アニュアルレビュー - Rio Tinto Japan

2006 アニュアルレビュー
リオティントグループ
リオティントグループは、世界的にリードしている国際的な資源会社で本社をイギ
リスに置き、ロンドン上場の公開会社 Rio Tinto plcと豪州証券取引所に上場
している Rio Tinto Limited が合同した会社です。
リオティントグループの事業は、鉱物資源の探鉱、採鉱、加工を行うことです。
主要商品は、アルミニウム、銅、ダイヤモンド、エネルギー商品(石炭とウラニウ
ム)、金、産業用鉱産物(ホウ酸、酸化チタン、塩、タルク)そして鉄鉱石です。
グループの活動拠点は、全世界に拡がっていますが、特に豪州、北米、重要な活
動拠点である南米、アジア、ヨーロッパそして南アフリカです。
リオティントグループの目標は、長期にわたる株主への包括的な利益還元を最大
化することです。これは、それぞれの商品の選択ではなく、それぞれの機会の価
値によって導き出された、大きくコスト優位がある鉱山へ投資を行うという戦略
を通じて可能となります。
事業を行う地が、たとえ世界のどこであろうとも、私たちの最重要課題は従業員
の健康と安全です。私たちは持続的発展のために貢献できることを常に捜し求め
ています。現地の人々と可能な限り密に協力し、それぞれの国の法律や慣習への
配慮と利益と機会の公正な還元を確保しながら、仕事をすすめていきます。
リオティントグループの活動拠点 2007 年 2 月時点:(明記されていない限り、100%所有)
鉄鉱石事業部
エネルギー事業部
産業用鉱産物事業部
営業資産
66.62 億米ドル
売上収益
69.38 億米ドル
根元的当期純利益
22.79 億米ドル
営業資産
27.63 億米ドル
売上収益
42.40 億米ドル
根元的当期純利益
7.11 億米ドル
営業資産
26.82 億米ドル
売上収益
26.23 億米ドル
根元的当期純利益
2.43 億米ドル
鉄鉱石事業部は、豪州の Hamersley
Iron と Robe River、Iron Ore Company
of Canada、ブラジルの Corumbá 鉱
山、及びギニアの Simandou とインドの
Orissa のプロジェクトにより構成されて
います。さらに事業部には、豪州にある
Hlsmelt 社の直接製鉄工場も含んでいま
す。
エネルギー事業部は、石炭事業が代表と
なり、豪州の Rio Tinto Coal Australia
と Coal & Allied、及び米国で操業し
ている Rio Tinto Energy America か
らなります。また、Energy Resources
of Australia、ナミビアにある Rössing
Uranium 鉱山からなるウラン事業も含み
ます。
産業用鉱産物事業部は、米国、南米、
欧州、及び豪州で操業している Rio
Tinto Borax、Luzenac Talc、及び豪
州で操業している Dampier Salt の 3 社
より構成される Rio Tinto Minerals と北
米、南アフリカ、及びマダガスカルで操
業している Rio Tinto Iron & Titanium
からなります。
Iron ore and iron
Operating sites
Corumbá
34 Hamersley Iron mines:
Brockman
Marandoo
Mt Tom Price
Nammuldi
Paraburdoo
Yandicoogina
Channar (60%)
Eastern Range (54%)
35 HIsmelt® (60%)
34 Robe River mines: (53%)
West Angelas
Pannawonica
36 Iron Ore Company of Canada (59%)
Coal
Operating sites
Antelope
11 Bengalla (30%)
12 Blair Athol (71%)
13 Colowyo (20%)
10 Cordero Rojo
14 Decker (50%)
12 Hail Creek (82%)
15 Hunter Valley Operations (76%)
10 Jacobs Ranch
16 Kestrel (80%)
15 Mt Thorley Operations (61%)
14 Spring Creek
17 Tarong
15 Warkworth (42%)
Projects
Hope Downs (50%)
37 IOC Pellet Plant (59%)
38 Orissa (51%)
39 Simandou (95%)
12
33
34
10
11
9
Borates
Operating sites
Boron
Coudekerque Plant
Tincalayu
Wilmington Plant
41
Potash
Projects
Rio Colorado Potash
6
7
8
Talc
Operating sites
(only major sites are shown)
44 Ludlow
45 Talc de Luzenac
46 Yellowstone
47 Three Springs
Titanium dioxide feedstock
Operating sites
QIT-Fer et Titane Lac Allard
49 QIT-Fer et Titane Sorel Plant
50 Richards Bay Minerals (50%)
48
Salt
Operating sites
Dampier (65%)
43 Lake MacLeod (65%)
42 Port Hedland (65%)
42
51
Projects
QIT Madagascar Minerals (80%)
Projects
Clermont (50%)
Mt Pleasant (76%)
Uranium
Operating sites
ERA (68%)
53 Rössing (69%)
52
54
55
Projects
Kintyre
Sweetwater
アルミニウム事業部
銅
ダイヤモンド
営業資産
36.07 億米ドル
売上収益
34.93 億米ドル
根元的当期純利益
7.46 億米ドル
営業資産
33.84 億米ドル
売上収益
70.79 億米ドル
根元的当期純利益
35.62 億米ドル
営業資産
10.56 億米ドル
売上収益
8.38 億米ドル
根元的当期純利益
2.05 億米ドル
アルミニウム事業部は、アルミニウムの
子会社が統合化された 100%所有の Rio
Tinto Aluminium からなります。この会
社は、豪州、ニュージーランド、及びイ
ギリスにおける操業を所有、管理してい
ます。
銅事業部は、米国の Kennecott Utah
Copper と Kennecott Minerals、チ
リにある銅鉱山 Escondida の一部保
有、インドネシアの Grasberg、豪州の
Northparkes、南米の Palabora、米国
の Resolution Copper と Pebble プロ
ジェクト、及びモンゴルの Oyu Tolgoi と
ペルーの La Granja のプロジェクトから
なります。
ダイヤモンド事業部は、一部保有してい
るカナダの Diavik、豪州の Argyle 鉱山、
及びジンバブウェの Murowa 鉱山からな
り、ベルギーとインドにある販売オフィ
スにより提供されています。
1
2
3
3
3
4
5
3
Aluminium
Operating sites
Anglesey Aluminium (51%)
Bell Bay
Boyne Island (59%)
Gladstone Power Station (42%)
Queensland Alumina Limited (39%)
Tiwai Point (79%)
Weipa
Yarwun (formerly Comalco
Alumina Refinery)
Copper and gold
Operating sites
18 Bougainville (not operating) (54%)
19 Cortez/Pipeline (40%)
20 Escondida (30%)
21 Grasberg joint venture (40%)
22 Kennecott Utah Copper
23 Northparkes (80%)
24 Palabora (58%)
25 Rawhide (51%)
Projects
La Granja
27 Oyu Tolgoi (10%)
28 Pebble (20%)
29 Resolution (55%)
Nickel
Projects
40 Eagle
Zinc, lead, silver
Operating sites
56 Greens Creek (70%)
Diamonds
Operating sites
30 Argyle
31 Diavik (60%)
32 Murowa (78%)
Mines and mining projects
26
Smelters, refineries and
processing plants remote
from mine
31
28
56
1
36 48
37
46 55
19 22 14
25
13 10
29
6
9
27
7
49
40
44
45
38
39
21
18
52
30
42
54
43 34
47
35
26
5
12
16
33
53
3
17
20 8
23 11
15
32
24
51
50
41
2
4
探鉱
探鉱事業部は、5 つの地域(北米、南米、
南洋州、アジア、及びアフリカ / ヨーロッパ)
でチームが構成されています。世界中にあ
る新しい機会を探す六つ目のプロジェクト
を生み出すチームであり、また、地域別チー
ムへ特殊化した地質学、地球物理学、及
び商業専門技術を提供するチームです。ロ
シア及びモンゴル等への著しい探鉱の拡張
を反映して、アジアチームが 2006 年に編
成されました。
OTX
OTX 事業部
(従来のテクノロジー事業部で、
Operational and Technical Excellence
の略)は、イギリス、米国、及び豪州で
活動しており、4 つの下位事業部からなり
ます。それらは、Centres of Excellence、
Evaluation、Shared Expertise、及び
Support 下位事業部となります。OTX 事
業部には、卓越した採掘、加工、資産の
健全性、安全性、及び戦略的プロジェク
トの計画とイノベーションをつかさどるセン
ターがあります。
リオティント 2006 年
アニュアルレビューについて
リオティント株主の大半は、アニュアルレビュー
の受領を選択されますが、リオティントグルー
プについて熟知するに足る情報が記載された
アニュアルレポート及び財務諸表ほどの情報は
当アニュアルレビューには含まれていない点ご
留意願います。アニュアルレポート及び財務諸
表は、豪州及びイギリスの法律にて定められた
要求事項に遵守しており、完全な財務諸表を含
んでいます。当レポートの冊子につきましては、
P.36 ページに記載されている会社の登記係より
無料にて入手できます。また、それ以外にも持
続可能な発展についての冊子も同様に入手で
きます。弊社の株主でアニュアルレビューの代
わりにアニュアルレポートを入手されたい方は、
弊社の登記係までご連絡頂ければお送りいたし
ます。もし、財務諸表及びその他の情報を電子
データで入手されたい場合は、弊社のコンピュー
ター係までご連絡下さい。
リオティント 2006 年アニュアルレビューの
日本語版について
このアニュアルレビューは、リオティントより発
行されているアニュアルレビューを直訳したもの
です。誤訳がないよう細心の注意を払い、読み
やすさについても心がけていますが、もし本文
の中に不明瞭な箇所がある場合、英文のアニュ
アルレビューをご参照頂けますようお願い申し
上げます。
将来予測に基づく報告書
当アニュアルレビューには、一部将来予測に基
づいた報告が含まれています。そして、リオティ
ントグループの管理範囲外で顕在化しているリ
スクと顕在化していないリスクがグループへ影
響を与える可能性がありえます。例えば、長期
価格に関する予測は、現状の水準よりも大きく
変わる可能性があり、特定の開発に関するタイ
ミングと実行有無について影響を与えるかもし
れません。このようなリスクを加味すると、実
際の結果は将来予測に基づく報告書に記載され
ているどの将来の結果とも大きく異なる場合が
あり、当アニュアルレビュー発行時点での将来
の予測に過ぎない点ご注意下さい。
リオティントのウェブサイトについて
リオティントに関する情報は、我々のホームペー
ジにより入手することができます。2006 年のア
ニュアルレポート及び財務諸表やアニュアルレ
ビューについても以下の URL よりダウンロード
することができます。
www.riotinto.com
目 次
2 会長挨拶
3 最高経営責任者とのインタビュー
5 主要財務情報
6 事業報告
8 鉄鉱石事業部
9 エネルギー事業部
12 産業鉱産物事業部
13 アルミニウム事業部
16 銅事業部
17 ダイヤモンド事業部
20 OTX 事業部
