ちばがく第6号 H21.9月

放送大学千葉学習センター
秋祭り
●日時:
平成21年10月4日(日)
12:00~17:30
●会場:
放送大学
千葉学習センター
千葉市美浜区若葉2丁目11番地
TEL. 043-298-4367
FAX. 043-298-4386
●模擬講義:「祭り・観光・環境問題
―比較文明論の立場から」(客員教
授・加藤隆)
●管弦楽演奏:客員教授・宮野モモ子
+千葉大学管弦楽団
●放送大学・千葉学習センター案内印
刷物配布・ご入学相談・学習相談
●カウンセリング研究会:日ごろの活
動内容・学習内容のご紹介
●テニス部コスモス/テニス同好会若
葉/テイクバック・テニスサークル
合同テニス大会
●フランス語友の会:文集(創刊号~
26号)公開、写真による活動内容の
ご紹介
●シニアライフ研究会:活動内容のご
紹介
●スペイン語友の会:スペイン語によ
る旅行会話・歌唱、スペイン語圏世
界遺産ビデオ上映
●千葉コンピュータユーザーズ:基本
操作・文書作成などパソコン初心者
教室
●書道クラブ・翠乃会:メンバーの作
品展示
●海洋クラブ:ヨット模型展示、記録
ビデオ再生、ロープワークの基本指
導・応用
●中国語勉強会:日ごろの勉強会公開
●中南米文化研究同好会:ブラジルの
珍品展示、折り紙パズル作成、写真
展示
●フランス語初歩の会:テキスト・
レッスンのご紹介、パリぶらり旅の
写真・DVD公開
●空気をみるかい:即席絵画教室、メ
ンバーの作品展示
●男と女のやさしいフラダンス:やさ
しいフラダンス教室
●千葉同窓会:活動内容のご紹介、同
窓会誌配布、ご入会案内、実行委員
交流会
客員教授による模擬講義、サークルや同窓会有志による日ごろの活動のご紹介など、さまざまな
催しがございます。学生はもとより、市民の方々も、お誘い合わせのうえ、お出かけください。
ちばがく 第6号 [8]
第6号
平成21年9月
放送大学千葉学習センター
THE OPEN UNIVERSITY OF JAPAN
CHIBA STUDY CENTER
日本海に沈む夕日。新潟県村上市山北地区の海岸沿いを走っていたら、沈む夕日の美しさに思わず車
を止めて、シャッターを切りました。
写真:宮崎清
The more I learn, the more I realize I don’t know.
The more I realize I don’t know, the more I want to learn.
Albert Einstein:1879-1955
ちばがく 第6号 [1]
お知らせ・お願い
●千葉学習センターホームページが新しくなりました。
千葉学習センターでは、ホームページを新しくいたしました。全体の構成を整えるとともに、最新の情
報を載せています。ぜひ、ご覧になってください。「放送大学千葉学習センター」で開きます。
●本誌『ちばがく』の表紙写真等を募集しています。
『ちばがく』は、放送大学千葉学習センターの内外への広報誌として、大切に育て上げていきたいと考
えています。本年4月に第1号を発行し、本号が6号になります。
これまで『ちばがく』の表紙写真には本センター職員が撮影した写真等を使用してきましたが、今後は
学生諸氏が撮影された写真等を活用させていただきたいと思います。
季節の風景、人物など、さまざまな写真をお寄せください。デジタルカメラで撮影したデータを、CDRやUSBメモリー等で保存され、本センター窓口までお持ちください。『ちばがく』の表紙や記事、千
葉学習センターホームページ等で使用させていただきます。
ご協力のほど、よろしくお願いいたします。
●夏休みでの皆様のご経験など、ご寄稿ください。
夏季休暇中、皆さまは、国内外でさまざまな出会いをなさったことでしょう。皆さまの夏休みでのご経
験などを、どうぞお寄せください。ご寄稿は、miyazaki.kiyoshi@u-air.ac.jpまで。
「共修生」募集のご案内
共に学んでみませんか~「共修生」募集~
放送大学は、生活スタイルや目的に応じて、ご自分のペースで、「いつでも,どこでも,誰でも」学
ぶことができる通信制大学です。
千葉学習センターでは、本年度2学期(本年10月より来年1月)から、「共修生(きょうしゅうせ
