『ヘッダ・ガブラー』プレスリリース(PDFファイル

Press Release
作:ヘンリック・イプセン
上演台本:笹部博司
演出:古川貴義
【公演日時】
2009年7月8日(水) - 7月14日(火)
赤坂RED/THEATER
【公演・取材に関するお問い合わせ】
ゴーチ・ブラザーズ(担当:新藤)
TEL:03-5465-1656
FAX:03-5465-1664
後援:TBSラジオ / NACK5 制作:ゴーチ・ブラザーズ 主催/企画/製作:メジャーリーグ
企画概要
2009年3月までNY・ブロードウェイでも絶賛上演されていたヘンリック・イプセンの「ヘッダ・ガブラー」。
ヒト
約120年前の戯曲でありながら、まったく古臭さを感じさせず「いるいる、こんな女」と笑ってしまう作品。
何百年も前から人間の本質は変わりません。だからこそ、今の自分にも当てはまるヘッダの思いに共感してしまう。
息苦しい、本音で人と向き合えない、窮屈だ、と思っているあなたへの生きるヒントが「ヘッダ・ガブラー」にはあります。
2009年7月、赤坂で「ヘッダ・ガブラー」を観て、ちょっとだけ、あなたの人生観を変えてみません?
好き勝手に生きていたいのです。 自分の思ったとおりに、感じたとおりに。
わがままが許される場所に行きたいし、居たい。
そう思えることこそが、本当に自由だってことなんだろう。
ヘッダ・ガブラーは、自由だ。私は、こういう女性が大好きである。だが絶対に、お付き合いはしたくないタイプだ。友達でいた
い。この人の話をずっと聴いていたい。この人の行動をずっと眺めていたい。ところが、こういう人に限って、それを許してくれな
い。どんどん侵食してくる。
そうやって侵食されてしまった男が、3人いる。まんまと結婚してしまったテスマン。侵食されていないつもりのブラック判事。
希望の光でもあったレェーヴボルク。侵食されてしまった女までいる。立場も境遇も違うエルヴステード婦人。彼らは、ヘッダ・ガ
ブラーによって運命を左右されてしまう…。
が、実は、そんなことはない。各々が各々の意思の元に行動しているだけなのである。誰かに影響を受けているように見えて
も、それを選んだのは当人自身。人はどこまで行っても、「個人」でしかないのだ。にも関わらず、彼女が侵食してくる理由は何
だろう。そこに言いようのない魅力を感じてしまうのは何故なのだろう。
ヘッダ・ガブラーは、自由だ。絶望とは無縁に思えるほど、とことん自由である。だからこそ、不自由だと思わざるを得ない。こ
こに、絶望がある。希望が全て満たされたという絶望的な状態で、では彼女は一体、何を求めていたのだろうか。
一般論として、現代日本では、余程のことがない限り突然死ぬことはない。食うに困る事もなく、国際紛争に巻き込まれること
もない。着る物だって住む場所だって、お金を稼ぐ方法だっていくらでもある。世界的に見れば、はなから自由なのである。高望
みするから、不自由さばかりが目に付くのだ。ではあなたは一体、何を求めているのだろうか。
ヘッダ・ガブラー。彼女の生きた時代、彼女の生きた環境は、私達の生きる時代、私達の生きる環境とはまるで違う。ただ、状
況だけは似ている。そして人間は、全く変わっていない。こんな時代に生きる私達は一体、何を求めていくのだろうか。
詳しく聴かせて欲しい。詳らかに教えて欲しい。もちろん、友達として、だ。
演出
古川貴義
今、ニューヨークで大ヒット中なのが、このイプセンの「ヘッダ・ガブラー」、客席は大爆笑で沸きに沸いているとのこと。
これまで、イプセンというと深刻で暗くて、救いがないと言われ続けてきた。
実はそれを払拭したいと、この芝居を企画した。
そしてニューヨークの評判を聞くと、「あれ、やられた」と思うと同時に「わが意を得たり」とも思った。
ヘッダは自分勝手で我儘な女である。
しかしどこか天然で、自由奔放とも言えなくはない。
その女の元に集まる男が、どこかお馬鹿で間抜けである。
そしてもう一人の女もどこか素っ頓狂で、いささか狂っている。
これで喜劇にならないはずはない。
周りにこんな女がいたら、迷惑千万、ヘキエキするかもしれないけれど、
檻の中にいて鑑賞するなら、結構な見世物で、なかなか楽しめる。
この極めつけの悪女を演じるのが、小沢真珠。
反省なんかしないで、見ている人の気持ちがスキッとするくらい、
やりたい放題をやって欲しいと、注文を出したおいた。
「野鴨」「ちっちゃなエイヨルフ」に続く、メジャーリーグ、イプセンの第三弾である。
今回のテーマは、笑えて愉快なイプセンといったところか。
上演台本
笹部博司
ヘッダ・ガブラーとは?