21 探鉱
22 持続可能な発展
23 ビジネスユニット別財務情報
24 要約財務諸表
25 要約貸借対照表
26 豪州 IFRS との調整
26 当期純利益と根元的当期純利益について
27 要約キャッシュフロー計算書
27 豪ドル、英ポンド、米ドルによる財務データの要約
28 豪州会社法
28 独立監査人の意見表明
29 コーポレートガバナンス
34 株主情報
36 お問い合わせ先
Rio Tinto 2006
アニュアルレビュー
1
会長挨拶
来時には、それを採択できるほどの財務的余裕
はまだ残っています。
我々が現金投入をする際の主要な優先順位は、
従来通り成長事業における採算性が高い投資案
件で、我々の商品ポートフォリオの中で経済的に
好調なプロジェクトに対して一定の重きをおいて
います。我々の設備投資は、2005 年の 25 億米
ドルから 2006 年には 39 億米ドルまで増加しま
した。我々のプロジェクトの機会に関するパイプ
ラインは、2007 年には 50 億米ドル位まで成長
することでしょう。
2006 年において我々の商品事業部は、引き続き
堅調な世界需要と高水準な価格を体験すること
ができ、3 年連続過去最高の当期純利益を達成
できてとても光栄です。この業績はリオティント
の商品ポートフォリオの抜本的な価値を反映した
もので、それは、経済サイクルの至る所で活発で
あったことからも証明されています。
このように好況で継続して成功が続いている時
は、安易な安心感を抱きがちになることのリスク
について以前警告しました。我々はこのことにつ
いて、引き続き警告をし続け、我々の産業につい
て長期的な景気循環の摂理について認識してお
く必要があります。そのため、我々は引き続き設
備投資に関する厳しい規律、卓越した操業、及
び我々の根本的な事業を促進する全ての機会を
着実に遂行していくことに焦点をあてています。
業績及び配当金
リオティントグループの 2006 年根元的当期純
利益は 73.38 億米ドルで、2005 年と比較して
23.83 億米ドル増加(+48%増)しました。当期
純利益は、74.38 億米ドルで、2005 年は 52.15
億米ドルでした。事業活動に基づくキャッシュフ
ローは、対前年で 36%上昇し、111.96 億米ドル
となりました。
公表された 2006 年の最終配当金は、一株あ
たり 64 米セントで 2006 年の中間配当を含むと
合計で 104 米セントとなり、対前年で 30%増加
しました。我々は、前年よりも減配しないという
配当政策を長年にわたり採用していますが、依然
としてこの政策を維持していくことは我々の優先
事項であります。さらに、我々の事業活動に基
づく巨額なキャッシュフローは、24 億米ドルの
株式買戻しプログラムと 15 億米ドルの特別配当
金を可能にしました。マーケットの状況次第です
が、2007 年の終わりまでにさらに 30 億米ドル
の資本還元を行う予定であることついて発表しま
した。この事を考慮しても、さらなる成長機会到
2
Rio Tinto 2006
アニュアルレビュー
戦略
我々の戦略は、どのような経済下においても価値
のあるリターンを生み出すことが可能となる、巨
大で寿命が長く、かつ低コストな鉱体に引き続き
焦点をあてていくことです。我々の主目的は、株
主の為に価値を生み出していくことでありそうあ
り続けます。巨大で成熟し、成長を続けている国・
地域(economies)に重点を置いた地理的なポー
トフォリオを持っていることを幸運に思います。し
かし、我々は更なる将来価値の成長を追及する
際、過去よりも幅広い国で操業を行っていく必要
があると認識しています。近年のロシア、マダガ
スカル、ペルー、及びモンゴルにおけるプロジェ
クト及び投資がその証拠です。
さらに我々は主要な事業の全工程において、
生産性及び操業の改善推進に焦点をあてており、
それによって我々のポートフォリオがより困難な
市場環境においても十分に活力を持てるようにす
ることができます。2006 年には、その目標に向
けて大きな進歩を達成することができました。
持続可能な発展
リオティントは長期、かつ設備集約型の事業であ
り、一般的に 30 年以上の寿命を持った遠隔地
に設置された鉱山等へ投資を行っています。経済
的、社会的安定性がない限り、我々は政府、地
域住民、及び株主へ経済的な便益を運ぶことが
出来ません。我々はそれゆえ、引き続き持続可能
な発展の原則に遵守しており、それは我々のビジ
ネスのあらゆる面で反映されています。 これは、
新しい機会へのアクセス、事業パフォーマンスの
改善、完全に公約に加わる我々の従業員を鼓舞
する事が容易にできます。
我々が新しい地域へ進出していくと同時に出会
う経済的、社会的、環境的な困難は我々の事業
にとってより一層重要な点になります。我々のビ
ジネス方法が前向きに認識され、これらの環境
下で我々の様々な利害関係者からサポートを頂け
たことに対して大変感謝しています。
新しい CEO
2007 年 5 月 1 日より Tom Albanese が Leigh
Clifford の後任者として最高経営責任者に任命さ
れました。Leigh は、約 37 年間にわたりリオティ
ントに対して大変貢献してまいりました。彼が最
高経営責任者として就任した 7 年間に、会社の
利益と事業価値の著しい成長及び操業パフォー
マンスの大幅な促進が見られました。我々は、彼
のリオティントに対する多大なる貢献に感謝し、
将来も引き続き順調に過ごせるよう祈っています。
Tom はたびたびリオティントにおいて困難な職
務に就いており、マイニング産業に関する幅広い
経験を培っています。彼はここ近年数多く重要な
イニシアティブを取ってきた主要プレイヤーであ
り、我々の戦略的方向を形作ってきました。我々
は、Leigh から Tom へ順調に引き継がれるよう
計画しており、彼の指導力の下、リオティントが
継続して高い利益で成長し、また株主への価値
を増加することについて信じています。
役員会の進展
Michael Fitzpatrick は投資ファンドの管理で功
績を残した後、2006 年 6 月に役員会に参加しま
した。彼は長年の企業家活動に関する経験を役
員会に提供し、我々豪州人代表へ付加価値を与
えてくれます。我々は、このように経験豊富で多
様な役員会を持つことができ幸運であり、それに
より、経営チームに協力なサポートと建設的な挑
戦を提供することができます。
将来に関する予測
世界経済は政治的、経済的なリスクをものともせ
ず引き続き活発です。我々はほぼ全ての主要経
済について、2007 年も継続して明るい経済発展
があると期待しています。中国の高水準で成長し
ているメタル及び鉱物の需要は、マーケットにに
刺激を与える主要因となり、今後も継続すると見
込まれます。
供給面では、トラックのタイヤや発破材料と
いった主要な消耗品、熟練技術者、管理者が不
足するといった様々な要因により新規生産能力が
制限されてきました。ほぼ全ての商品の在庫水準
が低くなり、マーケットがタイトとなりました。こ
れにより、近年の好循環を強化することができ、
2007 年の価格は引き続き過去の長期価格水準
を大幅に上回る事を予想しています。
我々の従業員
堅調なマーケットにも拘らず、2006 年は操業と
いう意味で非常に困難でした。我々は顧客から
の要求を満たしつつ、タイトな実施計画案と予算
の中での新規プロジェクト開発を行っており、日
常的なプレッシャーに直面しています。我々の過
去最高利益は、世界中の全従業員が骨身を惜し
まず、積極的に取り組み献身的に働いた結果が
なければ達成することはできませんでした。リオ
ティントにとって非常に素晴らしい年にすること
ができた事を、我々の株主及び読者の方へ役員
会を代表して感謝いたします。
ポールスキナー リオティント会長
最高経営責任者へのインタビュー
過去一年を振り返り、どのように表現しますか。
2006 年の根元的当期純利益は、過去最高の 73
億米ドルでした。メタル及び鉱物の価格が高かっ
ただけではなく、我々の多くの操業において生
産量を増加することができ、堅調なマーケット下
で出荷を最大にすることができました。我々の
堅実な貸借対照表により、成長案件に重点的に
投資を行うことができ、さらに、株主への資本
還元を行うことができます。我々の操業改善プ
ログラムとしての IPT(Improving Performance
Together)活動により、各ビジネスユニットが
協力し合い、高レベルな操業の共有化を行うと
いった重大な変化が見られました。IPT 活動は、
2006 年に多くの追加的なキャッシュフローを生
み出し、さらに将来においても巨額な価値を生み
出していくことでしょう。健康、安全、環境に関
する指標は、一般的に安定した進歩を示しており
ますが、2006 年は不幸にもリオティントが管理
する操業で、3 名の死者数を出してしまいました。
何故商品マーケットは、ここまでいいのですか。
特に中国及びインドにおける世界的な経済成長
及び発展が、鉱物需要の増加をもたらしました。
鉱山業では需要増加に対応する為努力してい
ます。通常需要が増加した場合、供給側の反応
のほうが早いです。しかし過去における探鉱への
過少投資により、次世代の世界規模級の巨大鉱
床は現状把握、評価されているものだけとなって
います。これらの鉱床は、通常遠隔地に位置して
おり現状の新しい技術的挑戦は、生産に反映さ
れるまでにあと数年はかかります。主要な設備及
び備品の配達大幅に増えました。我々は、ほぼ
全ての商品における高水準な価格上昇は、操業
及び開発コストの増加を反映したものと信じてい
ます。
リオティントの生産量増加は、年間で 6-7%で
した。今後どこまで向かっていきますか。
我々は自分たちが一番良くでき、供給チェーン第
1 ステージである鉱山業に集中して取り組んでい
ます。リオティントは、一部の世界最大級の鉱床
を経営ないし保有しています。その影響を一部受
け、価格が上昇基調である時期に財務結果を堪
能できております。とはいえ、我々の全ての商品
事業部は、どのような経済循環においても非常
に高い水準でキャッシュを生み出すことができま
す。鉱床は長い寿命を持つため、需要に応じて
供給を増加することができ、現状の環境下にお
いて非常に有利に働きます。我々の戦略はとても
単純で、かつ機能しています。我々の既存の資産
は OECD(経済協力開発機構)に加盟している
国にそのほとんどがありますが、ペルー、ギニア、
インドネシアのような発展途上国や、マダガスカ
ル、ロシア、モンゴルのように鉱山投資に関する
地域開発への足掛かりが今しかない所への新し
い機会へも反応を示しています。
我々は、常に M&A(企業合併・買収)に対し
注意していますが、成長は多くの場合、購入か建
設かを選択することです。新しいプロジェクトを
立ち上げるとき、プロジェクトが順調に進んだと
きいくら利益が発生するか把握すべきですが、購
入する全ての資産が宝石であるとは限りません。
鍵となるのは、価値を創造する判断することで、
単に生産量を増やすことではありません。我々は
鉄鉱石や銅で行ったように、大きな賭けに出るこ
とに対し積極的ですが、我々の戦略を実行する
キーファクターは分析及び実行段階において厳格
に行われます。
コストプレッシャーに対してどのように考えますか。
我々は、グローバル調達チームの非常に優れた
仕事と我々のサプライヤーとの強固な関係を通じ
て、操業投入コスト、必需品、人件費、エネルギー、
及び増加傾向の材料費に関連するコスト管理に
非常に力を入れています。しかし、労働者の賃金
を含む数多くの操業投入コストは、近年非常に
急激に上昇しました。我々の探鉱及びプロジェク
ト評価コストは、我々の開発パイプラインを供給
するもので、将来のための投資の性質を帯びて
います。
IPT に対する会社の方針をもう少し具体的に教
えて下さい。
我々は、プロジェクト分析、プロジェクト開発、採
掘計画、採掘、加工及びマーケティングなど、ど
のような事を行う場合においても、個々の操業を
最高のものにするため、常に変えていくことが必
要です。我々はグローバルグループであり、各ビ
ジネスユニットが独自に動いていくのではなく、機
能別や国別の境界線を越えて問題を解決していく
必要があります。共通したシステム、基準、及び
測定方法で操業モジュールの基準を作成すること
で、我々は最良の操業を掴む事ができ、グループ
間で同じ操業が可能となります。2006 年に多くの
追加的なキャッシュフローを生み出しましたが、ま
だ初期段階であり、今後リオティントグループはさ
らに重大な付加価値をつけ始めます。
リオティントは、2006 年に約 40 億米ドル
の設備投資を行いました。主要プロジェクトは
どうなっていますか。
総合的には、我々のプロジェクトは順著に進んで
います。西豪州における鉄鉱石の拡張プロジェク
トは、依然として近年最大の設備投資であります。
このような活発な市況の時期においては、操
業への挑戦及び 10 個の鉱山拡張、3 つの港湾
設備、ピルバラ地域における 1,600km 以上の鉄
道設備への投資は、決して過小評価ではない筈
です。合計 30 億米ドルの支出により、2007 年
の終わりには我々の港湾及び鉄道設備は、年間
1.95 億トンの鉄鉱石を処理することが出来るよう
になります。最近発表された Cape Lambert 港
