1.1 雇用労働関係法令一覧

国名:中国 (調査大項目 1:雇用労働関係法令)
作成年月日:2007 年 7 月 29 日
1.1
雇用労働関係法令一覧
(1) 中華人民共和国労働法
1995 年に施行された 「労働法 」第 2 章の就業促進に は全部で 5 項目の条文が
あり、中核の内容は、国が経済及び社会の発展の促進を通じて就労条件を創出
し、就労 の機会を拡大 し、かつ法律、行政法規が規定す る範囲内で労働者の就
労の権利を保障することにある。就 労は民生の根 本であり 、就労をより確実に
実現することは経済社会発展 の重要な目標 である。中国共産党及び中国政府は
就 労活 動を一貫して重要視しており 、積極的な 就労政策を制定かつ実施し、
2006 年末までに 労働と社会保障部は「労働法」に対し て一歩進んで補足説明
又は具体的実施細則を明確に し、多くの労 働就労関連活動を指導する「意見」
及び「通達」を公布し、現在有効なものは 142 篇ある 。その中で外資系企業
及び外国籍を有するものの中国での 就労に対し て影響あるものは次のとおり
である。
( a)
「一時帰休者及び失業者の再就職に関わる税収政策問題に関する通達」
(2006 年 1 月 23 日公布)
( b)
「財政部、労働保障部及び国家税務総局の一時帰休者及び失業者の 再就
職促進の税収政策に関する補足通達」(2003 年 8 月 23 日公布)
( c)
「財政部、国家税務総局の一時帰休者及び失業者の再就職税収政策に関
する補足通達」 (2003 年 6 月 12 日公布)
( d)
「再就職優待証及び 企業の一時帰休者及び失業者の受入れ認定証明様式
※
の印刷配布に関する通達」(2002 年 12 月 3 日公布)
上記の文献の主な点は、一時帰休 者及び失業者を募集する企業に対 して
一定の税収優遇政策及びその管理業務を提 供することにある。
(e)
「中外合弁・合 作の職業紹介機構の設立管理暫定規定 」(2001 年 10 月 9
日公布)
職業紹介機構の設立及び管理の実施細則である。
( f)
「国務院弁公庁の配布による 労働部、人事部の外国投資企業の雇用自主
権を更に着実にする意見に関する通達」(1988 年 5 月 5 日公布)
主に外国投資企業の中国における人員採用及び労働契約管理の 関連規定
である。
(2) 労働保障監察条例
2004 年 11 月 1 日、国務院は「労働保障監察条例」(以下「条例」と称す)を
公布した。「条例 」に含まれるものは“総則、一般規定 、受理及び立案、調査
及び検査、案件処理、附則”の全 6 章の内容である 。
「条例」は実践経験を総
括した基礎に加え、労働保障監察の範囲、主体、内容、手順及び監察機構 並び
に監察員の職責 、権利及び義務等に 対して明確に 規定し、かつ監察機構及び監
察員の違法行為に対して相応 の法的責任を 規定した。
法 により行政が要求する
行政執行権の法定、主 体の法定、手続の法定等の基本原則を具現し、労働保障
監察権の正確な行使を確保することにより 、有効な監督が得られる。
1
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「条例」は労働保障部門の下記事項に対し労働保障監察の実施を規定している。
雇用企業が制定する 内部労働保障規約制度 の状況、雇用 企業と労働者との労働
契約の締結状況 、雇用企 業の児童労働者(満 16 歳未満 )使用禁止規定の遵守
状況、雇用企業の 女性労働者及び未成年労働者に対する 特殊労働保護規定の遵
守状況、雇用企業の勤務時間及び休憩休暇規定の 遵守状況 、雇用企業の労働者
への賃金支払、最低賃金基準の執行 状況、雇用者の各項目の社会保険への加入
及び社会保険料の納付状況、職業紹介機構、職業技能訓練機構及び職業技能審
査検定機構の国が定める職業紹介、
職業技能訓練及び職業技能審査検定の関連
規定に対する遵守状況、法律法令の規定するその他の労働保障監察事項である。
(3) 中華人民共和国労働契約法
中華人民共和国第 10 期全国人民代表大会常務委員会第 28 回会議にて、2007
年 6 月 29 日に通過し、2008 年 1 月 1 日より実施 される。
「労働契約法」に含
まれるものは、“ 総則、労働契約の締結、労働契約の履 行及び変更、労働契約
の解除並びに終了、 特別規定、法的責任、附則 ”の全 8 章の内容である。「労
働契約法」は、「 労働法」が確立した労働契約制度の枠組みの堅持を基礎に、
労働契約期間、試用期間、経済的要員削減、経済補償金等の内容に対して補充
及び整備を行い 、かつ雇用企業の民主的管理、労務派遣、非全日制雇用、競業
制限等の内容に対して新たな 法律規定を策 定し、
労働者に対する保護度合を強
化し、更に雇用企業の合法的権益をも擁護 する内容を増加した。
新たに登場した「労働契約法 」は次のように規定している。 中国域内の企業、
個人経済組織、非政府組織及び非営利団体等の組織と労働者とが労働関係を樹
立すること、労働契約の締結、履行 、変更、解除又は終 了は本法を適用するこ
と 。国家機関、事業体 、社会団体 と労働関係を 樹立した労働者は、労働契約の
締結、履行、変更、解除又は終了する場合、本法により実施すること。すなわ
ち、公務員及び公務員法を参照に管理される人員及び事業体の中で招聘制によ
る労働者を除き、国家機関、事業体、社会団体及びその他の労働者はすべて労
働関係を樹立し、 かつ本法を 実施すること 。
(4) 国務院の就労・再就職活動の 更なる強化に 関する通知
国務院弁公庁が 2005 年に 公布した 36 号文献、すなわち「国務院の就労・再
就職活動の更なる強化に関する通知」(以下「通知」と 称す)の中で、就労は
民生の根本であり、社会主義の調和の取れた社会を構築 する重要な内容である
ことを強調している。中国の 労働力供給過 剰の基本的局面は 長期間変わらず、
今後数年間の就労及び再就職 活動の重点は 、
体制の軌道変換により取り残され
た リストラ失業 者の再就職問題及び 企業再編により閉鎖倒産した企業従業員
の配置問題を解決することである。同時に引き続 き大学卒業生、都会へ出稼ぎ
に来た農村部労働者及び土地 を徴用された農民 等の就労・再就職活動に最善を
尽くさなければならない。「通知」の中で次のような活 動に最善を尽くすこと
を強調している。“目標任務を更に明確にし、就労職場 を多面的に開拓するこ
2
削除 : と
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と 。再就職政策を更に整 備し徹底さ せ、リストラ失業者 の再就職を促進するこ
と。都市 部の就労を手 配し、就職サービスを改善し て、職業訓練を強化するこ
と。失業 の調整を展開 し、就労管理を強化すること。社会保障制度を 更に整備
し 、就労の連動メカニズムを樹立し 促進すること 。組織 の指導を引き続き強化
し、全社会の力を動員して就 労・再就職活 動に広く参画すること。
*出典:労働と社会保障部 <http://www.molss.gov.cn/index/index.htm>
1.2
労働基準関係法令
1.2.1
労働契約
「中華人民共和国労働契約法」の第 2 章“労働契約の締結”に雇用 企業及び労
働者双方が締結す る労働契約に対して明確に規定している。
第 7∼10 条は次のことを 要求している。
“雇用企業は雇用した日から労働者との
労働関係が成立する。雇 用企業は従業員ファイルを作 成し、調査に備えなけれ
ばならない。 雇用 企業が 労働者を採用する際、労働者 に勤務内容、勤務条件、
勤務場所、職業の危険性 、安全生産状況、労働報酬及び労働者が知りたいその
他の状況を正確に知らせなければならない 。また雇用 企業は労働契約と直接関
係ある労働者 の基本状況 について知る権利を有し、労働者は正確に説明しなけ
ればならない 。雇用企業 が労働者を採用する場合、労働者の住民身分証明書又
はその他の証明書を差し 押さえてはならない。また労働者に担保を要求するか
又はその他の 名目で労働者に財物を要求してはならない。労働関係を成立する
には、書面にて労働契約 を締結しなければならず、既 に労働関係があり、まだ
書面による労働契約が締 結されていない場合は、採用 の日より1カ月以内に書
面による労働契約を締結 しなければならない。雇用企 業が労働者と採用前に労
働契約を締結した 場合、労働関係は採用の日より成立 するものとする。”
第 12∼14 条は更に次のように規定している。“労働契約は固定期限労働契約、
非固定期限労働契約及び 一定の任務完成を期限とする 労働契約に分けられる。
固定期限労働契約とは、雇用 企業と労働者とが 契約の 終了期限を取り決めるも
のを指す。雇用企業と労働者との協議が合意した場合 、固定期限つき労働契約
を締結することができる 。非固定期限労働契約とは、 雇用 企業が労働者と終了
期限を取決め ない労働契約を締結するものを指す。雇 用企業と労働者との協議
が合 意した場合、 非期限労働契約を締結することができる 。
”
また 本章第 17 条に労働契約は 以下の条項を備えなければならないと明確に規定
している。
(1)
雇用 企業の名称、住所 及び法定代表者、 若しくは主要責任者。
(2)
労働者の氏名、住 所及び住民身分証明書、 若しくはその他の有効な身分証
明書 の番号。
(3)
労働契約の期間。
(4)
勤務内容及び勤務場所。
(5)
勤務時間及び休憩 ・休暇。
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(6)