【あらすじ】
ヘッダは悪い女である。
ヘッダはひどい女である。
ヘッダは無茶苦茶な女である。
彼女の言動を見ていると、そうとしかいいようがない。
ヘッダはわがままで自分中心的な子供である。
誰からも無条件で愛されることを望み、自分から愛することはない。
そして退屈しのぎに、人の運命を玩具のようにもてあそぶ。
舞台は、ガブラー将軍の娘ヘッダとその夫、学者のテスマンの新居。
新婚旅行から帰ったばかりの二人のもとを訪れてきたのは
ヘッダに思いを寄せ、その微妙な関係を楽しんでいるブラック判事。
そしてテスマンのライバルであり、ヘッダが唯一特別な感情を抱いた、レェーヴボルク。
そのレェーヴボルクを追いかけてやってきた、かつての友人、エルヴステード夫人。
彼らはみな、自分の思うがままに奔放に生きるヘッダにその運命を振り回されることになる。
しかし、この物語の結末は“ヘッダの死“という形で突然訪れる。
なぜヘッダは、その時、自らの命を絶つことですべてに突然幕を下ろしたのだろうか・・。
【ヘッダ・ガブラーとは?】
『へッダ・ガブラー』とは近代演劇の創始者「ヘンリック・イプセン」が外国生活中に出版した最後の作品であり、1890年にミュン
ヘンで執筆されました。また、その作品に登場するガブラー将軍の娘、ヘッダの正式な名前でもあります。
イプセンは執筆の最後になって、題名を『ヘッダ』から『ヘッダ・ガブラー』へと変更しました。なぜ「ヘッダ・テスマン」でなく「ヘッ
ダ・ガブラー」としたか、その理由については、戯曲のフランス語翻訳者に宛てた1890年12月4日付の手紙でこのように述べて
います。
「こうすることによって、夫の妻というよりは、父親の娘としての彼女を描きたかったのです。」
同じ手紙の後半でイプセンはこのようにも書いています。
「この作品で、私はいわゆる問題を扱おうとはしませんでした。作品の制作意図は主として、人間そのもの、人の気持ち、人の
運命というものを描くことで、社会の普通の人々が置かれている状況や、彼らの一般的な考えに基づいて、それらを描こうと
いうものです。」
『ヘッダ・ガブラー』は1891年1月31日にミュンヘンの宮廷劇場 (Residenztheater) で初めて上演されました。最初の夜, イプ
センも観劇しましたが、ヘッダ役の女優の演技が大げさすぎるという理由で、気に入らなかったと言われています。批評家た
ちの批評は控えめで、観客の反応もさまざまでした。
その後、この作品は短期間に多数の劇場で上演されました。
また最近では2009年1月25日~3月29日までNYのブロードウェイにてストレートプレイにて
上演され好評を博しました。劇場はAMERICAN AIRLINES THEATRE、上演団体は
Roundabout Theatre Company。
≪ヘッダ・ガブラー 批評≫
http://www.theatermania.com/broadway/news/01-2009/when-sparks-fly_17121.html
イプセンの言うように、「ヘッダ・ガブラー」という作品には人間そのもの、人の気持ち、人の運命
というものがより鮮明に描かれています。奇しくも2009年にNYと東京でヘッダ・ガブラーが甦り
ます。この何とも言えないシンクロニシティももしかしたら「ヘッダ・ガブラー」の運命だったのかも
しれません。
こんな現在だからこそ、ぜひ一度味わって頂きたい作品。
「ヘッダ・ガブラー」とはそういう戯曲です。
「ヘッダ・ガブラー」のチラシ in NY
Cast
あらゆる男、いや女すら魅了してやまないヘッダ・ガブラー
自由奔放ゆえに不自由・・・
イプセン戯曲の中でも最高峰の「ヘッダ・ガブラー」に
4年ぶりに舞台に還ってくる 小沢真珠が挑む!!!
山本 亨、伊達 暁、町田マリー、小野哲史との競演にも期待!