の 8.6 億米ドルの拡張工事は、能力を更に 2.2
億トンまで伸ばしました。
Rio Tinto 2006
アニュアルレビュー
3
最高経営責任者へのインタビュー(続き)
Yandicoogina 鉱山は、同じ期間に年間 0.52 億
トンまで拡張し、Hope Downs プロジェクトは
2008 年に生産開始を行い、0.22 億トンのアウ
トプットを想定しており、第 2 ステージには 0.30
億トンを想定しています。Hope Downs との協議
の結果、最初の引渡しまで 3 年になりました。
我々のマダガスカルにおけるイルメナイトプロ
ジェクトは、スケジュール通りで現地請負業者に
よる基幹インフラの建設は進行中です。港湾の
契約が承認され、大よそ 8.5 億米ドルのカナダに
おける追加加工能力の建物を含む全体プロジェ
クトの最終的なコストを確定することができま
す。最初の生産は 2008 年を想定しており、我々
はマダガスカルにおいて 40 年間生産される、高
品質のイルメナイトの需要が増えるであろうと信
じています。
西豪州の Argyle Diamond 鉱山、カナダ
の Diavik、ネバダの Cortez、やナミビアの
Rössing Uranium 鉱山の鉱山寿命延長など引
き続き開発が行われています。Queensland に
おける一般炭の Clermont 鉱山の開発、及び
Queensland におけるボーキサイトの Weipa 鉱
山能力拡張に必要な重要な設備投資が完了した
旨を年初に発表しました。
新しい機会についてはどうですか。
我々は将来が有望視されている 3 つの銅プロジェ
クトの所有権を取得しました。これらは、ペルー
の La Granja、アラスカの Pebble プロジェクト、
モンゴルの Oyu Tolgoi(Turquoise Hill)であり、
米国の Resolution Copper と合わせると、世界
規模の未開発銅鉱床を 4 つ持っていることにな
ります。モンゴルへの投資は、潜在的に大規模
な資源がある場所へ、段階的かつリスク管理さ
れ参入している事を示しています。La Granja は、
実行可能検証調査の前段階で 0.95 億米ドルに
て実行することが承認されました。
4
Rio Tinto 2006
アニュアルレビュー
我々は、探鉱豪州における ERA のリース及び、
ナミビアの Rössing Uranium の拡張可能性につ
いての潜在能力調査に勇気づけられました。これ
らの事象と西豪州の Kintyre 及び米国ワイオミン
グの Sweetwater の潜在能力により、近い将来
においてウラン精鉱の備えと供給源が拡張する
のに好ましい状況にあります。
さらに、我々には広範囲にわたる探鉱プログラ
ムを計画しており、2006 年合計で 3.45 億米ド
ル支出し、多くの場合他社と共同して引き続き数
多くの開発機会の評価を行っていきます。
技術者不足という状況において、様々な対応が
されています。どのように考えますか。
鉱業、冶金学、及び地学の専門的技術を持った
人材は供給不足であり、最近の卒業生、熟練技
術者、技工、及び管理者を獲得する為の競争倍
率は非常に高いです。しかしながら、我々は他の
大部分よりは良好な状態であると信じています。
世界中の卒業生の採用は、高い優先事項となっ
ており、我々は順調に高い能力の持ち主を引きつ
けています。我々は、国際的な活躍を可能とし、
質の高い訓練及び沢山の機会を与えてくれる組織
であると見られています。我々は、従業員の能力
及び経験を彼らの経歴の後半においても、維持
させることに関してより創造的です。全般的に鉱
山産業は、より有効的に従業員に対して魅力が
ある点を売り込んでいく必要があると思います。
我々は従業員を維持するためにも、採用時によ
り柔軟性を持たせ冒険心あふれる人を選択し、経
歴の構造の変化について配慮すべきであります。
Tom Albanese への権限委譲について感想
はありますか。
私は、リオティントに約 37 年間働くことができ
て幸運でした。リオティントの最高のチームを構
成する数多くの人々に出会い、一緒に働けた事で、
私の経歴は幅広く、興味深いものとなりました。
Tom Albanese は、リオティントが引き続き成
功する為に必要な十分な能力、経験、かつ献身
的に打ち込むことができる人材です。私はこの機
会をもって、彼の幸運を望み、私の数多くの経歴
において世界中の同僚達から頂いた強力な支援
に対し、皆様に感謝いたします。
Leigh Clifford 最高経営責任者
主要財務情報
売上収益 (a) (e)
億米ドル
公表配当金
米セント
84.43
108.28
92.28
117.55
129.54
145.30
190.33
207.42
224.65
254.40
連結上売上
持分会計適用会社の売上収益に対するリオティント持分
右に記載されている金額は、総売上高であり上記の合計となっています。
02
03
04
05
06
金利、税金、減価償却及びアモチゼーション控除前の純利益 (a)
億米ドル
38.44
37.64
02
03
04
05
06
61.11
97.39
125.66
設備投資 (a)
億米ドル
18.70
16.73
22.15
25.16
02
03
04
05
06
39.16
一株あたりの根元的当期純利益 / 調整後利益 (a) (b) (c)
米セント
02
03
04
05
06
111.2
100.3
164.8
363.2
550.3
一株あたりの当期純利益 (a) (b) (c)
米セント
02
03
04
05
06
47.3
109.5
239.1
382.3
557.8
根元的当期純利益 / 調整後利益 (a) (b) (c)
億米ドル
02
03
04
05
06
15.30
13.82
22.72
49.55
73.38
当期利益 (a) (b) (c)
億米ドル
02
03
04
05
06
注意事項
a) これらの表の 2004 年、2005 年、
60.00
02
及び 2006 年の会計情報は、IFRS
(国際財務報告基準)に準拠した
64.00
03
ものですが、2002 年及び 2003
77.00
04
年は UK GAAP(イギリス会計基
80.00
05
準)に準拠した情報となっていま
104.00
06
す。
b)「根元的当期純利益」
(Underlying
Earnings) は、財務業績を測定す
る際の主要な指標であり、経営陣
が業績を評価するにあたり内部利
用しています。これはリオティント
公表配当金
グループの業績について根元的部
英ペンス
分をより深く理解する為、当期純
37.47
02
利益を補足的に測定し、上図に示
37.13
03
されています。26 ページに「根元
41.48
04
的当期純利益」と「当期純利益」
45.10
05
の調整項目について記載されてい
54.05
06
ます。
「当期純利益」も「根元的
当期純利益」も両方リオティント
の株主持分に帰属する利益部分を
示しています。しかし、
EU IFRS
(欧
公表配当金
州連合における財務報告基準)に
豪州セント
おいては、子会社の外部(リオティ
02
105.93
ント以外)の株主に帰属する利益
89.70
03
も損益計算書に記載することを要
103.82
04
求しています。
105.42
05
c) 2002 年及び 2003 年の「根元的
135.32
06
当期純利益」、
「当期純利益」、及
2005 年度に公表された 1 株当たり 110 米セントの特別配当金は(61.89
び「当期利益」に記載されている
英ペンス又は 145.42 豪州セント)上記には含まれません。
金額は、それぞれ測定方法が類似
していますが UK GAAP(イギリス
会計基準)に基づいて作成された
リオティント株主持分帰属分 (a)
億米ドル
ものです。2002 年及び 2003 年
の UK GAAP(イギリス会計基準)
02
74.62
に基づいて作成された財務諸表に
100.37
03
は、
「調整後利益」
、
「当期純利益」、
118.77
04
「税引後経常利益」と記載されて
149.48
05
いました。
182.32
06
d) IFRS の下での特定の業務は再分
類される為、連結上と持分会計適
用会社(以前は、UK GAAP に基
づく持分評価関連会社)の事業
資本合計 (a)
活動によるキャッシュフローの分
億米ドル
析に影響を与えました。
02
139.87
e) このレポートでは、親会社及び子
03
166.86
会社の売上は、
「連結上売上」と
164.00
04
記載しています。リオティントは、
170.52
05
持分会計適用会社を含む売上を報
218.22
06
告しており、それは「総売上」と
資本会計とはリオティント株主株主持分と外部株主持分の合計を意味します。
記載しています。後者の測定方法
は情報提供として考えられます。
なぜなら、グループの業務の主要
税前利益率 (a) (c) (e)
部分は、持分会計に基づいた業務
%
により管理されているからです。
02
24.9
03
19.3
24.4
04
05
37.2
06
42.2
純負債:資本合計 (a)
%
6.03
15.27
32.44
54.98
78.67
02
03
04
05
06
41.1
33.8
23.2
7.7
11.2
事業活動によるキャッシュフロー (a) (d)
億米ドル
02
03
04
05
06
31.34
28.88
39.74
76.57
94.69
37.43
34.86
44.52
82.57
111.96
連結活動によるキャッシュ・フロー
持分会計適用会社からの配当金
右に記載されている金額は上記の合計となっています。
Rio Tinto 2006
アニュアルレビュー
5
新しい鉱山、新しい地域、
新しい挑戦
発展する世界に金属資源を供給することについて
の一つの挑戦は、地球上の資源の分布と人口の
広がりが一致していないということです。
それこそが、マーケットがどのように展開する
かについての予測を促し、地質学的な期待可能
性、科学技術の発展、及び異なる地域での操業
についての様々な挑戦を含めて、長期に渡る供給
可能性についての理解に光を当てる要因です。
U.S. Geological Survey の地図は、地球の表
面のどこに金属資源が最も集中しているかを示
し、それと人口の分布を関連づけています。これ
によれば、大まかに言って、金属資源の埋蔵地
のほとんどがオーストラリア、カナダ、南米及び
ロシアと言った比較的人口の少ない国々にある一
方で、人口の集中している地域、即ちアジア、中
東及びヨーロッパでは資源が相対的に不足してい
ます。
従い、
「持てる」国々は、例えば中国のような「持
たざる」国々にとって、益々重要な資源の供給者
になっていくことが予想できます。探鉱や投資に
従事する者にとって、このことは、人口一人あた
りで見ればわずかな資源しか持たない中国への地
理的な近さ故に、ロシアやその隣のモンゴルのよ
うな将来性のある国々をより魅力的なものとしま
す。同様に、人口に対する資源が平均的に高い
割合を持つカナダ、あるいは南米は、金属が相
対的に不足している米国の隣に位置しています。
ここで興味深い例外として挙げられるのは、サ
ハラ砂漠以南のアフリカ諸国です。そこは非常に
大きな潜在的資源を持ちながら、多くの人口を抱
えていることから、一人あたりの資源が平均的に
低い割合の国の範疇に入っています。
アフリカが供給者としての役割を担うことがで
きるかどうかは、アフリカ大陸に対する今後の開
発と投資条件にかかってきます。
今日、多くの商品の価格における現在の強基
調の大部分が、この 4 年間、世界の GDP が力
強く成長し、かつ中国の経済発展が現在、極め
て資源の必要性が高い段階にあることの結果だ
ということは、よく理解されています。
強い需要面での状況と相俟って、金属の高値
を導いた二つ目の主因は、供給面の制約と、そ
れに伴う在庫水準の歴史的低下でした。そして
産業に影響を及ぼした生産面での制約の多くは、
来年中に解決されるとは思われません。従い、リ
オティントとしては、それらの価格は長期的なト
レンドを上回って推移するものと信じています。
中国は、過去からそうであるように、予見しう
る将来に渡って資源マーケットの主たる原動力と
なり続けることでしょう。その成長パターンは、
例えばインドのような国における将来的な発展の
一つの指針になり得ます。リオティントは中国の
年間成長率が次の 10 年間、平均で 8%以上にな
ると予想しており、従い、ほとんどの商品の世界
的な需要に対し、下支えとなる勢いを与え続ける
と考えています。典型的な投資と世界貿易の循環
にかかわる景気下降局面は、一時的なものにと
どまると予想されます。
それにもかかわらず、詰まるところ、金属資源
マーケットは循環的であり、今後ともそうあるで
しょう。それぞれのマーケットは異なる性格を有
します。現在の高値から反落する時、商品によっ
て異なるスピードで下落するでしょう。
歴史的に見れば、鉄鉱石がピークを過ぎて下
降局面に戻るのに平均で 5 年以上かかっていま
すが、非鉄の場合の転換は 3 年ほどでした。
これらの違いの理由は、それぞれ異なるマー
ケット構造、新たな生産能力が軌道に乗るため
のスピード、及び需要の変動度合いにあります。