労働報酬。
(7)
社会保険。
(8)
労働保護、労働条件及び職業の危険保護。
(9)
法律 、法規が規定 する労働契約に盛込まなければならないその他事項。
*出典:労働と社会保障部「 政策法律庫」
<http://trs.molss.gov.cn/was40/mainframe.htm>
1.2.2
解雇規則
「中華人民共和国労働契約法」第 4 章“労働契約の解除及び終了”の第 36∼40
条は次の ように規定している。雇用企業と労働者との 協議が合意すれば、労働
契約 を解除することができる。労働者は 30 日前に書面形式にて雇用企業に通知
すれば、労働契約 を解除することができる。労働者は 試用期間内であれば 3 日
前に雇用 企業に通 知すれば、労働契約を解除することができる。
また第 38 条は次のように規定している。雇用企業に下記事由の 1 つに該当する
ものがあれば、労働者は労働契約を解除することができる。
(1)
労働契約どおりの 労働保護及び労働条件を提供していない場合。
(2)
期日 どおりに所定 金額の労働報酬を支給していない場合。
(3)
労働者の法定社会保険料を納付していない場合。
(4)
雇用 企業の規約が 法律・法規の規定に違反し、労働者の権益に損害を与え
た場 合。
(5)
本法第 26 条第 1 項に規定された状況 で、労働契約が無効となる場合。
(6)
法律 ・行政法規の 規定により、労働者が労働契約を解除できるその他の状
況。
もし雇用企業 が暴力、脅 迫及び不法に人身の自由を制 限する手段で、労働者に
労働を強要、若しくは規 約に違反して危険作業を指揮強要し、労働者の人身に
危害を与えた 場合、労働者は直ちに労働契約を解除することができ、雇用企業
に事 前に通知する必要はない。
また第 39 条は次のことを規定している。労働者に 下記事由の 1 つに該当すれば、
雇用企業は労働契約を解除することができる。
(1)
試用期間内に採用条件に合わないことが裏付けられた場合。
(2)
雇用企業の規則に 重大な違反をした場合。
(3)
職務怠慢、私利私欲のために不正行為を行い、雇用企業に重大な損害を与
えた 場合。
(4)
労働者が他の 企業 と同時に労働契約を結び、本雇用企業の業務遂行に著し
い影 響を与えたか、あるいは本雇用企業の指摘にもかかわらず是正しなか
った 場合。
(5)
(6)
本法第 26 条第 1 項の規定により労働契約が無効となった場合。
法律 により刑事責任を追及される場合。
同時 に第 40 条は更に次の ように規定している。下記事由の 1 つに該当する場合、
雇用 企業は 30 日前に書面形式で労働者本人に通 知するか、若しくは労働者に対
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して 1 カ月分の賃金を支給することにより労働契約を解除 することができる。
(1)
労働者が病気又は 非就労負傷により、規定 の治療期間満了後に元の業務に
就労でき ず、また 雇用企業が別に手配した 職場での就労もできない場合。
(2)
労働者にその業務 を遂行する能力がなく 、職業訓練を受けるか、若しくは
職場調整を実施してもなお業務を遂行する能力がない場合。
(3)
労働契約の締結時 に、準拠する客観的事情に重大な変化があり、労働契約
が履 行できなくなる場合、また雇用企業が労働者との協議を経ても、労働
契約 の内容変更に 関する合意に達しない場合。
また第 47 条は労働契約の解除にともなう経済的補償に対し明確に規定している。
経済的補償は労働者の当該企業 での勤続年数により、 標準額として勤続満 1 年
ごと に賃金 1 カ月分を労働者に支払う。6 カ月以上 1 年未満は 1 年として計算し、
6 カ月未満は 賃金の半月分を経済補償として労働者に支払う。労働者の月額 賃金
が雇用企業の 所在する直轄市、コミュニティーの市レベル人民政府が公表した
当該地区の前年度 の労働者月額平均賃金の 3 倍を超えるものについては、経済
補償 の標準として労働者に月額平均 賃金の 3 倍の額を支払い、その経済補償を
支払 う最長年数は 12 年を超えないものとする。本条の月 額賃金とは、労働者が
労働契約解除又は 終了する前の 12 カ月の平均賃 金を指す。
*出典:労働と社会保障部「 政策法律庫」
<http://trs.nolss.gov.cn/was40/mainframe.htm >
1.2.3
賃金、労働時間、休憩、 休日、年次有給休暇、時間外及び休日労働 、時間外の
割増賃金
労働者が 取得した 労働報酬の合法的権益を守り、労働者個人及びその家庭構成
員の 基本的生活を 保障するため、労働と社会保障部は 2003 年 12 月 30 日に「最
低賃金規定」(以下「規定 」と称す。)を公布した。こ の「 規定」は次のことを
要求している 。中国域内 の企業、 非政府組織及び非営利団体、使用人のいる個
人経営商工業者と労働関係を結んだ労働者 は、すべてこの「規定」に基づくも
のとする。この「規定」 でいう最低賃金標準とは、労働者が法定勤務時間ある
いは法に基づき締結した 労働契約で決められた勤務時間内に提供した正常な労
働を前提に、 雇用 企業が法により 支払 うべき最低の労働報酬を 指す。その第 6
∼7 条は次のように規定している。“月間最低賃金標準を確定なしで調整するに
は、当地の就 労者及び扶養人数の最低生活費、都市部 住民の消費物価指数、従
業員個人が納付する社会保険費及び住宅積立金、従業員の平均賃金、経済発展
レベル、就労 状況等の要 素を 参考にしなければならない。時間当たりの最低賃
金標準を確定 なしで調整 するには、公布される月間最低賃金標準を基礎に、そ
の企業が納付 すべき基本養老保険費及び基本医療保険 費の要素を考慮し、同時
に非全日制労働者 の勤務 の安定性、労働条件及び 労働強度、福利等の面及びフ
ルタイム労働者と の間の格差も適宜考慮しなければならない。”また“省、自治
区、直轄市の 範囲内で、異なった 行政区域に異なった 最低賃金標準があっても
構わない。”最低賃金標準の実施が公布された後、「規 定」の第 6 条で規定され
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国名:中国 (調査大項目 1:雇用労働関係法令)
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た関連要素に 変化が生じ た場合、適宜調整しなければならない。また最低賃金
標準は 2 年ごとに少なくとも1回は調整する。出来高払い賃金、若しくは歩合
制賃金等の賃金形式を実 行している雇用企業は、 科学的かつ合理性のある労働
定額を基礎に 、労働者へ 支払う賃金は相応の最低賃金標準を下回ってはならな
い。
表 1-1 各省、自治区、直轄市の月間最低賃金標準( 2006 年 11 月末 )(単位:元)
省区市
標準実施日
最 低 賃 金
北京
2 0 0 6 . 7 .1
640
天津
2 0 0 6 . 4 .1
670
650
河北
2006.10.1
580
540
480
440
山西
2006.10.1
550
510
470
430
内蒙古
2006.10.1
560
520
460
400
遼寧
2 0 0 6 . 0 .0
590
480
420
吉林
2 0 0 6 . 5 .1
510
460
410
黒竜江
2 0 0 6 . 5 .1
620
590
475
上海
2 0 0 6 . 9 .1
750
江蘇
2006.10.1
750
620
520
浙江
2 0 0 6 . 9 .1
750
670
620
540
安徽
2006.10.1
520
500
460
福建
2 0 0 6 . 8 .1
650
600
江西
2 0 0 4 . 9 .1
360
山東
2006.10.1
河南
湖北
420
400
430
390
360
570
550
480
400
330
300
270
610
540
480
430
390
2005.10.1
480
400
320
2 0 0 5 . 3 .1
460
400
360
320
280
湖南
2 0 0 6 . 7 .1
600
500
480
450
420
広東
2 0 0 6 . 9 .1
780
690
600
500
450
広西
2 0 0 6 . 9 .1
500
435
390
345
海南
2 0 0 6 . 7 .1
580
480
430
重慶
2 0 0 6 . 9 .1
580
480
440
四川
2006.9.1 1
580
510
450
貴州
2006.10.1
550
500
450
雲南
2 0 0 6 . 7 .1
540
480
420
西蔵
2004.11.1
495
470
445
6
450
標 準(元 /月)
400
400
380
国名:中国 (調査大項目 1:雇用労働関係法令)
作成年月日:2007 年 7 月 29 日
省区市
標準実施日
最 低 賃 金
陝西
2006.10.1
540
500
460
420
甘粛
2006.8.2 5
430
400
360
320
青海
2 0 0 6 . 7 .1
460
450
440
寧夏
2 0 0 6 . 3 .1
450
420
380
新疆
2 0 0 6 . 5 .1
670
620
580
大連
2 0 0 6 . 8 .1
650
600
500
アモイ
2 0 0 5 . 7 .1
600
550
480
深?
