前田厚子議員 第1標題「切れ目のない子育て支援

前田厚子議員
第1標題「切れ目のない子育て支援対策について」
1回目の質問
公明党の前田あつこです。
ただいま、議長より許可を戴きましたので、平成 27 年6月定例議会におきまして市
政一般に関する質問をさせていただきます。
第1標題 「切れ目のない子育て支援対策について」質問をします。
国や各自治体において、少子化対策に取り組んでいるのですが、この度の厚生労働
省の公表によると出生率が 1.42 で9年ぶりに下回るという出生数が、過去最少の結果
がでてしまいました。そうした厳しい現実の中で、出生率をあげる子育て支援策を、
各自治体がさらなる施策を思料しながら積極的に取り組みをされています。
なかでも、4月から本格的に始まった「子ども・子育て支援新制度」に関連し、国の
産前・産後の母子への支援策である「妊娠・出産包括支援事業」は、今までの施策の隙
間を埋める大事な役目を果たすと今から期待も大きいと言われています。
この度、現在の福祉ホールが、高齢者から子育て支援の拠点に生まれ変わると聞い
ております。その概要が市役所の玄関の一角に、パステルカラーで書かれた絵の下に、
産後ケア機能を有する子育て拠点を整備しますと紹介されていました。本市において
も今、妊娠・出産・子育ての隙間を埋める大事な事業として産後ケアに取り組んでい
く意気込みを感じ取ることが出来ました。
そこで、お聞きします。
1点目
社会福祉協議会がこの6月から「富楽時」に移転しますが、福祉ホールでもあるこの
施設は、子育ての拠点として改修されますが今後どのような形で運営されていくので
しょうか。お聞かせ下さい。
2点目
切れ目のない子育て支援対策として、最も力を入れていただきたい事業にこの「産後
ケア」の支援の充実があたると言われています。
出産後、特に1ヶ月間は、健康面の悩みや育児への不安などを抱えるのは母親です。
このような、子育ての最大の環境となる母親の心身をサポートする「産後ケア」の支援
が大変重要であり必要とされていますが、本市が掲げた産後ケアの機能の内容をお示
し下さいますか。また、産後ケアの施設には、出産直後の母親をサポートするスタッ
フは、有資格者を含めてどのように配置される予定でしょうか。お聞かせ下さい。
3点目
出産によって、女性は心身共に、大きな負担を生じることは言うまでもありません。
また、良好な母子の状態を形成する上で出産直後の1ヶ月が最も大事な時期と言われ
ております。更に、産後早期の親子関係が、虐待や育児放棄等の早期予防・発見など
の役割も果たすと言われています。それに、近年晩婚・晩産により出産する女性の年
齢が高くなっている傾向があります。そうしますと、頼りとする親のサポートも高齢
化や就労等により受けにくくなっています。そして、産院を退院した後も育児不安な
どに気軽に相談出来る人がいないなど、子育ての難しさに直面する母親が増えていま
す。
その様な時にお産をする女性に寄り添い、生活に必要な様々なお世話をするのが
「ドゥーラ」という職業、あるいは役割があります。研修と経験を積んだお産の知識を
持つ「ドゥーラ」は、母親支援の専門職です。
このような母親支援の専門職の養成を産後支援の仕組みを構築していく上で取り組
むことを提案します。
市としてこの提案に対しての考えをお聞かせ下さい。また、妊娠・出産・子育て支
援の隙間を埋める具体的な対策や取り組みが、ありましたらお示し下さい。
4点目
ここで、以前に質問をさせて戴いた不育症の公費助成の件でお聞きします。
出産に至る前の大事な施策です。その際に、治療費の公費助成についてお聞きしま
した。まだ、検討とのご答弁をいただきましたが、先日、山梨県としても、不育症の
対策に上限なしの半額助成をしていくとの記事が大きく新聞に掲載されていました。
そこで本市としても、この機会を逃すべきでは無いと思いますが、検討している中で
前進したことがありましたら進捗状況をお聞かせ下さい。
また、現在計画中の産前・産後ケアセンターにカウンセリングの体制を整えてくだ
さるとの内容でしたが、具体的にどのような体制になるのか、お聞かせ下さい。
5点目
切れ目のない子育て支援対策として、富士吉田市に越してきた若いお母さん方から、
3人目の子どもの保育料のことで何度もお話を伺いました。今まで住んでいたところ
では、無条件で2人目は半額、3人目以降は無料だったので、安心して働く事も出来
