戻 る - 七飯高等学校

戻
る
平成20年度「国際教養」の取組み
七飯高校
英語科
上島
みちる
地歴公民科
二瓶
賢一
1 .は じ め に
今年度の国際教養(3学年選択Ⅱ:2単位)は、地歴公民科と外国語科とのティームテ
ィングで実施をした。今まで「国際理解」というと、英語科が任される傾向があったが、
独学で勉強しながらも一英語科教員が伝えられる内容には限界を感じていた。特に地理・
歴史・時事問題的な事柄を含む内容は、果たして正しく情報を伝えられているかが不安で
あった。
世界で起こっている事象、現象、そこ独自に勉強しながらといいながらも研究に住む人
の国民性、風土、言語など国際理解に係わることの全般を地歴公民科と外国語科のそれぞ
れの教科の特徴と強みを生かして実施したいという希望が今年度実現した。
3 年 生 8 名 ( 男 子 4 名 、 女 子 4 名 )、 特 に 地 歴 や 英 語 学 習 に 興 味 が あ っ た り 、 国 際 理 解
に率先して取り組みたいと希望している生徒たちでもない。全員就職志望の、ただ他に選
択したい教科もないので受講しているという集団でスタートした。
2 .教 科 の 目 標 と 年 間 実 施 内 容
( 1 )『 国 際 教 養 』 の 目 標
英語を通して外国の事情や異文化について理解を深めるとともに、異なる文化を持つ人
々と積極的にコミュニケ-ションを図るための能力や態度の基礎を養う。
外 国 の 日 常 生 活 や 社 会 生 活 、風 俗 習 慣 、地 理 ・ 歴 史 な ど の へ 興 味 関 心 を 伸 ば す と と も に 、
言語や文化の異なる場で、適切にコミュニケーションを取ろうとする態度を育てる。
( 2 )年 間 実 施 内 容
主な学習内容
4月『国名と位置を白地図で学習』
『英語で自己紹介できますか』
『アメリカ大統領選挙について』
5 月 『 Martin Luther King Jr と ア メ リ カ の 人 種 問 題 』
6月『青年海外協力隊経験者ワークショップ』
7月『環境サミットについて』
8 月 『 私 た ち が で き る eco 提 言 発 表 』
9月『コンコード・カーライルハイスクールとの交流事業』
10 月 ハ ロ ウ ィ ー ン Jack-O-Lantern の 製 作
ロシア極東大学デルカーチ講師来校
同校ロシア人留学生来校
11 月 ・ 12 月 『 ロ シ ア に 関 す る 個 人 研 究 と パ ワ ー ポ イ ン ト に よ る 研 究 成 果 発 表 』
1月『コンコード・カーライルハイスクールとの交流事業』
-1-
3 平成20年度『国際教養』単元の流れ
(1)『 ア メ リ カ 大 統 領 選 挙 と Martin Luther King. Jrの 周 辺 』
2008年、全世界が注目したアメリカ大統領選があった。民主党候補のヒラリークリ
ントン、バラク・オバマの繰り広げた舌戦に全世界が注目した。アメリカ史上初の女性大
統 領 の 誕 生 か 、は た ま た 黒 人 大 統 領 の 誕 生 か 、そ の 動 向 は 連 日 新 聞 や テ レ ビ で 報 道 さ れ た 。
国 際 教 養 で も こ れ を テ ー マ に 、ま ず ア メ リ カ 議 会 と 大 統 領 選 挙 の 仕 組 み に つ い て 触 れ た 。
その後オバマ氏の実際の演説を聞いてみたり、インターネットで幅広い年齢層に訴える戦
略には、生徒もその内容に魅きこまれた。その演説の巧みさからも、全員がオバマ支持で
あった。
そこから公民権運動、人種差別問題のアメリカの歴史を取り上げるきっかけとなったの
が人種別投票行動のグラフである。アメリカ国内の有権者が、ヒラリー氏とオバマ氏のど
ちらを支持するか、人種、性別、年齢、また住む地域によってが顕著な分離が見られた。
そのような分離が見られる社会的・歴史的背景を、キング牧師が生きた1960年代の公
民権運動を扱うことで紐解いていった。
キ ン グ 牧 師 の ス ピ ー チ 「 I have a dream 」 の 翻 訳 を 生 徒 が 分 担 し て 行 い 、 そ れ を 実 際 の 演