2 0 0 6 . 7 .1
810
700
550
標 準(元 /月)
520
500
480
460
440
*出典:労働と社会保障部「 標準最低賃金 」<http://www.molss.gov.cn/gb/ywzn/gzfp.htm>
従業員の勤務時間 は「全国の正月及び記念日の休暇方 法」(国務院令第 270 号)
の規定に基づき、労働と社会保障部が 「従業員年間月平均勤務時間及び賃金換
算問題に関する通知」を 制定した。 その「通知」は次のことを規定している。
従業員の年間月平均勤務日数及び勤務時間をそれぞれ 20.92 日、167.4 時間に調
整し、従業員の 1 日当りの賃金 及び時間当たりの賃金をこれに基づき換算する。
有給休暇問題については、明確な法律規定がある。「労働法」第 45 条は次のよ
うに 規定している 。“国は有給休暇制度を実施する。労働者が勤続 1 年以上の場
合、 有給休暇を享 受できる。具体的方法は国務院が規定する。”年次休暇制度と
は、従業員が 毎年享受できる連続休暇期間を指し、年次休暇期間中に賃金は規
定どおり支払 われる。年次休暇制度には基本年次休暇 及び追加年次休暇が含ま
れ、 一般に企業が 自社の具体的状況に基づき取り決め る。 1991 年 6 月 15 日に
公布した「中国共産党中 央、国務院の従業員休暇問題 に関する通知」は次のこ
とを 規定している。異なった状況により区別があり、 最長でも 2 週間を超えて
はならない。 現在、国務院は従業員の 年次休暇について新たな規定を公布して
いないため、雇用 企業は引き続きこの通知に基づき実 施しなければならない。
労働 時間の延長及び休祭日の時間外 労働については、「労働法」第 41 条は次の
ように規定している。“雇用企業は生産経営の必要に基づき、労働組合及び労働
者と 協議の上、労働時間を延長することができるが、 通常は 1 日当り 1 時間を
超えてはならない 。特別な理由により労働時間を延長する必要のある場合には、
労働者の健康を保 障する条件の下、1 日当り 3 時間を超えない範囲内で労働時間
を延 長することができるが、1 カ月当り 36 時間を超えてはならない。
”第 43 条
は次 のように規定 している。“雇用企業は本法の規定に違反して労働者の労働時
間を 延長してはならない。”また第 44 条は次のように規定している。“以下の状
況の 1 つに該当する場合、雇用企業は次に掲げる基準に基づき、労働者に正常
の労働時間賃金よ り高い賃金報酬を支払わなければならない。
(1)
労働者に 労働時間 の延長を手配する場合、賃金の 150%を下回らない賃金
報酬 を支払う。
7
国名:中国 (調査大項目 1:雇用労働関係法令)
作成年月日:2007 年 7 月 29 日
(2)
労働者 に休日労働 を手 配し、代休を与えることが できない場 合、賃 金の
200%を下回らない賃金報酬を支払う 。
(3)
労働者に法定休暇日に労働を手配する場合、賃金の 300%を下回らない賃
金報酬を支払う。
「労働法」第 36 条で、国は労働者の 1 日当りの労働 時間が 8 時間を超えず、週
平均 労働時間が 44 時間を超えない 労働時間制度 を実施すると規定している。同
時に雇用 企業は労働者に毎週少なくとも 1 日の休日を 保証し、かつ法に基づき
労働者に国の定め る法定祭日の休暇を保証しなければならない。
*出典:労働と社会保障部「政策法律庫」<http://trs.molss.gov.cn/was40/mainframe.htm>
1.2.4
年少者、 女性、労働安全、アウトソーシング
「中華人民共和国労働法」
第 7 章第 58∼65 条は次のように規定している。“国は女性労働者及び 未成年労
働者 に対して 、特別な労働保護を実 施する。未成年労働者とは 、満 16 歳以上満
18 歳未満の労働者を指す。女性労働者に坑内労働 、国が定めた第 4 級体力労働
強度 の労働及びそ の他避けるべき労働を禁止する。女性労働者の生理期間中は、
高所 、低温、冷水作業 及び国が定めた第 3 級体力労働強度の労働を手配しては
ならない。女性労働者の妊娠期間中は、国が定めた第 3 級体力労働強度及び妊
娠期間中に避けるべき労働を手配してはならない。妊娠 7 カ月以上の 女性労働
者に対しては 、労働時間 の延長、夜間労働を手配してはならない。女性労働者
が出 産する場合、90 日を下回らない出産休暇を受けることができる。 女性労働
者が満 1 歳未満の新生児の授乳期間にあたる場合、国が定め た第 3 級体力労働
強度の労働及び授乳期間 中に避けるべきその他の労働を手配してはならず、労
働時間の延長 及び夜間労 働を手配してはならない。未成年労働者に坑内、有毒
有害 、国が定めた第 4 級体力労働強度の労働及びその他避けるべき労働を手配
してはならない。雇用企 業は未成年労働者に対して、 定期健康診断を行わなけ
ればならない。
2008 年 1 月 1 日より実施される「労働契約法」は、人的資源の外注市場に必要
な法的保障を 提供し、特に“労務派遣”を 書き込み、 外部請負企業を雇用企業
として明確に 規定し、雇 用企業としての労働条件、労働保護、賃金待遇等の面
の義務を履行 しなければならない。労務紛争が発生し た場合、外部請負企業及
び顧客企業は連帯賠償責任を負わなければならない。
「労働契約法 」は、労務外注に対する制限 が、人的資源の外注市場の規範化に
役立 つ。
「労働契約法」第 5 章第 57∼67 条は、
“労務派遣”につき、次のように
規定 している。
(1)
第 57 条
労務派遣企業は会社法の関連規定に基づき設立しなければならず 、登記資
本金は 50 万元を下回ってはならない。
(2)
第 58 条
労務派遣企業は本法のいう雇用企業として労働者に 対する義務を 履行しな
8
国名:中国 (調査大項目 1:雇用労働関係法令)
作成年月日:2007 年 7 月 29 日
ければならない。労務派遣企業と被派遣労働者とが 結ぶ労働契約 には、本
法第 17 条の 規定事項を明記する以外、被派遣労働者の雇用企業及び派遣
期間 、労働職場等の状況を明記しなければならない。労務派遣企業は被派
遣労働者と 2 年以上の固定期限労働契約を結び、月 ごとに労働報酬を支払
わなければならない。被派遣労働者が仕事のない期 間は、労務派遣企業は
所在地人民政府の規定する最低賃金基準に基づき、月ごとに報酬 を支払わ
なければならない 。
(3)
第 59 条
労務派遣企業が労働者を派遣する際、労務派遣形式で雇用を受入れる企業
(以下“雇用企業”と称す) と労務派遣協議を取り 決めなければならない。
労務派遣協議には派遣する職場、人員数、派遣期間、労働報酬 及び社会保
険費用金額並びに支払方式、協議に違反した場合の責任を取決めなければ
ならない。雇用企業は労働職場の実際の 需要に基づ き、労務派遣企業と確
定し た派遣期間は、連続雇用期間を分割して、数件 の短期間の労務派遣と
して 協議を取り決 めなければならない。
(4)
第 60 条
労務派遣企業は労務派遣協議内容を被派遣労働者に通知しなければならな
い。 労務派遣企業 は雇用企業が労務派遣協議に基づき労働者に支払う労働
報酬 の上前を掠めてはならない。労務派遣企業及び雇用企業は被派遣労働
者に 費用を請求してはならない。
(5)
第 61 条
労務派遣企業が地 域を越えて労働者を派遣する場合、被派遣労働者が受け
る労 働報酬及び労働条件は雇用企業所在地の基準に基づき実施する。
(6)
第 62 条
雇用企業 は下 記の 義務 を履 行しなければならない 。
(7)
(a)
国の労働基準を 実行し、相応 の労働条件及び労働保護を提供する。
(b)
被派遣労働者の労働要求及び 労働報酬を告 知する。
(c)
残業代、実績賞与を支払い、労働職場と関連 ある福利待遇を提供する。
(d)
(e)
職場に派遣された労働者に対 して労働職場に必要な職業訓練を行う。
連続雇用する場合、正常な賃金調整 機能を実施す る。雇用企業は被派
遣労働者をその他の雇用企業 へ再派遣してはならない。
第 63 条
被派遣労働者は、 雇用企業 の労働者と同一労働同一賃金の権利を有する。
雇用企業に同類の 職場 がない労働者は、雇用企業所在地の同等若しくは近
似し た職場の労働 の労働報酬を参考に確定する。
(8)
第 64 条
被派遣労働者は労働派遣企業あるいは雇用企業で法に基づき労働組合に加
入若 しくは組織し 、自身の合法的権益を維持する権利 を有する。
(9)
第 65 条
被派遣労働者 は 本法第 36 条 、第 38 条 の規定 に基づ き 、労 務派 遣企業
9
国名:中国 (調査大項目 1:雇用労働関係法令)
作成年月日:2007 年 7 月 29 日
と労働契約を解除 することができる。
被派遣労働者は本法第 39∼40 条第 1
∼2 項の規定の状 況にある場合、雇用企業は労働者を 労務派遣企業に戻す
ことができ、労務派遣企業は本法の関連規定に基づき、労働者と労働契約
を解 除することができる。
(10) 第 66 条
労務派遣は通常臨時的、補助的若しくは代替性ある職場で実施される。
(11) 第 67 条
雇用企業は労務派遣企業を設立し、当該企業あるいは所属企業に労働者を
派遣 してはならない。
*出典:労働と社会保障部「政策法律庫」<http://trs.molss.gov.cn/was40/mainframe.htm>
1.2.5
就業規則 、労働協約
「労働法」第 3 章の労働契約及び集団契約の中に明確な内容が多く、その中に
労働契約管理と直接関連するものは全部で 11 項目の条文 があり、それらの規定
は次のとおりである。労働契約は書面形式で締結しなければならず、かつ以下
の 7 項目を具備しなければならない。すなわち労働契約期間、労働内容、労働
保護と労働条件、労働報酬、労働規律、労働契約終了 の条件及び労働契約違反