たし、3人以上の子どもをもつ家族が増えてきていたそうです。
地方創生の少子化社会対策大綱のなかに多子世帯へ一層の配慮を行い、3人以上子
どもが持てる環境を整備するという要項を目にしました。
子どもは産みたい、しかし子育てにお金がかかるのでもう産めない。そうした若い
夫婦の切実な声に国が、少子化に歯止めをかけることにも繋がるので、このような若
い夫婦の希望を実現するためにも環境整備を行うことが重要と大綱を打ち出していま
す。
現に、埼玉県では、国の多子世帯保育料軽減事業の交付金を申請するなかで県と市
町村が連携し同一事業を広域で効率的に実施することにより第3子の出産環境作りに
寄与し出生率向上に取り組みを行っているとのことであります。本市でも少子化対策
に大きな風穴をあけるよう、出来る道を見つけて戴きたいと思います。3人目の保育
料の条件無しの無料化に対して本市の考えをお聞かせ下さい。
以上で第1標題1回目の質問を終わります。
1回目の市長答弁
前田厚子議員の「切れ目のない子育て支援対策について」の御質問にお答えいたし
ます。
まず、1点目の福祉ホールの運営についてでありますが、児童福祉部門の事業を中
心に、市が運営主体となり、子育て支援事業を展開して参ります。
本市の子育て支援対策につきましては、妊娠期から保健師等の専門職による家庭訪
問や健康相談、妊婦一般健康診査への助成、母親学級などを通し、出産・育児への支
援を実施し、出産後には、生後4か月までの間に助産師等が全世帯を訪問し、母親の
産後の健康状態の確認、子どもの成長や育児の悩みなどの相談に応じております。
また、つどいの広場事業、ファミリーサポート事業、保育園や幼稚園、小中学校に
おいて、家庭や地域からの孤立を解消できるよう、庁内関係課や育児の状況を鑑みな
がら児童相談所等の関係機関との情報共有や担当者会議を開催し、行動を共にしつつ、
専門職によるケアに努めております。
このように、妊娠初期から子育て期にかけての切れ目のない子育て支援を、組織を
越えて行っておりますが、よりきめ細かな支援を行うため、産前・産後ケアセンター
や子育て支援プランを策定する子育てケアマネージャー制度等の子育て包括支援体制
を整えているところであります。
次に、2点目の産後ケアの内容についてでありますが、産後の育児不安や過労等に
対して、レスパイトケアや母乳外来、育児相談等のデイケアを行い、出産直後の母親
がリラックスでき、必要な育児指導を受けることができる機会や場所を提供し、妊娠
から出産までの一貫した支援を行なう拠点として整備して参ります。
また、それらの事業を展開するにあたり、助産師、保健師、看護師等の専門職を配
置して参ります。
次に、3点目の出産後の母親に寄り添い、心身共に支える取り組み、及び4点目の
不育症の公費助成についてでありますが、後ほど、市民生活部長をして答弁いたさせ
ます。
次に、5点目の3人目の保育料の条件無しの無料化についてでありますが、現在、
3人のお子さんが保育園や福祉施設に同時に入園・入所している場合、2人目は半額、
3人目は無料としておりますが、多子世帯の負担軽減のために今後、保育料の多子軽
減や無料化につきまして検討して参りたいと考えます。
以上、私からの答弁といたします。
1回目の市民生活部長答弁
前田厚子議員の「切れ目のない子育て支援対策について」の御質問にお答えいたし
ます。
まず、3点目の出産後の母親に寄り添い、心身共に支える取り組みについてであり
ますが、県が始めた「ホームスタート事業」を本市も検討しております。研修を受講
した先輩ママやシニア世代のボランティアの方々が子育て家庭を訪問し、相談や家事
支援などを行うことは、出産後の母親支援として有効なものと考えております。
今後、研修を受けたボランティアの方々との協力を得る中で、きめ細かな子育て支
援の体制づくりに努めて参ります。
次に、4点目の不育症の公費助成についてでありますが、助成につきましては、県
の事業の状況を見極めながら検討して参りたいと考えております。
また、子育て支援センターでは母子保健の専門職を配置し、産前産後も含めたカウ
ンセリングができるようなスタッフ体制を整備して参ります。
以上、答弁といたします。
2回目の質問
第1標題「切れ目のない子育て支援対策について」2回目の質問をします。
1点目
一日も早く開始されることを待ち望んでますが、児童福祉部門を中心とされる子育
