ArcGIS 10 の新機能 - ArcGIS Server Help

ArcGIS 10 の新機能
Copyright © 1995-2011 Esri All rights reserved.
ArcGIS 10 の新機能
Table of Contents
ArcGIS 10 の新機能の概要
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 4
データ管理
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 31
ジオデータベースの新機能
編集の新機能 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 38
ラスタの新機能
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 53
テーブルと属性の新機能
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 62
CAD の新機能 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 70
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 72
メタデータの新機能
Esri Data and Maps の新機能
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 74
マッピングとビジュアライゼーション
ArcMap の基本操作の新機能 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 77
データ アクセスの新機能
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 83
マップ テンプレートの新機能
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 87
マップとデータの共有に関する新機能
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 90
シンボルとスタイルの新機能 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 93
マップの表示とナビゲーションに関する新機能
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 97
リプレゼンテーションの新機能 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 100
ページ レイアウトとデータ フレームの新機能 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 103
マップ ワークフローの自動化に関する新機能
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 107
時系列データの新機能
アニメーションの新機能
レポートの新機能
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 109
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 111
選択ツールの新機能
グラフの新機能
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 106
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
112
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 115
ジオプロセシングと解析
ArcGIS 10 の新機能 - ジオプロセシング
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 117
ArcGIS 10 のジオプロセシング ツールの新機能と機能強化 . . . . . . . . . . . . . . . . 119
ArcGIS 10 の ModelBuilder の新機能 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 133
Web 上の GIS
ArcGIS Server の新機能 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 135
ArcGIS エクステンション
ArcGIS 3D Analyst の新機能
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 144
2
ArcGIS 10 の新機能
ArcGIS Geostatistical Analyst の新機能 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 152
Maplex の新機能 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
157
ArcGIS Network Analyst の新機能 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 159
ArcGIS Schematics の新機能 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 164
ArcGIS Spatial Analyst の新機能
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 166
ArcGIS Tracking Analyst の新機能 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 170
ArcScan for ArcGIS の新機能 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 173
モバイル GIS
ArcGIS Mobile 10 の新機能
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 174
業界別ソリューション
ArcGIS の防衛/インテリジェンスの新機能
ルート検索の新機能
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 178
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 181
ジオコーディングの新機能
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 184
3
ArcGIS 10 の新機能
ArcGIS 10 の新機能の概要
ArcGIS 10 では、ArcGIS Desktop インタフェースのデザインが刷新され、ArcGIS 製品ラインの機能が追加お
よび強化されました。
以降のセクションでは、ソフトウェアの各機能領域の変更内容について概要を説明します。各セクションに
は、ソフトウェアの該当する領域について詳しく説明したトピックへのリンクがあります。
メモ
メモ: PDF バージョンの『ArcGIS 10 の新機能の概要』をダウンロードするに
は、ここをクリックします。
ArcGIS Desktop 管理
ArcGIS Desktop はバージョン 10 になり、デプロイと管理が容易になりました。
•
オフィスから離れた場所で一時的に使用するために(野外での作業、在宅での作業、出張時な
ど)、ArcGIS Desktop 10 ライセンスを借用することができます。詳細については、「同時使用ラ
イセンスの借用と返却」をご参照ください。
•
ライセンスは、ライセンス マネージャを使用してWeb 経由で認証することができるようになった
ため、Esri カスタマ サービスにハードウェア キーや MAC アドレスに基づいたライセンス ファイ
ルをリクエストする必要がなくなりました。詳細については、「ライセンス マネージャのインスト
ールとスタートアップ」をご参照ください。
•
ライセンス マネージャの機能が拡張されたため、ライセンス マネージャをシステム上のどこにで
もインストールすることができるようになったほか、ライセンスをライセンス サーバから別のサー
バへ直接移動することができるようになりました。詳しくは、「ライセンス マネージャ間でのライ
センスの移動」をご参照ください。
ドキュメント
最新の ArcGIS Resource Center http://resources.arcgis.com で、ヘルプ システム、サンプル、テンプレー
ト、ブログ、フォーラム、技術情報などのすべてのオンライン リソースが集約されています。
製品ドキュメントの再編成と改良が行われました。
•
ヘルプの 75 パーセント以上が書き換えられました。
•
スキル セットに基づいてトピックが編成されています。エッセンシャル ライブラリには GIS と
ArcGIS の基本的な概念があります。プロフェッショナル ライブラリには、ソフトウェアの機能、
その使用方法、より高度な GIS コンセプトについての情報があります。アドミニストレータ ライ
ブラリには、ソフトウェアのインストール、ライセンスの管理、サーバとデータベースの管理を行
う人のための情報があります。
•
ArcGIS チュートリアルは、今回より、別個の PDF ではなくヘルプ内のトピックとして提供されて
います。「ArcGIS チュートリアル」をご参照ください。
•
ローカル ヘルプ ファイルに必要なコンピュータの容量が減りました。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
4
ArcGIS 10 の新機能
データ管理
ジオデータベース
ジオデータベースの新機能について概要を説明します。詳細については、「ArcGIS 10 の新機能 - ジオデ
ータベース」をご参照ください。
•
[ジオデータベースのアップグレード(Upgrade Geodatabase)] ジオプロセシング ツールまたは
Python スクリプトを使用して、パーソナル ジオデータベース、ファイル ジオデータベース、す
べての ArcSDE ジオデータベースをアップグレードできます。
•
ジオデータベース スキーマ構造が変更され、ジオデータベース システム テーブル内の情報が 6
つのテーブルに集約されました。
•
[パーソナル ジオデータベースの作成(Create Personal GDB)] および [ファイル ジオデータベ
ースの作成(Create File GDB)] ジオプロセシング ツールに新しいオプションが追加され、
ArcGIS 10 クライアントから旧バージョンのジオデータベースを作成可能になりました。
•
6 つのトポロジ ルールが新たに追加されました。
•
[新規ジオメトリック ネットワーク] ウィザードが整理され、デザインが一新されました。
•
ジオメトリック ネットワークにフィーチャを効率的に読み込むためのコマンドが新たに追加され
ました。
•
ArcMap の新機能によって、空間データベース内の SQL 空間タイプに対して空間検索を定義し、
ArcMap で表示および検索可能なレイヤ(クエリ レイヤ)を作成できます。
•
一方向レプリカは、バージョニングの代わりに履歴管理を使用して、レプリカの変更内容を追跡
可能になりました。履歴管理を使用してレプリカの変更を追跡する場合、システム バージョンは
作成されません。これによってレプリカの管理が容易になります。
•
子から親への一方向レプリカのサポートが追加されました。このタイプのレプリカでは、子レプ
リカのデータを編集してから親レプリカと同期させることができます。
•
ファイル ジオデータベースに GEOMETRY_OUTOFLINE、BLOB_OUTOFLINE、および
GEOMETRY_AND_BLOB_OUTOFLINE という 3 つのキーワードが新たに追加され、複雑なジオ
メトリや大容量 BLOB 属性を扱う際にフィーチャクラスの格納をより自在に制御できます。これ
によって、テレイン データセットを使用する場合は特に、パフォーマンスが向上します。
•
sdemon ArcSDE 管理コマンドが強化され、ジオデータベースとの接続を切断したりダイレクト
コネクションをブロックすることが可能になりました。
•
ArcGIS Desktop、ArcGIS Engine、および ArcGIS Server に、9.2 または 9.3 ジオデータベースへ
のダイレクト コネクションを確立するために必要なドライバが追加されました。旧バージョンの
ArcGIS クライアントから ArcGIS 10 ジオデータベースへの接続はサポートされていませんので
ご注意ください。
•
ArcGIS Desktop、ArcReader、ArcGIS Server と共に Microsoft SQL Server 2008 Native Client が
インストールされ、SQL Server 内のジオデータベースに直接接続できます。SQL Server 2008
Native Client は ArcGIS Engine のメディアにも単体実行ファイルとして収録されています。
•
Z 対応のフィーチャクラスに縦線を保存できます。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
5
ArcGIS 10 の新機能
•
Oracle、PostgreSQL、SQL Server 内の ArcSDE ジオデータベースに新しい SQL ラスタ タイプ
(ST_Raster)をインストールできます。この格納タイプは ArcGIS および SQL クライアントで
使用可能です。
•
[データ格納タイプの移行(Migrate Storage)] ジオプロセシング ツールが強化され、ラスタ デ
ータを ST_Raster タイプに移行したり、バイナリ空間データを SQL Server の geometry または
geography タイプに移行したりすることが可能になりました。
•
Oracle および PostgreSQL の ST_Geometry では、SQL または ArcSDE API を使用して作成され
たパラメトリック円やパラメトリック楕円を格納できます。
•
ArcSDE API を介して、IBM DB2、Oracle 11g、PostgreSQL、および SQL Server 内のジオデー
タベースのネイティブ XML 列を使用可能になりました。DB2、Oracle、SQL Server では、これ
らのネイティブ XML 列に XML スキーマを定義することもできます。
•
SQL Server 内のジオデータベースで varbinary(max) 列と datetime2 列を使用可能になりました
(Datetime2 は SQL Server 2008 でのみ使用できます)。
編集
次に示すように、編集の操作性が向上し、シンプルになりました。
•
[エディタ] ツールバーのデザインが一新されました。
•
フィーチャの作成に必要なすべての情報が定義されているフィーチャ テンプレートを使用するこ
とで、新しいフィーチャをより簡単に追加できます。
•
フィーチャの作成に使用するフィーチャ テンプレートとツールに、[エディタ] ツールバーと新し
く追加されたフィーチャ作成ウィンドウから一元的にアクセスできます。
•
スナップ環境が刷新され、管理がさらに容易になりました。
•
フィーチャを作成または編集する際に、新しいポップアップ ミニ ツールバーから編集ツールに
簡単にアクセスできます。
•
編集セッションの開始が簡単になり、操作性が向上しました。コンテンツ ウィンドウでレイヤま
たはテーブルを右クリックすることで編集を開始できるようになりました。さらに、編集中に
ArcMap でエラーが発生したりパフォーマンスに関する提案事項がある場合、問題とその修正方
法に関する情報が一覧表示されます。
•
[属性] や [編集スケッチ プロパティ] などの編集ウィンドウのデザインが変更されました。たとえ
ば、属性ウィンドウには、フィールド エイリアスなどのレイヤのフィールド プロパティを使用
しているフィーチャが、フィールドの順序設定と表示設定に従って表示されます。
•
フィーチャの選択および既存のフィーチャの頂点と線分の編集が容易になりました。マップ上に
枠を描くことによって、複数の頂点を選択、追加、削除できます。
•
アノテーション フィーチャとディメンション フィーチャの作成と編集が容易になりました。
•
パーセル編集の操作性が向上しました。
詳細については、「ArcGIS 10 の新機能 - 編集」をご参照ください。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
6
ArcGIS 10 の新機能
パーセル編集
ArcGIS 10 ではパーセル エディタが新たに導入されました。[パーセル エディタ] ツールバーは Survey
Analyst の Cadastral エディタ製品に置き換わるもので、ArcEditor または ArcInfo ライセンスがある場合
に使用できます。
これまでの Cadastral Fabric データセットも新しいパーセル ファブリックに置き換えられました。
パーセル ファブリックには、パーセル データベースを効率的に編集および管理するための各種機能が備
わっています。ArcCatalog で任意のデータセット内にパーセル ファブリックを作成できます。[パーセル
ファブリックのアップグレード(Upgrade Parcel Fabric)] ジオプロセシング ツールまたは Python スク
リプトを使用して、9.2 と 9.3 の既存の Cadastral Fabric をパーセル ファブリックにアップグレードでき
ます。
パーセル エディタには次のような機能があります。
•
[パーセル エディタ] ツールバーのドロップダウン メニューには、編集コマンドの他に、[プラン
ディレクトリ] や [オプション] などのいくつかの新規アイテムが統合されています。
•
これまでのリリースの Cadastral エディタの [パーセルの作図] ツールバーはパーセルの詳細ウィ
ンドウに統合されました。
•
パーセルの詳細ウィンドウには、保存および結合、パーセルの構築および結合、ライン ストリン
グ、交点、パーセル編集のショートカット メニューなどの新機能が追加されました。
•
パーセル編集のショートカット メニューには、[方位]、[距離]、[デルタ XY]、[方位/距離]、[正接
円弧]、[ラインに平行]、[ラインに垂直]、[ラインからの相対角度] があります。
•
パーセルの新規作成時や作図中に、パーセルの詳細ウィンドウの [ライン] タブの新しい列で、ラ
インごとに異なるテンプレートを指定できます。
•
[パーセルの分割] ツールでは、一定のルールに従って、パーセル ファブリック内の既存のパーセ
ルを複数の新規パーセルに分割できます。
•
[残余パーセル] ツールでは、パーセルを切り取って新規パーセルとしてパーセル ファブリック内
の既存のパーセル内に配置できます。これによって、大きなパーセルの一部分のみを除外した登
記簿を作成できます。
•
[パーセル エディタ] のマージ機能によって、転送するその他のパーセルの既存の属性を使用し
て、マージ後のラインのタイプを指定できます。
詳細を参照するには、「ArcGIS 10 の新機能 - 編集」に移動し、ページの下の方にスクロールしてくださ
い。
ラスタ データ
ラスタ データの新機能について概要を説明します。詳細については、「ArcGIS 10 の新機能 - ラスタ」
をご参照ください。
•
ArcGIS 10 ではすべてのラスタ形式で GDAL ライブラリが使用されます。この GDAL サポートに
よって、ArcGIS で読み書き可能なラスタ形式が増えました。TIFF ファイルの作成時に使用可能
な TIFF 圧縮形式も増えました。
•
新規ピラミッドはすべて OVR ファイルとして保存されます(ERDAS IMAGINE 形式は除く)。
OVR ファイルは、ピラミッドに対応するすべてのファイル形式に保存できるため、柔軟性が高い
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
7
ArcGIS 10 の新機能
ファイル形式です。また、OVR ファイルは圧縮が可能なので、必要なディスク容量も少なくてす
みます。
•
ラスタ格納環境設定が ArcGIS に追加されました。
•
新しいラスタ データ モデルであるモザイク データセットが導入されました。モザイク データセ
ットはすべてのタイプのジオデータベース(パーソナル、ファイル、ArcSDE)でサポートされ
ています。ArcGIS Server からモザイク データセットを提供するには Image Extension ライセン
スが必要です。
•
新機能によって、モザイク データセットおよび(場合によって)ラスタ データセット レイヤに
対してリアルタイム処理を実行可能になりました。複数の関数を組み合わせれば、モザイク デー
タセットまたはラスタ データセット レイヤにさまざまな処理を追加できます。
•
[ラスタの分割(Split Raster)] ツールや [Recursive Pyramids And Statistics] ツールなどの新しい
ジオプロセシング ツールをラスタ データに対して使用できます。
•
ジオプロセシング ツールの [ラスタ格納] オプションで、2 つの新しい環境設定を使用可能になり
ました。[ピラミッド圧縮タイプ] が追加され、[圧縮] に TIFF の圧縮形式が追加されました。
•
個別値レンダリングの設定画面で独自の配色を作成し、CLR ファイルに保存できます。CLR フ
ァイルを作成してから [カラーマップの追加(Add Colormap)] ジオプロセシング ツールで使用
することで、ラスタ データセットに配色を追加できます。
•
ストレッチ レンダラに高度なラベリングのオプションが追加されました。このオプションでは、
表示するカラー ランプに値を指定できます。指定した各値の間に高度なカラー ランプを設定す
ることもできます。
•
[ラスタ オプション] ダイアログ ボックスのタブが、[ラスタ データセット]、[ラスタ カタログ]、
[ラスタ レイヤ]、[モザイク データセット] の 4 つになりました。
•
新しい画像解析ドッカブル ウィンドウでは、ラスタの表示と処理を簡単に実行できます。[ウィ
ンドウ] メニューの [画像解析] コマンドを使用して画像解析ウィンドウを ArcMap に追加できま
す。ArcMap の各種表示オプションが統合され、このウィンドウから簡単にアクセスできるよう
になりました。オプションには、コントラスト、明るさ、透過表示、ガンマ ストレッチ、ダイナ
ミック範囲調整、背景の非表示、撮影視点に回転、コントラスト ストレッチ、表示リサンプリン
グ方法、ラスタの解像度にズーム、スワイプ レイヤ、レイヤを点滅があります。
•
ラスタ カタログの追加のカラー補正オプションを含む [カラー補正] タブが追加されました。新し
く使用できるようになったパラメータには、事前ストレッチ、追加されたカラー調整方法、カラ
ー調整ターゲット サーフェス タイプの指定、カラー調整の参照ターゲット イメージの指定など
があります。
•
[モザイクのカラー補正] ウィンドウでモザイク データセットのカラー補正を実行できます。モザ
イク データセットのカラー調整オプションの 1 つである [除外エリア] オプションは、カラー調
整が困難な水域や雲などのエリアで特に便利です。
•
カスタマイズ モードでは、[モザイクのカラー補正] ウィンドウのボタンを任意のツールバーに追
加できます。
テーブルと属性
ArcGIS 10 では、属性テーブルを操作するための新機能と、その他多くの新機能が導入されています。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
8
ArcGIS 10 の新機能
•
開いているすべての属性テーブルが表示されるテーブル ウィンドウが追加されました。テーブル
のタブをクリックすることでアクティブにします。タブ化したテーブルをドラッグしてテーブル
ウィンドウ内にドッキングすることで、複数のテーブルを同時に表示できます。
•
テーブル ウィンドウのツールバーを使用して、属性とマップを操作できます。
•
結合フィールドの名前と値の整合チェックを行って、正常に結合されたレコードの数を調べるこ
とで、作成前に結合を整合チェックできます。
•
Python スクリプトでのフィールド演算機能が強化されました。
•
[テーブル オプション] メニューに、テーブル内のフィールドの順序を元に戻すコマンドが新たに
追加されました。
•
フィーチャにファイルを添付することが可能になったため、追加情報をフィーチャに関連するす
べての形式で柔軟に管理することができます。たとえば、建物を表すフィーチャがある場合、建
物の権利書や税金の情報を含む PDF ファイルと一緒に、その建物をさまざまな角度から撮影し
た何枚もの写真を、アタッチメントを使用して追加することができます。
•
[フィールド プロパティ] および [レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスに、フィールドをハイ
ライト表示したりフィールドを読み取り専用にしたりするオプションが新たに追加されました。
•
[レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスの [フィールド] タブでは、デスクトップ アプリケーシ
ョン全体でのフィールドの表示方法(フィールドの順序、ハイライト表示、フィールドを読み取
り専用に設定するなど)をより自在に制御できます。
•
主フィールドに置き換わる表示式プロパティが [レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスの [表
示] タブに新たに追加されました。表示式には、静的テキストと共に、複数のフィールドの値を
含めることができます。
•
個別属性ウィンドウがドッカブル ウィンドウになりました。
•
VBScript を使用してハイパーリンクのフィールドで高度なロジックを実行できます。
詳細については、「ArcGIS 10 の新機能 - テーブルと属性」をご参照ください。
CAD
CAD 機能の変更内容について概要を説明します。詳細については、「ArcGIS 10 の新機能 - CAD の統
合」をご参照ください。
•
ショートカット メニューから、右クリックした CAD フィーチャ レイヤをジオデータベースに変
換し、マップに自動的に追加できるようになりました。
•
新しい [CAD → ジオデータベース(CAD to Geodatabase)] ツールを使用して、カタログ ウィ
ンドウから CAD データを一括ロードできます。[CAD → ジオデータベース(CAD to
Geodatabase)] ツールは、CAD アノテーションのインポートや同一のフィーチャクラスの名
前、タイプ、属性のマージなど、一連の変換手順を自動化します。ArcMap のカタログ ウィンド
ウでこのツールを実行すると、フィーチャクラスがマップに自動的に追加されます。
•
ArcMap のフィーチャクラス属性テーブルで、必須でないフィールド(レンダリングや検索に使
用されないフィールド)はデフォルトでオフになります。
•
スプライン ジオメトリがサポートされるようになりました。
•
カタログ ウィンドウに CAD ドローイング データセットが表示されなくなりました。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
9
ArcGIS 10 の新機能
•
ArcGIS 10 では CAD ジオプロセシング ツール [CAD からインポート(Import from CAD)]、
[CAD エイリアスの設定(Set CAD Alias)]、[CAD XData の作成(Create CAD XData)] は使用
されていませんが、既存のモデルとスクリプトでは引き続きサポートされます。
メタデータ
•
カタログ内のすべてのアイテムに、シンプルで標準化されたメタデータ プロパティのコア セッ
トが用意されました。これはアイテム説明と呼ばれ、タイトル、概要、説明、タグ、著作権、プ
レビュー サムネイルから成ります。これをドリルダウンしてカタログ ウィンドウと検索ウィン
ドウ内のデータについてさらに調査したり、より詳細なメタデータにアクセスしたりすることが
できます。
•
[メタデータ エディタ] ダイアログ ボックスが新たに導入されました。
•
新しいジオプロセシング ツール [メタデータのインポート(Import Metadata)] および [メタデー
タのエクスポート(Export Metadata)] を使用してメタデータ管理タスクを実行可能になりまし
た。
•
メタデータ標準の XML スキーマに基づいたメタデータの整合チェックがサポートされていま
す。
「ArcGIS 10 の新機能 - メタデータ」をご参照ください。
地図投影と座標系
次のような座標系と座標変換が新たに追加されました。
•
EPSG Geodetic Parameter Dataset バージョン 6.15 ~ 7.1(181 種類の地理(測地基準系)変換
と 280 種類以上の座標系を含む)
•
ベルクハウス星型投影図法のサポート
マッピングとビジュアライゼーション
マッピングとビジュアライゼーションの領域では数多くの変更が行われました。以降の 3 つのセクション
で、ArcMap の一般的な変更内容について概要を説明します。変更の多くはその他のデスクトップ アプリ
ケーション(ArcCatalog、ArcGlobe、ArcScene)にも当てはまります。この後のセクションでは、個々の
マッピングとビジュアライゼーションの機能について説明します。
ArcMap の基礎
•
メニューとツールバーの構成が改良され、アイコンが新しくなりました。
•
新しい [ファイル] → [データの追加] → [ベースマップの追加] コマンドを使用して、見栄えの良い
ベースマップに簡単にアクセスできます。Bing Maps のベースマップを使用する際に、Esri から
無料ライセンスを取得する必要がなくなりました。
•
新しいドッキング可能なウィンドウ コントロールによって、ウィンドウの配置を簡単に変更でき
ます。ウィンドウを重ねてタブとして表示したり、ウィンドウを自動的に非表示にして(たたみ
込み)必要なときにだけ開くなど、各種ウィンドウを自由に配置できます。
•
ArcMap 10 では、テーブル ウィンドウ、個別属性ウィンドウ、属性ウィンドウなどのウィンドウ
もドッキング可能になりました。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
10
ArcGIS 10 の新機能
•
コンテンツ ウィンドウでは、下側のタブの代わりに、上側にボタンが表示されるようになりまし
た。[表示設定別にリスト] という新しいレイヤ ビューが追加されました。
「ArcMap 10 の新機能 - 基本操作」をご参照ください。
データへのアクセス
•
デスクトップ アプリケーション(ArcMap、ArcGlobe、ArcScene)に組み込まれた新しいカタロ
グウィンドウで、データにアクセスして管理することができます。
•
[カタログ] ウィンドウ、および各ダイアログ ボックスに追加された新しい [ホーム] ボタンを使用
して、マップが属するプロジェクト ワークスペースに簡単にアクセスできます。
•
マップのデフォルトのジオデータベースを指定しておけば、カタログ ウィンドウやダイアログ
ボックスで 1 回クリックするだけでデフォルトのジオデータベースにアクセスできます。
•
デスクトップ アプリケーション(ArcMap、ArcGlobe、ArcScene、ArcCatalog)の新しい検索ウ
ィンドウでは、マップ、データ、ツールを簡単に検索できます。ローカル データ、エンタープラ
イズ ドライブとジオデータベース、エンタープライズ サーチ サービス(ArcGIS Server 10 に格
納されているカタログ全体)、ArcGIS Online を検索できます。
•
カタログ内のすべてのアイテムに、シンプルで標準化された、アイテム説明と呼ばれるメタデー
タ プロパティのコア セットが用意されました。これをドリルダウンしてカタログ ウィンドウと
検索ウィンドウ内のデータについてさらに調査することができます。
詳細については、「ArcGIS 10 の新機能 - データ アクセス」をご参照ください。
マップとデータの共有
•
ArcGIS Online は拡張されたため、Esri からだけでなく、GIS コミュニティ全体からもマップや
データにアクセスすることができます。ArcGIS Online にデータをアップロードすると、ArcGIS
Desktop または ArcGIS Explorer デスクトップ アプリケーションのユーザや、指定したプライベ
ート グループのメンバが、アップロードしたデータにアクセスできるようになります。
•
新しいコマンド([ファイル] → [ArcGIS Online] の順にクリック)を使用すると、ArcGIS Online
にアクセスして、ArcMap 内からアップロードしたデータを管理することができます。新しい
ArcGIS.com Web サイトを利用すると、Web ブラウザ経由で ArcGIS Online を操作することもで
きます。
•
ArcMap の新しいコマンド([ファイル] → [データの追加] → [ArcGIS Online からデータを追加])
を使用すると、ArcGIS Online 上でマップ ドキュメントにレイヤとして追加できるデータを検索
したり、参照したりすることができます。
•
ArcMap の [レイヤ パッケージの作成] 機能が強化されたので、レイヤを整合チェックしてからパ
ッケージ化し、そのパッケージを ArcGIS Online に直接アップロードすることができるようにな
りました。
•
新しいマップ パッケージ機能によって、完成したマップ ドキュメントを他のユーザと共有でき
ます。マップ パッケージ(*.mpk)ファイルは、マップ ドキュメント(*.mxd)ファイルとマッ
プ ドキュメント内のレイヤが参照するデータが 1 つにまとめられた、便利で移動可能なファイル
です。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
11
ArcGIS 10 の新機能
•
この新しい ArcGIS.com Web サイトでは、どなたでも 1 つまたは複数のマップ サービスを含む
マップを作成して、ArcGIS Online の一部として他の人と共有することができます。このような
Web マップ マッシュアップは、ArcGIS.com に収録されているマップや Silverlight ベースの新し
いプログラム(ArcGIS Explorer Online)を使用して作成することができます。Web マップを作
成するのに ArcGIS ソフトウェアは必要ありません。ArcGIS Online Web マップは ArcMap 内で
直接開くことができ、新しいマップ ドキュメントのように見えます。
詳細については、「ArcGIS 10 の新機能 - マップとデータの共有」をご参照ください。
シンボルとスタイル
シンボルとスタイルの新機能について概要を説明します。詳細については、「ArcGIS 10 の新機能 - シン
ボルとスタイル」をご参照ください。
•
ArcGIS 10 では格納されているスタイル ファイルがわからなくてもシンボルを検索できるため、
フィーチャやグラフィックスに適したシンボルを簡単に見つけることができます。ArcGIS と共
にインストールされているすべてのスタイルから検索することも、作業に使用しているスタイル
だけを参照することで検索結果を絞り込むこともできます。
•
各シンボルに、色やタイプなどのグラフィック特性について説明する検索可能タグが表示される
ようになりました。これらのタグは [スタイル マネージャ] ダイアログ ボックスで修正できま
す。
•
[スタイル マネージャ] ダイアログ ボックスのレポート ビューでシンボル タグを追加および修正
できます。
•
[スタイル マネージャ] ダイアログ ボックスに [カスタマイズ] ウィンドウから直接アクセス可能
になり、サイズの変更が可能になりました。
•
シンボル(マーカー、ライン、塗りつぶし、またはテキスト)テーブルを選択したときに、レポ
ート ビューに追加の列が表示されるようになり、各シンボルのタグを表示したり、スタイルが読
み取り専用でない場合はこれらのタグを変更できるようになりました。
•
[シンボル選択] ウィンドウ内のシンボルの配置を変更できます。たとえば、格納されているスタ
イル ファイルやカテゴリ別にシンボルをグループ化できます。シンボルの外観を強調したり
([アイコン] ボタンをクリック)、シンボルを小さくしてより多くのタイトルを表示([リスト]
ボタンをクリック)したりすることができます。
•
[シンボル選択] ウィンドウでシンボルにポインタを合わせると、ポップアップが開いて各シンボ
ルの関連情報が一覧表示されます。
•
[シンボル選択] ウィンドウのサイズを変更して、一度に表示されるシンボルの数を増やすことが
できます。
マップの表示とナビゲーション
マップの表示とナビゲーションの新機能について説明します。詳細については、「ArcGIS 10 の新機能 マップの表示とナビゲーション」をご参照ください。
•
マップが再描画されるのを待たずにマップをナビゲーションできるベースマップ レイヤが追加さ
れました。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
12
ArcGIS 10 の新機能
•
クイック移動モードが追加され、フィーチャのデジタイズ中でもあらゆる方向にシームレスに画
面移動できます。
•
[縮尺設定] ダイアログ ボックスで、マップ表示を一定の縮尺レベルに制限できるようになりまし
た。
•
[縮尺設定] では一般的な Web マップ スキーマの縮尺が事前に設定されています。
•
アプリケーションの [オプション] ダイアログ ボックスのタブで、キャッシュされたマップ サー
ビス、ベースマップ レイヤ、ArcGlobe グローブ キャッシュのディスプレイ キャッシュを管理で
きます。
•
ハードウェア アクセラレーションによって、ベースマップ レイヤを画面移動やズームしたとき
の画面の更新がスムーズになりました。
•
[ArcMap オプション] ダイアログ ボックスの [データ ビュー] タブでは、ハードウェア アクセラ
レーションのオン/オフの設定や、リモート デスクトップ セッションでのベースマップ レイヤの
描画方法の制御を簡単に行うことができます。
•
Ctrl キーと Shift キーを使用して、クイック移動や方向キーを使用する場合のナビゲーション速度
を変更できます。
•
Q キーを押すかマウスの中央ボタンを押すことで、クイック移動モードを有効にすることができ
ます。
•
マップは表示サイズの変更に合わせて再描画しなくなるため、ArcMap を操作しても、ほとんど
再描画は実行されません。
リプレゼンテーション
カートグラフィック リプレゼンテーションの新機能について概要を説明します。詳細については、
「ArcGIS 10 の新機能 - リプレゼンテーション」をご参照ください。
•
2 つのジオメトリック エフェクトが新たに追加されました。
▪ 湾曲エフェクト - 指定した角度、位置、幅の湾曲を持つダイナミック ラインを作成しま
す。
▪
•
矢印エフェクト - 指定したスタイルと幅の矢印を持つダイナミック ラインをライン フィ
ーチャに沿って作成します。
リプレゼンテーション レンダラ、[移動] ツールのショートカット メニュー、マーカー エディタ
の [サイズの設定] ショートカットメニューのユーザ インタフェースが改良されました。
▪ リプレゼンテーション レンダラでは、リプレゼンテーション クラスでルールが指定され
ているフィーチャの数が表示されるようになりました。これは [フィーチャ数を表示] ダ
イアログ ボックスでリプレゼンテーション クラスごとに表示されます。この設定はダイ
アログ ボックスを閉じるまで残ります。
▪
[移動] ツールのショートカット メニューに、選択したフィーチャの移動距離を指定する
オプションが追加されました。[距離] パラメータを使用して、厳密には水平または垂直で
ない移動を制御できます。
▪
マーカー エディタの [サイズの設定] ショートカット メニューには、選択したエレメント
のサイズを調整するオプションが追加されました。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
13
ArcGIS 10 の新機能
▪
[破線] ジオメトリック エフェクト、および [ライン沿い]、[ライン上にランダム]、[ポリゴ
ンの外周沿い]、[ポリゴンの外周上にランダム] マーカー配置スタイルに位置プロパティ
が追加されました。位置プロパティによって、フィーチャでパターンの表示を開始する
場所を指定できます。これは、破線に対するマーカーの位置関係を同期させる場合に特
に重要です。
•
警告メッセージに個別の情報が表示されるようになりました。警告メッセージには、カスタム ジ
オメトリック エフェクトやマーカー配置スタイルなどの、バージョン 10 のジオデータベースで
欠落しているコンポーネントのフル ネームが表示されます。
•
フィーチャ レイヤでのリプレゼンテーションの操作性が向上しました。リプレゼンテーションを
持つフィーチャクラスを ArcMap のコンテンツ ウィンドウに追加すると、リプレゼンテーション
レンダラによってレイヤが自動的にシンボル表示されます。複数のリプレゼンテーション レンダ
ラ クラスがある場合、フィーチャクラスの 1 つ目のリプレゼンテーションがデフォルトで使用さ
れます。
ページ レイアウトとデータ フレーム
ページ レイアウトとデータ フレームの新機能について概要を説明します。詳細については、「ArcGIS
10 の新機能 - ページ レイアウトとデータ フレーム」をご参照ください。
•
[データ ドリブン ページ] では、1 つのレイアウトを使用して複数のフィーチャ範囲を反復処理す
ることで、地図帳と複数の出力ページを作成できます。
•
ダイナミック テキストによって、システム、マップ、または [データ ドリブン ページ] のプロパ
ティを使用してレイアウトのテキスト エレメントが自動的に更新されます。
•
データ フレームのプロパティが強化され、[データドリブン ページ] ワークフローがサポートされ
るようになりました。
マップ ワークフローの自動化
•
ジオプロセシング機能が強化され、Python スクリプトでマップ、レイアウト、レイヤを操作可能
になりました。これによって、マッピングの共通のワークフローの多くを自動化できます。
•
Python では、マップ ドキュメントをバッチ処理することで、マップとレイヤの各種管理タスク
を実行することもできます。
詳細については、「ArcGIS 10 の新機能 - マップ ワークフローの自動化」をご参照ください。
時系列データ
ArcGIS 10 では、時系列データの操作性が向上し、ツールが新しくなりました。
•
レイヤの新しいプロパティ ページでは、ソース データセットから時間情報の場所と説明を設定
できます。
•
ArcGIS Desktop と ArcGIS Server は時間に対応しており、タイム スライダ ユーザ インタフェー
ス コントロールを使用して時系列データを視覚化できます。
•
時間情報を含むレイヤを ArcGIS Server から公開し、クライアント アプリケーション(SOAP/
REST API)で利用できます。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
14
ArcGIS 10 の新機能
詳細については、「ArcGIS 10 の新機能 - 時系列データ」をご参照ください。
アニメーション
ArcGIS 10 では、アニメーションを連続画像(一連のアニメーション スチール)としてエクスポートで
きます。サポートされている画像出力形式は、Windows Bitmap(*.bmp)と JPEG(*.jpg)です。
エクスポートされた連続画像は、[ラスタ → ビデオ(Raster To Video)] ジオプロセシング ツールを使用
してビデオ(AVI または QuickTime 形式)を作成するための入力フレームとして使用できます。また、
サードパーティのビデオ作成ソフトウェアで他の(ArcGIS でサポートされていない)ビデオ形式への出
力画像を使用することができます。
詳細については、「ArcGIS 10 の新機能 - アニメーション」をご参照ください。
選択ツール
ArcGIS Desktop では、[ポリゴンによる選択]、[なげなわによる選択]、[円による選択]、[ラインによる選
択] の 4 つの選択ツールが新たに使用可能になりました。
これらの選択ツールでも新しいスナップ環境が有効になります。
詳細については、「ArcGIS 10 の新機能 - 選択」をご参照ください。
グラフ
グラフの新機能を次に示します。
•
ArcGlobe と ArcScene でグラフを使用できます。
•
バブル グラフ、最小/最大縦棒グラフ、極座標グラフの 3 つの新しいグラフ タイプがサポートさ
れるようになりました。
•
[グラフの作成(Make Graph)] および [グラフの保存(Save Graph)] ジオプロセシング ツール
が新たに追加されました。これらのツールでは、モデルやワークフローの出力データや解析結果
を表すグラフを作成して保存することができます。
詳細については、「ArcGIS 10 の新機能 - グラフ」をご参照ください。
レポート
いくつかの新しいレポート ツールが使用可能になりました。
•
[レポート] メニューには、メイン メニュー バーの [表示] メニューからアクセスします。
•
レポート ウィザードは、レポート作成をステップごとに案内します。
•
レポート ビューアを使用すると、レポートをプレビューできます。
•
レポート デザイナを使用すると、既存のレポートのプロパティを変更できます。
詳細については、「ArcGIS 10 の新機能 - レポート」をご参照ください。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
15
ArcGIS 10 の新機能
その他
•
ArcGIS では、[エディタ] や [計測] ツールで使用されるスナップ環境が事前に設定されています。
ポイント、編集内容、交点、中点、スケッチにスナップできます。詳細については、「スナップ
について」をご参照ください。
•
ArcMap の [計測] ツールに新しいオプションが加えられ、距離を測定する際に測定タイプを指定
できるようになりました。オプションには、平面(投影座標系で作業するときのデフォルト)、
測地線(地理座標系で作業するときのデフォルト)、航程線、大楕円線 があります。詳細につい
ては、「距離と面積の計測」をご参照ください。
ジオプロセシングと解析
ジオプロセシングでは多くの点が変更されました。以降のセクションでは、変更内容と新機能について概
要を説明します。詳細については、ヘルプの「ジオプロセシングの新機能」をご参照ください。概要につ
いては、「ArcGIS 10 の新機能 - ジオプロセシング」をご参照ください。
一般
•
ジオプロセシング ツールをバックグラウンドで実行しながら、ArcMap で作業を続行可能になり
ました。
•
ArcToolbox 機能は検索ウィンドウ、カタログ ウィンドウ、および結果ウィンドウに置き換わり
ました。ArcGIS 10 でも ArcToolbox ウィンドウを使用できますが、ツールを検索して実行する
には主に別のウィンドウを使用します。
•
標準ツールバーに [ジオプロセシング] メニューが新たに追加されました。このメニューには、ジ
オプロセシングのすべての設定オプションと 6 つのツールがあります。
•
メニューやツールバーにツールを追加可能になりました。
Python と ArcPy
•
ArcGIS では Python バージョン 2.6 がインストールされます。
•
コマンド ライン ウィンドウから Python ウィンドウに一新しました。これまでのコマンド ライ
ン ウィンドウと同様に、Python ウィンドウでもコマンド ライン スタイルでツールを実行できま
す。Python ウィンドウにはコマンド ライン ウィンドウよりも多くの機能が備わっています。
Python ウィンドウでは、ジオプロセシング ツールだけでなく、すべての Python コードを実行で
きます。
•
ArcPy サイトパッケージは ArcGIS と共にインストールされます。サイト
サイト パッケージ
パッケージとは、
Python に機能を追加するライブラリを指す Python の用語です。ArcPy サイト パッケージが
Python コード内の arcgisscripting から置き換わりました。
•
ArcPy には、いくつかの重要なモジュールがあります。具体的には、ArcMap との対話処理およ
びマップ ブックの作成を行うマッピング モジュール、マップ代数演算を行う Spatial Analyst モ
ジュール、複雑な近傍検索の設定に使用するクラスを含む Geostatistical Analyst モジュールなど
です。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
16
ArcGIS 10 の新機能
ツール
•
7 つのモデル専用ツールが追加されました。これらのツールは ModelBuilder でのみ機能します。
ツール名は [値の計算]、[値の収集]、[フィールド値の取得]、[ブランチのマージ]、[パスの解析]、
[データの選択]、[停止] です。
•
50 以上のコア ジオプロセシング ツールが追加されました。
•
モデルとスクリプトをパスワードによって保護できます。これによって、モデルやスクリプト ツ
ールを受け取った人はこれらを実行したり削除したりできますが、編集することはできません。
パスワード保護されたモデルを表示することはできません。コピーされたモデルやスクリプトも
パスワード保護されます。
•
*.py ファイルをツールにインポートできます(実際には、スクリプト ツールをパスワード保護す
るためにはこの操作を必ず行う必要があります)。つまり、スクリプト ツールを実行するために
別々の *.py ファイルを配布する必要はありません。*.py ファイルをインポートした後で、(パス
ワードを知っている限り)再びエクスポートできます。
ModelBuilder
•
ModelBuilder のツールバーとメニューが新しくなりました。
•
元に戻す、およびやり直しがサポートされるようになりました。
•
モデル エレメントにツールチップが表示されるようになりました。
•
エレメント間のデフォルトの間隔が 30 から 15 に変更されました。
反復
•
[モデル プロパティ] の [シリーズ] オプションから反復処理に置き換わりました。
•
モデル内の反復処理や繰り返し実行するタスクに使用可能な 12 個の反復処理が追加されまし
た。これらのうち 10 の反復処理は、ジオプロセシング ツールとして実装されます。
•
モデル内で反復処理を使用すると、9.3 の [モデル プロパティ] で設定された反復オプションは無
効になり、デフォルト値 -1 が設定されます。これは、モデルが無限回反復されるか、(設定され
た回数ではなく)反復処理への入力の数だけ反復されることを意味します。
•
反復処理を含むモデルを Python スクリプトにエクスポートした場合、そのスクリプトに反復処
理ロジックは含まれません。
デスクトップ アプリケーション開発
ArcGIS SDK
ArcGIS 10 で導入されたいくつかの革新的な新機能を使用することで、開発者は ArcGIS アプリケーショ
ンを容易にカスタマイズおよび拡張することが可能になりました。開発者は新しいデスクトップ アドイ
ン モデルで提供される宣言型フレームワークを使用してカスタム機能を作成できます。インストール プ
ログラムや COM 登録を利用することなく、これらのアドイン ファイルをユーザ間で共有できます。ア
ドイン ファイルをインストールするには共有フォルダにコピーし、アンインストールするには共有フォ
ルダから削除します。アドインを適用することで、ボタン、ツール、コンボ ボックス、ツールバー/メニ
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
17
ArcGIS 10 の新機能
ュー、ドッカブル ウィンドウ、アプリケーションやエディタの拡張の一般的なカスタマイズを行うこと
ができます。
ArcGIS 10 の新機能の詳細については、Resource Centerで ArcObjects SDK for Microsoft .NET
Framework および ArcObjects SDK for the Java platform に関するヘルプをご参照ください。
モバイル GIS
以降のセクションでは、ArcGIS Mobile の新機能について概要を説明します。詳細については、「ArcGIS
Mobile の新機能」をご参照ください。
ハンドヘルド アプリケーションの操作性の向上
•
タッチ スクリーン上のテキストとメニュー オプションが大きく見やすくなり、また、ジェスチ
ャによるリストのスクロールやワークフローの改良によって、より直感的で柔軟になりました。
•
[マップの表示] タスクのライン、エリア、フィーチャの計測機能が強化され、接続型と非接続型
のベースマップが新たにサポートされるようになりました。
•
フィーチャの収集タスクでは、ワークフローが向上し、効率化されました。また、GPS データの
収集操作が簡易になりました。GPS 位置の平均化を開始/終了するボタンが表示され、GPS 位置
を収集中にマップや GPS のステータスを表示できます。新しく追加された GPS ストリーミング
方式によるラインとポリゴンの作成では、距離または時間によって位置をフィルタし、実際に取
得した位置から水平方向にオフセットした位置に形状を配置できます。
•
[検索] タスクでは、プロジェクトに検索条件を保存可能になりました。そのプロジェクトを次に
開いたときに、保存されている検索を実行できます。
•
同期タスクでは、編集内容をサーバへ自動的に送信できるようになりました。変更内容のポスト
は、フィーチャが収集または更新されたときや、設定した間隔、またはデバイスがクレードルに
接続されたときに実行できます。
•
新しい [フィールド作業員の表示] タスクを利用することで、フィールド作業員同士がフィールド
で共同作業を行うことができます。[フィールド作業員の表示] タスクを使用することで、その他
のフィールド作業員をマップに表示し、電子メールや SMS、電話を使用して直接連絡をとること
ができます。
アプリケーション プラットフォームのサポートにタッチ スクリーン Windows デバイスを
追加
•
Windows デバイスのサポートが追加され、車両に搭載される耐久性タッチ スクリーン デバイス
用に最適化されました。
•
たとえば、統合タッチ スクリーン キーボード、昼夜のスキン設定、アプリケーション自体の明
るさ調節など、Windows 向けアプリケーション独自の機能が追加されています。
•
操作マップ レイヤのコンテンツが目立つようにベースマップ レイヤを暗くして、2 つのレイヤの
コントラストをはっきりさせることができます。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
18
ArcGIS 10 の新機能
開発者にカスタム ワークフローを提供するフィールド アプリケーション
.NET とアプリケーション フレームワークを使用することで、フィールド データを管理するビジネス ワ
ークフロー専用のタスクを新規に作成したり、既存のタスクに機能を追加したり、アプリケーション全
体を拡張したりすることができます。
Mobile Project Center を使用したプロジェクト管理の簡素化
Mobile Project Center はフィールド プロジェクトの作成と管理を行うために新しく追加されたアプリケ
ーションです。Mobile Project Center では次の操作を実行できます。
•
プロジェクト サーバ上のカタログ内で管理されるフィールド プロジェクトを作成する。
•
空間参照が一致する場合に、複数の操作レイヤやモバイル サービスを追加して、フィールド マ
ップのコンテンツを定義する。
•
アプリケーション フレームワークを使用してタスクやエクステンションを作成し、フィールド
プロジェクト内で使用する。
Web 上の GIS
以降のセクションでは、ArcGIS Server の主な新機能について説明します。拡張機能の詳細については、
「ArcGIS Server 10 の新機能」をご参照ください。
一般
•
ArcGIS Server for the Microsoft .NET Framework のインストールは、インストールするコンポー
ネントをより柔軟に選べるように、2 つのセットアップに分かれています。このインストール
は、GIS サーバとサービスのみ、Web アプリケーションの管理インタフェースのみ、あるいはそ
の両方を選択できます。
•
[サーバ] ツールボックスには、データ抽出のためのツールセットが加わりました。これらのツー
ルを使用すると、ジオプロセシング サービスを通じて、対話的なデータのダウンロード機能を公
開できます。
•
サーバのログは、パフォーマンス上の理由から個々の SOC コンピュータに分散されています。
また、作成するログの数に制限を設定することもできます。
•
サーバは、無効なデータ接続がないかアイドル状態にあるサービスをチェックして、必要に応じ
て接続を更新できるようになりました。また、サービスの状態を定期的に監視して、予定外のダ
ウンタイムの発生後、より迅速に復帰できるようになりました。
•
ArcGIS Server for the Java Platform には、マップ ドキュメント(*.mxd)とマップ サービス定義
(*.msd)内のデータ接続を修復するためのマップ パス エディタが含まれています。これは、
Unix/Linux 上にある ArcGIS Server で便利です。
サービス
•
新しいフィーチャ サービスを利用して、Web 編集のためにジオグラフィック フィーチャを公開