時の責任である。労働契約の期間は、期間を固定するもの、期間を固定しない
もの及び一定 の仕事の完 了を期間とするものに分けられる。労働者が同一雇用
者で満 10 年以上勤続した場合、当事者双方が労働契約の 延長に同意し 、労働者
が期間を固定 しない労働契約の締結を申し出た場合、 期間を固定しない労働契
約を締結しなければならない。企業労働者側は企業と 労働報酬、労働時間、休
日休暇、労働安全衛生、保険福利 等の事項につき、集団契約を締結することが
できる。集団契約草案は 労働者代表大会又は全労働者 に提出し討議の上採択し
なければならない。集団契約は労働組合が 労働者を代 表して企業との間で締結
する 。労働行政部門は集団契約文書を受領した日から起算して 15 日以内に異議
を申し立てない場合、集団契約は即時有効となる。法 に基づき締結した集団契
約は企業及び企業の全労働者に対して拘束力を有する 。労働者個人が企業との
間で締結した 労働契約の中の労働条件 及び労働報酬等 の基準は集団契約の規定
を下 回ってはならない。
1.2.6
その他( その他重要法令の概要)
「労働雇用記録制 度の設立に関する通知 」
労働雇用記録 制度の設立 は、社会主義市場経済の条件下で政府労働保障行政部
門が社会管理 及び市場監督管理の職能を履行し、雇用 企業に対して労働雇用の
マクロ管理を 強化する重 要な措置であり、また労働雇用秩序を規範に合わせ、
全面的に労働契約制度を 実施し、労働者と雇用企業双 方の合法的権益を維持す
る重 要な 手段である。こ の仕事に最善を尽くすことは、労働関係の調和の促進、
社会 の安定にとって極めて重要な意義がある。
労働雇用記録制度 を設立した目標任務は、2007 年より中国域内のすべての雇用
10
国名:中国 (調査大項目 1:雇用労働関係法令)
作成年月日:2007 年 7 月 29 日
企業が法に基 づき労働関係を結 び雇用した従業員は、 いずれも会社登記所在地
の県クラス以上の労働保障行政部門に出向 き労働雇用 記録手続を行わなければ
ならない。2008 年末までに、全国省、市、県の 3 段階において、労働契約締結
を基 礎に労働雇用 記録制度を設立しなければならない。しかも金保工程 *1労働保
障業務専用ネット に委託し、国、省、市の 3 段階の労働雇用情報データの交換
と共 有を実現し、 基本的に全国労働雇用情報 の基礎データバンクを設立する。
雇用企業は労働雇用記録 のデータに次のことが含まれなければならない。雇用
企業の名称、 法定代表者 、経済類型、組織機構分類番号、募集人員の人数、姓
名、性別、公民身分証番号及び従業員と締結した労働契約の開始 ・終了時期、
労働契約の終了若しくは 解除の人数、従業員氏名、時 期等。各省、自治区、直
轄市の労働保障行政部門 は、実際の需要に基づき適宜 記録情報を増やすことが
できる。雇用 企業が従業員を新規に募集するか あるいは従業員との労働契約を
継続 する場合、募集 若しくは労働契約の継続の日から 30 日以内に労働雇用記録
を作成しなければならない。雇用企業が従業員と労働契約の終了あるいは解除
を行 う場合、労働契約の終了若しくは解除後の 7 日以内に労働雇用記録を作ら
なければならない。雇用 企業名称、法定代表者、経済類型、組織機構番号を変
更し た場合は、30 日以内に労働雇用記録の更新手続を行わなければならない。
雇用 企業が抹消された場合 、7 日以内に労働雇用記録の抹消手続を行わなければ
ならない。雇用企業の企業登記地及び 実際の経営地が 一致しない場合、実際の
経営地の 労働保障行政部門で労働雇用記録手続を行うものとする。
*出典:労働と社会保障部「政策法律庫」<http://trs.molss.gov.cn/was40/mainframe.htm>
1.3
労働関係法令
1.3.1
労働組合
中華全国総工会は全国各地方の総工会 及び各産業工会全国組織の指導機関であ
り、
「全総」と略称する。その前身は中国労働組合書記部であり、1925 年 5 月 1
日に 広州で設立、1927 年に第 1 次大革命の失敗後地下に潜入。 1948 年 8 月 1
∼22 日にハルビンで全国第 6 回労働大会が 開催され、中国労働者階級の統一的
な全国組織である中華全国総工会の回復を 決定し、中華全国総工会の規約を採
択し た。1983 年 10 月 18∼29 日に北京で 中国工会第 10 回代表大会が開催され、
「中国工会規約」を採択 した。規約は、中国境内の企 業、事業体、機関の中で
賃金収入を主要な 生活源とする肉体労働者及び頭脳労働者は民族、人種、性別、
職業、信仰宗教、教育レベルにかかわらず、中国工会規約を承認さえすれば、
中国工会に加入申請し会 員になることができると規定 する。工会の最高指導機
*1「 金保工程」
政府の IT 行政 の需要に対応するため、政府が推進 している全国労働保障情報システムの総称であり、その目的 の中心
は全国の範囲内で、 1 つに統一 された、効率の高い、簡便 で実用的な社会労働保障情報システム化にある。 その中に
は社会保障 と労働市場の二大主要系統があり、中央、省、市の 3 段 階をネットワークで結び、 業務取扱、公共サービ
ス、基金監督管理、方針支援等の4大機能を備えている。
*出典:China Market Intelligence Center <http://industry.ccidnet.com/art/70/20060830/885079_1.html>
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国名:中国 (調査大項目 1:雇用労働関係法令)
作成年月日:2007 年 7 月 29 日
関は工会の全国代表大会 とそれが選出した中華全国総工会執行委員会 である。
中国工会の最高権力機構は全国代表大会であり、中国工会全国代表は 5 年ごと
に選挙を行う 。大会で選 出された中華全国総工会執行委員会は、全国代表大会
の閉会期間中 に全国代表大会の決議を徹底的に実施す る責任を負い、従業員大
衆に係る重大問題を討議決定し、全国の工会活動を指 導する。中華全国総工会
執行委員会が 選出した議長団は、執行委員会の閉会期間中に執行委員会の職権
を行使する。 議長団の下 に書記処を設け、 書記処は議長団指導の下で中華全国
総工会の日常業務を主宰 する。中国工会は 国家憲法を 基本活動の規範とし、関
連法律及び工会規約に 従い、独立かつ自主的に活動を 展開する。
「総工会の主要職責」
中国工会は中国共産党の指導による従業員の自主的結合の労働者階級の大
衆組織であり、党 が従業員大衆と連携する橋梁及び紐帯であり、国家政権
の重 要な社会的支柱であり、会員及び従業員権益の代表である。全国総工
会は 各地方総工会 及び各産業工会全国組織の指導機関である。全国総工会
は中共中央書記処 の指導による。その機関の主要職責は次のとおりである。
(a)
党の基本理論、基本路線、基本綱領及び労働運動方針に基づき、党並
び に国 の活動大局 をめぐり中国工会全国代表大会 及び執行委員会会
議が確定した方針、任務と決 められた決議 の実施を徹底すること。
(b)
法律及び「中国工会規約」に基づき、各級 の工会を組織し指導して党
の誠心誠意労働者階級に依拠 する根本指導方針の実施を徹底し、職能
の擁護を更に突出させて履行 すること。
(c)
従業員の合法的権益に関わる 重大な問題に 対して調査研究を行い、党
中央及び国務院に従業員大衆 の思想、願望並びに 要求を反映させ、意
見及び 提案を提出すること。 また従業員の 切実な利益に関わる政策、
措置、制 度及び法律、法規草案の策定に参画すること。また従業員の
重大死傷事故の調査処理に参 画すること。
(d)
工会の理論政策研究の責を負 い、工会の組織制度及び民主制度の制定
を研究し、「中国工会規約」の徹底実施を 監督検査すること。また工
会自身の改革及び建設の指導 を研究すること。各級工会組織が従業員
大会を基本制度とする民主選挙、民主的戦略 、民主的管理及び民主的
監督工作を組織し展開することを指導すること。平等協議 、集団契約
制度及び監督保障メカニズム を確立する活 動を推進すること。
(e)
省 、自治区、直轄市の党委員会が省レベルの総工会指導幹部の管理に
協力し、中央国家機関の関係部門・委員会(局)の全国産業工会指導
幹部の管理に協力すること。全国総工会機関及び直属単位における党
員幹部の党風刷新建設状況を 監督、検査すること 。工会幹部の管理制
度及び 育成訓練計画の制定を研究し、市以上の工 会及び大型企業・事
業単位の工会指導幹部の育成訓練計画を研 究すること。
(f)
国務院が全国労働模範の推薦、選出活動をしっかり進めるように協力
すること。全国労働模範の管理工作の責任を負 うこと。全国“五一(メ
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国名:中国 (調査大項目 1:雇用労働関係法令)
作成年月日:2007 年 7 月 29 日
ーデー)”労働表彰メダル、賞状受賞者の 選出表彰及び 管理工作の責
任を負うこと。
(g)
工会経費及び工会資産の管理、審査、監査業務の責任を負うこと。工
会 が従業員の労働福利事業 の設立を組織するための関連制度及び規
定の制定を研究すること。
工会が設立する 従業員労働福利事業の指導、
調整工作に対し責任を負うこと。
(h)
工会の国際連絡業務の責任を 負い、
各国労働組合との友好関係を発展
させること 。香港 、マカオ特別行政区及び 台湾地区の労働組合との交
流活動の責任を負うこと。
(i)
1.3.2
党中央、国務院より与えられたその他事項 を担当すること。
労働争議解決システムに関する法令
「中華人民共和国企業労働争議処理条例」
企業の労働争 議を適切に 処理し、企業と従業員 との合法的権益を保障し、正常
な生産経営秩序を 維持し、良好な労働関係を発展させるために、国務院は 1993
