SP]
(カイルが部屋の中を気にしつつ、きびすを返す)
カイル/屋上を見てくる。
今は誰も入れるな。
SP/はっ。
[王女の部屋の中]
(険しい顔で自分のバッグを開くミラ王女)
ミラ(心の声)/もう嫌…。耐えられない。
(バッグの中から金色の箱型のものを手に取り、天井に目を
やるミラ王女)
[ホテル会議室]
高木/王女を毒殺しようとした男は、金で雇われただけだと
言っています。
ただのイタズラで、中身は下剤と聞かされていたと。
今のところは素直にしゃべっていますが。
(窓の外を向き、表情を変えず話を聞くキース)
目暮/頼んだ相手のことは?
高木/今日初めて会った男で、外国人だったそうです。
目暮/まったく…。わずかな金で簡単に犯罪に手を染めると
は…。
(目暮、キースのほうに顔を向ける)
目暮/こちらに入っている情報では、反王女グループなる過
激な分子もいるとか。
あなたたちだけで、守りきれますかな?
キース/現時点で、わが国から日本の警察に要請することは
何もありません。
高木/…。
(怒った様子でキースに歩み寄る高木刑事の腕を掴んで止め
る目暮警部)
目暮/ところでコナン君、よくソムリエが偽者だとわかった
ね。
どこでわかったんだね?
コナン/あのね、ソムリエの人とすれ違ったとき、タバコの
においがしたんだ。
一流のソムリエはタバコを吸わないって聞いたことがあった
から、おかしいなあって思って。
(キースが斜めに振り返ってコナンを見、微笑を浮かべる)
コナン/だってここ、一流のホテルでしょう?
小五郎/ま、
中にはタバコを吸うソムリエもいるかもれんが、
少なくとも、
これから王女にワインをすすめるってときには、
吸わねえだろーなあ。
目暮/逆に犯罪を犯す前にタバコを吸って、気を落ち着かせ
る者は多い。
いやー、お手柄だったな、コナン君。
コナン/えへへー。
《リ―――:非常ベル》
小五郎・コナン・目暮/え?
(一同、一斉に上のほうを見る)
[王女の控え室]
(非常ベルの音の中、天井からはスプリンクラーの水が威勢
よく噴きだす)
SP/王女様!
女官 B/ミラ様!
(水が降りしきる中、王女を探す SP と女官)
《タッタッタッタッタッ:カイルの足音》
(部屋に飛び込んでくるカイル)
カイル/火は出てるのか?
SP/いえ、火災はどこにも。
女官 A/ミラ王女が、どこにもいらっしゃいません!
カイル/お前ら…。向こうのドアは誰かいるのか!
SP/いえ、誰も…。
カイル/う……。まぬけ!
(急ぎ走り出すカイル)
カイル/ミラ王女!
(走り寄るカイルの目の前でミラ王女の乗ったエレベータの
扉が閉じる)
カイル/んっ、んー…。
(すぐさまボタンを押し、扉を開こうとするカイル。扉は開
かない)
SP/す、すいません、リーダー。階段で!
カイル/最上階から間に合うつもりか!
ロビーのヤツらに連絡!下にも人を回せ!
SP/はい!
(その様子を物陰で微笑を浮かべて聞いている峰不二子。
)
カイル/お前はここで王女のエレベータを見てろ。途中の階
で止まったら教えろ!
SP/はっ。
(聞き終わるや、さっと身を翻す峰不二子)
《コツコツコツ…:不二子の靴音》
(不二子の向かう先にはエレベータ。
「従業員専用」の赤い文
字)
8
(不二子の乗ったエレベーター下に向かって動き出す)
[エレベータの中。不二子 1 人]
♪~
(不二子、イブニングドレスの首紐を外す。サラッと床に落
ちるドレス。現れる白のスキャンティ。
)
《ボムッ》
(不二子が小さなアイテムの紐を引っ張ると、中身がシュル
シュルと大きくなり、ライダースーツが登場。
)
(不二子、赤のワンピースタイプのタイトなライダースーツ
に身を包む。バストを押し込むようにしてフロントのファス
ナーを閉めると、サングラスとヘア・ウィッグを外す。
)
[ホテルの地下駐車場]
(エレベータが B3に到着。地下駐車場。
)
(ピンクの大型バイクに跨り、駐車場を後にする不二子)
《ブオ――――――――ン:バイク》
●00:25:33
[東京の街]
人々/ザワザワ(え? あっ! あ? えー?)