供給面での制約が解消するにはまだ数年かかる
でしょうし、そのために現在のサイクルは、歴史
的な平均よりは少なくとも多少長く続くものと考
えられます。
これから言えることは、より大きな生産能力が
稼動を始めるまでは、既存の鉱山は拡大する需
要に応えるため生産能力を拡張し続けなければな
らないということです。
そして資源の分布と人口の分布とが一致しない
ため、新しい鉱山は様々な挑戦をもたらすことに
なります。それらは、世界の中で、ロシアや中央
アジアなど、過去には主要な金属資源輸出地域
になったことはないものの、需要の中心の近くに
位置している場所で探鉱・開発されなければなり
ません。
発電所向けの石炭、製鉄向けの鉄鉱石、電子産業
向けの銅のようにリオティントの製品には世界的な
需要があります。
Rio Tinto 2006
アニュアルレビュー
7
鉄鉱石事業部
Iron Ore
根元的当期純利益 / 調整済利益
億米ドル
02
03
04
05
06
4.52
4.99
5.65
17.22
22.79
Rio Tinto Iron Ore(RTIO) グループの 2006
年根元的当期純利益は 22.79 億米ドル、前年比
5.57 億米ドル増でした。鉄鉱石需要は非常に強
い状況が続き、中国では輸入量が前年比 18%
増でした。西豪州では RTIO は Hamersley
Iron の 6 つの鉱山を所有し、また Channar 鉱
山 (RTIO60% )、Eastern Range 鉱山 (RTIO:
54% ) の操業も行っております。
RTIO はまた 53%の株式を保有する Robe
River の西豪州にある二つの鉱山も含みます。
2003 年に Robe River の合併事業のパートナー
と合意に至ったのち、RTIO のピルバラ地区に
ある鉄鉱石の資産を効率よくまた一貫した操業
を可能にするため Pilbara Iron が設立しました。
RTIO は 2000 年に買収した Iron Ore
Company of Canada(Rio Tinto:59% ) の操
業もおこなっています。2005 年には Corumba
で知られる Mineracao Corumbaense
Reunida を全て所有する Rio Tinto Brazil の
マネージメントも引き受けました。
これに加え、RTIO は直接還元方の技術
をもつ HIsmelt、また Orissa( インド )、や
Simandou( ギニア ) 鉱区等グローバルに所有す
る資源を含みます。
2006 年 5 月、RTIO は 9.8 億米ドルにのぼ
る西豪州での Hope Downs プロジェクトの建
設を開始いたしました。西豪州政府からの認可、
また 50:50 の株式構成の Hope Downs 合併
事業が組織を経ての出来事でした。
西豪州の Kwinana にある HIsmelt 製銑工場
では 2006 年も試験段階が継続されました。開
始より現在までに 98,000 トンの銑鉄を生産しま
した。
船が来るとき
増産された鉄鉱石操業はよりよい港でのみ扱うことができます。
1966 年 8 月 22 日、日本の鉄鉱石専用船邦雲丸がピルバラ地域の Tom Price 鉱山から採掘された
ばかりの鉄鉱石 52,000 トンを満載積載し、Dampier 港から出港しました。これが Hamersley として
の出荷第一船でした。
当時全く何もなかった場所に築かれた新しい港での荷役は 15 時間かかりました。100 マイルも離れ
た鉱山から港への鉄道敷設また同じ年に完成したところでした。
この歴史的に重要な出来事も、40 年経った今では邦雲丸の船サイズは驚くべきことではなくなりま
した。
2006 年 12 月同じ Dampier 港には邦雲丸の 7 倍の積載能力がある鉱石船 Berge Stahl
(ノルウェー
語で鉄の山)が寄港しました。Berge Stahl は長さ 340 m、幅 65 mある世界最大の鉱石船です。積
載能力は 36 万トンあり、それはより頻繁に Dampier 港でみられる 20 万トンの積載能力がある船の 2
倍近くあります。
大型船型の船がより基本船型になるほど、将来の環境が現在とは違ったものに形をかえていくことを
合図するものだと考えます。西豪州に訪れる船、特に中国からの船の大きさがどんどん大きくなっていっ
た 1990 年代前半、船が Dampier 港に訪れる回数も同時に増えました。これらに加え、急激に伸び
ている鉱石海上取引量を考えると、RTIO の Dampier 港、Cape Lambert 港(53%のシェアを Robe
River Associates を通して投資)の拡張計画がタイムリーであったことがよくわかります。
最近ではより大型の輸送船が Dampier 港から出港するときは、水深が十分でないため最大積載能
力より少ない積載数量で出航します。しかし、生産能力と鉄鉱石の重要が共に急激に伸びているため、
それも変わろうとしています。このようなマーケット下、伝統的な船形の船がより多く港に訪れ、これ
らの船の拡張後の港で引き続き受け入れられる事となります。
超大型船(メガキャリアー)を含む、これほど多くの現有する船を管理していくという見通しを僅か
5 年前にした場合でも、多くの者が警戒したことでしょう。その当時港は年 0.74 億トンの鉄鉱石を出
荷する能力を持っていました。バース能力は今の半分、ストックパイルの能力は 1/3 を若干上回り、鉱
山設備や鉄道設備等もすべて限られたものでした。
2007 年、それは全く違うストーリーになりました。2003 年以来港、鉄道、電力、鉱山の拡張のた
め 50 億ドルの投資が決定されました。Rio Tinto のピルバラ鉄鉱石のネットワークは世界クラスであり、
継続する国際的な鉄鉱石需要に対して競争力を持って対応できます。
今年末の第 2 次拡張計画完了に伴い Dampier 港だけで年間 1.4 億トンの鉄鉱石輸出能力をもつこ
とになります。それは 2005 年に RTIO の 3 つの港より出荷された全体数量より 300 万トンしか少なく
ありません。第 2 次拡張計画は、新規のカーダンパー、スクリーンハウス、144 mの桟橋の延長、そ
して既存のシップローダーの交換を含んでいます。この拡張計画を通常の操業への影響を最小限に抑
えながら併行して行われたことは注目すべき事実です。
Cape Lambert 港は現在年間 5.5 千万トンの出荷能力がありますが、年間出荷能力を 8 千万トンに
拡張することが最近決定されました。これにより、大型バルク船 4 船が着岸可能となり、
また、新しいシッ
プローダーの設置、ストックヤード内に新たにリクレーマーを設置、ヤード、鉄道網の強化等が拡張計
画に含まれています。またワーフは新たな港のストラクチャーに対応するため 256 m延長されます。
一つのバースでは新規の大型船型船の受け入れ能力を持ちます。また 2006 年にはサイクロン対策
が施されたタグボート用の港も完了しました。これは 2006 年に起きた予想外の度重なるサイクロンの
襲来に功を奏しました。Cape Lambert 港は Dampier 港のパーカーポイント、
イースト・インターコース
・
アイランドと違いより外洋に面しています。急速に拡張されている鉱山操業にあわせ、港での安定した
出荷を確立する必要があります。
Cape Lambert 港の拡張は年間出荷能力 2.2 億トン体制を構築させるための最終の設備拡張です。
Rio Tinto はローカルコミュニティーが心配するダスト対策等の環境面にも力を注いでいます。
港拡張計画は鉄鉱石マーケットの中での Rio Tinto との立場を強化・確立できました。また拡張計
画は、最近の顧客である中国や伝統的な顧客である韓国や邦雲丸が 40 年前に向かった日本などの国々
の大規模な鉄鉱石需要を満たすための大きな役割を担っています。
西豪州において拡張された、リオティント鉄鉱石事
業部の輸出ターミナルである Cape Lambert 港に
おいて、鉄鉱石が船積されています。
8
Rio Tinto 2006
アニュアルレビュー
エネルギー事業部
Energy
根元的当期純利益 / 調整済利益
億米ドル
02
03
04
05
06
3.53
1.57
4.31
7.33
7.11
リオティントのエネルギー事業部は、一般炭及
び原料炭事業、そしてウランで構成されています。
石炭の資産は、豪州及び米国に保有しており、
生産された石炭は国際貿易にて取引される他、
米国及び豪州国内の市場に供給されます。
リオティントのエネルギー事業部は発電向
けの酸化ウランの供給をしているナミビアの
Rossing Uranium(リオティント 69%所有)及
び豪州の Energy Resources of Australia(リ
オティント 68%所有)も保有しています。
2006 年 12 月 31 日時点で、リオティントのエ
ネルギー事業部はリオティント・グループの営業
資産の 13%、又 2006 年の売上高の 17%を占
めました。根元的当期純利益は、7.11 億米ドルで、
2005 年よりも 0.22 億米ドル減少しました。
一般炭価格の高止まりが寄与した一方で、強
粘結炭市場が弱まり、又ニューサウスウェールズ
州ハンターバレー地区のサプライチェーンの問題
により Coal and Allied の生産が制限されまし
た。
年度を通して、重要視したのは、高マージ
ンの製品を生産する事、そして石炭のサプライ
チェーンを最適化する事でした。しかし、基礎
製品、燃料、爆薬、労働コストの増加は、生産
の増量では全て相殺されず、その結果、全ての
事業において、単位当たりの生産コストが上昇し
ました。
リオティントのエネルギー事業部は、石炭及
びウランを今後とも使用出来る為、将来的な技
術開発分野に於いて、投資家でもあり有数の提
唱者であります。米国のフューチャージェン・ク
リーンコール調査プロジェクト及び豪州のコール
21、国際エネルギー機関クリーンコールセンター
に資源及び基金を提供し貢献しています。
エネルギーに対する渇望
エネルギーは、世界中の社会及び経済的開発における中核です。
仮に人々の(特に世界中の貧困地域に暮らしている何十億もの人たちの)生活水準が上昇した場合、
今後、エネルギー生産量の飛躍的な増加が必要とされます。
国際エネルギー機関(IEA)は、2030 年の世界のエネルギー消費量は 2003 年より 60%増加さ
れると推定しています。そして、今世紀中頃には、現在より 2 倍から3倍ものエネルギーを使用して
いると思われます。IEA の Executive Director である Claude Mandill 氏は、最新の World Energy
Outlook において、
「仮に私たちが以前と同じように続けるならば、今後 25 年間、世界経済の必要量
を満たすエネルギーの供給は、投資の遅れ及び大規模な自然災害、突然の供給中断に対して非常に
脆弱な状態に陥るだろう。
」と警告しています。
将来に向けて有効なエネルギー供給源としては、選択の数は制限されています。再生可能エネルギー、
原子力もしくは化石燃料です。
IEA は、今後数十年において、再生可能エネルギーの成長が比率では高いと予測していますが、現
時点ではまだ小規模です。今日、世界の 20%の電力を担っている原子力は、今後とも重要な役割を果
たして行きます。
化石燃料は、2050 年まで世界のエネルギー・ミックスの中心であり続けるでしょう。IEA は、2004
年から 2030 年までの全体のエネルギー需要増の 83%を化石燃料が満たすと示唆しています。
これら全ての種類のエネルギーは不可欠ですが、各々は個別に課題があります。原子力は、複雑な
燃料サイクルを含んでいます。又、原子炉の安全性及び使用済み燃料に関して、一部の社会及び地政
学的な懸念を与えます。しかし、原子力は全エネルギーにおいて最も安い操業費、また低い二酸化炭
素排出量を有しており、ベースロードの電源として適しています。
化石燃料系エネルギーと気候変動の関係性は広く認識されてきています。これは、政治的傾向とし
ては、二酸化炭素取引の概念に向っている豪州及び米国において、特に明白です。
再生可能エネルギーは、競争可能なレベルまでコストを下げる為には、未だ相当な開発が必要です。
風力発電所の立地、又は水力発電用ダムの建設など、景観的・社会的な懸念も問題としてあります。
水力発電とCO2 発生量との関連性に対する更なる理解もまた必要です。又、多くの再生可能エネルギー
の発電量にバラツキが発生する点に関しても、実用的な解決法を探し出す事が必要です。
リオティントは、エネルギーへの課題へは、化石燃料、原子力、そしていわゆる新エネルギー源全て
の分野で、企業及び政府、社会が協力して取組む事が最も有効だと信じています。各々の目標は、含
まれているリスク及び達成可能な利益を充分に認識し取組む事によって、コスト、安全確保、クリーン
の観点から継続的な改善を行っていく事です。
私たちは、よりクリーンなエネルギー及びエネルギー効率の向上を促進する為には、いま活動が必
要であるという、2006 年 10 月に発行された気候変動の経済性に関する英国政府の Stern Review を
基本的に支持します。
技術開発は、エネルギー問題への取組みを改善させていく上で中核です。