年 8 月 1 日に「中華人民共和国企業労働争議処理条例」(以下「条例」と称す)
を公 布した。本「 条例」には、総則、企業調停、仲裁 、罰則、附則 の全 5 章の
内容 が含まれる。 その中の第 1 章第 2 条は次のように規定している。この「条
例」 は中国域内の 企業と従業員との間の次のような労働争議に適用される。
(1)
企業 が従業員を解 雇、解除、辞職させるか又は従業員が辞職、自主退職に
より 発生した争議 。
(2)
国が 執行する賃金 、保険、福利、訓練、労働保護の規定により発生した争
議。
(3)
労働契約の履行により発生した争議。
(4)
法律 、法規が 本条 例で処理すべきと規定した以外のその他の労働争議。
労働争議を処理す る場合、「条例」第 3 条は次のように規定している。“企業及
び従業員は労働争議案件の当事者である”。また第 6 条は次のように規定してい
る。“ 労働争議発生後、当事者は協議により解決しなければならない。協議を行
いたくないか あるいは協 議が成立しない場合、労働争議調停委員会に調停を申
請することができ 、調停 が成立しない場合、労働争議仲裁委員会に仲裁を申請
できる。当事者も また労働争議仲裁委員会 に直接仲裁 を申請できる。仲裁 裁定
に不 服のある場合 、人民法院に提訴できる。”
*出典:労働と社会保障部「 中華人民共和国企業労働争議処理条例 」
<http://www.molss.gov.cn/gb/ywzn/2006 -02/15/content_106671.htm >
1.4
労働保険関係法令
1.4.1
労働者災害補償保険
仕事で事故に 遭い負傷するか、あるいは職業病に罹っ た従業員が 医療救済及び
経済補償を獲得し、労働災害の予防及び職業への復帰 を促進し、また雇用企業
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国名:中国 (調査大項目 1:雇用労働関係法令)
作成年月日:2007 年 7 月 29 日
の労働災害リスク を分散するために、中華人民共和国国務院は 2003 年 4 月 27
日に「工傷 *2保険条例」
(以下「条例 」と称す)を公布し、2004 年 1 月 1 日正式
に実 施した。「条例」は総則、工傷保険基金、工傷の認定、労働能力の鑑定、工
傷保険待遇、監督管理、法的責任、附則等全 8 章の内容を含む。その第 2 条は
次のように規定している。“中国域内の各 類型の企業、 使用人を雇用し ている個
人経営商工業者(以下雇用企業と称す)は、本条例の 規定に基づき工傷保険に
加入しなければならず、当該企業 はすべての従業 員又 は使用人(以下従業員と
称す)のために工傷保険料を納付しなければならない 。中国域内の各類型の企
業従業員及び 個人商工業者の使用人は、いずれも本条例の規定に基づき 工傷保
険待遇を享受できる権利を有する。”
また第 10 条は次のように規定している。雇用企業は期日どおりに工傷保険料を
納付 しなければならない。従業員個人は工傷保険料を納付しない。 また 「条例」
第 3 章第 14∼16 条には、“工傷認定”に対して以下のように規定している。従
業員 が下記事由の 1 つに該当する場合、 工傷と認定しなければならない。
(1) 勤務時間中に勤務 場所内で、仕事が原因で事故傷害を 受けた場合。
(2)
勤務 時間前後に勤務場所内で、仕事に関係ある前準備又は後仕舞いの作業
で事故傷害を受け た場合。
(3)
勤務時間中に勤務場所内で、仕事の職責を履行して暴力 等の偶発的傷害を
受け た場合。
(4)
職業病に罹った場 合。
(5)
仕事 で外出中に、 仕事が原因で傷害を受けるか、又は事故が発生し行方不
明になった場合。
(6)
出勤途上で、機動車*3事 故により傷害を受けた 場合。
(7)
法律 、行政法規の 規定で工傷と認定するその他の事由。
従業員が次の事由の 1 つに該当する場合、同様に 工傷とみなす。
(1)
勤務時間中に職場 で、突発的疾病で死亡するか、又 は 48 時間以内に救急
救命 するも効果な く死亡した場合。
(2)
災害 応急作業等国 の利益、公共の利益を保護する活動中に傷害を受けた場
合。
(3)
従業員が以前軍隊 に服役中、戦争及び公務で負傷し障害が残り、革命傷痍
軍人証を取得していて、雇用企業に来てから古傷が再発した場合。
従業員が下記の事 由の 1 つに該当する場合、工傷と認定することはできず、ま
た工 傷とみなすこともできない。
(1)
犯罪 又は治安管理違反で死傷した場合。
(2)
酒酔 いにより死傷 した場合。
(3)
自傷 又は自殺の場 合。
*出典:労働と社会保障部「政策法律庫」<http://trs.molss.gov.cn/was40/mainframe.htm>
*2
工傷:労働災害
*3機動車:エンジン付車両
14
国名:中国 (調査大項目 1:雇用労働関係法令)
作成年月日:2007 年 7 月 29 日
1.4.2
雇用保険
失業者の失業期間中の基 本的生活を保障し、当人の再就職を促進するために、
国務院は「失業保険条例」(以下「条例」と称 す)を制定し、1999 年 1 月 22 日
正式 に実施した。「条例」には総則、失業保険基金、失業保険待遇、管理及び監
督、 罰則、附則の全 6 章 33 条の内容が含まれる。
「条例」は次のように規定し
ている。“都市部の 企業、すなわち国有企業、都市部の集団所有制企業、外国投
資企業、都市部の私営企業及びその他都市部企業はいずれも本条例に基づき執
行され、 上記 の各類別企業はすべて失業保険金を納付 しなければならない。失
業保険基金は下記 の各項により構成される。
(1)
都市部企業事業体 、都市部企業事業体の従業員が納付した失業保険料。
(2)
失業保険基金の利 息。
(3)
財政補助金。
(4)
法により失業保険基金に納入された その他資金。
また「条例」 は下記条件 を備えた失業者が失業保険金 を受領できると規定して
いる 。
(1)
規定 に基づき失業保険に加入し、所属企業 及び本人が既に規定に基づき保
険料納付義務を満 1 年履行していること。
(2)
本人 の意思によらず就 労を中断した場合。
(3)
既に 失業登録手続 を行い、 かつ求職の意志のある場合 。失業者が失業保険
金を 受領している 期間、規定に基づき同時にその他の失業保険待遇を享受
できる。
また 「条例」第 17∼19 条は次のように規定している。“失業者が失業前に所属
企業 及び本人が規 定に基づき納付年数の累計が満 1 年以上 5 年未満の場合、失
業保険金受領の最長期間は 12 カ月、納付年数の累計が満 5 年以上 10 年未満の
場合 、失業保険金 受領の最長期間は 18 カ月、納付年数の累計が 10 年以上の場
合、失業保険金受領の最長期間は 24 カ月である 。新たに就職 した後、再び失業
した場合は、 納付年数は 新たに計算し、失業保険金受領の期間は、前回失業時
に受 領すべきものを受領していない期間を合算するこ とができるが、最長 24 カ
月を超えてはならない。 失業保険金の基準は、当地の 最低賃金基準より低く、
都市部住民の 最低生活保障基準より高いレベルに基づ き、省、自治区、直轄市
人民政府により確定される。失業 者は失業保険受領期間中に罹病し医者にかか
る場合は、規定に基づき 社会保険取扱機構に申請し医療補助金を受け取ること
ができる。医療補助金の 基準は、省、自治区、直轄市人民政府により決定され
る。
*出典:労働と社会保障部「政策法律庫」<http://trs.molss.gov.cn/was40/mainframe.htm>
1.4.3
健康保険
「都市部従業員の 基本医療保険制度設立に関する決定 」
医療保険制度の改 革を加速し、従業員の 基本医療を保 障するため、国務院は 1998
15
国名:中国 (調査大項目 1:雇用労働関係法令)
作成年月日:2007 年 7 月 29 日
年 12 月 14 日に「都市部従業員の基本医療保険制度設立に関する決定」
( 以下「決
定」と称す) を公布し即 日実施し、全国範囲内で都市部従業員の医療保険制度
の改 革を進めた。「決定」は都市部従業員の基本医療保険のカバー範囲 及び納付
方法について 次のように 規定している。都市部のあらゆる雇用企業、すなわち
企業 (国有企業、 集団所有制企業、外国投資企業、私営企業等)
、政府機関、事
業所、社会団体、 非政府組織及び非営利団体単位並び にその従業員は、すべて
この 基本医療保険 に加入しなければならない。郷鎮企業*4及びその 従業員、都市
部の 個人経営事業主並びにその従業員が基本医療保険 に加入するか 否かは、省、
自治区、直轄市人民政府 により決定される。基本医療保険は原則的に地方クラ
ス以 上の行政区( 地区、市、州、盟を含む)を統一準備単位とするが、県(市)
を統一準備単位とすることもできる。北京、天津、上 海の 3 直轄市は全市の範
囲内 で統一準備( 以下統一準備地区と称す)を実行す る。
基本医療保険料は雇用企 業及び従業員が共同で納付す る。雇用企業の納付率は
従業員賃金総額の 6%前後に抑制し、従業員の納付率は一般的に本人賃金収入の
2%とする。経済発展に伴い雇用企業及び従業員の納付率は、相応の調整をする
ことができる。基本医療保険基金は統一準備基金及び個人口座より構成され る。
従業員個人が 納付する基本医療保険料はすべて個人口座に算入する。雇用企業
が納 付した基本医療保険料は 2 つの部分に分け られ、その 1 つは統一準備基金
の設 立に用い、もう 1 つは個人口座に組入れる。個人口座に組入れる比率は、
通常雇用企業が納 付した 30%前後であり、具体的比率は統一準備地区が個人口
座の 支払範囲及び 従業員の年齢等の要素により確定される。
「決定」は各 クラスの労働保障 及び財政部門に基本医療保険基金に対する監督
管理の強化を 要求している。監査部門は定期的に社会保険取扱機構の基金収支