(人ごみの中、ドレスの裾を手で持って走るミラ王女)
ミラ/はあ、はあ、はあ、はあ。
(息を切らして走るミラ王女)
[ホテル、ミラ王女の部屋]
《ピチョン:水しずく》
(スプリンクラーの水の止まり、水の噴出し口からは水滴が
ポトンポトンと落ちている。
)
(水浸しの床の上には、王女が手にしていた金色のもの。よ
く見るとライター)
(キースが黙ってライターを拾い上げる)
小五郎/ライターの火を近づけたわけだ。
コナン/その騒ぎの間に、もう 1 つの部屋から逃げ出した。
小五郎/さっすが、ロイヤルスイートルーム。
高木/すぐに非常線を張りましょう。
キース/必要ありません!
高木/えーっ?
目暮/何かあってからでは遅いですよ!
(黙って刑事たちに歩み寄り、胸元の無線機のイヤホーンコ
ードを抜く。聞こえてくる無線の声)
カイル(無線)/繰り返します。こちらカイル。ミラ王女を
発見しました。これから保護します。
キース/ふーん。
(刑事たちを尻目に部屋を出て行くキース)
●0:26:10
[東京の街]
カイル/はあ、はあ、はあ…。ミラ様!
(ミラ女王を追いかけるカイル)
ミラ/はあ、はあ、うぅっ。
(後ろを振り返りつつ、全力で逃げる王女)
蘭/もうパーティー終わっちゃったかなあ…。
(別の方向から、腕時計を見ながら小走りの蘭)
蘭・王女/あ――!
(ぶつかって倒れる 2 人)
蘭/あー、ご、ごめんなさい。
ミラ/もう!どこに目を…つけ…てる…の……。
(互いに顔を見て、ビックリする蘭とミラ王女)
♪~
蘭/ああ……。
(座り込んだまま呆然と互いの顔を見つめる蘭とミラ王女。
その王女の手を、カイルが後ろから掴む)
カイル/さあ、戻りましょう。
ミラ/いや!離して!離して!!
(カイルから逃れようと、もがくミラ王女)
カイル/ミラ様、いい加減に…
(蘭がカイルに近づく。蘭を見てハッとするカイル)
蘭/あのー、手を離してください。嫌がってるじゃないです
か。
カイル/うっ…。えっ…?
(一瞬息を飲み、2 人の顔を見比べるカイル。すぐに厳しい
顔に戻る)
カイル/申し訳ないが、あなたには関係ないことです。
ミラ/助けて!こいつ、ずっと私のそばから離れないの。
(蘭に訴えるミラ)
蘭/離して!
(カイルを睨み、その手を掴む蘭)
カイル/NOだ。
蘭/ふっ。
(カイルの手をひねる蘭。
カイルの手がミラ王女から離れる)
カイル/やめろ。怪我を…
(蘭に拳を振り上げるカイル)
《ドスッ ドスッ》
(カイルの拳をかわし、カイルの腹部に 2 発拳を入れる蘭)
カイル/おっ、おっ…
(体勢を崩すカイル)
蘭/やーー、うりゃあ――――!
(構えを取り、カイルの顎を思い切り蹴り上げる蘭。カイル
の体が浮き、背中から地面に叩きつけられる)
《ドーン》
蘭/早く!
ミラ/あ、ああ…。
(あっけにとられるミラ王女の手を取って、走る蘭)
カイル/う…、馬鹿な…。
9
(呆然と体を起こすカイル)
●0:27:12
[ホテル会議室]
(カイルからの無線連絡を受けるキース)
キース/何?お前が?
何をやっている!
目暮/高木君。
高木/はい!
目暮/非常線を張るんだ!
高木/わっかりました~!
非常線、非常線…。
(嬉しそうに敬礼し、部屋を駆け出す高木)
目暮/ヴェスパニア王国からの正式な要請と受け止めますが、
よろしいですな。
キース/くっ…。
(無表情のまま、唇を噛み締めるキース)
[ホテルのクローク]
♪~
(コナンが、番号札を差し出す)
コナン/すみませーん。これ、お願いしまーす。
受付/かしこまりました。お待ちください。
(クロークから出したのは、コナンの電動スケボー)
受付/はい、お待たせしました。こちらでございますね。
コナン/うん、どうもありがとう!