い)」と称し、本学の正規授業である「面接授業」(教室等において担当教員が行う授業)を一般の
皆様が広く聴講できる機会を設けます。
「共修生」は、本学に在籍しなくても、千葉学習センターで開設される面接授業を聴講することがで
き、在学生と共に、お望みの知識・教養を深めていくことができます。
ただし、「共修生」が聴講できる面接授業は、在学生の科目登録終了後に空席(空き定員)がある科
目のみとなります。「面接授業」は1時間25分の授業8回で完結します。また、「共修生」には修得
単位をお出しすることはできません。
聴講料は,1科目あたり5,500円です。入学料は不要です。
詳細につきましては,千葉学習センター教務係へお問い合わせください。
問い合わせ先:放送大学 千葉学習センター
〒261-8586
千葉市美浜区若葉2-11
電話:043-298-4367
在学生の皆様へ
本学学生ではない一般の方々が「面接授業」を聴講できる制度「共修生」を本年2学期より開始しま
す。在学生も、一度修得した科目の再受講など、単位修得はできませんが、「共修生」として学習が
可能です。
「共修生」として受講される場合には、1科目あたり5,500円が必要です。
「共修生」制度のことを、ぜひ、友人・知人にご紹介ください。
放送大学に関する各種資料を無料でお送りします
放送大学に関する各種資料は、下記ホームページ、フリーダイヤルにて、お気軽にお申し込みくださ
い。無料でお届けいたします。
http://www.u-air.ac.jp
0120-864-600
ちばがく 第6号
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本年度1学期の面接授業「安全・安心な建築の構造」を終えて
野口博、和泉信之、高橋徹、原田幸博
年代は幅広い受講生ですが、教室に入ったときから講義が終わるまで、終始、
大変熱心な受講態度に感動しました。建築の鉄筋コンクリート(RC)構造の
基本と最近の魅力的なRC構造建物、さらには新素材を活用した超高強度鉄筋コ
ンクリート構造の開発研究の紹介など、質疑応答を交えながらの講義でしたが、
前向きの反応がすばらしく、充実した講義となりました。どうぞこれからも実
りのある学園生活をお過ごし下さい。(野口博)
本年度は最初と最後の面接授業を担当させていただきま
したが、最初の授業から受講される皆さんの学習意欲の
高さを感じました。私が説明いたしますと、私を見てし
っかりとうなずかれる年配の男性のかたや講義ノートに
熱心にメモをとられる女性のかたなど、受講態度はさま
ざまでしたが、皆さんたいへん熱心に学ばれていたと思
います。最後の授業終了後にも、多くのご質問をいただ
きました。一般の大学に比べて幅広い年齢層の皆さんに
受講していただきましたが、皆さんの学習に対する姿勢
のすばらしさを認識させていただきました。(和泉信之)
一番印象的だったのは受講生の皆さんの真剣な眼差しです。こちらの不手際も
あって資料の配布が後手に回ったせいもあったのかもしれませんが、真剣に
ノートを取る姿は千葉大の学生にも爪の垢を煎じて飲ませたいと思うほどでし
た。講義が終わってからはいろいろな質問もあり、久しぶりに充実した講義が
できたと感じた次第です。どうぞこれからも充実した学園生活をお過ごし下さ
い。(高橋徹)
私の担当する授業では、鉄骨建築の構造設計に関する話をしました。鉄骨に親
しみを持ってもらえるようにと思い、いくつか建築で使われる鋼材のサンプル
を持参することにしました。小さなサンプルとはいえ鉄のかたまりですから、
結構な重さになり持参するのは少々大変でしたが、受講生の皆さんに鋼材の強
さ、重さ、手触りを実感してもらうことで、耳慣れない鉄骨の話にも少しは興
味を持っていただけたのではないでしょうか? これからも皆さんが楽しみなが
ら学業を継続されることを期待いたします。(原田幸博)
今後の月例公開講座
10月17日(土) 蘭(ラン)を育て楽しむ 講師:山本忠(放送大学千葉学習センター客員教授)
15:30-17:00 於:放送大学附属図書館AVホール
11月8日(日)
映像のもつ力と深さ 講師:堂本暁子(前・千葉県知事)
15:30-17:00 於:放送大学附属図書館AVホール
12月6日(日) 外交に外交官はもういらないか?