できます。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
19
ArcGIS 10 の新機能
•
新しいサーチ サービスを利用することで、企業内の他の人が GIS データを検索して簡単に追加
できます。
•
ジオメトリ サービスには、Web 編集をサポートする多くの新しいメソッドが含まれています。
•
MSD ベースのサービスは、Maplex、カートグラフィック リプレゼンテーション、および
ArcGIS 10 で導入されたさまざまな新しいレイヤ タイプをサポートするようになりました。
•
マップ サービスは、マップ ドキュメントやそのデータから、多くの新しいプロパティや情報を
公開します。これには、フィーチャ アタッチメント、時系列データ、ドメイン、リレート、スタ
ンドアロン テーブル、ラスタ フィールド、シンボルなどがあります。
•
イメージ サービスは、ArcGIS 10 で導入されたモザイク データセットを公開できるようになりま
した。イメージ サービスは、多くの新しい設定オプションと許可された操作をサポートします。
•
ネットワーク解析サービスは、OD コスト マトリックス解析、配車ルート解析、およびロケーシ
ョン-アロケーション解析という 3 つの新しいソルバをサポートします。
•
ジオコード サービスは 1 行形式の住所をサポートします。
•
名前文字列を使用して WMS サービス内のレイヤを参照できます。
•
他にも、特に SLD のサポートとソース GIS データから公開される情報サービスの数について、
さまざまな拡張が OGC サービスに施されています。
マップ キャッシュ
•
キャッシュ タイルは、高速にコピーできてディスク上の領域をあまり取らないコンパクト スト
レージ形式に格納できます。
•
新しい Mixed 画像形式を利用すると、複数の画像タイプを 1 つのキャッシュに配置できます。こ
れにより、他のレイヤ上に JPEG キャッシュを簡単にオーバーレイできるようになりました。背
景色のあるタイルは、部分的に透明な PNG として格納できます。
•
[データの追加] ボタンを使用して、ArcMap または ArcGlobe にラスタ データセットとしてキャ
ッシュを直接追加できます。
•
新しいツールを使用すると、キャッシュ タイルをキャッシュ ディレクトリからインポートした
りエクスポートできます。これにより、より簡単にキャッシュを共同で構築できるようになりま
した。
•
ArcGIS Server を分散インストールした際に、より良くキャッシュを構築できるようになりまし
た。サーバは、最初にローカル ディレクトリにタイルを作成してから、それらを共有キャッシュ
の場所にコピーできます。新しいコンパクト キャッシュ格納形式なので、コピーは非常に高速で
す。
•
ArcGlobe および ArcGIS Explorer は、特定タイプの 2D キャッシュを非常に高速に描画できるよ
うに最適化されています。
REST API
•
AMF が出力形式としてサポートされるようになりました。これは、ArcGIS API for Flex を操作し
ているときに、検索およびジオプロセシングの結果の表示を改善できます。
•
最寄り施設の検出や、到達圏ネットワーク解析が REST を通じて利用できるようになりました。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
20
ArcGIS 10 の新機能
•
サーバ オブジェクト エクステンション(マップ サービスのみ)がサポートされるようになりま
した。これにより、カスタムコードの ArcObjects ロジックを REST を通じて公開できるように
なりました。
•
座標系の指定に WKT(Well-Known Text)を使用できます。これにより、座標系のパラメータを
カスタマイズできます。
•
REST の管理キャッシュをプログラムでクリアできるようになりました。
Amazon EC2 への導入
Esri は AMI(Amazon Machine Image)を提供するようになりました。これを使用すると、ArcGIS
Server を Amazon EC2(Elastic Compute Cloud)内に導入できます。ArcGIS Server をクラウド内に導
入することで、設定が単純化され、必要なハードウェアを迅速に拡張できます。
SharePoint との統合の強化
ArcGIS Server 10 リリースに続き、まもなく ArcGIS Mapping for SharePoint のバージョン 2.0 がリリー
スされます。バージョン 2.0 には、ジオプロセシングのサポート、ArcGIS.com の統合、ジオコーディン
グの拡張、SharePoint Web Part 接続のサポート、テーマの設定、および GeoRSS レイヤが含まれてい
ます。
ArcGIS エクステンション
ArcGIS エクステンションの新機能と変更について概要を説明します。
ArcGIS 3D Analyst
以降のセクションでは、ArcGIS 3D Analyst Extension の新機能と変更について概要を説明します。詳細
については、「ArcGIS 3D Analyst 10 の新機能」をご参照ください。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
21
ArcGIS 10 の新機能
一般
•
ArcGlobe と ArcScene の両方で、標準の編集環境を使用して、Z 対応の GIS フィーチャを作
成および管理できます。
•
ジオリファレンスされた、フルモーション ビデオ レイヤを ArcGlobe のサーフェス上にドレー
プできます。
•
ポイント フィーチャ シンボルのサイズとフル 3D 回転をフィーチャ属性によって直接制御でき
ます。
•
3 次元スタイルが新しくなって名前と説明のタグが改善されたことで、[シンボル選択] ダイア
ログ ボックスで検索を実行した場合の結果が大幅に向上しました。
•
最もよく使用される 2 つの 3D プロパティ、[基準高度] と [立ち上げ] の設定操作が改善されま
した。プロパティを変更した場合の効果を具体的に示す組み込みグラフィックスによって、こ
れらの設定を簡単に実行できるようになりました。
•
ナビゲーション モデルのデザインが変わり、3D ビューのナビゲートが簡単になりました。
•
ArcGlobe および ArcScene から大きな(デスクトップよりも大きい)画像をエクスポートでき
ます。
•
ArcGlobe と ArcScene でグラフを作成できます。
•
ArcGlobe の新しいコマンド([ファイル] → [データの追加] → [ArcGIS Online からデータを追
加] の順にクリック)を使用すると、ArcGIS Online から直接、レイヤ パッケージ、マップ サ
ービス、グローブ サービスにアクセスできます。このコマンドを使用すると新しい
ArcGIS.com Web サイトが起動し、主要な ArcGIS Online ベースマップをグローブに追加する
ことができます。また、Esri や GIS コミュニティ全体で公開された追加データを検索すること
もできます。
•
ArcGlobe の [レイヤ パッケージの作成] 機能が強化されたので、レイヤを整合チェックしてか
らパッケージ化し、そのパッケージを ArcGIS Online に直接アップロードすることができるよ
うになりました。新しい ArcGIS.com Web サイト上にアップロードしたデータを管理すること
ができます。
•
27 個のジオプロセシング ツールが追加されました。
▪ Z 情報の追加
▪
ラスタ → マルチポイント
▪
テレイン → ポイント
▪
フィーチャの属性で 3D に変換
▪
外れ値の特定
▪
見通し線の構築
▪
サーフェス情報の追加(Add Surface Information)
▪
サーフェスの傾斜方向
▪
サーフェス等高線(Surface Contour)
▪
サーフェスの差分(Surface Difference)
▪
サーフェス傾斜角(Surface Slope)
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
22
ArcGIS 10 の新機能
▪
ディファレンス 3D Difference 3D)
▪
インサイド 3D
▪
インターセクト 3D
▪
3D ラインをマルチパッチでインターセクト
▪
クローズド 3D(Is Closed 3D)
▪
最近接 3D
▪
ユニオン 3D
▪
テレイン解像度範囲の変更(Change Terrain Resolution Bounds)
▪
地平線(Skyline)
▪
スカイライン バリア
▪
スカイライン グラフ
▪
テレイン ポイントを追加(Append Terrain Points)
▪
テレイン ポイントの削除
▪
テレイン ポイントの置換(Replace Terrain Points)
▪
TIN のコピー(Copy TIN)
▪
LandXML → TIN
表示パフォーマンスの改善
•
ArcGlobe での 2D マップ キャッシュのレンダリングが高速になり、コンテンツを共有するた
めに 2D と 3D 両方のキャッシュを作成する必要が少なくなりました。
•
組み込みの競合検出機能によって 3D テキストの表示パフォーマンスが向上し、重なり合うテ
キストが表示されなくなりました。
•
自動テクスチャ管理によって、テクスチャ処理されたマルチパッチの表示パフォーマンスが向
上しました。
•
サーフェスにドレープしたベクタに OpenGL ステンシル バッファを使用することで、3D ベク
タの表示パフォーマンスが向上しました。
•
メモリ割り当ての設定が ArcGlobe ドキュメント内に保存されるため、3D マップごとに設定を
変えて、マップ内のレイヤに適した量のメモリを割り当てることができます。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
23
ArcGIS 10 の新機能
3D ベクタ フィーチャの解析
•
クローズド マルチパッチで使用可能な [インターセクト 3D(Intersect 3D)]、[ユニオン
3D(Union 3D)]、[インサイド 3D(Inside 3D)] などの 3 次元ブール型演算子が追加されまし
た。
•
仮想都市ワークフロー専用の 3D ベクタ解析を提供する [スカイライン(Skyline)] や [スカイ
ライン バリア(Skyline Barrier)] などのジオプロセシング ツールが追加されました。
•
既存のジオプロセシング ツールの 3D での操作性が向上しました。たとえば、[空間検索] ダイ
アログ ボックスでは 3D 距離が使用され、見通しツールでマルチパッチ オブジェクトを使用で
きます。
•
3D で、サーフェスに沿った距離、3D オブジェクトの高さ、3D での 2 つのポイント間の距
離、観測点からの距離(オブジェクトまでの距離)を対話形式で計測できます。
•
ネットワーク データセットに完全な 3D ネットワーク接続のサポートが追加されました。
テレイン データセットの拡張
テレイン データセットに次のような機能が追加されました。
•
LIDAR ソースとの緊密な統合
•
データ エラー検出ツール
•
テレイン データセットに対して直接的に解析操作を実行する機能
•
テレインのレイヤ シンボルのインポート
•
テレイン コンター/ポイント レンダラ
•
テレイン ポイント断面図グラフ
•
現在の表示範囲に基づく標高範囲クラスのリセット
•
アンカー ポイントのサポート
•
テレインの概観図の最適化
TIN データセットの拡張
TIN の新機能を次に示します。
•
制限付きドローネ、ArcGIS 空間参照、エッジ タグの保持、ノード ソースの保持のサポートの
追加
•
TIN のレイヤ シンボルのインポート
•
TIN コンター レンダラの追加
•
現在の表示範囲に基づく標高範囲クラスのリセット
ArcGIS Geostatistical Analyst
ArcGIS Geostatistical Analyst の新機能について概要を説明します。詳細については、「ArcGIS
Geostatistical Analyst 10 の新機能」をご参照ください。
•
次の 11 個のジオプロセシング ツールが追加されました。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
24
ArcGIS 10 の新機能
•
▪
Diffusion Interpolation With Barriers
▪
Kernel Interpolation With Barriers
▪
Create Spatially Balanced Points
▪
Densify Sampling Network
▪
Global Polynomial Interpolation
▪
IDW
▪
Local Polynomial Interpolation
▪
Radial Basis Functions
▪
Extract Values To Table
▪
Cross Validation
▪
Subset Features
Geostatistical Analyst ウィザードが次のように強化されました。
▪ ウィンドウのサイズを変更できます。
▪
レイアウトのデザインが変わり、新しい機能が追加されました。
▪
セミバリオグラムの表示が改善されました。
▪
データセットとサーフェスのプレビューのオン/オフを切り替えることができます。
▪
バリア内挿法が追加されました。
▪
Local Polynomial Interpolation が強化されて、条件数のサーフェス、予測誤差のサーフェ
ス、予測のサーフェスが追加されました。
•
Gaussian Geostatistical Simulations ツールに新しい条件計測エラー フィールドが追加されまし
た。
•
Local Polynomial Interpolation と IDW で非常に大きな入力データセットを管理可能になりまし
た。たとえば、IDW では(400,000 個以上のマルチポイントに格納されている)約 20 億個の入
力ポイントから 20 時間で 250 列 x 250 行の出力ラスタが生成されます。
•
すべてのラスタ形式がサポートされます。
•
バージョン 10 SP1 の新ツール、[入力バリアを含むカーネル スムージング(Kernel Smoothing
With Barriers)] には、予測誤差のサーフェスを求めるオプションが含まれています。
ArcScan for ArcGIS
ArcScan では、フィーチャ テンプレートを使用して、対話的なベクタ変換処理と自動ベクタ変換処理が
行われます。フィーチャ テンプレートは ArcGIS 10 で操作性が向上した編集機能の 1 つです。
詳細については、「ArcScan for ArcGIS 10 の新機能」をご参照ください。
Maplex for ArcGIS
以降のセクションでは、Maplex の新機能について概要を説明します。詳細については、「Maplex for
ArcGIS 10 の新機能」をご参照ください。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
25
ArcGIS 10 の新機能
•
Maplex を使用した読み取り専用マップ ドキュメントのサポートが追加されました。読み取り専
用マップ ドキュメントのすべての Maplex ラベル プロパティが残り、Esri 標準ラベル エンジン
には戻りません。
•
最適化されたマップ サービスで Maplex ラベリングがサポートされます。Maplex を使用したマ
ップは、最適化されたマップ サービスによって使用される描画エンジンによってパフォーマンス
が向上します。
•
[ラベルの繰り返し] パラメータが拡張され、同じポリゴン内で同じラベルを繰り返し使用可能に
なりました。
•
[境界配置] スタイルに、境界の正反対にポリゴンがない側に沿ってポリゴンのラベルを表示する
オプションが追加されました。
•
ドーナツ ポリゴンへのラベリングをサポートするポリゴン配置オプションが追加されました。
•
等高線の配置と河川の配置の両方で、ラベル配置の全体的な品質が向上しました。
ArcGIS Network Analyst
ArcGIS Network Analyst エクステンションの新機能について概要を説明します。詳細については、
「ArcGIS Network Analyst 10 の新機能」をご参照ください。
•
ネットワーク データセットが 3D 対応になり、建物の内部経路などに対するネットワーク解析を
モデル化して実行できます。
•
履歴交通情報を保存できます。履歴交通情報を利用することで、ルート解析と配車ルート解析で
求められる移動時間と到着時間の精度が向上し、さらには、特定の時刻や曜日に基づいて最適な
ルートを検索できます。
•
ネットワークに対して時間依存の制限を適用できます。経時変化する走行時間のコストが考慮さ
れる履歴交通モデルと同様に、時間依存の制限では、時刻に基づいて特定のネットワーク エレメ
ントの許可と禁止を行います。したがって、主要な方向への交通の流れを良くするためにピーク
時に一方通行になる道路をモデル化したり、特定の時間帯に禁止されるターンをモデル化したり
することができます。
•
ネットワークを段階的に再構築できます。ネットワーク データセットに属するフィーチャを作
成、編集、または削除した場合は、変更を反映するためにネットワークを再構築する必要があり
ます。これまでは、変更がどんなに小規模でも、ネットワーク データセット全体を再構築する必
要がありました。今回のリリースでは、ネットワークのダーティ エリア(編集されたフィーチャ
を囲む領域)だけが再構築されます。これによって、大規模なネットワークを再構築するのにか
かる時間が大幅に短縮されます。
•
ArcMap のカタログ ウィンドウを使用して、ネットワーク データセットのプロパティを変更でき
ます。このため、ネットワークを修正するために ArcGIS アプリケーションを開いて閉じる必要
がなくなりました。
•
[ネットワークのアップグレード(Upgrade Network)] および [ネットワークのディゾルブ
(Dissolve Network)] という 2 つのネットワーク ジオプロセシング ツールが新たに導入されま
した。
•
ロケーション-アロケーション解析が追加され、需要地点との予測される関係に基づいて施設を選
択できます。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
26
ArcGIS 10 の新機能
•
ポイント、ライン、ポリゴン バリアを作成できます。バリアによって移動を規制したり、バリア
を使用して基本となるネットワーク エレメントのコストを一時的に変更することもできます。
•
アプローチ制限プロパティに [U ターンなし] オプションが新たに追加されました。ネットワーク
ロケーション(ルート上のストップや配車ルート解析の訪問先など)でアプローチ制限プロパテ
ィを使用して、車両がネットワーク ロケーションに到着する方向やネットワーク ロケーション
から出発する方向を指定します。[U ターンなし] オプションを選択した場合、車両はどの方向か
らでもネットワーク ロケーションに到着できますが、出発した後は、到着した方向と同じ方向に
進む必要があります。これは、どの方向からでもストップに到着可能であるがそこで方向転換で
きない大型車両のルートを解析する場合に特に便利です。
•
位置を読み込む場合にネットワークの制限部分を除外できます。ネットワーク解析レイヤの新し
いプロパティである、このチェックボックスをオンにすることで、ネットワーク ロケーションが
ネットワークの通行可能な部分にのみ配置されるようにできます。これにより、規制またはバリ
アが原因で到達できないエレメントにネットワーク ロケーションが配置されなくなります。
•
配車ルートでは、各ルートに複数の休憩を追加できます。このため、運転者の昼休みだけでな
く、朝と午後の休憩もモデル化できます。
•
配車ルート解析でルートの開始拠点と終了拠点を設定する必要がなくなりました。解析の実行時
にルートの開始拠点プロパティが NULL の場合、指定されている最初の訪問先からルートが開始
します。同様に、終了拠点が NULL の場合、指定されている最後の訪問先でルートが終了しま
す。したがって、ArcGIS 10 では、ルートは訪問先で開始することも終了することも可能です。
•
SOAP と GIS Server API サーバ パラメータ クラスとサーバ結果クラスを配車ルート解析、ロケ
ーション-アロケーション、OD(起点-終点)コスト マトリックスに使用可能になりました。
•
最寄り施設と到達圏の REST エンドポイントが追加されました。
•
サーバ上に解析結果を保存して、後で既存のソリューションを構築するように求められたとき
に、レイヤを再利用できます。
ArcGIS Schematics
ArcGIS 10 では、Schematics の基本アーキテクチャが変わりました。変更内容について概要を説明しま
す。詳細については、「ArcGIS Schematics 10 の新機能」をご参照ください。
•
ダイアグラムがフィーチャとして保存されるようになったことで、シンボルとラベルのスケマテ
ィック プロパティを設定する必要がなくなりました。
•
スケマティック ダイアグラムは編集中はロックされるため、その他のユーザがダイアグラムを編
集して変更内容に上書きすることはできません。
•
バージョン対応データに関連するダイアグラムの管理機能が向上しました。
•
ダイアグラムに UpdateStatus フィールドが追加され、このフィールドをシンボル表示すること
で、どのような更新が行われたかを確認できます。
•
コンフィグレーション ツールのインタフェースが新しくなりました。
•
地理模式図 - 圧縮に新しいアルゴリズムが使用されます。
•
属性に新しい標準ルールが追加されました。
•
階層ツリーのルートとして複数のノードを設定できます。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
27
ArcGIS 10 の新機能
ArcGIS Spatial Analyst
ArcGIS Spatial Analyst Extension の新機能について概要を説明します。詳細については、「ArcGIS
Spatial Analyst 10 の新機能」をご参照ください。
•
•
新しい Python マップ代数は豊富で統合されたマップ代数演算の手段を提供します。式の構文は
基本的には同じであり、次のような利点があります。
▪ 統合 Python ウィンドウやその他の Python スクリプト統合開発環境(IDE)からアクセ
スできます。
▪
IntelliSense の全オートコンプリート機能が備わっています。
▪
マップ代数演算の構文で Spatial Analyst のすべてのツールを使用できます。
▪
幅広い算術演算子と論理演算子がサポートされています。
▪
個々のツールと演算子を組み合わせて、単一の複雑なステートメントを作成します。
▪
ローカル(セルごとの)式が最適化されてパフォーマンスが向上しました。
特定のパラメータ コレクションで Python クラスを使用でき、これによって再利用や個々のパラ
メータへのプログラムからのアクセスを容易に行うことができます。使用可能な主なクラスを次
に示します。
▪ 近傍
▪
リマップ テーブル
▪
加重オーバーレイ テーブルと加重合計テーブル
▪
垂直方向ファクタと水平方向ファクタ
▪
トポ → ラスタ入力
▪
ファジー メンバーシップ
•
ジオプロセシングによってすべての利点が提供されるようになったので、ArcGIS 10 では、これ
まで Spatial Analyst ツールバーで利用できていた機能の一部が削除されています。このツールバ
ーの対話的ツール(コンター、ヒストグラム)は残っています。ArcGIS 9.3 以前の [ラスタ演算]
ダイアログ ボックスの代わりに、マップ代数演算式は新しい [ラスタ演算(Raster Calculator)]
ツールに入力するか、Python ウィンドウに直接入力することができます。
•
Spatial Analyst エンジンにネイティブ読み書き機能が備わりました。テンポラル ファイルの作成
と内部管理がなくなったことで、処理時間とディスク使用量が削減しました。
•
IRasterAnalysisGlobalEnvironment および IRasterOpBase という 2 つの新しいインタフェースが
導入され、Esri GRID 形式に変換することなく、Spatial Analyst で ArcObjects を使用してラスタ
データを処理できます。
•
[複数の抽出値 → ポイント(Extract Multi Values to Points)]、[ISO クラスタの教師なし分類
(Iso Cluster Unsupervised Classification)]、[ファジー メンバーシップ(Fuzzy
Membership)]、[ファジー オーバーレイ(Fuzzy Overlay)] という 4 つの Spatial Analyst ジオ
プロセシング ツールが追加されました。さらに、これまでのツールバーから、[ラスタ演算
(Raster Calculator)] と [ゾーン ヒストグラム(Zonal Histogram)] の機能がジオプロセシング
ツールとして実装されました。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
28
ArcGIS 10 の新機能
•
[フォーカル統計(Focal Statistics)] ツールのアルゴリズムが新しくなり、12 x 12 以上の四角形
の近傍や半径 5 以上の円形の近傍などの大きな近傍を使用する場合は特に、パフォーマンスが大
幅に向上しました。
•
[画像分類] ツールバーが新たに導入されました。これには以下の機能が含まれます。
▪ 対話形式によるトレーニング サンプルの作成と編集
▪
[トレーニング サンプル マネージャ] ダイアログ ボックスを使用したクラスとトレーニン
グ サンプルの管理
▪
トレーニング サンプルの新しい評価ウィンドウ: ヒストグラムの評価ウィンドウ、散布図
の評価ウィンドウ、統計情報ウィンドウ
▪
Spatial Analyst の既存の多変量解析ツールに [画像分類] ツールバーからアクセス可能
ArcGIS Tracking Analyst
ArcGIS Tracking Analyst エクステンションの新機能について概要を説明します。詳細については、
「ArcGIS Tracking Analyst 10 の新機能」をご参照ください。
•
新しい電子メール アラート サービス アクションでは、トリガ条件が満たされた場合に、選択し
た受信者に、カスタマイズ可能な電子メール メッセージを自動的に送信できます。
•
新しいデータ変更サービス アクションでは、アクションのトリガ条件が満たされた場合に、カス
タム関数を使用して、受信データ メッセージ内のデータ値を変更できます。
•
新しいデータ サマリ サービス アクションでは、設定した時間間隔で、リアルタイム トラッキン
グ データのデータ サマリ レポートを自動的に生成できます。
•
次の 3 つのトリガが新たに追加されました。
▪ ポリゴン境界に入る時のトリガでは、ポリゴンが表す位置にトラック オブジェクトが入
ったときにアクションを実行できます。
•
▪
ポリゴン境界を出る時のトリガでは、ポリゴンが表す位置からトラック オブジェクトが
出たときにアクションを実行できます。
▪
ポリゴン境界を交差する時のトリガでは、ポリゴンが表す位置にトラック オブジェクト
が入ったか、その位置から出たか、その位置を通過したときにアクションを実行できま
す。
トラッキング レイヤの表示モードが新たに追加されました。新しい表示モードでは、トラッキン
グ レイヤをキャッシュしないことも、部分的にのみキャッシュすることもできます。
業界別ソリューション
防衛
ArcGIS 10 では、Military Analyst エクステンションと MOLE エクステンションの機能の多くが ArcGIS
の標準機能になりました。ArcGIS 10 SP2 では、防衛産業で一般的なワークフローをさらに詳しく説明
するためのトピックが追加されました。10、10 SP1、および 10 SP2 における変更の詳細については、
「ArcGIS の防衛/インテリジェンスの新機能」をご参照ください。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
29
ArcGIS 10 の新機能
ルート検索
ルート検索の新機能を次に示します。
•
[ルート検索] ダイアログ ボックスから ArcGIS Server または ArcGIS Online のルート検索サービ
スに接続することで、ArcMap で道路のルート検索が可能になりました。
•
[ルート検索] ダイアログ ボックスでは ArcGIS Online の無料のルート検索サービスとジオコード
サービスを利用できるため、ユーザは独自の道路データがなくても ArcMap でルート案内を取得
できます。
•
ジオデータベース、シェープファイル、SDC ネットワーク データセットがサポートされるよう
になりました。
詳細については、「ArcGIS 10 の新機能 - ルート検索」をご参照ください。
ジオコーディング
ジオコーディングの変更と新機能について説明します。
•
ArcMap の [ジオコーディング] ツールバーに、[住所ロケータの管理] リストと 1 行アドレス マッ
チング用の [住所] 入力ボックスが新たに追加されました。
•
[検索] ダイアログ ボックスの [位置] タブで、住所、場所、ランドマーク、座標を検索できます。
•
デフォルトのロケータとは、ArcMap の起動時にマップに自動的に読み込まれるロケータです。
ArcGIS.com から提供されているいくつかのジオコード サービスおよび MGRS(Military Grid
Reference System)ロケータをデフォルトのロケータとして使用できます。
•
ジオコーディング エンジンが次のように機能強化されました。
▪ 1 行アドレス マッチングの入力。
•
▪
住所ロケータのスタイルが統合されました。同じロケータ スタイルを使用して、ゾーン
がある住所ロケータとゾーンがない住所ロケータを作成できます。
▪
空間オフセットと位置の緯度経度を指定して住所を検索できます。
▪
国際ジオコーディング用に Unicode 文字ごとに固有の住所スタイルを作成できます。
[ジオコーディング] ツールボックスに [コンポジット住所ロケータの作成(Create Composite
Address Locator)] および [リバース ジオコード(Reverse Geocode)] という 2 つのジオコーデ
ィング ツールが新たに追加されました。
詳細については、「ArcGIS 10 の新機能 - ジオコーディング」をご参照ください。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
30
ArcGIS 10 の新機能
ArcGIS 10 の新機能 - ジオデータベース
ArcGIS 10 のジオデータベースに追加された新機能には、データベース管理機能の向上、空間データベースの
空間テーブルに対するクエリに基づいてレイヤを作成する機能、ArcSDE ジオデータベースでの新しいデータ
タイプのサポート、新しい一方向レプリケーションがあります。
ジオデータベースの管理
ジオデータベースの管理およびジオデータベースへの接続に関して、次の点が向上しました。
[ジオデータベースのアップグレード(
ジオデータベースのアップグレード(Upgrade Geodatabas)
)] ジオプロセシング ツール
または Python スクリプトを使用して、すべてのタイプのジオデータベースをアップグレ
ード
[ジオデータベースのアップグレード(Upgrade Geodatabase)] ジオプロセシング ツールまたは Python
スクリプトを使用して、パーソナル ジオデータベース、ファイル ジオデータベース、さらには ArcGIS
Desktop、ArcGIS Engine、ArcGIS Server Workgroup、または ArcGIS Server Enterprise でライセンスさ
れている ArcSDE ジオデータベースをアップグレードすることができます(Windows の ArcSDE ポスト
インストール ウィザードまたは sdesetup コマンドを使用して、既存のデータベースをアップグレードし
ないでください。ArcGIS 10 から、これらのウィザードやコマンドを使用してジオデータベースのアップ
グレードを実行することはできません)。
[ジオデータベースのアップグレード(Upgrade Geodatabase)] ツールには、アップグレードを実行する
前に、要件を満たしているかどうかをチェックするオプションがあります。
アップグレード処理では、既存のシステム テーブル、関数、プロシージャ、およびタイプが更新され、
必要に応じて新規に作成されます。ArcGIS 10 では、ジオデータベース システム テーブルが変わりまし
た。ArcGIS 10 では、ジオデータベース システム テーブルが変更されているため、rcGIS 10 にアップグ
レードすると、新しいジオデータベース システム テーブルが作成され、そのテーブルに既存の情報が移
行されます。
ジオデータベースのアップグレードを完了するために、データを再ロードする必要はありません。
詳しくは、「ジオデータベースのアップグレードの概要」をご覧ください。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
31
ArcGIS 10 の新機能
ジオデータベース システム テーブルを統合
ArcGIS 10 リリースではジオデータベース スキーマが再構成され、これまでジオデータベース システム
テーブルに保存されていた情報が 6 つのテーブルに統合されました。新しいシステム テーブルは、XML
列を使用して、ジオデータベースのデータに関連する情報を保存します。
新規に作成されたファイル ジオデータベース、パーソナル ジオデータベース、ArcSDE ジオデータベー
ス、およびアップグレードされたこれらのジオデータベースには、この新しいジオデータベース スキー
マが使用されます。
この新しいスキーマを ArcSDE ジオデータベースに実装するため、データベースは XML 列を使用する必
要があります。既存のジオデータベースをアップグレードするには、ポスト インストール ウィザードや
sdesetup コマンドではなく、新しい[ジオデータベースのアップグレード(Upgrade Geodatabase)] ジ
オプロセシング ツールもしくは Python スクリプトを使用する必要があります。
ファイル ジオデータベースに保存するジオメトリ列および BLOB 列を制御
フィーチャクラス、ラスタ カタログ、またはラスタ データセットをファイル ジオデータベースに作成す
る場合、コンフィグレーション キーワードを指定する際に、3 つの新しいオプションを使用できるよう
になりました。これらはそれぞれ、ジオメトリ列または BLOB 列を行外に格納します。これらのキーワ
ードは、GEOMETRY_OUTOFLINE、BLOB_OUTOFLINE、GEOMETRY_AND_BLOB_OUTOFLINE で
す。
これら 3 つのコンフィグレーション キーワードでは、データを内部に格納するか、外部に格納するかを
制御できます。データを行内(インライン)に保存する場合、すべての属性がファイル ジオデータベー
スの同じファイルまたは仮想テーブルに格納されます。データを行外(アウトオブライン)に保存する
場合、別のファイルまたは仮想テーブルに属性が格納されます。
新しいキーワードは、大容量のデータを格納する可能性のあるジオメトリ属性および BLOB 属性タイプ
と共に使用するように設計されています。これらの属性タイプには多数のデータを保存できます。たと
えば、フィーチャクラスに大容量のデータを格納する BLOB 属性列が存在する場合は、そのフィーチャ
クラスの作成時に BLOB_OUTOFLINE キーワードを指定します。クエリの実行時にのみ BLOB 属性が読
み込まれるので、パフォーマンスが向上します。
詳細については、「ファイル ジオデータベースのコンフィグレーション キーワード」をご参照くださ
い。
以前のバージョンのファイル ジオデータベースまたはパーソナル ジオデータベースを作成
[データ管理] ツールボックスの [ファイル ジオデータベースの作成(Create File GDB)] および [パーソ
ナル ジオデータベースの作成(Create Personal GDB)] ジオプロセシング ツールが拡張され、作成する
ジオデータベースのバージョンを指定できるパラメータが追加されました。バージョン 10、9.3、9.2 リ
リースのファイル ジオデータベースまたはパーソナル ジオデータベースを作成できます。また、バージ
ョン 9.1 のパーソナル ジオデータベースを作成することもできます。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
32
ArcGIS 10 の新機能
ArcGIS 10 クライアントで以前のリリースのジオデータベースを作成できるので、古いバージョンの
ArcGIS を使用している組織のメンバーや取引先ともデータ共有が容易になります。
ジオデータベース レプリケーション シナリオの追加
ジオデータベース レプリケーション モデルが拡張され、アーカイブを使用した一方向レプリケーショ
ン、および子から親への一方向レプリケーションが可能になりました。
アーカイブを使用した一方向レプリケーション
バージョニングの代わりにアーカイブを使用してレプリカの変更を追跡できるようになりました。こ
のオプションは、一方向レプリケーションで、複製元レプリカのバージョンが DEFAULT バージョン
の場合のみ使用できます。履歴管理を使用してレプリカの変更を追跡する場合、同期を行うためのシ
ステム バージョンは作成されません。したがって、リコンサイルとポストのプロセスや圧縮のプロセ
スはレプリカの影響を受けず、バージョン管理とレプリケーション管理がそれぞれ独立したものにな
ります。これによって、同期のスケジュールをより柔軟に設定できます。同期処理のパフォーマンス
が向上するので、一方向レプリケーションではこの方法を使用してください。
詳細については、「レプリカの作成とバージョニング」をご参照ください。
子から親への一方向レプリケーション
一方向レプリケーションでは、親レプリカから子レプリカへデータ変更を繰り返し送信できます。さ
らに、ArcGIS 10 からは、子レプリカから親レプリカへ送信できるようになりました。
子から親への一方向レプリケーションは親から子へのレプリケーションと同じように機能しますが、
レプリケーション方向が逆になります。この場合、子レプリカのデータは編集可能ですが、親レプリ
カのデータは読み取り専用と見なされます。親レプリカ内のデータで編集されたデータが、同期によ
って適用された編集と競合した場合は同期によって適用された編集で上書きされます。
詳細については、「レプリケーションの種類」をご参照ください。
ArcSDE ジオデータベースへのダイレクト コネクションの削除および禁止
管理者は、sdemon コマンドで kill オプションを使用して、ArcSDE ジオデータベースへのダイレクト コ
ネクションを切断できます。以前のリリースでは、ArcSDE サービス接続を切断するときのみ kill オプシ
ョンを使用していました。
ほとんどの場合、DBMS の機能を使用してダイレクト コネクションを削除します。データベースでこの
操作を実行するには権限を昇格する必要があります。したがって、ダイレクト コネクションを削除する
には、ArcSDE 管理者にそのための権限を付与しなければなりません。詳しくは、「ジオデータベースか
らのダイレクト コネクションの削除」をご参照ください。
sdemon コマンドで pause オプションを使用し、ジーデータベースに対する ArcSDE サービスとダイレ
クト コネクションを禁止することもできます。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
33
ArcGIS 10 の新機能
たとえば、データベースを復元するときやジオデータベースをアップグレードするときなどは、ジオデ
ータベースへの新規接続を禁止して、ユーザが接続できないようにします。詳しくは、「ユーザのジオ
データベースへの接続を防ぐ」をご参照ください。
下位互換性のある ArcSDE ダイレクト コネクション ドライバを ArcGIS クライアント ア
プリケーションに追加
9.2 または 9.3 のジオデータベースにアクセスする際、下位互換性のあるダイレクト コネクション ドラ
イバを ArcGIS Desktop、ArcGIS Engine、または ArcGIS Server にインストールする必要がありませ
ん。必要なドライバがデフォルトで組み込まれています。
以前のバージョンのクライアントから ArcGIS 10 ジオデータベースに接続することはできません。
Microsoft SQL Server 2008 Native Client を ArcGIS クライアント アプリケーションに追
加
SQL Server の ArcSDE ジオデータベースにダイレクト コネクションを使用して接続するには、クライア
ント コンピュータに SQL Server Native Client(SNaC)をインストールする必要があります。ArcGIS
10 では、ArcGIS Desktop、ArcReader、および ArcGIS Server と共にSQL Server 2008 Native Client が
インストールされるので、これらのクライアントから SQL Server 2005 または SQL Server 2008 データ
ベースへダイレクト コネクションを行うことができます。
ArcGIS Engine のインストール メディアには SNaC が収録されており、必要に応じてインストールでき
ます。
ジオデータベースでのデータ管理
SQL クエリに基づくレイヤの作成
新しいユーティリティであるクエリ レイヤが ArcMap に追加され、SQL クエリ定義に基づいて新しいレ
イヤまたはスタンドアロン テーブルを作成できるようになりました。対象データを使用または表示する
たびに定義したクエリが実行されるので、常に最新のデータが返されます。
メモ
メモ: ArcSDE ジオデータベースのバージョン対応フィーチャクラスに対して
クエリを定義した場合は、ベース テーブルのデータが返されます。テー
ブルの追加や削除に関する情報は返されません。
クエリ レイヤをマップに追加するには、データベース内のテーブルおよびビューに対してクエリを定義
します。そのクエリの結果セットが、レイヤまたはスタンドアロン テーブルとして ArcMap に追加され
ます。クエリ レイヤを含むマップ ドキュメントを保存して ArcGIS Server で公開すれば、様々なArcGIS
Server API でクエリ レイヤ情報を使用できます。
クエリ レイヤは読み取り専用です。データの表示は可能ですが、クエリ レイヤを使用して編集すること
はできません。
クエリ レイヤは、他のフィーチャ レイヤやスタンドアロン テーブルと同じように動作します。つまり、
クエリ レイヤを使用してデータを表示したり、ジオプロセシング ツールの入力として指定したり、開発
者 API を使用してプログラムからアクセスしたりできます。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
34
ArcGIS 10 の新機能
作成したクエリ レイヤはレイヤ ファイル(*.lyr)として保存できます。また、そのクエリ レイヤを使用
してレイヤ パッケージ(*.lpk)を作成することもできます。これによって、他のアプリケーションやマ
ップ ドキュメント、他のユーザなどと、クエリ レイヤを容易に共有できます。
ジオデータベースが構成されていないデータベースの空間データに対してクエリ レイヤを作成すること
もできます。詳細については、「クエリ レイヤとは」をご参照ください。
6 つのトポロジ ルールを追加
データの空間リレーションシップをモデル化するための一連のルールに、6 つのトポロジ ルールが追加
されました。新しいルールは次のとおりです。
•
ポリゴン: 1 つのポイントを含む
•
ライン: 交差しない
•
ライン: 交差しない、または接しない
•
ライン: 他クラスのエリアに含まれる
•
ポイント: 一致する
•
ポイント: 一致しない
トポロジ ルールの詳細は、「ジオデータベース トポロジ ルールとトポロジ エラーの修正」をご参照く
ださい。
[新規ジオメトリック
新規ジオメトリック ネットワーク
ネットワーク] ウィザードを効率化、フィーチャをジオメトリック ネ
ットワークへ読み込むための新しいコマンドを追加
[新規ジオメトリック ネットワーク] ウィザードが新しくなり、ジオメトリック ネットワークの作成処理
が効率化されました。
新しい [ジオメトリック ネットワーク インクリメンタル ローダー] コマンドが追加されたことで、従来に
比べ、より速く、より簡単にデータをジオメトリック ネットワークへ読み込むことができます。このコ
マンドは、多数のフィーチャを、既存のジオメトリック ネットワークの特定のエリアへ追加できるよう
に設計されています。必要であれば、ツールバーにこのコマンドを追加できます。詳しくは、「ジオメ
トリック ネットワークへの新規フィーチャの読み込み」をご参照ください。
Z 対応のフィーチャクラスに垂直線を保存
Z 対応のフィーチャクラスに垂直線を保存できます。これらの垂直線は X 座標と Y 座標は同じですが、Z
座標が異なります。
ArcMap で垂直線を作成するには、X 座標と Y 座標が同じである頂点のZ 座標を指定します。そのために
は、[スケッチ プロパティ] ダイアログ ボックスを開いて Z 座標を入力します。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
35
ArcGIS 10 の新機能
ヒント
ヒント: 垂直線を作成する際、頂点の Z 値を指定してから、スケッチを終了してく
ださい。完全に一致する頂点(X 座標、Y 座標、Z 座標がすべて同じ頂
点)は、スケッチの終了時に削除されます。
Z 値を編集する方法は他にもあります。詳しくは、「[編集スケッチ プロパティ ウィンドウを使用して頂
点の Z 値を編集」をご参照ください。ArcGIS 3D Extension の [垂直方向
垂直方向] ツールまたは [垂直方向に複
垂直方向に複
製] コマンドを使用して、垂直線を作成することもできます。これらの方法の詳細は、「垂直線の作成」
または「既存のフィーチャを垂直方向に複製」をご参照ください。
ArcSDE データベースで新しいデータ タイプのサポートを追加、既存のデータ タイプを向
上
ArcSDE 10 ジオデータベースは、新しい 4 つのデータ タイプST_Raster(Oracle、PostgreSQL、および
Microsoft SQL Server でサポート)、ネイティブ DBMS XML タイプ(IBM DB2、Oracle、
PostgreSQL、および SQL Server でサポート)、varbinary(max)、datetime2(SQL Server)をサポー
トしています。
また、バイナリから ST_Raster へラスタ データを移行したり、バイナリから SQL Server ジオメトリま
たは地理タイプへ空間データを移行できます。
ラスタで使用できる新しい SQL データ タイプ
Oracle、PostgreSQL、および SQL Server の ArcSDE ジオデータベースで、新しいラスタ格納タイプ
ST_Raster を使用できるようになりました。このタイプでは、SQL を使用して、ラスタ データに関す
る情報を修正または取得できます。ST_Raster タイプの詳細は、「ST_Raster 格納タイプとは」をご
参照ください。
ST_Raster 格納を使用するには、最初にそのタイプをジオデータベースにインストールする必要があ
ります。詳細は、「Oracle での ST_Raster タイプのインストール」、「PostgreSQL での ST_Raster
タイプのインストール」、または「SQL Server での ST_Raster タイプのインストール」をご参照くだ
さい。
このタイプをインストールしたら、ラスタ データを作成する時点、またはラスタ データをジオデータ
ベースへインポートする時点で、RASTER_STORAGE コンフィギュレーション パラメータが
ST_RASTER に設定されている コンフィグレーション キーワードを指定します。
また、SQL を使用して ST_Raster タイプを操作できる新しい関数が追加されました。これらの関数で
は、ST_Raster プロパティ値または ST_PixelData プロパティ値を表示および管理できます。使用可能
な SQL 関数は、「ST_Geometry タイプおよび ST_Raster タイプで使用する SQL 関数の概要」にある
ST_Raster SQL 関数テーブルをご参照ください。
[データ格納タイプの移行(Migrate Storage)] ジオプロセシング ツールまたは sderaster 管理コマン
ドを使用して、既存のラスタ データを ST_Raster タイプへ移行できます。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
36
ArcGIS 10 の新機能
DB2、Oracle、PostgreSQL、および SQL Server のジオデータベースでネイティブ XML 列をサポート
ArcSDE では、DB2、Oracle 11g、PostgreSQL、および SQL Server のデータベースでネイティブ
XML 列を使用できます。
12 の ArcSDE C API 関数が追加され、これらの列を操作できるようになりました。
DBMS または ArcSDE API の機能を使用して XML スキーマを作成し、定義した制約セットに照らして
XML ドキュメントを検証できます。XML スキーマは、DB2、Oracle、および SQL Server でサポート
されています。詳細については、「ArcSDE ジオデータベースの XML スキーマ」をご参照ください。
新しい DBTUNE パラメータが追加され、ネイティブ XML 列の格納を制御できるようになりました。
これらの新しいパラメータの詳細は、次のトピックの XML セクションをご参照ください。
DB2 の DBTUNE コンフィグレーション パラメータ
Oracle の DBTUNE コンフィグレーション パラメータ
PostgreSQL の DBTUNE コンフィグレーション パラメータ
SQL Server の DBTUNE コンフィグレーション パラメータ
SQL Server のジオデータベースで Varbinary(max) 列と datetime2 列をサポート
Microsoft は SQL Server の Image タイプを非推奨にしています。SQL Server の ArcSDE ジオデータ
ベースに新しいデータベースを作成するとき、以前のリリースでは Image として作成されていた列が
varbinary(max) 列として作成されるようになりました。Image 列の代わりに varbinary(max) を使用す
る列としては、バイナリ ジオメトリ列やラスタ列があります。
SQL Server 2008 の ArcSDEジオデータベースで作成される新しいデータ列は、datetime2 データ タイ
プを使用します。Datetime2 には 01/01/0000 以降の日付を格納できます。一方、datetime フィールド
に格納できる日付は 01/01/1753 以降でした。
バイナリ ジオメトリを SQL Server geometry または geography タイプへ移行
[データ格納タイプの移行(Migrate Storage)] ジオプロセシング ツール、Python スクリプト、または
sdelayer コマンドを使用して、フィーチャクラスのジオメトリ格納を SDEBINARY または OGCWKB
形式から SQL Server geometry または geography タイプへ変更できます。そのためには、
GEOMETRY_STORAGE パラメータが GEOMETRY または GEOGRAPHY に設定されたコンフィグレ
ーション キーワードを指定する必要があります。
Oracle および PostgreSQL で、ST_Geometry タイプによるパラメータ対応の円と楕円をサポート
Oracle および PostgreSQL のジオデータベースで、ST_Geometry 格納タイプにパラメータ対応の円と
楕円を格納できるようになりました。
ArcSDE C、Java API、または SQL を使用して円および楕円を作成し、それらを ST_Geometry タイプ
に保存すると、そのジオメトリはパラメータとして保存されます。これによってデータの精度が向上
し、データベース内の必要領域も少なくてすみます。
ST_Geometry SQL 関数にも、円や楕円を生成するためのパラメータがあります。
詳細については、「パラメータ対応の円および楕円」をご参照ください。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
37
ArcGIS 10 の新機能
ArcGIS 10 の新機能 - 編集
ArcGIS 10 では ArcMap の編集環境が新しくなりました。機能へのアクセスが容易になり、フィーチャの作成
に便利な新しいフィーチャ テンプレート パレットが採用され、スナップ環境の対話性が向上したことで、ボ
タンをクリックする回数が減り、ワークフローが単純になり、すべてのデータ編集作業をより短時間で行え
るようになりました。
全般的な編集環境およびユーザ インタフェースの向上
最初に目に付く大きな違いは、[エディタ] ツールバーのデザインが変わったことでしょう。タスク リスト
の項目は個々のツールに変わり、同様の環境で機能する他のツールと共に、[エディタ] ツールバー、[トポ
ロジ] ツールバー、またはその他の場所に配置されています。[ラインによる選択]、[ポリゴンによる選択] な
どのその他の項目は、標準の選択機能として使用できるようになりました。したがって、編集環境以外で
も実行できます。(データのジオデータベース ビューに組み込まれていた)ターゲット リストに代わり、
新しいコンセプトであるフィーチャ テンプレートが追加されました。テンプレートを使用して、マップま
たはレイアウト上に作成するオブジェクトのタイプを指定します。
編集セッションの開始
ArcGIS 10 には、編集セッションを開始するための 2 つの方法があります。[エディタ] ツールバーの [エデ
ィタ] メニューをクリックする方法と、コンテンツ ウィンドウでレイヤを右クリックする方法です。後者の
場合、そのレイヤを含むワークスペース全体の編集セッションが自動的に開始されます。[エディタ] メニュ
ーを使用して、複数のワークスペースのデータを含むデータ フレームで編集を開始する場合、編集対象の
ワークスペースを選択するよう求められます。マップ内の複数のワークスペースで編集を開始するときに
表示されるダイアログ ボックスのデザインが変わり、対象マップのレイヤおよびそれらが属するワークス
ペースが明確に示されるようになりました。
また、選択したデータの編集セッションを開始する時点で問題が発生した場合は、関連するエラー メッセ
ージのリストがダイアログ ボックスに表示されます。各問題をダブルクリックすると、詳細情報と対処方
法が記載されたヘルプ トピックが開きます。
フィーチャ テンプレートを使用したフィーチャの作成
フィーチャの作成は、フィーチャ テンプレートの使用によって実施されます。フィーチャ テンプレートで
は、フィーチャの作成に必要なすべての情報、つまりフィーチャが格納されるレイヤ、フィーチャの作成
に使用する属性、およびフィーチャの作成に使用するデフォルト ツールを定義します。テンプレートに
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
38
ArcGIS 10 の新機能
は、フィーチャの検索と管理に役立つ名前、説明、タグも定義されています。編集の開始時にテンプレー
トが存在していない場合は、現在の編集用ワークスペース内のレイヤごとにテンプレートが自動的に作成
されます。テンプレートはマップ ドキュメント(*.mxd)およびレイヤ ファイル(*.lyr)に保存されます。
テンプレートを使用した編集ではマップ操作が中心となります。テンプレートは、シンボルおよびユーザ
定義名と共に表示されます。シンボルは、そのテンプレートを使用して作成したオブジェクトがマップ上
にどのように表示されるかを表します(ターゲット レイヤのシンボルおよびそれらのデフォルト属性に基
づきます)。オブジェクトを作成した後、必要に応じてテンプレートを追加、更新、コピー、または削除
できます。新しいフィーチャを追加するには、ウィンドウで目的のタイプをクリックし、マップ上でフィ
ーチャを定義するだけです。これまでのように、ターゲットを定義して、タスクを設定し、スケッチ ツー
ルを有効にする必要がありません。
新しいフィーチャ 作成ウィンドウは、テンプレートの作成および管理の中心となる場所です。[フィーチャ
作成ウィンドウは 3 つの部分で構成されています。テンプレートとそのプロパティを管理するためのツー
ルバー、新しいフィーチャを作成するときに使用するテンプレートのリスト、フィーチャの形状を定義す
るために使用するツール セットです。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
39
ArcGIS 10 の新機能
マップ上にフィーチャを作成するときは、必ず [フィーチャ作成] ウィンドウを使用します。[フィーチャ作
成] ウィンドウでフィーチャ テンプレートを選択すると、そのフィーチャ テンプレートのプロパティを基
に編集環境が設定されます。つまり、新しいフィーチャの保存先となるレイヤを設定し、フィーチャ作図
ツールを有効にし、作成するフィーチャにデフォルト属性を割り当てられるようにします。煩雑になるの
