ユーロ 5 エンジン装備車両での還元剤タンクの移動 還元剤タンクの移動

ユーロ 5 エンジン装備車両での還元剤タンクの移動
還元剤タンクの移動に関する概要
還元剤タンクの移動に関する概要
SCR (Selective Catalytic Reduction) 排出抑制システムを装備した車両では、ク
レーントラックのサポートレッグなどの架装コンポーネント用にスペースを設け
るために、還元剤タンクを移動する必要のある場合があります。
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移動する必要があるのは還元剤タンクとその関連コンポーネントのみです。還元
剤供給装置とタンク間のホース、およびクーラントリターンホースを交換するこ
とで、これを行うことが可能です。適した代用品については、条件および作業概
要の項に記載されています。
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ユーロ 5 エンジン装備車両での還元剤タンクの移動
還元剤タンクの移動に関する概要
還元剤の腐食性
還元剤1 は非常に腐食性の高い液体ですから、腐食しやすい素材のものに接触しな
いようにしてください。
• 零れた還元剤は大量の水で洗い流してください。
• 還元剤が電気接続部またはケーブルに浸み込んだ場合、それらを交換する必要
があります。
コンポーネントの位置
1. 還元剤供給装置はサイレンサーの上方に位置します。
2. 還元剤ポンプとコントロールユニットは還元剤タンクのリヤ部に取り付けられ
ています。
3. NOx センサー2 はサイレンサー下流のエキゾーストパイプ上に位置します。
4. ウォーターバルブの位置は場合によって異なります。ここでは還元剤タンクの
後ろに配置されています。
1
3
SCR システムの不具合
重要!
システムの不具合はインストルメントクラスターのインジケーターランプで指示
されます。
2
4
340 803
SCR システムは極めて敏感です。システムが正しく機能しない場合、エンジントル
クは低減されます。3 このため、スカニアの推奨が守られること、すべてのコネク
ションが還元剤タンク移動後に復元されることが重要です。
1. 還元剤のブランド名は、AdBlue、ARLA 32、Diesel Exhaust Fluid (DEF) など、市場によって異なる
場合があります。
2. DC16 730 hp エンジン装備車両は 2 個の NOx センサーを備えています。
3. EU 規制に従って、NOx センサーによってコントロールされる電子トルク低減機能がほとんどの車両
に装備されています。これに関する例外は、例えば、緊急用車両です。
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ユーロ 5 エンジン装備車両での還元剤タンクの移動
還元剤タンクの移動に関する概要
SCR システム作業時の安全上の注意
還元剤は有害ではありませんが、SCR システム作業時には以下の点に注意する必要
があります:
• 目に入った場合、眼浴容器で直ちに洗い流してください。医師の診察を受けて
ください。
• 皮膚に付着した場合は、水で洗い流してください。
• 汚染した衣服を直ちに着替えてください。
• アンモニアガスを吸い込んだ場合、直ちに新鮮な空気を十分に吸い込むことが
重要です。
警告!
• SCR システムへの作業時は保護手袋およびメガネを着用してください。
• エンジン稼働時、エキゾーストシステムの部品は、人身障害の恐れがあるほど
の高温になる場合があります。作業を開始する前に、エキゾーストシステム温
度が適切なレベルまで低下したことを確認してください。
• SCR システムはエンジンのクーリングシステムの水によって温められます。冷
却システムは加圧されて作動しており、エンジンが高温であれば、クーラント
も高温です。ホース内のクーラントの流れを止めるまで、ホースを外してはい
けません。
重要!
還元剤タンクが空または接続が外れている場合、エンジンを始動しないでくださ
い。SCR システムは、エンジン作動時の SCR コンポーネントへの損傷を防止するた
めに、適正に接続および機能している必要があります。components when the
engine is running.