(スケボーを脇にかかえて会場を走り去るコナン)
●0:27:50
*CMここから
【CM1】
毛利衛/ヨーロッパには、古い建物や町並みが沢山あるでし
ょう。
女の子/はい。
毛利/それは、持ち主が変わっても、大切に受け継がれてき
たからなんだ。
女の子/楽器や美術品も、みんなそうですね。
毛利/うん。
♪~
ナレーション/長く愛された積水ハウスは、純正の技術で生
まれ変わって、次のご家族へ。
積水ハウスの再生住宅、エバーループ。
女の子/これからは私たちも。
【CM2】
内田恭子/
発表!
カップヌードル・ライトは、新開発ミストエアドライ製法。
ミスト・エア・ドライ・製法。
なんと、ウォーキング 1 時間分のカロリーをカット!
この感謝をお伝えするために、
えー、お伝えするために…
私、ライトになりまーす!
結構な運動だー。
ナレーション/しっかりおいしい 198 キロカロリー。
カップヌードル・ライト、できました。
内田/助かる。
【CM3】
井森美幸/今日のお口!
放っておくとドンドン広がる、お口の汚れ前線には、モンダ
ミン・ペパーミントがいいでしょう。
油ぎった食事の通過で、お口がかなり汚れています。
そんなときは、モンダミン・ストロングミントがいいでしょ
う。
お口が大荒れの模様です。
そんなときでも汚れは増えるから、モンダミン・センシティ
ブがいいでしょう。
モンダミンは、虫歯・歯垢の原因となるミクロの汚れを、20
秒でしっかり洗い流すことでしょう!
それでは!
♪~おくち くちゅくちゅ モンダミン♪
【CM4】
女の子/行ってらっしゃい。デミオ?
玉木宏/いや、近いから。
ナレーション/あなたの環境意識にも応える、クラストップ
レベルの低燃費。
玉木/今日はデミオだ。
女の子/行ってらっしゃい。
ナレーション/新しくなった環境コンパクト。デミオ。
♪~mazda
【CM5】
劇団ひとり/おーーー!伸びすぎだよ、すごいなあ!
お、おー。
人形/最広(さいこう)ビアンテ!なんでもできそう!
しかも低燃費!マツダ・ビアンテ!
ひとり/お店で最高体験。
♪~mazda
10
*CMここまで
●0:29:53
[公園]
(噴水のそばのベンチに並んで座る蘭とミラ王女)
蘭/えー!本物の王女様?
ミラ/はー、はー…。
(まだ息を切らしている王女)
そんな驚くこと?
蘭/そりゃあ、驚くことでしょう?
ミラ/ふーん。
蘭/え…?っていうことは、さっきの男の人って…
ミラ/私のボディーガード。
蘭/ですよねー。
私、謝りますから、さ、早く戻りましょう!
(ミラ王女の手を掴んで立たせようとする蘭)
ミラ/やめてよ!
あそこに居たくないから逃げ出したのに。
私、戻んない。
蘭/そんなー、どうして逃げ出したんですか…?
ミラ/………パーティに飽きたのよ。
蘭/はぁー。言ってみたいわ、そんなセリフ。
ミラ/ねえ、タバコ持ってない?
蘭/タバコって、私、未成年ですよ。持ってません!
ミラ/へぇ?いくつ?
蘭/17 です!帝丹高校 2 年、花の女子高生。ピチピチの!
ミラ/なに切れてんのよ。
蘭/ほんとに、帰りましょう…。
今ならまだ、パーティーの途中でしょう?
ミラ/嫌って言ったら、いーやー!
同じぐらいかと思ったら、私のほうが 2 つも年上ね。
蘭/じゃあ、19…。って、やっぱり未成年じゃないですか!
ミラ/ヴェスパニアは、18 から酒もタバコもOKなの。
蘭/そうなんですか…。
(しばし沈黙の 2 人。王女の顔をじっと見る蘭)
ミラ/何?