説 の 字 幕 と し て つ け た DVD も 作 成 し た 。 完 成 し た 映 像 を 見 た と き 、 初 め て ど の よ う な 演
説だったかの全貌がわかり、感動に涙した生徒もいた。
単元の最後に『アファーマティブア
クションは逆差別か』というテーマで、人種や性差別が本当にアメリカからなくなったと
アファーマティブアクション
(Affirmative Action)
言えるのかという討議を行った。アメ
• 不平等を解消するために特定の民族あるいは階級
に対して優遇措置をとる方策。
・投獄率・雇用率などからその裏に潜
• 差別を受けてきた黒人の地位の向上のために雇
用・教育に関わる積極的な優遇政策を取っている。
に差別のない社会を創るにはアファー
• 高校・大学受験において一定数の黒人をかならず
合格させる。(特別枠を設けたり、入学試験におい
て点数のかさ上げを行う)
策ではなく、平等な教育が受けられ、
リカの人種別人口・貧困率・教育水準
む根深い人種問題を推察した上で、真
マティブアクションという黒人優遇政
こどもたちが安全に安心して日々を生
きられる環境を万人に整備することだ、
• 消防士・警察などの公務員の採用においても黒人
のための一定枠が設けられており、白人が採用に
なりにくくなっている。
-2-
という意見にまとまった。
(2)JICA国 際 研 修 員 出 前 講 座
JICA の 海 外 8 青 年 協 力 隊 員 と し て ル ー マ ニ ア で 活 動 し た い た 渡 辺 郁 代 氏 を 招 聘 し た 。
全 6 回 に 渡 り 、 青 年 海 外 協 力 隊 員 と し て 見 て き た こ と 、 経 験 し た こ と の 話 の 他 、『 国 際 協
力』を生徒に身近に実感させるワークショップを開催した。以下に紹介するのは、渡辺氏
の準備、計画、立案に基づいて取り組まれた内容の紹介である。
①『国際協力の現場』
青年海外協力隊の一員として、ルーマニアで働いていた時の渡邊さんの現地での経験
や、現地のこどもたちの生活の実態についてのお話を伺った。
②『100人村ワークショップ』
自分たちが世界村の一員として動くことで、世界を100人の村に縮めたとき、世界
の実情や人々の生活の実態はどのようになっているか、世界の縮図を体感する。
〈生徒の声〉
・ 2050年 の 世 界 人 口 が 93億 人 で あ る こ と に
驚きました。
・途上国がすごく多いのだということがわか
っ た 。 半 分 以 上 ( 8割 ) だ と は 知 ら な か っ た 。
・病気で死んでしまうなどして無事に大人に
なれない子供が多いために、アフリカの子ど
もの夢が「大人になること」ということにシ
ョックを受けた。
・世界で文字が読めない人が14%もいると
いうことは初めて知りました。
・アジアの人口がこんなにも多いとは知らなかった
・日本では食料の値段が上がっているが、世界では買うことさえできない。自分たちはま
だ恵まれている。
『世界の格差を埋めるために自分にできることは?』
・ 募 金 ( 5 0 )・ 働 く ( 2 )・ で き な い と 思 う ( 2 )・ ボ ラ ン テ ィ ア ( 5 )
・ 節 水( 節 約 )( 6 )・ も の を 粗 末 に し な い( 6 )・ ゴ ミ を 出 さ な い よ う に す る( 分 別 す る )
( 2 )・ お 金 を 大 切 に す る ・ 助 け 合 う ( や さ し さ )・ も っ と 世 界 の こ と を 考 え る ・ 出 世 ・
やさしさを与える・リサイクル・食べ物を分け与える・よくばらない(各1)
『世界の格差を埋めるために国でできることは?』
・ 法 律 を 作 る ・ 国 と 国 の つ な が り を 深 め る ( 2 )・ 寄 付 ・ 募 金 ( 1 7 )・ 支 援 ( 援 助 )( 2