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ユーロ 5 エンジン装備車両での還元剤タンクの移動
条件
条件
スカニアから納車された車両に装備されている還元剤タンクの位置は、3 種類あり
ます。
1. フロントアクスルが 1 つの車両
フロントアクスルが 1 つのトラクターまたはトラックでは、還元剤タンクが、
シャシフレーム右側のサイレンサーのすぐ後ろに配置されています。
還元剤ホースは、車両に装備されているタンクのタイプによって、2 種の異なる長
さを選択することができます。還元剤用ホースコンポーネントに関する詳細は、
本文書に後述されています。
還元剤タンクは 2 つの容量、50 リットルおよび 75 リットルがあります。
タンク移動に関する推奨事項
320 998
本文書末尾の表を参照してホースの長さを選択してください。
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ユーロ 5 エンジン装備車両での還元剤タンクの移動
条件
2. 2 個のフロントアクスルを装備した車両(タンクは右
側)
工場装着条件
以下は、2 フロントアクスル装備で、タンクがシャシフレームの右側、第 2 フロン
トアクスルの背後にあるトラックに適用します:
同じ還元剤ホースがタンク容量 50 リットルおよび 75 リットルに適用されます。
還元剤用ホースコンポーネントに関する詳細は、本文書に後述されています。
タンク移動に関する推奨事項
• 還元剤タンクを還元剤供給装置から離すようにする場合、次の例に示すホース
の組み合わせを推奨します。
• 還元剤タンクを還元剤供給装置に近づける場合は、既存のホースを使うよう推
奨します。必要に応じてホースを切断し、文書前述の指示に従ってスライスし
ます。
• 還元剤用としてその他のホースとともに配管する圧縮エアホースは、タンクを
移動する場合でも移動前とほぼ同じような配管経路でなければなりません。必
要に応じて、圧縮エアホースを延長または連結してください。
エアホース用の様々なバージョンのジョイントユニオンを、Scania ディーラーか
ら購入できます。
2
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1
1. 還元剤ホース
2. エアホース
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ユーロ 5 エンジン装備車両での還元剤タンクの移動
条件
3. 2 個のフロントアクスルを装備した車両(タンクは左
側)
工場装着条件
以下は、2 フロントアクスル装備で、タンクがシャシフレームの左側、第 2 フロン
トアクスルの背後にあるトラックに適用します:
この場合、還元剤ホースはジョイントスリーブで接続される 2 個のホースから成
ります。ジョイントはフレームサイドメンバー間の中央に位置します。
同じ還元剤ホースがタンク容量 50 リットルおよび 75 リットルに適用されます。
還元剤用ホースコンポーネントに関する詳細は、本文書に後述されています。
タンク移動に関する推奨事項
• このホースは延長されてはいけませんので、シャシフレームの設置側における
タンク位置は僅かな調整しかできません。
• タンクをシャシフレームの右側に移動する場合は、既存のホースをお勧めしま
す。あるいは本文書末尾の表を参照してください。
• 還元剤用としてその他のホースとともに配管する圧縮エアホースは、タンクを
移動する場合でも移動前とほぼ同じような配管経路でなければなりません。必
要に応じて、圧縮エアホースを延長または連結してください。
エアホース用の様々なバージョンのジョイントユニオンを、Scania ディーラーか
ら購入できます。
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1
1. 還元剤ホース
2. エアホース
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ユーロ 5 エンジン装備車両での還元剤タンクの移動
作業解説
作業解説
以下の手順に従ってください。これは、SCR システムが適正に作動し、シールが維
持されるために重要です。
一般
重要!
還元剤タンクは、サイレンサーおよびその他の高温になるコンポーネントから最
低 30 mm 離して配置してください。
注記:
301 687
既存のホースを使用して還元剤タンクを移動することは、ほとんどの場合、推奨
されません。これはホースが張力を受けてはいけないからです。還元剤タンクが
還元剤供給装置に近づけられていない限り、位置の微調整が行われている場合は、
既存のホースとともにタンクを移動させることのみが可能です。
還元剤タンクが移動された場合、以下が適用します:
• 最大 50 mm 垂直上方
• 還元剤タンクは流路ラインに対して捻じれまたは傾斜していてはいけません。
2
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1
3
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• 推奨コンポーネントのみを使用してください。
• 長い方のホースは、ウォーターロックを作るために、還元剤供給装置の上流に
少なくとも 1 個の低点 (1) を持つ必要があります。これは、システムがスイッ
チ OFF になったときに、残留還元剤が還元剤供給装置へ流れ下ることを防ぐた
めに重要です。
• ホースの最上点 (2) がシャシフレームの上端から最大 100 mm 上方に、最下点