を防ぐために、レイヤが表示されていない [フィーチャ作成] ウィンドウではテンプレートは非表示になっ
ています。
[フィーチャ作成] ウィンドウの上部パネルにはマップ内にテンプレートが表示されます。このウィンドウの
下部パネルには、このタイプのフィーチャの作成時に使用できるツールが表示されます。フィーチャ作成
ツールまたは作図ツールを使用できるかどうかは、このウィンドウ上部で選択したテンプレートのタイプ
によって異なります。たとえば、ライン テンプレートが有効な場合は、ライン フィーチャを作成するため
のツールが表示されます。代わりにアノテーション テンプレートを選択すると、これらの使用可能なツー
ルが、アノテーションの作成に使用できるツールに変わります。
ArcGIS 10 では [アノテーション] ツールバーと [ディメンション] ツールバーがなくなりました。これらの
ツールバーのツールは、[エディタ] ツールバーおよび [フィーチャ作成] ウィンドウに統合されています。新
しいアノテーション フィーチャとディメンション フィーチャを作成する方法は、他のタイプのフィーチャ
を作成する場合と同じです。つまり、テンプレートと作成ツールを選択し、マップ上をクリックしてフィ
ーチャを作成します。
フィーチャ テンプレートの使用の詳細
ラインとポリゴンの作成
フィーチャの作成では、[フィーチャ作成] ウィンドウの作図ツールと [編集] ツールバーの作図法を最もよく
使用します。これらのツールを使用して、ライン、円弧、正接円弧、交点または中間点の頂点、他のフィ
ーチャからの距離や方向に基づく頂点、または既存の線分に沿ってトレースされた新しい線分などを作成
することができます。
ラインまたはポリゴンの線分を作成する場合は、[ライン ] ツール(とライン テンプレート)と [ポリゴン]
ツール(とポリゴン テンプレート)を最もよく使用します。これらのツールは異なるテンプレート タイプ
とともに使用しますが、動作はよく似ています。線分を作成するには、マップ上で頂点を配置する場所を
クリックします。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
40
ArcGIS 10 の新機能
デフォルトでは、[ライン] および [ポリゴン] ツールを使うと、クリックする頂点の間に直線セグメントが作
成されます。これらのツールでは、曲線を作成したり、既存のフィーチャをトレースするなど、フィーチ
ャの形状を定義するその他の方法も使用できます。これらは作図法と呼ばれ、[エディタ] ツールバーに配置
されています。曲線を作成するには、[エディタ] ツールバーのパレットで必要な作図タイプをクリックし、
マップ上に曲線を描きます。1 つの線分を描くたびに作図タイプを切り替えて、希望の形状を作成すること
もできます。たとえば、カーブのある道路を描画している場合、ある部分は直線に、ある部分は曲線にす
る必要があるでしょう。そのためには、[直線] を使用して直線セグメントをデジタイズし、次に [カーブ] 作
図法をクリックして曲線を作成します。
ほとんどは、以前のリリースの該当するスケッチ ツールと使用方法が同じですが、異なるものもいくつか
あります。たとえば、既存のフィーチャのセグメントをトレースして新しいフィーチャを作成する場合、
現在は、作成方法として [トレース] を選択した後、既存のフィーチャの近くにマウス ポインタを移動し、
クリックしてトレースを開始するだけです。これまでは、トレース対象のフィーチャを最初に選択する必
要があったため、[トレース] ツールで実行できる編集作業が限られていました。さらに ArcGIS 10 では、
[ベジェ曲線セグメント] 方法を使用してなめらかな曲線をスケッチできます。
[ライン] ツールと [ポリゴン] ツールの他にも、ラインとポリゴンを作成するためのツールが用意されていま
す。[フリーハンド] ツールは、手書きフィーチャを作成し、自動的にベジェ曲線へスムージングします。
[円形] ツールと [四角形] ツールでは、マウスを画面上でドラッグするか、キーボード ショートカットで正
確な位置を指定することによって、それぞれ円形と四角形を作成できます。これらのツールは ArcGIS 9.3
の [高度な編集] ツールバーにあったツールと似ていますが、ArcGIS 10 では機能がさらに向上しました
(これに伴い、[高度な編集] ツールバーから削除されています)。[楕円] ツールでは、新しい楕円フィーチ
ャを対話的に作成できます。位置、長径、および短径をショートカットで指定して、楕円を作成すること
もできます。以前は、編集時に楕円形のフィーチャを作成するのが困難でした。ポリゴンの作成時には、
[自動完成ポリゴン] ツールを選択することもできます。これは、重なったり、隙間が空いたりせず、ぴった
りと隣接する複数のポリゴンを作成するためのツールです。このツールは [自動完成ポリゴン] 編集タスク
と似ていますが、独自の作成ツールとして設けられています。
作成できるセグメントのタイプについて詳しくは、「セグメントの作成方法」をご参照ください。
アノテーションの作成
ArcGIS 10 では [アノテーション] ツールバーが削除され、アノテーションを作成および編集するための機
能がフィーチャ作成ウィンドウとアノテーション作図ウィンドウに統合されました。
[フィーチャ作成] ウィンドウと [エディタ] ツールバーに、アノテーション フィーチャの新規作成に必要な
ツールが含まれています。[フィーチャ作成] ウィンドウでは、水平、曲線、引出し線などの新規アノテーシ
ョンの作図法を選択できます。使用するツールを選択すると、[アノテーション作図] ウィンドウが表示さ
れ、このウィンドウで新しいアノテーションのテキストを入力したり、テキストの配置方法を制御したり
できるほか、フィーチャ テンプレートで定義されているデフォルトのアノテーションのプロパティをオー
バーライドすることもできます。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
41
ArcGIS 10 の新機能
デフォルトの作図ツールは、フィーチャ テンプレートのプロパティの 1 つです。[フィーチャ作成] ウィン
ドウでテンプレートを選択すると、デフォルトの作図ツールは有効になります。たとえば、道路や河川の
名称を示すアノテーションを作成する場合は、ポリゴンまたはラインの形状に沿ってアノテーションを作
成するために使用する [フィーチャに追従] アノテーション ツールをデフォルトの作図ツールにします。フ
ィーチャ テンプレートのプロパティを設定するには、[フィーチャ作成] ウィンドウでそれをダブルクリッ
クします。
未配置アノテーション ウィンドウを開くには、[エディタ] ツールバーの [編集ウィンドウ] メニューを選択
します。このメニューでは、編集時に使用するすべてのドッカブル ウィンドウを開くことができます。こ
れまで、未配置アノテーション ウィンドウは [アノテーション] ツールバーから開いていました。
アノテーションの作成の詳細
編集コマンドを使用した新規フィーチャの作成
フィーチャを作成するときは必ずテンプレートが使用されます。[バッファ] や [ユニオン] などの編集コマン
ドを使用してフィーチャを作成する場合は、それらのコマンドで表示されるダイアログ ボックスでテンプ
レートを選択します。既存のフィーチャを編集する場合は、テンプレートを指定する必要はありません。
スケッチではなく、編集コマンドを使用して新しいフィーチャを作成する場合は、それらのコマンドのダ
イアログ ボックスでテンプレートを選択します。以前は、これらのコマンドを実行する前にターゲット レ
イヤを設定する必要がありました。つまり、適切なターゲット レイヤ タイプを設定しない限り([平行コピ
ー] の場合はライン レイヤなど)、編集コマンドが有効になりませんでした。
新しいスナップ環境
既存のスナップ環境は非常に柔軟で便利ですが、初心者にとっては複雑すぎる場合もあります。ArcGIS 10
では、マップベースの設定によりスナップ機能が簡素化され、スナップ環境をレイヤごとに管理する必要
がなくなりました。デフォルトでスナップが有効になり、編集セッションだけでなく、ArcMap 全体で使用
できるようになりました。たとえば、ジオリファレンス時や [計測] ツールの使用時にもスナップの設定を
使用できます。
スナップ操作で必要なすべての設定は、[スナップ] ツールバーに配置されています。デフォルトでは、
ArcMap 全体でスナップが有効になります。使用可能なスナップ エージェント(タイプ)は、ポイント、
端点、頂点、エッジです。[スナップ] ツールバーでは、タイプごとに有効/無効を切り替えることも、スナ
ップを完全に無効にすることもできます。[スナップ] ツールバーまたはメニューで、「押し下げられた」状
態になっているスナップ エージェントが有効なエージェントです。スナップを完全に無効にするには、[ス
ナップ] メニューをクリックして、[スナップの使用] の横にあるチェックマークを消します。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
42
ArcGIS 10 の新機能
スナップが有効な場合、マップ上を移動したり、さまざまなフィーチャの上にマウスを移動したりする
と、それに応じてポインタ アイコンの形が変わります。ポインタ アイコンがどのように変化するかは、ス
ナップ エージェント(頂点、エッジ、端点、交点など)によって異なります。たとえば、頂点またはポイ
ントにスナップするときは、カーソルが四角形になります。エッジにスナップする場合は、対角線付きの
ボックスになります。カーソルの形状と表示されるスナップチップ テキストを参照すれば、スナップ対象
のレイヤおよび使用しているスナップ タイプがすぐにわかります。
また、新しいスナップ環境では、カーソルおよびスナップチップの外観をカスタマイズし、新しいスナッ
プ タイプ(交点、曲線の接線、中点など)を追加できます。
以前のリリースで提供されていたスナップ環境を使用して、カスタマイズが必要な場合は、[編集オプショ
ン] ダイアログ ボックスの [一般] タブで従来のスナップを有効にできます。この設定によって、編集時に
[スナップ] ツールバーが表示されなくなり、以前と同じようにスナップ環境ウィンドウを使用できます。
属性ウィンドウでの編集
以前の編集環境で、編集時に混乱を招いていた原因の 1 つは、ArcMap のフィーチャ レイヤを通じてフィ
ーチャクラス情報を表示するのではなく、ジオデータベースで指定されているフィーチャクラス情報を使
用していたことでした。レイヤベースの一貫した編集環境を提供することでこの混乱が軽減され、マッピ
ング システムの他の部分を使用するときにも一貫性が維持されます。たとえば、編集時に属性を操作する
とき、フィールドを非表示にしたり、フィールドのエイリアス名を設定したり、フィールドでの数値の表
示方法を変更したりすると、編集時にもそのフィールドが非表示になり、エイリアスが表示され、指定し
た数値フォーマットで表示されます。フィールドを読み取り専用にすることもできます。つまり、ファイ
ルやデータベースの許可にかかわらず、フィールドを表示することはできますが、編集は不可能です。属
性ウィンドウのレイヤ プロパティを使用することで、更新する必要のある重要な情報のみを効率的に表示
できます。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
43
ArcGIS 10 の新機能
属性ウィンドウでは、表示式を使用して情報が示されます。これは、属性テーブルまたはテーブルで最も
役立つ一意なフィールドです。表示式は、テキスト文字列のカスタマイズを可能にする主フィールドの概
念を発展させたものです。たとえば、表示式を使用して、独自のテキストを入力したり、テキストのフォ
ーマットを変更したり、複数のフィールドの内容を組み合わせたりできます。マップチップや [個別属性]
ダイアログ ボックスに加え、指定した式は属性ウィンドウにも表示されます。
また、属性ウィンドウは、その位置を変更したり(オブジェクト リストの下にある属性)、ArcMap アプ
リケーション インタフェースにドッキングしたりできます。日付フィールドを操作する場合はカレンダー
が表示され、特定の日付を簡単に入力できます。さらに、関連するレコード、属性テーブル、およびレイ
ヤ プロパティを属性ウィンドウから簡単に操作できます。
[レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスの [フィールド] タブが新しくなり、フィールドの並べ替え、表示/
非表示の切り替え、ソート、表示プロパティとフォーマット プロパティの設定を簡単に行えるようになり
ました。[フィールド] タブでフィールドがリスト表示されている順序がデフォルトになります。編集時の
[属性] ダイアログ ボックスを含め、ArcMap 全体でこの順序で表示されます。
属性ウィンドウの詳細
ファイルまたはフィーチャの新しいアタッチ方法
ArcGIS 10 では、フィーチャに関連する追加情報を柔軟に管理できるアタッチメントが導入されていま
す。アタッチメントを使用すれば、個々のフィーチャにファイル(画像、PDF、テキスト文書、その他
すべての種類のファイル)を追加できます。たとえば、建物を表すフィーチャがある場合、建物の権利
書や税金の情報を含む PDF ファイルと一緒に、その建物をさまざまな角度から撮影した何枚もの写真
を、アタッチメントを使用して追加することができます。
アタッチメントはハイパーリンクに似ていますが、複数のファイルをフィーチャに関連付けたり、アタ
ッチされたファイルをジオデータベースに格納したり、さまざまな方法でファイルにアクセスしたりで
きます。アタッチメントは、[個別属性] ウィンドウ、[属性] ウィンドウ(編集時)、属性テーブル ウィン
ドウ、および HTML ポップアップに表示されます。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
44
ArcGIS 10 の新機能
ArcGIS は、リレーションシップ クラスを使用してフィーチャとファイル アタッチメントとのリンクを
保持しているため、アタッチメントの追加と編集を行うには ArcEditor または ArcInfo のライセンスが必
要です。アタッチメントは ArcView で表示できます。
既存のジオデータベースにアタッチメントを追加するには、ArcGIS 10 へアップグレードする必要があり
ます。ジオデータベースをアップグレードするには、ツリーでジオデータベースを右クリックして、[プ
ロパティ] をクリックします。[一般] タブで、[ジオデータベースのアップグレード] をクリックします。
正確な位置を入力するための新しい方法
ポイントや頂点を正確な位置に作成するときに使用する [絶対 XY] ダイアログ ボックスが新しくなり、さ
まざまな単位の値を簡単に入力できるようになりました。これまでは、ft(フィート)、m(メートル)、
dd(10進度)などの単位略称を入力しない限り、このダイアログ ボックスで指定できるのはマップ単位の
みでした。
現在では、経度と緯度の座標、MGRS(Military Grid Reference System)、UTM(ユニバーサル横メルカ
トル)、または U.S. National Grid(USNG)を使用して位置を指定できます。座標ペアを入力する場合、
このダイアログ ボックスに 2 つのボックスが表示されます。一方、グリッド位置を入力する場合はボック
スが 1 つだけ表示されます。
頂点とトポロジ エレメントを特定の位置へ移動する [絶対移動] など、[絶対 XY] と同様の機能を使用する他
のコマンドにもこの変更が反映されます。
機能へのアクセスを容易にする小さなツールバー
これまで多くの場合、便利な編集機能を実行するには、キーボード ショートカットを使用するか、右クリ
ックしてショートカット メニューを表示する必要がありました。現在でもこれらすべてのショートカット
を使用できますが、一般的な多くのオプションが表示される小さなツールバーやウィンドウから編集機能
を実行することもできます。
セグメントを作成するためのスケッチ ツールでマップをクリックするたびに、[フィーチャの作図] ツール
バーが表示されます。このツールバーには、[エディタ] ツールバーのセグメント作図機能が含まれており、
直線、曲線、およびその他の作図機能を容易に実行できるようになっています。[フィーチャの作図] ツール
バーには、既存のセグメントに対して、次に作成するセグメントを平行に配置したり、垂直に配置したり
するためのコマンドもあります。
フィーチャの頂点を編集するときは [頂点の編集] ツールバーが表示され、頂点を選択して、追加や削除を
容易に行えるようになります。マウスをドラッグして、複数の頂点を囲むボックスを描画し、それらの頂
点を一度に選択、移動、削除することもできます。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
45
ArcGIS 10 の新機能
また、新しいアノテーション フィーチャを作成するオプションが含まれたアノテーション作図ウィンドウ
も表示されます。
既存のフィーチャの編集
フィーチャのジオメトリ変更、既存のフィーチャの分割など、既存のフィーチャを操作するためのツール
とコマンドが多数用意されています。
以前のリリースでフィーチャを編集するには、正しいフィーチャを選択していることを確認して、編集タ
スクを選択し、さらに目的のツールを選択する必要がありました。ArcGIS 10 ではこのプロセスが簡略化さ
れました。一般的なほとんどの編集タスクが個別のツールとなり、フィーチャを選択していない場合は選
択するよう指示されます。たとえば、ポリゴンを分割したり、形状を変更したりする場合、[エディタ] ツー
ルバーの [ポリゴン切断] ツールまたは [フィーチャの形状変更] ツールをクリックし、フィーチャを選択し
て、該当する編集を実行するためのラインを描画します。フィーチャを変更する場合は、フィーチャを選
択し、[エディタ] ツールバーの [頂点の編集] ボタン(以前の [フィーチャの修正] タスクと同じ)をクリッ
クします。[編集] ツールでフィーチャをダブルクリックして、その頂点を編集することもできます。
編集セッションを開始したら、通常、[エディタ] ツールバーの主な編集ツールは有効になっています。特定
の条件が満たされないという理由でツールを使用できない場合は、メッセージが表示され、そのツールの
要件や用途に関する情報が提供されます。このため、状況に対処しやすく、ツールの正常な使用が簡単に
なっています。
頂点とセグメントの編集
フィーチャの頂点やセグメントを編集するときは、目的のフィーチャを選択して [頂点の編集] ボタンを
クリックするか、[編集ツール] でフィーチャをダブルクリックします。今回の大きな改善点の 1 つは、画
面上で複数の頂点を選択し、それらを一度に移動、編集、または削除できるようになったことです。以
前は、頂点のテーブルである [スケッチ プロパティ] ウィンドウを使用する必要があり、グラフィックス
上で複数の頂点を選択することはできませんでした。ArcGIS 9.3 で複数の頂点を一度に選択するには、
[スケッチ プロパティ] ダイアログ ボックスを使用する必要がありました。ArcGIS 10 では、[編集ツール]
で複数の頂点を選択し、それらすべてを対話的に削除したり、移動したりできます。また、直線を曲線
やベジェ曲線に変更するなど、セグメントを右クリックして、別のタイプに変更することもできます。
曲線の編集も容易になりました。たとえば、曲線の形状を変更するときは、クリックしてドラッグする
か、半径を指定するか、またはベジェ ハンドルを移動します。以前のリリースでは、ジオデータベース
カートグラフィック リプレゼンテーションでのみベジェ曲線を編集できましがた、現在では、どのフィ
ーチャクラスでもベジェ曲線を作成および編集できます。
[編集] ツールがアクティブになっており、フィーチャの形状を編集している場合、[編集] ツールのポイン
タが黒い矢印から白い矢印に変わり、直接頂点を選択してセグメントを変更できることが示されます。
フィーチャを構成する個々の頂点やセグメントではなく、フィーチャ全体を操作しているときは、黒い
矢印のポインタが表示されます。
[頂点の編集] ツールバーを使用すると、頂点の選択や、頂点の追加および削除を簡単に行うことができま
す。頂点の変更が終了したら、スケッチを終了します。
• [スケッチの頂点の変更
スケッチの頂点の変更] ツール では、頂点を選択して線分を編集することができます。
•
頂点を追加するには、[頂点追加
頂点追加] ツール
クリックします。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
をクリックしてから、頂点を挿入したい位置で線分を
46
ArcGIS 10 の新機能
•
頂点を削除するには、[頂点削除
頂点削除] ツール をクリックして、削除する頂点をクリックします。複
数の頂点を削除するには、削除対象の頂点を囲むボックスをドラッグします。
複数の頂点を操作する機能およびセグメント タイプを変更する機能も [トポロジ編集] ツールに組み込ま
れました。これによって、エッジを共有する複数のフィーチャの形状を一度の編集で更新できます。た
とえば、森林の境界が湖と隣接している場合、共有されているエッジを選択し、[トポロジ編集] ツールを
使用すれば、両方のフィーチャの境界上にある頂点を同時に変更できます。[エッジの形状変更] および
[エッジの修正] トポロジ編集タスクも新しくツールとなり、[トポロジ] ツールバーに配置されています。
これらのツールは、選択したエッジまたは境界を共有するすべてのフィーチャの形状を更新します。し
たがって、隣接する 2 つのフィーチャを形状変更する場合に適しています([エディタ] ツールバーにある
[フィーチャの形状変更] ツールと [フィーチャの修正] ツールは、選択した 1 つのラインまたはポリゴン
のみを更新します)。
フィーチャの選択
[編集ツール] または [アノテーション編集] ツールでマップをクリックしてフィーチャを選択すると、選択
可能なフィーチャが複数ある場合は、クリックした場所の下に小さいアイコン
が表示されま
す。選択チップと呼ばれるこのアイコンを使用すれば、複数のフィーチャが重なり合っているとき、目
的のフィーチャを正確に選択できます。これまでと同様、ショートカットキー N を使用して選択可能な
フィーチャを切り替えることもできますが、選択チップでは、どのフィーチャを選択するかをグラフィ
カルに指定できます。
M 値および Z 値の編集
編集スケッチ プロパティ ウィンドウでは、複数の頂点の M 値と Z 値を一度に変更できます。たとえ
ば、リスト内の頂点を選択/非選択で並べ替え、更新の必要な頂点をリストの最上部に移動することがで
きます。また、ルートの操作に関しては、以前の編集タスクが [ルート編集] ツールバーのツールにな
り、新しい編集環境とフィーチャ テンプレートを利用できるようになりました。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
47
ArcGIS 10 の新機能
編集時のフィードバックの向上
ArcGIS 10 では、フィーチャをデジタイズ、修正、および移動する際、よりわかりやすいフィードバックが
表示されるようになりました。フィーチャを作成または移動する場合、これまでは単純な編集スケッチや
ワイヤフレームが表示されるだけでしたが、このリリースでは対象フィーチャの WYSIWYG プレビューが
表示されます。また、[編集オプション] ダイアログ ボックスの [一般] タブでは、編集スケッチの頂点およ
びセグメントで使用されている色やシンボル サイズを簡単に変更できます。以前は、コードを記述する
か、システムのレジストリを操作して、これらのシンボルを変更する必要がありました。
暗い色のラスタ イメージ上でフィーチャをトレースする場合は、スケッチを見やすくするように色を変更
したほうがよい場合があります。頂点、および頂点を結ぶセグメント ラインを描画するために使用される
四角形を変更することができます。選択した頂点のシンボルは、[編集] ツールを使って頂点の周りにボック
スを描いたり、[スケッチ プロパティ] ウィンドウでこの頂点を有効にした場合などに、頂点が選択された
ときにどのように表示されるかを示します。
シンボル表示された(WSIWYG)プレビューをオフにすると、フィーチャを移動またはスケッチする際
に、フィーチャがワイヤフレームとして表示されます。シンボル表示されるドローイングをオフにする
と、航空写真をトレースしたり、大きなアウトライン シンボルの作業をする際に効果的な場合がありま
す。この設定をオフにすると、編集スケッチを操作するときに、[編集オプション] ダイアログ ボックスで
指定したスケッチ シンボルが使用されます。
新しいジオデータベース トポロジ ルール
ArcGIS 10 には、新しいジオデータベース トポロジ ルールが含まれています。これらのルールをトポロジ
に追加するには、現在のジオデータベースを ArcGIS 10 へアップグレードする必要があります。新しいル
ールは次のとおりです。
• ポリゴン: 1 つのポイントを含む
•
ライン: 交差しない
•
ライン: 交差しない、または接しない
•
ライン: 他クラスのエリアに含まれる
•
ポイント: 一致する
•
ポイント: 一致しない
これらのルールの説明、および ArcGIS で使用できるその他のトポロジ ルールについては、「ジオデータ
ベース トポロジ ルールとトポロジ ルールの修正」をご参照ください。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
48
ArcGIS 10 の新機能
ポリゴンを作成および分割するための新しいコマンド
[トポロジ] ツールバーの [フィーチャの作図] コマンドは、使いやすい 2 つのコマンド [ポリゴンの構築] と
[ポリゴンの分割] に分けられました。これまで [フィーチャの作図] が使いづらかったのは、ラインとポリゴ
ンの両方が操作対象となり、新しいフィーチャを作成すると同時に、既存のフィーチャを分割するコマン
ドだったためです。
ArcGIS 10 では、フィーチャの作成機能は新しい [ポリゴンの構築] コマンドに割り当てられ、分割機能は
[ポリゴンの分割] コマンドに割り当てられています。これらのツールを使用するときに、ジオデータベース
またはマップ トポロジを表示する必要はありません。ただし、ArcEditor または ArcInfo のライセンスが必
要です。
既存のフィーチャからラインを作成するには、[フィーチャ → ライン(Feature To Line)] ジオプロセシン
グ ツールを使用します。
ライン上にポイントを作成する、およびラインを等しく分割するための新しいコマンド
[ディバイド] コマンドが削除されました。代わりに、新しい [エディタ] メニューの [ポイントの作図] コマ
ンドおよび [エディタ] メニューの [スプリット] コマンドでこの機能を実行できます。
[ポイントの作成] は、選択したライン沿いに一定間隔で新しいポイント フィーチャを作成します。たとえ
ば、[ポイントの作成] を使用して、配電線に沿って電柱を配置することができます。ポイントの数を指定し
てそれらを均等に配置するか、距離や M 値に基づいて選択した間隔でポイントを作成することができま
す。
[エディタ] メニューの [スプリット] コマンドでは、1 本のラインを複数の等しい新規フィーチャに分割でき
ます。たとえば、1 本のラインを同じ長さの線分に分割する場合に、この [スプリット] オプションを使用し
ます。
測地フィーチャを作成する新しい方法
ArcGIS 10 に、描画時に測地測量を考慮するフィーチャを作成するための新しいツールが追加されました。
[高度な編集] ツールバーの [測地フィーチャの作図] コマンドを選択するとウィンドウが開き、測地線、測地
円、航程線など数種類のフィーチャを作成できるようになります。
新しい編集ジオプロセシング ツールボックス
[編集] ツールボックスには、データの一括編集を実行するためのジオプロセシング ツールがいくつか備わ
っています。これらのツールは、特に CAD のような別のソースからインポートしたデータに対して、デー
タ クリーンアップを実行するために便利です。
ArcGIS Server のデータを編集する新しい方法
ArcGIS Server のデータを使用する場合、サーバのローカル コピーをジオデータベースへダウンロード
し、そのデータを ArcMap で編集できます。このワークフローは、ネットワークに接続できない従業員が
いて、Web 経由やデスクトップ アプリケーションなど、複数のクライアントを使用して共通の方法で同じ
データを編集できるようにする場合に便利です。
サーバ データをローカル ジオデータベースへコピーした後、フィーチャクラスは他と同じように動作しま
す。つまり、編集セッションを開始し、通常と同じ方法でフィーチャを追加および削除できます。ローカ
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
49
ArcGIS 10 の新機能
ル レイヤの編集が完了したら、それらを同期して、変更内容をサーバ側へ反映させます。サーバへのアク
セスが必要なのは、ローカル コピーを作成するとき、およびローカル コピーで行った変更をサーバへ適用
するときだけです。したがって、編集中はオフラインで作業できます。
デフォルトでは、データは、自動的に作成される新しいファイル ジオデータベースへチェックアウトされ
ます。既存の ArcSDE ジオデータベースにデータを保存することもできます。データを大幅に更新する場
合は、データのチェックアウトと更新内容の同期を繰り返し実行できる ArcSDE の使用を検討してくださ
い。
ArcGIS Server からダウンロードしたデータの編集
その他の変更点
ユーザ インタフェースおよびコマンドに関するその他の変更点は次のとおりです。
• [インターセクト] コマンドが [エディタ] メニューから削除され、[ユーザ設定] ダイアログ ボックス
に移動しました。
•
[線対称フィーチャ作成] 編集タスクがツールになり、[ユーザ設定] ダイアログ ボックスに追加され
ました。
•
[すべてのトポロジを整合チェック] コマンドが [トポロジ] ツールバーから削除され、[ユーザ設定]
ダイアログ ボックスに移動しました。
•
[フィレット] ツールのオプションおよび [トレース] 作図方法が、O キーを押すほか、マップを右ク
リックして実行できるようになりました。
既存のソリューションおよびワークフローのサポート
フィーチャ テンプレートは使いやすく便利なので、編集作業を行いながらテンプレートの使い方を学習す
ることをお勧めします。ただし、テンプレート ベースのワークフローに適応することが難しい組織のため
に、ArcGIS 9 の編集環境に戻すオプションが用意されています。このオプションを使用すれば、編集環境
を大幅にカスタマイズしている組織で、フィーチャ テンプレート ワークフローへの移行を無理のないペー
スで行うことができます。フィーチャ テンプレート ワークフローに移行する準備ができたら、フィーチャ
テンプレートを再び使用できます。
この設定は、ArcGIS をインストールした場所の \Utilities ディレクトリにある、Advanced ArcMap Settings
ユーティリティで行うことができます。このオプションを使用すると、ユーザ インタフェースと編集機能
の表示と使用方法が ArcGIS 9 での状態に戻るため、フィーチャ作成機能の多くが利用できなくなります。
フィーチャ テンプレートのために使用されているユーザ インタフェースの要素は、ArcMap からすべて削
除されます。たとえば、[エディタ] ツールバーには、[スケッチ] ツール パレット、ターゲット レイヤ リス
ト、およびタスク リストが表示されます。フィーチャを作成および編集するには、編集タスクをターゲッ
ト レイヤと組み合わせて使用します。アノテーションおよびディメンションのフィーチャ タイプを作成す
るには、[フィーチャ作成] ウィンドウのツールの代わりに、[アノテーション] と [ディメンション] の両ツー
ルバーを使用します。
従来のスナップが有効な場合、ジオリファレンスや [計測] ツールなど編集環境以外の機能では、引き続き
[スナップ] ツールバーの設定が使用されます。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
50
ArcGIS 10 の新機能
パーセル編集
ArcGIS 10 には、新しいパーセル編集機能を実行できる [パーセル エディタ] ツールバーが追加されまし
た。ArcEditor または ArcInfo ライセンスで使用できる [パーセル エディタ] ツールバーは、Survey Analyst
Cadastral Editor エクステンションに代わるものです。
[パーセル エディタ] ツールバーではパーセル ファブリック データセットを操作します。パーセル ファブリ
ック データセットは、Survey Analyst Cadastral Editor エクステンションの cadastral fabric dataset に代わ
るものです。
パーセル ファブリックは、土地区画を格納、管理、編集するためのデータセットです。パーセル ファブリ
ックは、フィーチャ データセットの中に作成され、その空間参照はフィーチャ データセットから継承しま
す。
パーセル ファブリックは、つながった土地区画の連続的な面(パーセル ネットワーク)を格納します。ファ
ブリック内の区画は、ポリゴン フィーチャ、ライン フィーチャ、ポイント フィーチャで定義されます。ポ
リゴンは一連の境界線から成ります。境界線は、ライン テーブルで属性として計測値を保持します。土地
区画(パーセル)ラインの計測値は、理想としては、登記上や調査上、または計画上の登録された計測値
と一致させるべきです。
パーセル ファブリックでの空間的な正確度(Accuracy)は、ファブリックの最小二乗アジャストで改善さ
れ、維持されます。コントロール ポイントは登記上の計測値とともに処理され、新しくてよりランクの高
い土地区画の角の座標が得られます。
パーセル ファブリックの詳細
パーセル ファブリック データ モデルの詳細
パーセル ファブリックへのデータの移行
新しい [パーセル ファブリック] ツールボックスの [データ移行] ツールセットにある新しい [トポロジを
パーセル ファブリックへ読み込み(Load A Topology To A Parcel Fabric)] ジオプロセシング ツールを
使用して、既存のパーセル データをパーセル ファブリックへ移行できます。このツールは、整合チェッ
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
51
ArcGIS 10 の新機能
クが済み、必須ルール セットを使用するクリーンなトポロジに属している既存のパーセル ポリゴン フィ
ーチャおよびライン フィーチャを移行します。
トポロジを使用してパーセル データをパーセル ファブリックへ移行する方法
パーセル ファブリック編集環境
パーセル ファブリックでは次の編集ツールを使用できます。
•
パーセル トラバース
測量図または測量レコードの 1 つのパーセルについて、各パーセル境界の寸法が順番に入力さ
れ、閉じたポリゴンが形成されます。
•
パーセルの作図
パーセル作図ラインを使用してファブリック パーセルを生成します。一連のパーセル作図ライン
から、多数のパーセルを生成できます。外部データ ソースのラインも、パーセル作図ラインとし
て貼り付けることができます。
•
COGO ツール
COGO ツールを使用して、パーセル トラバース ラインおよびパーセル作図ラインを追加し、計
算できます。
•
方位の基準
パーセル ファブリックのパーセルを分割する際、[方位の基準] ツールを使用すれば、新しい分割
計画の方位基準に基づいて元の区画の向きを指定したり、回転したりできます。
•
パーセル作図ラインによるパーセル分割
パーセル作図ラインを使用して、1 つのパーセルまたは選択した複数のパーセルを分割できま
す。
•
エリアによるパーセル分割
エリアに基づいてパーセルを分割し、新しいパーセルを作成できます。パーセルを分割する際、
幅を等しくするか、比率を指定するか、面積を等しくするかを選択できます。
•
残余パーセル
既存のパーセルを新しいパーセルに置き換えるとき、またはパーセルを分割するとき、新しいパ
ーセルに含まれないエリアから残余パーセルを作成できます。
•
パーセルのマージ
ファブリック内の既存のパーセルを結合することで、新しいパーセルを作成できます。別個のパ
ーセルを結合して、マルチパート パーセルを作成できます。
•
自然境界
パーセル ファブリックの自然境界はライン ストリングとして表され、[ライン ストリング] ツー
ルを使用して作成できます。[ライン ストリング] ツールでは、既存の一連のライン セグメントを
自然境界に変換できます。
•
マルチパート、ドーナツ、アイランドのパーセル
パーセル ファブリックのパート コネクタ ラインを使用して、マルチパート、ドーナツ、および
アイランドのパーセルを作成および管理します。
「パーセル ファブリックのパーセル編集のクイック ツアー」をご参照ください。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
52
ArcGIS 10 の新機能
ArcGIS 10 の新機能 - ラスタ データとイメージ データ
Desktop
向上したラスタ形式のサポート
ArcGIS 10 では、すべてのラスタ形式サポートが向上しました。データ処理の仕組みは変わらないので、
これまでと同じように機能します。形式サポート向上の主な目的は、従来の形式ライブラリに見られた
多数の制約を解消することです。
形式サポートの向上により、ArcGIS でより多くのラスタ形式を読み書きできるようになりました。
新しく作成するすべてのピラミッドが OVR ファイルとして保存されるようになりました(ERDAS
IMAGINE® 形式を除く)。新しい OVR ファイルはピラミッド対応のすべてのファイル形式で使用できる
ので、柔軟性にもすぐれています。また、OVR ファイルは圧縮が可能なので、必要なディスク容量も少
なくてすみます。
新しいモザイク データセット データ モデル
モザイク データセットは新しいジオデータベース ラスタ データ モデルです。モザイク データセットは
すべてのタイプのジオデータベース(パーソナル、ファイル、ArcSDE)でサポートされています。
モザイク データセットはカタログとして保存され、動的なモザイク イメージとして表示されるラスタ デ
ータセット(イメージ)の集まりです。これらのラスタ データセットを個別に表示することもできま
す。これらのコレクションは全体的なファイル サイズが増大し、ラスタ データセット数も非常に多くな
ります。ラスタ データは、メタデータ(ジオリファレンス、収集日、センサー タイプ)とラスタ形式を
表すラスタ タイプに基づいて追加されます。モザイク データセット内のラスタ データセットは、ネイテ
ィブ形式のままでディスクに保存しておき、必要に応じてジオデータベースに読み込むことができま
す。モザイク データセットはユーザが直接アクセスして利用できるので、データの配布に適していま
す。
モザイク データセットはどのライセンス レベルでも表示できます。ただし、モザイク データセットを作
成あるいは編集するには、ArcEditor または ArcInfo ライセンスが必要です。ArcGIS Server を使用してモ
ザイク データセットを配布するには Image Extension ライセンスが必要です。
モザイク データセットの詳細
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
53
ArcGIS 10 の新機能
画像解析ウィンドウ
画像解析 ウィンドウは、ラスタの表示タスクや処理タスクをすばやく実行できる新しいドッカブル ウィ
ンドウです。[ウィンドウ] メニューから ArcMap に追加できます。
このウィンドウにある表示オプションの多くは従来の ArcMap でも設定できましたが、さまざまなダイ
アログ ボックスに分散していました。最新リリースでは、コントラスト、明るさ、透過表示、ガンマ ス
トレッチ、ダイナミック範囲調整、背景値の除外、コントラスト ストレッチ、表示リサンプリング方
法、ラスタ解像度にズーム、スワイプ、点滅などのさまざまなオプションをすばやく設定できます。
このウィンドウには多数の処理オプションも表示されます。そのうちの一部は、ジオプロセシング ツー
ルを使って実行することもできます。このウィンドウから処理オプションを実行すると、クリップ、マ
スキング、バンドの組み合わせ、NDVI、パンシャープン、陰影起伏、モザイクなどの機能を使用する新
しいレイヤに追加されます。
画像解析ウィンドウの詳細
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
54
ArcGIS 10 の新機能
カラー補正
モザイク データセットの カラー補正ウィンドウ
モザイク データセットのカラー補正が必要な場合、カラー補正
カラー補正 ウィンドウで補正処理を実行できま
す。このウィドウには、モザイク データセットをカラー調整するための多数のオプションがありま
す。水や雲など、カラー調整が難しい部分では [除外エリア
除外エリア] オプションが役立ちます。カスタマイズ
カスタマイズ
モード
モードでは、[モザイクのカラー補正] ウィンドウ ボタンをどのツールバーにでも追加できます。
カラー補正ウィンドウの詳細
ラスタ カタログのカラー補正
ラスタ カタログ レイヤのプロパティ ダイアログ ボックスにある カラー補正 タブには、その他のカラ
ー補正オプションが用意されています。新しく使用できるようになったパラメータには、事前ストレ
ッチ、追加されたカラー調整方法、カラー調整ターゲット サーフェス タイプの指定、カラー調整の参
照ターゲット イメージの指定などがあります。
カラー補正の詳細
ジオプロセシング
ラスタ データ用の新しいジオプロセシング ツールが多数追加されました。これらのツールのほとんど
は、新しいラスタ データ モデル(モザイク データセット)を対象としています。[モザイク データセッ
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
55
ArcGIS 10 の新機能
ト] ツールセットは、モザイク データセットを作成、編集、最適化するためのジオプロセシング ツール
で構成されます。
[ラスタの分割(Split Raster)] ツールでは、大きなラスタ データセットをサイズが等しい多数のタイル
に分割できます。同様に、[ラスタ → DTED(Raster to DTED)] ツールでは、DTED レベル 0、レベル
1、およびレベル 2 仕様に基づいて、ラスタ データセットを分割できます。
[ピラミッドと統計情報の構築(Build Pyramids And Statistics)] ツールを使用すれば、他のツールを実行
しなくても、ピラミッドを構築すると同時にワークスペース全体の統計情報を計算できます。また、ピ
ラミッドのみをバッチ構築するオプション、および統計情報のみをバッチ計算するオプションもありま
す。
[モザイク レイヤの作成(Make Mosaic Layer)] ツールでは、一時的なレイヤを作成して、モザイク デ
ータセットを操作できるようにします。たとえば、一部のバンドを別のジオプロセシング ツールの入力
として指定するときなどに使用します。
ArcGIS 10 では、[新規ラスタにモザイク(Mosaic To New Raster)] ツールと [カラーマップの追加
(Add Colormap)] ツールがさらに使いやすくなりました。これまで [新規ラスタにモザイク(Mosaic
To New Raster)] はスクリプト ツールでしたが、このリリースからシステム ツールになっています。
[カラーマップの追加(Add Colormap)] ツールも機能が向上し、ラスタ データセットの配色で *.clr ファ
イルと *.act ファイルを指定できるようになりました。
ラスタ格納設定
ラスタ格納設定に新しい 2 つの環境設定
環境設定(ピラミッドの圧縮タイプと TIFF の圧縮タイプ)が追加されま
した。これで、ピラミッドを構築する際に OVR ファイルを圧縮できます。また、TIFF 出力を作成する
ときは、出力の圧縮タイプをより多くの選択肢から指定できます。
カスタム CLR ファイルの作成
これまで最も要望が多かったのは、独自のカラーマップを作成する機能でした。この ArcGIS リリースで
は、[個別値] レンダリング ダイアログ ボックスで自分だけの配色を作成し、CLR ファイルに保存するこ
とができます。CLR ファイルを作成した後、[カラーマップの追加(
カラーマップの追加(Add Colormap)
)] ジオプロセシン
グ ツールでその CLR ファイルを指定すれば、作成した配色をラスタ データセットへ追加できます。
カスタム CLR ファイルの作成の詳細
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
56
ArcGIS 10 の新機能
ストレッチ レンダリングによる高度なラベリング
ストレッチ レンダリングには、高度なラベリングを実行するためのオプションがあります。このオプシ
ョンを使用すれば、表示するカラー ランプの値を指定できます。指定した各値の間に高度なカラー ラン
プを設定することもできます。
カスタム ラベルの詳細
関数
関数を使用すると、モザイク データセットおよび(画像解析ウィンドウで追加した)ラスタ データセッ
ト レイヤに対して動的処理を実行できます。複数の関数を組み合わせれば、モザイク データセットまた
はラスタ データセット レイヤにさまざまな処理を追加できます。指定した関数は先頭から順番に適用さ
れます。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
57
ArcGIS 10 の新機能
関数の詳細
ラスタのオプション
[ArcMap オプション] ダイアログ ボックスの [ラスタ
ラスタ] タブには、[ラスタ データセット]、[ラスタ カタロ
グ]、[ラスタ レイヤ]、[モザイク データセット] という 4 つのタブがあります。
デフォルトのラスタ表示オプションの設定の詳細
[ラスタ
ラスタ データセット
データセット] タブでは、ラスタ データセットの表示に関するデフォルトを定義します(以前は
[一般] タブという名前でした)。このタブには、タイル分割された
タイル分割された TIFF ファイルを作成
ファイルを作成するための新し
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
58
ArcGIS 10 の新機能
いチェックボックスがあります。ラスタ属性テーブルの制限も、このタブで設定するようになりまし
た。
[ラスタ
ラスタ カタログ
カタログ] タブでは、ラスタ カタログの表示に関するデフォルトを定義します。[描画する最大ラ
描画する最大ラ
スタ数
スタ数] という新しいオプションがあります。このオプションでは描画するラスタ カタログのアイテム数
を制限し、カタログ サイズが大きい場合に、すべてのアイテムが描画されないようにします。[カラー
カラー マ
ッチングをするラスタの最大数
ッチングをするラスタの最大数] テキスト ボックスもこのタブに移動されました。
[ラスタ
ラスタ レイヤ
レイヤ] タブでは、ラスタ データセットの表示に関するデフォルトを定義します。この新しいタ
ブでは、背景値の除外、NoData 色、コントラスト ストレッチングを使用してデータセットを表示するか
どうか、およびデフォルトのリサンプリング方法を設定できます。
[モザイク
モザイク データセット
データセット] タブでは、モザイク データセットの表示に関するデフォルトを定義します。こ
の新しいタブでは、コンテンツ ウィンドウでモザイク データセットを展開するかどうかを指定します。
展開モードを選択した場合は、境界、フットプリント、イメージ レイヤが表示されます。このタブに
は、境界、フットプリント、およびイメージ レイヤの表示/非表示を指定するためのオプションもありま
す。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
59
ArcGIS 10 の新機能
新しいアイコン
ArcGIS 10 のその他の要素と同様、ラスタ データ アイコンもすべて更新されました。ラスタ データセッ
ト、ラスタ カタログ、およびモザイク データセットに新しいアイコンが割り当てられています。ラスタ
の配置場所によって表示される色が異なります。ファイルベースのデータは黄色、ジオデータベース デ
ータは灰色、サーバ上のデータは青色で表示されます。
アクセラレートされたレイヤ
ラスタ レイヤをアクセラレートすると、レイヤの表示パフォーマンスが大幅に向上します。アクセラレ
ートされたレンダラを使用してラスタ レイヤを表示すると、シームレスに画面移動したり、ズームした
りできます。アクセラレートされたレンダリングの主な利点は、グラフィックス カード処理装置を利用
してパフォーマンスを向上できることです。
ラスタ レイヤをアクセラレートするには画像解析ウィンドウを使用します。
アクセラレートされたラスタ レンダリングの詳細
サーバ
モザイク データセットのサポート
モザイク データセットは、イメージ サービス、グローブ サービス、またはマップ サービスとして使用
できる新しいデータセットです。モザイク データセットから生成したイメージ サービスにクエリを実行
し、操作するための機能も用意されています。
イメージ サービス レイヤの検索
イメージ サービス内の各ラスタ データセットのプレビュー
選択したラスタ データセットをイメージ サービスからダウンロード
機能強化されたイメージ サービス パラメータ
イメージ サービスのプロパティ ページで、より多くのデフォルト サービス パラメータを指定できるよ
うになりました。たとえば、ユーザが要求できるデータ量、要求可能な情報の種類、使用できるモザイ
クと圧縮方法などを指定できます。
•
リクエストあたりの最大イメージ サイズ
•
モザイクあたりの最大ラスタ数
•
デフォルトのリサンプリング方法
•
許可される圧縮方法
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
60
ArcGIS 10 の新機能
•
許可されるモザイク手法
•
1 回のリクエストで返される最大レコード数
•
メタデータ レベル
•
許可されたフィールド
•
リクエストあたりの最大ダウンロード数
新しくサポートされた操作
イメージ サービス リソースが向上し、新しい操作が可能になりました。[イメージのエクスポート] では
モザイクの規則とプロパティを指定できます。さらに、クエリ、個別属性表示、ダウンロードも追加さ
れています。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
61
ArcGIS 10 の新機能
ArcGIS 10 のテーブルと属性の新機能
ArcGIS 10 では、属性テーブルを操作するための新機能と、その他多くの新機能が導入されています。
テーブル ウィンドウ
テーブル ウィンドウは、ArcMap で開いている属性テーブルをすべて表示するコンテナです。開いている
属性テーブルはすべて テーブル ウィンドウ内でタブ化されており、タブをクリックするだけで特定のテー
ブルをアクティブにできます。テーブル ウィンドウにはツールバーといくつかのメニューもあり、それら
を使用してテーブルの属性、および空間データの場合にはマップの属性を操作することができます。
テーブルの [選択] ビューで作業している場合、ウィンドウ上部のツールバーを拡張して、ハイライト表示
されているレコードを操作するコマンドを表示することができます。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
62
ArcGIS 10 の新機能
複数のテーブルの表示
ArcMap で属性テーブルを開くと、テーブル ウィンドウ内に属性テーブルが配置されます。テーブル ウィ
ンドウは、開いているすべての属性テーブルのコンテナの役割を果たします。テーブル ウィンドウ内で
は、開いている各テーブルにタブが割り振られ、タブをクリックしてテーブルを表示できます。また、属
性テーブルのタブをドラッグしてテーブル ウィンドウ内に固定すると、複数のテーブルを一度に表示する
こともできます。
また、[テーブル
テーブル オプション
オプション] メニューで、次に示す [テーブルの整理
テーブルの整理] コマンドを使用して、テーブル ウィ
ンドウ内でテーブルを移動することもできます。
•
新規タブ グループを上下に並べる - 新しいグループのアクティブ テーブルを水平方向に配置し、下
に並べます。
•
新規タブ グループを左右に並べる - 新しいグループのアクティブ テーブルを垂直方向に配置し、右
に並べます。
•
前のタブ グループに移動 - 隣接する既存グループのアクティブ テーブルを左または上に並べます。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
63
ArcGIS 10 の新機能
•
次のタブ グループに移動 - 隣接する既存グループのアクティブ テーブルを右または下に並べます。
結合の操作
結合を作成する際は、事前に [結合] ダイアログ ボックス上の [結合の整合チェック
結合の整合チェック] ボタンを使用して解析
することができます。[結合の整合チェック] を使用すると、結合の作成中に発生するおそれのある潜在的な
問題を突き止めることができます。結合の整合チェックでは、2 つの対象データセットを解析し、データに
問題がないかどうかを確認します。以下は、データ内で有無がチェックされる項目の一覧です。
•
無効な文字で始まるフィールド名
•
無効な文字を含むフィールド名
•
予約語と一致するフィールド名
•
ジオデータベース以外の MS Access テーブル
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
64
ArcGIS 10 の新機能
フィールド演算
ArcGIS 10 では、[フィールド演算] の機能が向上し、Python スクリプトを操作できるようになりました。
VBA コード ブロックを使用することがなくなり、その代わりに VB Script と Python が完全にサポートされ
ています。数値、文字列、日付の関数は、選択されたスクリプト言語に基づいて設定されます。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
65
ArcGIS 10 の新機能
テーブル ウィンドウの新しいオプションとコマンド
[テーブル
テーブル オプション
オプション] メニューの [フィールド順序をデフォルトに戻す
フィールド順序をデフォルトに戻す] を使用して、テーブル内のフィー
ルドを元の順序に戻します。
行のショートカット メニューでは、[アタッチメント マネージャ] ダイアログ ボックスにアクセスして、フ
ィーチャのアタッチメントを管理します。このコマンドを有効にするには、フィーチャクラスでアタッチ
メントを有効にする必要があります。このためには、[カタログ] ウィンドウでフィーチャクラスを右クリッ
クして、[アタッチメント
アタッチメント] → [アタッチメントを作成
アタッチメントを作成] の順に選択します。
[フィールド プロパティ] ダイアログ ボックスには、フィールドをハイライト表示したり、フィールドを読
み取り専用に指定するための新しいオプションが用意されています。これらのプロパティを使用して、テ
ーブル内の特定のフィールドをハイライト表示したり保護することができます。これらのプロパティ
は、[レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスの [フィールド
フィールド] タブで設定することもできます。
レイヤ内のフィールド操作の向上
[レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスの [フィールド
フィールド] タブの機能が向上し、システム全体におけるレイ
ヤのフィールドの表示方法を詳細に制御できるようになりました(スタンドアロン テーブルのプロパティ
のダイアログ ボックスでも、[フィールド
フィールド] タブの機能が向上しています)。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
66
ArcGIS 10 の新機能
フィールドの表示方法の制御の向上
ArcGIS 10 では、フィールドの表示順序はレイヤのプロパティになっているので、フィールドを並べ替え
したレイヤ(またはスタンドアロン テーブル)を使用すると、システム全体にその表示順序が反映され
ます。これまでのリリースでは、テーブル ウィンドウでフィールドを並べ替えできましたが、この順序
はレイヤのプロパティとして格納されず、フィールドを表示する他のダイアログ ボックスには反映され
ませんでした。新しい [フィールド
フィールド] タブを使用すると、タブ上にあるボタンを使用するか、リスト内を
上下にドラッグすることで、レイヤ(またはスタンドアロン テーブル)内のフィールドの順序を変更す
ることができます。さらに、[テーブル
テーブル オプション
オプション] メニュー ボタンを使用して、フィールドをアルファ
ベット順に並べ替えたり、基本のデータ ソースのフィールド順序に戻すこともできます。以前と同じよ
うに テーブル ウィンドウでも、列を左右にドラッグすることでフィールドを並べ替えることができま
す。テーブル ウィンドウで並べ替えを行うと、レイヤのフィールド順序が更新されます。
フィールドの表示方法を調整するために [フィールド
フィールド] タブで行ったすべての変更内容は、データを編集
するときに [属性] ウィンドウに適用されるようになりました。これまでは、[属性] ウィンドウにこれら
の設定は適用されず、このウィンドウでフィールド表示を調整して編集タスクを簡素化することは困難
でした。
フィールドにエイリアスを設定するには、[フィールド
フィールド] タブの右側の [表示設定
表示設定] グリッドにある [エイリ
エイリ
アス
アス] テキスト ボックスに、エイリアスを入力します。エイリアスを指定後も、[フィールドの詳細