小沢真珠/
小沢真珠/Maju Ozawa
1993年「神様の罪滅ぼし」(TBS)でドラマデビュー。数々のドラマに出演し、個性豊かな役柄
を見事に演じる、その情熱的な演技は作品に欠かせない存在となる。1995年には「ろくでなし
ブルース」にて映画へ進出。そして、1998年に「こどもの一生」(作:中島らも、演出:G2)で舞
台へも進出する。その後も、ミュージカル「新ピーターパン」(演出:釜紹人)、「陽のあたる教
室」(脚本:砂本量、演出:吉川徹)、「カフカズ・ディック」(脚本・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッ
チ)、「おじいちゃんの夏」(作・演出:G2)、「男性の好きなスポーツ」(作・演出:ケラリーノ・サ
ンドロヴィッチ)と舞台にも多く出演。2004年に「牡丹と薔薇」(CX)にて迫力あるイジメ役で人
気となり、そのキャラクターを活かしてバラエティ番組等でも活躍するようになった。2009年3
月からはTVCM「CR天才バカボン41才の春だから “ドラマ篇“」が放映されており、そのコミカ
ルな扮装が話題となっている。
伊達 暁/Satoru Date
1996年「阿佐ヶ谷スパイダース」の旗揚げより参加、長塚作品の中心的役割を担う。近作に
『欲望という名の電車』(作/テネシー・ウィリアムス 演出/鈴木勝秀)、『冬の絵空』(作/小松
純也 演出/鈴木勝秀)、真心一座身も心も『獣たちの夜』(作/千葉雅子 演出/河原雅彦)な
どがある。またTX『週刊真木よう子』、NHK『星新一ショートショート』、CX『SP』、映画『遠くの空
に消えた』、ラジオCM「ハウスメイト」など多方面で活躍している。どこからともなく深く響いてく
る声と鋭い目線が印象的。
Cast
町田マリー
町田マリー/
マリー/Marie Machida
立教大学在学中、江本純子と毛皮族を旗揚げ。看板女優として活躍。近作に「尋常人間
ZERO」(作・演出/鈴木おさむ)、the company「バーム・イン・ギリヤド」(演出/ロバート・アラン・
アッカーマン)、「PW」(作・演出/鐘下辰男)などがある。また、NHK「エル・ポポラッチがゆく」、
TBS「ドリアンガールズ」や、TX「週刊真木よう子~おんな任侠筋子肌」、CX「33分探偵」、NHK
「白洲次郎」などのドラマ出演、WOWOW「プルミエール」ではナレーションとしてレギュラー出演
するなど多方面で活躍している。
小野哲史/
小野哲史/Satoshi Ono
1980年、東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、2006年10月、演出・古川貴義主宰
の劇団 箱庭円舞曲 「実家に帰ります」に出演し、その後正式に劇団員となり以後全ての公
演に出演。天才肌のアートディレクターから、知能障害の青年など、演じるキャラクターの幅は
広く、その安定感のある演技には定評がある。箱庭円舞曲の公演だけではなく、他劇団から
の客演のオファーも多く、小劇場を中心に活躍している。
山本 亨/Akira Yamamoto
1974年ジャパンアクションクラブ入団。坂東玉三郎演出「なよたけ」等の舞台に出演。1990年、
つかこうへい氏と出会い「幕末純情伝」再演で岡田以蔵役に抜擢されて、話題を呼ぶ。以降
「飛龍伝92」「蒲田行進曲完結編銀ちゃんが逝く」等続々と出演、つか作品の顔となる。1996
年tptの門井氏と出会い、以降tptを中心に、 劇団☆新感線「髑髏城の七人」(演出:いのうえひ
でのり)、阿佐ヶ谷スパイダース「桜飛沫」(作・演出:長塚圭史)、R.U.P「何日君再来」など舞
台俳優として多彩な活動を続けている。2009年も「RICHARDIII」(演出:いのうえひでのり)、
モダンスイマーズ「トワイライツ」(作・演出:蓬莱竜太)、R.U.P「御用牙」(作:竹内祐、演出:内
藤裕敬)と、立て続けに話題の舞台に出演、日本の演劇シーンに欠くことのできない俳優の一
人である。
Staff
昨今、演劇界のみならず映画、音楽、小説の世界でも
30代半ば~後半のクリエーターの活躍が華々しい
その状況にありながら、次代の才能 早くも宣戦布告!
イプセン戯曲「ヘッダ・ガブラー」を古川貴義はどう読み解く?!
自身の劇団「箱庭円舞曲」においても評価の高い古川演出に期待!