講師:小森光夫(放送大学千葉学習センター客員教授)
15:30-17:00 於:放送大学附属図書館AVホール
12月20日(日) 年金改革の視点 講師:石弘光(放送大学学長)
15:30-17:00 於:放送大学附属図書館AVホール
放送大学千葉学習センターは、年代・職業・地域を問わずさまざまな方々が集い、学生と学生、学生と教職員
とが学習やサークル活動などを通じて日ごろから触れ合える場です。
放送大学 千葉学習センター
〒261-8586 千葉市美浜区若葉2丁目11番地
TEL.043(298)4367
FAX.043(298)4386
HOME PAGE:http://u-air.net/chiba/
ちばがく 第6号 [7]
本年度1学期の面接授業「政治学入門」を終えて
服部美樹
千葉学習センターで学ばれている皆さん、こんにちは。8月30日に実施された衆議院議員総選挙の
結果が政権交代を呼び込み、有権者の一人として、社会の大きな転換点に立っていると実感している
方も多いのではないでしょうか。
政治学は斜陽産業などといわれます。法律学や経済学のように、実際生活に役立つわけではなく、
だからといって教養を高めるわけでもない。そうした点が不人気の一因かもしれません。しかし何よ
りも、長年にわたる政治に対する失望感がその最大の要因であったように思います。
こうしたなか、皆さんが積極的に参加してくれる面接授業を担当することは、私にとっていつも大
きな喜びです。のみならず、それは私にとっても学びの場であり続けています。年齢を重ねた受講生
のご意見や質問には、知恵や重みを感じます。また、若い方からは、ときに斬新で思いもよらない質
問が飛び出し、「目からウロコが落ちる」経験もしばしばです。政治の転換とともに、政治学への関
心が深まってくれることを願います。
ところで、古代ギリシアの政治学者アリストテレスの有名な言葉に、「政治学は大人の学問だ」と
いうものがあります。ここでいう「大人」とは、次のようなことを意味します。まず、政治学が「知
識」だけの学ではなく、「知恵」と「思考」の学だということ。したがって、政治学は、年齢、性別、
職業など一切問わず、誰もが各々の観点から学ぶことができる学です。次に、「経験」です。経験は、
自分でものを見、考える力を培ってくれます。政治学の学習に必要なのは、まさにこのようなみさん
がお持ちの力です。
また、政治学の特徴は、さまざまな周辺諸学とかかわるという点にあります。例えば年金、貧困、
少子高齢問題は社会学と、投票行動は心理学と、政治モラルの問題は倫理学や哲学と密接に結びつい
ています。すでにいろいろな科目を履修している方は、ぜひその知見を政治学の勉強で発揮してほし
いと思います。その逆に、政治学を履修した方は、関連する諸学に新たな視点からチャレンジしてく
ださい。
千葉学習センターが、また政治学入門が、皆さんにとって有意義な学びの場となり、皆さんのいき
いきとした意欲に応えることができるように、私も一層の研鑽を積みたいと思います。
ぜひ授業でお目にかかりましょう!