(3) がフレームの上端から最大 325 mm 下方にあれば許容範囲内です。
• メインホース (2) の長さは検証最大長 4,050 mm を超えてはいけません。
• 機械組み立てされたホースクランプを取り外さないできださい。
• 接続する前に、ホースに泥やゴムの残り滓が付いていないことを確認します。
• 圧縮エアホース (1 728 202) が捩じれていないことを確認します。これは故障
コードを発生させ、トルク低減を招くことがあります。
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作業解説
• ホースを接続する際は、摩擦を低減するため石鹸水を使用してください。ワッ
クス、ワセリン、その他のグリース類は使用しないでください。
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作業解説
手順
タンクの移動
1. 推奨事項を考慮しながら、還元剤ホースをどのように配策すべきかを決定しま
す。ホースの長さはよいか、短くする必要はあるかを判定します。
2. クーラントリターンホースを、例えば溶接プライヤー(ロック可能タイプ)で
閉塞します。
3. タンクからすべてのホースおよび電気ケーブルを外します。ホースは交換され
る場合、完全に取り外します。
4. タンクを取り外し、新たな位置にそれを取り付けます。
ジョイントを使用しないホースの取り付け
ホースの長さがタンクの新しい位置に最適であるならば、以下のように進めます。
1. 新しいホースを、還元剤供給装置および還元剤タンクに接続します。
2. 新しいクーラントホースを還元剤タンクウォーターバルブに接続します。
3. 捩じれが発生しないように、両方のホースを柔らかい輪で固定します。
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作業解説
ジョイントを使用するホースの取り付け
4
還元剤ホースが長すぎて、短くする必要がある場合、またはバリアント 3 のホー
スが 2 本使用されている場合、ジョイントで連結する必要があります。
注記:
5
301 690
1. ホースが長すぎる場合: ジョイントに漏れがないことを確認しやすい位置で、
メインホースを切断して取り除いてください。
2. ジョイントスリーブを使用してホースの部分を組み立ててください。本文書末
尾の表を参照してください。
3. ジョイントがシールされるよう、カラーマーク (5) に合わせてホースクラン
プを 5 Nm のトルクで締め付けます。
4. ホースを、還元剤供給装置および還元剤タンクに接続します。
5. クーラントホースを還元剤タンクウォーターバルブに接続します。
6. 捩じれが発生しないように、両方のホースを柔らかい輪で固定します。
301 689
図示のように機械組み立てされたホースクランプ (4) を取り外さないできださい。
ホースを短くする必要がある場合、必ずジョイント 1 860 296 を使用してくださ
い。
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コンポーネント
コンポーネント
還元剤およびエア用ホースコンポーネント
名称
還元剤ホース
ジョイントスリーブ
ホースクランプ
ブラケット
圧縮エアホースa
部品番号
特性 (mm)
注記
1 898 978
2 242
2 個のフロントアクスルおよびタンク右側装着車両用のホー
ス
1 898 979
2 800
2 個のフロントアクスルおよびタンク左側装着車両用のホー
ス1
1 846 950
1 100
2 個のフロントアクスルおよびタンク左側装着車両用のホー
ス2
1 873 697
900
1 個のフロントアクスル装着車両でタンク容量が 50 リットル
1 873 698
930
1 個のフロントアクスル装着車両でタンク容量が 75 リットル
1 860 296
816 110
1 803 120
シャシフレーム上ホース配線用ブラケット
1 943 717
2 267
2 個のフロントアクスルおよび SCR 右側
1 943 713
2 650
2 個のフロントアクスルおよび SCR 左側
a. 仕様が同じで長さが正しければ、その他のホースも使用可能。
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コンポーネント
クーラントホース
クーラントリターンホースは、スペアパーツとして Scania から購入することがで
きず、他の供給元から入手しなければなりません。新しいホースは既存のホース
と同じ要件を満たす必要があります。
名称
部品番号
属性
注記
強化ホース
クーラントホース
-
内径 16 mm
非 Scania パーツ
ウォール厚さ 4 mm
Scania 標準 STD4272 に準拠
ホースクランプ
816 109
Scania 標準 STD4154 に準拠
電気ケーブルハーネス
以下のケーブルハーネスはスカニアからスペアパーツとして購入できます。
名称
部品番号
部品番号
1 865 585
ケーブルハーネス
1 865 588
b
1 865 587
c
属性
注記
1 865 585
a
1 943 218
a
長さ 3,500 mm
長さオプション 1
1 943 217
a
長さ 4,200 mm
長さオプション 2
必須
a. 2 個の NOx センサー装備車両に適用。
b. 還元剤タンクおよび供給装置間の接続長さオプション 1
c. 還元剤タンクおよび供給装置間の接続長さオプション 2
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