フィールドの詳細] グリ
ッドには実際の名前が表示され、そのフィールドのデータ タイプに関する情報も表示されます。
フィールドを ArcMap 内で読み取り専用にすることができます。これによって、ファイルやデータベー
スの権限に関わりなく、そのフィールドは表示できるが編集できない状態になります。これで、編集し
たくないフィールドを読み取り専用にできるので、レイヤ内の特定の属性を編集しやすくなります。特
定のフィールドをハイライト表示することもできます。ハイライト表示指定されたフィールドは、テー
ブル ウィンドウ、個別属性 ウィンドウ、および 属性 ウィンドウで、黄色の背景付きで表示されます。
これによって、検索や参照を行うときに、重要なフィールドを簡単に見つけることができます。
フィールド プロパティ、エイリアス、テーブ表示オプションの詳細
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
67
ArcGIS 10 の新機能
新しい表示式
これまでのリリースでは、システムのさまざまな場所でレイヤ内のフィーチャの個別属性を表示したり
表現するために使用する主フィールドを、すべてのレイヤに対して選択できました。主フィールドは、
たとえば、マップチップの値を設定したり、個別属性 ダイアログ ボックスおよび 属性 ウィンドウのフ
ィーチャのリストに値を設定するために使用されていました。ArcGIS 10 では、主フィールドの概念が強
化され、生成されたテキスト文字列をカスタマイズして、複数のフィールドや静的テキストの値を含め
ることができるようになりました。これは表示式として、[表示
表示] タブに表示されています。表示式は、ラ
ベル条件式とまったく同じ方法で指定できます。表示式は、デフォルトではユーザのレイヤにある 1 つ
のフィールドに設定されます。これは以前のリリースの主フィールドと同じ方法です。
表示式の使用方法の詳細
その他
[個別属性] ウィンドウがドッキング可能になりました。表示にドッキングできるようになっただけでな
く、他のウィンドウ(コンテンツ ウィンドウなど)と重ねて表示したり、自動非表示(たたみ込み)に
して、レイヤ内のフィーチャを個別属性表示するときに自動的に表示されるようにすることもできま
す。
レイヤのフィーチャにファイルを属性としてアタッチ
ArcGIS 10 で導入されたフィーチャクラスのアタッチメントによって、フィーチャに関連する追加情報を柔
軟に管理することができます。アタッチメントを使用すると、ファイルを個々のフィーチャに追加できま
す。アタッチメントには、画像、PDF ファイル、テキスト文書など、任意のタイプのファイルを使用でき
ます。たとえば、建物を表すフィーチャがある場合、建物の権利書や税金の情報を含む PDF ファイルと一
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
68
ArcGIS 10 の新機能
緒に、その建物をさまざまな角度から撮影した何枚もの写真を、アタッチメントを使用して追加すること
ができます。
アタッチメントはハイパーリンクに似ていますが、複数のファイルをフィーチャに関連付けたり、アタッ
チされたファイルをジオデータベースに格納したり、さまざまな方法でファイルにアクセスしたりできま
す。アタッチメントは、[個別属性] ウィンドウ、属性 ウィンドウ(編集時)、属性テーブル ウィンドウ、
および HTML ポップアップに表示されます。
アタッチメントの使用方法の詳細
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
69
ArcGIS 10 の新機能
ArcGIS 10 の新機能 - CAD 統合
CAD データに関する ArcGIS 10 の新機能には、変換ツールへの容易なアクセス、CAD データセットを一括し
て読み込むための新しいツール、ArcMap の簡素化されたフィールド表示、スプライン ジオメトリのサポー
トなどがあります。
ArcMap の CAD 変換メニュー
ArcMap のコンテンツ ウィンドウを右クリックして、CAD 変換ツールを開くことができます。このショー
トカット メニューに表示されるメニュー項目は、選択している CAD フィーチャ レイヤのタイプによって
異なります。
•
[CAD フィーチャ レイヤの変換
レイヤの変換] を選択すると、[フィーチャのコピー(Copy Features)] ツールが
開きます。
•
[CAD フィーチャ データセットの変換
データセットの変換] を選択すると、[CAD → ジオデータベース(CAD To
Geodatabase)] ツールが開きます。
•
[ジオデータベース
ジオデータベース アノテーションへの変換
アノテーションへの変換] を選択すると、[CAD アノテーションからインポート
(Import CAD Annotation)] ツールが開きます。
CAD データセットの一括読み込み
[CAD → ジオデータベース(CAD To Geodatabase)] ツールは、CAD データセット全体を既存のジオデー
タベースへ一括して読み込む新しいツールです。このツールは、CAD アノテーションのインポートや同一
のフィーチャクラスの名前、タイプ、属性のマージなど、一連の変換手順を自動化します。このツールで
は、入力として、DWG と DGN の混合形式で複数の CAD ファイルを使用できます。
CAD ファイル内のテキスト レイヤごとに出力アノテーション フィーチャクラスがアノテーション サブク
ラスとともに自動的に作成されます。ここで必要とされる操作は、基準縮尺の指定だけです。このツール
を ArcMap のカタログ ウィンドウから開いた場合は、結果もグループ レイヤとして追加されます。
簡素化された CAD フィールド表示
CAD データを ArcMap へ追加する際、レンダリング操作またはクエリ操作に必要のない CAD プロパティ
フィールドはデフォルトで非表示になります。これらを表示するには、[レイヤ プロパティ] ダイアログ ボ
ックスの [フィールド] タブを使用します。
CAD スプライン ジオメトリ
直接読み込みツールおよび CAD 変換ツールで CAD スプライン ジオメトリがサポートされるようになりま
した。
非推奨のジオプロセシング ツール
以前のジオプロセシング ツールセットには次の CAD ツールが含まれていましたが、ArcGIS 10 では非推奨
となり、代わりに新しいツールが追加されています。既存の 9.3 モデルおよびスクリプトとの互換性を維持
するため、システムにはまだこれらのツールが残されていますが、今後のリリースの開発対象からは除外
されます。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
70
ArcGIS 10 の新機能
非推奨のツールについての詳細は、「非推奨のツールとは」をご参照ください。
CAD へ変換ツールセット
CAD XData の作成(Create CAD XData)
これまでは xdata を使用して属性情報を AutoCAD エンティティへ追加していましたが、ArcGIS 10 で
は、直接読み取り DWG 形式をサポートする [CAD へエクスポート(Export To CAD)] ツールによ
り、AutoCAD xrecord が自動的に実装されるようになりました。AutoCAD xrecord は xdata と似てい
ますが、サイズや順序による制約がありません。
[CAD へエクスポート(Export To CAD)] ツールには次の機能が備わっています。
デフォルトでは、DWG 形式(バージョン 2007 以上)への出力には、AutoCAD エンティティに関連付
けられている CAD 定義のフィーチャクラスのスキーマおよび属性が含まれます。
入力フィーチャクラスごとに、[CAD へエクスポート(Export to CAD)] ツールによって AutoCAD ド
ローイング ファイルによるフィーチャクラスの定義が埋め込まれ、そのフィーチャに対して生成され
るデフォルトの AutoCAD エンティティを構成します。すべてのフィーチャ属性が AutoCAD Xrecord
としてエクスポートされ、適切なエンティティにリンクされます。同様に、座標系もまたエクスポー
トされ、DWG ファイルに埋め込まれます。
CAD 定義のフィーチャクラスは、直接 ArcGIS で使用できます。また、ArcGIS for AutoCAD を使用し
て AutoCAD アプリケーションで編集できます。さらに、空のフィーチャクラスをエクスポートして、
スキーマのみの DWG ファイルを生成することもできます。
このジオデータは、グラフィックス以外で構成されているため、AutoCAD の標準図形データやネイテ
ィブ機能に影響することはありません。フィーチャクラスおよび座標系を定義している AutoCAD
Xrecord オブジェクトは、AutoCAD オブジェクト ディクショナリの標準化されたフレームワークに格
納されます。同様に、エンティティがリンクしている属性は、エンティティが相互に参照される、
AutoCAD エクステンション ディクショナリへ格納されます。
このデータの構造に関する詳細については、ArcGIS for AutoCAD の Resource Center で入手できる
Esri のドキュメント『Mapping Specification for CAD』をご参照ください。
CAD エイリアスの設定(Set CAD Alias)
フィーチャクラス フィールド エイリアスは、[カタログ] ウィドウ、または ArcCatalog アプリケーシ
ョンの [フィーチャクラス プロパティ] ダイアログ ボックスで変更できます。または、[フィールドの
追加(Add Field)] ツールを使用して予約 CAD フィールドを追加した後、[フィールド演算(Calculate
Field)] ツールを使用して、既存のフィールドからレコードと値を取得します。
ジオデータベースへ変換ツールセット
CAD からインポート(Import from CAD)
フィーチャクラスまたはレイヤを入力として受け取る標準のジオプロセシング ツールを使用して、
CAD データをインポートできます。ArcMap のコンテンツ ウィンドウから開くショートカット メニュ
ーでは、[フィーチャのコピー(Copy Features)] ツール、[CAD アノテーションからインポート
(Import CAD Annotation)] ツール、および [CAD → ジオデータベース(CAD To Geodatabase)] ツ
ールをすばやく実行できます。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
71
ArcGIS 10 の新機能
ArcGIS 10 の新機能 - メタデータ
アイテムの説明
ArcGIS のすべてのアイテムについて、標準化された簡潔な説明を参照できるようになりました。この「ア
イテム説明」は、タイトル、サマリ、説明、タグ、著作権情報、制約、およびプレビュー サムネイルで構
成されます。ArcCatalog、新しいカタログ ウィンドウ、および新しい検索ウィンドウで、目的のアイテム
の [アイテム説明] を表示し、編集することができます。また、レイヤの基になるデータのアイテム説明を
コンテンツ ウィンドウから表示することも可能です。データを検索するとき、または ArcGIS Online でデ
ータを共有するときは、アイテム説明の情報が自動的に使用されます。
公式メタデータを作成することもできます。アイテム説明は、アイテムを表すために作成する公式メタデ
ータ全体のごく一部です。
メタデータ スタイル
メタデータ スタイルを使用すれば、アイテム説明の表示方法、編集方法、エクスポート方法、整合チェッ
ク方法など、メタデータの操作に関する基本設定をすべて一度に行えます。デフォルトのメタデータ スタ
イルは、アイテム説明の作成と管理をサポートします。ArcGIS に用意されているその他のメタデータ スタ
イルでは、メタデータ標準に準拠した公式メタデータを作成できます。
いずれかの ArcGIS Desktop アプリケーションで [メタデータ] タブを開き、[オプション] ダイアログ ボック
スで使用するメタデータのスタイルを選択します。公式メタデータをサポートしているメタデータ スタイ
ルを選択した場合、該当するアイテムの完全なメタデータが [アイテム説明] の下に表示されます。アイテ
ム説明を編集するときは、組み込みエディタを使用して完全なメタデータ レコードを作成できます。
ArcGIS 10.0 SP1 以降、新しいメタデータ スタイルが使用できるようになりました。[説明
説明] タブで、
Federal Geographic Data Committee(FGDC)の Content Standard for Digital Geospatial
Metadata(CSDGM)に準拠してメタデータを作成できます。このスタイルを使用すると、作成した
ArcGIS メタデータを XML ファイルにエクスポートして、FGDC CSDGM XML スキーマに対して検証でき
ます。必要な場合、エクスポートしたファイルを ArcGIS の外部で使用して、たとえば FGDC XML 形式の
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
72
ArcGIS 10 の新機能
メタデータだけを受け入れるメタデータ カタログに情報を公開することができます。ArcGIS 10 で FGDC
CSDGM メタデータを作成し保守するときは、この方法をお勧めします。
メタデータの管理を目的とした新しいジオプロセシング ツール
メタデータを管理するときはジオプロセシング ツールを使用します。[メタデータのエクスポート(Export
Metadata)]、[メタデータのインポート(Import Metadata)]、[メタデータの同期(Synchronize
Metadata)]、[メタデータの整合チェック(Validate Metadata)]、[メタデータのアップグレード
(Upgrade Metadata)] など、いくつかの新しいジオプロセシング ツールが [変換] ツールボックスに追加
されました。
メタデータの詳細
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
73
ArcGIS 10 の新機能
ArcGIS 10 の Esri Data & Maps の新機能
Esri Data & Maps 10 には、データ コンテンツと新しい提供方法の両方で多くの変更が加えられています。
コンテンツの大きな変更点は、道路、空港、水文、都市、等高線などの世界規模のデータセットについて、
新たなデータの提供元として DeLorme 社が加えられたことです。このデータセットには、DeLorme の商用
ベースマップ製品からのほとんどの重要なフィーチャと属性が含まれ、1:250,000 まで高品質な表示をサポー
トするように、すべてのソースの詳細情報が維持されています。このリリースの Data & Maps は、新しい
DeLorme 社のデータを含む最初のリリースです。Esri は今後さらに拡張したいと考えています。
他の多くのデータセットも、最新のバージョンに更新されました。これには、すべての Tele Atlas Census 境
界線やランドマーク レイヤ、すべての GNIS 文化ポイントが含まれています。今年、新しい Data & Maps 調
査およびランドマーク データセットが、初めて Tele Atlas MultiNet から構築されました。既存の属性の内容
は、新しい MultiNet のコード属性と共に維持されています。
Esri がユーザ コミュニティにデータを提供する方法には、さらに大きな変更が加えられました。新しい
ArcGIS Desktop 10 ソフトウェアを単純にダウンロードするユーザにとって、新しい Data & Maps は、個別
のダウンロードとして入手できます。Data & Maps の DVD は、引き続き Desktop のソフトウェア ボックス
に付属し、定期的に更新されます。
ArcGIS.com から簡単にダウンロードできるように、個別のデータ レイヤも幅広く提供されています。Esri
は、最も一般的なデータ レイヤの多くをレイヤ パッケージとして公開しています。これは、ダウンロードし
て、ArcGIS Desktop アプリケーションで表示できます。これにより、これらのデータ レイヤが更新されたと
きは、最新バージョンにアクセスして、必要なレイヤだけを入手することができます。入手可能なレイヤの
全リストについては、ArcGIS.com の Esri Data & Maps group をご覧ください。または、ArcMap または
ArcGlobe で、[ファイル] → [データの追加] → [ArcGIS Online からデータを追加] の順に選択して、アクセス
したいデータを検索します。「Esri Data & Maps group」で検索する場合は、登録されているすべてのデータ
セットを参照できます。
Data & Maps の新しいデータセット
世界
•
空港
•
コンター
•
河川・運河
•
水域
•
居住域
•
路線
•
Roads(道路)
•
市街地
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
74
ArcGIS 10 の新機能
Data & Maps の更新されたデータセット
世界
•
都市
米国
•
電話の市外局番の境界
•
国勢調査区グループ
•
国勢調査区の重心人口
•
主要統計区域(Core-Based Statistical Areas)
•
郡
•
郡(ジェネラライズ)
•
市区町村の境界線
•
州
•
州(ジェネラライズ)
•
州の境界線
•
有人地域
•
国勢調査地区
•
郵便番号地域(3 桁)
•
郵便番号地域(5 桁)
•
郵便番号ポイント
•
施設
•
広域ランドマーク
•
公園
•
レクレーション エリア
•
地名情報システム - 建物
•
地名情報システム - 墓地
•
地名情報システム - 教会
•
地名情報システム - ゴルフ場
•
地名情報システム - 病院
•
地名情報システム - 場所
•
地名情報システム - 地名
•
地名情報システム - 学校
•
地名情報システム - 頂上
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
75
ArcGIS 10 の新機能
•
空港
•
主要な一般道路
•
交通ターミナル
•
USGS 1:24,000 標準地形図インデックス
ヨーロッパ
•
NUTS レベル 0
•
NUTS レベル 1
•
NUTS レベル 2
•
NUTS レベル 3
関連項目
Redistribution rights
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
76
ArcGIS 10 の新機能
ArcMap の基本操作の新機能
アイコンとプルダウン メニューの更新
ArcGIS 10 では、すべてのアイコンがより多くの色を使って作り直され、より魅力的になりました。しか
し、アイコンに使用されているシンボルは同じままなので、迷うことはありません。
プルダウン メニューは基本的に同じですので、ArcGIS 10 に移行してもワークフローを学び直す必要はあ
りません。いくつかの小さな変更が施されています。
•
[ツール] プルダウン メニューは、[カスタマイズ] プルダウン メニューに置き換えられました。この
メニューには、ArcMap の [オプション] ダイアログ ボックスや、エクステンション、および [ユー
ザ設定] ダイアログ ボックスなど、アプリケーションのカスタマイズに使用するコマンドだけが含
まれています。[ユーザ設定] ダイアログ ボックスの起動に使用するコマンドの名前は、[カスタマイ
ズ モード] に変更されました。これにより、[ユーザ設定] ダイアログ ボックスが開いていれば、コ
ントロールをメニューやツールバーに直接ドラッグ&ドロップすることで、[ユーザ設定] ダイアロ
グ ボックス自体を操作しなくても、アプリケーションをカスタマイズできるモードであることがわ
かりやすくなりました。[ユーザ設定] ダイアログ ボックスでは、任意のコントロール、コマンド、
ジオプロセシング ツールを検索して、それをツールバーやメニューにドラッグすることができま
す。しかし、単にツールバー上のコントロールを整理するだけなら、カスタマイズ モードであれば
直接行うことができます。
•
[ツール] プルダウン メニューにあったジオコーディング、XY データの追加、およびリニア リファ
レンスのルート イベントの追加のためのコマンド群は、[ファイル] プルダウン メニューの [データ
の追加] と呼ばれる新しいサブメニューに移動されました。このように、[ファイル] → [データの追
加] サブメニューでは、データをマップに追加するためのコマンド群を一元管理しています。
•
[ツール] プルダウン メニューにあったグラフとレポートを操作するためのコマンドは、[表示] プル
ダウン メニューに移動されました。グラフとレポートは、GIS データの追加ビューと見なされま
す。
•
[ツール] プルダウン メニューにあった [お気に入り] コマンドは、[データ フレーム ツール] ツール
バーに移動されました。
•
また、新しい [ジオプロセシング] プルダウン メニューでは、すべてのジオプロセシング コマンド
を一元管理しています。このメニューは、すべてのジオプロセシング機能を開始する場所です。メ
ニューには、バッファ(Buffer)、クリップ(Clip)、インターセクト(Intersect)など、よく使用
されるツール群が含まれているため、探さなくてもすぐに利用できます。[カスタマイズ] → [カスタ
マイズ モード] メニューを使用すると、お気に入りの独自のジオプロセシング ツールをこのメニュ
ーに追加できます。ArcGIS 10 では、カスタマイズ モードのときに、ジオプロセシング ツールをツ
ールバーに追加することもできます。
マップに使用できる優れたベースマップへの簡単なアクセス
[標準] ツールバーの [データの追加] ボタンはメニュー ボタンになり、オンライン コンテンツをマップに追
加するためのボタンが新たに 2 つ追加されました。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
77
ArcGIS 10 の新機能
[ベースマップの追加] コマンドからは、マップに使用するオンライン ベースマップを選択できます。ベー
スマップのギャラリーには、World Imagery、World Streets、World Topographic Map など主な ArcGIS
Online ベースマップの他に、Bing Maps サービスも含まれています。これらのベースマップをマップに描
画するには、必ずインターネットに接続する必要があります。これにより、データをダウンロードしてロ
ーカルに保存しなくても、優れたベースマップを独自のマップに迅速かつ簡単に追加できるようになりま
した。これらのサービスの内容も、頻繁に更新されています。
ヒント
ヒント: まだ ArcGIS 10 にアップグレードしていない場合でも、現在のバージョンの
ソフトウェアでこれらのベースマップにアクセスして利用できます。9.3 の
場合、[ファイル
ファイル] > [Resource Center からデータを追加
からデータを追加] の順にクリックし
ます。9.3.1 の場合、[ファイル
ファイル] > [データの追加
データの追加] > [ArcGIS Online からデ
ータを追加
ータを追加] の順にクリックします。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
78
ArcGIS 10 の新機能
新しいドッカブル ウィンドウ コントロールによる表示の簡単な配置と整理
ArcGIS 10 では、マップ表示内のウィンドウを自由に整理できるため、マップの表示が煩雑にならないよう
に簡素化できます。コンテンツ ウィンドウや ArcToolbox ウィンドウ、新しいカタログ ウィンドウ、新し
い検索ウィンドウなどのドッカブル ウィンドウは、操作が簡単です。
すべてのドッカブル ウィンドウに備わっている新しいピン コントロールをクリックすると、ウィンドウを
自動的に非表示になるように設定できます。自動的に非表示になるウィンドウは表示内でタブになりま
す。使用する場合は、そのタブの上にマウス ポインタを置くかタブをクリックすると、ウィンドウが展開
されます。自動的に非表示になるウィンドウを展開した後に、ツールバーからツールを選択したり、マッ
プ表示上をクリックしたりして、どこか別の場所をクリックすると、そのウィンドウは再び自動的に非表
示になります。また、ピン コントロールをもう一度クリックすると、ウィンドウがドッキングして固定表
示されます。
ドッキングしたウィンドウを新しい場所に移動するには、ウィンドウのタイトル バーをドラッグします。
すると、ウィンドウがドッキングできる別の場所を表す青いターゲットが表示されます。そしてウィンド
ウを希望のターゲットにドロップします。ターゲットの上にマウス ポインタを置くと、そのターゲットに
ドロップした場合のウィンドウの場所がプレビューできます。ウィンドウをドッキングさせずに、表示上
にフローティングさせておく場合は、青いターゲットにドロップしません。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
79
ArcGIS 10 の新機能
ウィンドウは、ドッキングしている別のウィンドウの上下左右にドッキングできる他にも、既存のウィン
ドウの上に重ねて、タブとして表示することもできます。これは、複数のドッカブル ウィンドウを操作す
る場合に便利な方法です。あるドッカブル ウィンドウを別のドッカブル ウィンドウにドラッグすると、別
のターゲットが表示され、それらのウィンドウを重ねることができます。下の図の例では、カタログ ウィ
ンドウがコンテンツ ウィンドウの上に重ねられています。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
80
ArcGIS 10 の新機能
ウィンドウのタイトル バーをダブルクリックすると、ドッキングとドッキング解除を簡単に切り替えるこ
とができます。2 つ以上のウィンドウを重ねている場合も、ウィンドウのタブをダブルクリックすること
で、ドッキングとドッキング解除を切り替えることができます。これは、いつもは特定のウィンドウをド
ッキングさせて作業しているが、それをすぐに大きなフローティング ウィンドウでポップアップ表示した
い場合などに便利です。
ドッキング可能なウィンドウの増加
GIS は、マップとその属性を一緒に操作します。ArcGIS 10 では、マップの横にレイヤの属性を表示する
ウィンドウをドッキングさせて、マップに重ならないようにすることができます。テーブル ウィンド
ウ、個別属性表示ウィンドウ、属性ウィンドウ([エディタ] ツールバーから起動)がドッキング可能にな
りました。複数のテーブルを開いている場合、それらは同じテーブル ウィンドウ内に自動的に表示さ
れ、表示内で一緒に簡単に管理できるようになっています。各テーブルは、テーブル ウィンドウの下部
にタブとして表示されます。これらのタブをドラッグ&ドロップすることで、テーブルを並べて表示す
ることができます。
ArcGIS 10 でのテーブル操作の詳細
コンテンツ ウィンドウ
ArcGIS 10 では、コンテンツ ウィンドウは拡張され、データを操作するためのビューが 2 つ追加されまし
た。これら 2 つビューが、既存の表示ビューとソース ビューに新たに加えられています。コンテンツ ウィ
ンドウ ビューを選択するには、以前のバージョンではウィンドウ下部にあるタブを使用しましたが、今回
からはコンテンツ ウィンドウの上部にある新しいボタンを使用します。
•
表示設定別にリスト
表示設定別にリスト: これは、レイヤの現在の状態が表示、縮尺範囲外、非表示(オフ)のどれで
あるかに基づいて、レイヤをグループ化します。このビューは、各レイヤの横のアイコンによっ
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
81
ArcGIS 10 の新機能
て、各レイヤのデータ タイプを示します。このアイコンをクリックすると、レイヤのオンとオフを
切り替えることができます。
•
選択状態別にリスト
選択状態別にリスト: これは、レイヤのフィーチャが現在選択されている、選択可能であるが現在
選択されていない、選択不能のどれであるかに基づいて、レイヤをグループ化します。これは、以
前のリリースの [選択] タブを置き換えたものです。このビューは、各レイヤの横のアイコンによっ
て、各レイヤのデータ タイプを示します。このアイコンをクリックすると、レイヤを選択可能にす
ることができます。
ArcGIS 10 でのコンテンツ ウィンドウ操作の詳細
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
82
ArcGIS 10 の新機能
ArcGIS 10 の新機能 - データ アクセス
カタログ ウィンドウ
ArcGIS では、データ カタログを操作します。ArcGIS 10 では、カタログがドッカブル ウィンドウとして
ArcMap に統合されました。3D Analyst Extension がある場合、ArcGlobe と ArcScene でもカタログ ウィ
ンドウが表示されます。カタログ ウィンドウは ArcCatalog アプリケーションのすべての機能を備えたコン
パクトで使いやすいウィンドウです。ArcGIS 10 に同梱されている ArcCatalog アプリケーションを使用す
ることもできますが、ほとんどのデータ管理とデータ アクセスでは、代わりにカタログ ウィンドウを使用
することで時間を大幅に短縮できます。
この新しいウィンドウでは、カタログを参照したり、マップにデータをドラッグしたり、データの管理や
作成などを行うことができます。データの追加、参照、マップへのドラッグは [データの追加] ダイアログ
ボックスを使用するよりもカタログ ウィンドウで行った方が迅速です。データ管理にカタログ ウィンドウ
を使用することで、以前のリリースの ArcMap で使用したデータを ArcCatalog で修正を行う場合に発生す
る問題の多くを回避できます。
プロジェクト ワークスペースへの容易なアクセス
GIS プロジェクトを実行する場合、通常はプロジェクト ワークスペースまたはホーム フォルダと呼ばれ
る 1 つのフォルダに、空間データ、マップ ドキュメント、レイヤ ファイル、およびモデルやその他のサ
ポート ファイルが含まれているツールボックスを集めます。ArcGIS 10 でマップを操作する場合、カタ
ログ ツリーの先頭にホームと呼ばれるエントリとしてこのフォルダが常に表示されているので、マップ
が属するプロジェクト ワークスペースに容易にアクセスできます。ArcGIS 10 でのマップ ドキュメント
のプロジェクト ワークスペースはマップ ドキュメントが格納されている単なるフォルダと見なされるた
め、カタログ ウィンドウでそのフォルダに簡単にアクセスできます。カタログ ウィンドウでホーム フォ
ルダの中身を見ると、現在操作中のマップ ドキュメントが太字で表示されます。カタログ ウィンドウで
別のフォルダを参照したりデータベースまたはサーバに接続した場合、[ホーム] ボタンをクリックするこ
とで、マップが属するホーム フォルダに直接戻ることができます。これによって、これまでのバージョ
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
83
ArcGIS 10 の新機能
ンよりもはるかに簡単に、マップに関連するデータやその他のファイルにアクセスできます。データの
追加や保存を行うダイアログ ボックスにもこの [ホーム] ボタン はあり、簡単にマップのホーム フォ
ルダに移動できるようになっています。
カタログ ウィンドウでこのボタンをクリックすると、マップのホーム フ
ォルダに移動します。
デフォルト ジオデータベース
ホーム フォルダはマップ ドキュメントが属する GIS ワークスペースですが、ホーム フォルダだけでな
く、ArcGIS 10 のすべてのマップ ドキュメントにデフォルト ジオデータベースを指定可能になりまし
た。デフォルト ジオデータベースは、マップ ドキュメントのデフォルトとして指定されたジオデータベ
ースです。デフォルト ジオデータベースに簡単にアクセスできます。つまり、カタログ ウィンドウおよ
びデータの追加や保存を行うダイアログ ボックスの上部に ボタンが表示され、これをクリックするこ
とでデフォルト ジオデータベースに直接移動できます。デフォルト ジオデータベースは、データが作成
される各種操作のデフォルトの出力先としても使用されます。デフォルト ジオデータベースはマップ ド
キュメントを新規作成する際に指定できます。[ファイル
ファイル] > [マップ
マップ ドキュメント プロパティ
プロパティ] の順に選
択してダイアログ ボックスを使用するか、ArcMap でマップを開き、カタログ ウィンドウでジオデータ
ベースを右クリックして [デフォルト
デフォルト ジオデータベースに設定
ジオデータベースに設定] コマンドを選択することで、既存のマッ
プのデフォルト ジオデータベースを設定することもできます。
ドキュメント → ArcGIS で作成されたいつでも利用可能なデフォルトのプロジェクト ワー
クスペース
ArcGIS 10 では、(使用している Windows のバージョンに応じて)ドキュメント
ドキュメント > ArcGIS またはマイ
マイ
ドキュメント > ArcGIS フォルダ内にいつでも利用可能なデフォルトのプロジェクト ワークスペースが
作成されます。このため、当面はデフォルトの場所で GIS 作業を行い、プロジェクト ワークスペースを
別の場所に手動で作成する必要はありません。このデフォルトのプロジェクト ワークスペースには空の
ファイル ジオデータベース Default が含まれ、(別のデフォルト ジオデータベースを指定しない場合)
これが新規および既存のマップ ドキュメントのデフォルト ジオデータベースとして使用されます。デフ
ォルトのプロジェクト ワークスペースには、ジオプロセシング モデルやカスタム ジオプロセシング ツ
ールを保存可能な空のツールボックスも用意されています。もちろん、ArcGIS 10 ではシステム上のあら
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
84
ArcGIS 10 の新機能
ゆる場所のあらゆるフォルダで作業を行えますが、デフォルトのプロジェクト ワークスペース内には明
確で容易に移植可能な場所に便利なデフォルトが用意されます。
カタログ ウィンドウの詳細
単純化されたレイヤ ファイル アイコン
ArcGIS 10 では、カタログ ウィンドウでのレイヤ ファイル(*.lyr)の表示方法が変わりました。以前
は、ポイント、ライン、ポリゴン、グループ、ラスタ、サービスなど、データ ソースのデータ タイプを
反映したアイコンを使用してレイヤ ファイルは表示されていました。ArcGIS 10 では、データ タイプに
関わらず、すべての *.lyr ファイルは 1 つの汎用的な黄色いアイコンでカタログ ツリーに表示されます。
このように変更した利点は、カタログ ツリーを参照中に目にするアイコンの種類が減り、カタログ ウィ
ンドウ、Windows Explorer、Outlook メール、ArcGIS.com Web サイトでレイヤ ファイルが常に同じ汎
用アイコンで表示されるという点です。
検索ウィンドウ
データの格納場所がわかっている場合にはカタログ ウィンドウが便利ですが、わからない場合にはどうで
しょうか?これまでのバージョンの ArcGIS には ArcCatalog の検索機能がありましたが、これは遅く、利
便性に欠けるところがあり、大量のデータを扱うことができませんでした。ArcGIS 10 では、ArcMap と
ArcCatalog、および 3D Analyst Extension があれば、ArcGlobe、ArcScene のこれらのアプリケーションで
新しい検索ウィンドウを使用可能になりました。検索ウィンドウでは、高速な、Web 検索に似た、高度な
検索によって、すべての GIS リソースを瞬時に検索できます。ローカル コンピュータ、ネットワーク ドラ
イブ、エンタープライズ データベース上のマップ、データ、ツールを検索できます。エンタープライズ サ
ーチ サービスを検索することもできます。ArcGIS 10 から導入されたエンタープライズ サーチ サービスを
介して、ArcGIS Server 10 を利用する組織は、組織全体のデータの完全なエンタープライズ カタログを提
供できます。ArcGIS.com オンライン マップや Esri および GIS コミュニティによって公開されているデー
タを検索することで、企業外に検索範囲を広げることもできます。これらはすべて、便利でコンパクトな
ウィンドウから実行可能であり、このウィンドウは拡張したり、アプリケーションの内側に固定したりす
ることができます。
マップ ドキュメントにカーソルを合わせると説明が表示されます。
検索を段階的に絞り込むことができます。たとえば、最初にすべてのフィーチャ データを検索し、その中
のポリゴン データへ、さらにその中のシェープファイル データへと検索を絞り込むとします。これは検索
文字列として "フィーチャ ポリゴン シェープファイル" を指定すれば 1 回の検索でできます。このように素
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
85
ArcGIS 10 の新機能
早く絞り込んで、特定の場所にあるデータを簡単に見つけることができます。検索結果をマップやモデル
内にただちにドラッグできます。検索結果内のパスをクリックすることで、カタログ ウィンドウでそのデ
ータの場所に移動できます。
設定可能なインデックスから検索文字列を選択することで、検索用のメタデータが自動的に組み立てられ
ます。名前、パス、スマート組み込みキーワード、記述的メタデータに基づいて検索できます。次回の検
索を容易に行えるようにタグを追加するなど、検索アイテムの記述的メタデータを簡単に編集することも
できます。
検索ウィンドウの詳細
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
86
ArcGIS 10 の新機能
ArcGIS 10 の新機能 - マップ テンプレート
ArcGIS 10 では [テンプレートの選択] ダイアログ ボックスと [スタートアップ] ダイアログ ボックスが更新さ
れ、マップ テンプレート(*.mxt)ファイルの代わりにマップ ドキュメント(*.mxd)ファイルを使用するよ
うになりました。
スタートアップ ダイアログ ボックス
ArcMap を最初に起動したとき、最近使用したドキュメントを開くか、空のドキュメントを開くか、テンプ
レートを使用して新しいドキュメントを作成するかを選択できます。空の新しいマップを作成するに
は、[新規マップ
新規マップ] を選択し、右側にリスト表示される [空のマップ
空のマップ] を選択します。マップで使用するデフ
ォルトのジオデータベースを選択して、[OK] をクリックします。
または、マップ テンプレートを基にして新しいマップを作成します。マップ テンプレートは、新しいドキ
ュメントの作成元となるマップ ドキュメント(*.mxd)です。テベースマップ レイヤが含まれているもの
や、頻繁に使用するページ レイアウトがテンプレートとして用意されています。テンプレートを使用して
新しいドキュメントを作成する場合、選択したテンプレートを基にしたタイトルなしのマップが開きま
す。これらのテンプレートは、[新規マップ
新規マップ] の [マイ
マイ テンプレート
テンプレート] ノードにリスト表示されます。新しい
テンプレートを作成するには、自分専用のユーザ プロファイルにマップ ドキュメントを保存します。ユー
ザ定義のカテゴリ(フォルダ)とマップ ドキュメント テンプレートを次の場所に追加します。
C:\Users\<ユーザ>\AppData\Roaming\ESRI\Desktop10.0\ArcMap\Templates
自分だけでなく、すべてのシステム ユーザが使用するテンプレートを作成することもできます。これらの
テンプレートは、[新規マップ
新規マップ] の [テンプレート
テンプレート] ノードに表示されます。デフォルトでは、システム テン
プレートは ArcGIS のインストール ディレクトリに配置されますが、ArcMapAdvancedSettings.exe を使用
すれば、このデフォルトの配置場所を変更できます。このアプリケーションは、ArcGIS インストール ディ
レクトリの Utilities フォルダにあります。最初は、次のデフォルトの場所にシステム テンプレートが配置
されます。
C:\Program Files\ArcGIS\Desktop10.0\bin\Templates
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
87
ArcGIS 10 の新機能
[スタートアップ] ダイアログ ボックスでは既存のマップを開いたり、新しいマップを作成したりします。
テンプレートの新しいカテゴリを使用するには、テンプレート フォルダの下にフォルダを作成します。[テ
ンプレート] または [マイ テンプレート] の下のフォルダにマップ ドキュメントを配置した場合、[スタート
アップ] ダイアログ ボックス、[新規マップ] ダイアログ ボックス、および [テンプレートの選択] ダイアロ
グ ボックスにのみカテゴリが表示されます。
ヒント
ヒント: システム テンプレートの場所を複数作成するには、次のレジストリ キーを
変更します。その際、各フォルダをセミコロン(;)で区切ってください。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\ESRI\Desktop10.0\ArcMap\Settings\TemplateDir
C:\Program Files
(x86)\ArcGIS\Desktop10.0\Bin\Templates;E:\追加のシステム テ
ンプレート
[テンプレートの選択
テンプレートの選択] ダイアログ ボックス
[テンプレートの選択] ダイアログ ボックスが新しくなり、マップ ドキュメント テンプレートを操作できる
ようになりました。[スタートアップ] ダイアログ ボックスと同様、ページ レイアウトを変更するときはユ
ーザ テンプレートとシステム テンプレートを使用できます。[テンプレートの選択] ダイアログ ボックスに
表示される新規テンプレートは、[スタートアップ] ダイアログ ボックスの場合と同じユーザ プロファイル
およびシステム ディレクトリから取り込まれます。
[マイ テンプレート] にあるユーザ定義のテンプレートまたは [テンプレート] のシステム テンプレートを使用して、ページ レイアウト
を変更
ユーザ インタフェースのカスタマイズ
ArcGIS 10 では、ユーザ インタフェースを設定する際、マップ テンプレート(*.mxt)ファイルを参照する
マップ ドキュメントがサポートされなくなりました。*.mxt を参照する ArcGIS 9.3.1 のマップ ドキュメン
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
88
ArcGIS 10 の新機能
トも引き続き ArcGIS 10 で使用できますが、新しい *.mxt ファイルを作成したり、既存の *.mxt ファイルを
修正したりして、ユーザ インタフェースを保存することはできません。
詳しくは、「ユーザ インタフェースのカスタマイズについて」をご参照ください。
既存のマップ テンプレート(
テンプレート(*.mxt)をマップ
)をマップ ドキュメントに変換
*.mxt ファイルを変換するには、[カタログ] ウィンドウで、目的のファイルをタイトルなしのマップ ドキュ
メントとして開き、ファイル システムに保存します。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
89
ArcGIS 10 の新機能
ArcGIS 10 のマップとデータの共有に関する新機能
Esri および GIS コミュニティからのマップやデータへのアクセスが簡単に
ArcGIS.com は、Esri の提供する GIS データ用のオンライン リポジトリです。ここには、Esri および GIS
コミュニティによって公開されたマップやデータが含まれています。ArcGIS.com は無償で使用できます。
オンライン ベースマップとダウンロード可能なデータにアクセスできます。ArcGIS.com は、マップやデー
タを他のユーザと共有するときのリポジトリとして使用することもできます。マップやデータをアップロ
ードして全員で共有したり、プライベート グループのメンバーのみと共有することもできます。
ArcGIS.com は ArcGIS 10 に組み込まれています。ArcGIS.com にあるマップやデータにアクセスしたり、
マップやデータをアップロードしたりすることができます。また、Web ブラウザを起動したり、アクセス
先の Web サイトを知らなくても、ArcGIS Desktop 内から ArcGIS.com アカウント全体を管理することが
できます。ArcMap の新しい [ArcGIS Online] ダイアログ ボックスは、[ファイル
ファイル] > [ArcGIS Online] の順
に選択して起動できます。または、[標準] ツールバーの [データの追加] メニュー ボタンで、新しい
[ArcGIS Online からデータを追加] コマンドを使用して、このダイアログ ボックスを起動することもできま
す。
このダイアログ ボックスを使用して、マップおよびデータを参照したり検索したりすることができます。
ArcGIS.com では、ArcGIS 10 で新しく導入されたマップ サービス(ArcGIS Server によって提供されるラ
イブ マップ)、レイヤ パッケージ(LPK ファイル)、マップ パッケージ(MPK ファイル)を検索できま
す。また、グループ(アイテムのコレクション)を検索して、コンテンツを参照することもできます。
ArcGIS.com のグループは、特定の組織、プロジェクト チーム、または関係者グループによって作成されま
す。グループ内のデータは、全員がアクセスできる場合と、グループのメンバーに制限される場合があり
ます。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
90
ArcGIS 10 の新機能
ArcGIS.com アカウントにサイン インしたり、アカウントを作成したりするには、[ファイル
ファイル] > [サイン
サイン イ
ン] コマンドを使用するか、ArcGIS.com ダイアログ ボックスの [Sign-In] リンクを使用します。サイン イ
ンすると、グループの作成やグループへの参加を行ったり、自分の属しているプライベート グループ内の
マップやデータにアクセスしたりすることができます。独自のデータを ArcGIS.com にアップロードして、
他のユーザと共有することもできます。たとえば、自分の組織が他の複数の組織との共同プロジェクトに
関わっている場合を考えています。この場合は、このプロジェクトに関する ArcGIS.com グループを作成
し、関係する組織からユーザを招待して参加してもらいます。グループのすべてのメンバーは、ここにデ
ータをアップロードして、自分のデータを全体に公開するのか、グループの他のメンバーのみに公開する
のかを選択できます。
上に示したダイアログ ボックスだけでなく、ArcGIS Desktop の新しい検索ウィンドウを使用して
ArcGIS.com を検索することもできます。検索ウィンドウ(「ArcMap 10 の基本的な新機能」を参照)で
は、使いやすいドッカブル ウィンドウに、すぐに使用できるすべての ArcGIS.com の機能が表示されま
す。たとえば、このウィンドウを使用して、ローカル システム上の特定のデータを検索し、さらに
ArcGIS.com 以外に検索範囲を広げることができます。
レイヤ パッケージの改善点
レイヤ パッケージ(LPK ファイル)は、他のユーザとのデータ共有を簡単にするために ArcGIS 9.3.1 で導
入されました。レイヤ パッケージは、レイヤ ファイルとその参照先のデータ ソースを 1 つの使いやすいフ
ァイルに結合しています。ArcGIS 10 では、パッケージを開いたときに確実に正しく機能するように、パッ
ケージするレイヤの整合チェックをより完璧にするなど、レイヤ パッケージの機能が向上しています。
ArcGIS 10 で作成されたレイヤ パッケージは、バージョン 9.3.1 または 10 を使用するユーザと共有できま
す。データの参照スキーマのみを含むレイヤ パッケージを作成することもできます。これを他のユーザが
テンプレートとして使用して、そのレイヤ プロパティ(シンボルなど)と元のレイヤのスキーマを使用し
て新しいデータセットを作成することができます。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
91
ArcGIS 10 の新機能
レイヤ、グループ レイヤ、選択レイヤのセットを右クリックして、[レイヤ パッケージの作成] を選択する
と、パッケージを ArcGIS.com アカウントにすぐにアップロードして、共有方法を選択するためのオプショ
ンが表示されます。
レイヤ パッケージの作成の詳細
新しいマップ パッケージ
マップ パッケージ(MPK ファイル)によって、完成したマップ ドキュメントを他のユーザと簡単に共有
できます。マップ パッケージには、マップ ドキュメント(MXD ファイル)とそこに含まれるレイヤが参
照するデータが格納されており、これらが 1 つの移植性の高い便利なファイルにパッケージされていま
す。マップ パッケージを使用すると、ワーク グループ内の同僚間、組織の部門間、または ArcGIS.com を
介して他の ArcGIS ユーザと、簡単にマップを共有できます。マップ パッケージにはその他の使用方法も
あります。たとえば、マップ内で使用されるデータの現在の状態のスナップショットを含む特定のマップ
のアーカイブを作成することもできます。マップ パッケージを作成するには、ArcMap の新しい [ファイル
ファイル]
> [マップ
マップ パッケージの作成
パッケージの作成] の順に選択します。マップをパッケージする前に、[ファイル
ファイル] > [マップ
マップ ドキ
ュメント プロパティ
プロパティ] ダイアログ ボックスに説明情報を入力してください。この情報はパッケージ内に組
み込まれ、ArcGIS.com にマップ パッケージをアップロードすると他のユーザがアクセスできるようになり
ます。
マップ パッケージの作成の詳細
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
92
ArcGIS 10 の新機能
ArcGIS 10 のシンボルとスタイルの新機能
ArcGIS 10 では、フィーチャやグラフィックスに適用するために適切なシンボルを簡単に検索できます。その
シンボルが格納されているスタイル ファイルがわからなくても、シンボルを検索できるようになったからで
す。ArcGIS 10 でインストールされているすべてのスタイルから検索するか、自分の操作するスタイルのみを
参照することで検索結果を制限することかできます。
各シンボルに、色やタイプなどのグラフィック特性について説明する検索可能タグが表示されるようになり
ました。これらのタグは、ユーザ独自のカスタム スタイルで変更し、関連するプロジェクト、マップ、レイ
ヤ、縮尺、仕様など、そのシンボルの関連状況を説明することができます。
シンボルの検索の詳細
シンボルを整理する方法は、[シンボル選択] ダイアログ ボックスで調整できます。シンボルは、それらを格
納するスタイル ファイル別、またはカテゴリ別にグループ化できます。[アイコン表示] を選択してシンボル
の外観を強調したり、[リスト表示] を選択したりしてタイトルを強調することができます。[シンボル選択] ダ
イアログ ボックスでシンボル上にポインタを配置すると、各シンボルの関連情報を示すポップアップ ウィン
ドウが表示されます。[シンボル選択] ダイアログ ボックスのサイズを変更して、一度に多くのシンボルを表
示することもできます。
シンボル タグ
有用な検索結果を返すために、各シンボルには説明情報のタグが含まれています。タグは、各シンボルに
関するキー情報を特定する文字列です。ここには、シンボルの外観、関連元、使用方法、またはシンボル
の組み合わせに対する参照を含むこともできます。タグには 255 文字以内の ASCII 文字列が含まれます。
ArcGIS 10 によってインストールされるスタイルは読み取り専用なので、ArcMap、ArcGlobe、または
ArcScene で変更することはできません。これらのスタイル内のシンボルにあるタグは、シンボルのグラフ
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
93
ArcGIS 10 の新機能
ィック プロパティ(原色、シンボル タイプ、絵文字マーカーの場合は元のフォント)を反映して事前に設
定してあります。
ArcGIS 10 でカスタム スタイルを作成したり参照したりすると、タグがスタイル内のシンボルに追加され
ます。これらは必要に応じて [スタイル マネージャ] ダイアログ ボックスで編集できます。[シンボル選択]
ダイアログ ボックスで [名前を付けて保存
名前を付けて保存] ボタンを使用して新しいシンボルを保存する場合には、タグを
直接入力することができます。ここでは、シンボル情報を保存するために特定のスタイルを選択すること
もできます。
[スタイル マネージャ] ダイアログ ボックスのレポート ビューで、シンボル タグを追加したり変更したり
することもできます。
スタイルの参照
マップ ドキュメントは 1 つ以上のスタイルを参照します。デフォルトでは、パーソナル スタイルと
ESRI.style が参照されますが、この設定を他のスタイルに変更することもできます。参照元のセットは [参
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
94
ArcGIS 10 の新機能
照スタイル] ダイアログ ボックスで管理できます。このダイアログ ボックスには、[シンボル選択] ダイア
ログ ボックスと [スタイル マネージャ] ダイアログ ボックスのどちらからでもアクセスできます。[参照ス
タイル] ダイアログ ボックスには、現在のスタイル ディレクトリ(デフォルトでは <インストール パス
>\ArcGIS\Desktop10.0\Styles)にあるすべてのスタイルが表示されます。このダイアログ ボックス
では、参照するカスタム スタイルを探したり、新しいスタイルを作成したりすることができます。
新しいマップ ドキュメントを開くときに参照されるスタイルを正確に定義する場合は、[参照スタイル] ダ
イアログ ボックスでそのスタイルを選択して、[デフォルト
デフォルト リストに設定
リストに設定] ボタンをクリックします。新し
いマップ ドキュメントを開くときには、このスタイル セットが参照されます。
マップ ドキュメントでのスタイルの参照の詳細
スタイルの管理
[スタイル マネージャ] ダイアログ ボックスに、[カスタマイズ
カスタマイズ] メニューから直接アクセスできるようにな
りました。
以前のリリースで [ツール
ツール] > [スタイル
スタイル] の順に選択してアクセスできた [参照スタイル
参照スタイル] コマンドは、[シン
ボル選択] ダイアログ ボックスと [スタイル マネージャ] ダイアログ ボックスからアクセスできる [参照ス
タイル] ダイアログ ボックスに置き換えられました。[マップ
マップ スタイルのエクスポート
スタイルのエクスポート] コマンドをユーザ
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
95
ArcGIS 10 の新機能
インタフェースで直接使用することはできなくなりました。この機能には、[カスタマイズ
カスタマイズ] > [カスタマイ
カスタマイ
ズ モード
モード] > [コマンド
コマンド] > [ツール
ツール] からアクセスできます。
[シンボル選択] ダイアログ ボックスと同じように、[スタイル マネージャ] ダイアログ ボックスもサイズを
変更できるようになり、一度に多くのシンボルを簡単に表示できるようになりました。シンボル(マーカ
ー、ライン、塗りつぶし、またはテキスト)テーブルを選択したときに、レポート ビューに追加の列が表
示されるようになり、各シンボルのタグを表示したり、スタイルが読み取り専用でない場合はこれらのタ
グを変更できるようになりました。Esri 提供のスタイルは読み取り専用ですが、これらのスタイルからシ
ンボルをコピーして他のスタイルに貼り付けることができます。
スタイル コンテンツの管理の詳細
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
96
ArcGIS 10 の新機能
ArcGIS 10 の新機能 - マップ表示とナビゲーション
ベースマップ レイヤ
ベースマップ レイヤは、操作情報を動的に表示するフレームワークを提供する、マップ レイヤの一種で
す。ベースマップ表示のパフォーマンスは非常に優れています。ベースマップ レイヤは比較的静的で、頻
繁に変更されることはないため、一度表示が計算されると何度も再利用できます。あるエリアに特定のマ
ップ縮尺でアクセスすると、ベースマップ レイヤの表示が計算されます。そのエリアに再び同じマップ縮
尺でアクセスすると、この表示が再利用されます。
この静的な振舞いにより、ベースマップ レイヤでは常に、最適化されたマップ表示がなされます。たとえ
ば、ArcMap はマップ表示を 1 回だけ計算し、移動やズームを行うたびに、その計算済みマップ表示が再利
用されます。
ベースマップ レイヤの詳細
ベースマップ レイヤの作成
最初に、ベースマップ レイヤを設計します。マップ表示の比較的静的な部分であるレイヤを特定しま
す。また、縮尺依存の描画についても検討します。これには、各縮尺でマップがどのように表示される
かを考慮してマップを設計する必要があります。
1.
