心理学理論と心理 - 兵庫県社会福祉士会

2016 年 9 月 4 日
2016 年度社会福祉士・精神保健福祉士 国家試験受験対策講座
「心理学理論と心理的支援」
講師 河野 淳子
〇過去 5 年間の傾向
大項目
人の心理学的理解
中項目
心と脳
回数
情動・情緒
1
欲求・動機づ
感覚・知覚・ 学習・記憶・ 知能・創造性
けと行動
認知
0
2
人格・性格
集団
適応
人と環境
思考
2
3
0
1
大項目
人の成長・発達と心理
中項目
発達の概念(定義・段階・課題・生涯発達・アタッチメント・アイデンティティ、喪失体験、その他)
回数
3
3
1
4
大項目
日常生活と心の健康
中項目
ストレスとストレッサー(ストレッサー、コーピング、ストレス症状、ストレスマネジメント)
回数
4
大項目
心理的支援の方法
中項目
心理検査の概要(人格検査、
カウンセリングの概念と範囲(目
カウンセリングとソーシ
心理療法の概要と実際(精神分析・遊戯療法・
発達検査、知能検査、適性検
的・対象・方法)
、ピアカウンセ
ャルワークとの関係
行動療法・家族療法、ブリーフ・サイコセラピ
査)
リング
回数
ー、心理劇・動作療法・SST、臨床心理士)
1
3
1
5
〇心理学理論と心理的支援(第 3 版)まとめ
<心理学の歴史>
1.哲学から心理学へ
プラトン
心身二元論
アリストテレス
デカルト
ロック
バークリー、ヒューム
De Animar(霊魂論)著
心身二元論(我思う=意識)
存在=知覚
連合主義心理学
ヴント
デューイ、エンジェル
内観心理学、構成主義心理学、実験心理学の確立
機能主義心理学
2.心理学三つの源流
・精神分析:S.フロイト;トラウマ、イド(エス)
・スーパーエゴ(超自我)
・エゴ(自我)
後継者
;アドラー、ユング、クライン、フロム
・行動主義:パヴロフ;レスポンデント条件づけ(古典的条件づけ:犬の唾液実験)
ワトソン;S-R(刺激―反応心理学)
、事実=客観的に観察可能
ハル
行動を生後の
学習で説明
;動因低減説
トールマン;サイン・ゲシュタルト(学習=刺激をサインとしていかに認知するか)
スキナー;オペラント条件付け(道具的条件づけ)
・ゲシュタルト心理学:ヴェルトハイマー、コフカ;全体は一つのまとまりや独自性を持つ(要素の寄せ集めではない)
3.現代の心理学
情報処理理論・一般システム論の影響、理論的・手法的融合へ
源流からの発展:来談者中心療法(ロジャース)
、家族療法、動作法(成瀬悟策)
、受容的交流療法(石井哲夫)
1
<人格・性格(パーソナリティ・キャラクター)>
*S.フロイトの精神構造:超自我
;教育、価値観の影響を受け、自我に圧力をかける
自我
;意識・無意識両方に属し、超自我とエスの現実的調整を行う
エス(イド)
;無意識に属する本能的衝動、快楽原則が支配する
*類型論=人を型に分ける、特性論=特性という要素(の高低)の組み合わせ
クレッチマー
類型論
特性論
細長型
統合失調症 非社交的、きまじめ、臆病、神経質、従順、鈍感、無関心等
肥満型
躁うつ病
社交的、全量、陽気、活発、激しやすい、物静か、鈍重等
闘士型
てんかん
几帳面、執着性、粘り強い、怒りやすい等
ユング
内向性・外向性
オルポート
共通特性(すべての人が持つ)
・個人的特性(その人だけが持つ)
ギルフォード
10 因子(因子分析によるデータ解析)
ビッグファイブ(外向性、神経症的傾向、開放性、協調性、誠実性)
<人格検査>
*質問紙法=質問への回答を量的に分析、投影法=表現したもの(絵の解釈、絵そのもの、文章)を分析