例えば、石炭部門では、リオティントは米国及び豪州その他における二酸化炭素の回収・貯蔵の技
術開発を援助しています。
私たちは、またウランへの権益を拡張してきていますが、そこでは製品開発のためのより良いプロセ
スを開発することにより、
多大な貢献ができると信じています。他のウラン生産会社とともに、
私たちは、
燃料サイクルの全体の持つ意味合いを検討するグループを結成しました。又、2006 年には、私たち
は同年 12 月に発行された Australian Uranium Review の編集に協同して取組みました。レポートは、
温暖化ガスの排出を抑えつつ、世界の増大する電力需要を賄う為にも、ウランの生産の増加を支持し
ています。
その他に、私たちが特に積極的に参加している政府の活動としては、2006 年 1 月に正式に発足し
たクリーンな開発及び気候に関するアジア太平洋パートナーシップ(AP6)が挙げられます。AP6 では、
豪州、中国、日本、インド、韓国、そして米国の政府が参加しています。
この共同活動は、排出量の管理、汚染の削減、クリーンな開発及びエネルギー保障についてのビジョ
ンを共有する目的があり、様々な経済開発を援助する方法に導入されています。リオティントは(直接
的もしくは団体による参加を通じて)、石炭、アルミニウム、そして鉄鋼に関する AP6 の官民共同のタ
スクフォース 3 件に参加しており、AP6 のビジョンを実現させる活動計画の作成に貢献しています。
米国ワイオミングにあるリオティントエネルギー事
業部の Antelope 石炭鉱山の掘削機及びバケット
アニュアルレビュー
Rio Rio
Tinto
Tinto
2006
2006
Annual review 9
事業に貢献する
Improving
Performance
Together プログラム
リオティントの Improving Performance
Together(IPT)プログラムは、業務改善に向け
目覚しい進展を遂げています。これは、私たちが
長期に亘り、”Operational Excellence”の達
成を確約している事の表れです。その意味では、
IPT は通常と同じ業務です。
今回、IPT を細部に亘り実施した事で、その
企業風土及び企業組織の双方において、グルー
プ運営方法の、重要かつ不変的な変更が行われ
ました。全世界の Business Unit の協力の過程
を通して、最適な業務形態(Best practice)が
明確化され、グループ間の業務に渡って増幅され
ていきました。これは、IPT が企業組織の中に統
合される事によって、固定化されました。
業務においた IPT 方式の優れた事例としては、
グループ全般で使用されている重機用タイヤの寿
命を延長した 2006 年の共同作業があります。現
在では、需要増の結果として、大型タイヤの交
換は、より困難かつ費用の嵩むものとなっていま
す。この対策として、タイヤ関連タスクフォース
及びグループ全体で、何千人にも及ぶ社員の努力
と結果はグループの鉱山において、大型トラック
用タイヤの寿命を 2005 年比で 18%延長しまし
た。2006 年では新品タイヤの使用量は計画比の
30%となっています。
新品の重機用タイヤは、1本当たり 16 万米ド
ルする事から、これは 60 百万米ドルの費用削減
効果を持ちます。そして、これは安全を損なう事
なく達成されました。
主なサプライヤーである Michelin 社と協同で、
タイヤ関連タスクフォースは、リオティントの需
給バランスの見通しを作成しました。中古タイヤ
の集中購買を行う組織が結成され、又西豪州パー
スでの新設備建設を含めた再生タイヤプログラム
が開始されました。
チームは、高価で重い乗り物のタイヤの寿命を延ばす
為、革新的な方法をグループ間で探しています。
10 Rio Tinto 2006
アニュアルレビュー
又、現場の再検討方法も開発されました。グルー
プ各社のタイヤ専門家の協力を得てタイヤ関連タ
スクフォースは、最初の調査として、タイヤ使用
量が最大の操業現場を訪問し最先端の現場の状
況を確認しました。主な課題である熱による分離、
トレッドの切断、そしてタイヤの側面の損傷への
取組みが検討され、タイヤへの影響を最小限に
する為、輸送路表面の凸凹やカーブは減らされ、
大型トラックの荷降ろし地点のデザイン変更も行
われました。
再検討プロセスは、積込み時と運送時におけ
る積込機器及びトラック双方の運転手の意識に
も及びました。その他、定期検査を通してのタイ
ヤ能力の管理、熱及び重量についての研究、安
全かつ効果的な保全業務、そしてリスク管理も
再検討の対象となりました。
その後、ほとんどの現場において周知徹底が
行われ、タイヤ保護に関してはあらゆる職階の従
業員が関与する事となりました。プロジェクトは、
その後も更に発展し、まもなく、各 Business
Unit は、特に優れたやり方やアイディアを各々
で共有しあい出しました。タイヤ性能の責任者
は、コツや技術の交換の場として、オンライン
のフォーラムを利用しました。積込機器の前輪を
保護する為にチェーンを使用する米国でのやり方
は、豪州のほとんどの鉱山に拡がりました。米国
に対しては、豪州の鉱山が実施した熱に関する
研究結果が提供されました。
タイヤ関連タスクフォースは、25ヶ所の現
場でタイヤ使用方法の見直しを実施し、提言の
85%は実行されている事が判明しました。オン
ライン・タイヤ・フォーラムは、137名が観覧し、
延べ閲覧数は3千回に上りました。
グループ内のタイヤ需要を管理する Greg
Finch は、業務において IPT が意味する事につ
いて、
このように要約します。
「重要な一面は、人々
が議論を促進する為に現場間で行き来し、別現
場へとアイディアが持ち込まれている事でした。
」
私たちは、常に隣には別の鉱山がある事を忘れ
るな、別鉱山の従業員と話をしてみろ、自身の殻
を破り情報を共有しろ、と皆に話しています。最
先端の方法は既に存在しており、誰かが開発しな
くても良さそうです。
産業用鉱産物事業部
より良い結果のための再編
ホウ酸塩、タルク及び塩に共通するものはなんでしょうか。我々が毎日使用する何百もの製品に対して
02
2.86 広範囲に及ぶ恩恵を分散する代わりに、共通のマネジメントの下で、採掘し、精製し、販売を行なうこ
03
1.54
とであります。Rio Tinto Minerals は 2006 年初めに設立され、リオティントの産業用鉱産物事業の 3
04
2.43
社− Rio Tinto Borax、Luzenac 及び Dampier Salt −を統合し、最適化しました。これらの事業を
05
1.87
共通のマネジメントのもとで行う事により、複雑さを減少させ、また重複を排除し、利益の減少に歯止
06
2.43
めをかけました。今後のゴールは、事業を拡大することでありますが、この目標は資産の買収、厳しい
投資基準を満たす設備の拡張、規模のメリット、新興市場における成長を取り込むための営業面の専
リオティントの産業用鉱産物事業部は、ホウ
門性を通じて、達成されることになります。
酸塩、タルク、工業塩及び酸化チタンを生産
年末時点で、Rio Tinto Minerals の従業員数は 3000 人に及び、5 大陸で 50 ヶ所の操業拠点を有
しています。これらの商品の供給及び研究にお
し、世界で 2500 社の御取引先を抱えています。この会社の特徴は、世界中に拠点が分散していること、
いては世界のリーダーであります。2006 年初
市場に焦点をあてていること、並びに長命の埋蔵量とコモディティの価格サイクルに対して比較的安定
めに Rio Tinto Borax、Luzenac Talc 及び
していることであります。操業に関する本社機能はデンバーに移し、また営業に関する本社機能はロン
Dampier Salt 社は経営システムを統合、Rio
ドンのチスウィックに置かれています。
Tinto Minerals という新しい組織を設立しまし
Rio Tinto Minerals は販売管理部門を簡素化し、3 ヶ所の研究所と 3 ヶ所の事務所を閉鎖しました。
た。この結果、産業用鉱産物事業部は、Rio
操業面においては、利益の少ない製品ラインや操業拠点も売却しました。一方で、硼酸の設備を建設し、
Tinto Iron and Titanium とこの Rio Tinto
塩田の拡張を承認し、工場の効率性・鉱山のプラニングやエネルギーの使用を改善しました。市場別
Minerals の二つの組織から成り立っています。
に見ると、依然として北米が最も利益の高い市場であります。また中国、東欧及びインドのような発展
2006 年 12 月 31 日時点で、産業用鉱産物事
途上国の経済は、生活水準が向上し、より品質の高い原料に対する需要が高まりつつあり、将来にわ
業部はリオティント全体の操業資産の 13%を占
たり有望な市場であります。
め、売上高の約 10%を占めました。2006 年の
Rio Tinto Minerals は、世界で最も高品位の鉱床のひとつである、カリフォルニアの鉱山で精製し
根元的当期純利益は 2.43 億米ドルで 2005 年
たホウ酸塩を生産し、世界需要の約半分を供給しています。ホウ酸塩はボロンとその他の要素を含む
に比べ、30%増加しました。2006 年の従業員
ミネラル塩を天然で産出しているものであります。これらのものは、バラエティに富んだ家庭用・商業
数は約 7000 人でありました。
用製品に含まれる重要な成分であります。
Rio Tinto Minerals の根元的当期純利益は
リオティントのタルク事業の起源はフランスのピレネー地方のルーゼナック村で 19 世紀中頃に村の
前年比 54%増の 0.91 億米ドルでありました。
事業として始まった事に由来します。年月が経つにつれ、この企業は世界最大のタルク生産企業となり、
サイクロンや西豪州における労働市場のコスト
オーストリア、オーストラリア、カナダ、フランス、イタリア及びスペインの各鉱山で生産を行い、世界
上昇圧力にも拘わらず、2005 年に計上されたリ
の消費量の 25%を供給するに至りました。
ストラ引当金が 2006 年は計上されなかったこと
タルクはユニークな特性を有し、紙、塗料、接合剤、屋根材、プラスティック、自動車部品、セラ
や売上高の増加により、利益は改善しました。
ミクスや人のケア製品など、数多くの用途ですぐれた効果を発揮しています。
Rio Tinto Iron and Titanium の根元的当期
Rio Tinto Minerals は世界最大の天日干し塩の輸出者であります。その操業は増大する需要を満た
純利益は前年比 19%増の 1.52 億米ドルであり
す為、1960 年代および 1970 年代に始まり、西豪州の北西地域で行なわれています。そこは暑くて乾
ました。全商品の価格が好調であったことや販
燥した気候であり、降雨量も少なく、またインド洋に面した船積設備へのアクセスも容易なことから、
売数量が増加したこと、並びに Richards Bay
天日干し塩の生産には理想的な場所であります。リオティントは 3 塩田の 64.9%の権益を保有してい
Minerals に於いて厳しいコスト管理が実施され
ます。
たことに加え、カナダの税法の変更により、カ
Rio Tinto Minerals で生産される塩は主に化学工業、食品加工、食物及び道路の凍結防止剤に使
ナダでの操業コストの上昇及びカナダドル高の
用されています。
影響を凌ぐ利益を計上しました。
産業用鉱産物は我々の生活を変え、またそれらを生産する人々が変えてゆきます。Rio Tinto
Minerals の従業員は初年度に次のような事項を達成しました。
― 事業再編以前に比べて安全性のパフォーマンスが改善され、Rio Tinto Minerals を世界水準の安
全性達成に向けて順調な滑り出しを見せました。
― 3 つの製品で価格の値上げを実現し、利益の改善を達成しました。
― 大手のユーザーとのパートナーシップを通じて、またより強固な関係を築き上げ、エネルギーの効
率性を改善することで、持続可能な発展への投資収益の改善を図りました。
― 製品品目を合理化し、価値の高い商品の生産能力を高め、基礎事業を通じて団体 ・ 機関の知識
を広めることを通して、市場とユーザーのより良い連携を達成しました。
Rio Tinto Minerals はこのように重大な変化のあった年においても、
目標を達成しその過程において、
財務諸表上の最終利益を上回る価値を作り出しました。より小さな事業を管理運営するための効率的
なビジネスモデルを構築し、リオティントグループ内のリスクと柔軟性に対するより大きな欲求を備えな
がら重要な事業を展開し、営業上の才能を発揮しました。
*OEVsUSJBM.JOFSBMs
根元的当期純利益 / 調整済利益
億米ドル
太陽エネルギー: 暑いオーストラリアの太陽は Rio
Tinto Minerals の Lake MacLeod の 400 ヘクタールに
及ぶ結晶池から水分を蒸発させ、塩と石膏があとに残り
ます。
12 Rio Tinto 2006
アニュアルレビュー
アルミニウム事業部
Aluminium
根元的当期純利益 / 調整済利益
億米ドル
02
03
04
05
06
2.56
2.00
3.31
3.92
7.46
Rio Tinto Aluminium(RTA)は 100%所有