1 )・ 食 料 を 送 る ( 2 )・ 資 源 の 無 駄 遣 い を な く す る ( 2 )・ 全 て の 国 が 仲 良 く な り 、 戦 争
を や め る ( 2 )・ 人 材 派 遣 ( 3 )
・ 環 境 を よ く す る ( 環 境 ・ 衛 生 面 )・ 無 駄 に 使 う 「 道 路 を 作 る な ど 」 の を や め て 寄 付
・ イ ベ ン ト の 開 催 ・ 軍 隊 派 遣 ・ 救 援 物 資 ( 水 と か )( 各 1 )
-3-
③『児童労働とはなにか』
チョコレートの原料であるカカオがどの国で、誰が採っているのかを知り、一枚のチョ
コレートの裏側に潜む悲しい児童労働の実態に目を向ける。
〈生徒の声〉
・自分にできることがフェアトレードのものを買って
少しでも楽にさせたい。
・チョコレートを作るのに子ども達があんなに苦労し
ているなんで思わなかった。
・自分が当たり前に食べているチョコレートが、つら
い子どもの力でできていることを思うと、少しでも助
けてあげたい。フェアトレードに協力したい。
・アフリカなどの途上国は学校へ行きたくても行けな
い人がいっぱいいるのに、日本ではニートとか学ぶ気
や働く気のない人が自分の国にいるのが情けなくなる。
そういうことを考えて行動しなければ失礼かなと思っ
た。
・フェアトレードについて初めて知ることができた。
うちらよりもたくさん働いて学校にも行けない人たち
の為に、何かやっていきたい。
・子ども達は悪くないのに、生まれてきた環境によっ
て生き方が左右されるなんてかわいそうだ。
・学校で勉強をしないと、貧しい子ども達の生活の仕
方がわからなかった。自分達はとても裕福だと思う。
自分で何ができるかわからないけれど、できることがあればやりたいと思う。
・すごい可哀想だとおもった。毎日毎日、あんな辛い暮らしをしているし、一生ここで働かなきゃいけない。
本当に可哀想。日本に生まれてよかったけど、何かやれることはないのかなって、考えさせられました。
・すごい可哀想だった。みんな他の人を思いやっているのがすごいと思った。自分も何か手伝ってあげたい。
フェアトレードを見つけたら買いたい。
・どうにかなれば、いいけれど、でも今は募金しかできない。でも、知ることができてよかった。
・カカオをとって働いている子どもがチョコレートの存在を知らないのがびっくりした。チョコレートを食
べさせてあげたいと思った。
・学ぶべきことがたくさんある子ども達が働いているのは理不尽だと思う。どんな理由があろうと、子ども
を使うのはおかしい。
・なんかやっぱり少し恥ずかしくなった。こんな普通のことが普通じゃない。学校に行けること、朝、車で
毎日送ってもらったりして自分ひとりで生きていけっていわれたら、自分では無理だ。あんな小さな子が働
くなんてかわいそう。
・250円くらいのフェアトレードのチョコレートなら、私達にも買える。
・子ども達があんな危険なところで働いている現状が苦しい。学校に行けて、服も買えて、たくさんご飯も
食べれて本当に幸せだと思う。だから、もっといろんな意味でいろんなものを大切にしようと思った。
-4-
④『貿易ゲーム』
グループ対抗で製品を作りお金を稼ぐときに、初めから条件が違う場合には世界の
均衡や平和を保つためになにが必要になってくるのかゲームを通じて体感する。
貿易ゲームルール〔生徒用〕
貿易ゲームルール〔マーケット用〕
○みなさんはグループに分かれて、それぞれ
※基本設定
A・ E先 進 国 /B中 進 国
規格にあった丸、三角、四角を持っている紙と
C・ F開 発 途 上 国 /D開 発 途 上 国 ( 道 具 ・ 紙 が 最 も 少 な い )
道具で作ってください。
~基本ルール~
○完成したものをマーケットに持ってくると、買
①マーケットへ来た人には、必ずチーム名を言ってもら
い取ってくれます。
ってください。
○時間内にたくさんお金を稼いだグループが勝
②形に応じて買い取りをしてください。その時、必ず3
ちです。
枚一組であることを確認してください。
※買い取りのポイント
○審査は規格に従い、厳しく行ってください。