*一つテストで判ることには限界がある=テストバッテリーの必要性
MMPI(ミネソタ多面式人 精神医学的検査の客観化、集団・個別施行可能、550 項目(多方向)
格目録)
東大式エゴグラム(TEG) 5 つの自我状態への分類、エネルギー量の高低をグラフ化
矢田部ギルフォード性格 ギルフォードの理論に基づき矢田部達郎らが作成
検査(YGPI)
5 つの特性に分類:A 型;平均型
B 型;情緒不安定・不適応・活動積極型
C 型;情緒不安定・適応・活動消極型
D 型;情緒安定・活動積極型
質問紙法
E 型;情緒不安定・活動積極型
CMI(コーネル・メディカ 心身両面の自覚症状のチェック(男女で項目数に違い)
ル・インデックス)
神経症判別図(身体を縦軸、精神を横軸)の作成
FFPQ(5 因子性格検査) ビッグファイブ理論に基づく
ロールシャッハ・テスト
ロールシャッハにより作成、10 枚の図版(インクのシミ)の見え方
TAT(主題統覚検査/絵画 モルガンとマレーにより作成(欲求―圧力理論:行動要因は内的欲求と環境
統覚検査)
からの圧力によるもの)
、31 枚の図版から 21 枚を選択し自由に物語る
バウムテスト
投影法
コッホにより考案、被験者の書いた「1 本の実のなる樹」の解釈
P-F スタディ(絵画・欲求 ローゼンツァイクにより考案、欲求不満場面への反応を選択
不満検査)
3 つの攻撃型と反応型に分類
:外罰・内罰・無罰、障害優位型・自我防衛型・要求個室型
SCT(文章完成テスト)
作業検査
未完成の刺激文の続きを自由記述
内田クレペリン精神作業 数字の連続加算作業、作業速度等の変化からモチベーション・緊張・集中の
検査
評価(適性検査で活用)
<情緒・情動(感情)>
*生得的な感情(基本感情)が環境との相互作用により統合と変化を繰り返し社会的な感情へ進化
感情
内的な身体変化や外界刺激に感じて生じる気持ち:情動;生理的反応を伴う瞬間的に強いもの
:気分;一定の状態で長時間持続するもの
(情緒=感情のもつ繊細さ微妙な性質に特化して使われやすい)
2
基本感情(一次感情)
自己意識感情(二次感情)
生得的
喜怒哀楽、驚き、恐れ、嫌悪、興味
1 歳代後半から出現
自己意識・自己評価に関わる(照れ、羨望、共感、誇り、
罪悪感)社会的感情
*感情コンピテンスの獲得(コミュニケーション)
:新生児微笑(生理的微笑)→養育者の情緒的応答→安心感(子ども)→社会的微笑(子ども)→相互の
情緒的応答性(養育者・子ども)→愛着(アタッチメント)形成→情動調律(むずかる赤ちゃんをあや
す)=共感へ→社会的参照(養育者の表情を確認しながら行動を決める)
<欲求・動機づけ>
*欲求が源泉となり、欠乏充足や過剰解消のために動因(動機)が生じる
丸々としたかわいらしさ
(ベビー・スキーム)=
*行動は目標の持つ魅力(誘因:+や-)に左右される
*自身の有能感(コンピテンス)
、自律性(自己決定性)にも影響を受ける
*自己効力感(できるという期待)
、学習性無力感とも関係する
*内的統制・外的統制(ローカスオブコントロール)=原因帰属の信念
世話をしたくなる
何らかの欠乏や不満を感じている状態において、自身の維持や支えのために何かを必要としている状態
欲求
一次的欲求(生理的欲求)
二次的欲求(社会(心理)的欲求)
食事、水分摂取、睡眠、排泄
親和、愛情、独立、地位、達成等
目標に向けて行動を起こし、方向づけし、維持する一連の心理的過程
不快を避け、会を得ようとする状態や傾向
社会的動機づけ
動機づけ