2009年度1学期面接授業を終えて
島村賢一
本年度1学期、私は社会学入門、現代社会論、社会調査実習A1・
A2の3科目を担当しました。
社会学入門は全部で約20名の方が受講されましたが、今回は特に
「はじめて社会学を勉強する」という方が半数以上と多かったのが特
徴です。ちなみに私の授業では講師からの一方通行にならないように、
最初に受講生の方に「今までなんらかのかたちで社会学の勉強をした
ことがあるか」「この科目を受講される動機は何か」の2点を聞くこと
にしています。それを踏まえて「社会学とはどういう学問か」を具体
的に説明しました。さらに社会学の歴史を非常に圧縮したかたちで紹
介しました。しかし、このような理論的、歴史的なことだけではなく、
社会学が身近な生活にも役に立つ実践的な学問であることを理解して
いただくために、社会調査についての講義も行いました。今回も社会
調査の話に一番関心をもたれていらっしゃる方が多かったように思いま
す。最後に社会学の基本的な考え方を説明しました。この講義を通じて、受講生の方が社会学にさらに
興味をもたれたら幸いです。
現代社会論は、全部で24名の方が受講されました。この講義では受講生の方に最初に「現代社会の
特にどういう点に関心があるか」を聞きました。回答は主に、グローバル化、格差社会、情報化、ジェ
ンダー、少子高齢化、働き方の変化といったものでした。これはシラバスに私が書いていたことと重な
り、グローバル化、家族とジェンダー、少子高齢化、労働世界の変容と格差社会、民族問題とエスニシ
ティ、世界リスク社会論といった順序で講義をしました。基本的な論点を押さえ、今後の政策的課題に
ついても言及しましたが、不十分な点については、今後、私もさらに研鑚を積んでいく所存です。
社会調査実習A1・A2は受講生が6名と少人数でしたが、その分各自に十分な演習と発表の機会が与
えられました。各自の実習課題は「身近な人の生活史を聞き取り、テープ起こしをし、分析し、レポー
トにし、発表する」というものです。そのために各種インタヴューの演習を行い、さらには文章表現の
基本や生活史分析のための略年表の作り方等を学習しました。「テープ起こしが思ったより大変だっ
た」と声もありましたが、受講生全員が的確なレポートを作成され、発表されたことは講師としても非
常に嬉しく思っています。さらに実習を通じて皆さんの間に学びの輪ができたことも喜びでした。
ちばがく 第6号 [6]
平成20年度第1学期面接授業を終えて : 担当講師からのメッセージ
平成20年度第1学期の千葉学習センターにおける面接授業は、4月19日に始まり8月17日に終了
いたしました。
授業をご担当いただいた先生方から、授業を終えてのご感想をいただいております。到着順に、ご
紹介します。学生諸氏へのメッセージが綴られておりますので、お目通しください。
初めての面接授業「昆虫の世界をのぞく」を終えて
京都大学農学研究科教授
天野洋
千葉学習センター長から面接授業講師の依頼を受けた時は、まだ千葉大学に勤務していました。そ
れこそ、本広報誌名でもある「ちばがく」を盛り上げようとの思いで、喜んでお引き受けした次第で
す。その後、急な異動で京都の地に住むことになりましたが、初めての面接授業を楽しみに千葉まで
里帰りし、昆虫やダニの世界を紹介させていただきました。
「住めば都」とは言いますが、関東圏それも千葉・埼玉・神奈川県ほど施設や情報網が整備された
地区は少ないと思います。本学習センターも例外ではありません。受講する方々にはわかりづらいか
も知れませんが、これ程のセンターは何処にでもあるとは限りません。どうか、良い教育環境のなか
で存分に学習意欲をのばして下さい。
授業後のレポートで、多くの方々から「昆虫の世界をのぞく」
という授業名で「ダニの世界ものぞく」とは思ってもいなかっ
た・・と称賛(!?)のコメントをいただきました。何時、何処で、
思いもよらない出来事や新しい知識に遭遇するか、私たちには予
想もできませんね。一期一会。ダニの世界もその1つになったの
では? 受講生には正に「晴天の霹靂」だったかも知れませんが、
新しい知識に出会った時に、どうか新しい革袋を準備して整理整
頓して納めて下さい。皆さんにとっては知識だけでなく、人生そ
のものが広く開かれるかも知れません。
受講生の皆さんの学習センターライフはまだまだ続くと思いま
すが、どうか金属疲労を起こすことなく持続的な学習成果の蓄積
をなさって下さい。疲れた時には、皆さんの周りに広がる「昆虫
の世界」でも覗いてみて下さい。