の統合されたアルミニウム子会社であり、オース
トラリア、ニュージーランド及び英国で操業を行
なっています。2006 年 11 月に、リオティントの
世界的な知名度と信望を活用すべく、Comalco
の名前が Rio Tinto Aluminium に変更されま
した。
2006 年 12 月 31 日時点において、アルミニ
ウム事業部はリオティントの営業資産の 17%を
占め、2006 年にはリオティントグループの総売
上の 14%を占めました。2006 年の根元的当期
純利益は 7.46 億米ドルで、2005 年比で 90%
の増益でしたが、それはグループ全体の根元的
当期純利益の 10%に相当します。アルミニウム
価格の高騰により収益は 4.51 億米ドル増加しま
したが、2006 年の 3 ヶ月先物アルミニウム価格
の平均は、2005 年の 86 米セントに対し、116
米セントでした。
RTA は、オーストラリア・クイーンズランド
州の Cape York 半島に 100%所有の大規模な
ボーキサイト鉱山を有し、クイーンズランド州の
Gladstone にある Yarwun、及び Queensland
Alumina(Rio Tinto 38.6%所有)においてア
ルミナを精製しています。アルミニウム新地金は、
Gladstone 近くの Boyne Island(Rio Tinto
59.4%所有)、タスマニア州の Bell Bay、ニュー
ジーランドの Tiwai Point(Rio Tinto 79.4%
所有)にある各製錬所、及び英国のウェール
ズ州にある Anglesey Aluminium(Rio Tinto
51%所有)で生産されています。RTA はさらに
Gladstone Power Station の 42.1%の権益を
有しています。
RTA は世界のマーケットへのボーキサイト、
アルミナ及びアルミニウム新地金の主要なサプラ
イヤーであり、従業員数は約 4,300 人です。
気候変動リスクとの闘い
Rio Tinto Aluminium(RTA)は、様々な取り組みを実施することにより、自社による温暖化ガス(GHG)
の地球規模での排出を管理するための努力を重ねています。その気候変動に対する戦略は、各工場で
のエネルギー効率を改善させることや、利害関係者と協力してこの地球的規模の問題に対する革新的
な解決方法を探ることなどを内容としています。
アルミニウム新地金の生産は資源とエネルギーを大量に消費し、ボーキサイト採掘、アルミナ精製
及びアルミニウム新地金製錬では大量な GHG を発生させます。これらのほとんどは、大量の電力を
消費する製錬プロセスに起因します。2006 年、RTA はそのグローバルな操業から、約 12 百万トンの
二酸化炭素相当物を生成しました。しかし、1990 年以降、アルミニウム事業部の全ての製錬工場に
おいて、劇的な排出削減を達成してきました。特に、ペルフルオロカーボン(PFC)の排出については、
ネットで 86%、製品 1トンあたりでは 91%以上削減しました。
「我々の直面する問題は、他の全てのプロデューサーと同様、排出量について既に相当程度削減して
しまっているということである」と、RTA の気候変動担当マネージャーである Rick Humphries は語り
ます。
「そのため、技術的な大発見でもない限り、製錬プロセスにおいてさらに削減できる可能性は限
られている。それだけでなく、現在、アルミニウムの生産を増やしているため、全体としての排出量も
自ずと増えてしまっている。しかし、全ての工場において、我々は GHG 排出を減らすための革新的な
方法を探している。全体としての排出量削減は大きな挑戦である。」
RTA での最も特異な気候変動への取り組みは、Minding the Carbon Store プロジェクトです。
2004 年にオーストラリアのクイーンズランド州政府は原生植生の大規模な開墾を管理する法制を制定
しました。それによれば、The Carbon Pool という企業が、土地所有者から開墾の権利を購入し、結
果的に開墾されない植生について 120 年間に渡り保護することを引き受けるというものでした。
RTA はそのスキームに投資を行なった最初の企業であり、実証された温暖化ガスの「軽減効果」を
百万トン分購入しました。このスキームは、連邦及び州政府、農業団体、そして環境団体から称賛さ
れました。
「もし相殺を排出量削減戦略の一つの要素として利用できれば、我々は大きな違いを生み出すことが
でき、他の資源・加工産業のための前例にできるかもしれない」と、Rick Humphries は熱く語ります。
RTA にとって、もう一つの主要な取り組みは研究開発です。アルミニウム事業部内で技術研究・サ
ポートを専門に行なっている Rio Tinto Aluminium Technology は、パートナーである大学と共同で、
Drained Cathode Cell 製錬法という技術の開発に取り組んでいます。アルミニウムの生産時に消費す
るエネルギーを削減する一つの方法は、電解炉のアノード(陽極)とカソード(陰極)の距離を短縮す
ることであり、それによって電解層での電気抵抗が弱まり、結果的に少ないエネルギー消費で済むこ
とになります。
この新たな技術によって、現在 RTA の製錬所で消費されている電力の 10 ∼ 15%相当のエネルギー
を節約できる可能性があります。この Drained Cathode Cell 技術の実証プロジェクトはタスマニア州
の Bell Bay 製錬所にて現在、実施されています。
RTA の気候変動戦略のもう一つの重要な側面は、主要な利害関係者とのパートナーシップによる取
り組みが見られることです。昨年 1 年に渡り、RTA は The Great Barrier Reef Foundation と共同で、
Future Reef パートナーシップに取り組みました。このパートナーシップでは、クイーンズランド大学を
通じて、クイーンズランド州のグレートバリアリーフに関し、海水の酸性化がどう影響するかについて世
界で初めての研究を行なっています。
その 4 年間のパートナーシップの一環として、
100 名以上のリオティ
ントの従業員が、データ収集及び分析を手伝うため、クイーンズランド州 Gladstone 沖にある Heron
Island 研究基地を訪れる予定です。
もう一つのパートナーシップは、ニュージーランドの Energy Efficiency Conservation Authority 及
び Te Runaka o Awarua Charitable Trust との間のものです。Bluff Healthy Homes と呼ばれるこの
プロジェクトは、RTA が経営するサウスランド地方の New Zealand Aluminium Smelters(NZAS) に
近接する町である Bluff において、一般住宅にエネルギー効率の良い製品を取り付けるというものです。
Rick Humphries は、GHG 排出と闘う RTA の戦略の実行はうまく進んでいるが、さらなる取り組み
が必要と述べています。
「我々は我々の生み出すカーボンの痕跡がどのようなものか理解しており、大
幅な削減を達成するための長期的な対策の実施に注力している。まだ先は長いが、今日、社会が直面
する最も重要な世界的規模の問題の一つに真剣に取り組む企業として、我々自身を位置づけることは
できただろう。
」
オーストラリア・クイーンズランド州の Weipa にある Rio
Tinto Aluminium のボーキサイト鉱山にて、地表に豊富
なボーキサイトを掘る掘削機
アニュアルレビュー
13
RioRio
Tinto
Tinto
2006
2006
Annual review 13
需要の増加による
サプライ・チェーンの逼迫
金属資源に対する旺盛な需要とともに、操業中
の鉱山にとって血肉となる機械・設備、予備品及
び建設材料の供給に制約や中断が起きるように
なりました。
10 年前に基礎が作られたリオティントの調達
プロセスの有効性によって、これまでのところ、
現状の品不足とコスト増加による最悪の結果か
ら、グループのオペレーションを守ってくること
ができました。
しかし、今日、増加する需要に応ずるべく、産
業界全体に渡って鉱山での生産をできるだけ速く
拡張させようとしていることから、産業界の全て
の部門において、限られた資財に対する争奪競
争が熾烈になってきています。このブームが、タ
イヤや爆薬等、鉱山操業における基本的な必需
品のマーケットに品不足を引き起こしています。
また、セメント、鉱山用運搬車、鋼材にも品不足
が見られ、さらには大型の採掘機械・設備や予
備品を手に入れるためのリードタイムが長くなっ
ています。
新規の大型運搬機械の注文は、価格が急激に
上昇しているにもかかわらず、2000 年から倍増
しました。オフロード用タイヤのマーケットは極
めて逼迫しており、当該業界では 3 年以上の間、
新たな生産能力は全く増やされていません。
しかし、リオティントは、タイヤや他資財の品
不足にもかかわらず、生産を維持してきています。
グループ全体ではタイヤについては強い立場にあ
り、想定される必要量を十分賄えることができる
見通しです。これは長年に渡って築き上げたサプ
ライヤーとの良好な関係と、グループによる IPT
(Improving Performance Together)プログラム
の成功によるものです。
1998 年に、リオティントグループは、個々の
ビジネス・ユニットによる購買から集約的なアプ
ローチへと移行し、支出する金額とボリュームを
梃子として、グループ全体としての大口契約につ
いて有利な条件を確保できるようになりました。
2001 年には、電子技術を導入した調達の新しい
段階が始まりました。今日、完全に統合されたグ
ローバルな調達機能が、様々な価格が上昇する
中、リオティントに競争優位をもたらしています。
中国との取引は益々双方向になってきていま
す。中国は単に顧客であるだけでなく、主要なサ
プライヤーにもなってきています。リオティントは、
例えば Rio Tinto Iron Ore の使用する港湾及び
輸送システム向けの貨車やタグボートのように、
益々多くの半製品、最終製品、そして原材料を
中国から調達しています。
西豪州にある Rio Tinto Minerals の Dampier Salt のオ
ペレーション(中央写真)は、備品とサービスの調達に
対するリオティントの完全に統合されたアプローチから恩
恵を受けているグループ内の会社のほんの一例です。
14
Rio Tinto 2006
アニュアルレビュー
銅事業部
$PQQFS
根元的当期純利益 / 調整済利益
億米ドル
02
03
04
05
06
3.41
4.40
8.60
20.20
35.62
リオティントの銅事業部はアメリカの
Kennecott Utah Copper 社、及びチリの
Escondida 鉱山、インドネシアの Grasberg
鉱山、オーストラリアの Northparkes 鉱
山、南アフリカの Palabora 鉱山やアメリカの
Resolution Copper プロジェクトの権益から成
り立っております。また、銅事業部は米国のケネ
コットミネラルズ社の経営責任も負っております。
当事業部は重要な副産物として金やモリブデン
も生産しております。
2006 年に当事業部はペルーの La Granja プ
ロジェクトを買収した上、Ivanhoe Mines 社及
び Northern Dynasty Minerals 社の権益を取
得しました。それぞれモンゴルの Oyu Tolgoi
鉱床とアメリカの Pebble 鉱床を保有しておりま
す。
銅事業部の根元的当期純利益は 35.62 億米
ドルで、2005 年に比べ 76%の増益となりまし
た。2006 年 12 月 31 日時点で、当事業部は
リオティントの営業資産の 16%を占めており、
2006 年の総売上の 28% を占め、そのうち銅
が 74%、モリブデンが 13%、残りの殆どは金
が貢献致しました。また、当事業部は 2006 年
リオティントの根元的当期純利益の 49%を占め
ました。業績が改善して、主たる原動力は銅価
の高騰によるもので、2005 年の平均価格より
84% 上昇しました。
Kennecott Utah Copper 社の根元的当期
純利益は 2005 年の 10.37 億米ドルに対して
2006 年は 18.04 億米ドルでした。Escondida
の権益からの根元的当期純利益は 6.48 億
米ドル増益し、12.50 億米ドルとなりました。
Grasberg のジョイントベンチャーからの根元的
当期純利益は 1.1 億米ドル減益し、1.22 億米ド
ルとなりました。Northparkes は銅価格の高騰、
より高い鉱石の品位、処理量の増加及び実収率
の改善により根元的当期純利益が 2.29 億米ド
ルとなりました。Palabora は坑内掘り生産の改
善により、根元的当期純利益が 0.52 億米ドル
となりました。当事業部の銅生産量は 2005 年
に比べ 2%上昇となりました。
銅は強さを継続
2006 年に行った多数の主要投資により、リオティントが引き続き優れた長期の銅供給者である事を保