生理的動機づけに基づき、社会生活の中で獲得される行動様式
外発的動機づけ
内発的動機づけ
達成動機づけ
報酬や叱責
~したいという気持ち
目標に到達したい気持ち
行動の成否の原因(能力、課題の困難性、努力、運)
原因帰属
成長欲求
自己実現の欲求
承認・尊重の欲求
欠
乏
欲
求
所属と愛情の欲求
二
次
的
欲
求
安全・安定の欲求
・達成動機の高い人:成功を能力や
努力に、失敗を努力に帰する傾向
・達成動機の低い人:成功を課題の
困難性、失敗を能力に帰する傾向
・マズローの欲求階層論
:最下層(一次的欲求)が満たされて初めて次層(二次
生理的欲求
一次的欲求
的欲求)の欲求を志す
マズローの欲求階層説
*欲求不満耐性(ローゼンツァイク)=合理的に事態を把握し最善策を見つける、バランスを失わず行動する能力
葛藤
レヴィン
ラザラス
接近-接近葛藤
ほぼ同等の+の誘因の場合
回避-回避葛藤
ほぼ同等の-の誘因の場合
接近-回避葛藤
一つの誘因に+と-面がある場合
二重接近-回避葛藤
一つの誘因に+と-面の複数重複がある場合
3
欲求不満
何 ら かの 妨
害 要 因に よ
り、欲求が阻
止 さ れて い
攻撃反応
妨害対象やその他の対象への直接的攻撃
代償反応
達成され得ない目標を別のものに変える
退行反応
より発達的に未分化な(子どもっぽい)行動様式をとる
固着反応
充足にかかわりのない反応に固執する
る状態
抑圧反応
無意識的に否定する
*防衛機制(適応規制)=自我を防衛するための無意識的な心的メカニズム(コーピングと対応)
*S.フロイトの理論に基づき、A.フロイトが提唱
抑圧
苦痛な感情や欲求を無意識的に意識から締め出し無意識の領域に押しやる
抑制
意識的、自覚的に抑える(抑圧より健全)
退行
依存的、子どもっぽいふるまいをする
反動形成
本心とは真逆の行動(言動)をする
置き換え
本来向けるはずの対象への欲求を別の対象に向ける
昇華
社会的に受け入れら難い欲求を社会的に承認される形に変換する(ex.)攻撃性→格闘技)
補償
劣等感や阻止された欲求を原動力に克服(直接補償)
、別の方面で高い評価を得る(間接補償)
攻撃
欲求不満の対象を責める
同一化
他者の持つ側面や特性を取り入れ、似た存在になる
投影
自分の中の欲求を相手の持つものとみなす
逃避
欲求不満場面から逃げ出す(消極的自己安定)
知性化
満たされない欲求をより知性的な方法で説明する(ex.)屁理屈)
合理化
都合の良い理由をつけて自己を正当化する(ex.)すっぱいぶどう)
<ストレス>
身体的健康や心理的幸福感を脅かされると知覚されるもの
・セリエによるラットの実験(一般適応症候群(後にストレス)
)
:3 段階=警告反応期→抵
ストレス
抗期→疲弊期
・ホームズ、レイ:ライフイベントの影響、社会的再適応評価尺度の考案
・ラザルス、フォルクマン:デイリーハッスル、心理社会的ストレスモデルの提唱
ストレッサー
ストレスを与える刺激
ストレス反応
ストレッサーに対する人々の反応
正常な状態を保持しようとする働きの存在
内分環境の恒常性維持
(ホメオスタシス)
個人差を生じさせる性
格特性
心理的反応
・キャノンによる猫の実験(人体の恒常性、自己調節能力や自己修復能力の可能性と限界を
示唆:緊急反応説(身体反応の特徴)
、闘争-逃走説(あえて生命維持のために恒常性を保
たない)
)
強い:ハーディネス(心の頑健さ)
、楽観主義
弱い:タイプ A 行動パターン(せっかち、競争的)
(冠状動脈性疾患との関連)
アパシー:無気力(対処できない嫌な出来事の体験から学習性無力感が生じる)