て支援事業は、建物の改修がこれから始まるわけですが、事業のスタートは、いつか
らになりますか。
5点目
3人目以降の子どもの保育料の無料化は、地方創生の中でも、3人以上の子どもを
持てる環境を整備するという少子化対策のなかでも国が具体例をあげるなどして重要
課題の一つとして積極的にとりあげている事
業です。
この制度は、同一期に保育園を利用している就学前児童が2人以上の場合に保育料
を助成する制度ですが、第1子が小学校にあがると第3子でも無料でなくなる。この
ような制度では不公平だとお母さん方から納得のいかないとの声が出ています。
一方、本市の、継続されているファミリーサポートの事業や県内初のB型肝炎&ロタ
ウイルスの予防接種の助成事業などは、子育て支援策のなかでは、他市町村の中でも
群を抜いてる施策と子育てのお母さんたちの話題にのぼっているようです。この様に、
今や、スマホなどを手にしながら子育て世代のお母さん達の情報の交換は、私達が想
像する以上です。
ただし、この様にお話をしても、まだまだ課題は残ります。それは、今回、富士吉
田市立の保育園の話をさせていただきましたが、本市には私立の幼稚園も多く同世代
の課題となっていますが、教育委員会の管轄でもありますので、まずは、保育園に3
人目のお子さんを預けても働かなければならないお母さん方からの声を代弁させてい
ただきました。
本市が子育てしたい町No1に、もう一歩近づく為に、この第3子の保育料の無料
化を早期実現を考えて戴きたいのですが、いかがでしょうか。少子化対策は、他の市
町村から何人移住させるかと考える前に、今住んでいる住民が喜んで本市の良さを語
り、定住化の推進をしていくことを最優先すべきではないでしょうか。
市の考えをお聞かせ下さい。
以上で2回目の質問を終わります。
2回目の市長答弁
前田議員の2回目の御質問にお答えいたします。
まず、1点目の福祉ホールにおける子育て支援事業の開始時期についてであります
が、福祉ホールは、現在、改修工事のための設計業務を行っております。
また、改修工事につきましては、平成 28 年 12 月末までに完了する予定であり、そ
の後、新しくなった福祉ホールにおいて、子育て支援事業を実施して参ります。
次に、5点目の第3子の保育料の無料化についてでありますが、今年度からの制度
改正の状況を見極めながら、先ほど答弁申し上げましたとおり、多子軽減や無料化に
つきまして検討して参りたいと考えております。
他方、少子化対策につきましては、晩婚化や未婚化、若い世代の都市圏への流出や
働き方の変化等の複数の要因により、少子化が加速しているものと考えており、保育
料の無料化を優先させることだけで少子化を解決できるものではなく、国や関係機関
と力を合わせて取り組んで参りたいと考えております。
以上、答弁といたします。
第2標題「ふるさと納税について」
質問
第2標題「ふるさと納税について」お聞きします。
知恵は現場にあると言いますが、まさに市民の皆さまの声を聞く機会の中で、地域
の活性化にこのふるさと納税をなぜもっと活用しないのかとの多くの声を戴きました。
2008 年度から実質的にスタートしたこの制度ですが、総務省によると 2009 年度は
約3万人が 73 億円を寄付、14 年度には 13 万人が 142 億円を寄付するまでに増加した
という、ふるさと納税。
今や地方創生への政策が加速する中で、自治体が競い合い、地方分権が進む時代に
あって、自治体がそれぞれの特色をアピールする機会が増えているようです。
本市もふるさと納税に力を入れることで自主財源を確保すると共に地域の魅力を発
信出来るよう積極的にとりくむべきと考え、3点お聞きします。
1点目
2011 年から昨年までの本市の年度別納税状況をお聞かせ下さい。
2点目
ここからは、ふるさと納税の大きな特典をあげながら質問させていただきます。
初めに、寄附を戴いた方にお礼の気持ちとして、地域の物産品などが送られます。
また、その寄附金の使い道も指定出来ます。
本市においても、HP でその詳細が載っていますが、おそらく富士山の世界遺産の町
として多くの方が HP を見たことと思いますが、残念ながらあまりに魅力の無い返礼品
で、別の自治体に寄附の矛先を向けられた方も多いかと推察します。
そこで、お聞きしますが、本市は、観光の街でもあります。
市内の観光施設などを含め富士吉田市をアピールし、是非、本市に足を運んでいただ