証します。著しい事に、現在当事業部は 4 つのワールドクラスの未開発銅鉱床の権益を保有しており
ます。
取得した権益は ペルーにある La Granja、現在こちらは 0.95 億米ドルのプレフィージビリティスタ
ディーが行われています。そして、Oyu Tolgoi ( ターコイズ ヒル ) は世界で最大規模の未開発 銅金鉱
床です。また、アラスカにある Pebble プロジェクトは鉱体が非常に大きく引き続き埋蔵量が伸びてい
くものと推定されます。これらのプロジェクトに加えてアメリカにある Resolution Copper があり、長
期的に発展する為に必要な堅実なポートフォリオを形成しております。
銅は世界の経済成長により他の非鉄金属に比べより多くの恩恵を受けています。記録的な価格はア
メリカやアジアの金属及び鉱物の底堅い需要を反映しております。中国は一際目だっておりますが、日
本やその他地域でも好調に推移しております。 2006 年は銅事業部がリオティントの根元的当期純利益の 49% を占めました。過去 10 年間を規準
とすると、
銅部門にとっては正に特別な時期であります。長期的に銅の需要は見通しが明るいのですが、
高品位、寿命が長い鉱体、良い財政収益を齎す資源は比較的に少ないのです。そしてまた、規模の大
きい鉱体を発見し採掘するのは困難になってきております。理由としましては、鉱体がより深くなったり、
鉱石の品位が低く複雑鉱であったり、操業環境がより厳しくなっている為です。
銅事業部はこの難問に対して、様々な目覚しいプロジェクトを計画に含み精力的に対応しておりま
す。モンゴルの南ゴビの地域にて、Oyu Tolgoi 銅及び金鉱床に参入致しました。モンゴル政府と長期
投資契約にタイミングよく合意する事を条件に、初の生産は 2010 年末までに露天掘りで操業を行い、
数年後には坑内掘りに移行する予定です。この鉱床は、現在の銅需要が急増している中国の国境より
80km にすぎない便利な位置にあります。
リオティントは Oyu Tolgoi に関する権益を、カナダの会社である Ivanhoe Mines 社 に 9.95%の
出資を行い取得致しました。さらに、モンゴル政府と長期投資契約に合意した場合には、出資比率が
19.95%に達する事となります。リオティントグループは 33.35%まで出資比率を引き上げるオプション
を持っており、また一般市場の取引を経由して 40% まで伸ばす可能性もあります。
ペルーの La Granja( リオティント 100%出資 ) では評価が進展しております。La Granja は従来の
粉砕の選鉱により輸出用の銅精鉱を生産する方法ではなく、バクテリアを使った硫化鉱のバイオリー
チング法により銅を回収する方向でプレフィージビリティスタディーを行っております。生産開始は少な
くとも 7 年先の予定です。
アラスカの Pebble はもう一つの長期プロジェクトであり、依然として初期段階であります。初期評
価によると、以前予想されていた銅鉱床より有望な可能性があります。リオティントは 2007 年 2 月に
Pebble を保有している Northern Dynasty Minerals 社への出資比率を 19.8%まで上げました。
アリゾナ州の Resolution( リオティント 55%出資 ) では、間もなく予備的立て坑の採掘が始まります。
しかし、国会が鉱山上部の土地への完全なるアクセス及び開発を可能にする土地の交換を行うまでは、
多大な支出は行いません。鉱床は地上より 2km下に位置しております。開発を最適に行う為及び環境
への影響を評価する為には全体像を充分に理解する必要があり、依然として多くの作業が残っており
ます。Resolution は 2015 年以前に生産を開始する予定はありません。長いリードタイムが難問である
プロジェクトと言う事を示しております。
銅事業部の長期発展計画は主要商品のみに限定されておりません。リオティントには、現在評価中
の複数のニッケルプロジェクトがあります。この金属の需要は 2010 年までに毎年 4%の伸びが予測
されており、当市場は好ましい経済収益を提供致します。アメリカ、ミシガン州の小規模、高品位の
Eagle ニッケル鉱床 ( リオティント 100%出資 ) では、フィージビリティスタディが行われ、2007 年中
に鉱床開発の決定が行われる予定です。
これら大規模で新たな鉱山計画に加え、既存の鉱山でも複数のプロジェクトが進行中であるか準備
中です。その中でも注視されていのが、ユタ州の Bingham Canyon の銅及びモリブデン生産を延長す
る為に露天掘りを拡張するか坑内掘りに移行するかの検討であります。オーストラリアの Northparkes
では、1.60 億米ドルのブロックケーブ マイニングプロジェクトが承認され鉱山寿命が 2016 年まで延
長される事になりました。
現在良い実績を収めている幅広い事業に加え、新たに大規模なプロジェクトを発展させる事により、
将来の銅事業部の生産プロフィールは将来にわたり確約されている様に見えます。
アメリカ ユタ州のソルトレークシティ 近くに位置するリ
オティントの Bingham Canyon 鉱山は銅、モリブデン
及び金を生産しております。
16 Rio Tinto 2006
アニュアルレビュー
ダイヤモンド事業部
Diamonds
根元的当期純利益 / 調整済利益
億米ドル
02
03
04
05
06
0.63
1.13
1.88
2.81
2.05
ダイヤモンド事業部はカナダの Diavik
Diamonds 鉱山 ( リオティントの権益比率は
60% )、100%所有のオーストラリアの Argyle
鉱山、2004 年に生産を開始したジンバブエ
の Murowa 鉱山 ( リオティントの権益比率は
78% )、それに加えてベルギー及びインドにある
ダイヤの販売事務所及び代表事務所から成りま
す。
2006 年 12 月 31 日時点でリオティントグルー
プの営業資産の 5%を占め、総売上高の 3%を
占めました。ダイヤモンド事業部の根元的当期
純利益は前年比 0.76 億米ドル減の 2.05 億米ド
ルでありました。ダイヤモンドの市況が良くなかっ
た為、利益は減少、売上高も計画を下回りました。
その結果、ダイヤモンドの 2006 年末の在庫は
2005 年末の在庫より多くなりました。
ファイナンス上の問題や、一時的な粗ダイヤ
の供給過剰、並びに粗ダイヤと研磨済みダイヤ
との価格差が連動しなくなった結果として、ダイ
ヤモンドの市況は 2006 年悪化しました。インド
で 8 月に大洪水が発生し、劇的に生産能力が減
少した時に、粗ダイヤと研磨済みダイヤの市況問
題は悪化しました。
更に貴金属価格が上昇した際に、より小さく
安い部類の研磨済み宝石の需要は減少しまし
た。市況の悪化により、粗ダイヤの価格は下押
しされ、リオティントを含む、大手生産者は価
格を修正せざるを得ませんでした。
リオティントは、厳しい一連の管理プロセス
に基づき、Rio Tinto Diamonds という販売会
社を通じてダイヤを販売しており、供給者、パー
トナー、需要家の皆様に、社会的にも環境面で
も受け入れ可能な責任水準を保証しています。
Diavik 鉱山は坑内掘りへ
ダイヤモンド鉱山が湖の下にあり、今後坑内掘りに進むのは非常に珍しくユニークであります。
北極圏から僅か 200 キロ離れた、カナダの北西領土(Northwest Territories)に位置する Diavik
鉱山 ( リオティントが権益の60%を保有 ) が生産を開始したのは 2003 年 1 月です。2006 年には総
産出量はほぼ 0.1 億カラットに達しました。
Diavik は高品質で輝く白色のダイヤとして有名であり、ダイヤを含有するキンバーライト鉱床は湖の
凍り水の下に埋蔵されています。地質学上の不便さは、リオティントが採掘を開始する前にまずラック
ドゥグラス(Lac de Gras)の中に水が漏れない大堤防を築き、水をポンプで汲み出し、また湖に生息
していた魚を捕獲し、他の場所に放流することを意味しました。そのあとで湖底にある鉱床を初めて露
天掘りが可能になりました。
今日では、A154 North での露天掘りは終掘し、A154 South では採掘が継続しています。隣接する
A418 での堤防建設が完了し、今後そこで露天掘りを行なうことになります。第 4 のキンバーライト鉱
床(A21)は、現在露天掘り・坑内掘り両方の可能性を検討評価中です。しかし、堤防の壁によりピッ
トの最大サイズに限界があります。各ピットの深さも幅も増しています。湖に向かって堤防を延ばすこ
とは経済的な提案ではなく、もし Diavik で長期にダイヤを生産するのであれば、唯一の解決策は露天
掘りから坑内掘りに移行することです。
この目的のために、リオティントは過去 2 年間にわたり、いくつかの坑内掘りオプションについて
F/S を行なってきており、2007 年半ばには完了する見込みです。2 本の探鉱シャフトが掘られました。
最初のシャフトは A154 (North and South) 及び A418 での坑内掘りの調査を可能にするものです。
目的は総合的な資源モデルを開発する事、地盤の条件についてより良い理解を得る事、並びに人
参の形をしたキンバーライト鉱床の周囲に旋回しながらおりてゆくスパイラル状のトンネルにどんな
ground support が必要かを見極めることであります。2 本目のシャフトは、A21 からの大量サンプル
を取り出す為のものであり、露天掘り・坑内掘りの両方を検討するために掘られています。
これまでに約 2 億米ドルがこのプロジェクトに投資される事が決まりました。これはイエローナイフ
からいわゆる氷の道を使って採掘機械やその他の機器を輸送するコストと(この氷の道は湖の氷が重
機の重さに耐えるほんの短い冬の一時期にのみ開通します。)、またコントラクターの開発費用もカバー
しています。Diavik 鉱山を坑内掘りに移行させるかどうか、また A21 を露天掘りで採掘する為に堤防
を築くかどうか、全ての必要な作業を完了させるために追加で 2 億米ドルを投資するかどうかは 2007
年半ばに決定が下される予定です。
現在検討中の坑内掘りオプションのひとつは、roadheader と呼ばれる鉱山機械を使用することです。
1 台あたり 5 百万米ドルで、これらのブルドーザー型の重機は、前部のアームの上に大きな回転ドラム
を装備しています。ダイヤを含むキンバーライトを掘削する為のタングステンカーバイドの歯がドラムに
は固定されています。Roadreader は石炭事業で極めてよく使用されており、例えば A418 のような柔
らかい岩盤に適しています。Roadreader を使用する事でもっと伝統的なドリルと爆破方法より開発を
早める事が出来るかどうか見極める為のテストが現在進行中です。
坑内掘りが 2007 年半ばに正式に決定されたとしても、坑内掘りからの生産開始は 2009 年初めま
で開始されません。Diavik の生産は徐々により複雑になってゆくことでしょう。全てが同時期に生産を
行なうわけではないが、将来的には 3 ヶ所の露天掘りと 4 ヶ所の坑内掘りの操業が行なわれることに
なります。最後の露天掘りは 2016 年開始を予定しています。
これら全ては注意深い計画と細心の操業の調整が要求されます。更に鉱床のそれぞれが固有の特徴
を有しており、鉱石処理工場には鉱石をブレンドして供給するので、地質工学上のより良い理解が重要
となります。
例えば、A154 South からの鉱石は比較的硬く、処理工場が計画能力の年率 2.3 百万トンの操業を
達成する為には他の鉱床からの柔らかい鉱石とのブレンドが必要になってきます。
カットされていない色々な色の宝石で、西豪州の Argyle
ダイヤモンドのピンクも含まれています。
アニュアルレビュー
17
RioRio
Tinto
Tinto
2006
2006
Annual review 17
含まれます。コンストラクション部門長の Chris
Beaumont はこのように述べました、
「安全性は、
改善されたコミュニケーション及び相互理解を通
して従業員の貢献度を最大に表す最適な方法で
す」。
インドでダイヤモンドの探鉱現場に向かっていた
グループ内でもう一つのイルメナイト生産者
探鉱の車両集団が警察に止められました。彼ら
である南アフリカを拠点とした Richards Bay
は、車両の乗員が自分の意志に反して拘束され
Minerals の成功した実績を取り入れ、産業界の
ていると村民から報告を受け対応しているのでし
劇場を通して安全性を強化しております。役者は
た。乗員は単に肩からシートベルトを着用してい
安全性のメッセージを広める為に従業員自身の言
るだけでした。
語で現地のユーモアを交え簡単なメッセージを伝
リオティントにとってシートベルトの着用は重
えております。
要で日常的な安全基準であるが、一部では未知
マネージメントは自らの役割として、
「有言実行」
なる習慣なのです。
を行い、現場へ行き人々との会話を交え、安全な
リオティントは安全性に関して高い標準を設定
致しております。どの拠点でも例外はありません。 行動を理解し褒め称え、議論しながら安全でな
い慣例は修正しております。
また、全ての人が対象となります。定期的な監査
建設現場の請負労働者は安全な習慣を培う為
が他のグループ会社または外部機関の専門家に