バーンアウト:燃え尽き症候群(医療・福祉・教育分野で生じやすい)
心理的障害
適応障害、うつ病、自殺
心的外傷関連の障害
反応性アタッチメント障害(ネグレクト等により)
、心的外傷後ストレス障害(PTSD、1 ヶ
月以上持続)
、急性ストレス障害(3 日程度で消失)
物質関連障害
嗜好品や薬物の物質依存・濫用
回復資源
ソーシャルサポート(情緒的・評価的・道具的・情報的)
、制御可能性、予測可能性
4
コーピング(意識的水準の対処過程、比較的望ましい)
:問題焦点型(環境を直接変える)
、情動焦点型(情動統制)
<感覚・知覚・認知>
感覚
五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、皮膚感覚)
、平衡感覚、内臓感覚等
知覚
見る、聞く、触れる経験に基づいて外界や自己を知ること
感覚、知覚、記憶、思考、推論等に関する情報処理活動
認知
・選択的注意:特定の刺激に注意を向ける(=カクテルパーティ現象)
・メタ認知:自己の認知プロセスに関する知識や制御(=行動をコントロール)
刺激
生体の感覚器官に感受されるエネルギーやその変化
適刺激(感受できるもの)
絶対閾(刺激閾)
不適刺激(感受出来ないもの)
刺激を感じる最小の量
弁別閾(丁度可知差異) 感覚の変化が生じる最小の変化量
*錯視:物理的状態と知覚した状態は必ずしも一致していない
明るさ
明(暗)順応
色
3 段階の処理(赤・緑・青(光の波長)→赤-緑・青-黄・明-暗(反対色符号器)→11 色のカテゴリー
知覚的体制化
形
知覚的補完
大きさ
一定の時間一定の刺激に晒されると、慣れが生じる(まぶしくなくなる・見える)
図と地(ex.)ルビンの杯)
、群化(近接、類同、閉合(<>)
、よい連続、よい形)に
よりまとまってみえる
物理的欠如している部分が補われて知覚される(主観的輪郭、被遮蔽部分の補完、盲
点の補完、仮現運動(連続運動により静止画が動いて見える)
)
視角
観察対象が眼球の中で結ぶ像の大きさ(網膜像)
(知覚の)恒常性
見る方向や距離等照明等により網膜像は変化するが、近くは比較的一定である(大き
さ、色、形)
単眼性手がかり:陰影、重なり(遮蔽)
、線遠近法(手前から奥に向かって小さく描く)
、
空間
運動
奥行き知覚(立体
視)
大気遠近法(遠方ほどぼやかして描く)
、きめの勾配(柄のきめを細
かくするほど奥に見える)
、相対的大きさ、相対的高さ、運動視差(車
窓から見た風景)
両眼性手がかり:両眼網膜像差
異方性
方位、運動方向、物理空間、網膜上の位置によって知覚の性質が変化する
実際運動
実際に物理的に動いているものの知覚
<学習と記憶>
*罰より強化が望ましい
*強化の規則:強化スケジュール
*無条件反応(レスポンデント)
:生得的反応(酸っぱいと唾液が出る)
、無条件刺激(誘発刺激)
:梅干し、レモン
レスポンデント
条件づけ(古典的 パヴロフ
条件づけ)
オペラント条件
づけ
スキナー
経験によって形成された刺激と反応の結びつき
犬の実験
:ベル音(中性刺激:刺激と結果に関係ないもの)後肉の提示を繰り返す(強
化)→ベル音の(条件刺激)みでよだれ
生体の自発的な反応に基づく
スキナー箱の実験
:ネズミがレバーを押すとエサ(強化子)が出てくる→レバー押し行動が増加
5
正の強化(強化子の 負の強化(強化子 正の罰(強化子 負の罰(強化子の提
提示により行動頻 の除去により行動 の提示により行 示により行動頻度
度増加)
頻度増加)
動頻度減少)
減少)
試行錯誤学習