状況及び 管理状況に対し て監査を行わなければならない。統一準備地区は政府
の関係部門代表、雇用企 業代表、医療機構代表、労働組合代表 及び関係専門家
の参加する医療保険基金監督組織を設立し 、基本医療保険基金の社会的監督を
強化 しなければならない。
*出典:労働と社会保障部法律庫<http://trs.molss.gov.cn/was40/mainframe.htm >
1.4.4
年金
(1)
国務院の企業従業員基本養老保険制度の整備に関する決定
「決 定」の中の第 6 条は、基本養老金の計算支給方法の改革を規定してい
る。 個人口座との 連結を確実にするため 、2006 年 1 月 1 日より個人口座
の規 模を、本人納付は賃金の 11%を 8%に調整し、すべて個人納付の形式
とし 、雇用者の納 付は個人口座に組入れないことに統一する。
(2)
企業従業員の基本養老保険の省クラス統一準備を推進する関連問題に関す
る通 知
*4郷営、鎮営の中小企業 のこと。
(郷・鎮は日本の村・町にあたる)
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国名:中国 (調査大項目 1:雇用労働関係法令)
作成年月日:2007 年 7 月 29 日
企業の定年離職者・退職 者 *5 の基本養老保険金を 期日どおりに額面金額を
確保 し、省クラス 調整金制度の絶えざる規範及び整備を基礎に、企業従業
員基本養老保険統一準備業務の展開を積極的に推進し、
「 国務院の企業従業
員基本養老保険の省クラス統一準備制度に関する通知 」(国発〔2005 年〕
38 号)の精 神を真剣かつ徹底的に実施し、省クラスの統一準備実現の歩み
を加 速させるため 、
労働と社会保障部及び財政部は 2007 年 1 月 18 日に「企
業従業員基本養老保険の省クラス統一準備標準」を公布し た。この「標準」
は次 のように規定 している。
(a)
基本養老保険制度
全 省は 統一された 企業従業員の基本養老保険制度 及び政策を実行す
る 。基本養老保険 の省 クラス統一準備方法は 、省クラス人民政府が
文献を公布して実施する。
(b)
基本養老保険料の納付
全 省の 統一工業企業及び従業員の基本養老保険料納付比率 、納付基
数は、 全省が統一 的に 規定 する。都市部の 個人経営商工業者及び臨
時 雇い が納付する 基本養老保険料の比率及び基数は、全省が統一的
に規定する。
(c)
基本養老保険待遇
基本養老金 の計算支払方法 及び統一準備項目は全省で統一し、基本
養 老金 の調整は、 省クラス 人民政府が 国の規定に基づき実施を手配
し、全省で調整方法を統一す る。
(d)
基本養老保険基金の使用
基本養老保険基金 は省 クラスが統一管 理して使用し、統一徴収、統
一支出 は省クラス が直接管理する。現段階では省クラスが統一的に
計 算し 、省及び地 方( 市) 両クラスで 調整し、基金残高は省クラス
が地方(市)、県に管理を任せる方式を採用することができる。その
中 で、 中央財政、 省クラス 補助資金及び上記の調整金は省クラスが
統一調整して使用 する 。省 クラスは国家規定に基づき統一的に組織
(e)
して基本養老保険基金の投資運営を実施す る。
省クラス基金の予算
全省は統一して基本養老保険基金予算を編成実施し、省 、地方(市)
及び県の各クラスの人民政府の責任を 明確 にする。各地方(市)、県
は 批准 された基金 の収支予算に厳格に 基づき執行し、予算の調整は
規定された手順に基づき行われる。
(f)
基本養老保険業務の規程
基本養老保険業務取扱規程及び管理制度は 全省で統一する。全省 は、
統一したデータ基準で実行し 、統一した応 用システムを使用する。
*出典:労働と社会保障部「政策法律庫」<http://trs.molss.gov.cn/was40/mainframe.htm>
*5離職とは、建国前に革命に参加した者の定年退職を指し、退職とはそれ以外の者の定年退職を指す。
17
国名:中国 (調査大項目 1:雇用労働関係法令)
作成年月日:2007 年 7 月 29 日
1.4.5
その他、 独自の保険や基金に関する法令
(1)
国務院の都市部住民の基本医療保険試験 拠点の展開に関する指導意見
広範 な人民大衆の 医療補償問題を解決し、医療保障制度を絶えず整備し、
都市部全住民をカバー する医療保障体系目標の基本的確立を実現するため
に、国務院は 2007 年 7 月 10 日に「国務院の都市住民の基本医療保障試験
拠点 の展開に関す る指導意見」
(以下「意見」と称す)を公布し、今年から
都市部住民の基本医療保険試験拠点の展開を決定した。
「意 見」は次のように要求している。2007 年には条件の整った省で 2∼3
都市 を選び試験拠点をスタートさせ、2008 年に試験拠点を拡大し、2009
年に は試験拠点都 市を 80%以上に達するよう努力し、2010 年には全国で
全面展開し、逐次全都市部の未就労住民をカバーする。
試験 拠点を通して 都市部住民の基本医療保険の政策体系を模索しながら整
備し て、合理的な 資金調達機能、健全な管理体制及び規範化された運営機
能を 作り上げ、大 病及び重病を統一準備の主とする都市部住民の基本医療
保険制度を逐次確立する。
「意 見」では保険加入範囲、資金調達レベル、保険料納付及び補助等につ
き、 次のように規 定している。都市部従業員の基本医療保険制度のカバー
範囲 に属さない小・中学校及び高校段 階の学生(職業高校、中等専門学校、
技能学校の学生も 含む)、児童及びそ の他の非就 労の都市部住民は、すべて
都市部住民基本医療保険に自由意志で加入することができる。試験 拠点都
市は 当地の経済発展レベルに基づき、また成人及び未成年者等異なった年
齢層 の基本医療の 消費需要に応じて、なおかつ当地住民家庭及び財政の負
担能力を考慮して 、資金調達レベルを適宜確定しなければならない。また
資金調達レベル、 納付期間 及び待遇レベルとリンクし たメカニズムの設立
を模 索しなければならない。都市部住民の基本医療保険は家庭の保険料納
付を 主とし、政府 が適宜補助する。保険に加入する住民は、規定に基づき
基本医療保険料を 納付し、相応の医療保険待遇を受け る。条件を備えた雇
用企業は 、従業員家族の保険加入にともなう保険料納付に対し、補助を行
うことができる。 個人 の保険料納付及び企業の補助資金に対して国は 税収
奨励政策を制定し 、試験拠 点都市の保険加入住民に対して 政府は毎年 1 人
平均 40 元を下回らない補助を行う。そのうち、中央財政は 2007 年より毎
年特別勘定から支 払い、中西部地区に対しては 1 人平均 20 元の補助を行
う。 この基礎の上 で、 最低生活保障対象者又は重度傷害の学生及び児童の
保険加入に必要な 家庭 の保険料納付部分に対して、政府は原則的に更に毎
年 1 人平均 10 元を下回らない補助を行う。そのうち、中央財政は中西部
地区 に対して 、1 人平均 5 元の補助を行う。その他の 最低生活保障者、労
働能力を喪失した 重度障害者及び低収入家庭の満 60 歳以上の老齢者等生
活困窮住民の保険加入に必要な家庭の保険料納付部分に対して、政府は毎
年更に 1 人平均 60 元を下回らない補助を行う。そのうち、中央財政は中
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国名:中国 (調査大項目 1:雇用労働関係法令)
作成年月日:2007 年 7 月 29 日
西部地区に対して 、1 人平均 30 元の補助を 行う。中央財政は東部地区に対
して 、新型農村合作医療の補助方法を参照して、適宜補助を行う。財政補
助の 具体案は、財政部門が労働保障部、民生部等の部門と協議の上研究及
び確 定し、補助経費は 各級政府の財政予算に組入れる。都市部住民の基本
医療保険基金を社会保障基金財政の特別勘定に組入れて統一管理し、独立
勘定 を立てる。試 験拠点都市は社会保険基金管理等の関連規定に基づき、
財政制度を厳格に 実行し、基本医療保険基金に対する管理と監督を 強化し、
健全 な基金のリスク防止及び調整機能の設立を模索し、基金の安全を確保
しなければならない。
*出典:労働と社会保障部
<http://www.molss.gov.cn/gb/news/2007 -07/25/content_189064.htm>
(2)
農村の 5 項目保障生活保護活動条例
農村の 5 項目保障生活保護の活動 を実施し 、農村の 5 項目保障生活保護の
正常 な生活を保障 し、農村社会保障制度の発展を促進するため、国務院は
2006 年 1 月 21 日に「農村の 5 項目保障生活保護活動条例」
(以下「条例」
と称 す)を公布した。
「条例 」の中の「農村の 5 項目保障生活保護」とは、
本条例の規定する 食、衣、住、医、葬の面で村民に与える生活配慮及び物
資援助を指す。生活保護対象とは、老齢者、身障者及び満 16 歳未満の村
民、 労働無能力者 、収入源のない者、また法定扶養義務者のいない場合又
はその法定扶養義務者に扶養能力がない場合、農村の 5 項目保障生活保護
待遇 が受けられる。農村の 5 項目保障生活保護には次の保護内容が含まれ
る。
(a)
食糧、油、副食品及び生活用燃料の供給。
(b)
衣服、寝具 等の生活用品及び 小遣い銭の供 給。
(c)
基本居住条件に 符合した住宅 の提供。
(d)
疾病治療の提供、及び自分で身の回りのことができない 者に対しての
世話。
(e) 葬儀埋葬。
農村の 5 項目保障生活保護の対象で、満 16 歳未満若しくは満 16 歳を過ぎ
ても 義務教育を受 けている者に対して、彼らが法に基づき義務教育に必要
な費 用を保障しなければならない。農村 5 項目保障生活保護資金は地方人
民政府の財政予算 の中から手配する。農村集団経営等の収入のある地方で
は、農村集団経営等の 収入から資金 を手当することができ、農村 5 項目保
