MATLABによる金融モデル構築

MATLABセミナー リスクモデル開発から実装の効率化
MATLABによる金融モデル構築
株式会社 ティージーアイ・フィナンシャル・ソリューションズ
先端金融工学センター 主幹計量アナリスト
水口 智史
2011年6月23日(木)
Copyright (C)2009 TGI Financial Solutions Co. Ltd.
概要
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弊社と先端金融工学センターのご紹介
MATLAB利用ケース
ユーザーの立場から
CVAリスクへの取組みとWatRISQセミナーのご紹介
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概要
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弊社と先端金融工学センターのご紹介
MATLAB利用ケース
ユーザーの立場から
CVAリスクへの取組みとWatRISQセミナーのご紹介
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弊社のご紹介~成り立ち~
出身母体の株式会社ティージー情報ネットワークの頃より、以前からロケットサイエンスに代表
される科学技術計算、シミュレーションに取り組んでおり、ガスの燃焼解析や熱の流動性などに
応用してきました。そうした技術をベースにしながら、さらに金融工学を活用したビジネスプラン
を10年前に社内ベンチャー企画として立ち上げ、ティージー情報ネットワークの一事業部として
収益ビジネスに発展させました。
当社には、ロケットエンジニアリングで培った熱流体解析の数値シミュレーション、確率・統計計算などの
数値計算をベースに、金融商品を分析する計量アナリストが揃っており、現在も宇宙航空研究開発
機構(JAXA)様のロケットエンジニアリングの仕事に携わっています。
茨城県つくば市にある筑波宇宙センター・JAXAにて
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弊社のご紹介~会社概要~
•設立年月日
•資本金
•代表取締役社長
•本店所在地
•事業内容
平成20年4月1日設立
※株式会社ティージー情報ネットワークより、外販部門が分社化
5,000万円(株式会社ティージー情報ネットワーク100%、東京ガスグループ)
竹腰 秀則
東京都千代田区大手町1-3-1 JAビル
最先端の金融工学と情報技術を駆使して、お客様のビジネスにおける有効な
価値創造を支援するソリューションの提供
»●金融機関様向け
»Prélude Enterprise(市場系統合システム)
»仕組債/証券化商品等の評価
»収益・リスク管理など企画管理部門業務のシステムインテグレート
»●一般事業者様向け
»コーポレートファイナンスソリューション
»数値シミュレーション(構造・流体解析)
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先端金融工学センターのご紹介
• 組織
専任アナリスト14名
• 主な役割
– パッケージソフト開発や個別のシステム開発において金融工
学などの数理的知識を必要とする作業を担当
• 理論時価評価、リスク指標などの計算ロジック設計・実装・テスト
• プログラミング言語・環境
• C#, C/C++, R, etc
• MATLAB
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概要
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弊社と先端金融工学センターのご紹介
MATLAB利用ケース
ユーザーの立場から
CVAリスクへの取組みとWatRISQセミナーのご紹介
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MATLAB利用ケース
各種モデル、プロトタイプ、評価システム開発、数値検証
• イールドカーブモデル
– LIBOR-Swapカーブ
– 国債カーブ
• 金利の期間構造モデル
RMBS評価システム
– BGM
• プリペイメント・モデル
– S&T カスタマイズ
• 他言語プログラム部品検証
プログラム部品
各ケースとMATLABライブラリの利用箇所をご紹介
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イールドカーブモデル開発
金
利
日
付
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イールドカーブモデル開発
• LIBOR-Swapカーブ
– ブートストラップ法
• 補間ロジック
• 休日調整
• 月末調整
• 国債カーブ
– 回帰モデル
P  A    (t )  C (t )  
t
 (t ) ~ exp(   t )  (1  x)


• 逆行列計算
• 最適化問題(1変数の最小化)
S  YT Ω 1Y  θˆ ZT Ω 1Y
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金利の期間構造モデル開発
金
利
日
付
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金利の期間構造モデル開発
• BGMモデル
dFi (t )
  i (t )dt  si (t i  t )dz
Fi (t )
 i  j  F j (t k )   j ,k  i ,k i ,k 2 

 k  i ,k   k   k 
Fi (t k 1 )  Fi (t k )  exp  

2 
 j k 1 1   j  F j (t k )