ソーンダイク
試行錯誤により、結果に結びつく行動が増加する
洞察学習
ケーラー
洞察や見通しにより学習が成立する
観察学習(モデリ バンデューラ
ング)
他者の行動の模倣、観察により学習が成立する
*記憶のプロセス:記銘(符号化=覚える)→保持(貯蔵)→想起(検索)
短期記憶
数秒から数分、リハーサルにより長期記憶に情報転送
加齢の影響少ない
作動記憶(ワーキ 短期記憶と同時に「認知的作業」を行う(アトキンソン)
加齢の影響顕著
ングメモリー)
(ex.)数字の順唱=短期記憶、逆唱=作動記憶
長期記憶
展望的記憶
エピソード記憶
個人にまつわる出来事
加齢の影響顕著
意味記憶
一般的知識
加齢の影響少ない
手続き記憶
自転車の乗り方等
加齢の影響なし
自伝的記憶
自分自身について
20 代の良い出来事が思い出されやすい
友人との約束や通院日時等未来について
影響があるが不明
<知能・創造性・思考>
*知能と創造性の相関は低い(=知能と創造性は異なる二つの知的能力)
知能
ウェクスラー
目的的に行動し、合理的に思考し、環境を合理的に処理する総合的あるいは全体
的能力
キャッテル
流動性知能:新しいことの学習、新しい環境に適応する(20 歳以降衰退)
結晶性知能:スキルや知識、経験を使う(65 歳以降衰退)
ギルフォード
知能:学業成績と強く相関(要素を組み合わせ少数の解にたどり着く等)=収束
的思考
創造性:アイディアを生み(=発散的思考・拡散的思考)
、探り、問題を解決す
る全過程
創造性
トーランス
創造性:問題や情報のギャップを発見し、アイディアや仮説を作り、仮説の検証
や修正を行い、問題を解決に導く諸過程
思考:再生的思考:獲得してきた反応様式や知識体系を想起し当てはめる
創造的思考(創造性)
:これまでの学習に新たな何かを付け加える
*知能の発達の記述:精神年齢(量的発達)
;同一年齢の子どもの到達水準を基準とする
発達段階(質的発達)
(ピアジェの発達段階参照)
ウェクスラー式
児童用知能検査 (WISC)
幼児用知能検査(WPPSI)
(WISC-Ⅳ)
成人用知能検査(WAIS) (WAIS-Ⅲ)
:言語性(知識、類似等)
、動作性(会
が完成、積木模様等)という 2 つの下位
検査
スタンフォード・ビネー
・各年齢段階に応じた問題設定
・知能指数= 精神年齢/生活年齢×100
知能検査
ビネー式
・折れ線グラフで表示
ex.)WISC
田中・ビネー
<人間関係と集団>
6
*対人認知:感情認知 ;喜び、怒り等について二次元でとらえる(快-不快、注意-拒否)
性格認知 ;年齢、性別、知能、情緒安定、社会性等
関係の認知;相手が自分にどのような感情を持っているか、自分とどのような関係にあると感じているか
ハロー効果
ある望ましい(望ましくない)側面に影響され、事実確認なしに他の側面ま
で同じようにみなす
ピグマリオン効果
優秀だという期待を持って教えると、優秀になる確率が高くなる
ツァイガルニク効果
未完了課題の方が完了課題よりも再生(思い出す)しやすい
プラセボ効果
薬理効果がないものが偽りの説明により効果を示す
フット・イン・ザ・ドア法 受け入れやすい要請から提示すると成功しやすい
対人認知
(行動)に
影響する
効果、性格
等
傍観者効果
緊急事態において目撃者が多いほど援助が差し伸べられにくい
ブーメラン効果
説得しようとして、説得される方がかえって態度を固持する
権威主義的パーソナリティ 権威ある者を高くそうでない者を低く評価する
自己卑下
親しくない人の前や公的場面において取る行動傾向(日本文化に特徴的)