○ A チ ー ム Eチ ー ム は 、 若 干 審 査 を 優 し く し て く だ さ い 。
○ Dチ ー ム は 特 に 審 査 を 厳 し く し て く だ さ い 。 → こ れ は 国
によってのブランド価値を表しています。途中自分のチ
ーム名を偽って申告するチームが出てくるかもしれませ
ん。その際はだまされたつもりで、審査してください。
○はさみでなく、手でちぎったもの、定規で切ってきたも
のは買い取らないでください。
~展開ルール~
○途中から赤のシールの付いた商品が出回ります。こ
れらの製品は、通常の価格の3倍の値段で買い取って
ください。(このシールはDチームしか持っていません
が、このチームはシールの価値を知りません。万が一D
チームが売りに来たときは、シールについての情報を
知っているかの確認をし、知っていたら3倍の値段で買
い取ってください。
最初から道具が潤沢にあり、原料を買う
お金も持つチームが優勝た。最初は優勝し
たことを喜んでいたが、他の負けたチーム
の意見を聞いた後では「自分たちのことし
か考えなかった。貧しい人たちのことを忘
れ て い た 」「 貧 し い 人 の こ と を だ ま し て お
-5-
金 を 取 っ て し ま っ た 」 と 、 複 雑 な 心 境 を 漏 ら し て い た 。 負 け た 途 上 国 チ ー ム も 、「 最 初 か
ら も の が な い と い う こ と は 全 然 、労 働 意 欲 す ら 湧 い て こ な い 」
「先進国が優しかったので、
道具の援助に助けられた」という途上国の現状にも迫ったところを感じ取ってくれていた
ようである。
⑤『世界の難民問題』
4人で1チームの難民の家族という設定でロールプレイを行う。3分という限られた時
間のなかで、何を持って逃げるか家族で話し合う。国外脱出の途中で病気で家族の一員が
死んだり、言葉の壁にぶち当たったり、だ
まされて他国に売られたり・・・などの様
々 な 困 難 に 遭 遇 す る 。 難 民 の 「( 自 国 か ら
逃れた)安心はあるけど、安定はない」生
活 を 体 感 す る 。「 ゲ ー ム と し て は 楽 し い け
れど、これが現実であることを考えると毎
日はつらいと思う」という声が多く聞かれ
た。
-6-
⑥ 『「 理 解 と 協 調 」 に 必 要 な も の と は 』
"バ ー ン ガ ” と い う カ ー ド ゲ ー ム を 4 人 1 組 で 行 う 。 ル ー ル は 「 決 し て 話 し て は い け な
い」である。同じゲームをしているようだが、班ごとに少しずつルールが違う。言葉が通
じないとき、何か問題が生じた際に互いにどんな気持ちになるか、どのように意思疎通の
方法があるか、また相互理解のためにどのような態度が必要になってくるのかを考える。
バーンガゲームルール(例)
①グループでジャンケンをして勝った人が親となる。
②親がてんを切って、全員にすべてのカードを配る。
③ 親 は 自 分 の 好 き な カ ー ド を 1枚 、 手 持 ち の カ ー ド の 中 か ら
出す。
④親が出したカードと同じマークのカードを、時計と反対回り
に出していく。
『バーンガ』振り返りシート
⑤Kが一番強く、Q、J,10、・・3,2、Aと数字が小さくなる
○ゲーム中どうやってルールを確認、統一し
につれて弱い。
ましたか。
⑥同じマークのカードがない場合には、スペードが切り札とな
○他のグループに移ってゲームをしていると
る。出したスペードの数字が弱くても、スペードを出した人が
きの気持ちは、どうでしたか。
勝ちとなる。もし、他にもスペードのカードを出した人がいた
○他のグループから来た新しい人とゲーム
ら、数字の大きなカードを出した人の勝ち。
をしているときは、どのような気持ちになりま
⑦同じマークのカードもスペードの切り札もない場合は、どん
したか。
なカードを出してもよいが、その回は負けとなる。
○このゲームで体験したような気持ちになる
⑧一番強いカードを出した人が次の親になる。(以下、くりか
のは、実際の生活ではどのような場面があ