蘭/ちょっと意外でした。王女様もタバコを吸うんですね。
ミラ/イメージ壊して悪かったわね。
お姫様がタバコ吸っちゃ悪い?
私だって生きてるの!お人形じゃないの!
蘭/ご、ごめんなさい。そんなつもりじゃ…。
ミラ/いいわよ、別に。もう慣れっこだわ。
みんな、おんなじこと言うのよ。
蘭/でも、女の子にとったら…みんなの憧れです。
一度でいいからお姫様になってみたいって、きっと、そう思
ってるはずです。
ミラ/ふふ~ん。お姫様、する?
(蘭の顔を覗き込み、企み顔のミラ王女。蘭の手を取り、強
引に引っ張っていく)
蘭/ちょ…あ、ちょっと!な、なに、なに?
[ホテル会議室]
高木/目暮警部、配置完了しました。
目暮/うむ。
高木/これで、王女が見つかるのも時間の問題でしょう。
(入口に現れる小五郎)
小五郎/おーい、高木!
高木/はあ?
小五郎/コナン、見なかったか?
高木/コナン君、いないんですか?
小五郎/あんにゃろう…、勝手に行きやがったなー。
[公園のトイレ]
蘭/きゃっ、あ、ちょっと、なんで~?
♪~
(下着姿で顔を赤くする蘭)
ミラ/いいから、いいから。
ふーん、胸は私のほうがあるわね~。
蘭/あ――――!
ミラ/うるさい。
年上の言うこと、聞きなさい。
蘭/あ、だって…。ダメダメダメダメ。
{公園内 女子トイレ 10 分後}
♪~
(ドレスを着た蘭。ネックレスを蘭の首に付けるミラ王女。
髪を持ち上げる蘭。
)
ミラ/はい、降ろしていいわよ。
どう?これで、あなたも今日から、お姫さま~。でしょ?
(鏡の前に立つ蘭)
蘭/これが…私…。こんな……。
(ハッと気づく蘭。トイレに王女の姿はない)
蘭/あ――――!
お、王女さま~?
(トイレから駆け出る蘭)
ミラ/パーティー終わるころに戻るからー!
(歩道橋の上から手を振るミラ王女。蘭の制服を着ている)
蘭/駄目です!困ります~!
ミラ/早く戻んないと、さっきのボディーガード、来るかも
よ~。
蘭/はあ~、うっそー…。
(頭を抱える蘭)
[街]
(蘭の制服姿で、楽しそうに走るミラ王女)
ミラ/戻んないんだなー、これが。
うふ、ふふふふふ。やっほーい!
(スケボーで街を走るコナン。思案顔の後、ひょいっとスケ
ボーから降りる。
)
コナン(心の声)/甘かったかなあ。ドレスのままだって言
うから、すぐ見つけられると思ったのに。
コナン/あっ…。
11
(目の前に、ルンルンと走る制服姿の蘭の後ろ姿)
コナン/蘭ねえちゃーん!
蘭ねえちゃん!
(前に回るコナン。驚いた顔で見るのは、蘭の制服を着たミ
ラ王女)
ミラ/ん?
コナン/遅かったねぇ。園子ねえちゃん怒ってるよ。
ミラ/蘭…?
坊や…、パーティーに居た……
コナン/ぁえ?
(キョトンとした顔のコナン。やがて驚きの表情に)
コナン/ぅえ―――――!!あ、あ…。
(ミラ王女の顔を指差した手がプルプル震える)
ミラ王女/あっ…。
(困った顔のミラ王女。突如コナンの後ろを指差し、叫ぶ)
ミラ/ああ――――――――!
コナン/は?
(思わず振り返るコナン。その隙にダッシュで逃げるミラ王
女)
♪~
コナン/え?あっ、ちょ、ちょっと待って!
やっべー、一瞬気づかなかったー。
(苦笑いを浮かべて走るコナン)
ミラ/ハア、ハア、ハア、ハア…
(狭い路地を抜け、逃げるミラ王女。
)
《キ――――:ブレーキ音》
ミラ/あぁ―!