対人魅力
近接性
物理的な近さが影響
単純接触効果
回数が影響
他者からの好意的反応
返報性(行為には行為を)
類似性
自分と似た特徴が影響
関係が親密になるにつれ開示に程度が大きくなる働き:感情浄化、自己明確
自己開示
化、社会的妥当化(気づかなかった側面を知る等)
自己呈示
見せたい自分を表現する(自尊心の維持:弁解、ごますり、被服、化粧等)
*集団:非公式集団(自然発生的)
、公的集団
集団
集団凝集性
ソシオメトリー
社会的促進
他者の存在により作業効率が上昇(習熟場面)
社会的抑制
他者の存在により作業効率が低下(不得意場面)
社会的手抜き
個々の作業努力が見えにくい場面では手抜きが生じやすい
同調行動
多数派から暗黙に又は公然と同調の要請や圧力を受ける
個人を集団に引きつける度合い
:2 つの過程;個人間の相互作用による対人魅力、自己カテゴリー化による一体感
人間関係や集団構造を牽引・反発の頻度や強度により量的に測定しようとする理論
モレノにより考案:ソシオメトリック・テスト(図示=ソシオグラム)
集団規範
集団に標準的な行動基準(沿った行動=ノーマル、逸脱した行動=異常)
リーダーシップ
機能:P(目標達成)機能;目標の明確化、方法の具体化、メンバーへの動機づけ等
M(集団維持)機能;メンバー間の人間関係の調整、魅力や士気の高揚
PM 型(共に高い)が最も効果的(三隅二不二)
内集団バイアス
属する集団の成員をそれ以外の集団の成員よりも好意的に評価する
流言
うわさ:親しい人から未知(敵対)の人へ、内容の変質(強調や歪曲化の影響)
<コミュニケーション>
構成要素
刺激、送り手、メッセージ、伝達経路、受け手
説得効果の要因:メッセージの送り手に信憑性が高いこと
種類
言語的
説得的
非言語的
顔の表情
両面提示(相反する主張と並べる)
強い恐怖より弱い恐怖
受け手の要因(知的水準の高低、性別等)
調整機能(関与の度合い、流れの円滑化)
7
視線
意志や感情を表しやすい
しぐさ
流れの円滑化、強調
対人空間
パーソナル・スペース(ソマー)
:発達につれ拡張し老人期に狭窄
・効率の良く話ができる位置:コーナーを挟んで正面が 90 度
アサーション
外見
印象形成:外見等限られた情報から印象を形成する
沈黙・パラ言語
話のテンポ、間の取り方、沈黙
自分も相手も大切にするコミュニケーション(言語的・非言語的)
<発達の概念>
発達
個人の生活の一切の変化(上昇・下降含む)
成長
スカモンの発達曲線:リンパ系、一般系、神経系、生殖系はそれぞれ異なった曲線を描く
遺伝と環境
遺伝説(成熟優位説)
時期が来ればできるようになる、学習の成立にはレディネス(準備)が
整っている必要性あり(ゲゼル)
環境説(環境優位説)
遺伝の影響は最小、環境(学習)からの影響大である(ワトソン)
輻輳説
遺伝と環境が合わさっている(いずれも重要)
(シュテルン)
環境閾値説
単なる加算ではなく相互に影響、一定水準(=閾値)以上であれば環境
の差異はあまり問題とならない(ジェンセン)
臨界期
成長・発達に決定的影響を及ぼす期間(ローレンツ)
*発達課題:年齢段階に応じて乗り越えていくべき課題
*アイデンティティ(同一性)の確立:E・H・エリクソンの理論の中でも重要な概念
*高齢者の発達課題:統合感(満足)
(仕事の引退、心身機能の低下、愛着関係の喪失感から)をいかにもつか
ビューラー(生涯発達段階説)
伝記的資料の分析:上昇・停滞・下降の周期と 5 段階の移行期