本年度1学期の面接授業「ヨーロッパ国際政治史」を終えて
芝崎祐典
20世紀に入って学問は専門細分化が進み、そのメリットとして今まで解明できなかったことが解明
されるようになりました。その反面、専門を越境する研究は批判の対象となり、かつてと比べると学
問から大局的な視点が失われつつあります。
しかし、市民社会が健全であり続けるためには、巨視的視点と微視的視点の均衡がとれている必要
があると私は考えています。私が普段身を置いている学問の世界に限ってみても、専門分化が進んだ
結果、それらを互いにつなぐ「知」が薄れ、さまざまなものごとがばらばらになってきている状況が
あるように感じます。これが社会の他の分野にも及んでいるとしたら、人びとは互いに分断化され、
得体の知れない独裁的な権力が生み出されても、それに抵抗できないという危険を招き寄せてしまう
ということになります。それゆえに、いまこそ学問に「大きな視点」を再び取り戻すときが来ている
と私は考えています。
本年度の面接授業は、これまでに引き続きヨーロッパ国際政治史を担当させていただきました。17
世紀から20世紀中葉までの具体的な国際政治の歴史を扱う内容です。近代の国際政治をヨーロッパか
らの視点に限定しながらも、可能な限り大きな視点で国際秩序の把握を試みるものです。放送大学の
学生さんは、いずれもさまざまな分野の実務知、経験知、教養知をお持ちの方々です。その皆さんの
特性を生かせるように、講義内容は細かな学説や専門知識の集積の提示ではなく、「大きな視点」を
意識できるものになるよう努めました。とはいえ、なかなかうまい具合にはいきません。
しかし、講義で実際に学生さんに接してみて、特に質疑応答を通じて、まさに全体的視点と専門的
視点の均衡をとりながら勉学を進めている方が数多くいらっしゃることを発見しました。皆さんの勉
学に向かう姿勢は、専門分化が過度に進み全体知を失ったアカデミズムに修正を加え、21世紀の学問
のあり方の一つの基礎を築くものになるだろうと感じています。その意味で、毎回、面接授業を通じ
て学生さんから大いなる知的刺激をいただくことを楽しみにしております。
ちばがく 第6号 [3]
面接授業「惑星Xを求めて」を終えて
木下宙
放送大学の非常勤講師として面接授業を担当してかれこれ10年になろ
うとしている。大学では私の専門とする天体力学を講義していた。学生数
は少なく講義するテーマを選び準備するのには苦労した記憶はない。しか
しながら、放送大学の面接授業の準備は非常にとまどいを覚え、時間がか
かった。それは、受講生の年齢構成が幅広い(10代後半から70才を超え
る)ことと、単位取得を目的とする人から教養を高めることを目的とする
人まで幅広いことに起因する。
初期のシラバスから現在のシラバスへは試行錯誤で変遷を遂げてきた。
いまでは最新の知見を取り入れ、新聞、テレビなどで報道される宇宙に関
する情報を正しく理解することができるような講義をすることを目的とす
るようにしている。最新の成果を取り入れるに際しては、孫引きではなく
原典に当たることを原則としている。最新の成果を知るために、月に1回
から2回私の元職場で若い世代が開いている論文紹介セミナーに参加して
いる。このセミナーでは主要な天文学関連の雑誌10数誌を分担して、そ
れに掲載されている力学、惑星科学に関連した論文を紹介している。
私はScience という米国の自然科学分野を取り扱っている週刊誌を担当している。このセミナーで
紹介された論文で興味を覚えると読むことにしている。このようにして放送大学での講義に関連する分
野での最新成果を知ることができる。毎年同じタイトルで面接授業をしているが、毎年少しずつ内容は
変化しているのである。「X惑星を求めて」の主要テーマである「系外惑星―太陽以外の恒星の惑星発
見」はこの10年で大きく変わった。例えば、この講義を始めた頃には系外惑星の直接観測は不可能と
いっていたが、現在では赤外線による直接観測が可能になった。また、「宇宙を測る」での観測可能な
銀河までの距離は飛躍的に遠くなり、「すばる」望遠鏡がこの分野では大きな貢献をしている。
受講生の皆様からの質問は主として新聞、テレビからの情報で、その報道は最新の成果に基づいてい
るので、講師自身も最新の知見に目をひからしておかねばならない。この意味で皆様からの質問は講師
への励ましともなるので、どしどし遠慮なく質問されることを期待している。
面接授業「初めての韓国語:発音編」を終えて
担当 千惠蘭
アンニョンハセヨ !