(ミラ王女の真横に止まる峰不二子の大型バイク)
不二子/乗って。考えが。私はあなたの正体を知ってる。敵
なら今、はねてる。
ミラ/はっ…。
(不審な目で見るミラ王女に、ヘルメットを放る不二子。微
笑を浮かべ、王女の目をまっすぐ見て一言)
不二子/信じて。
(ミラ王女、意を決してヘルメットをかぶり、バイクの後ろ
にまたがる。
)
ミラ/ぅう…。
(不二子とミラ王女の乗ったバイクが走り去る)
●00:34:24
[サクラ サク ホテルの前]
{PM07:37}
(ホテルの前の植込みの影で しゃがみこむ、ドレス姿の
蘭。
)
蘭/あー…。どうしよう。トイレじゃ長いし…。
広いから迷っちゃったー。……駄目だわ。
(顔を突っ伏す蘭。しばらくしてピッと顔を上げる)
蘭/本当のことを言えばいいんだわ。
♪~
(物陰に隠れながら、忍び足でホテルに近づく蘭。
)
蘭/誰も出てきませんように…。
(ふと、ホテルの外壁に目をやる蘭。ガラスが黒く光り、鏡
のようになって蘭のドレス姿を映し出す)
蘭/あ、ああ…。
(正面を向き、自分の全身を眺める蘭)
♪~(クラシック音楽)
蘭/お姫さま…。
(蘭の空想が始まる)
[蘭の空想の世界]
(湖の見える宮殿のバルコニー。白いドレスを着た蘭)
工藤新一/蘭 王女!
(騎士の姿の新一が、蘭の元へ歩み寄る)
新一/こんなところに居たんですか。
蘭/し、新一?
新一/さ、皆が待ってます。参りましょう。
蘭/どうしたの、その格好?
新一/えっ、何か変ですか?
蘭/まるで王子様…。
新一/ふふっ、王子様って…。
何か企んでいますね。いけない お人だ。
(微笑みながら蘭に近寄り、さっと抱きかかえる新一。
)
蘭/あー!嫌だ、新一、降ろして!
新一/いいえ、降ろしません!
(蘭を横抱きにしたまま、軽やかに走る新一)
(階下の広場は群集が埋め尽くす。
宮殿に向かって手を振り、
歓声を上げる人々。
)
人々/ワ――――!(歓声)
(群衆を見下ろす位置で蘭をそっと降ろす新一)
蘭/もう。いきなり何?
(新一はそれに答えず、群集に向かって呼びかける)
新一/皆に伝えることがある!
僕は今日、蘭王女を妃に迎える。
人々/キャ―――――!
蘭/新一 …。
(頬を赤らめ、呆然とする蘭。あたりから白い鳩が一斉に飛
び立つ)
新一/もう、決めてしまいましたから。
(蘭の目を見て微笑みかける新一)
蘭/そ、そんなぁ…。
[ホテルのロビー]
(ガラスの向こうにうっとりしている蘭の姿。内側から見て
いる刑事・キース・小五郎)
目暮/王女は、何をしとるんだ?
12
高木/さあ?
小五郎/こりゃあ、自分に見とれてますな。
高木/このガラスは、向こうからは自分が映るだけですから
ねえ。
[ホテルの外]
(まだ空想に浸っている蘭。周り中、パトカーと警察官が囲
んでいる)
蘭/えっ、だって、急にそんなこと決めちゃ…。
い、嫌じゃないけど、でも、困っちゃう~。
そんな~。
無線/本部より各隊、本部より各隊。捜査対象確保。19 時 53
分、捜査対象確保。これより、警備を通常に戻す。
[とある駐車場]
(警察無線を聞く不二子。
“警備を通常に戻す”の声を聞き、
満足気にスイッチを切る)
不二子/OK!さ、出かけましょう。
ミラ/ほんとに…あなた、誰?
《ブルンブルン:バイクのエンジンをかける》
不二子/だから~、足長お姉さんって言ってるじゃない。
ミラ/馬鹿にしてる?
不二子/夢のないお姫さまね。置いていってもいいのよ。そ
れともホテルに帰る?
朝まで私と遊んだほうが、楽しくない?んふっ。
(ニコッと片目を閉じる不二子)
《ブォ――――》
(走るバイク。不二子の後ろに乗るミラ)
ミラ/発信機?