えし)
ると思いますか。
⑨手持ちのカードを早くなくした人が勝ち。
-7-
(3)洞 爺 湖 環 境 サ ミ ッ ト
2008年は7月7日~9日に北海道洞爺湖サミットが行われた。これを機に、新聞や
テレビ等で環境についての特別企画や討論が盛んに報道され、また出版物も多かった。
生徒のサミットへの知識や関心は当初非常に薄かったため、まずサミットの一般常識や
基礎知識をクイズ形式で確認した。その後生徒たちはサミット周辺の新聞記事をを集め、
2人1組で環境をテーマに自由課題研究発表を行った。新聞記事の他に、インターネット
を使ってそれぞれの課題にアプローチした。生徒が選んだテーマは、
○『エコカーについて』
○『二酸化炭素について』
○『G8反対!!』
○『環境にやさしい8つの行動』
B4の手書き原稿を作成し、実物投影機
で前面スクリーンに映し出したものを丁寧
に説明していた。
-8-
(4)コ ン コ ー ド と の 交 流
コンコードカーライル高校の生徒との交流は年間を通して行った。
まず写真付きの自己紹介カードを作成し合い、米国高校生と七飯高校生の1対1のペア
を作り、その相手と主にやりとりをすることになった。
①クリスマスカードの作成
ク リ ス マ ス カ ー ド を 書 き 、英 語 で 短 文 で も ま と ま り の あ る メ ッ セ ー ジ を 書 く 練 習 を し た 。
もともと英作文のベースとなる基礎知識がない生徒たちなので、簡単な英語の文章も書く
ことにも大変苦労していた。携帯電話についている和英の翻訳機を使用して良いことにし
たらどんどん書いていたが、結局翻訳機の誤りが多いため最後は教員側で訂正することと
なる。しかし、生徒たちは初めての英文でのクリスマスカードを一生懸命書いていた。
②日本紹介DVDの作成
日本の文化や学校生活を生徒たちが紹介する番組を作成した。授業や部活動の様子、日
本の食べ物などを紹介している。普段の日常生活を『アメリカ人の学生は日本の何に興味
を持つだろうか』という視点で見直すきっかけになった。
③ E -mail 交 換
④ ネ ッ ト 上 掲 示 板 wiki の 活 用
⑤ イ ン タ ー ネ ッ ト 電 話 skype の 活 用
③④⑤は時間をとれずに実施することができなかったが、交流のさらなる活発化のため
に 有 効 な 手 段 で あ る と 考 え て い る 。 wiki に つ い て は 、 互 い の wiki ス ペ ー ス に ID と パ ス ワ
ー ド を 使 い ロ グ イ ン し て 、 自 由 に 文 章 や 画 像 の や り と り が で き る 。 skype で ラ イ ブ 通 信 も
-9-
できるが、時差の問題をクリアすることが難しい。
(5)ロ シ ア 極 東 大 学 と の 連 携 授 業
およびロシアについての自由課題研究
もともとは極東大学の入試担当の先生が来校し、志望する生徒が本校にいないだろうか
という話から始まった。ロシアは近いけれど生徒にとっては遠い国。もっと身近にロシア
の人や情報や文化に触れられるきっかけがあれば、極東大学に目を向ける生徒も増えるの
ではないかという話になった。そこから今年度試行的にロシア講座および交流会を本校生
徒対象に開催してみようという話になった。
①極東大学デルカーチ先生の講座
ロシア極東大学講師のデルカーチ・フョードル先生に、ロシアについての特別講座を開
講していただいた。生徒達は、ロシアの風土や歴史から、食べ物や人々の気質など日常生
活にいたるまで、初めて知るロ
10月31日 道新みなみ風に掲載
シアの情報に興味深げに聞き入
っ て い た 。「 ロ シ ア 語 で 話 し て
みてください」という生徒のお
願いに、デルカーチ先生はロシ
ア語で滑らかに自己紹介。生徒
達からは「お~、すごい!」の
歓声があがった。それぞれが簡
単にロシア語で自己紹介が出来
るように、練習をした。
②ロシア極東大学留学生との交流
ロシア極東大学からロシア人留学生
5名が本校を訪れ、交流会を持った。
生徒たちは、一人ずつデルカーチ先生