E・H・エリ 発達の概念を生涯発達(ライフサイクル)へと拡張し、社会・対人関係の側面から心理・社会的側面の発
クソン
達を 8 段階にまとめた
(8 段階説) ・後に J・M・エリクソンと第 9 段階(超高齢期)を加えた
ピアジェ
段階
乳児期
幼児期前期
幼児期後期 児童期
青年期
青年期初期
青年期中期 青年期後期
課題
信頼性
自律性
自発性
同一性
親密性
生殖性
勤勉性
思考・認知の発達を 4 段階にまとめた
感覚運動期(~2)
前操作期(2~7)
具体的操作期(7~11)
形式的操作期(11~)
直接触る
自己中心的思考
思考の体系化、まだ未熟
抽象的概念の理解、論理的
(見えにだまされる)
ハヴィガース
ト
S.フロイト
統合性
思考
心身の発達課題を 6 段階にまとめた
乳・幼児期
(~6)
児童期
(~12)
青年期
(~18)
壮年初期
(~30)
中年期
(~55)
老年期
(60 以降)
歩行等
自立等
人間関係等
配偶者の選択等
子への支援等
心身の衰退への対応
自我の発達を 5 段階にまとめた
・リビドー(性的エネルギー)の出現・充足のあり方(固着)
口唇期(~18 か月
口唇
肛門期(~3・4歳) 男根期(~6歳)
肛門
性器
潜在期(~思春期) 思春期・性器期
外部(友人等)
生殖器
*アタッチメント(愛着、心の絆)
:発達課題を達成していく基礎
ハーロー
アカゲザルの代理母実験:接触快感の重要性とスキンシップの欠如による精神的問題発現可能性
ボウルヴィ
愛着理論を提唱:発達初期(生後 2~3 年)の愛着の形成(養育者の適切な応答等による心の結び
8
つき)は後の人格に影響大
眠りとの関連、レム睡眠:浅い、
ノンレム睡眠:深い
<脳、障害>
思考や行動の中枢
:大脳(言語、思考、情動)小脳(身体各部の運動の微調整、平衡感覚)
、間脳・脳幹(生命維持の神経)
、
延髄)心臓・呼吸調節、嚥下・嘔吐・咳・くしゃみのコントロール)
大脳皮質;前頭葉(意思決定、計画・実行、情動コントロール)
、側頭葉(音声・言語の弁別・理解)
、後
頭葉(明暗・色等の色覚情報処理)
、頭頂葉(空間認知、道具を用いた作業)
脳
大脳辺縁系;生存に必要な機能(本能、記憶、感情)
大脳基底核;運動の開始・停止・抑制
高次機能障害
病気や事故等様々な原因により脳が損傷し、高次な機能(言語や思考)が上手く働かなくなった状態
病識(自覚・アウェアネス)の低下が特徴的であり治療の妨げになる
:注意障害、失語、記憶障害(健忘)
、遂行機能障害(前頭葉障害)
、半側空間無視、半側身体失認(身
体の認識の障害)
、失認、失行(麻痺などがないのに運動が出来ない)
、地誌的障害(場所や道順が判
らない)
、
発達障害
生得的な脳の障害
*DSM-5(精神障害の診断と統計マニュアル(アメリカ精神医学会)
:診断名とカテゴリーを改変(2013 年改定)
知的能力障害群
軽度・中等度・重度・最重度
コミュニケーション症群
言語障害、音声障害、吃音
自閉スペクトラム症
神経発達症候群
コミュニケーション能力の欠如
・自閉性障害・アスペルガー障害、広汎性発達障害を統合
注意欠如・多動症
不注意、多動性・衝動性
限局性学習障害
読字・書字・算数等の欠陥
運動症候群
チック症候群
発達性協調運動症:不器用さ、運動機能の緩慢さ
常同運動症:目的のない反復運動(手のひらをぱたぱたさせる等)
突発的、急速、反復的、非律動的な動きや発声
*スクリーニング検査:潜在的な発達遅滞や発達障害の可能性を発見する
円城寺式・乳幼児分析的 運動(移動運動・手の運動)
、社会性(基本的習慣・対人関係)
