衆力移山

しゆうりよくいざん
衆力移山
表題の「衆力移山」は、多くの人々が力を合わせれば山を動かすことができるという意
味である。いよいよ大分東高校が1年の中で最も輝く時、「東輝祭」がやってきた。クラ
スや学年、部活動や学校全体で協力して、文化の薫り高い学習の成果を見せてもらいたい。
中国の書物「列子」に中国河北省あたり、家の南に大きな山が2つあり、北側は険しく
ぐ こう
交通の不便さに困っていた。愚公という(バカ爺さん)という90歳に成ろうという人が、
あるとき家族を集めて相談し「私はお前たちと力を合わせて険しい山を平らにし、南に向
かって道を通そうと思う」といい、一同は賛成した。隣家の7、8歳の子供はこれを見て
愚公に加勢した。
ちそう
ところが、湖畔に住む智叟(利巧な老人)があざ笑い、「あなたは考えがなさ過ぎる。
余命幾ばくもない力では草木の一本も取り除くことはできない。土や石はどうするつもり
か」と言うのである。
愚公はため息をついて、「何とあなたはかたくなな心の持ち主だ。あの幼子にも及ばな
い。たとえ私が死んでも子供がいる。子供は孫を生み、その孫にも子が生まれる。子孫は
長く続いて絶えはしない。一方、山は高くても今より高くなることはない。いつか平らに
できる道理だ」と答えたのである。智叟は何も言葉が出なかったという。
どうか皆さんも大分東高校の1年間で一番大きなイベントである東輝祭(文化祭、体育
大会)をクラスや学年、全校そして、各係りや担当毎で協力して盛り上げて、未来の隆盛
に繋がる新たな歴史を築いてもらいたいと思います。一人一人の力は小さいかも知れない
が、協力することによってすばらしいものができるというこの故事に習って。
校長
-1-
田中豊彦