けるよう工夫すべきだと思います。それには、地域での野菜を贈呈したり、地域の皆
さんから特産品を応募していただきカタログなどで、紹介し納税された方から選んで
いただくような、ワクワクするような企画を練って戴きたいと思います。
ふるさと納税への今後の本市の取り組みをお聞かせ下さい。
3点目
この寄附は、生まれ育った自治体や以前に住んでいた自治体に限定した寄附制度で
は無く住所地で無い自治体にも寄附出来る制度であり、個人的に応援したい自治体も
寄附の対象となります。寄附額のうち、2,000 円を超える分が、個人住民税の約2割
を上限に、自分が住む自治体に支払う所得税、個人住民税が控除されます。
そうしますと、外から戴く寄附よりも、他市に魅力を感じて本市の住民が、他市へ
の寄附が増えると、自分の所の自治体の税金が逆に減るという事も考えられます。
この様なことも考えた上で本市にプラスになるようなふるさと納税の仕組みを考え
ていただきたいと思いますが、ふるさと納税に対してどのような思いをもっているか
お聞かせ下さい。
以上で第2標題の1回目の質問を終わります。
市長答弁
「ふるさと納税について」の御質問にお答えいたします。
まず、平成 23 年から昨年までの本市の年度別納税状況についてでありますが、平成
23 年度では5人の方から 66 万円、平成 24 年度では9人の方から 205 万円、平成 25
年度では 38 人の方から 198 万2千円、平成 26 年度では 58 人の方から 339 万9千円の
寄附がありました。
次に、今後の取組み及びふるさと納税に対する思いについてでありますが、ふるさ
と納税の返礼特典につきましては、昨今テレビや新聞など様々なメディアで取り上げ
られ、全国的に注目を集めているところであります。
また、本年4月からは、所得税及び住民税からの還付又は控除される金額が、これ
までの約1割から約2割に引き上げられるなど、制度改正も後押しとなり、更にふる
さと納税に対する注目が高まっていくものと認識しております。
本市におきましても、これらの状況に鑑み、ふるさと納税への対応強化を図るべく、
現在準備を進めております。具体的には、返礼品として本市ならではの特産品を選定
するのはもちろんのこと、観光施設の利用券、観光ツアーへの招待など本市に直接足
を運んでいただけるようなバラエティに富んだ魅力ある商品を選定することを計画し
ております。
また、ふるさと納税においては、これらの商品をどのようにアピールし、日本全国
の方へ情報を届けられるかが重要であると考えております。全国で多くの寄附を集め
ている自治体の例においては、民間企業が運営する「ふるさと納税専門サイト」を活
用し、全国へと情報発信をしております。この専門サイトでは、寄附者が簡単な操作
で返礼品を選べる仕組みとなっており、利便性が高いことに加え、参加自治体の紹介
や民間企業ならではの情報発信力が大きく影響しているものと考えられます。
本市におきましても、魅力ある商品を全国へ発信するため、ふるさと納税専門サイ
トを運営する民間企業と連携する中で情報発信力を高め、全国のより多くの方へ、富
士吉田市の情報やふるさと産品などの情報を届けられるシステムの導入を計画してお
り、本定例会において、関連予算を計上させていただいたところであります。
他方、ふるさと納税は、本来地方自治体における重要な財源であります。
ふるさとを離れて生活されている方が、ふるさとの県や市町村に寄附をすることによ
り、また、応援したい自治体に寄附することにより、「ふるさとを応援したい」、「ふる
さとのために役に立ちたい」という思いを形にすることであると考えております。
現在、全国において返礼品の競争が過熱し、本来の趣旨がともすると忘れられかね
ない状況でもあります。
このことを十分認識し、その上で、本市といたしましても、ふるさと納税の制度を
しっかり活用して、財源の確保を図るとともに、富士吉田市の情報発信や地場産品の
開発・販路拡大を積極的に進めて参りたいと考えております。
以上、答弁といたします。
「前田厚子議員
締めの言葉」
今回は、市民の皆さまの声を聞く機会が多かったなかで、2つの質問をさせていた
だきました。これからも市民の皆さまの方を向き、しっかりと皆さまの声を行政に繋
いでいきたいと決意しております。
ご静聴ありがとうございました。以上で質問を終わります。