マップを設計したら、通常の手順に従って、ArcMap で各マップ レイヤを作成します。
2.
マップに新しいベースマップ レイヤを追加します。コンテンツ ウィンドウでデータ フレーム名
を右クリックし、[新規ベースマップ
新規ベースマップ レイヤ
レイヤ] をクリックします。
これによって、新しいベースマップ レイヤがコンテンツ ウィンドウに追加されます。ベースマ
ップ レイヤは、コンテンツをドラッグして含めることができる、グループ レイヤのように振舞
います。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
97
ArcGIS 10 の新機能
3.
ベースマップを構成するレイヤを選択し、ベースマップ レイヤにドラッグします。
4.
新しいベースマップ レイヤの名前を変更します。
いったん設定すると、マップを表示するたびに、ベースマップ レイヤは最適化されたマップ表示ロジッ
クを使用して描画されます。その他のレイヤは動的に描画され、データ ソースからの最新の更新情報に
アクセスすることができます。
ベースマップ レイヤおよびアクセラレートされたラスタ レイヤをハードウェア アクセラレーションと組
み合わせて使用すると、マップの画面移動やズームを行う際に、非常に高度なパフォーマンスで連続的
で滑らかな表示を実現することができます。ArcMap セッションでハードウェア アクセラレーションを
オンにすると、グラフィックス カード処理のパフォーマンスを改善することができます。ベースマップ
レイヤまたはアクセラレートされたラスタ レイヤを使用していない場合、ハードウェア アクセラレーシ
ョンはマップに影響を及ぼしません。ハードウェア アクセラレーションは、[ArcMap オプション] ダイ
アログ ボックスでオンとオフを切り替えることができます。
クイック画面移動モード
ベースマップ レイヤおよびアクセラレートされたラスタ レイヤを含むマップでは、次のような特殊なマウ
ス操作によって、連続的に画面移動したりズームしたりできます。
1.
データ フレーム内にポインタを置きます。
2.
マウスの中央ボタンまたは Q キーを押したままにします。最初は、ポインタがアクティブな画面移
動アイコン
に変わります。 数秒すると、ポインタが連続画面移動カーソル
に変わります。
3.
マウスの中央ボタンを押したまま、画面移動する方向へマップ上をドラッグします。指定した方向
へマップ画面が連続的に移動します。画面移動中は、ポインタの形状が「移動方向を示す矢印」
に変わります。
ヒント
ヒント: Ctrl キーを押すとマップ画面の移動速度が速くなり、Shift キーを押すと遅く
なります。
マップを画面移動する際、ベースマップ レイヤは比較的スムーズに連続して移動できます。その他のマッ
プ レイヤは、マウスの中央ボタンを離すと再描画されます。
縮尺設定
[縮尺設定] ダイアログ ボックスで、マップを操作する際の表示縮尺を制限できます。ArcGIS.com、Bing
Maps、Google マップなど、一般的な Web マップ スキーマの縮尺設定を読み込むこともできます。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
98
ArcGIS 10 の新機能
縮尺設定の詳細
データ ビューでの再描画回数の削減
ArcMap の以前のバージョンでは、データ ビューで作業しながら ArcMap ウィンドウのサイズ変更または
ドッカブル ウィンドウのドッキング、ドッキング解除、サイズ変更によって、ArcMap の表示サイズを変
更した場合、デフォルトでマップは使用可能な表示領域内におさまるように完全に再描画されました。そ
のため、縮尺が変わり、範囲は同じままでした(表示領域の新しい形状の内部に範囲がどれくらいうまく
おさまるかに応じて、地理座標系のカバレッジが多少変わることはあります)。バージョン 10 では、デー
タ ビューでのデフォルトの描画動作が変更され、表示サイズが変わっても表示領域内におさまるようにマ
ップが完全に再描画されることはなくなりました。代わりに、縮尺は同じままで範囲が変更されます。表
示領域を広くすると、地理範囲が広がります。逆も同様です。
これには、サイズ変更によって影響を受けない部分は再描画する必要がまったくないという性能上の利点
があります。たとえば、ドッキングしたウィンドウを閉じた場合は、ウィンドウによって隠れていた部分
だけを再描画すれば済みます。また、ウィンドウのドッキングとドッキング解除を行ってもマップ上の地
理フィーチャは移動しないため、作業もしやすくなります。マップ上のフィーチャは、手動でマップの画
面移動や拡大縮小を行うまで、同じ場所に表示され続けます。
以前のリリースでは、[ArcMap オプション] ダイアログ ボックスの [データ
データ ビュー
ビュー] タブに、表示領域のサ
イズが変わったときのマップ ドキュメントの再描画方法を選択するオプションがありました。このオプシ
ョンはバージョン 10 では削除され、以前のバージョンでマップに対してこのオプションがどのように設定
されているかに関係なく、バージョン 10 で開いた、または作成したマップ ドキュメントはすべて新しいデ
フォルト動作による性能強化の恩恵を受けられるようになっています。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
99
ArcGIS 10 の新機能
ArcGIS 10 のリプレゼンテーションの新機能
新しいジオメトリック エフェクト
ライン ジオメトリを修飾する、新しいジオメトリック エフェクトが用意されています。
ジオメトリック エフェクトの詳細
[ジグザグ
ジグザグ] エフェクト
[ジグザグ] エフェクトでは、ライン内に指定した角度、位置、幅を含むダイナミック ラインが作成され
ます。
[矢印
矢印] エフェクト
[矢印] エフェクトでは、指定したスタイルと幅の矢印を含むライン フィーチャに沿ってダイナミック ラ
インが作成されます。
[位置
位置] プロパティ
[破線
破線] ジオメトリック エフェクトと、[ライン沿い
ライン沿い]、[ライン上にランダム
ライン上にランダム]、[ポリゴンの外周沿い
ポリゴンの外周沿い]、[ポリ
ポリ
ゴンの外周上にランダム
ゴンの外周上にランダム] マーカー配置スタイルに、新しく [位置
位置] プロパティが加わりました。現在では、
すべての繰り返しパターンが単位ゼロから開始されるようになり、[位置] プロパティにより、フィーチャに
対してパターンの表示が開始される位置を示すメカニズムが提供されています。これは、破線に対するマ
ーカーの位置関係を同期させる場合に特に重要です。
ジオメトリック エフェクトの詳細
マーカー配置スタイルの詳細
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
100
ArcGIS 10 の新機能
リプレゼンテーション レイヤの拡張点
ArcMap で、リプリゼンテーションのあるフィーチャクラスをマップに追加すると、レイヤはそのリプレゼ
ンテーションによって自動的にシンボル表示されます。フィーチャクラスで複数のリプレゼンテーション
が利用できる場合は、最初のリプレゼンテーションが使用されます。ただし、[レイヤ プロパティ] ダイア
ログ ボックスで任意の表示オプションを使用して、レイヤを表示することもできます。
レイヤをリプレゼンテーションで表示する場合、ルール ID の整数値を表示することができます。また
は、[ルール
ルール オプション
オプション] メニューで [フィーチャ数の表示
フィーチャ数の表示] をオンにすることで、そのルールに従うレイヤ
内のフィーチャ数も表示できるようになりました。
リプレゼンテーション ルール設定の詳細
リプレゼンテーションの編集の拡張点
[移動
移動] ツール のショートカット メニューからアクセスできる [移動
移動] ダイアログ ボックスで、[距離
距離] オプシ
ョンを使用して、選択フィーチャのリプレゼンテーションを角度と距離を指定して移動できるようになり
ました。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
101
ArcGIS 10 の新機能
フィーチャ リプレゼンテーションの移動の詳細
同じように、[マーカー エディタ] ダイアログ ボックス内を右クリックして表示されるショートカット メニ
ューからアクセスできる [サイズの設定
サイズの設定] ダイアログ ボックスで、リプレゼンテーション マーカー内の選択
エレメントのサイズを明確に指定することができます。
マーカー エディタの詳細
カスタマイズ時の警告メッセージの改善
リプレゼンテーション ルールには、ジオメトリック エフェクトとマーカー配置スタイルを含むことができ
ます。大部分は ArcMap によって提供されていますが、カスタム バージョンも簡単に作成できます。リプ
レゼンテーション ルールが現在アクセスできないカスタム コンポーネントを参照した場合、見つからない
コンポーネントの名前が表示されるようになり、そのコンポーネントを見つけやすくなりました。
ジオメトリック エフェクトの詳細
マーカー配置スタイルの詳細
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
102
ArcGIS 10 の新機能
ArcGIS 10 の新機能 - ページ レイアウトとデータ フレ
ーム
データ ドリブン ページ
データ ドリブン ぺージでは、1 つのレイアウトを使用して複数のマップ範囲を反復処理することで、複数
のページを生成できます。対象範囲は、インデックス フィーチャ レイヤのフィーチャによって定義されま
す。任意のフィーチャ レイヤ、ポイント、ライン、またはポリゴンを使用できます。インデックス レイヤ
の属性を使用して、ページ名、ページ番号、縮尺、回転角度、および座標系を定義できます。印刷とエク
スポートには、データ ドリブン ページを印刷し、複数ページの PDF ドキュメントへエクスポートする機
能が含まれています。インデックス レイヤの生成を自動化するジオプロセシング ツールが用意されていま
す。その際、長方形のグリッドとして生成するか、ライン フィーチャに沿った帯状マップとして生成する
かを選択できます。中央子午線、UTM ゾーンなどの座標系情報を計算するためのジオプロセシング ツー
ル、隣接ページ フィールドに値を入力するためのジオプロセシング ツール、インデックス レイヤの各フィ
ーチャについて真北からの回転角度を計算するジオプロセシング ツールもあります。
データ ドリブン ページの詳細
ダイナミック テキスト
レイアウト テキスト エレメントが向上し、システム プロパティ(日付や時刻など)、マップ プロパティ
(ドキュメント パス、保存日など)、データ フレーム プロパティ(座標系、回転角度など)、データドリ
ブン ページ プロパティ(ページ番号、ページ名など)を表すダイナミック タグを認識するようになりまし
た。一般的なダイナミック テキスト プロパティを追加するには、[挿入
挿入] メニューを使用します。その他の
プロパティや書式オプションに対応するタグも用意されており、レイアウト テキスト エレメントに簡単に
入力できます。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
103
ArcGIS 10 の新機能
ダイナミック テキストの詳細
データ フレーム オプション
一部のデータ フレーム プロパティが強化され、データドリブン ページのワークフローをサポートするよう
になりました。表示範囲矩形が表示範囲枠になりました。全体図を表示している場合、シンプルな矩形ジ
オメトリに加え、表示範囲枠でデータドリブン ページ インデックス フィーチャの形状を使用して、現在の
ページ範囲を強調できます。
表示範囲枠の使用の詳細
[形状でクリップ] に、レイヤを個別に除外するための新しいオプションが追加されました。このオプション
を使用すれば、除外したレイヤを範囲全体に描画したまま、必要なレイヤのみをクリップできます。[形状
でクリップ] には、データ フレーム グリッドをフィーチャ範囲に合わせてクリップするオプションも追加
されました。グリッド フィーチャが範囲に合わせてクリップされ、そのフィーチャの外側範囲に基づいて
グリッド ラベルが配置されます。
データ フレームのクリップの詳細
データ フレーム範囲の新しいオプションにより、追加したデータ フレームの範囲と、データドリブン ペー
ジで設定したデータ フレームの範囲とを同期できます。つまり、データドリブン ページの範囲に基づいて
全体図や見開きページ図を作成できます。複数のデータ フレームの範囲が同期されるので、複数のデータ
フレームを持つマップを設定し(1 つはイメージ データ、もう 1 つはベクタ データなど)、両方のデータ
フレームで同時に現在の範囲を設定できます。
マップ範囲のカスタマイズの詳細
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
104
ArcGIS 10 の新機能
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
105
ArcGIS 10 の新機能
ArcGIS 10 の新機能 - マップ ワークフローの自動化
Python および arcpy マッピングによるマップの自動化
ジオプロセシングが拡張され、Python スクリプトでマップ、レイアウト、およびレイヤを操作できるよう
になりました。ArcGIS 10 では、この新しいスクリプト機能と新しいデータ ドリブン ページ機能を組み合
わせて、一般的な多数のマップおよび出力関連のワークフローを自動化できます。たとえば、タイトル ペ
ージ、複数のマップ ページ、表形式のレポート、連絡先情報などを組み合わせて、すべての情報を網羅し
た PDF 地図帳を作成できます。レイアウト エレメントやプロパティに対するスクリプトからのアクセスが
可能なので、ArcMap でマップを作成し、ページ エレメントのテキストや配置を変更する独自のアプリケ
ーションを記述した後で、出力(エクスポートまたは印刷)を自動化できます。スクリプトはジオプロセ
シング フレームワークの一部なので、作成したスクリプトを ArcGIS Server ジオプロセシング サービスと
して配備すれば、組織内のユーザまたは Web 経由のユーザがマップや地図帳を作成できるように設定でき
ます。
Python を使用すれば、複数のマップ ドキュメントをバッチ処理し、さまざまなマップ処理やレイヤ管理処
理を実行できます。たとえば、複数のマップのシンボルとレイヤ プロパティを更新したり、特定のデータ
ソースを参照しているレイヤが含まれるマップのリストを作成したり、レイヤのデータ ソースを更新して
修正したり、マップ ドキュメントを以前のバージョンで保存したりできます。これらすべての操作は、多
数のファイルに対して一度に実行できます。単調で面倒な作業を自動的に行えるので、もっと重要な処理
や分析作業に集中できます。
マップ ワークフローの自動化の詳細
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
106
ArcGIS 10 の新機能
ArcGIS 10 の時系列データの新機能
ArcGIS 10 には、時系列データを視覚化するための新機能が備わっています。時系列データとは、1990 年の
香港の土地利用パターンや 2009 年 7 月 1 日のホノルルの総雨量など、ある一時期の状態を表すデータをい
います。時系列データは、気候パターンや他の環境変数の解析、交通状況の監視、人口統計学的傾向の調査
などのために収集されます。
時系列データの詳細
ArcGIS 10 では、単純なワークフローを使用して時系列データを視覚化できます。このワークフローでは、レ
イヤ上で時間プロパティをオーサリングし、シンプルで使いやすいタイム スライダを使用して時系列的にデ
ータを視覚化します。これらの時系列マップを視覚化するだけでなく、こうしたマップを ArcGIS Server で
公開することもできます。
データの時間の有効化
ArcGIS Desktop アプリケーション(ArcMap、ArcGlobe、または ArcScene)のいずれかで時系列データセ
ットを追加したら、[レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスの [時間
時間] タブで、そのデータの時間プロパテ
ィを設定する必要があります。レイヤ上で時間プロパティを有効化するには、[レイヤ プロパティ] ダイア
ログ ボックスの [時間
時間] タブで [このレイヤで時間を有効にする
このレイヤで時間を有効にする] をオンにします。時間プロパティは、デー
タに時間情報が格納される方法に基づいて設定されます。
サポートされている時系列データの詳細
レイヤ上の時間プロパティの設定方法の詳細
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
107
ArcGIS 10 の新機能
タイム スライダを使用して時系列データを視覚化
タイム スライダ ウィンドウには、ArcGIS Desktop アプリケーション(ArcMap、ArcGlobe、ArcScene)で
時系列データを視覚化できるようにするいくつかのコントロールが表示されます。タイム スライダ ウィン
ドウは、[ツール] ツールバーの [タイム
タイム スライダ ウィンドウ
ウィンドウ] ボタンをクリックすると表示されます。マッ
プ、グローブ、またはシーンに時間対応データセットが存在しない場合、このボタンは使用できません。
タイム スライダの使用方法の詳細
時間対応データの公開
時間情報を使用してオーサリングされたレイヤは、ArcGIS Server に公開できます。公開されたこれらの時
間対応のマップ サービスは、ArcMap や Web アプリケーションなどのクライアント アプリケーションによ
って利用することができます。
時間対応データの公開の詳細
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
108
ArcGIS 10 の新機能
ArcGIS 10 の新機能 - アニメーション
アクションを必要に応じて再生できるように保存したアニメーションは、ドキュメントに躍動感を与えま
す。アニメーションは、視点の変化、ドキュメントのプロパティの変化、地理的な動きを視覚化するのに役
立ちます。データのパターンを理解したり、視覚的な動きを通してのみ表現できるポイントを明らかにした
りする場合にアニメーションを使用します。
タイム アニメーション
時系列データを時系列的に視覚化すると、時間の経過に伴ってデータに表れるパターンやトレンドを確認
できます。たとえば、時間と共に変化する海水温度を視覚化したり、人口増加の時系列パターンを観察し
たりできます。ArcGIS 10 では、タイム アニメーションにより、時系列データのこうした時系列変化を視
覚化できます。タイム アニメーションでは、時間対応レイヤに描画されているフィーチャ、テーブル行、
またはラスタに基づいて、データ表示(マップ、シーン、グローブ)の時間が決定されます。
タイム アニメーションを他のトラック上(カメラ トラックなど)で再生すれば、動的な視覚効果を生成で
きます。たとえば、データを時系列的に視覚化しながらカメラ フライバイを生成する場合は、データ表示
(マップ、シーン、グローブ)の時間を変更するタイム アニメーション トラックと、カメラを移動するカ
メラ アニメーション トラックを作成します。この 2 つのトラックは、アニメーション コントロールを使用
して一緒に再生できます。
注意
注意:
•
タイム アニメーションと同等の機能は、[ツール] ツールバーの新し
い [タイム
タイム スライダ
スライダ] ツールを使用して実行できます。時系列データ
の視覚化のみを行う場合は、新しい [タイム
タイム スライダ
スライダ] ツールを使用
してください。ただし、時系列データを更新しながらカメラを移動
する動的アニメーションを作成する場合は、タイム アニメーション
を使用した方が便利です。
•
ArcGIS 9.x でサポートされているタイム レイヤ アニメーションは使
用できなくなりました。タイム レイヤ アニメーションのトラックが
含まれているマップ、シーン、またはグローブ ドキュメントを開く
と、それらのトラックは、新しいタイム アニメーション トラックへ
自動的に変換されます。
タイム アニメーションの作成の詳細
タイム スライダの使用方法
アニメーションを連続イメージとしてエクスポート
ArcGIS 10 では、アニメーションを連続イメージとしてエクスポートできます。連続イメージとは、アニメ
ーションを構成する一連の静止画像であり、アニメーションのコミック版のようなものです。アニメーシ
ョンをエクスポートできる出力画像形式は、Windows Bitmap(*.bmp)と JPEG(*.jpg)です。
さらに、出力した連続画像を [ラスタ → ビデオ(Raster To Video)] ジオプロセシング ツールの入力フレ
ームとして使用すれば、ビデオ(AVI または QuickTime 形式)を作成できます。また、サードパーティの
ビデオ作成ソフトウェアで他の(ArcGIS でサポートされていない)ビデオ形式への出力イメージを使用す
ることができます。エクスポートした連続イメージは、ビデオとして処理する前に編集できます。たとえ
ば、イメージにタイトルやキャプションを追加することが可能です。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
109
ArcGIS 10 の新機能
連続するイメージとしてのアニメーションのエクスポートの詳細
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
110
ArcGIS 10 の新機能
ArcGIS 10 の選択ツールの新機能
選択ツール
[四角形による選択
四角形による選択] ツールに加えて、ArcGIS 10 では、選択操作を行うために新しく 4 つのツールが追加さ
れています。ポリゴン、なげなわ、円、ラインを使用して選択できるようになりました。[ラインによる選
ラインによる選
択] および [ポリゴンによる選択
ポリゴンによる選択] ツールを使用する場合は、ダブルクリックするか、Enter キーを使用し
て、選択を適用する必要があります。[なげなわによる選択
なげなわによる選択] および [円による選択
円による選択] ツールの場合は、ツー
ルをクリックおよびドラッグして、選択範囲のサイズを定義します。
ArcGIS 10 では、選択ツールにもスナップ環境が適用されるようになりました。これは特に、[円による選
円による選
択] ツールを使用して、ポイントを中心として指定した距離で選択セットを作成する場合に役立ちます。選
択距離を指定するには、円をクリックおよびドラッグして移動させ、R キーを押して、半径のダイアログ
ボックスを表示させます。半径の値を入力して、Enter キーを押します。
フィーチャの対話形式での選択の詳細
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
111
ArcGIS 10 の新機能
ArcGIS 10 の新機能 - グラフ
ArcGIS Desktop アプリケーションでグラフを作成し、データを視覚化して調査することができます。グラフ
では、フィーチャを簡単に比較してフィーチャ間の機能的な関係を読み取り、その他の手段ではわかりにく
いデータの分布、傾向、パターンを把握できます。
グラフ メニュー
[グラフ
グラフ] メニューを表示するには、メイン メニュー バーの [表示
表示] メニューを選択します。
新しいグラフの種類
ArcGIS 10 では、新しく 3 種類のグラフを作成できるようになりました。
バブル グラフ
バブル グラフは散布図と似ていますが、追加のサイズ変数をグラフに取り込むことができる点が異なり
ます。基本的には、これは 3 つの変数を 2 次元でグラフ化するということです。バブルは、相対的な重
要度を示す、サイズが異なるマーカーによって表されます。次の例では、総人口(y 軸)、都市部の人口
の割合(x 軸)、AIDS 感染者数(バブルの大きさ)の 3 つの変数がグラフ化されています。
バブル グラフの作成の詳細
極座標グラフ
極座標グラフは円形グリッド上に折れ線グラフを描画したもので、角度を使用してデータ値の傾向を示
します。極座標グラフは主に数学や統計で利用されます。このグラフは、方向によって変化する変数を
表すときに使用します。極座標グラフには複数のデータセットをプロットでき、各データセットが 1 本
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
112
ArcGIS 10 の新機能
の線によって表されます。以下の例は、各水流方向の合計エリアを極座標グラフで表しています。この
場合、ほとんどのエリアは西から東へ向かって傾斜しており、降雨時には水が東方向へ流れることを示
しています。
極座標グラフの作成の詳細
最小
最小/最大縦棒グラフ
最大縦棒グラフ
最小/最大縦棒グラフには、地理データに関連付けられている最小値と最大値が示されます。たとえば、
特定の時刻における、ある河川のいくつかの計測地点での河川流量の最小値と最大値を表示できます。
棒グラフと同様に、最小/最大縦棒グラフでも各バーによって不連続データが表されますが、バーは X 軸
から伸びるのではなく、最小値から開始して最大値で終了します。最小/最大縦棒グラフでは、量を相互
に比較できるだけでなく、シリーズの最小値と最大値も示されます。
最小/最大縦棒グラフの作成の詳細
グラフを作成および保存するためのジオプロセシング ツール
ArcGIS 10 では、[データ管理
データ管理] ツールボックスの [グラフ
グラフ] ツールセットにあるジオプロセシング ツールを
使用してグラフを作成できます。モデルやスクリプトで、[グラフの作成(Make Graph)] ツールと [グラフ
の保存(Save Graph)] ツールを単独で使用したり、組み合わせて使用したりすることで、必要な種類のグ
ラフを作成できます。
ジオプロセシング ツールを使用したグラフの作成の詳細
ArcGlobe および ArcScene でのグラフ
ArcGIS 10 では、ArcGlobe および ArcScene アプリケーションでグラフを作成できます。作成したグラフ
は、3D ドキュメント内に保存するか、またはグラフ ファイルとして保存できます。グラフ マネージャを
使用して、これらのアプリケーションのグラフを管理することもできます。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
113
ArcGIS 10 の新機能
ArcGlobe および ArcScene でのグラフ作成の詳細
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
114
ArcGIS 10 の新機能
ArcGIS 10 の新機能 - レポート
レポート メニュー
[レポート] メニューには、メイン メニュー バーの [表示] メニューからアクセスします。
メモ
メモ: ArcGIS 10 から、Crystal Reports Wizard が ArcMap に付属しなくなりま
した。
レポート ウィザード
レポート ウィザードは、レポート作成プロセスをステップごとに案内します。ウィザード内では、フィー
ルド、グループ、ソート、向き、スタイルの選択など、レポートの主なプロパティを設定できます。レポ
ート ウィザードを起動するには、[レポート
レポート] → [レポートの作成
レポートの作成] をクリックします。
レポート ウィザードのグラフィックスとユーザ インタフェースが新しくなり、ArcGIS でのレポート作成
が容易になりました。ArcGIS 10 では、表示されるリストからレポートのレイアウトやスタイルを選択でき
ます。フィールドを操作する際、並べ替え可能なフィールド数に制限はありません。
レポート ビューア
レポート ビューアを使用すると、レポートをプレビューできます。ビューアによってレポート全体が生成
され、ビューアに備わっているボタンとレポートのコンテンツ ビューによって、レポートをページごとに
簡単にナビゲートして確認できます。また、レポート ビューアからレポートを保存およびエクスポートで
き、マップのレイアウトにレポートを追加することもできます。
ArcGIS の新しいレポート ビューアには、レポート内を検索したり、レポート ページ間を移動したりする
ための便利なコマンドが多数用意されています。レポートにアノテーションやグラフィックスを描画し
て、重要部分を強調することができます。PDF、HTM、RTF、TIFF、XLS、TXT など、レポートをエクス
ポートできる形式もこれまでより多くなりました。
レポート デザイナ
レポート デザイナを使用すると、既存のレポートのプロパティを変更できます。デザイナでは、スタイル
やプリンタ設定のようなレポートのプロパティを変更でき、さらに脚注のフォントの色とサイズなど、
個々の設計エレメントのプロパティも変更できます。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
115
ArcGIS 10 の新機能
レポート デザイナは、レポートのさまざまな要素を変更およびカスタマイズできる新しいユーザ インタフ
ェースです。メイン ツールバーからスタイル マネージャを開き、カスタム スタイルを作成することができ
ます。レポート デザイナでレポート レイアウト ファイルを保存し、その後、それらのファイルを使用して
レポートを再実行したり、既存のレポートを新しいレポートのテンプレートとして使用したりできます。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
116
ArcGIS 10 の新機能
ArcGIS 10 の新機能 - ジオプロセシング
バックグラウンド処理
アプリケーション(ArcMap、ArcCatalog、ArcScene、ArcGlobe)での作業を続行しながら、ジオプロセシ
ング ツールをバックグラウンドで実行可能になりました。
バックグラウンド処理に関する詳細
検索ウィンドウとカタログ ウィンドウ
ArcToolbox 機能は 検索 ウィンドウ、カタログ ウィンドウ、および 結果 ウィンドウに置き換わりました。
ArcGIS 10 でも ArcToolbox ウィンドウを使用できますが、ツールの検索と実行は主に 検索 ウィンドウで
行います。検索 ウィンドウから、Esri が開発したジオプロセシング ツールおよびユーザ独自のカスタム ツ
ールにアクセスできます。
検索ウィンドウとカタログ ウィンドウを使用したツールの検索の詳細
ジオプロセシング メニュー
標準ツールバーに [ジオプロセシング
ジオプロセシング] メニューが新たに追加されました。このメニューには、ジオプロセ
シング システムのすべての設定オプションと、頻繁に使用される 6 つのツールがあります。
ツールをメニューに追加可能
[ジオプロセシング] メニューやその他のメニューまたはツールバーにツールを簡単に追加して、お気に入り
のツールに簡単にアクセスできます。この新機能を利用することで、ユーザ独自のモデルやスクリプト ツ
ールをアプリケーションのユーザ インタフェースに追加することもできます。
メニューやツールバーへのツールの追加の詳細
コマンド ライン ウィンドウから Python ウィンドウに一新
Python ウィンドウでは、コマンド ライン スタイルの環境でツールを実行できます。これまでのリリース
の コマンド ライン ウィンドウから Python ウィンドウに一新されました。コマンド ライン ウィンドウで
は、ジオプロセシング ツールを実行したり、ジオプロセシング環境を設定したりすることができまし
た。Python ウィンドウでは、コマンド ライン ウィンドウのようにツールの実行や環境設定を行えるだけ
でなく、arcpy スクリプト機能(関数のリスト、データ プロパティの記述、カーソルなど)や python 言語
のその他の便利な機能にアクセスすることもできます。
Python ウィンドウの詳細
Python と ArcPy
ArcGIS では Python バージョン 2.6 がインストールされます。
ArcPy サイトパッケージでは、すべてのジオプロセシング ツール、および GIS データの照会に便利な各種
機能を使用できます。サイトパッケージとは、Python 言語の機能を拡張するライブラリを指す Python の
用語です。ArcPy サイトパッケージによって、ArcGIS から Python に提供される GIS 機能が決まります。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
117
ArcGIS 10 の新機能
ArcPy サイトパッケージは自動的に ArcGIS と共にインストールされます。ArcPy は Python コード内の
arcgisscripting から置き換わったものと考えることができます。
ArcPy には 2 つの重要なモジュールがあります。マッピング モジュール(arcpy.mapping)は ArcMap との
対話処理およびマップ ブック(データ ドリブン ページ)の作成を行い、Spatial Analyst モジュール
(arcpy.sa)はマップ代数演算を行います。3 つ目のモジュール Geostatistical Analyst には、複雑な近傍検
索の設定に使用するクラスが含まれています。
ArcPy の詳細
モデルとスクリプト ツールのパスワード保護
ArcGIS 10 では、ユーザの知的財産であるモデルとスクリプトをパスワードによって保護できます。これに
よって、モデルやスクリプト ツールを受け取った人はこれらを実行できますが、編集することはできませ
ん。パスワード保護されたモデルやスクリプトを表示することはできません。コピーされたモデルやスク
リプトもパスワード保護されます。
さらに、*.py ファイルをツールにインポートできます(実際には、スクリプト ツールをパスワード保護す
るためにはこの操作を必ず行う必要があります)。つまり、スクリプト ツールを実行するために別々の
*.py ファイルを配布する必要はなく、*.py はツールボックス内に保存されます。*.py ファイルをイン
ポートした後で、(パスワードを知っている限り)修正するために再びエクスポートできます。
関連項目
ArcGIS 10 の新機能の概要
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
118
ArcGIS 10 の新機能
ArcGIS 10 のジオプロセシング ツールの新機能と機能
強化
このページについて
この新規ツールと機能強化されたツールのリストでは、ArcGIS エクステンションによって使用が許可さ
れるツールは除外されています。ArcGIS エクステンションのツールボックスに含まれている新規および
機能強化されたジオプロセシング ツールについては、「
「ArcGIS の新機能」の「
の新機能」の「ArcGIS エクステンショ
ン」
ン」をご参照ください。
解析ツールボックス
機能強化されたツール
ツール
強化内容
クリップ
(Clip)
これらのツールはポイントとポイント、およびラインとライン オーバーレイをサポートする
ようになりました。
アイデンティ
ティ
(Identity)
バッファ
(Buffer)
これらのツールは垂直線から成るライン フィーチャをサポートするようになりました。詳細
については、「ジオプロセシングにおける垂直線の処理」をご参照ください。
クリップ
(Clip)
イレース
(Erase)
アイデンティ
ティ
(Identity)
空間結合
(Spatial
Join)
このツールでは、非常に大きなデータセットや多くの操作を短時間で処理できます。
カートグラフィ ツールボックス
ツールセットの変更内容
•
[アノテーション
アノテーション] ツールセット
ツールセット: この新しいツールセットには、アノテーション データを作成お
よび更新するためのツールが含まれています。
•
[カートグラフィックの調整
カートグラフィックの調整] ツールセット
ツールセット: これは以前のリリースでは [シンボル表現の調整] と
いう名前のツールセットでした。[測地線 角度の計算(Calculate Geodesic Angle)] ツールが
ArcGIS 10 では使用されなくなったことを除き、その他のツールの機能は変わりません。[測地線
角度の計算(Calculate Geodesic Angle)] ツールは [データ ドリブン ぺージ] ツールセットの [グ
リッド偏角の計算(Calculate Grid Convergence Angle)] ツールに置き換えられました。[グリッ
ド偏角の計算(Calculate Grid Convergence Angle)] ツールでは、改良された算術アルゴリズム
を使用してこの角度が定義されます。[測地線 角度の計算(Calculate Geodesic Angle)] を参照
する既存のスクリプトとモデルは引き続き使用できますが、[グリッド偏角の計算(Calculate
Grid Convergence Angle)] ツールの改良されたアルゴリズムを代わりに利用するにはワークフ
ローを変更する必要があります。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
119
ArcGIS 10 の新機能
•
[データ
データ ドリブン ページ
ページ] ツールセット
ツールセット: この新しいツールセットには、データ ドリブン ペー
ジで使用するレイヤを作成および準備するためのツールが含まれています。
•
[ジェネラライズ
ジェネラライズ] ツールセット
ツールセット: この新しいツールセットには、小さな縮尺で表示できるように
フィーチャを単純化および調整するためのツールが含まれています。このツールセットには、3
つの新しいツールの他に、ArcGIS リリース 10 より前の [データ管理] ツールボックスに含まれて
いた 7 つのツール([ポリゴンの集約(Aggregate Polygons)]、[二条線から中心線を作成
(Collapse Dual Lines To Centerline)]、[建物ポリゴンの単純化(Simplify Building)]、[ライン
の単純化(Simplify Line)]、[ポリゴンの単純化(Simplify Polygon)]、[ラインのスムージング
(Smooth Line)]、[ポリゴンのスムージング(Smooth Polygon)])があります。
•
[シンボル表現の競合
シンボル表現の競合] ツールセット
ツールセット: これは以前のリリースでは [グラフィック クオリティ] とい
う名前のツールセットでした。
•
[格子線と経緯線
格子線と経緯線] ツールセット
ツールセット: この新しいツールセットには、格子線レイヤと経緯線レイヤを
作成および管理するためのツールが含まれています。
新規ツール
ツールセット
ツール
アノテーシ
ョン ツール
セット
コンター アノテーション(Contour Annotation)
マップ サー
ビス キャッ
シュ タイル
スキーマ →
ポリゴン
(Map
Server
Cache Tiling
Scheme To
Polygons)
既存のタイル スキーマに基づいて新しいポリゴン
フィーチャクラスを作成します。
ラベル → タ
イル分割さ
れたアノテ
ーション
(Tiled
Labels to
Annotation)
ポリゴン インデックス レイヤを基にして、ラベル
をマップ ドキュメント内のレイヤのアノテーション
に変換します。
データ ドリ
ブン ページ
ツールセッ
ト(新規)
隣接図郭情報の追加(Calculate Adjacent Fields)
中央子午線
と緯線の計
算
(Calculate
Central
Meridian and
Parallels)
フィーチャ範囲の中心点を基準に、中央子午線およ
びオプションの標準緯線を計算します。続いて、こ
の座標系を空間参照文字列として所定のテキスト フ
ィールドに格納します。この手順をフィーチャのセ
ット、またはサブセットに対して繰り返し実行しま
す。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
説明
コンター フィーチャ用のアノテーショ
ンを作成します。
このツールのごく一般的な使用例は、
マップ ブック内の隣接ページへのラベ
ル設定に使用できるフィールドに値を
移入することです。このツールは、8
つの新しいフィールド(羅針盤の北、
北東、東、南東、南、南西、西および
北西の 8 地点を表す各フィールド)を
入力フィーチャクラスに付加し、入力
フィーチャクラスのフィーチャごとに
各基本的な方向における隣接(近隣)
ポリゴンを識別する値を計算します。
120
ArcGIS 10 の新機能
グリッド偏
角の計算
(Calculate
Grid
Convergence
Angle)
フィーチャクラスの各フィーチャの中心点を基準
に、真北の回転角を計算します。この値を所定のフ
ィールドに自動入力します。このフィールドをデー
タ ドリブン ページと併用することによって、各マ
ップを真北まで回転できます。
UTM ゾーン
の計算
(Calculate
UTM Zone)
各フィーチャの UTM ゾーンを中心点を基準に計算
し、この空間参照文字列を所定のフィールドに格納
します。このフィールドをデータ ドリブン ページ
と併用することにより、マップごとに適正な UTM
ゾーンへの空間参照を更新できます。
インデック
ス フィーチ
ャ(格子
状)の作成
(Grid Index
Features)
ポリゴン フィーチャの矩形グリッドを作成します。
このグリッドは、データ ドリブン ページを使用し
てマップ ブックのページを指定するためのインデッ
クスとして使用できます。グリッドは、別のフィー
チャ レイヤと交差するポリゴン フィーチャだけを
含むように作成できます。
インデック
ス フィーチ
ャ(帯状)
の作成
(Strip Map
Index
Features)
1 つのライン フィーチャまたはライン フィーチャの
グループに沿って一連の矩形ポリゴン(インデック
ス フィーチャ)を作成します。このインデックス
フィーチャをデータ ドリブン ページで使用して、
ストリップ マップ内部またはライン フィーチャに
沿ったマップ セット内部にページを定義することが
できます。作成されるインデックス フィーチャに
は、ページ上のマップを回転させて方向を決めた
り、現在のページの次(上下左右のいずれか)に来
るインデックス フィーチャ(ページ)を決定したり
するために使用できる属性が含まれます。
ジェネララ
イズ ツール
セット
ポイントの集約(Aggregate Points)
道路のマー
ジ(Merge
Divided
Roads)
分割された道路車線の一致ペアを置き換える単線道
路フィーチャを生成します。
道路網の間
引き(Thin
Road
Network)
小さい縮尺で表示するために、接続性と一般特性を
維持して単純化した道路網を生成します。
シンボル表
現の競合ツ
ールセット
移動の反映(Propagate Displacement)
建物の競合
を解決
(Resolve
Building
Conflicts)
建物を移動したり、非表示にしたりすることによ
り、建物間および線形バリア フィーチャに関するシ
ンボルの競合を解決します。
道路の競合
を解決
(Resolve
Road
Conflicts)
線分の一部をアジャストすることにより、シンボル
表示された道路フィーチャ間のシンボル表現の競合
を解決します。
格子線と経
緯線ツール
セット(新
規)
格子線/経緯線レイヤの削除(Delete Grids and
Graticules)
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
隣接したポイント フィーチャのクラス
タの周囲に、ポリゴン フィーチャを作
成します。
[道路の競合を解決(Resolve Road
Conflicts)] ツールおよび [道路のマー
ジ(Merge Divided Roads)] ツールに
おける道路のアジャストの結果として
発生した移動を、隣接フィーチャに反
映させます。
選択した格子線と経緯線レイヤ(1 つ
または複数)に関連付けられているす
べてのフィーチャを、フィーチャ デー
タセットから削除します。
121
ArcGIS 10 の新機能
格子線と経
緯線レイヤ
の作成
(Make
Grids and
Graticules
Layer)
事前定義済みのカートグラフィック仕様に基づいて
格子線フィーチャ、経緯線フィーチャ、および境界
線フィーチャを描写し、フィーチャクラスのグルー
プ レイヤを作成できます。グリッド レイヤは、縮
尺/範囲固有の高度なグリッド定義に適しています。
機能強化されたツール
ツール
強化内容
グラフィックスの競合を検
出(Detect Graphic
Conflict)
標準シンボルを使用して描画されたレイヤを入力として使用可能になりまし
た。リプレゼンテーションで描画されたレイヤも引き続きサポートされます。
建物ポリゴンの単純化
(Simplify Building)
BLD_STATUS フィールドに以下の単純化の結果が示されるようになりまし
た。
•
1 = 1 つの建物が単純化されました(ArcGIS 9.3.1 から変更なし)
•
2 = 1 つの建物がその最小境界範囲に単純化されました(ArcGIS 10 の新
機能)
•
3 = 許容値の二乗より小さい 1 つの建物がその最小境界範囲に単純化され
ました(ArcGIS 10 で変更)
•
4 = [ArcGIS 10 では使用されていません]
•
5 = 建物が単純化されませんでした(ArcGIS 9.3.1 から変更なし)
変換ツールボックス
ツールセットの変更内容
•
[KML から変換] ツールセット:この新しいツールセットには、KML(Keyhole Markup Language)
からデータをインポートするためのツールが含まれています。
•
[Collada へ変換] ツールセット:この新しいツールセットには、Collada 形式にエクスポートするた
めのツールが含まれています。
新規ツール
ツールセット
ツール
説明
KML から変換
ツールセット
(新規)
KML → レイヤ
(KML to Layer)
KML または KMZ ファイルをフィーチャクラスに変換するとともに、
KML/KMZ 内にあるソース レンダリング情報からレイヤ ファイルを作
成します。
ラスタから変
換ツールセッ
ト
ラスタ → ビデオ
(Raster To
Video)
一連の画像からビデオ ファイルを作成します。
メタデータ ツ
ールセット
メタデータのエク
スポート(Export
Metadata)
ArcGIS メタデータを標準のメタデータ形式に変換し、XML ファイル
として保存します。
メタデータの
エクスポート
(マルチプ
ル)(Export
Metadata
Multiple)
各種 ArcGIS アイテ
ムのメタデータを
エクスポートしま
す。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
入力イメージの有効な形式は Windows ビットマップと JPEG です。
122
ArcGIS 10 の新機能
メタデータの
インポート
(Import
Metadata)
メタデータを必要
に応じて ArcGIS メ
タデータに変換し
て、ArcGIS アイテ
ムにインポートし
ます。
メタデータの
同期
(Synchronize
Metadata)
メタデータの値を
更新して、メタデ
ータが記述する
ArcGIS アイテムの
最新のプロパティ
を反映します。
メタデータの
アップグレー
ド(Upgrade
Metadata)
ArcGIS 10 より前の
バージョンで作成
されたメタデータ
を ArcGIS メタデー
タにアップグレー
ドします。
XML スキーマ
の整合チェッ
ク(XML
Schema
Validation)
XML スキーマを使
用して XML ファイ
ルの整合チェック
を行います。
メタデータの
整合チェック
(Validate
Metadata)
ArcGIS アイテムの
メタデータをエク
スポートしてか
ら、XML スキーマ
を使用して、エク
スポートされた
XML ファイルの整
合チェックを行い
ます。
メタデータの
整合チェック
(マルチプ
ル)(Validate
Metadata
Multiple)
各種 ArcGIS アイテ
ムのメタデータの
整合チェックを行
います。
Collada へ変
換ツールセッ
ト(新規)
マルチパッチ →
Collada(Multipatch
To Collada)
1 つ以上のマルチパッチ フィーチャを出力フォルダ内の COLLADA フ
ァイルと参照されているテクスチャ画像ファイルのコレクションに変
換します。入力として、レイヤまたはフィーチャクラスのいずれかを
指定できます。
カバレッジへ
変換ツールセ
ット
E00 からインポー
ト(Import from
E00)
ArcInfo 交換ファイル(*.e00)をインポートします。交換ファイル
は、カバレッジ、INFO テーブル、AML マクロなどのテキスト ファイ
ル、その他の ArcInfo ファイルを転送するために使用されます。カバ
レッジ、グリッド、および TIN の場合、交換ファイルには適切な
INFO テーブル情報を含むすべての情報が含まれます。交換ファイル
は、「.e00」のファイル接尾辞で表します。これは、*.e00 ファ
イルをインポートする ArcView 3.x バージョンのユーティリティで
す。
ジオデータベ
ースへ変換ツ
ールセット
CAD → ジオデータ
ベース(CAD to
Geodatabase)
CAD データセットを読み取り、ドローイングのフィーチャクラスを
作成します。フィーチャクラスがジオデータベース フィーチャ デー
タセットに書き込まれます。
機能強化されたツール
ツールセット
メタデータ ツー
ルセット
ツール名
ESRI メタデータ トランスレータ(ESRI Metadata
Translator)
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
説明
ArcGIS メタデータと ISO 19139
XML 形式との間の変換について
さまざまな機能強化が行われまし
た。
123
ArcGIS 10 の新機能
XSLT 変換
(XSLT
Transformation)
このツールにオプションのパラメータが追加されまし
た。このパラメータの値を XSLT スタイル シートに
渡してから、XML ファイルの変換時に使用できま
す。
データ管理ツールボックス
ツールセットの変更内容
•
[グラフ] ツールセット:この新しいツールセットには、グラフを作成および保存するためのツール
が含まれています。
•
[パッケージ] ツールセット:この新しいツールセットには、レイヤやマップをパッケージ化して統
合するためのツールが含まれています。
•
[ラスタ] ツールセット:ラスタ ツールセット内に新しいツールセットが追加されました。これらの
ツールセットには各種の新規ツールが含まれています。これまで [ラスタ] ツールセット内にあっ
たツールもこの下の新しいツールセットに移動しました。新しいツールセットは、[モザイク デ
ータセット]、[ラスタ カタログ]、[ラスタ データセット]、[ラスタ プロセシング]、[ラスタ プロパ
ティ] です。
機能強化されたツール
ツールセッ
ト
ディスコ
ネクト編
集ツール
セット
ツール
レプリカの作成(Create Replica)
説明
ジオメトリに基づいて複製するエリアを定義するパ
ラメータが新たに追加されました。このパラメータ
を使用することで、国や州の境界などの長方形でな
い形状に基づいて、レプリカの境界を定義できま
す。