– カーブ補間
– 最適化計算
 Pmodel,i  Pmkt ,i
U  i 
Pmkt ,i





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キャリブレーション:キャップ及びスワップションの23個のボラティリティパラメータ
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プリペイメントモデル開発
プリペイメント無し(月次元利均等返済)
住
宅
ロ
ー
ン
プ
ー
ル
残
高
プリペイメント率一定
その他モデル
600,000,000,000
500,000,000,000
400,000,000,000
300,000,000,000
200,000,000,000
100,000,000,000
月
日
付
20
37
年
10
月
20
32
年
10
月
20
27
年
10
月
20
22
年
10
月
20
17
年
10
月
10
年
12
20
20
07
年
10
月
0
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プリペイメントモデル開発
• プリペイメントモデル
– 期限前返済行動のモデル
– 固定金利住宅ローンから将来発生するキャッシュフローを推計
– 期限前返済行動の説明変数
• 経過期間、季節性、燃え尽き、金利インセンティブ等


h(t )  k  h0 (WALA(t );  , p)  exp    j  v j (t ) 
 j

– 最適化計算
• 過去実績返済率との誤差が最小となるパラメータを算出
 hmod el (t )  h実 績 (t ) 

t 

h実 績 (t )


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RMBS評価システム
• RMBS評価とは
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RMBSの将来キャッシュフロー
⇒WAL, OAS, ZVO等の指標
イールドカーブモデル
金利モデル
プリペイメントモデル
• OAS算出
OAS:裏付資産である住宅ローンの債務者のプリペイメント・オプ
ションの価値をイールドカーブに対するスプレッドとして表現
– 零点探索
1
PV ( s) 
N
N N MBS
  CF
i 1 k 1
PV (s)  DirtyPrice
i
MBS
(t k )  DF i ( s, t k )
となる s  OAS
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RMBS評価システム
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金利モデルはBGMモデルを使用しています。
プリペイメント率は、直接入力もしくはプリペイメント・モ
デルのいずれかの適用が可能です。
OASを所与として、RMBSの価格を算出することも可能
です。
貸付債権担保住宅金融公庫債券及び貸付債権担
保住宅金融支援機構債券に対応しています。
*1 OAS : Option Adjusted Spread
*2 ZVO : Zero Volatility OAS
*3 WAL : Weighted Average Life
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実行
MATLAB Compiler
生成
exe
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他言語プログラム部品検証
• 複雑な数値計算プログラム
– なにかしら数値は出るがその正しさをどう検証するか?
– 1つの方法:プログラムを2つ実装し比較する
– MATLABにより容易にテスト用の数値を算出
• 特によく知られた統計分布関数などの数学関数は比較対象としやす
い
例:多変数正規分布
mvncdf
Multivariate normal cumulative distribution
function
⇒ウィンドウバリア・オプションの解析解で使用
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概要
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弊社と先端金融工学センターのご紹介
MATLAB利用ケース
ユーザーの立場から
CVAリスクへの取組みとWatRISQセミナーのご紹介
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ユーザーの立場から
• 利用する理由
– ビジネスロジック本体に注力できる
• 数式からプログラムへの変換が容易
• 積分、補間、最適化などのアルゴリズムの詳細はMATLABに委譲
• 各種手法を用いた試行錯誤が容易
– 最適化計算の手法を試行し、実務上ほどよいパラメータが求まる手法を
使う
• 所感
– MATLAB固有のデータ型
• 使い方に注意が必要。パフォーマンスへの影響を考慮して…
– 回帰分析関係の機能が物足りない印象
• より機能拡張して頂けると大変ありがたい…
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概要
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弊社と先端金融工学センターのご紹介
MATLAB利用ケース
ユーザーの立場から
CVAリスクへの取組みとWatRISQセミナーのご紹介