に習ったロシア語であいさつと自己紹
介をした。初めてロシア人と対面した
こともあり、生徒は皆緊張の面持ちだ
ったが、時間が経つにつれうち解けた
雰囲気に。家族や学校生活、食べ物や
若者の間での流行、趣味や将来の夢な
どについて語り合った。
ロシアのパン、ピロシキとロシアンティーも「食べたことはあるけど、ロシアの人から
話を聞いて食べるとまた違った気分」と1時間の交流ではあったが、心に残る時間となっ
た。
- 10 -
③ロシアに関する自由課題研究
2時間のロシア学、ロシア人との交流などを経て、自由にテーマを設定して課題研究に
取り組んだ。生徒たちはテーマ設定に迷いながらも、前時の学習の中で気になったこと、
興味を持ったことについてインターネットや
文献を調べてまとめ、パワーポイントで発表
を行った。
生徒が選んだテーマは、
○『ロシアのクリスマス』
○『日本で有名なロシア人』
○『ロシアのスポーツとミスコン』
○『ロシアの食』
○『日常生活に使えるロシア語会話』
3年生最後の発表の場ということもあり、
教員からもなにか発表しようということになった。地歴公民からは『ロシアの歴代大統領
と head の 法 則 』。 英 語 科 か ら は ロ シ ア の 煮 込 み 料 理 ボ ル シ チ が 振 る 舞 わ れ た 。
4
平成20年度『国際教養』の反省と今後の展望
8名のみの受講生であったが、今年度の反省をしてもらった結果を以下に簡単にまとめ
る 。「 国 際 教 養 は あ な た に と っ て な ん た め の 学 習 の 場 だ っ た と 思 い ま す か 」 と い う 質 問 に
- 11 -
対する生徒の回答は、
『外国と日本のつながりを知ること、また交流すること』
『 知 識 、 常 識 の 幅 を 広 げ る 場 』『 こ れ か ら 生 き て い く の に 貴 重 な 経 験 が で き た 』
『自分と日本と世界の将来に向けての学習』
扱った単元全般を通して、生徒は「大変興味が持てた」また「興味が持てた」と回答し
て い る 。 も と も と 科 目 選 択 の 際 の 動 機 が 「 外 国 の こ と を 知 り た い 」「 世 界 を 広 い 目 で 見 ら
れ た ら い い な 」 と い う 生 徒 が 半 数 で 、「 知 ら な い 名 前 で お も し ろ そ う 」「 な ん と な く 」「 英
語苦手で(選択して)失敗したと思っていた」という生徒が半数であった。必ずしも動機
付けの高い生徒集団とは言えなく、教師側も生徒の実態に合っていて、かつ興味や達成感
を持たせられるような授業の組み立てに試行錯誤してきた1年であった。その意味で、地
歴公民科と英語科のティームティーチングで互いの教科の知識と専門性を生かし、協力し
て一つの単元に取り組めたことは、生徒のより深い理解を促したと思う。
最 も 印 象 に 残 っ た 内 容 に つ い て は 、「 ロ シ ア 人 と の 交 流 」 が 最 も 多 く 、「 ボ ル シ チ を 食
べ た 」、「 オ バ マ の Yes We Can の 演 説 」、「 ア メ リ カ の 人 種 差 別 問 題 」 と 続 く 。 一 方 的 に 話
を聞く講義形式の授業ばかりではなく、なにかを作ったり、作業したり、話し合ったりす
るような生きた体験が、生徒の印象に深く刻まれているのがわかる。映像や写真などの視
聴覚教材や、インターネットで最新情報が配信されるホームページをを利用しながら学習
できたことも、興味をもって取り組めた理由としてあげている。
「コンコードの人との交流が少ししかできなくて残念」という意見があった。この点は
来年度の課題である。取り組ませたい単元、テーマがたくさんあり、年度当初にメインの
目的としていたコンコードカーライル高校生との交流を、あまり緊密にできなかった。来
年 度 以 降 は wiki や イ ン タ ー ネ ッ ト 電 話 の 活 用 、E メ ー ル 交 換 な ど 計 画 的 に 進 め て い き た い 。
- 12 -