私が千葉学習センターで韓国語の面接授業を担当することに
なって四年半が経ちました。2006年からは東京足立学習セ
ンターの講義も担当することになり、正確に数えたことはあ
りませんが、おおよそ700人以上の学生が私から韓国語を学
んだことになります。
今学期もたくさんの方々が「初めての韓国語:発音編」の
授業に参加して下さいました。この授業は韓国語の文字であ
るハングルとその発音の習得に重点を置き、初歩の段階から
正しい発音を覚え、初心者が継続して韓国語の勉強ができる
ように、基礎を徹底的に教えることを目標にしました。授業
では発音の練習を繰り返し、文字の書き方は宿題とさせてい
ただきましたが、熱意の伝わる提出物には感激することもた
びたびでした。
授業のなかで受講生によく聞かれることがあります。どの
ようにすれば発音(特に母音)の区別ができるのかというこ
とですが、一つひとつの母音の口の開け方をしっかり守って
発音すれば自ずと正しい発音になると説明しています。先日、
テレビ放送で劇団四季の俳優たちが講師になって、小学生たちに綺麗な日本語の話し方を教えるボラン
ティア活動をしていると紹介している番組を観ました。そこでも強調されたのが、日本語の母音である
「あいうえお」の五つの母音の口の開け方をしっかり守って発音することが大切であるということでし
た。韓国語も同じです。受講して下さった皆さんにも伝わったならば幸いです。
「千里の道も一歩より」と言います。韓国語の初めの一歩をご一緒できたことをとても嬉しく思って
おります。
ちばがく 第6号 [4]
本年度1学期の面接授業「子どもの安全なまちづくり」を終えて
中村攻
子どもたちを犯罪の危険から守っていくという極めて実際的で今日的な学習課題は、放送大学のよう
なさまざまな年齢や職業の学生が学びあう大学には有効な学習テーマである。年齢や職業(学生)もほとん
ど同じ一般の大学よりも、問題の捉え方や討論の幅も広く、学習課題に対して有効なアプローチがみら
れる。
子育て中の母親にとっては喫急の課題であり、高齢者にとってはこれから始める地域貢献への重要な
示唆を与えてくれるものであり、教師や公務員には仕事上求められる素養であり、こうしたものへのス
タートに立とうとしている若者にとっても同質者との学習を遥かに超えた収穫がある。
授業は前半で基本的な知識を講義形式で行い、後半は具体的なテーマについて5人程度のチームに分
かれて共同作業と討論を繰り返し、最後に成果の発表と講評を行う。生徒と教師の双方向の事業であり、
放送大学ならではの特質を生かした、楽しくて有効な雰囲気のなかで進行した。
本年度1学期 「はじめてのフランス語」の授業を終えて
仲島陽一
仲島先生所属のキャンパスにて撮影
今年から新装開店した授業で、より入りやすいかたちになったと思います。
大学生たるもの、英語以外の外国語も(フランス語でなくても)ぜひ学びたいものです。
初習外国語で最も大事なことは大きな声を出すことであり、学習一般で大事なことは間違いを恐れな
いことです。むしろ間違うのが学習だと割り切って、大きな声で発音したり、読んだりしましょう。
そもそも私たちは日本語をそれほど正しい文法や発声で使っているでしょうか。もちろんそれがいい
と言っているわけではありませんが。
そして、中級以上の人に言えば、人は母国語以上に外国語ができることは不可能です。何を専門にす
るにせよ、たくさんの本や新聞雑誌をしかるべく読むことは、学生の基本です。自習、放送授業、面接
授業とバランスよく努めてください。
面接は個人的な刺激が得られたり、水準や関心によりあった授業を受けられたりする機会があります。
ちばがく 第6号 [5]