一方向レプリカを作成する場合、追加されたもう 1
つの新しいパラメータを使用できます。追加された
もう 1 つの新しいパラメータでは、同期の際に送信
する変更を追跡するために、バージョンの代わりに
履歴管理機能を使用するかどうかを指定します。
フィーチ
ャクラス
ツールセ
ット
フィッシュネットの作成(Create
Fishnet)
ポリゴンとポリラインのどちらで出力するかを制御
するパラメータが追加されました。
フィーチ
ャ ツール
セット
フィーチャの頂点 → ポイント(Feature
Vertices To Points)
ポイント タイプのパラメータとして [DANGLE] オプ
ションが新たに追加されました。この新しいオプシ
ョンに設定した場合、ダングルの端点上の頂点だけ
が出力フィーチャクラスに書き込まれます。
ポリゴン
→ ライン
(Polygon
To Line)
隣接ポリゴン間で重なっている 2 本の線
を 1 本の境界線にして左右近傍属性を持
たせるか、重なった 2 本の線のまま元の
属性もすべて維持させるか、を切り替え
るパラメータが新たに追加されました。
レイヤと
テーブル
ビュー ツ
ールセッ
ト
XY イベント レイヤの作成(Make XY
Event Layer)
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
出力ポイントに Z 座標として割り当てられる Z フィ
ールドを入力テーブルから指定するパラメータが新
たに追加されました。
124
ArcGIS 10 の新機能
空間検索
(Select
Layer By
Location)
INTERSECT_3D と
WITHIN_A_DISTANCE_3D の 2 つの空
間リレーションシップが新たに追加され
ました。大量のデータを短時間で処理す
るためにアルゴリズムも改良されまし
た。
レイヤ フ
ァイルの
保存
(Save To
Layer
File)
*.lyr ファイルに、ソース データセットへ
のパスを相対パスで保存するか絶対パス
で保存するかを制御するパラメータが新
たに追加されました。
ラスタ\ラ
スタ デー
タセット
ツールセ
ット
ワークスペース → ラスタ データセット
(Workspace To Raster Dataset)
カラーマップを出力データセットの RGB に変換す
るパラメータが新たに追加されました。
ラスタ\ラ
スタ プロ
パティ ツ
ールセッ
ト
カラーマップの追加(Add Colormap)
CLR(カラーマップ)または ACT(Adobe カラー
テーブル)ファイルを使用してカラーマップを指定
可能になりました。
ワークス
ペース ツ
ールセッ
ト
ファイル ジオデータベースの作成
(Create File GDB)
最新バージョンのジオデータベースと以前のバージ
ョン(9.3 や 9.2 など)のジオデータベースのどち
らを作成するかを制御するパラメータが新たに追加
されました。
パーソナ
ル ジオデ
ータベー
スの作成
(Create
Personal
GDB)
新規ツール
ツールセット
ツール
データベース
ツールセット
ジオデータベースに登録(Register
With Geodatabase)
ジオデータベー
スのアップグレ
ード(Upgrade
Geodatabase)
最新リリースの ArcGIS で使用可能な
新機能を利用するために、ジオデータ
ベースを最新リリースにアップグレー
ドします。パーソナル ジオデータベー
ス、ファイル ジオデータベース、
ArcSDE ジオデータベース用の sde 接
続ファイルまたは sde 接続情報を入力
として指定することができます。
フィーチャ ツ
ールセット
方位距離 → ライン(Bearing Distance
To Line)
フィーチャの分
割(Dice)
非常に長いラインや大きなポリゴン
を、容易に管理できる小さなフィーチ
ャに分割します。
ジオメトリの最
小範囲 → ポリ
ゴン
(Minimum
Bounding
Geometry)
入力フィーチャ(または入力フィーチ
ャのグループ)をカバーする最小の長
方形、円、凸包を作成します。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
説明
ジオデータベース外で作成されたフィーチャクラ
ス、テーブルおよびラスタ レイヤをジオデータ
ベースに登録して、ジオデータベース機能をすべ
て利用できるようにします。
このツールは X 座標フィールド、Y 座標フィール
ド、方位フィールド、距離フィールドに基づいて
テーブルを 2 ポイント ラインに変換します。
125
ArcGIS 10 の新機能
ポイント → ラ
イン(Points to
Line)
ポイントからライン フィーチャを作成
します。
ポイントでライ
ンを分割(Split
Line at Point)
ライン フィーチャを交点、またはポイ
ント フィーチャへの近接度に基づいて
分割します。
テーブル → 楕
円(Table To
Ellipse)
座標およびその他の必須フィールドを
含むテーブルを楕円ポリゴンに変換し
ます。
ラインの接合
(Unsplit
Line)
一致する端点(および、オプションで
共通の属性値)を持つラインをマージ
します。
XY → ライン
(XY To Line)
始点と終点を持つテーブルから、2 ポ
イントの測地ポリライン フィーチャを
含む、新しいフィーチャクラスを作成
します。
フィールド ツ
ールセット
終了時間の計算(Calculate end time)
時刻フィールド
の変換
(Convert Time
Field)
文字列または数値フィールドに格納さ
れている時間値を日付フィールドへ変
換します。
タイム ゾーン
の変換
(Convert Time
Zone)
日付フィールドに記録されている時間
値をタイム ゾーン間で変換します。
フィールドの転
置(Transpose
Fields)
フィールドまたは列に入力されたデー
タを、テーブルまたはフィーチャクラ
スの行にシフトします。
一般ツールセッ
ト
同一値を持つレコードの削除(Delete
Identical)
同一値を持つレ
コードの検出
(Find
Identical)
フィールドの一覧内で同一値を持つ、
フィーチャクラスまたはテーブルのレ
コードを報告し、同一値を持つこれら
のレコードを示すテーブルを生成しま
す。「Shape」フィールドが選択され
ている場合は、フィーチャ ジオメトリ
が照合されます。
レコードの並べ
替え(Sort)
このツールは、フィールドの値に基づ
いて、フィーチャクラスまたはテーブ
ルのレコードを昇順または降順で並べ
替えます。並べ替えの結果は、新しい
データセットにコピーされます。
ジェネラライズ
ツールセット
ポリゴンのパートを削除(Eliminate
Polygon Part)
指定したサイズのパーツやホールを削除して、入
力ポリゴンからのフィーチャを含む新しい出力フ
ィーチャクラスを作成します。
グラフ ツール
セット(新規)
グラフの作成(Make Graph)
グラフ テンプレートまたは既存のグラフを使用
して、グラフをビジュアルな出力として作成しま
す。
グラフの保存
(Save
Graph)
グラフを画像ファイル、ベクタ ファイ
ルまたはグラフ ファイルに保存しま
す。
レイヤとテーブ
ル ビュー ツー
ルセット
モザイク レイヤの作成(Make Mosaic
Layer)
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
別のフィールドに格納されている値に基づいて、
フィーチャの終了時間を計算します。
フィールドの一覧内で同一値を持つ、フィーチャ
クラスまたはテーブルのレコードを削除します。
「Shape」フィールドが選択されている場合は、
フィーチャ ジオメトリが照合されます。
モザイク データセットまたはレイヤ ファイルか
らテンポラリ モザイクレイヤを作成します。ツ
ールで作成されたレイヤは一時的であり、レイヤ
をディスクに保存するか、またはマップ ドキュ
メントを保存しておかない限り、セッション後に
削除されます。
126
ArcGIS 10 の新機能
パッケージ ツ
ールセット(新
規)
レイヤ コンテンツの統合(Consolidate
Layer)
マップ コンテ
ンツの統合
(Consolidate
Map)
マップ ドキュメントおよびすべての参
照先データ ソースを、指定した出力フ
ォルダに統合します。
パッケージの抽
出(Extract
Package)
レイヤ パッケージまたはマップ パッケ
ージのコンテンツを指定のフォルダに
抽出します。出力フォルダのコンテン
ツは、入力パッケージのコンテンツで
更新されます。
レイヤのパッケ
ージ化
(Package
Layer)
1 つまたは複数のレイヤおよびすべて
の参照先データ ソースをパッケージ化
し、単一の圧縮 *.lpk ファイルを作
成します。
マップのパッケ
ージ化
(Package
Map)
マップ ド キュメントおよびすべての参
照先データ ソースをパッケージ化し、
単一の圧縮 *.mpk ファイルを作成し
ます。
パッケージの共
有(Share
Package)
レイヤ パッケージまたはマップ パッケ
ージを ArcGIS Online に公開すること
によって共有します。
投影変換と座標
変換ツールセッ
ト
座標表記の変換(Convert Coordinate
Notation)
ポイントの座標フィールドを含むテーブルをポイ
ント フィーチャクラスへ変換します。入力テー
ブルの座標フィールドは GARS、UTM、MGRS
などの各種表記法の形式になります。出力のポイ
ント フィーチャクラスにも、選択した座標表記
でポイントの座標フィールドが格納されます。
ラスタ\モザイ
ク データセッ
ト ツールセッ
ト(新規)
モザイク データセットへのラスタの追
加(Add Rasters To Mosaic Dataset)
ファイル、フォルダ、ラスタ カタログ、テーブ
ル、または Web サービスなど多数のソースから
モザイク データセットにラスタ データセットを
追加します。
境界線の構築
(Build
Boundary)
モザイク データセットの境界線ポリゴ
ンを作成します。デフォルトでは、す
べてのフットプリント ポリゴンを境界
線でマージし、有効なピクセルの範囲
を表現する 1 つの境界線を作成しま
す。
フットプリント
の構築(Build
Footprints)
モザイク データセット内の各ラスタ デ
ータセットのフットプリントを計算し
ます。
概観図を構築
(Build
Overviews)
モザイク データセットの概観図を定義
して作成します。
シームラインの
構築(Build
Seamlines)
モザイク データセットのシームライン
を自動的に作成します。
セル サイズ範
囲の計算
(Calculate
Cell Size
Ranges)
モザイク データセット内のラスタにつ
いて最小および最大のセル サイズを計
算します。
モザイク デー
タセットのカラ
ー調整(Color
Balance
Mosaic
Dataset)
モザイク データセットのカラー調整を
実行して、タイルの継ぎ目を見えない
ようにします。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
すべてのデータおよび参照先データ ソースをコ
ピーすることにより、1 つまたは複数のレイヤを
1 つのフォルダに統合します。
127
ArcGIS 10 の新機能
ダーティ エリ
アの計算
(Compute
Dirty Area)
指定した時点から変更されているモザ
イク データセット内の領域を特定しま
す。
モザイク デー
タセットの作成
(Create
Mosaic
Dataset)
ジオデータベースに空のモザイク デー
タセットを作成します。
参照によるモザ
イク データセ
ットの作成
(Create
Referenced
Mosaic
Dataset)
既存のラスタ カタログ、ラスタ カタロ
グからの選択セット、またはモザイク
データセットから新規のモザイク デー
タセットを作成します。
モザイク デー
タセットの
NoData の定義
(Define
Mosaic Dataset
NoData)
モザイク データセットに対して 1 つ以
上の NoData 値を指定できます。
除外エリアの生
成(Generate
Exclude Area)
カラー マスクまたはヒストグラムのパ
ーセント値に基づいて除外エリアを設
定できます。次に、このツールの出力
を [モザイク データセットのカラー調
整(Color Balance Mosaic Dataset)]
ツールで使用できます。
モザイク デー
タセット ジオ
メトリのインポ
ート(Import
Mosaic Dataset
Geometry)
モザイク データセット内のフットプリ
ント、境界、またはシームラインがポ
リゴン フィーチャクラス内のものと整
合するように、フィーチャ ジオメトリ
を変更します。
モザイク デー
タセットからラ
スタを削除
(Remove
Rasters From
Mosaic
Dataset)
モザイク データセットからラスタを削
除します。
モザイク デー
タセットの同期
(Synchronize
Mosaic
Dataset)
ラスタ アイテムを再構築し、初回追加
時に使用されたラスタ タイプとオプシ
ョンを使って、モザイク データセット
内の影響を受けるフィールドを更新し
ます。
ラスタ\ラスタ
プロセシング
ツールセット
(新規)
ラスタ → DTED(Raster To DTED)
ラスタの分割
(Split
Raster)
入力ラスタ データセットからタイル出
力を作成します。
ラスタ\ラスタ
プロパティ ツ
ールセット(新
規)
ピラミッドと統計情報の構築(Build
Pyramids And Statistics)
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
DTED タイリング構造に基づいて、ラスタ デー
タセットをファイルに分割します。
フォルダ構造を横断して、その中に含まれるすべ
てのラスタ データセットのピラミッドを構築
し、統計情報を計算します。ラスタ カタログや
モザイク データセットに含まれるすべてのアイ
テムのピラミッド構築および統計情報の計算にも
使用することができます。
128
ArcGIS 10 の新機能
バージョン ツ
ールセット
バージョンの変更(Change Version)
入力フィーチャ レイヤまたはテーブル ビューが
接続しているバージョンを変更します。このツー
ルでは、入力されたレイヤまたはテーブル ビュ
ーのバージョンだけが変更されます。他のレイヤ
やテーブル ビューは影響を受けません。フィー
チャクラスまたはテーブルを使用しているときに
接続しているバージョンに、このツールが影響を
与えることはありません。
ワークスペース
ツールセット
ArcSDE 接続ファイルの作成(Create
ArcSDE Connection File)
ArcSDE ジオデータベースへの接続で使用する
ArcSDE 接続ファイルを作成します。
編集ツールボックス(新規)
この新しいツールボックスには、一括編集とデータ クリーンナップに使用する 7 つの新しいジオプロセシ
ング ツールが含まれています。
新規ツール
ツール
説明
頂点の挿入
(Densify)
ライン フィーチャまたはポリゴン フィーチャに沿って頂点を挿入します。円弧線分(ベジ
ェ、円弧、楕円弧)も頂点が密集した線分に置き換えられます。
ポイントの消
去(Erase
Point)
操作のタイプ
操作のタイプに応じて、[削除フィーチャ
削除フィーチャ] で指定されたフィーチャの内側または外側にある
ポイントを入力から削除します。
ラインの延長
(Extend
Line)
このツールは、指定した距離内で最初に交差するフィーチャまでセグメントを延長します。
指定した距離内に交差するフィーチャがない場合は、セグメントが延長されません。このツ
ールは品質管理タスクを目的としています。たとえば、適切なスナップ環境が設定されてい
ない状態でフィーチャをデジタイズした場合、このツールを使用してトポロジ エラーを修正
します。
ラインの方向
を反転(Flip
Line)
ライン フィーチャの「始点-終点」方向を逆にします。
頂点の間引き
(Generalize)
指定した最大許容オフセットに基づき、Douglas-Peucker 単純化アルゴリズムを使用して入
力フィーチャを単純化します。出力フィーチャには、元の入力頂点のサブセットが含まれま
す。
スナップ
(Snap)
ポイントまたは頂点を、他のフィーチャの頂点、エッジ、または端点の位置と正確に一致す
るように移動します。スナップ ルールを指定すれば、入力頂点のスナップ先(指定した距離
範囲で最も近くにある頂点、エッジ、または端点)を制御できます。
ラインの切詰
め(Trim
Line)
ラインの交点からの長さが指定した長さより短いセグメント(ダングル)を削除します。片
方または両方の端点が別のラインと接していないラインの、交点からの長さが指定した長さ
より短いセグメント(ダングル)だけが削除されます。
ジオコーディング ツールボックス
新規ツール
ツール
説明
コンポジット住所ロケータの
作成(Create Composite
Address Locator)
コンポジット住所ロケータを作成します。コンポジット住所ロケータは 2 つ以
上の別々の住所ロケータから構成され、複数の住所ロケータに対して住所を照
合することができます。
リバース ジオコード
(Reverse Geocode)
フィーチャクラスのポイント位置から住所を生成します。リバース ジオコー
ディング処理により、指定した検索距離に基づいて、ポイント位置に最も近い
住所または交差点を検索します。
リニア リファレンス ツールボックス
機能強化されたツール
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
129
ArcGIS 10 の新機能
ツール
説明
ルートに沿ってフィーチャを配置
(Locate Features Along Routes)
オフセット距離が M 方向とデジタイズ方向のどちらに基づくかを
指定するパラメータが新たに追加されました。
パーセル ファブリック ツールボックス(新規)
新規ツール
ツールセット
ツール
説明
データ移行ツ
ールセット
トポロジをパーセル ファ
ブリックへ読み込み
(Load a Topology to a
Parcel Fabric)
トポロジに属するポリゴン フィーチャとライン フィーチャをタ
ーゲット パーセル ファブリックに読み込みます。
レイヤとテー
ブル ビュー
ツールセット
パーセル ファブリック
レイヤの作成(Make
Parcel Fabric Layer)
入力されるパーセル ファブリックから、パーセル ファブリック
レイヤを作成します。ツールで作成されるパーセル ファブリック
レイヤは一時的なものであり、ドキュメントを保存しない限り、
セッション終了後は保持されません。このツールは、ジオプロセ
シング モデルにパーセル ファブリック サブレイヤを追加すると
きに必要になります。
パーセル フ
ァブリック
テーブル ビ
ューの作成
(Make
Parcel Fabric
Table View)
[レイヤとテーブル ビュ
ー] ツールセットでは、
パーセル ファブリック
レイヤ、レイヤ ファイ
ル、テーブル ビューを作
成および操作します。
パーセル フ
ァブリック管
理ツールセッ
ト
パーセル ファブリックの
アップグレード
(Upgrade Parcel
Fabric)
既存のパーセル ファブリックを ArcGIS の最新バージョンにアッ
プグレードします。既存のパーセル ファブリックがアップグレー
ドされ、ArcGIS の最新のバージョンで利用可能なパーセル編集
機能を利用できるようになります。
サーバ ツールボックス
機能強化されたツール
ツールセット
キャッシュ
ツールセッ
ト
ツール
マップ サーバ キャッシュの作成
(Create Map Server Cache)
説明
タイルを圧縮形式と展開形式のどちらに保存するかを制
御するパラメータが新たに追加されました。
新規ツール
ツールセット
ツール
キャッシュ
ツールセット
マップ サービス キャッシュの格納形式を変換
(Convert Map Server Cache Storage Format)
マップ サー
ビス キャッ
シュのエクス
ポート
(Export
Map Server
Cache)
タイルをマップ キャッシュからディスク上のフ
ォルダにエクスポートします。タイルは、他の
キャッシュにインポートするか、または親のサ
ービスから独立したラスタ データセットとして
ArcGIS Desktop からアクセスすることができ
ます。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
説明
マップ サービス キャッシュのストレージ
をエクスプロード形式(10.0 より前の形
式)とコンパクト形式の間で変換します。
このツールでは、変換後の形式が「変換前
と同じ場所に配置」されるので、既存の形
式のコピーは作成されません。代わりに、
同じキャッシュ フォルダに新しい形式のキ
ャッシュが作成され、古い形式は削除され
ます。
130
ArcGIS 10 の新機能
マップ サー
ビス キャッ
シュのインポ
ート(Import
Map Server
Cache)
タイルをディスク上のフォルダからマップ キャ
ッシュにインポートします。ソース フォルダと
して、登録済みサーバ キャッシュ ディレクト
リの子を指定することも、あるいは以前にタイ
ルをエクスポートしておいた他のフォルダを指
定することもできます。ターゲット マップ サ
ービスは、タイル スキーマおよび格納形式がマ
ップ キャッシュと一致している必要がありま
す。
データの抽出
ツールセット
データの抽出(Extract Data)
データの抽出
と電子メール
送信タスク
(Extract
Data and
Email Task)
指定したレイヤ内および対象エリア内のデータ
を、選択した形式および空間参照に抽出しま
す。さらに、そのデータを圧縮して、指定した
アドレスに電子メールを送信します。このツー
ルを使用して、[データの抽出] ジオプロセシン
グ サービスを作成することができます。
データの抽出
タスク
(Extract
Data Task)
指定した対象エリア内で選択したレイヤを、選
択したフォーマットおよび空間参照に抽出しま
す。さらに、すべてのデータは Zip ファイル内
に書き込まれます。
Zip ファイル
を添付して電
子メールを送
信(Send
Email With
Zip File
Attachment)
SMTP 電子メール サーバを使用して、電子メー
ル アドレスあてにファイルをメール送信しま
す。
指定した対象エリア内で選択したレイヤ
を、特定の形式および空間参照に抽出しま
す。その後、抽出されたデータは Zip ファ
イルに書き込まれます。
空間統計ツールボックス
機能強化されたツール
ツールセット
ツール
パターン分析ツー
ルセット
平均最近隣距離分析(Average Nearest Neighbor)
Ripley の K 関数
法(MultiDistance Spatial
Cluster
Analysis(Ripleys
K Function))
オプションのグラフィック表示として、グラフの設定変更
をユーザが完全に制御可能なライン グラフ ファイルが追加
されました。このグラフ ファイルは、グラフを右クリック
して [保存] オプションを選択することでファイルが保存さ
れるまでの一時ファイルです。
平均最近隣距離分
析(Average
Nearest
Neighbor)
[出力結果をグラフィックスで表示
出力結果をグラフィックスで表示] パラメータは、グラフ
ィックス出力用の新しい HTML 形式が反映された [レポー
レポー
トの生成
トの生成] に変わりました。HTML ファイルは自動的に表示
されません。結果ウィンドウで HTML エントリをダブルク
リックすると、デフォルトのインターネット ブラウザで
HTML ファイルが開きます。結果ウィンドウで メッセージ
エントリを右クリックして [表示
表示] を選択すると、[メッセー
メッセー
ジ] ダイアログ ボックス
ボックスに結果が表示されます。これらの
変更によって、解析結果をレポートにより簡単に取り込む
ことが可能になりました。
説明
導き出された出力変数に、
平均最短距離の観測値
NNObserved と予測値
NNExpected の両方が含ま
れるようになりました。
高/低クラスタ分
析(High/Low
Clustering(GetisOrd General
G))
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
131
ArcGIS 10 の新機能
空間的自己相関分
析(Spatial
Autocorrelation)
空間関係のモデリ
ング ツールセッ
ト
最小二乗法(Ordinary Least Squares)
サマリ レポートと診断
が結果ウィンドウに書き込
まれます。[メッセージ
メッセージ] エ
ントリを右クリックして
[表示
表示] を選択すると、[メ
メ
ッセージ
ッセージ] ダイアログ ボッ
クス
クスに結果が表示されま
す。結果をコピーしてその
他のテキスト ドキュメン
トに貼り付けることもでき
ます。
近接フィーチャへの距離を計算(Calculate Distance Band
from Neighbor Count)
ツールの結果が結果ウィン
ドウに書き込まれま
す。[メッセージ
メッセージ] エントリ
を右クリックして [表示
表示]
を選択すると、[メッセー
メッセー
ジ] ダイアログ ボックス
ボックスに
結果が表示されます。
地理空間加重回帰
分析
(Geographically
Weighted
Regression)
ユーティリティ
ツールセット
新規ツール
ツールセット
地理的分布特性の算
出ツールセット
ツール
地理的中間地点の算出
(Median Center)
説明
データセット内のフィーチャまでの全体のユークリッド距
離が最小になる位置を特定します。
関連項目
ArcGIS 3D Analyst の新機能
ArcGIS Geostatistical Analyst の新機能
ArcGIS Schematics の新機能
ArcGIS Spatial Analyst の新機能
ArcGIS Tracking Analyst の新機能
ArcScan for ArcGIS の新機能
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
132
ArcGIS 10 の新機能
ArcGIS 10 の ModelBuilder の新機能
ModelBuilder では、多くの機能が強化されています。
•
ModelBuilder ツールバーとメニューが更新されました。
•
元に戻す、およびやり直しがサポートされるようになりました。
•
モデル エレメントにツールチップが表示されるようになりました。モデル エレメントの上にマウス
カーソルを配置すると、パラメータ値が表示されるようになりました。
•
ModelBuilder 用に特に設計された新しいツールが 2 つあります。これらのツールは、反復とモデル専
用ツールという 2 つの基本カテゴリに分類されます。これらのツールの詳細については、この後の 2
つのセクションをご参照ください。
•
エレメント間のデフォルトの間隔が 30 から 15 に変更されました。
反復
•
モデル内の反復や繰り返し実行するタスクで使用するために、新しく 12 の反復処理が追加されま
した。これらのうち 10 の反復処理は、ジオプロセシング ツールとして実装されます。
•
反復処理は、バージョン 10 より前の ArcGIS で提供されていた [モデル プロパティ] 内の一連のオ
プションに置き換わるものです。
•
モデル内で反復処理を使用すると、9.3 の [モデル プロパティ] で設定された反復オプションは無効
になり、デフォルト値 -1 が設定されます。これは、モデルが無限回反復されるか、(設定された回
数ではなく)反復処理への入力の数だけ反復されることを意味します。
•
反復処理を含むモデルを Python スクリプトにエクスポートすると、スクリプトには反復ロジック
が含まれなくなります。
新しい反復処理は次のとおりです。
• For では、指定された値の回数だけ、開始値と終了値が反復されます。これは、スクリプト/プログ
ラム言語で使用される For と同じ機能を果たし、指定されたアイテム数だけ実行されます。
•
While は、スクリプト/プログラム言語で使用される While と同じ機能を果たし、条件が True であ
る間実行されます。
•
フィーチャ選択の反復 ツールは、フィーチャクラス内のフィーチャに対して反復します。
•
行選択の反復 ツールは、テーブル内の行に対して反復します。
•
フィールド値の反復 ツールは、フィールド内の各値に対して反復します。
•
複数値の反復 ツールは、入力値のリストを取得して、各値に対してモデルを実行します。
•
データセットの反復 ツールは、ワークスペースまたはフィーチャ データセット内のデータセット
に対して反復します。
•
フィーチャクラスの反復 ツールは、ワークスペースまたはフィーチャ データセット内のフィーチ
ャクラスに対して反復します。
•
ファイルの反復 ツールは、フォルダ内のファイルを反復します。
•
ラスタの反復 ツールは、ワークスペースまたはラスタ カタログ内のラスタに対して反復します。
•
テーブルの反復 ツールは、ワークスペース内のテーブルに対して反復します。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
133
ArcGIS 10 の新機能
•
ワークスペースの反復 ツールは、フォルダ内のワークスペースに対して反復します。
モデル専用ツール
モデル専用ツールは ModelBuilder 内でのみ機能し、スタンドアロンのツールとしてや、スクリプト内では
機能しません。モデル専用ツールは 7 つあり、このうちの 4 つ([値の収集]、[フィールド値の取得]、[パス
の解析]、[停止])がバージョン 10 で追加されたものです。
•
[値の計算
値の計算] では、ユーザ指定の Python 式に基づいて、ツールのダイアログ ボックスに値が返され
ます。
•
[値の収集
値の収集] は、反復の出力値を収集するために設計されました。モデルを反復していない場合、[値
の収集] は、ツールの入力として 1 つの出力を使用しても意味がないケース(マージ、アペンド、
モザイク、インターセクト、ユニオンなど)で、リストを複数値に変換するために使用できます。
•
[フィールド値の取得
フィールド値の取得] では、入力からフィールド値を取得します。このツールは [フィールド値の
反復処理] と異なり、1 つのフィールドから 1 つの値のみを取得するか、多数のレコードのあるテ
ーブルのフィールドから最初の値を取得します。
•
[ブランチのマージ
ブランチのマージ] では、複数の論理分岐を 1 つの出力にマージします。
•
[パスの解析
パスの解析] では、入力値をファイル、パス、名前、または拡張子に解析します。出力値は、その
他のツールの出力名で行内変数として使用できる場合があります。
•
[データの選択
データの選択] では、親データ エレメントからエレメントを選択します。[データの選択] ツール
は、フォルダ、ジオデータベース、フィーチャ データセット、またはカバレッジを出力するツール
と一緒に使用されます。[データの選択] ツールでは、フィーチャクラスやテーブルなど、内部に格
納されたデータにアクセスできます。
•
[停止
停止] ツールは、入力値が True または False に設定されている場合に、モデルを反復ループから
モデルを出して終了させます。これは While 反復処理によく似た機能ですが、モデル内に While 反
復処理やその他の反復処理を追加できない場合に、モデルを停止させるのに役立ちます。
[保存
保存] ダイアログ ボックスに追加された、新しいツールボックスの作成ボタン
[ModelBuilder] ボタンを使用して作成された新しいモデル用に、[保存] ダイアログ ボックスに、新しいツー
ルボックスを作成するボタンが追加されています。
削除された機能
ArcGIS 10 では、モデルを JavaScript および VBScript にエクスポートする機能が削除されています。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
134
ArcGIS 10 の新機能
ArcGIS Server 10 の新機能
ArcGIS Server 10 では、パフォーマンス、データ アクセス、編集、検索、マップ キャッシュ管理、その他の
多くの機能が向上しています。ここでは、特に強化された機能の説明と、詳細情報へのリンクを示します。
一般
このセクションでは、ArcGIS Server バージョン 10 における一般的な変更点と改善点を一覧します。
データの抽出ツール
[サーバ] ツールボックスは、[データの抽出] ツールセットによって拡張されました。これらのツールを使
用すると、対話型データのダウンロードを公開できます。これらは主に、ArcGIS Server ジオプロセシン
グ サービスとして公開することを意図しています。これらは、これまでのバージョンの ArcGIS Server
でドキュメントに記載されていた、「クリップ、圧縮、送信」に関するさまざまな例に似ています。一
部のツールは、データを電子メールで受信者に送信することもできます。
SOC プロセスの監視の向上
各サーバ オブジェクト コンテナ(SOC)コンピュータ上で、ArcSOCMon.exe という新しいプロセスが
実行され、SOC プロセスの状態を監視します。この監視の強化によって、予定外のダウンタイムの発生
後に SOM をオンラインに復帰させるときの復旧がすばやくなります。
ログを SOC に分散して負荷軽減
ArcSOCMon プロセスによって、ログ ファイルが各 SOC コンピュータ上で保持されるようになりまし
た。ログを個々の SOC に分散して負荷を軽減することは、SOM がすべてのメッセージを 1 つのログ フ
ァイルに保存していた以前のバージョンよりも、拡張性の高いアプローチです。Manager または
ArcObjects Server API を使用して、すべての SOC コンピュータによって蓄積されたログ メッセージの
年代順のリストを生成できます。
ログ ファイルのクリーンナップのオプション
ログ ファイルに対する新しいプロパティを使用すると、ログ ディレクトリ内に存在できるログの最大数
を指定できます。制限を超えると、サーバが最も古いログを削除します。これにより、ログ ディレクト
リが大きくなりすぎることを防ぐことができます。
無効なデータ接続のチェック
オプションで、サービスがアイドル状態のときに、無効な接続がないかサービスを定期的にチェックす
るように構成できるようになりました。これらのチェックを構成すると、サービスがアイドル状態のと
きに ArcSDE への接続が不良であると検出された場合、サーバはこの問題を即座に修復します。これに
より、データベースへの接続が夜間などのダウンタイム期間に中断された場合に、サービスが応答しな
い事態がなくなります。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
135
ArcGIS 10 の新機能
改善されたヘルプ検索
ヘルプの [検索] タブにランキング ロジックが使用され、最も関連性の高いトピックが結果の一番上に表
示されるようになりました。
サービス
このセクションでは、ArcGIS Server 10 で利用できる新しいサービスと、既存のサービスの一部の変更点
を一覧します。
追加されたフィーチャ サービス
ArcGIS Server 10 ではフィーチャ サービスが導入され、ベクタ フィーチャ ジオメトリと属性へのアクセ
スが可能になります。フィーチャ サービスの大きな利点は、JavaScript、Flex、および Silverlight アプリ
ケーションを使用してフィーチャの編集ができることです。フィーチャ サービスはマップ ドキュメント
から公開され、ソース データセットが単一の ArcSDE ジオデータベース内に存在する必要があります。
追加された検索サービス
検索サービスでは、企業全体の GIS コンテンツとフォルダをインデックス付けして、ユーザが簡単に見
つけられるようにすることができます。さらに、イントラネット クライアントが ArcGIS Desktop の更
新された検索インタフェースを使用してユーザの検索サービスに接続し、有用なコンテンツを見つける
ことができます。各クライアントは、その検索結果を各自のマップにドラッグできます。
検索サービスは、データが膨大な量であったり、多数のフォルダやジオデータベースに分散しているた
めに、データの参照が厄介なシナリオに最も役立ちます。
Web 編集が強化されたジオメトリ サービス
ジオメトリ サービスは、ジオグラフィック フィーチャの編集に役立つ新しい方法を数多く公開していま
す。これらは、Web 編集シナリオで特に便利です。このため、Web API に公開されている一部の編集ウ
ィジェットは、ジオメトリ サービスへの参照が必要です。新しい操作としては、次のものがあります。
•
自動完成ポリゴン
•
凸包
•
切り取り
•
頂点の挿入(9.3.1 の REST では利用できませんでした)
•
差異
•
距離
•
ジェネラライズ
•
インターセクト
•
オフセット
•
形状変更
•
切詰め/延長
•
ユニオン(Union)
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
136
ArcGIS 10 の新機能
MSD ベースのサービスによる Maplex、カートグラフィック
、カートグラフィック リプレゼンテーション、およ
び新しいレイヤ タイプのサポート
マップ サービス定義(MSD)は 1 つのファイル タイプで、これを使用すると、ArcGIS Server によって
高速に描画できるマップを公開できます。MSD は、リリースごとに拡張している ArcGIS マッピング フ
ィーチャのサブセットをサポートします。ArcGIS 10 は、MSD ベースのサービスにおいて、カートグラ
フィック リプレゼンテーションと Maplex ラベル エンジンのサポートを追加しています。
これらのフィーチャは元々計算負荷が高いため、MSD ベースのサービスを使用してマップ キャッシュ
タイルを作成する場合に限り推奨されます。ただし、カートグラフィック リプレゼンテーションや
Maplex をうまく利用すると、効果的で視覚的に美しいマップ キャッシュを作成できます。
ArcGIS 10 では、MSD ベースのサービスを通じて、クエリ レイヤ、パーセル ファブリック レイヤ、モ
ザイク レイヤなど、新しいさまざまなマップ レイヤ タイプを利用できます。スタンドアロン テーブル
にも MSD ベースのサービスを介してアクセスできます。
マップ サービスが時間対応のレイヤをサポート
ArcGIS では、時間の経過に伴うデータセットの状態に関する情報を格納した、時間対応のレイヤを提供
しています。ArcMap を使用して、多くのレイヤを時間対応にすることができます。マップを ArcGIS
Server に公開したときに、時間に対応する情報は維持され、マップ サービスを通してアクセスできま
す。この情報を使用して、マップの表示を変更したり、一時的なクエリを実行することができます。
マップ サービスによるフィーチャのアタッチメントの公開
ArcGIS 10 では、フィーチャのアタッチメントが導入されました。これは、ファイルをアップロードし
て、マップ内の特定のジオグラフィック フィーチャと関連付ける方法です。アタッチメントの例として
は、フィーチャの補足情報を持つ TXT、PDF、画像ファイルなどが挙げられます。マップをサービスと
して公開すると、クライアントはアタッチメントを表示およびダウンロードできます。
また、マップ サービスでフィーチャ アクセス機能を有効にした場合は、クライアントがアタッチメント
をアップロードおよび削除することもできます。
マップ サービスによるシンボル情報の公開
マップ サービスには、マップ内のベクタ フィーチャの描画のために使用するレンダリングとシンボルに
関する情報も含まれるようになりました。この情報は、ArcGIS APIs for JavaScript、Flex、または
Silverlight で構築した Web クライアント内のレイヤを表示する場合に、特に便利です。グラフィックス
に独自のシンボルを作成しなくても、クライアント側のグラフィックスにマップ サービスから取得した
シンボルを割り当てることができます。
マップ サービスによるサブタイプとドメインの公開
マップ サービスを操作するときにデータの整合性を維持することは、サブタイプとドメインのサポート
が追加されたことで、さらに簡単になりました。サブタイプとドメインによってデータを整理する方法
が提供され、属性の整合性を維持しながら、編集などの特定の操作をさらに効率的に実行できるように
なります。たとえば、国の土地利用基盤データベースで Web 編集セッションを実行している場合、必要
なサブタイプ(都市など)を選択し、住宅地、商業、工業などの適切なドメインを選択できます。ドメ
インの説明である「Residential」がコード値 R の代わりに表示されます。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
137
ArcGIS 10 の新機能
サブタイプの概要
属性ドメインの概要
マップ サービスによるリレートおよびスタンドアロン テーブルの公開
マップ サービスは、リレートおよびスタンドアロン テーブルに関する情報を公開できるようになりまし
た。リレートでは、2 つのテーブル間の関係のみが定義され、関連付けられたデータはそれぞれのテーブ
ルに付加されません。多くの場合、リレートによってスタンドアロン テーブルが示されます。スタンド
アロン テーブルにはジオメトリはありませんが、通常これには重要な属性情報が含まれています。たと
えば、都市区画と区画所有者のスタンドアロン テーブル間のリレートを含んでいるマップ サービスを公
開した場合、検索、クエリ、個別属性表示タスクを実行することで、区画の所有者とロケーションを表
示できます。
サポートされているスタンドアロン テーブル タイプの完全なリストについては、ヘルプの「MSD ベー
スのマップ サービスでサポートされる機能」トピックのデータ タイプのセクションをご参照ください。
マップ サービスによるラスタ フィールドの検索のサポート
マップ サービスは、ラスタ フィールドの検索をサポートするようになりました。たとえば、市の街灯の
ベクタ データセットを所有しているとします。このデータセットで、ラスタ フィールドを作成して、各
街灯のピクチャを格納しています。マップ サービスの QueryRasterValue という新しいメソッドを使用
すると、このピクチャを取得して、クライアントに表示することができます。
最大レコード数のプロパティが増加し、
最大レコード数のプロパティが増加し、ArcCatalog と Manager に公開された
ArcGIS Server で、1 つのサービスがクエリに応答して返すことのできるデフォルトのレコード数が、
1,000 まで増やされました。これまでは、この数を変更する方法は、サービスの構成ファイルを手動で編
集する方法のみでした。今回は、このプロパティが ArcCatalog および Manager のサービス プロパティ
に公開されています。
モザイク データセットのサポート
モザイク データセットは、イメージ サービス、グローブ サービス、またはマップ サービスとして使用
できる新しいデータセットです。モザイク データセットから生成したイメージ サービスにクエリを実行
し、操作するための機能も用意されています。
イメージ サービス レイヤの検索
イメージ サービス内の各ラスタ データセットのプレビュー
選択したラスタ データセットをイメージ サービスからダウンロード
機能強化されたイメージ サービス パラメータ
イメージ サービスのプロパティ ページで、より多くのデフォルト サービス パラメータを指定できるよ
うになりました。たとえば、ユーザが要求できるデータ量、要求可能な情報の種類、使用できるモザイ
クと圧縮方法などを指定できます。
•
リクエストあたりの最大イメージ サイズ
•
モザイクあたりの最大ラスタ数
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
138
ArcGIS 10 の新機能
•
デフォルトのリサンプリング方法
•
許可される圧縮方法
•
許可されるモザイク手法
•
1 回のリクエストで返される最大レコード数
•
メタデータ レベル
•
許可されたフィールド
•
リクエストあたりの最大ダウンロード数
イメージ サービスに対して新たにサポートされる操作
イメージ サービスは拡張されて、より多くの操作が可能になりました。[イメージのエクスポート] では
モザイクの規則とプロパティを指定できます。さらに、クエリ、個別属性表示、ダウンロードも追加さ
れています。
ネットワーク解析サービスによる 3 つの新しい解析の公開
SOAP API、Web ADF、および ArcObjects API により、次の 3 つの新しいネットワーク解析ソルバが公
開されます。
•
OD コスト マトリックス解析
•
配車ルート(VRP)解析
•
ロケーション-アロケーション解析
ジオコード サービスによる 1 行形式の住所のサポート
ArcGIS ジオコーディングでは、「300 peachtree st nw atlanta ga」のように、住所を 1 行の文字列で入
力できるようになりました。この拡張は、REST API を含むジオコード サービスを通して公開されま
す。
OGC サービスのその他の拡張
ArcGIS Server 10 で拡張された Open Geospatial Consortium(OGC)サービス(WMS、WFS、WCS)
のサポート内容は、以下のとおりです。
•
WMS GetFeatureInfo リクエストから返された情報に特定のスタイル テンプレートを適用できま
す。
•
公開者がより多くの CRS 情報をサービス構成 ファイルに追加できるようになりました。この情
報は、サーバに読み取られ、「ケーパビリティ」応答の一部として表示されます。
•
名前文字列を使用して、WMS レイヤが参照できるようになりました。この文字列は、マップの
コンテンツ ウィンドウ内で使用されているレイヤ名と一致する必要があります。これまでは、
ArcGIS Server によって公開された WMS サービスのレイヤには、コンテンツ ウィンドウ内のレ
イヤの位置を表す 0 から始まる整数を使用してアクセスしていました。
•
WMS GetMap リクエストでスタイルを指定できるようになりました。これにより、SLD 情報を
SLD ファイルに保持するのではなく、「動的に」送信できるようになりました。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
139
ArcGIS 10 の新機能
•
イメージ サービスがモザイク データセットに基づいている場合、WCS/WMS を使用して個々の
画像にアクセスできるようになりました。ArcGIS を使用して、ベース WMS の URL に個々の画
像の /RasterID を追加した URL を入力すると、その画像だけの WMS/WCS サービスを取得でき
ます。これにより、大きなカタログ内にある画像に個別にアクセスできるようになりました。こ
れによる大きな利点は、画像のカタログが各画像の個別の URL を返すことができることです。
これには、多くの用途があります。たとえば、衛星画像のサービスにおいて、1 つの画像だけの
WMS/WCS が欲しい場合などがあります。
•
WFS サービスが、ソース MXD からのエイリアス、フィルタ設定、およびフィールド表示設定を
適用できるようになりました。
•
ラスタ シンボライザで SLD がサポートされるようになりました。
マップ キャッシュ
このセクションでは、マップ キャッシュに対する改善点を一覧します。マップ キャッシュとは、Web マッ
プを高速表示するために、タイル分割されたマップ イメージの大きな塊を事前に生成するプロセスのこと
です。
コンパクト キャッシュの格納形式
各タイルを別々のファイルとして格納するのではなく、複数のタイルを大きなバンドル ファイルにグル
ープ化する、コンパクト キャッシュ形式を使用できるようになりました。コンパクト キャッシュは、少
数の全体ファイルで構成されているので、従来のエクスプロードされたキャッシュよりもディスク上の
使用領域が少なくてすみます。コンパクト キャッシュは、コンピュータ間でよりすばやく移動できるの
で、ステージング環境と実際の稼働環境の間でキャッシュをコピーするときに役立ちます。
混合モード キャッシュ
混合モード キャッシュでは、1 つのキャッシュ内でさまざまなイメージ形式のタイルを使用できます。
これは、ラスタ キャッシュを別のラスタ キャッシュの上に表示する場合に役立ちます。キャッシュの中
央部のタイルには JPEG を使用して相対ファイル サイズを低く抑え、キャッシュの周辺部のタイルを透
明にする必要のある部分には PNG32 を使用することができます。
キャッシュのラスタ データセットとしての使用
[データの追加
データの追加] ボタンを使用して、キャッシュをラスタ データセットとして ArcMap または ArcGlobe に
直接追加することができます。ディスク上のキャッシュ ディレクトリの位置を選択して、他のデータセ
ットと同じように、キャッシュを追加します。このオプションによって、親のマップ サービスに対する
キャッシュの依存性が削除されます。
共同作業可能なキャッシュ構築ツールの追加
キャッシュ タイルとキャッシュ ディレクトリとの間のインポート/エクスポート用ツールが新たに追加さ
れました。 これにより、同じタイル スキーマを使用している組織や部門のネットワーク間でのキャッシ
ュの共同構築が容易になりました。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
140
ArcGIS 10 の新機能
ArcGIS Server の分散環境でのキャッシュの高速化
コンパクト格納形式のマップ キャッシュ上で多くの SOC コンピュータが動作している場合、タイルを
サーバ上のローカル キャッシュ ディレクトリに書き込むという新しいオプションを選択できるようにな
りました。これを使用すると、最初に(コンパクト バンドル形式の)タイルをローカルに書き込んでか
ら、完了時にそのバンドルを共有キャッシュ ディレクトリにコピーすることで、パフォーマンスが向上
します。このアプローチは、全てのコンピュータがタイルを共有キャッシュ ディレクトリに直接書き込
む場合よりも高速です。
デフォルトのタイル サイズの 256 x 256 への変更
デフォルトのタイル サイズが 256 x 256 に変更されました。これは、Google マップや Bing Maps によ
って使用されるタイル サイズに対応するものです。
ArcGIS Explorer および ArcGlobe によるマップ キャッシュの直接描画
ArcGIS Online、Google マップ、または Bing Maps のタイル スキーマで 2D キャッシュを構築すると
き、キャッシュはグローブ キャッシュを使用する場合と比べてより高速に ArcGIS Explorer および
ArcGlobe による 3D モードで直接描画できます。これにより、1 つのキャッシュのみを維持しながら、
2D モードと 3D モードの両方の ArcGIS Explorer ユーザにサービスを公開できます。