障生活保護対象者に対する生活の補助と改善に用いる。農村 5 項目保障生
活保護対象者が請 け負った土地を他人に代理耕作させた場合、その収益は
当該農村の 5 項目保障生活保護対象者の所有とする。具体的方法 は、省、
自治区、直轄市人民政府が規定する。中央財政の財政 困窮地区の農村 5 項
目保障生活保護に 対して、資金面で 適宜補助する。農村 5 項目保障生活保
護資金は専ら農村 5 項目保障生活保護対象者の生活に用い、いかなる組織
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国名:中国 (調査大項目 1:雇用労働関係法令)
作成年月日:2007 年 7 月 29 日
若しくは個人は、 着服、流用、差止め、あるいは勝手に分配してはならな
い。
*出典:労働と社会保障部「政策法律庫」<http://trs.molss.gov.cn/was40/mainframe.htm>
1.5
職業能力開発法令
1.5.1
職業能力開発制度
既に 公布された法律に「 職業教育法」及び「民営職業教育促進法」がある。そ
れに 関連して公布 された文献が主に関連するものは、 職業訓練教材の建設では、
「2006∼10 年の職業訓練教材の建設計画の印刷公布 に関する通達 」(2006 年 11
月 6 日公布)、技能人材の育成では 、
「高度技能人材の評価作業の更なる強化に関
する通達 」(2006 年 6 月 22 日公布)、
「高度技能人材活動の更なる強化の意見に
関す る通達」 (2006 年 4 月 18 日公布) である。
1.5.2
職業能力評価制度
公布された関連文献は主 に各業界、各職業職種の職業基準の公布に関連するも
ので、「民用航空乗務員等 2 カ国の職業基準の印刷公布に関する通 達」(2006 年
11 月 3 日公布)、
「陸地測量員等 5 カ国職業基準の印刷公布に関する通達」(2006
年 8 月 29 日公布)である。2006 年 1 月現在、国が公布 した職業基準 は全部で 505
ある 。
1.6
その他の雇用労働関係法令
1.6.1
職業紹介制度
「労働市場建設の更なる強化 及び就労サービス体制の 整備に関する意見」
就業サービス 体制の完備 は労働力市場 の発展及び 運営 に係る重要な 条件であり、
中国が就業を 拡大する重 要な道程である。 中国の就業 サービスは経済体制の改
革及び就業制度の進化に 伴い、逐次現われ発展してきた。就業サービス体制を
完備する目的 は、各項の 就業サービス間の 密接な関係 を強化し、高効率で開放
され市場化されたサービス体制を形成し、 サービス機 能をよりよく発揮させる
ことにある。 中国の就業サービス機構はそ の性質により区分され、公共就業サ
ービス組織及び私営サービス組織に分けられる。私営 サービスは就業サービス
の中で積極的 な働きを果 たしているが、そ の数は少な く、管理上公共就業サー
ビス組織の規範にはない 。現在、世界の大多数の国はみな公共就業サービス制
度を 確立している 。80 年代以来、中国は既に公共就業サービス体制を確立して
いる。社会に 対して職業紹介、職業指導、就業訓練及び社会区域の就業職場の
開発サービス 等の内容を 含む公益性の就業 サービスを 提供している。現在、全
国の主要大中都市では基本的に一時帰休労働者及び失業保険を受給している失
業者に対してある程度の 無償の就業サービスを実行し 、就業圧力の緩和、一時
帰休労働者及び失業者 の再就職促進の面で重要な役割 を果してきた。「労働力市
場建設の更なる強 化及び就業サービス体系の完備に関 する意見」
(労働と社会保
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国名:中国 (調査大項目 1:雇用労働関係法令)
作成年月日:2007 年 7 月 29 日
障部 発(2002 年、7 号)で明確に提起している。
各クラスの労働保障行政部門 は毎年政府の就業促進、 失業率抑制の目標及び当
地の就業困難 の一群の状 況に基づき、公共就業サービスの任務 及び重点サービ
スの対象を確定し、政府 が手配する就業促進の特別勘定資金を獲得し、公共就
業サービス項目を設立し、賃 金性手当の実施、無償の サービス 及び訓練の提供
等の方式を通 じて、就業困難の一群の就職を支援しなければならない。直轄市
と社会区域の 市レベルの 労働保障行政部門は公共就業 サービス実施法案を制定
し、全市の範囲内で公共職業紹介機構を統一的に企画 し合理的に配置して、公
共就業サービスの具体的対象 及び 具体的項目を確定し、サービスの流れ 並びに
規範基準を統一し、全市 の公共職業紹介情報ネットワークを実施し、情報の共
有を実現し、 公共就業サービス成果に対し て統一評価 を展開させるよう定期的
に組 織しなければならない。
公共職業紹介機構は、規 定により無償で失 業者及び特 別サービスの対象に向け
て公益性のサービスを提 供する。公共就業サービス業 務を遂行することを基礎
に、労働力市場の需要に 基づき絶えずサービス機能を 広げ、労働保障事務の代
理サービス及 びその他労働者 並びに雇用者の要求を満 足させる有償のサービス
項目 を展開することができる。
健全な失業登録、失業保険金の申請受領貸付、職業指導、職業紹介の相互連携
の業務の流れ 及び管理方法を確立し、失業 者の就業サービス受け入れ並びに失
業保険金の申請受領のために迅速なサービスを提供す る。失業保険を受ける失
業者が職業紹 介及び職業訓練で手当を受け取る方法を 規定する。公共就業サー
ビスの職業訓練に対する情報誘導 及び サービス作用を 発揮し、職業訓練の的確
性並びに有効性を向上させる。公共就業サービス及び 失業保険、職業訓練業務
の連 携を強化する 。
1.6.2
外国投資法により進出し た企業で、海 外か ら招聘され就労する者の 労働許可条
件
・
「外国人の中国における就業管理業務に係る問題に関する通達」 (1998 年
・
12 月 7 日公布)
「
“外国人の中国 における就業管理規定の公布”に関 する通達 」(1996 年 1
・
月 22 日公布)
「外国人の中国に おける就業管理業務を遂行するためのいくつかの問題に
関す る通達」 (1998 年 5 月 24 日公布)
以上が中国政府の中国における就業者に対する管理規定であり、その内容は主
に外国人の中国における 就業に必要な就業登録、就業許可証の手続きといかに
労働管理を行うかに対する関連条項である。その中で、「外国人の中国における
就業管理規定 」は外国人 が中国で就業する上で具備しなければならない 基本条
件を 規定しており 、それは次のとおりである。
(1)
年齢 は満 18 歳以上で身体健康なこと。
(2)
業 務に従事するために必要な 専門技能及び相 応の 業務経歴を具備 するこ
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国名:中国 (調査大項目 1:雇用労働関係法令)
作成年月日:2007 年 7 月 29 日
と。
(3)
犯罪記録がないこと。
(4)
確か な招聘単位があること。
(5)
有効 な旅券又は旅 券に代替できるその他の国際的旅行証を有すること。
この他に、外国投資企業 が外国人を招聘するには、業界主管部門の審査批准を
必要 とせず、契約書、 定款、批准証書、 営業許可証及び本規定第 11 条が規定す
る文献をもとに、直接労働行政部門の証明書発行機関 に出向き 、申請して許可
証書 を受領することができる。
1.6.3
海外から 招聘され就労 する者の加入義務のある制度
「外国人の中国における就労管理業務強化の 関連問題 に関する通知」
「外国人の中国における就労管理規定」(以下「規定」と称す)が 1996 年 5 月
1 日に全国で実施されてから、外国人の中国における就労管理業務が順次法制化
の軌道に乗ってきた。外国人の中国における就労管理業務を更によくするため
に、 労働と社会保障部は 1998 年 12 月 7 日に「外国人の中国における就労管理
業務強化の関連問題に関する通知 」を公布した。通知 は次のように要求してい
る。
(1)
中国 に投資に来る 外国籍投資家は、直接企業の経営管理に関与しない者は
すべて、中国のおける就労とはみなさず、就労ビザを 持たなくてよい。企
業の 経営管理に関 与し、企業で管理職務を担当する者はすべて、
「規定」に
基づ き関係ある就労手続を行うものとする。
(2)
就労 ビザを所持せずに入国した外国企業常駐代表機構の首席代表及び 代表
は、
「外国企業常駐代表機構登記証」、
「外国企業常駐代表機構工作証」に基
づき 就労ビザ及び 就労証を申請し取得しなければならない。就労ビザを所
持せずに入国し、 中国に常駐して企業経営管理活動に参加する必要のある
外国投資企業の外国側投資家、法人代表 若しくは外国側高級管理人員(外
国籍総経理、副総経理及び工場長お副工場長を指す )は、企業の批准証明、
営業許可証コピー及び 外国人就労許可証書(以下「許可証書」と称す)を
申請 し取得しなければならない。
(3)
中国 とのビザ免除国より中国に来て就労する者はすべて、原則的に一般旅
券を 所持し、ビザ通知の書簡・電文 及び許可証書に基づき、就労ビザ及び
就労 、在留手続を 行わなければならない。ビザ免除範囲に属する旅券(公
務旅券、公務一般旅券)を所持し中国に来て就労する者に対しては、許可
証書 に基づき就労証の手続を行わなければならない。
(4)
既に 中国で就労している外国籍労働者が、当該企業の他所の職場に就労す
る際 、当該外国人 の就労証期限満了に達していない場合、証書の元発行所
在地 の労働保障部門に出向き、就労証の変更手続又は就労証の返却 を行い、
然る 後に当地の労働保障部門の発行した就労証変更証明を持参して、新任
地で 新たに就労証(「許可証書」の手続 は不要)の手続を行わなければなら
ない 。就労証の期 限が満了の場合は、証書の元発行所在地の労働保障部門