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CVAリスクへの取組み
CVAリスクに関するモデル開発
今次の金融危機や、国際会計基準(IFRS)の適用、バーゼル規制強化を背景に、
バーゼルⅢにおいて、店頭取引におけるデリバティブカウンターパーティに対し、CVAリスク
(信用リスクの価格変動リスク)を考慮することとなります。
December2010.
Basel III: A global regulatory framework for more resilient banks and banking systems
弊社はCVAリスクの捕捉に必要な、将来エクスポージャ( Potential Future
Exposure(PFE) )の計算から、担保、ネッティング等の考慮まで含めた、国内金融市場
におけるCVAリスク管理モデルのあるべき姿について調査・分析に取り組んでいます。
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MATLABによるIMM計算ワークショップ
WatRISQによるCVAワークショップの開催(案)
弊社はこの度WatRISQと協業し、より具体的なCCR、CVAに関する情報発信を行なうことと致しました。
今回のワークショップの特徴として、CVAの概論はもちろん、モデリングからMATLABによる実践演習までと、非常
に具体性の高いカリキュラムであることも、これまでの制度面、運用面の情報発信や、ベンダーのツールデモとは一
線を画すものとなっております。
【WatRISQについて】
WatRISQは、リスク管理及び財務会計分野のための効果的な定量的ソリューションを開発するために、産業界及び政府系のパートナーと共同研究を行っております。当研究機関に
は、Waterloo大学の教授40名と、大学院生が所属しています。
当研究所の得意分野:
金融工学-偏微分方程式の数値解法によるプライシングとヘッジ、ポートフォリオ最適化、モンテカルロ法、高性能/並列コンピューティング、
リスク管理-長期投資モデル、投資保証商品のプライシングとヘッジ、信用リスクモデル、オペレーショナルリスク
保険と保険数理-死亡リスクと長寿リスク、年金プラン
証券計量-ボラティリティモデル、経験的な資産価格手法、将来予測
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注1:本ワークショップのプログラムは都合により一部変更させていただくことがございます。また、申込み状況によっては中止となる場合もございます。予めご了承ください。
注2:記載されている会社名、製品名は、各社の登録商標または商標です。
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MATLABによるIMM計算ワークショップ
【インストラクター】David Saunders教授、Waterloo大学
Waterloo大学の統計/保険数理学部の助教授。
David Saunder教授はMcGill大学にて学士号
(1996年)を取得し、トロント大学にて修士号
(1997年)及び博士号(2001年)を取得。
Waterloo大学所属前は、ピッツバーグ大学の数学科にて講師として勤務。ピッツバーグ大学では金融工学の
Professional Masters Programの共同ディレクターを務め、生徒と産業スポンサー間の多くの共同研究プロジ
ェクトを管理。Saunders教授はノバスコシア銀行, オンタリオ教員年金計画委員会、キプロス開発銀行、 キプ
ロス中央銀行、 R2 Financial Technologies等、多くの機関に対してコンサルタントして従事した。リスク管理、
ポートフォリオ最適化、デリバティブ時価評価の分野において、多くの文献を著した。
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注1:本ワークショップのプログラムは都合により一部変更させていただくことがございます。また、申込み状況によっては中止となる場合もございます。予めご了承ください。
注2:記載されている会社名、製品名は、各社の登録商標または商標です。
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MATLABによるIMM計算ワークショップ
Counterparty Credit Risk and Credit Valuation Adjustment
Day One
-カウンターパーティーエクスポージャーのモデ
リング
-カウンターパーティーエクスポージャーの高度
なモデリング
-内部モデルを用いた乗数αの計算
-事例研究
MATLABを用いた実践演習
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Day Two
-片方向、双方向CVAの計算
-CVAと誤方向リスク
-CVAの寄与:CVAポートフォリオのネッティング・
セットと商品の寄与度の計測
-誤方向リスクに係るCVAの寄与
-CVA資本のための内部モデル
MATLABを用いた実践演習
注1:本ワークショップのプログラムは都合により一部変更させていただくことがございます。また、申込み状況によっては中止となる場合もございます。予めご了承ください。
注2:記載されている会社名、製品名は、各社の登録商標または商標です。
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ご清聴ありがとうございました
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