REST API
このセクションでは、REST API の主な新機能について説明します。これらの変更点の多くは、ArcGIS
APIs for JavaScript、Flex、および Silverlight からアクセスできます。すべての新機能のリストについて
は、REST API のオンラインの「新機能」ページを参照するか、ArcGIS Services Directory を開いて右上隅
にある [API リファレンス
リファレンス] をクリックしてから、[What's New] をクリックします。
AMF 出力形式のサポート
ArcGIS 10 の REST API は、出力形式として Action Message Format(AMF)をサポートします。AMF
は、Flash クライアントが直接読み取ることのできるバイナリ形式です。AMF を使用すると、クエリや
ジオプロセシングの結果を読み取るパフォーマンスが向上します。
最寄り施設と到達圏のネットワーク解析のサポート
ArcGIS Server のネットワーク解析サービスを使用して、REST を通じて最寄り施設と到達圏の解析を実
行できるようになりました。
REST でのマップ サービスが利用できるサーバ オブジェクト エクステンション
サーバ オブジェクト エクステンションを利用すると、カスタム ArcObjects コードを通してサービスの
基本機能を追加できます。ArcGIS 10 では、REST を通じてサーバ オブジェクト エクステンションの機
能を公開できるようになりました。これは、マップ サービスでのみ利用可能です。サーバ オブジェクト
エクステンションを構築するには、ArcObjects SDK をインストールする必要があります。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
141
ArcGIS 10 の新機能
座標系での WKT のサポート
WKT(Well-known text)は、座標系を指定するための有効な形式としてサポートされるようになりまし
た。これまでは、座標系は、REST API で数値 ID によってのみ指定できました。これからは、特別な形
式のテキスト文字列を使用して座標系を示すことができ、中央子午線や標準緯線のようなカスタマイズ
されたプロパティを許可するようになりました。
REST 管理キャッシュのプログラムでのクリア
ArcGIS Server は、REST API の使用時のパフォーマンスを向上するために、サービス情報のキャッシュ
を保持しています。このキャッシュは、新しいサービスや削除されたサービスなどの変更を検出するた
めに、時々クリアする必要があります。これからは、開発者が REST API を使ってプログラムでキャッ
シュをクリアできるようになりました。これにより、サービスが更新されたら、即座に最新情報に更新
できるようになりました。
Web ADF
このセクションでは、Web ADF(Web Application Developer Framework)における改善点を一覧します。
ここには、Manager によってカスタマイズ可能なデフォルトの Web マッピング アプリケーションに対す
る改善も含まれています。
印刷タスクでの縮尺または範囲の保持
.NET Web ADF の印刷タスクに、ページを印刷するときにマップの縮尺または範囲を保持するかどうか
を選択できるようにするオプションが追加されました。印刷タスクは、印刷用としてより高解像度のマ
ップをリクエストするため、常に縮尺と範囲の両方を保持できるわけではありません。
Amazon EC2 への導入
ArcGIS Server は Amazon Machine Image(AMI)として Esri から入手できます。これにより、ArcGIS
Server を Amazon Elastic Compute Cloud(EC2)に導入できるようになりました。ArcGIS Server をクラ
ウドに導入する際にインストールとポストインストールが実行されるため、セットアップの多くの作業が
不要になります。また、Amazon から入手できるさまざまな仮想コンピュータの仕様から選択して、支払い
は必要なハードウェアだけにすることができます。最後に、クラウド内で動作する場合、需要に応じて導
入のサイズを迅速に変更できます。
SharePoint との統合の強化
ArcGIS Server 10 のリリースに続き、まもなく ArcGIS Mapping for SharePoint のバージョン 2.0 がリリー
スされます。これには、ArcGIS Server のマッピング、ジオコーディング、ジオプロセシングを利用できる
Web パーツが含まれています。バージョン 2.0 はメジャー リリースで、次の機能が導入されます。
•
新しい概観と操作性 - SharePoint 2010 のリボンと統合された新しい概観と操作性により、マップ
表示に利用できる画面領域が大幅に拡大されました。
•
ジオプロセシング - ジオプロセシング サービスを使用して、Map Web パーツ内のレイヤに対して
高度な空間解析を実行できます。
•
ArcGIS.com との統合 - Map Web パーツに新たに追加された Map センターを使用すると、
ArcGIS.com からマップを検索して開いたり、保存したりできます。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
142
ArcGIS 10 の新機能
•
ジオコーディングの拡張 - 新しい住所の特定(Locate Addresses)ワークフローを使用すると、
SharePoint リストに格納された住所を簡単にジオコーディングできます。このワークフローのアー
キテクチャは、リスト アイテムの変更または追加に応じた動的な自動ジオコーディングが可能で
す。また、2.0 では、各リスト アイテムのロケーション フィールドから最適な位置を住所一致候補
から対話的に選択したり、SharePoint タスクを使用して、適地を住所一覧候補から自動生成および
保守し、そのステータスを確認することができます。
•
Web パーツ接続 - 2.0 の Map Web パーツは、SharePoint Web パーツ接続をサポートしています。
つまり、Web パーツを SharePoint のリストに接続して、Web パーツのマップにリストの情報を表
示したり、表示する情報を制御することができます。また、SharePoint の開発者は、この接続イン
フラストラクチャを活用して、マップ データを表示および制御するカスタム コンポーネントを作
成することもできます。
•
テーマの設定 - Map Web パーツでは、テーマの設定ができます。ユーザは、サイトのテーマを使用
してポップアップやダイアログの配色を決定したり、カスタム スキームを定義したりできます。
•
GeoRSS レイヤ - Map Web パーツは、レイヤのデータ ソースとして GeoRSS フィードをサポー
トします。
•
ベースマップ ギャラリー - Map Web パーツのユーザは、背景地図をベースマップ ギャラリーから
選択することで切り替えることができるようになりました。このギャラリーには、デフォルトで
ArcGIS.com および Bing Maps のベースマップが含まれていますが、ArcGIS Server、
ArcGIS.com、Bing Maps から任意の数のベースマップを含めるように構成できます。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
143
ArcGIS 10 の新機能
ArcGIS 3D Analyst 10 の新機能
ArcGIS 3D Analyst Extension には、3 次元(3D)コンテキストで GIS データを作成、視覚化、分析するため
のツールが用意されています。ArcGIS 3D Analyst 10 は、3D 表示パフォーマンス、3D データ管理、3D ベク
タ解析の面で大きく改善されています。
3D Analyst に関する詳細
3D Analyst の概要を参照
表示パフォーマンスの向上
インタラクティブな 3D GIS ソフトウェアにとって、高品質の 3D データ表示と高速レンダリング機能は不
可欠です。ユーザ エクスペリエンスの質は、GIS および CAD データの高速でインタラクティブな 3D 表示
にかかっています。
3D ビジュアライゼーションのユーザ エクスペリエンスを向上させるため、ArcGIS 3D Analyst 10 リリース
では次の機能を提供しています。
• ArcGlobe における 2D マップ キャッシュのレンダリング速度が向上し、コンテンツを共有するた
めに 2D キャッシュと 3D キャッシュの両方を作成する必要性が軽減しました。
•
組み込みの競合検出機能を使用して 3D テキストの表示パフォーマンスが向上し、重複するテキス
トが表示されなくなりました。
ArcGlobe でのアノーテーション フィーチャの表示の詳細
•
自動テクスチャ管理によって、テクスチャ処理されたマルチパッチの表示パフォーマンスが向上し
ました。
•
サーフェスに沿ったベクタ ラインに対する OpenGL ステンシル バッファを使用することで、3D ベ
クタの表示パフォーマンスが向上しました。
ArcGlobe での 3D ライン グラフィックスのデジタイズの詳細
•
ArcGlobe ドキュメント内に格納されているメモリ アロケーション設定が向上しました。これによ
って、*.3dd ファイルの仕様が変更され、それぞれの内部のレイヤに対して適切な量のメモリを消
費できるように各 3D マップを個別に構成できるようになりました。
ArcGlobe と ArcScene の操作の詳細
3D データの作成と管理の拡張点
ArcGlobe と ArcScene の両方の内部で標準の編集環境が利用できるようになり、Z 値に対応する GIS フィ
ーチャを作成して管理できるようになりました。3D での編集によって、次のことが可能になります。
• 編集の開始、編集の停止、編集内容の保存、元へ戻す/やり直し機能の使用、および 3D におけるそ
の他の標準的な編集管理タスクの実行。従来のスナップ環境もサポートされ、平行、垂直、縦方向
に複製、絶対 XYZ などの高精度な作成オプションもサポートされています。
•
個々のフィーチャの作成と削除。ここには、ジオデータベースとシェープファイルでの垂直線の作
成と格納も含まれています。
•
フィーチャ ジオメトリの移動、回転、縮尺、置換機能(フィーチャに対する高レベルのジオメトリ
編集)。ここには、3D ビューの中に新しいマルチパッチ フィーチャとして COLLADA ファイルな
どの 3D モデルを直接配置し、これらを実際の地形上で移動、回転、縮尺させる機能も含まれてい
ます。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
144
ArcGIS 10 の新機能
テレイン データセットの作成や管理を行ったり(特に LIDAR データ ソースの操作時)、ArcMap の [TIN
エディタ] ツールバーを使用して TIN データセットを編集する追加ツールもあります。
解析機能の拡張点
Google Earth や Bing Maps(Virtual Earth)の登場で、高品質の 3D データ表示が主流になってきていま
す。ユーザは地理空間データの 3D 表示を期待しています。しかし、3D GIS ユーザは、単なるビジュアラ
イゼーションの枠を越えた世界へ向かおうとしています。ArcGIS 3D Analyst 10 が大きく重点を置いたの
は、3D ベクタ フィーチャの解析です。
新機能には、次のようなものが含まれます。
• インターセクト 3D(Intersect 3D)、ユニオン 3D(Union 3D)、インサイド 3D(Inside 3D)、ク
ローズド 3D(Is Closed 3D)、ディファレンス 3D(Difference 3D)などの一連の 3D セット演算
子によって、クローズド マルチパッチや 3D フィーチャを使用するジオプロセシング タスクが実行
されます。
3D セット演算子の詳細
•
特に仮想都市ワークフローを対象に 3D ベクタ解析を実行するジオプロセシング ツール(スカイラ
イン(Skyline)およびスカイライン バリア(Skyline Barrier)など)。
•
既存のジオプロセシング ツールの拡張による 3D 操作の向上。たとえば、[空間検索] ダイアログ ボ
ックスで 3D 距離を使用したり、マルチパッチ オブジェクトを [見通し(Line Of Sight)] ツールで
使用することができます。
•
完全な 3D 接続性を備えたネットワーク データセット。
3D ネットワーク データセットの解析の詳細
•
[計測] ツールを使用して 3D 内で対話形式で計測することで、サーフェスに沿った距離、3D オブジ
ェクトの高さ、3D における 2 点間の距離、観測者からの距離(つまり、オブジェクトがどのくら
い遠くにあるのか)を表示します。
3D Analyst ジオプロセシングの拡張点
[3D フィーチャ
フィーチャ] ツールセットの新しいジオプロセシング ツール
ジオプロセ 説明
シング ツー
ル
Z 情報の
追加
各 3D シェープを調べて、選択されたプロパティを属性として入力フィーチャクラスに追加しま
す。出力オプションは、入力シェープ タイプによって異なります。
見通し線
の構築
各観測点および各ターゲット フィーチャの間にラインを作成します。
フィーチ
ャの属性
で 3D に
変換
1 つまたは 2 つの属性に基づいて高さディメンションを追加します。入力フィーチャクラスの各
フィーチャの形状の高さ(Z 値)は、そのフィーチャクラスでユーザが指定した高さフィールド
の値に設定されます。
ディファ
レンス 3D
Difference
3D)
閉じたマルチパッチ フィーチャによって定義された 2 つの立体の交差部分をパッチの交差部分に
基づいて計算します。あるフィーチャクラスの体積全体を別のフィーチャクラスから減算して、
その結果を新しい出力フィーチャクラスに書き出します。
インサイ
ド 3D
各フィーチャがマルチパッチの内側にあるのかどうかテストします。マルチパッチ フィーチャの
内側にある場合、どのフィーチャ内に存在するのかを示す新しいテーブルへのエントリを記述し
ます。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
145
ArcGIS 10 の新機能
インター
セクト 3D
閉じたマルチパッチ フィーチャによって定義された 2 つのボリュームのジオメトリの交差部分
を、それらのパッチのジオメトリの交差部分に基づいて計算します。2 つのレイヤおよびフィー
チャクラスについて、重なり合うフィーチャまたはフィーチャ部分が出力フィーチャクラスに書
き出されます。
3D ライン
をマルチ
パッチで
インター
セクト
入力ラインとマルチパッチ フィーチャのジオメトリの交差部分を計算し、交差ポイント数を返し
ます。(交差)ポイントまたは(交差ポイントで切断される入力ラインから得られる)ライン
(あるいはその両方)が、任意で出力フィーチャクラスに書き込まれます。
クローズ
ド 3D(Is
Closed
3D)
各マルチパッチがボリュームを完全に囲い込んでいる(閉じている)かどうかをテストします。
次に、入力レイヤまたはフィーチャクラス内の各マルチパッチ フィーチャが閉じているかどうか
を示すフラグの格納された新しいフィールドが追加されます。
最近接 3D
検索範囲内で、入力フィーチャの各フィーチャから近接フィーチャの最近接フィーチャまでの距
離を特定します。
スカイラ
イン
地平線シルエット解析の結果を含むラインまたはマルチパッチ フィーチャクラスを生成します。
解析は、観測ポイントからファンクション サーフェスまたは仮想サーフェスより上で行われ、解
析中に検出されたフィーチャも考慮されます。他のツール(特に [スカイライン バリア(Skyline
Barrier)] ツール)と組み合わせて、シャドウ ボリュームなどのフィーチャを作成できます。
スカイラ
イン バリ
ア
スカイライン バリアまたはシャドウ ボリュームを表すマルチパッチ フィーチャクラスを生成し
ます。バリアはある意味ではサーフェスであり、観測ポイントからスカイラインの 1 つ目の頂点
にラインを引き、そこからスカイラインのすべての頂点にラインをスイープすることで作成され
る、三角扇のような外観をしています。側面と底面を追加してクローズド マルチパッチを作成
し、ソリッドとして表示することもできます。このクローズド マルチパッチを作成して、シャド
ウ ボリュームとして使用することができます。入力がスカイライン(ポリライン フィーチャクラ
ス)ではなくシルエット(マルチパッチ フィーチャクラス)である場合は、マルチパッチがシャ
ドウ ボリュームとして立ち上げられます。
スカイラ
イン グラ
フ
天空の可視領域を計算し、オプションでテーブルと極座標グラフを生成します。テーブルとグラ
フは、観測点からスカイラインの各頂点に向かう水平角と対頂角を表します。
ユニオン
3D
重なっているマルチパッチでパッチのジオメトリック交点を計算し、これらのマルチパッチを集
約します。出力として作成されるフィーチャの数は、ツールの設定によって決まります。
[3D フィーチャ] ツールセットの新しいジオプロセシング ツール
[変換
変換] ツールセットの新しいジオプロセシング ツール
ジオプロセシ
ング ツール
説明
LandXML →
TIN
このツールでは、LandXML ファイルから 1 つ以上の TIN(Triangulated Irregular Network)サ
ーフェスをインポートし、TIN をディスク上の場所に書き込みます。
ラスタ → マ
ルチポイント
このツールは、ラスタを新しいマルチポイント フィーチャクラスに変換します。
テレイン →
ポイント
このツールは、テレイン データセットを新しいポイントまたはマルチポイント フィーチャク
ラスに変換します。
[変換] ツールセットの新しいジオプロセシング ツール
[ファンクション
ファンクション サーフェス
サーフェス] ツールセットの新しいジオプロセシング ツール
ジオ
プロ
セシ
ング
ツー
ル
説明
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
146
ArcGIS 10 の新機能
サー
フェ
ス情
報の
追加
[サーフェス情報の追加(Add Surface Information)] は、サーフェスを使用してフィーチャの高さを内
挿し、それらのフィーチャをバックグラウンドで 3D に変換し、フィーチャの 3D プロパティを計算し
て、プロパティ値を属性として入力フィーチャクラスに書き込みます。出力 Z 情報のオプションは、入
力フィーチャクラスのシェープ タイプによって異なります。
[ファンクション サーフェス] ツールセットの新しいジオプロセシング ツール
[テレインと
テレインと TIN サーフェス
サーフェス] ツールセットの新しいジオプロセシング ツール
ジオプ 説明
ロセシ
ング ツ
ール
外れ
値の
特定
サーフェスと比較して外れて見えるポイントを特定します。これらのポイントは誤差を生じる可能性
があるので、必要に応じてサーフェスの作成から除外してください。
サー
フェ
スの
傾斜
方向
入力 TIN またはテレイン データセットから傾斜方向情報を抽出して、出力フィーチャクラスに格納
するツールです。この傾斜方向情報を基に、ポリゴン フィーチャクラスが生成されます。ポリゴン
フィーチャクラスのポリゴンは、入力サーフェス三角形の傾斜方向値により分類されます。
サー
フェ
ス等
高線
テレイン データセット サーフェスまたは TIN サーフェスから生成される一連のコンターを含む、フ
ィーチャクラスを作成します。出力フィーチャクラスは 2D であるため、コンター値を持つ属性を含
みます。
サー
フェ
ス差
分
2 つの TIN(Triangulated Irregular Network)間またはテレイン データセット間の、体積の差分を計
算するツールです。
サー
フェ
ス傾
斜角
入力 TIN またはテレイン データセットから傾斜角情報を抽出して、出力フィーチャクラスに格納し
ます。
[テレインと TIN サーフェス] ツールセットの新しいジオプロセシング ツール
[テレイン管理
テレイン管理] ツールセットの新しいジオプロセシング ツール
ジオプロセシン
グ ツール
説明
テレイン ポイ
ントの追加
テレイン データセットにポイントまたはマルチポイントを追加します。
テレイン解像
度範囲の変更
テレイン データセットのサーフェスに関与している特定のフィーチャクラスに対して、ピラ
ミッド レベルの解像度範囲を変更します。
テレイン ポイ
ントの削除
1 つ以上のフィーチャクラスの対象エリア内にあるテレイン データセットから、ポイントを
削除します。
テレイン ポイ
ントの置換
テレイン データセットに使用されているデータのコレクションにポイントとマルチポイント
を追加して、以前に使用されていたデータを置換します。
[テレイン管理] ツールセットの新しいジオプロセシング ツール
[TIN 管理
管理] ツールセットの新しいジオプロセシング ツール
ジオプロセシング ツール
TIN のコピー
説明
指定されたバージョンの TIN を別の場所にコピーするツールです。
[TIN 管理] ツールセットの新しいジオプロセシング ツール
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
147
ArcGIS 10 の新機能
拡張された 3D Analyst ジオプロセシング ツール
[変換] ツールセット
•
[ポイント ファイルの空間統計情報(Point File Information)] ツールには、1 つ以上のポイント
ファイルに関する統計情報を含む出力フィーチャクラスを新しく生成するときに、クラス コー
ド別に集計するオプションが新しく追加されています。
•
[LAS → マルチポイント(LAS to Multipoint)] ツールでは、LAS バージョン 1.2 ファイル形式
に対するサポートが追加されています。
[ファンクション サーフェス] ツールセット
•
[見通し(Line Of Sight)] ツールには、見通し線の解析を実行する場合のマルチパッチに対す
るサポートが追加されています。
•
[シェープの内挿(Interpolate Shape)] ツールには、解析実行時の合成オプションが新しく追
加されています。
[テレインと TIN サーフェス] ツールセット
•
[ポリゴンを内挿してマルチパッチを作成(Interpolate Polygon to Multipatch)] ツールで、テレ
イン データセットがサポートされるようになりました。
•
[ポリゴン体積(Polygon Volume)] ツールで、テレイン データセットがサポートされるように
なりました。
•
[TIN サーフェス間で立ち上げ(Extrude Between)] ツールで、ラインやポリゴンに加えてポイ
ントもサポートされるようになりました。
使用されなくなった 3D Analyst ジオプロセシング ツール
次のツールは使用されなくなりました。これらの機能は、次に示す新しいツールに追加されています。
• サーフェス スポット(Surface Spot): この機能は [サーフェス情報の追加(Add Surface
Information)] ツールに追加されています。
•
サーフェスの長さ(Surface Length): この機能は [サーフェス情報の追加(Add Surface
Information)] ツールに追加されています。
•
TIN コンター(TIN Contour): この機能は [サーフェス コンター(Surface Contour)] ツールに
追加されています。
•
TIN ポリゴン体積(TIN Polygon Volume): この機能は [ポリゴン体積(Polygon Volume)] ツー
ルに追加されています。
•
TIN 傾斜方向(TIN Aspect): この機能は [サーフェス傾斜方向(Surface Aspect)] ツールに追加
されています。
•
TIN 傾斜角(TIN Slope): この機能は [サーフェス傾斜角(Surface Slope)] ツールに追加されて
います。
•
TIN 差分(TIN Difference): この機能は [サーフェス差分(Surface Difference)] ツールに追加さ
れています。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
148
ArcGIS 10 の新機能
•
テレイン ポイントの追加(Add Terrain Points): この機能は [テレイン ポイントの追加(Append
Terrain Points)] ツールに追加されています。
•
テレイン ポイントの削除(Remove Terrain Points): この機能は [テレイン ポイントの削除
(Delete Terrain Points)] ツールに追加されています。
テレイン データセットと TIN の拡張点
テレイン データセット
ArcGIS 3D Analyst 10 では、テレイン データセットの対話操作、管理、視覚化がさらに簡単になりまし
た。主な変更点は次のとおりです。
• LIDAR ソース ポイントやその属性とさらに密接に統合されています。たとえば、LIDAR ポイン
トを属性として表示および解析する機能や、[ポイント → ラスタ(Point to Raster)] ジオプロセ
シング ツールを使用して明度画像を生成する機能が追加されています。
•
データ エラーを検出して削除する追加のツール。たとえば、[範囲外ポイントの位置の特定
(Locate Outliers)] では、データ内で範囲外にある LIDAR ポイントを特定し、テレイン サーフ
ェスから削除することができます。
•
テレイン データセットに対して解析用の機能を直接実行できます。これらの機能には、サーフェ
ス解析に固有の新規および改善されたジオプロセシング ツールが含まれます。[サーフェス差分
(Surface Difference)] ツール、[サーフェス コンター(Surface Contour)] ツール、[見通し
(Line Of Sight)] ツールなどです。
•
テレイン データセットのレイヤ シンボルのインポートが追加でサポートされています。
•
[コンターを同一シンボルで描画]、[テレイン ポイントの属性を個別タイプでグループ化したシン
ボルで描画]、[テレイン ポイントの属性でグラデーション描画]、[テレイン ポイント標高でグラ
デーション描画] など、新しいコンターやポイントのシンボル レンダラを含むテレイン データセ
ットの表示オプションが向上しました。
•
テレイン ポイントに対する新しいプロファイル オプション。テレインをポイントでシンボル表
示した場合、テレイン データセット サーフェスのシンボル表示されたノードから、断面図グラ
フ解析を実行できます。
•
現在の表示範囲に基づいて、標高範囲クラスをリセットできるようになりました。凡例の同じ標
高範囲クラスの関連領域にズームするときに、その領域の全範囲の色を取得するように、ショー
トカット メニューを使用してクラス閾値を再定義できます。
•
アンカー ポイントに対するサポートが追加されました。これらは、コントロール ポイントや、
走行、航海、あるいは飛行の障害物を表す非常に重要なポイントです。ピラミッドのレベルにか
かわらず、間引きされることはありません。
•
テレインの概観図が最適化され、大規模なテレイン データセットをすばやく開いて表示できるよ
うになりました。
TIN データセット
ArcGIS 10 での TIN データセットに関する新機能と強化された機能には、次のようなものがあります。
• 追加サポート: 制限付きドローネ三角形分割法、ArcGIS 空間参照、エッジ タグの保持、ノード
ソースの保持。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
149
ArcGIS 10 の新機能
•
TIN サーフェスのレイヤ シンボルのインポートが追加でサポートされています。
•
[コンターを同一シンボルで描画] という名前の新しい TIN コンター レンダラなど、TIN サーフェ
スの表示オプションが改善されました。
•
現在の表示範囲に基づいて、標高範囲クラスをリセットできるようになりました。テレインの場
合、凡例の同じ標高範囲クラスの関連領域にズームするときに、その領域の全範囲の色を取得す
るように、ショートカット メニューを使用してクラス閾値を再定義できます。
3D Analyst のその他の拡張点
•
ポイント フィーチャのサイズ別のシンボル表示と完全な 3D 回転を、フィーチャ属性によって直接
制御できます。
•
ArcGlobe および ArcScene でのグラフ作成機能。
•
ビデオ レイヤ: ArcGIS 3D Analyst 10 より前のリリースでは、ビデオ レイヤ タイプは存在していま
せんでした。このリリースでは、ジオリファレンスされた、フルモーションのビデオ レイヤを
ArcGlobe のサーフェス上で正しくドレープできるようになりました。ビデオは別のウィンドウには
表示されず、サーフェス上にドレープされます。
•
アニメーション: エクスポート機能が拡張され、連続するフレームをフォルダにエクスポートでき
るようになりました。第 2 のプロセスとしてこれを単一のビデオ ファイルに変換できます(エンジ
ン サービス)。「ArcGIS 10 のアニメーションの新機能」をご参照ください。
•
シンプルなタイム スライダを使用した時系列データの視覚化が追加でサポートされているので、時
間経過に伴って現れるパターンや傾向を確認できるようになりました。サポートされた時間データ
を含むレイヤは、[レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスを使用して時間を有効にすることができ
ます。
ArcGIS 10 の時間の新機能の詳細
•
ナビゲーション モデルが再設計され、3D ビューのナビゲート機能が簡素化されました。
•
スタイル: 3D スタイルが更新され、名前と説明のタグが最適化されました。これによって、[シンボ
ル選択] ダイアログ ボックスで [検索] を使用した場合の検索結果が大幅に改善されました。
•
最もよく使用する 2 つの 3D プロパティ、[ベース(標高)] および [立ち上げ] の設定方法が改善さ
れました。プロパティを変更した場合の効果を具体的に示す組み込みグラフィックスによって、こ
れらの設定を簡単に実行できるようになりました。
•
GIS データの 3D ビューによるオーサリングや対話操作の最適な方法に関するドキュメントが強化
されました。ここには、2D および 3D データから 3D 仮想都市を作成したり、さまざまな 2D およ
び 3D ソースからデータをインポートしたり、3D データを公開したり、BIM/IFC ソースなどの Esri
以外の形式のデータを利用する(Data Interoperability エクステンションを使用)ためのベスト プ
ラクティスと推奨されるワークフローが含まれています。
•
[3D Analyst] ツールバーのコマンドは、ジオプロセシング ワークフローと互換していなかったの
で、ジオプロセシング フレームワークの導入によって使用されなくなりました。ここに含まれてい
た機能の完全なセットと、それを上回る機能が、3D Analyst ジオプロセシング ツールボックスには
用意されています。さらに、[ユーザ設定] ダイアログ ボックスを使用して、選択したジオプロセシ
ング ツールをドラッグ アンド ドロップすることで、[3D Analyst] ツールバーをカスタマイズでき
ます。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
150
ArcGIS 10 の新機能
関連項目
ArcGIS 10 の新機能の概要
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
151
ArcGIS 10 の新機能
ArcGIS Geostatistical Analyst 10 の新機能
ArcGIS Geostatistical Analyst エクステンションには、強力な空間のモデル化と解析の機能が多数あります。
Geostatistical Analyst のバージョン 10 では、パフォーマンスと新しいツールが大幅に強化されました。
新しいジオプロセシング ツール
ArcGIS 10 の Geostatistical Analyst には 11 の新しいジオプロセシング ツールが追加されています。
これらのツールのうち、4 つは新機能で、残りの 7 つは、これまで Geostatistical Wizardや [Geostatistical
Analyst] ツールバーでしか利用できなかったものです。
Diffusion Interpolation With Barriers
Diffusion Interpolation With Barriersでは、熱方程式に基づくカーネルを使用して、ラスタ データセット
とフィーチャ データセットの組み合わせをバリアとして機能させることができます。
Kernel Interpolation With Barriers
Kernel Interpolation With Barriersは、ポイント間の最短距離を使用する移動ウィンドウ推定です。下の図
では、データの位置(黒い円)から推定(赤い正方形)の必要な位置までのパスが示されています。
Global Polynomial Interpolation
Global Polynomial Interpolationは、1 枚の紙を(値の高さに)突出したポイント間に当てはめることに似
ています。これは、トレンド サーフェス解析と呼ばれることがよくあります。
Local Polynomial Interpolation
Local Polynomial Interpolationでは、近傍範囲ごとに 1 つの多項式が当てはめられます。近傍範囲は一定
の大きさの楕円で囲まれるポイントの集団であり、その楕円が、少し重なりながら移動することによ
り、複数の近傍範囲において内挿点が近似されます。このツールの新機能には、推定分散サーフェスの
作成機能や、最適化および診断ルーチンの包含などがあります。
IDW(
(Inverse Distance Weighted)
)
IDW 内挿は、相互に近接している物同士は離れている物同士よりもよく似ているという仮説を明示的に
実装します。この方式では、推定位置から離れているポイントよりも推定位置に近いポイントの方に大
きなウェイトが置かれます。Inverse Distance Weighted(逆距離加重法)という名前はここから来ていま
す。
Radial Basis Functions
Radial Basis Functions方式は、正確な内挿手法の連続です。つまり、サーフェスは各サンプルの計測値
を必ず通過します。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
152
ArcGIS 10 の新機能
Create Spatially Balanced Points
Create Spatially Balanced Pointsでは、事前確率に基づいて一連のサンプル ポイントが生成されます。結
果のサンプル設計は均等分布されます。つまり、サンプル間の空間的な独立性が最大化され、調査領域
をランダムにサンプリングするよりも効果的に設計できるようになります。
Densify Sampling Network
Densify Sampling Networkは、事前定義された地球統計学的なクリギング レイヤに基づいています。特
に、推定分散サーフェスを使用して、必要な新しい位置や削除可能な位置を決定します。
Extract Values To Table
Extract Values to Tableでは、ポイントまたはポリゴン フィーチャクラスに基づいて、ラスタ セットのセ
ルの値をテーブルに抽出します。ポイント フィーチャクラスを使用している場合、出力テーブルには、
ポイントと、データのあるラスタごとのレコードが存在します。ポリゴン データはポイント データとし
て処理されるので、入力ラスタのセル中心によってポイントの数が決まり、これを使用してセルがポリ
ゴン内に含まれるかどうかも決定されます。このツールを使用して、Gaussian Geostatistical Simulations
ツールによる結果をさらに解析することができます。
Cross Validation
Cross Validationでは、1 つのデータの位置を削除し、残りの位置のデータを使用して関連するデータを
推定します。さらに、残りの位置に対してもこの手順を繰り返します。この方法では、推定した値と観
測した値を比較し、モデルに対する意思決定に関して有益な情報を得ることができます。
Subset Features
サブセット Subset Featuresは、推定値とフィールド内で計測した値を比較することで、最も厳正な方法
の 1 つを使用して出力サーフェスの品質を評価しています。ソリューションの 1 つとして、元のデータ
セットを 2 つの部分に分割する方法が挙げられます。片方の部分は、空間構造をモデリングしてサーフ
ェスを作成するために使用し、もう一方の部分は、出力サーフェスを比較して整合チェックするために
使用できます。
ウィザードの改善点
Geostatistical Wizard は、内挿モデルを構築し、そのパフォーマンスを評価するプロセスを順を追って実行
するために設計されたページのダイナミックなセットです。
サイズ変更可能なウィンドウ
•
ウィンドウ全体のサイズを変更できます。
•
個々のパネルのサイズも変更できます。
新しいダイアログ ボックスのレイアウトと機能
•
Cross validation を使用して、多くのモデル パラメータを最適化できます。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
153
ArcGIS 10 の新機能
•
ダイアログ ボックスでパラメータのヘルプを利用でき、さらに追加のヘルプが必要な場合は、コ
ンパイルされたヘルプを利用できます。
Geostatistical Analyst Wizard
セミバリオグラムの視覚化
•
ビューには、元の bin にグループ化された値、bin ごとの平均値、さまざまな方向のデータ相関
を示す滑らかなラインが表示されます。
サーフェス プレビュー
•
サーフェス プレビューが変更され、データセット プレビューとサーフェス プレビューの表示を
切り替えできるようになりました。
新しい内挿法
•
Diffusion Interpolation With BarriersとKernel Interpolation With Barriersという 2 つの新しい内挿
法がウィザードで使用できるようになりました。これらは個別のジオプロセシング ツールとして
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
154
ArcGIS 10 の新機能
も使用できます。下の図は、湖の沈泥層の深さを示しており、湖の境界は検索近傍を制限してい
ます。
ウィザードの内挿法の例
Local Polynomial Interpolation の強調点
•
推定標準誤差
推定標準誤差は、それぞれの位置の推定値に関連付けられた不確実性を示しています。
•
条件数
条件数は、数値モデルの安定性における変数を示し、推定の不確実性に関する追加情報を提供し
ます。推定分散サーフェスはモデルが正しいという前提で作成されるので、モデルの不安定性に
は理由が存在しません。
•
モデルの最適化
モデルの最適化によって、Bandwidth、Spatial Condition Number、Neighborhood の値が変更さ
れます。さらに、cross validation チェックの統計情報を使用してモデルが最適化されます。
その他の拡張点
新しい
新しい条件計測エラー
条件計測エラー フィールド
Gaussian Geostatistical Simulations ツールに、新しく条件計測エラー ツールが追加されました。これ
は、入力セミバリオグラム モデルにおいて、すべての入力データに対する一定の計測エラーを指定でき
る場合に使用されます。ただし、各サンプリング位置の計測エラー値が同じでない場合、このフィール
ドを使用して指定できます。
大容量のデータセットの処理
•
一部の内挿法では、非常に大容量の入力データセットを管理できるようになりました。
•
およそ 20 億の入力ポイントを含む IDW(400,000 以上のマルチポイントを含む)では、250 列
x 250 行の出力ラスタが約 20 時間で作成されました。
新規および更新されたヘルプ
例として、「Geostatistical Analyst の概要」が追加されました。
新しいチュートリアル
ArcGIS Geostatistical Analyst チュートリアルの概要説明が更新されました。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
155
ArcGIS 10 の新機能
関連項目
ArcGIS 10 の新機能の概要
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
156
ArcGIS 10 の新機能
Maplex for ArcGIS 10 の新機能
一般
読み取り専用サポート
ArcGIS 10 では、Maplex を使用するドキュメントの読み取り専用サポートが追加されました。読み取り
専用のマップ ドキュメントには、豊富な Maplex ラベル プロパティがすべて保持されており、これらは
Maplex Extension のインストールされていないコンピュータで開いても Esri の標準ラベル エンジンに戻
りません。
新しい読み取り専用サポートの詳細
最適化されたマップ サービスでサポートされる Maplex
Maplex ラベルが、最適化されたマップ サービスでサポートされるようになりました。最適化されたマッ
プ サービスでサポートされる Maplex は、主にキャッシュされたマップ サービスを対象としています。
Maplex を使用するマップは、最適化されたマップ サービスによって使用される描画エンジンから、パフ
ォーマンス向上のメリットを享受できるようになりました。
ラベル配置オプション
[ラベルの繰り返し
ラベルの繰り返し] パラメータ
[ラベルの繰り返し
ラベルの繰り返し] パラメータの機能が拡張され、同じポリゴン内でラベルを繰り返すことができるよう
になりました。 これは、地質マップや土壌マップ、またはポリゴンに多くの突出部、入り組んだ部分、
または支流などが存在することの多いその他のマップで役立ちます。
[ラベルの繰り返し] パラメータの詳細
[境界配置
境界配置] スタイル
[境界配置
境界配置] スタイルに追加されたオプションによって、境界の反対側にポリゴンが存在しない境界の辺に
沿って、ポリゴンのラベルを配置できるようになりました。これらの境界にラベルを配置するときに
は、[1 辺の境界に沿ったラベリングを許可
辺の境界に沿ったラベリングを許可] オプションを使用してポリゴン境界に合わせてラベルを配置
したり、[ライン上の中央の位置
ライン上の中央の位置] オプションと [1 辺の境界に沿ったラベリングを許可
辺の境界に沿ったラベリングを許可] オプションを一
緒に使用して、境界線の中心にラベルを配置することができます。 境界ラベルを使用してポリゴン ホー
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
157
ArcGIS 10 の新機能
ルにラベリングするには、[ポリゴン
ポリゴン ホールの境界にラベリングを許可
ホールの境界にラベリングを許可] チェックボックスをオンにする
必要があります。
新しい [境界配置] スタイル オプションの詳細
ポリゴン ホールのラベリング
新しく追加されたポリゴン配置オプションによって、ホールを含むポリゴンのラベリングができるよう
になりました。 [ポリゴン内のホールを避ける
ポリゴン内のホールを避ける] オプションによって、ポリゴン ホールの上にラベルを配
置するのか、ポリゴン ホールを避けて配置するのかを指定できます。
[ポリゴン内のホールを避ける] オプションの詳細
[等高線配置
等高線配置] と [河川配置
河川配置] スタイル
[等高線配置
等高線配置] スタイルと [河川配置
河川配置] スタイルによって、ラベル配置全体の品質が向上しています。
[等高線配置] スタイルを使用したラベリングの詳細
ライン フィーチャに対する [河川配置] スタイルを使用したラベリングの詳細
ポリゴン フィーチャに対する [河川配置] スタイルを使用したラベリングの詳細
関連項目
ArcGIS 10 の新機能の概要
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
158
ArcGIS 10 の新機能
ArcGIS Network Analyst 10 の新機能
ロケーション
ロケーション-アロケーション解析
アロケーション解析
ロケーション-アロケーションによって、需要地点との間で考えられるやり取りに基づいて、複数の候補地
の中から運用施設を選択することができます。これは次のような質問に答えるために役立ちます。
• 一連の消防署がすでに存在している中で、新しい消防署をどこに配置するとコミュニティに対する
最適な応答時間を確保できるか。
•
小売業者が規模を縮小する場合、全体の需要を最大限に維持するにはどの店を閉じたらよいのか。
•
配送センターまでの距離を最短にするには、工場をどこに建設したらよいのか。
ロケーション-アロケーション解析の詳細
ポイント、ライン、およびポリゴン バリア
ArcGIS Network Analyst 10 より前のバージョンでは、バリアはポイントに制限されており、これによって
配置されたネットワーク エレメント全体を規制していました。ArcGIS 10 では、ポイント、ライン、およ
びポリゴン バリアを作成できます。バリアによって移動を規制したり、バリアを使用して基本となるネッ
トワーク エレメントのコストを一時的に変更することもできます。
• ポイント バリア
バリア: 規制ポイント バリアを使用して、バリアの配置されているエッジを完全に規制す
るか、ポイント バリアを通過する移動のみを規制することができます。または、追加のコスト バ
リアを作成して、バリアを通過するときに常に指定したコストを追加することもできます。
•
ライン バリア
バリア: 規制ライン バリアは、ラインがネットワークと交わるすべての場所への移動を禁止
します。コスト係数指定ライン バリアは、カバーするエッジを通過するための基本コストを、指定
した係数によって増加または減少させます。
•
ポリゴン バリア
バリア: ライン バリアと同じように、ポリゴン バリアも基本となるエッジ上の移動を規制
したり、指定した係数によって基本エッジのコストを増減します。
バリアの詳細
配車ルートの拡張点
複数の休憩
配車ルートでは、各ルートに複数の休憩を追加できます。したがって、運転手の昼食休憩をモデリング
するだけでなく、午前や午後の休憩も追加することができます。さらに、さまざまな休憩ポリシーに合
わせて設計された次の 3 つのタイプの休憩があります。1 日のうちの指定した時間内(たとえば、午前
10 時から 11 時の間)にとる「タイム ウィンドウ休憩」、累積した移動時間が指定した量に到達する前
に発生する「最大移動時間休憩」、累積した移動時間とサービス時間の合計が指定した量に到達する前
に発生する「最大作業時間休憩」の 3 つです。
到着と出発の遅延
VRP の [ルート] クラスに新しく [ArriveDepartDelay] というフィールドが追加され、複数の車両が同じ訪
問先で停止しないようにすることができます。
配車ルートの詳細
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
159
ArcGIS 10 の新機能
ネットワーク ロケーションでの [U ターンなし
ターンなし]
ルート上のストップや配車ルート上の訪問先などのネットワーク ロケーションには、アプローチ制限に関
するプロパティがあります。これは、車両が到着したり出発する方向を、そのネットワーク ロケーション
を基準に指定するものです。ここには、新しいオプション [U ターンなし] が追加されました。このオプシ
ョンを選択すると、車両はどの方向からもネットワーク ロケーションにアプローチできますが、出発する
ときには、到着したときと同じ方向に移動し続ける必要があります。これは、どの方向からでもストップ
にアプローチできるけれども向きを変えることのできない大型車両の配車ルートを決定するときに、特に
便利です。
アプローチ制限を [U ターンなし] に設定した場合に許可される到着と出発
の組み合わせ
U ターン ポリシーの詳細
ロケーションの読み込み時の [ネットワークの制限部分の除外
ネットワークの制限部分の除外]
ネットワーク解析レイヤの新しいプロパティである、このチェックボックスをオンにすることで、ネット
ワーク ロケーションがネットワークの通行可能な部分にのみ配置されるようにできます。これにより、規
制またはバリアが原因で到達できないエレメントにネットワーク ロケーションが配置されなくなります。
ネットワーク解析レイヤの詳細
ルート案内の新しいオプション
[ルート案内オプション] ダイアログ ボックスの [差し込みマップ
差し込みマップ] タブには、次の 2 つのチェックボックス
があります。
[移動方向に回転
移動方向に回転] チェックボックス
これまでは、ルート案内の差し込みマップは常に北向きでした。今回のバージョンでは、このチェック
ボックスをオンにすることで、運転手が運転を開始するときに向いている方向に、差し込みマップの向
きを合わせることができます。これによって、運転手は頭の中でマップの向きを変える必要がなくなる
ので、右折や左折をすばやく判断できるようになります。
[移動方向のハイライト矢印を表示
移動方向のハイライト矢印を表示] チェックボックス
オンにすると、差し込みマップに矢印が表示されます。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
160
ArcGIS 10 の新機能
緑のラインは、何度も引き返したルートを表しています。矢印は、ルート
案内の 1 つの方向をハイライト表示しています。
履歴交通量量データ
交通量は移動時間に影響し、1 日の時刻および曜日によって変化します。さらに、交通量によって 2 つのポ
イント間の最速ルートも変わってきます。たとえば、1 つのルートがラッシュアワー時に動かなくなる場
合、その渋滞を避けて別のルートを選んだ方が速くなります。ArcGIS 10 では、履歴交通量量データに基づ
いて、ネットワーク データセットをさまざまな移動時間にモデリングできます。この結果、履歴交通量量
データをサポートする 2 つの解析(ルート解析および配車ルート解析)によって、より正確な移動時間を
作成し、1 日の所定の時刻や所定の曜日における最適ルートを決定できます。
履歴交通量データの詳細
3 次元ネットワーク データセット
ネットワーク データセットが 3D 対応になり、建物内部の通路でモデリングやネットワーク解析を実行で
きるようになりました。下の図では、建物の 1 階のオフィスから 3 階のオフィスを接続するルートを表し
ています。
規制を使用することで、車椅子のために階段を避けたルートや、エレベーターを使用しない避難ルートを
割り出すことができます。
Z 値に対応する道路や歩道のフィーチャを使用して屋内の通路を接続することで、次のような質問に答える
ことができます。
• 高層ビルで、火災の際に消防が 8 分以内に到達できないのは何階か?