【演出】
演出】
古川貴義/
古川貴義/Takayoshi Furukawa
1980年福島県出身。日本大学芸術学部演劇学科在学中に、「箱庭円舞曲」を旗揚げ。
「シュールなリアリズム」を作風として揚げ、観劇後の日常にふとよぎるような作品を、
年に1、2本のペースで次々と上演。そのすべてにおいて、作・演出そして前説を担当している。
“無意識の悪意”を抱えた人物たちが繰り広げる物語は、居心地の悪い爽快感をもたらし、
観客の日常へじっとりと侵食する。この独特の感覚は中毒症状を引き起こすらしく、
公演を重ねるごとにじわじわと患者が増殖中。
演出のみを担当するのは実は今回が初である。
関係性とその空気で笑いを生み出しつつも、いつの間にか観る者の内面に突き刺さり、
意識の裏側からえぐる。そんな独自の芝居作りに、今、期待が集まっている。
【上演台本】
上演台本】
笹部博司/
笹部博司/Hiroshi Sasabe
兵庫県姫路市出身。1977年に演劇・戯曲を専門とする出版社「劇書房」を設立。
海外のベストプレイシリーズ、寺山修司戯曲集などを出版する。
次第に、自社で出版した作品を製作し上演するようになり、1990年に演劇製作会社「メ
ジャーリーグ」を設立。主な作品に、江守徹「審判」、大竹しのぶ「奇跡の人」、三国連太郎「ド
レッサー」、西城秀樹・鳳欄・市村正親「ラヴ」、南果歩「幻の光」、天海祐希「ピエタ」、古田新
太・生瀬勝久「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」などがあげられる。
1990年から2004年までマネージャーをつとめた白石加代子の作品では、武田真治(初
演)・藤原竜也(再演)「身毒丸」、麻実れい「メアリー・スチュアート」、蜷川幸雄演出「グリーク
ス」(上演時間9時間のギリシャ劇)、白石加代子「百物語」シリーズ、白石加代子の「源氏物
語」などがある。
最近は、戯曲や小説を自身でテキレジして上演台本を作成、上演。安寿ミラ「ハムレット」・「モ
ンテクリスト伯」、大地真央「トスカ」、ミュージカル「クラリモンド」、舘形比呂一「カスパー」など。
新潟市民芸術文化会館(りゅーとぴあ)の演劇部門芸術監督も勤めている。
また、2007年4月より、兵庫県立芸術文化センターの演劇部門チーフプロデューサーに就任。
自らの企画・上演台本作品の製作に意欲を燃やしている。
公演概要
【公演】
ヘッダ・ガブラー
【会場】
赤坂RED/THEATER
【日程】
2009年7月8日(水)〜7月14日(火) 全9ステージ
8日
日
(水
水)
11日
日
(土
土)
12日
日
(日 )
14:00
○
○
19:00
○
19:30
○
9日
日
(木
木)
☆
10日
日
(金
金)
○
13日
日
(月 )
14日
14日
(火
火)
○
○
○
7月9日(木) 終演後アフタートークあり
トークゲスト:タニノクロウ(庭劇団ペニノ)
【料金】
前売り:¥4500(全席指定)
【前売発売日】
5/23(土)発売
【作】
【上演台本】
【演出】
ヘンリック・イプセン
笹部博司
古川貴義
【出演】
小沢真珠/伊達 暁/町田マリー/小野哲史/山本 亨
【スタッフ】
美術:伊藤雅子
照明:工藤雅弘
音響:岡田 悠
衣裳:友好まり子
舞台監督:大島明子
制作助手:時田曜子
制作:斎藤 努
プロデュース:伊藤達哉
主催/企画/製作:メジャー・リーグ
【チケット取り扱い】
・ゴーチ・ブラザーズ
http://www.hedda-gabler.net
03-3466-0944 (平日11:00~19:00)
・e+(イープラス)
http://eplus.jp (PC&携帯)
・チケットぴあ
http://t.pia.jp (PC&携帯)
0570-02-9999 (Pコード:394-084)
・ローソンチケット
http://l-tike.com (PC&携帯)
0570-084-003 (Lコード:34853)
0570-000-407 (オペレーター対応)
【劇場】
赤坂RED/THEATER
〒107-0052
東京都港区赤坂3-10-9 赤坂グランベルホテルB2F
TEL:03-5575-3474
≪アクセス≫
丸の内線・銀座線「赤坂見附」駅 ベルビー側出口 徒歩2分
千代田線「赤坂」駅 2番出口 徒歩6分
赤坂RED/THEATERは客席数173席と劇場規模として
は小劇場ですが、黒地のシックな内装や年配の方が長
時間座っていても疲れないようにという思いからすべて
特注で作られた座席など、幅広い年齢層、特に中高年に
も向けていこうという思いがうかがえる、下北沢とはまた
違ったタイプの“大人の小劇場”です。