不二子/そう。あなたのチョーカーに付いてたの。
ミラ/それじゃあ…
不二子/どこに逃げても見つかるわね。
ミラ/キースが仕掛けてたんだわ。
不二子/なら良いんだけど。
ミラ/ええっ?。
不二子/あなたを狙うヤツラってことも…あるみたい。
(バックミラーで後ろを確認する不二子。黒い車が 1 台追尾
している)
不二子/つかまって!
(スピードを上げ、
大きく車体を傾けて大通りへ出るバイク。
後を追う黒い車。通りの車を 1 台弾き飛ばしつつ、猛スピー
ドで追跡。
)
不二子/あっちが敵ってこと。
ミラ/もうチョーカーは、してないのに。
♪~
不二子/公園で入れ替わったの見てたんじゃないの?私みた
いに。うふっ、人気者ね。
ミラ/ふざけないで!逃げて!
不二子/はーい。
ミラ/あ、あーー!
(車体をくねらせ、反対車線から歩道へ、縦横無尽にバイク
を走らせる不二子。対向車が次々ひっくり返る。
)
通行人/あっ、ああ~~~~!
《ガシャ――ン》
(コンビニのガラスに突っ込み、そのまま店の中を走り抜け
るバイク)
不二子/トイレ貸して~~。
《ピポピポピポピポ:ドアが開いたときの音》
(店を突っ切ったバイクは、客が入ろうとしていた入口から
出て行く。のけぞる客。
)
客/うぇー、うわわー!
(コンビニから出るバイクを再び追跡する黒い車)
♪~
ミラ/ねえ、楽しんでない?
不二子/あら。わかっちゃった?
安心して。
これに乗ってて、
やられるような私じゃないから。
ミラ/打ってきたらどうすんのよ!
不二子/ここは日本よ。
やつらだって、事故に見せかけたいはずだし。
(追跡車両の左後部座席の窓が開く。
)
不二子/あら、やだ。なりふり構ってられないみたい。
(追跡車両。後部座席から男がマシンガンを構える)
《ババババババババババ:マシンガン》
(バイクの後ろに弾よけ装置が出現。バリアに当たって火花
を散らす弾丸)
《パシューン パシューン:弾丸がバイクにぶつかる》
不二子/オイタをすると…
はっ!
(急ハンドルでバイクを旋回。不二子の左手にはショットガ
ン)
《ドルルルルルルルルルルル:不二子ショットガン》
(連射する不二子。追跡車両に無数の銃弾が命中。ボンネッ
トが開き、火を噴く車)
《プシュー ドカーン》
《キュルキュルキュルキュル・ガシャンガシャンガシャン》
(スリップしながら壊れる車)
《バンッ ダ――ン バッシャ――――ン》
(車は黒煙をあげながら、そのまま川に墜落)
♪~
(車が落ちた川を呆然と眺めるミラ王女)
ミラ/こ、殺しちゃったの…?
不二子/や~だ~。私、そんな下手じゃないわよ~。
(バイクを発進させる不二子)
不二子/素人相手に、ヘマしないから。
ミラ/素人?だって、マシンガン持ってたし…。
不二子/持ってるだけ。
追跡は 2 台以上。1 台に 2 人。前を走るターゲットに、後部
座席からの銃撃はNG。
しかも、タイヤを狙って外すなんて、夜は弾足が上がること
すら知らないんだから、まったく。金で雇われたトウシロっ
13
てやつ。
ミラ/お姉さん…、すごーい!
(不二子の腰にまわした腕をギュッとするミラ王女。一瞬驚
いた顔をする不二子)
不二子/うふっ。
(笑みを浮かべた不二子が、視線を戻すや、ハッとなる。
)
不二子/あっ…。
♪~『コナンのテーマ曲』
(正面から、電動スケボーに乗ったコナンが、バイクの後ろ
を追跡している)
不二子/ねえ、あなたのファン?
ミラ/え?
(振り向くミラ王女)
ミラ/あの子!
(コナンを振り払うバイク。コナンはわき道に入る。
進む不二子のバイクの前方にコナンが現れる。驚く不二子)
不二子/あ!
(コナンを抜き去りつつ、後ろを気にする不二子)
不二子(心の声)/読まれた?この私が?
不二子/ちょっと飛ばすわよ!
(スイッチを動かし、後部の部品を切り離す不二子。道路を
転がる部品を避けつつバイクをピッタリ追尾するコナン)
●0:40:05
14