•
異なる建物の部屋間で、車椅子でアクセス可能な最短ルートはどれか?
3D ネットワーク データセットの解析の詳細
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
161
ArcGIS 10 の新機能
部分再構築
ネットワーク データセットに属するフィーチャを作成、編集、または削除した場合は、変更を反映するた
めにネットワークを再構築する必要があります。これまでは、変更がどんなに小規模でも、ネットワーク
データセット全体を再構築する必要がありました。今回のバージョンでは、再構築プロセスではダーティ
エリア内のネットワークのみを再構築します。ダーティ エリアとは、編集されたフィーチャを取り囲むエ
リアのことです。これによって、大規模なネットワークを再構築するのにかかる時間が大幅に短縮されま
す。
ただし、ネットワーク データセットのプロパティが編集された場合は、やはりネットワーク全体が再構築
されます。
ネットワーク データセットの構築の詳細
ArcMap でのネットワーク データセットのプロパティの変更
ArcCatalog を使用してネットワーク データセットを変更する場合は常に、ネットワーク データセットを参
照する ArcMap ドキュメントを閉じて、スキーマ ロックを削除する必要があります。この操作は変わりま
せんが、ArcMap には新しいカタログ ウィンドウが追加されたので、ArcMap 内でネットワーク データセ
ットを使用して、そのプロパティを変更できるようになりました。ネットワークを変更するために、
ArcGIS アプリケーションを開いたり閉じたりする必要がなくなりました。
[ネットワークのアップグレード(
ネットワークのアップグレード(Upgrade Network)
)] ジオプロセシング ツール
以前の ArcGIS リリースで作成したネットワーク データセットがある場合、現在のリリースで新機能を利
用するには、ネットワーク上でこのツールを実行する必要があります。ネットワーク データセットがジオ
データベース内にある場合は、ネットワークをアップグレードする前に、ジオデータベースをアップグレ
ードする必要があります。
ネットワーク データセットのアップグレードの詳細
[ネットワークのディゾルブ(
ネットワークのディゾルブ(Dissolve Network)
)] ジオプロセシング ツール
[ネットワークのディゾルブ(Dissolve Network)] ジオプロセシング ツールは、入力ネットワーク データ
セットよりも少ないライン フィーチャを使用してネットワーク データセットを作成します。
ライン フィーチャが少ないネットワーク データセットは、より効率的に移動できるため、ネットワーク解
析がより迅速に行われます。解析の結果に含まれるネットワーク エレメントも少ないため、ルート ジオメ
トリとルート案内の生成もより迅速に行われます。
ネットワーク データセットのディソルブの詳細
ArcGIS Server Network Extension
配車ルート、ロケーション
配車ルート、ロケーション-アロケーション、
アロケーション、OD コスト マトリックスのサポート
サーバ パラメータのクラスとサーバ結果のクラスが SOAP および GIS Server API で使用できるように
なりました。これらを ArcGIS Server で VRP、ロケーション-アロケーション、OD コスト マトリックス
ソルバと連動させることで、以前からサポートされていたルート解析、最寄り施設解析、到達圏解析と
同様に実行することができます。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
162
ArcGIS 10 の新機能
REST での最寄り施設と到達圏のサポート
最寄り施設の検出、到達圏解析用に REST エンドポイントが導入されました。
サーバ上へのレイヤの保存
サーバ上に解析結果を保存して、後で既存のソリューションを構築するように求められたときに、レイ
ヤを再利用できます。
ArcGIS Server Network Extension の詳細
関連項目
ArcGIS 10 の新機能の概要
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
163
ArcGIS 10 の新機能
ArcGIS Schematics 10 の新機能
ArcGIS 10 では、Schematics が大きく変更されています。Schematics の旧来の基本的な機能は完全に削除さ
れ、ArcGIS の基本的な機能によって置き換えられました。
このアーキテクチャの変更により、Schematics に対するトップ ユーザの不満が解決されています。
主な変更点は次のとおりです。
• ダイアグラムがフィーチャとして格納されるようになりました。
▪ これによって、ArcMap ユーザは ArcMap のシンボルやラベルをスケマティック ダイアグラ
ムに直接適用できます。
▪
コンフィグレーション内にハード コードを作成する必要がなくなりました。
▪
サーバ管理の流れが簡素化されました。以前のバージョンでは、スケマティック ダイアグラ
ムをフィーチャとしてエクスポートして戻し、これらのフィーチャをサーバに公開する必要
がありました。
•
スケマティック ダイアグラムの編集の開始および終了が追加されました。これまでは、2 人のユーザ
が同時にダイアログを編集することはできましたが、最後に保存ボタンを押した方の編集内容が優先
されていました。今回のバージョンでは、ユーザが編集を開始すると、他のユーザに対してそのダイ
アグラムがロックされます。
•
バージョン対応データに関連するダイアグラムの管理が向上しています。
▪ エンド ユーザが、ダイアグラムの参照しているバージョンを簡単に変更できるようになりま
した。
▪
管理者は、別のバージョンをポイントするように、ダイアグラムを一括更新できます。
•
ダイアグラムの更新後に、新しくなった部分を簡単に表示できます。
▪ 新しく [UpdateStatus] フィールドが追加され、エンド ユーザはこのフィールド上で、更新に
よってダイアグラムに追加された部分をシンボル表示で確認できます。
•
コンフィグレーションが簡単になりました。
▪ コンフィグレーション ツールのユーザ インタフェースが完全に新しくなりました。
▪
ダイアグラムがフィーチャとして格納されるので、シンボルやラベルを処理するためにスケ
マティック プロパティを設定する必要がなくなりました。これにより、初期設定と初期実装
の時間が大幅に短縮されています。
•
地理模式図 - 圧縮のアルゴリズムが新しくなりました。これは、ダイアグラム上のアイテムが現実世
界では遠く離れている状況で役立ちます。物体間の相対位置(南北、東西)は維持したいが、全体を
中央に圧縮させて明瞭さを向上させ、小さいサイズの用紙にプロットさせるような場合です。
•
多くのルールで属性を使用できるようになりました。例として [ネットワーク ルートのノード削減] ル
ールが挙げられます。これまでは、ジャンクションの両側の道路名が同じであるネットワーク ジャン
クションのみを削減する場合、カスタム ルールのコードを作成する必要がありました。ArcGIS 10 で
は、[属性による] オプションを使用するだけで、コードを作成する必要はありません。
•
階層レイアウトに複数のルートを配置できます。ArcGIS 10 では、複数のノードが階層ツリーのルー
トになるように設定できます。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
164
ArcGIS 10 の新機能
関連項目
ArcGIS 10 の新機能の概要
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
165
ArcGIS 10 の新機能
ArcGIS Spatial Analyst 10 の新機能
ArcGIS Spatial Analyst Extension には、強力な空間のモデル化と解析の機能が多数あります。ArcGIS 10 の
Spatial Analyst では、パフォーマンスと新しいツールが大幅に強化されました。
Spatial Analyst に関する詳細
Spatial Analyst の概要
新しいジオプロセシング ツール
抽出
新しい [複数の抽出値 → ポイント(Extract Multi Values to Points)] ツールでは、入力ポイントのセット
に基づいて、複数の入力ラスタ(マルチバンド ラスタを含む)から値を抽出することができます。それ
ぞれのラスタ値は入力フィーチャに属性として追加され、必要に応じて出力名を設定することもできま
す。これと類似した [抽出値 → ポイント(Extract Values To Points)] ツールが ArcGIS 10 より前のバー
ジョンで提供されていましたが、こちらは一度に 1 つのラスタから値を抽出して、新しい出力フィーチ
ャクラスを作成するだけでした。
多変量解析
新しい多変量解析ツールである、[ISO クラスタの教師なし分類(Iso Cluster Unsupervised
Classification)] が導入されました。これは教師なし分類を実行することを目的としています。
オーバーレイ
ファジー論理を使用した複数基準による意思決定のためのオーバーレイ解析を実行する新しい 2 ツール
は、[ファジー メンバーシップ(Fuzzy Membership)] と [ファジー オーバーレイ(Fuzzy Overlay)] で
す。ファジー論理はセット理論に基づいており、現在 Spatial Analyst で利用できる加重オーバーレイお
よび加重合計方式の代替となるものですが、すべてのアプローチにおいて適正モデルの実行に非常にう
まく適合しています。
ほとんどのオーバーレイ解析では、有意のレイヤを再分類して共通のスケールに変換し、調査対象の現
象の最適な場所を特定するために、それらの値をすべて加算したり、重ね合わせ処理します。
[ファジー メンバーシップ(Fuzzy Membership)] ツールでは、指定したファジー関数を使用して、入力
データを 0 ~ 1 の範囲のメンバーシップ値にスケーリング(再分類または変換)します。メンバーシッ
プ値は、主観的に定義されたセットへの帰属度を表すもので、値が 1 に近づくほど適合性が高いと見な
されます。
[ファジー オーバーレイ(Fuzzy Overlay)] ツールでは、ファジー演算子を使用して複数のファジー メン
バーシップの結果を組み合わせ、適地の出力ラスタ データセットなどを作成します。このツールは、最
も適合とされるセットの組み合わせに属す可能性が最も高い場所を特定します。適地選定モデルの場
合、その場所が最適地となります。
ラスタ演算
新しい [ラスタ演算(Raster Calculator)] ツールは、Spatial Analyst ツールバーにあったこれまでの [ラ
スタ演算] ツールと [マップ代数演算 単一出力(Single Output Map Algebra)] ツールの両方を置き換えるよ
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
166
ArcGIS 10 の新機能
うに設計されています。新しい [ラスタ演算(Raster Calculator)] では、Python 構文を使用してマップ
代数演算式を実行します。ModelBuilder 内で使用される場合、[ラスタ演算(Raster Calculator)] は式の
中で変数をサポートします。
ゾーン
新しい [ゾーン ヒストグラム(Zonal Histogram)] ツールは、Spatial Analyst のツールバーの元の機能を
置き換えるものです。この新しいツールでは、出力の制御機能が向上し、ジオプロセシング ワークフロ
ーに簡単に含めることができます。
[ゾーン統計をテーブルに出力(Zonal Statistics as Table)] ツールは新しいパラメータによって更新さ
れ、計算対象となる統計情報のタイプの制御機能が向上しています。
マップ代数演算
ArcGIS 10 では、[マップ代数演算] が Python 環境にシームレスに統合され、さらに強力な解析機能とモデ
リング機能が提供されています。
マップ代数演算の構文そのものは基本的に同じで、わかりやすさや使いやすさが維持されています。一般
的に、構文に対するどの変更も、Python によって提供される優れた機能をさらに利用できるようにするも
のです。
マップ代数演算と Python の統合による目的と利点として、次のようなことが挙げられます。
•
統合された Python ウィンドウか、各自のお気に入りの Python スクリプト IDE(Interactive
Development Environment)からアクセスできます。
完全なオートコンプリート機能によって、式を簡単に作成できます。特に複雑な式の作成に役立ち
ます。
•
マップ代数演算では、Spatial Analyst のすべてのツールを利用できます。
•
算術演算と論理演算の包括的なセットをサポートしています。
•
個々のツールと演算子を組み合わせて、単一の複雑なステートメントを作成します。
•
ローカル(セルごと)の式が最適化され、パフォーマンスが向上しています。
•
特定のパラメータ コレクションに対して Python クラスが用意されており、これによって個々のパ
ラメータに対してオートコンプリートとプログラムによるアクセスが可能になります。次に、一般
的な Spatial Analyst クラスのリストを示します。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
167
ArcGIS 10 の新機能
▪
近傍、リマップ テーブル、加重オーバーレイおよび加重合計テーブル、水平/垂直ファク
タ、トポ → ラスタ入力、ファジー メンバーシップです。
Spatial Analyst ツールバー
ジオプロセシングによってすべての利点が提供されるようになったので、ArcGIS 10 では、これまで
Spatial Analyst ツールバーで利用できていた機能の一部が削除されています。 [コンターの作成
コンターの作成] および [ヒ
ヒ
ストグラム
ストグラム] のインタラクティブ ツールは、これまでどおりツールバーに残っています。
ArcGIS 9.3 と以前の [ラスタ演算] ダイアログ ボックスの代わりに、マップ代数演算式は新しい [ラスタ演
算(Raster Calculator)] ツールに入力するか、Python ウィンドウに直接入力することができます。
ネイティブ データの読み取り
データの読み取り/書き込み
書き込み
Spatial Analyst のラスタ演算は、これまでは Esri GRID データセットでのみ実行されていました。指定され
たその他の入力/出力形式は、必要に応じて、内部的に GRID に変換されたり戻されていました。同じよう
に、フィーチャ データは内部的にシェープファイル形式に変換されていました。
ArcGIS 10 では変更され、ネイティブ形式の読み取り/書き込み機能が Spatial Analyst エンジンに提供さ
れ、データの処理を以前よりも迅速で堅牢に実行できるようになっています。テンポラル ファイルの作成
と内部管理がなくなったことで、処理時間とディスク使用量が削減しました。その他の利点には次のもの
があります。
•
Esri GRID 形式によって課されていたフィールド名とパスの長さ制限がなくなりました。
•
出力をファイル ジオデータベースまたは SDE に書き込むことで、2.1 GB というシェープファイル
のサイズ制限を避けることができます。
•
指定された入力および出力形式によってサポートされている場合、日付フィールドの時間の値が保
持され、NULL が NULL として処理され、ゼロに変換されることがなくなりました。
もっと技術的なレベルでは、次のようなことがあります。
•
2 つの新しいインタフェース、IRasterAnalysisGlobalEnvironment および IRasterOpBase が ArcGIS
10 によって導入され、ArcObjects を使用して Spatial Analyst でラスタ データを処理できるように
なったので、Esri GRID 形式に変換する必要がなくなりました。
•
IRasterAnalysisGlobalEnvironment::AvoidDataConversion のデフォルトの False 設定では、実行パ
スがバージョン 10 より前の ArcGIS と同じになります。
•
IRasterAnalysisGlobalEnvironment::AvoidDataConversion の設定を True にすると、すべての処理
がラスタおよびフィーチャ データに対してネイティブで実行されます。
•
IRasterOpBase インタフェースは、操作が実行される前に出力データとワークスペースの名前を指
定するメカニズムを提供しています。これによって、出力が永続的に必要な形式で直接書き込まれ
ます。
パフォーマンスの向上
[フォーカル統計(Focal Statistics)] ツールには、パフォーマンスを大幅に向上させる新しいアルゴリズム
が含まれています。特に、12 x 12 以上の四角形の近傍や、半径が 5 以上の円形の近傍など、大規模な近傍
を使用している場合に顕著です。このパフォーマンス向上は、ほとんどの近傍タイプと統計タイプに適用
されます。その他の統計タイプのパフォーマンスは以前と変わりません。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
168
ArcGIS 10 の新機能
GRID ラスタ以外でシェープファイル以外のフィーチャ データを入力または出力として使用する場合、
Spatial Analyst ツールは一般に、バージョン 9.3.1 よりも高速で実行されます。これは、Spatial Analyst エ
ンジンにネイティブ形式の読み取りおよび書き込み機能が追加された結果です。詳細については、前の
「ネイティブ データの読み取り/書き込み」セクションをご参照ください。
画像分類
ArcGIS 10 には、画像分類用の新しいツールバーが、追加されています。[画像分類] ツールバーでは、対話
的なツールとジオプロセシング ツールの両方によって、マルチバンド ラスタ データセットの分類を実行で
きます。
[画像分類] ツールバーのみで、画像分類処理を完結できます。ここで提供される対話的で使いやすいツール
によって、教師付き分類に必要なトレーニング サンプルを作成したり評価したりします。多変量解析用の
さまざまなジオプロセシング ツールにもアクセスできます。
このツールバーによって、画像分類タスクが高速で簡単になります。
[トレーニング サンプル マネージャ] では、分類の実行を支援する次のような機能が提供されています。
• トレーニング サンプルによって表されるクラスのリスト
•
トレーニング サンプルの管理ツール
•
クラスのヒストグラム、散布図、統計を作成して表示する複数のトレーニング サンプル評価ツール
•
分類に使用する署名ファイルを作成可能
関連項目
ArcGIS 10 の新機能の概要
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
169
ArcGIS 10 の新機能
ArcGIS Tracking Analyst 10 の新機能
サービス アクション
E メール警告サービス アクション
新しい E メール警告サービス アクションでは、アクションのトリガ条件を満たした時点で、選択した受
信者に対してカスタマイズ可能な電子メール メッセージを自動送信することができます。
E メール警告サービス アクションの詳細
データ変更サービス アクション
新しいデータ変更サービス アクションでは、アクションのトリガ条件を満たした時点で、カスタム機能
を使用して受信データ メッセージのデータ値を変更できます。
データ変更サービス アクションの詳細
データ サマリ サービス アクション
データ サマリ サービス アクションでは、リアルタイムのトラック データのデータ サマリ レポートを、
設定可能な時間間隔で、自動的に生成できます。
データ サマリ サービス アクションの詳細
トリガ
到着トリガ
このトリガでは、トラック オブジェクトが、ポリゴンに入ったときに、アクションを実行できます。
ポリゴン境界を出る時のトリガの詳細
出発トリガ
このトリガでは、追跡しているオブジェクトが、ポリゴンによって表されている位置から出発したとき
に、アクションを実行できます。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
170
ArcGIS 10 の新機能
出発トリガの詳細
ポリゴン境界を交差する時
このトリガでは、トラック オブジェクトが、ポリゴンによって表されている位置に入ったとき、その位
置から出たとき、またはその位置を交差したと見えるときに、アクションを実行できます。
ポリゴン境界を交差する時のトリガの詳細
トラッキング レイヤ
トラッキング レイヤの新しいストレージ ポリシー
Tracking Analyst のバージョン 10 には、トラッキング レイヤに関する新しいストレージ ポリシーが含ま
れています。従来は、トラッキング レイヤのデータは、Tracking Analyst によって(キャッシュされた)
メモリに格納されていました。新しいストレージ ポリシーでは、トラッキング レイヤが(キャッシュで
はない)ディスク上に格納できます。これにより、Tracking Analyst で、大きすぎてキャッシュできない
大規模なデータセットを処理できるようになりました。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
171
ArcGIS 10 の新機能
ArcGIS Server のトラッキング レイヤ
トラッキング レイヤが含まれたマップ ドキュメントを、ArcGIS Server に公開できるようになりまし
た。
新しい ArcGIS の時間フレームワークとの統合
ArcGIS Desktop に新機能が追加され、マップ全体で時間の概念がサポートされるようになりました。
Tracking Analyst の機能は、この新しい概念とは別に、これまでどおり引き続き存在しています。ただし、
新しい ArcGIS の時間フレームワークを利用してマップ ドキュメント内の時間を制御しようとする場合、
トラッキング レイヤは正しく更新されることになります。
ArcGIS での時系列データの管理と視覚化の詳細
関連項目
ArcGIS 10 の新機能の概要
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
172
ArcGIS 10 の新機能
ArcScan for ArcGIS 10 の新機能
ArcScan は、スキャンしたイメージをベクタベースのフィーチャ レイヤに変換するためのツールを備えてい
ます。ラスタ データをベクタ フィーチャに変換する処理をベクタ変換といいます。ベクタ変換は、ラスタ セ
ルを対話的にトレースして手動で行うことも、自動モードを使用して自動で行うこともできます。
ArcScan でのフィーチャ テンプレートの使用
ArcScan の主な拡張内容は、ArcGIS 10 で導入されたフィーチャ テンプレートを使用した新しい編集方法
との統合です。フィーチャ テンプレートには、フィーチャを保存するレイヤ、フィーチャの作成時に適用
する属性、フィーチャの作成に使用されるデフォルトのツールなど、フィーチャの作成に必要なすべての
情報が定義されています。ArcScan で対話的なベクタ変換を実行する場合、最初にフィーチャ作成ウィン
ドウでフィーチャ テンプレートを選択する必要があります。自動ベクタ変換では、[フィーチャ作成] など
のダイアログ ボックスで、フィーチャ テンプレートを直接選択します。
ArcScan でのスナップ
ArcGIS 10 は、[スナップ] ツールバー上の機能を通じてスナップのための新しいツールを導入しています
が、ArcScan は、[スナップ] ツールバーでの設定ではなく、クラシック編集スナップ環境を使用しま
す。ArcScan を使用したラスタ スナップを実行するには、[編集オプション] ダイアログ ボックスでクラシ
ック スナップを有効化する必要があります。クラシック スナップは、前のリリースで編集中に可能だった
スナップ操作に似ています。
クラシック スナップを有効化すると、編集ツールはクラシック スナップ環境だけを使用します。ただし、
ジオリファレンス ツール、計測ツールなどの編集を行わないツールでは、引き続き [スナップ] ツールバー
のスナップ設定を使用します。そのため、ArcScan での処理が完了したら、編集ツールで [スナップ] ツー
ルバーを利用できるように、クラシック スナップを無効化してください。
関連項目
ArcGIS 10 の新機能の概要
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
173
ArcGIS 10 の新機能
ArcGIS Mobile 10 の新機能
ArcGIS 10 リリースでは、次の主要テーマに基づいて ArcGIS Mobile が開発されました。
•
ハンドヘルド アプリケーションの操作性を向上する
•
アプリケーション プラットフォームのサポートを拡張し、タッチ スクリーン型 Microsoft Windows
デバイスにも対応する
•
フィールド アプリケーションの開発を容易にする
•
新しいアプリケーションである Mobile Project Center を通じてプロジェクト管理を簡素化する
アプリケーションの操作性の向上
9.3 リリースでは、即時利用可能な Windows Mobile 向けアプリケーションが ArcGIS Mobile に導入されま
した。ArcGIS Mobile は、さまざまなフィールド プロジェクトに合わせて構成できるタスク駆動型アプリ
ケーションです。今回の ArcGIS 10 リリースでは、より大きく、読みやすくなったテキストとメニュー オ
プション、ジェスチャを使ってスクロールできるリスト、直観性と柔軟性が増したワークフローなど、タ
ッチ スクリーンの操作環境が大幅に向上しました。
さらに、ArcGIS 10 バージョンのアプリケーションにはいくつかの新機能も追加されています。マップ表示
に関しては、ライン、エリア、およびフィーチャを測定するための新しい機能が追加されました。新しい
タイプのインターネット ベースマップおよび非接続ベースマップもサポートされています。
フィーチャの収集タスクでは、ワークフローが向上し、効率化されました。GPS データ収集操作が簡素化
され、ボタンを押すだけで GPS 位置の平均化を開始および停止できます。位置を収集しながら、マップや
GPS の状態を表示することも可能です。
ポリラインやポリゴンを作成する新しい GPS ストリーミング方式が導入されました。距離または時間間隔
に基づいて位置をフィルタリングし、実際に取得した位置に左右のオフセットを適用してポリラインやポ
リゴンを配置できます。属性を収集する際、各フィールドがページ全体に表示されるので、収集を容易に
行うことができます。フィーチャ間で属性をコピーしたり、値の設定が必須の属性を通知したりする機能
も追加されました。
検索タスクでは、検索条件を保存できるようになりました。検索条件はプロジェクトに保存されるので、
同じプロジェクトを次に開いたとき、必要な検索をすぐに実行できます。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
174
ArcGIS 10 の新機能
同期タスクでは、編集内容をサーバへ自動的に送信できるようになりました。フィーチャを収集したと
き、フィーチャを更新したとき、またはデバイスをクレードルに接続したときに、変更内容をサーバへ送
信できます。また、指定した時間間隔で送信することもできます。
「フィールド作業員の表示」という新しいタスクが追加され、フィールド作業員どうしの連携が可能にな
りました。このタスクを使用すれば、他のフィールド作業員の所在地をマップ上で確認し、電子メールや
SMS で連絡を取り合ったり、直接電話をかけたりできます。各フィールド作業員が 1 日に移動した場所を
記録・管理するフィールド作業員ログを併用することで、他のフィールド作業員の所在地を特定または追
跡し、互いに協力して作業を進めることができます。
Windows 向け ArcGIS Mobile アプリケーション
Windows デバイスおよび Windows Mobile デバイスで ArcGIS Mobile アプリケーションを実行できるよう
になりました。Windows 向け ArcGIS Mobile は車両に搭載されることが多いため、耐久性を考慮したタッ
チ スクリーン向けに最適化されています。Windows 向け ArcGIS Mobile アプリケーションには Windows
Mobile アプリケーションの主要機能がすべて組み込まれており、さらに車載用として特別に設計されてい
ます。たとえば、統合タッチ スクリーン キーボード、昼夜のスキン設定、アプリケーション自体の明るさ
調節など、Windows 向けアプリケーション独自の機能が追加されています。さらに、ベースマップ レイヤ
を暗くして操作対象マップ レイヤを目立たせ、レイヤ間のコントラストをはっきりさせることもできま
す。
.NET を使用した ArcGIS Mobile アプリケーションの拡張
Windows/Windows Mobile 向け ArcGIS Mobile アプリケーションの構成にプログラミングは不要です。アプ
リケーションに対するタスクの追加と削除、既存のタスクの動作変更と機能変更、使用するマップ レイヤ
コンテンツの選択などが可能です。
ただし、多くの場合は、それぞれのビジネス ワークフロー、タスク、およびデータに合わせてコア アプリ
ケーション機能を拡張する必要があります。ArcGIS Mobile アプリケーションをフレームワークとして使用
することで、独自開発が必要な部分を減らし、ビジネス価値の向上に注力できると同時に、既存の基本的
な GIS アプリケーション機能を活用することができます。
さらに、フィールド データ管理のビジネス ワークフローに適した新しいタスクを作成したり、既存のタス
クに必要な機能を追加したり、アプリケーション全体を拡張することも可能です。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
175
ArcGIS 10 の新機能
Mobile Project Center を使用したプロジェクト管理の簡素化
Mobile Project Center は、フィールド プロジェクトの作成と管理を目的として ArcGIS 10 リリースに導入
された新しいアプリケーションです。フィールド プロジェクトでは、さまざまなフィールド ワークフロー
を実行するためのマップ、タスク、および機能を定義します。
9.3 リリースでは、プロジェクトを作成および管理するための機能は ArcGIS Server アプリケーションに組
み込まれており、GIS サーバの管理や Web アプリケーションの作成でも使用されていました。
Mobile Project Center を使用すれば、作成するフィールド プロジェクトを自分のデスクトップのローカル
に保存するのか、社内の ArcGIS Server に保存するのか、arcgis.com に保存するのかを選択できます。フ
ィールド作業員の配備方法に応じて、単純なファイル転送、社内の Web サーバ、または Esri のクラウド
サーバ(arcgis.com)を使い分けることができます。社内の Web サーバにインストールされた ArcGIS
Server には、プロジェクトを保存できるコンテンツ Web サービスと仮想ディレクトリが含まれます。
Mobile Project Center では、この Web サービスにプロジェクトを保存できます。さらに、ArcGIS Mobile
フィールド アプリケーションからコンテンツ Web サービスにアクセスを実行し、必要なプロジェクトをデ
バイスに取り込むことができます。
Mobile Project Center ではフィールド マップの内容を定義できます。フィールド マップは、複数のマップ
レイヤ(操作マップ レイヤまたはベースマップ レイヤ)で構成されます。ArcGIS 10 リリースでは、空間
参照が一致していれば、複数の操作レイヤやモバイル サービスをフィールド プロジェクトに追加できま
す。つまり、複数のトランザクション マップ レイヤをサービスとしてグループ化することができます。た
とえば、観測データや調査データなど、編集可能なレイヤを 1 つのサービスとしてグループ化します。一
方、送水バルブやパイプなど、検索は可能だが編集は許可されていない読み取り専用のトランザクション
レイヤは、さらに別のサービスとしてグループ化します。
操作レイヤ ソースに加え、ベースマップ レイヤを指定するときにも多数の選択肢があります。ベースマッ
プは、4 種類のマップ(Street Map(日本未対応)、マップ サービスのキャッシュ ファイル、ArcGIS.com
のベースマップ、ArcGIS Serverのキャッシュされたマップ サービス)のうちいずれかで構成されます。
Street Map は ArcGIS Mobile の新しいデータ製品であり、道路の中心線と対象データのポイントが含まれ
ます。データセットの一部を抽出して、自分のモバイル デバイスにコピーし、非接続時にフィールドで使
用できます。
マップ サービスのキャッシュ ファイルも同様です。キャッシュ マップ サービスを作成し、データをモバ
イル デバイスにコピーしておけば、そのキャッシュからファイルを直接読み込むことができます。キャッ
シュ マップ サービスには、オルソ画像とカートグラフィック ベースマップの両方を追加できます。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
176
ArcGIS 10 の新機能
ローカル ベースマップに加え、ArcGIS 10 ではインターネットに接続してベースマップを利用することが
できます。これらには、ArcGIS.com のベースマップ サービスと独自に公開したキャッシュ マップ サービ
スが含まれます。
アプリケーション フレームワークを使用して作成するタスクや拡張機能は、Mobile Project Center を通じ
てフィールド プロジェクトに公開します。独自に用意したタスクおよび拡張機能を特定のフォルダに配置
すると、新しい機能やタスクがモバイル プロジェクトの作成時に表示されます。
ArcGIS Mobile の詳細は、ArcGIS Desktop ヘルプの Professional Library で、Mobile GIS に関する説明をご
参照ください。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
177
ArcGIS 10 の新機能
防衛/インテリジェンスの新機能
このトピックでは、ArcGIS 10、10 SP1、および 10 SP2 の防衛/インテリジェンスに関する新機能を説明し
ます。
バージョン 10 Service Pack 2
•
APP-6(B)軍事関連シンボル仕様のサポートを強化するように、スタイル ファイルが更新されま
した。
•
Military Analyst および MOLE を使用しているユーザが ArcGIS のネイティブ機能に移行するときに
役立つように、「Military Analyst および MOLE からの移行」のトピックが追加されました。
•
軍事関連フィーチャの概念と防衛ワークフローを詳しく説明するように、次の新しいトピックが追
加されました。
▪ UEI フィーチャの使用
•
▪
軍事作戦フィーチャの使用
▪
軍事関連仕様のグラフィック修飾子
▪
軍事関連フィーチャのラベリング
▪
標準メッセージからの軍事関連フィーチャの作成
▪
日時グループ(DTG)文字列から日時データへの変換
防衛/インテリジェントの Resource Center に、新しいテンプレートの Patrol Data Capture が追加
されました。このテンプレートはドキュメントと一緒にダウンロードして、巡回中の兵士が携帯す
る GPS デバイスから収集された ArcGIS のロケーションをインポートする方法について学習できる
ように作成されています。収集したデータの問題を修正する方法や、巡回レポート情報を対応する
巡回路に関連付ける方法も学習できます。
バージョン 10 Service Pack 1
•
このサービス パックでインストールされるスタイル ファイルには、以下を目的とする新しいマー
カー シンボルが含まれます。
▪ 軍事関連フィーチャの追加のサポート
▪
•
MIL-STD-2525B Change 2 のサポートの強化
ArcGIS 10 リリースで利用可能な Military Overlay レイヤ パッケージと防衛に関するテンプレート
は、Defense Resource Center のテンプレート ギャラリーから ArcGIS.com に移動しました。ま
た、Hostile Operations レイヤ パッケージなどの新しいレイヤ パッケージも追加されています。追
加された新しいテンプレートには、NSG Entity Catalog データ用の Topographic Basemap
Template および CIB(Controlled Image Base)データ用の Imagery Basemap Template も含まれ
ます。Esri から提供されている防衛関連のすべてのレイヤ パッケージとテンプレートを表示するに
は、次の手順に従います。
• Internet Explorer などの Web ブラウザを使用して、ArcGIS.com(http://www.arcgis.com)
にアクセスします。
•
ウィンドウ上部にある [Show] ドロップダウン矢印をクリックし、[All Content] をクリッ
クします(デフォルトでは、Web コンテンツのみが表示されます)。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
178
ArcGIS 10 の新機能
•
検索テキスト ボックスに「ArcGIS for Defense」と入力します。Esri によって作成さ
れた、防衛/インテリジェンス分野のレイヤ パッケージ、テンプレート、およびベースマッ
プがすべて表示されます。
バージョン 10
ArcGIS はこのリリースで大きく変更され、防衛/インテリジェンスのユーザ分野により適応するようになり
ました。Military Analyst および MOLE エクステンションはバージョン 10 でも利用できますが、これらの
エクステンションの多くの機能は ArcGIS のネイティブの機能として提供されます。ArcGIS で防衛/インテ
リジェンスのタスクを実行するために、それぞれのエクステンションをダウンロード、インストール、ま
たは学習する必要がなくなり、必要とされるのは ArcGIS の知識のみとなりました。
バージョン 10 より前の Military Analyst および MOLE を使用していた場合は、この移行に関するドキュメ
ントが、タスクを実行する新しい方法を学習する際に役立ちます。
次に、防衛/インテリジェンス分野に影響する ArcGIS 10 での変更内容を示します。
•
フィーチャ テンプレートを使用して、軍事関連フィーチャ(軍事関連シンボル)をマップに追加で
きます。詳細については、「マップへの軍事関連フィーチャの追加」をご参照ください。
•
軍事関連フィーチャを含む定義済みのレイヤ パッケージを、ArcGIS.com からダウンロードできま
す。デフォルトの軍事関連レイヤ パッケージである MilitaryOverlay.lpk には、次の軍事関連フィー
チャ(軍事関連シンボル)のフィーチャ テンプレートが含まれています。
▪ サポートされている仕様のすべての C2 軍事作戦フィーチャ(主攻矢印など)。
▪
汎用の歩兵小隊など、いくつかの部隊、装備、および施設のフィーチャ(UEI フィーチ
ャ)。レイヤ パッケージにフィーチャ テンプレートとして用意されていない、任意の軍事
関連フィーチャを作成できます。詳細については、「新しいタイプの軍事関連フィーチャ
の定義」をご参照ください。
▪
サポートされる仕様の別のカテゴリのフィーチャ。たとえば、気象および海洋学
(METOC)、危機管理、信号情報、安定化活動のフィーチャなどがあります。
デフォルト レイヤ パッケージの詳細については、「Military Overlay レイヤ パッケージ」をご参照
ください。
•
測地フィーチャを、描画または場所と測定値の入力によってマップに追加できます。詳細について
は、「測地フィーチャの作成」をご参照ください。
•
MGRS(Military Grid Reference System)ロケータなど、MGRS のサポートが拡張されました。詳
細については、「ArcGIS での MGRS のサポート」をご参照ください。
•
新しい 4 つの ArcGIS ジオプロセシング ツールは、防衛/インテリジェンスに重点を置いています。
▪ 方位距離 → ライン(Bearing Distance To Line) - ラインを作図するための情報を含むテー
ブルを測地線フィーチャクラスに変換します。
▪
テーブル → 楕円(Table To Ellipse) - 楕円の定義を含むテーブルを測地楕円のフィーチャ
クラスに変換します。
▪
XY 座標 → ライン(XY To Line) - 始点と終点を(X、Y 座標の組として)含むテーブルを
測地線フィーチャクラスに変換します。
▪
座標表記の変換(Convert Coordinate Notation) - テーブルまたはフィーチャクラスの座標
形式(DD、DMS、UTM、MGRS など)を別の座標形式に変換します。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
179
ArcGIS 10 の新機能
•
新しい [モザイク データセットへのラスタの追加(Add Rasters To Mosaic Dataset)] ジオプロセ
シング ツール ダイアログ ボックスの [ラスタ
ラスタ タイプ
タイプ] ドロップダウン メニューを使用して、モザ
イク データセットに追加する軍事用ラスタ データのタイプに合わせて特別に設計されたラスタ タ
イプを選択できます。選択できる軍事用ラスタ タイプは、CADRG、CIB、DTED、および NITF で
す。これらの軍事用ラスタ タイプを([ラスタ
ラスタ タイプ
タイプ] ドロップダウン メニューで選択して)使用
する場合、次のような利点があります。
▪ 軍事データをモザイク データセットに追加するために軍事関連のラスタ タイプが使用する
ロジックは、追加する軍事データのタイプに特有です。複製の処理方法の詳細について
は、「軍事データを含むモザイク データセットの更新」をご参照ください。
▪
•
軍事関連のラスタ タイプは、画像メタデータを抽出し、それをモザイク データセット属性
テーブルに書き込みます。各ラスタ タイプの詳細と抽出されるフィールドのリストについ
ては、「サポートされているラスタ タイプ」をご参照ください。
ArcMap に新しいウィンドウの [画像解析] ウィンドウが追加され、画像とラスタ データの解析およ
び活用のサポートが強化されました。
概要については、「ArcGIS における防衛の概要」をご参照ください。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
180
ArcGIS 10 の新機能
ArcGIS 10 のルート検索の新機能
[ルート検索] ダイアログ ボックスを使用すると、ArcMap 内のポイント間のルートやルート案内を計算するこ
とができますが、このダイアログ ボックスに [ツール] ツールバーからアクセスできるようになりました。
その他の機能拡張としては、SDC 以外のネットワーク データセットがサポートされ、ArcGIS Online のルー
ト サービスおよびジオコード サービスを直接使用できるようになり、その他の有用な機能も含まれるように
なりました。
ルート検索サービス
StreetMap データに含まれる SDC ネットワーク データセットに加えて、[ルート検索] ダイアログ ボック
スでは、シェープファイルおよびジオデータベース ネットワーク データセットに対するルート検索と、
ArcGIS Server ルート サービスがサポートされるようになりました。これによって、カスタム属性とイン
ピーダンスを持つネットワーク データセットを使用して、ルートを解析できるようになりました。また、
選択したネットワーク データセットを使用して ArcGIS Server ルート サービスを作成することによって、
組織全体と組織外の他者に対してルート解析ソリューションへのアクセスを提供できるようになりまし
た。
ネットワーク データセットの詳細
ArcGIS Server ルート サービスの詳細
ArcGIS Online の使用
ArcGIS Online (ArcGIS.com)では、ユーザが Web 上で動的にアクセスできる複数の無償のルート サービ
スおよびジオコード サービスが提供されています。これらのサービスは、デフォルトでは [ルート検索] ダ
イアログ ボックスで使用でき、ユーザが独自のデータを持たない場合でも、ArcMap でストップをジオコ
ーディングしたり、正確なルートを計算したりすることができます。ArcGIS Online ルート サービス
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
181
ArcGIS 10 の新機能
は、[ルート検索] ダイアログ ボックスの [オプション
オプション] タブにある [ルート
ルート サービス
サービス] ドロップダウン リス
トから選択できます。
ArcGIS Online ルート サービスは、[オプション
オプション] タブにある [住所ロケータの選択
住所ロケータの選択] ドロップダウン リスト
から選択できます。
その他のルート機能
インピーダンス
[ルート検索
ルート検索] ではカスタム データセットがサポートされるようになったので、ネットワーク データセッ
トで定義したカスタム インピーダンス(つまりネットワーク コスト)に対するルート検索もサポートさ
れるようになりました。エージェントがネットワーク エレメントを通過するときには、常にある程度の
負担を課せられます。これがネットワーク コストです。たとえば、ある都市から別の都市への経路に
は、45 マイルのネットワーク コストがかかることがあります。これまでは、[ルート検索
ルート検索] ではインピー
ダンスとして時間と長さのみがサポートされていましたが、ネットワークで定義されるすべてのものが
サポートされるようになりました。
ネットワーク データセットのインピーダンスの詳細
タイム ウィンドウ
タイム ウィンドウとは、ルートがストップを訪れる開始時間から終了時間までの時間帯です。タイム ウ
ィンドウは、配達シナリオのシミュレーションに使用できます。ここでは、各ストップが配達の実行さ
れる必要のある時間範囲を持ち、各ストップで費やす必要のある一定の時間が存在しています。割り当
てられたタイム ウィンドウの範囲内でストップに到着が発生しなかった場合、ルート案内にはタイム ウ
ィンドウ違反が報告されます。タイム ウィンドウは、[ストップ プロパティ] ダイアログ ボックスで、
個々のストップに対して定義します。
タイム ウィンドウの詳細
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
182
ArcGIS 10 の新機能
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
183
ArcGIS 10 の新機能
ArcGIS 10 の新機能 - ジオコーディング
ジオコーディング エンジン
ジオコーディング エンジンが新しくなり、次の新機能が追加されました。
•
住所を 1 行形式で入力できます。
住所検索の詳細
•
住所を入力する際、空間オフセットおよび緯度経度による位置を使用できます。
住所検索の詳細
•
いくつかの住所ロケータのスタイルが縮小されました。同じロケータ スタイルを使用して、ゾーン
情報がなくてもロケータを作成できます。バージョン 10 より前の ArcGIS で使用していたロケータ
スタイルは、新しいジオコーディング エンジン対応のスタイルに変わりました。
住所ロケータ スタイルの詳細
•
新しい Gazetteer ロケータ スタイルが追加されました。シングル フィールドおよび Gazetteer ロケ
ータ スタイルは、柔軟な検索と名前の処理をサポートしています。
•
ロケータ スタイルごとに 1 つの XML ファイルで指定されます。このファイルで、すべてのジオコ
ーディング プロパティと住所解析構文を定義します。
•
ロケータは Unicode 文字をサポートしています。国際的な住所をジオコーディングする住所ロケー
タ スタイルを独自に作成することもできます。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
184
ArcGIS 10 の新機能
ジオコーディング ツールバー
ArcMap の [ジオコーディング] ツールバーに、新しい [住所ロケータの管理
住所ロケータの管理] リストと、1 行形式の住所を
検索する住所入力
住所入力ボックスが追加されました。
[ジオコーディング] ツールバーを使用した住所検索の詳細
デフォルト ロケータ
デフォルト ロケータは、ArcMap を起動したとき、または新しいマップ ドキュメントを開いたとき、マッ
プへ自動的に読み込まれるロケータです。[ジオコーディング] ツールバーおよび [検索] ダイアログ ボック
スに表示されるデフォルト ロケータを使用すれば、住所を即座に検索できます。デフォルトでは、ArcGIS
Online のいくつかのジオコード サービスおよび Military Grid Reference System(MGRS)ロケータがデフ
ォルト ロケータとして表示されます。
ArcMap でのデフォルト ロケータ設定の詳細
検索ダイアログ ボックスの [位置
位置] タブ
ArcGIS 9.3.1 で使用していた [場所
場所] タブと [アドレス
アドレス] タブに代わり、[検索] ダイアログ ボックスに [位置
位置]
タブが追加されました。[位置
位置] タブでは、住所、場所、ランドマーク、または座標から位置を検索できま
す。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
185
ArcGIS 10 の新機能
[検索] ダイアログ ボックスでの住所検索の詳細
新しい住所ロケータを作成するためのメニュー オプション
住所ロケータまたはコンポジット 住所ロケータを作成するには、ワークスペースのショートカット メニュ
ーから [新規作成
新規作成] を選択します。次に、[住所ロケータ
住所ロケータ] または [コンポジット住所ロケータ
コンポジット住所ロケータ] をクリックし
ます。該当するタイプの住所ロケータを作成するためのダイアログ ボックスが開きます。
メモ
メモ: ファイル フォルダ、ファイル ジオデータベース、パーソナル ジオデータ
ベースに加え、ArcGIS 10 では、ArcSDE ジオデータベースにコンポジッ
ト住所ロケータを作成できます。
ジオコーディング ジオプロセシング ツール
新しい 2 つのジオコーディング ツールが [ジオコーディング] ツールボックスに追加されました。
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
186
ArcGIS 10 の新機能
•
[コンポジット住所ロケータの作成(
コンポジット住所ロケータの作成(Create Composite Address Locator)
)] ツール: 複数の住所ロ
ケータを参照するコンポジット ロケータを作成します。
•
[リバース
リバース ジオコード(
ジオコード(Reverse Geocode)
)] ツール: フィーチャクラスのポイント位置に該当する
住所を取得します。
[ジオコーディング] ツールボックスの詳細
Copyright © 1995-2011 Esri. All rights reserved.
187