、言語(発語・言語理解)の6軸
発達検査
により発達を測定
KIDS 乳幼児発達スケ 1 か月~6 歳 11 か月を対象
ール
9 領域(運動・操作・理解言語・表出言語・概念・対子ども社会性・対成人社会性・しつけ・食
事)
新版 K 式発達検査
姿勢-運動、認知-適応、言語-社会の 3 領域から発達年齢(DA)
、発達指数(DQ)
、発達プロフ
ィールを作成
K-ABCⅡ
認知処理尺度(同時処理尺度・継時処理尺度)
、習得度尺度より成る(得意な認知様式を探る)
ITPA(言語学習能力診 コミュニケーション過程に必要な心理機能(2 回路(聴覚-音声・視覚-運動)
、3過程(受容・
断検査)
連合・表出)
、2 水準(表象・自動)
)を測定
BGT(ベンダー・ゲシ 9 個の幾何学図形の模写の分析(精神発達の程度、神経機能・脳障害を評価可能)
ュタルトテスト)
<心理的支援の方法>
*公認心理師(2015 年成立の国家資格)
、臨床心理士(民間資格)
9
*カウンセリング=専門性に基づいた援助的な相談活動、心理療法=心理的治療法
*見立て:心理テスト;知能、人格、学力、適性、感覚・運動機能、高次神経機能、発達検査等
面接
;主訴、家族構成・家族関係、成育歴・教育歴・問題(疾患)歴・相談歴←受容と共感的理解
パーソンセンター ロジャーズにより創始
ド・カウンセリング 非指示的、
「いまここで」の重視、クライエントの成長の力の重視
(来談者中心療法) カウンセラーの 3 条件:受容(無条件の積極的関心)
、共感、自己一致(感じている事と表現が一致)
S.フロイトにより創始
精神分析
行動療法
認知療法
無意識の意識化の重視、過去経験の重視
エゴ(意識)
、エス(イド:無意識)
、超自我(スーパーエゴ:前意識)
学習理論に基づく(正の強化・負の強化)
、行動の強化・消去に特化
・拮抗条件づけ:恐怖に対し拮抗する感情(喜び等)を学習する
・系統的脱感作:徐々に行う
・シェーピング:行動の選択的強化(オペラント条件づけに基づく)
ベックにより創始
認知パターンの修正(否定的思考に代わる思考法を考える)を行う
論理療法
エリスにより創始
信念(受け取り方)を論破(変える)する
社会的学習理論
他者の行動を観察し望ましい行動を学習する(モデリング)
遊戯療法
遊びを表現方法とする(言語で十分表現できないクライエントを対象)
動作療法
動作体験(意図、イメージ喚起、努力)により体験の仕方を変化させる
ブリーフ・サイコセ 短期的な時間設定をし、問題の見方、行動、その両方を変える
ラピー
・問題志向モデル、解決志向モデル
家族療法
家族を構成員が相互に影響し合う一つのシステムととらえる(システム・アプローチ)
心理劇
モレノにより創始
即興劇を用いた集団心理療法、個人の創造性や自発性の発展を促す
SST(生活技能訓練) 対人関係場面での対応の仕方(技能)についてロールプレイを用いて訓練する
芸術療法
絵画、音楽、園芸などの活動を行う(自己表現、リラックス効果)
森田療法
森田正馬により創始
絶対臥褥期後、自分を「あるがまま」に受け入れ、やるべきことを目的本位、行動本位に実行する
内観療法
吉本伊信により創始
内省による自己探求を行う
バイオ・フィードバ 身体機能を機材の表示により意識的し、生体をコントロールする
ック
自律訓練法
シュルツによって創始
自己暗示の言葉を繰り返し、リラックスにより、感情を鎮静化し自律神経を安定させる
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