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国名:中国 (調査大項目 1:雇用労働関係法令)
作成年月日:2007 年 7 月 29 日
に出 向き就労の終了手続を行い、かつ「規定」に基づき新任地で新たに就
労証 の手続を行わなければならない。
(5)
外国観光旅行部門 の中国における常駐代表機構の外国籍労働者の入国就労
については、
「規定 」に基づき中国における就労及び在留手続を行わなけれ
ばならない。そのうち、当該国の観光旅行部門が派遣した本国の労働者は、
中国国家旅遊局の ビザ通知書簡・電文、 及び代表資格確認書類に基づき、
当該国の中国大使館、領事館に就労ビザを申請しなければならない。中国
へ入国後、代表証 及び就労ビザに基づき、当地労働保障部門に対して就労
証を 申請しなければならない。
(6)
外国商工会議所が 外国籍工作人員を招聘する場合、招聘意向書、商工会議
所規約ならびに国家民政部発行の「中華人民共和国社会団体登記証」、及び
対外経済貿易部 *6、 民政部の当該外国籍藤堂者の 招聘に対する審査批准書
類に 基づき、労働保障部門に出向き、招聘される外国籍労働者のために許
可証書を申請し、 当該外国籍労働者は許可証及びビザ通知書簡・電文を持
参し て我国の大使館、領事館にて就労ビザの手続を行うことができる。入
国後 は、「規定」 に基づき関連手続を行う。
(7)
外国人就労許可証書、外国人就労証、台湾マカオ人員就労証は 1999 年 1
月 1 日より新証書を使用し、 旧証書は破棄する。新証書は各省、 自治区、
直轄市が独自の通 し番号をつける。
*出典: 労働と社会保証部
<http://www.molss.gov.cn/gb/ywzn/2006 -02/16/content_106820.htm >
1.6.4
その他雇用労働に関す る法令
(1)
ゼロ 就労家庭の就 労支援活動の全面的推進に関する通知
再就 職政策の支援範囲を拡大し、再就職援助制度を健全化し、ゼロ 就労家
庭及び就労困難者 の就労を支援するため、労働と社会保障部は〔2007 年〕
24 号文献「 ゼロ就労家庭の就 労支援活動の全面推進に関する通知」を公布
した。「通知」は 次のように要 求している。
(a)
ゼロ就労家庭の支援活動の目標任務を明確 にすること。
各地は 2007 年 7 月末までにゼロ就労家庭の支援活動を 全面的に配置
実施し、かつ本地区のゼロ就 労家庭数を初歩的に把握し、2007 年末
までに 基本的に都市部 の現 有ゼロ就労 家庭を解消する。ゼロ就労家
庭に対して、
“1 戸現れれば 1 戸援助し、1 戸解消すれば、1 戸安定さ
せる”まで行う。
(b)
申請認定制度を設立する。
ゼ ロ就 労家庭とは 、都市部 の家庭で法 定の労働年齢にあり、労働能
力 及び 就労願望のあるすべての 家庭構成員が失業状態にあり、かつ
経営性 、投資性のある 収入 のない家庭を指す。上記の条件に合致す
*6現在は商業部に吸収合併された。
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国名:中国 (調査大項目 1:雇用労働関係法令)
作成年月日:2007 年 7 月 29 日
る 家庭 は、自由意志の 原則 に基づき、 戸籍所在地の街道(郷鎮)労
働保障 活動機構に ゼロ就労 家庭の登記 を申請し認定を受けることが
できる。具体的条件及び登記認定手順は地方労働部門が規定する。
(c)
ゼロ就労家庭の特徴に対応し て、就労職場 を多面的に開拓する。
公益性 の就労職場 と関 連の 補助金を実 施し、年齢が高く、家庭が困
難 なゼ ロ就労家庭 の構成員の就 労を配 置する。 関連政策を実行し援
助 するには、各業種の雇用企業がゼロ就労家庭の構成員を吸収して
安定就 労が実現することを 奨励する。適用性の強い創業項目を開発
し 、ゼ ロ就労家庭構成員の 自主 創業を 指導する。労働集約型小企業
の 創業 を支援し、 家内手工業の加工項目を推進拡大し、ゼロ就 労家
庭構成員の融通性 のある就 職を導く。 労務輸出プロジェクトを組織
し、ゼロ就 労家庭構成員を組 織して就職へ 向けさせる。
(d)
再就労政策の支援範囲を拡大 し、政策措置 を完備する。
各 地は 条件の合致した ゼロ 就労家庭構成員に対して、各項の就 労支
援 策を 真剣に実行 する 。ゼ ロ就労家庭構成員が 自分自身で職業を探
し 、自主的に創業 することを奨励する。企業がゼロ就 労家庭構成員
を 吸収 することを 奨励 し、 公益性のある職場への配置を向上させ、
就労人員の安定性を活性化す る。
(e)
現場の環境条件に依拠し、就 労サービスを 強化する。
各 地は コミュニティーの労働保障活動条件に 依拠し、ゼロ就労家庭
及び就労困難人員の実体を探 り、就労支援目標の責任制度を確立し、
支援任務を人に定 着さ せ、 動態管理及びマンツーマンのサービスを
実行する。
(f)
最低生活保障、失業保険及び 就労を連動させた機能を成立する。
各 地は 相関関係を 更に 整備 するには、 最低生活保障、失業保険及び
最低賃金間 の結びつきを模 索し、労働能力のある 最低生活保障者が
積 極か つ自発的に 就労 するよう奨励し吸収する激励機能を形成する 。
最低生活保障待遇、失業保険金及び最低賃金基準を合理的に確定し、
最低生活保障者の就労 後の 待遇が一定期間内に合理的に延長する方
法 を模 索し、就労 後の 困窮者全体の収 入レベルと待遇を引下げない
ことを 保証し、労働能力のある最低生活保障対象者及び失業人員の
就労願望を強化する。
(g)
ゼロ就労家庭の就業支援長期間有効な機能 を確立する。
企 業の 人員削減行為を 規範化し、失業 コントロールを強化する。各
地 は企 業の人員削減行為に 対する指導を強化し、できるだけ家庭構
成 員に 既に失業者 がいる従業員の人員削減は避け、夫婦双方 が同時
に 失業 することを 厳格 にコントロールし、ゼロ就 労家庭の発生を源
からコントロールする。
(h)
組織指導を強化し、調整制度 を確立する。
各 地の 労働保障部 門は 指導 を強化し、ゼロ就 労家庭の就労支援を当
24
国名:中国 (調査大項目 1:雇用労働関係法令)
作成年月日:2007 年 7 月 29 日
地 の就 労再就労活 動の 目標 の責任体制に組入れ、活動任務及び 進捗
度 を明 確にし、責 任を 確実 にする。財 政、民生部門と積極的に協調
し 、就 労支援活動特別 勘定項目資金保障制度及び協調連動制度を確
立する。
*出典:労働と社会保障部「 政策法律庫」
<http://www.molss.gov.cn/gb/zxwj/2007 -07/17/content_187456.htm>
(2)
2007 年度農村労働力の技能就労計画実施活動の遂行に関する通知
農村労働力に対す る職業訓練及び職業技能鑑定サービスを強化し、就労能
力へ の転換を高めるため、労働と社会保障部は 2007 年 4 月 28 日に「農村
労働力技能就労計 画の印刷公布に関する通知」
(労働と社会保障部発〔2006
年〕18 号)を公布し、農村労働力訓練活動に対して 配置を行った。「通知」
は次 のように要求 している。農村労働力技能就労計画の全体配置に 基づき、
2007 年度の計画任務は、 農村労働力 800 万人の訓練である。そのうち、
就労 に転換する前 の農村労働力(農村の中学、高校卒業生で上級校へ進学
していない人員及びその他 の新しい労働力、農村部退役兵士、出稼ぎ願望
のある農村部の余剰労働力、都市部の公共就業サービス機構に求職を登記
している農村 部労働者を含む)は 400 万人、訓練合格率は 90%を達成、
転換就労率 80%を達成、 訓練中の在職農民工 400 万人、訓練合格率、安
定就 労率ともそれぞれ 90%を達成。「通知」は更に農村技能就労計画に参
加し た農村部労働力に対して、各地が訓練費補助を支給しなければならな
いと 要求している 。訓練費補助の基準は 、各地の労働保障部門が当地の各
職業 (職種)の訓練綱目の社会平均訓練費用を基礎に 、差額補助の 原則で
具体案を提出し、 クラスの財政部門と協議の上確定して公布する。 労働市
場で 不足していると認定された職業(職種)に対する訓練項目は、財政部
門と 協議の上全額補助することができる。労働市場で不足していると認定
された職業(職種 )の訓練項目の作業手順は、各地の労働保障部門が関係
部門 とともに確定 する。各地の就労再就職資金費用を手配する場合、農村
部労働者訓練補助資金を重要項目とみなして、資金規模を優先的に 手配し、
資金 の満額入金を 確保しなければならない。中央財政が中西部各省を支持
する 就労補助資金 は、各関係省が負担すべき訓練任務に基づき、農村部労
働者 の訓練補助に 対して相応の手配を行わなければならない。中央財政が
東部 7 省を支持する就労補助資金 は、主に地方各クラスの財政を補って省
域を 越えた外来の 農村労働者に対する訓練補助資金に 用いる。
*出典:労働と社会保障部
「2007 年度農村労働力の技能就労計画実施活動の遂行 に関する通知 」
<http://www.molss.gov.cn/gb/zxwj/2007 -07/09/content_185824.htm>
25
国名:中国 (調査大項目 1:雇用労働関係法令)
作成年月日:2007 年 7 月 29 日
【参考文献】
1.
中華人民共和国労動と社会保障部「業務指南」<http://www.molss.gov.cn/index/index.
2.
htm>
中華人民共和国 労動と社会保障部「政策法律庫」<http://trs.molss.gov.cn/was40/mai
nframe.htm>
3.
CCID:China Market Intelligence Center <http://industry.ccidnet.com/>
26