に、自ら進んで意欲的に行っておりました。彼ら
よって行われ、地元の請負労働者が以前同地域
は利点を見つけ、彼ら自身の組織で安全性につ
にて成し遂げた結果や他のグループが類似のプ
いての改善を前向きに取り組んでおります。そし
ロジェクトで得た結果の背景要因に基づき、プロ
て、一例として新たな標準を他の人達の為に設け
ジェクト開始時に改善の目標が設定されます。
ます。
それは 2006 年 マダガスカルにて建設が開始
産業用鉱産物事業部の執行役員 Andrew
されたリオ ティントのイルメナイト プロジェクト
Mackenzie は 取締役会で安全性の役割も担当
で実行に移されました。この国は発展途上国で、
しており、産業は業務内容または場所に関係なく、
インフラが不足し産業の安全性に関しても前例が
従業員が怪我をしない環境で働けると信じなくて
ありません。マダガスカルにおけるリオ ティント
はいけない上、社会を説得しなくてはならないと
の責務は、必需品を現地で調達し、地元の労働
述べております。彼はまたこのように申しました、
者を雇用することや技術トレーニングを提供する
「安全性はリオ ティントにとって最大の価値であ
こと及びインフラを発展させる事です。ワールド
る」。
「それは、ビジネスにおいて競争し勝利する
クラスの安全基準を導入し厳守しつつこれら全て
チームを編成します。また、それはより良い健康
を成し遂げなくてはなりません。
への経路です。そして、その利点を外の世界に示
従業員は地元の方々が採用されます。プロジェ
す事は大きな国際企業で働く特権のうちの一つ
クトマネージャーは彼等の能力に基づき仕事の候
です」
。
補を選び等級分けを行い そして、働く為の健康
「最初は従業員へ、次に請負労働者、そして社
及び能力を確実に致します。新従業員は個人の
保護道具を与えられ、その使用方法を教わります。 会全体へと優れた安全性が創造され、その後広
がり、また統合されます。世界を安全にしなくて
職場にて自身の規律、指示に従う重要性、団体
は、我々も安全になれません」と彼は申しました。
の一員として働くという大事なメッセージを銘記
作業場で怪我をゼロで成し遂げるには、
「我々
致します。また、リオティントの方針である職場
は社会により大きな影響力を持つ必要がある。マ
での麻薬及びアルコールを一切認めないと言うこ
ダガスカルでの例を挙げますと、我々は現地の
とも含まれます。
警察と力を合わせてトレーニングを行い、機材
スーパーバイザートレーニングはリーダーシッ
の実演を行っております。また、安全性の情報を
プのスキル及び責任をしっかりと定着させた
提供する為に学校にも足を運んでおります。
」と
り、また危険度を評価したり、さらに安全では
Chris Beaumont は付け加えました。
ないと感じる仕事について拒絶する権利などが
目標は
全ての人の安全性
リオティントは高い安全性の標準を全ての従業員
及び請負労働者に設けております。保護道具を着
用 ( 主要写真 ) 且つ ( 左から右へ ) 安全装具を使
用中、緊急事態のトレーニング、マダガスカルの
QMM にて道路安全基準を監視しています。
Rio Tinto 2006
アニュアルレビュー
19
Operational and Technical Excellence(OTX)事業部
健康、安全、環境面の問題をも取り扱う、
Operational and Technical Excellence
(OTX)は、リオティントの操業、将来的成長
及び収益率をサポートするための中心となる土台
を提供しています。OTX は、製品部門と彼らの
ビジネスに対し、世界レベルの技術に基づいた
サービスを提供し、また、実務上のマネジメント
にアドバイスをしています。
Health, Safety and Environment 部門を通
じ、リオティントの安全、業務上の健康衛生及
び環境についての方針と基準を発展させ、実行
することが取締役会に確約されています。
OTX 内の全ての部門は、リオティントグルー
プ内の指標となる仕事のやり方を特定し、共有
し、施行します。知識の獲得とその普及のコラ
ボレーションは、全てのスタッフに求められる重
要な要件です。
2006 年を通じて、OTX のスタッフ
は Improving Performance Together
Programme の中心メンバーであり、資本効率
化、増産、高収益化、そして生産性支出の改善
の組み合わせを通じて、リオティントグループへ
の価値創造の為の多くの案件を推進してまいり
ました。
OTX 事業部の支出は、0.5 億米ドルとなり
2005 年の 0.41 億米ドルよりも増加しましまし
た。支出増加原因は、OTX 事業部内の活動レ
ベルが拡大した為です。
年末時の OTX の総スタッフ数は、2005 年
の 343 名に対して 368 名となっています。
新しい名前、新しい役割
昨年の報告の後、リオティントのテクノロジー事業部は新しい名前の新しい組織に改変されましました。
OTX としての新しい船出は、産業界における新しい責務と、リオティントの中での役割変化を反映し
ています。旧テクノロジー事業部のように、OTX はリオティントの技術的能力の多くを蓄える倉庫のよ
うなものでありますが、そこには違いもあり OTX は、将来的にビジネスに価値を付加していく点です。
我々はリオティントの異なる事業部が、より密接に一緒に働くようするための技術的なアドバイスを
提供することに加え、我々のアドバイスを測定可能で重要な価値があるものへと変えていきます。OTX
の新しいグローバル・ヘッドである Grant Thorne は、
「新しい組織はより良いビジネスと、より良い技
術を保証することです。また我々の抱負は、各ビジネスユニット及び商品事業部が価値を生み出す際、
有効なパートナーは OTX 事業部であると認識することです。
」と述べましました。
この点において、OTX の使命はリオティントの異なる事業部がより密接に一緒に働き、グループ内で
のビジネス上の成功を標準化するために開始された事業発展プログラムである Improving Performance
Together Programme の使命と同じです。リオティントの操業業績を発展させることで、IPT はすでに明
白な経済的利益を作り出しており、将来的には非常に高い価値の成長をもたらすでしょう。
2007 年 1 月 1 日、IPT プログラムは OTX に移行され、以降、プログラム推進の責任は OTX が引
き継ぐこととなりましました。OTX の中心機構は、様々な IPT の特別委員会に相応する形で組織され
てきましました。Grant Thorne は、
「過去12ヶ月間に IPT は多くのことを意欲的に達成してきましたが、
我々の今年の目標はそれに劣るものではありません。OTX は他にも様々な活動をしており、我々が次
期に優先する事項は、IPT プログラムから得られた価値を引き続き提供し、IPT の信念をグループ中
に植え付けていくことである」と述べました。
更に先を見据えて、彼は、今ここで作りうる価値というものと、長期的にリオティントの競争力を保
つための基本的な変化というものを区別しています。彼は、
「我々は完全なる変化ということについて
語り合っています。それは、我々がすでに行っていることを、追加発展させるということではありません。
それは産業界で指揮権を握り、我々が最良の採鉱とその操業技術を提供できる事を確実にすることで
す。我々が技術革新することについての業務上のニーズが出てくる事を期待しています。」と述べました。
また、
「我々は技術的難題への増大する複雑さを、合理的に予想できています。今こそ、競合的な新
技術を生み出すための革新を始める時期であり、新しい鉱床が手に入った時点では遅すぎます。」とも
述べました。
こうしたことが重要になってきている背景には、明確な理由があります。リオティントが将来採掘す
るであろう鉱体は、それに到達することがますます難しくなり、また、鉱物学的に今以上複雑なものに
なるでしょう。しかし同時に産業界は、エネルギーや水の節約、そして、採掘前後に環境に与える影響
をより少ないものにすることについての、社会的、政治的プレッシャーに直面しています。これは、既
存の鉱山だけではなく、新しい活動領域においても起きてくる問題です。
こうした新しい傾向は、将来的な採掘に、新しいアプローチが必要であることを示しています。今ま
での、広大なスケールでの地上操業は、省エネ及び地表レベルでの擾乱が少ない地下鉱体採掘のよう
な坑内掘り技術に道を譲らねばならないでしょう。新しい hydro-metallurgical techniques は、膨大
な岩石を地表に運んでくることなく、省エネで鉱石を抽出することを可能にするかもしれません。また、
殆どの鉱山が必要な専門職のスタッフを雇ったり配置したりすることが困難な、都会から離れた地域に
あることを考えると、未来の鉱山は、より一層遠隔監視と数千キロメートル離れた所から、遠隔コント
ロールに頼ることになるかもしれません。
数十年後にも競争力を維持しているためには、こうした全ての分野において、リオティントがその技
術を高め、新しい技術を開発することが重要です。
これらの困難な状況に直面するにあたり、OTX 自身がここ数年で変化していくことでしょう。最良の
技術者や科学者を引き続き雇用するとともに、ビジネスアナリスト及び工学的、科学的な難題をより良
い業績に変えることができるリオティントのビジネスユニットと仕事ができる管理専門職に変えていくこ
とが重要となります。さらに、大よそ 25 年後には要求されるであろう抜本的・長期的な変化、並びに
短期における進化の機会について適度に注目されることが必要となります。
Grant Thorne は、
「しかし、OTX は発展しています。我々の仕事は、不変的かつ明確な方針によっ
て特徴づけられます。それは統制のとれた基準、リオティントの業績変化のモニタリング、そしてそう
した変化を現実の根底的価値に変えていくことです。
」と述べました。
簡単であるものから複雑なものまで、リオティントが新
技術を導入し開発する方法は将来の成功のために極め
て重要です。John Harvey は、
西豪州の鉄鉱石輸出ター
ミナルである Cape Lambert の管理システムの指揮者
です。
20 Rio Tinto 2006
アニュアルレビュー
探鉱
2006 年の探鉱費用は 3.45 億米ドルとなりまし
た。請負人経費、
探鉱伝達経路におけるプロジェ
クトの質の高さ、及び重要プロジェクトの評価
促進などを反映し、2005 年より 0.81 億米ドル
増加しました。
2006 年探鉱は、基礎的な範囲で鉱山付近で
の、もっとも有望な対象を促進することに焦点を
あて、多くの地域から期待に沿う結果が得られ
ました。
探鉱事業部は北アメリカ、南アメリカ、オース
トラリア、アジア及び、アフリカ・ヨーロッパの、
5つの地域密着型チームと、世界中に新しい好
機を探し、特別な地質学、地球物理学、そして
商業的な専門知識を、地域ベースのチームに提
供する第六のチームから構成されています。アジ
ア地区チームは、ロシア、モンゴル、及び旧ソ
連邦諸国における探鉱取り組みの拡大を反映し
て、2006 年に結成されました。独立していた産
業用鉱産物探鉱チームは、地域密型チームとそ
のプロジェクトに統合されることとなりました。
2006 年の年末の時点で、には、35 カ国以上
で、銅、ダイアモンド、ニッケル、産業用鉱産物、
ボーキサイト、ウラン、鉄鉱石、石炭などを含む
幅広い産物を調査しています。
探鉱では、世界中から凡そ 180 人の地質学者
を雇っており、総人員約 900 人を抱えています。
未来へのオプション
リオティント探鉱チームの使命は、グループの資源基盤と資金収支の可能性を拡大することにより、リ
オティントの価値を増大することです。リオティントの規模を持つ会社にとって、特に生産の伸びが非
常に大きく、かつ競争が極めて激しい時期においては、これは厳しい命題に思われるでしょう。
しかし、探鉱チームの成功への方針は、試練の時にあたり、他の主要関連会社の政策を凌ぐもので
そこには、四つの基本方針があります。
第一に、我々は、自然界が提供しうる最大かつ最上の鉱床のみを発見、ないしは探索することに集
中しています。これらは、どのような価格サイクルであっても有利に採掘できる資源であり、よって、持
続可能な競合上の利点を、リオティントグループにもたらすことができるものであります。
第二に、我々は殆どの探鉱プログラムを、他社に委託するのではなく、自分たちの手で行うことで、
対象物へ厳密な焦点をぶれることなく維持しています。同時に、私達は進んで中小の探鉱企業と提携
して、地域の知識、または我々が社内に持たない興味深い操業技術を得ることに努めています。
第三に、探鉱チームは、グローバルな枠で中央集権型の Commodity グループでなく、各地に点在
する地域密着型の Commodity グループのスタイルをとっています。これは、我々にそれぞれの地域の
存在を意識させるだけではなく、我々の操業環境についての正しい理解を提供しています。同時に、最
良の機会だけを追えるように、我々は全世界的規模で、我々のプログラムの優先順位をつけています。
最後に、我々は、他社を蹴散らし蹴落とすためではなく、競争力を養うために仕事に励んでいます。
ライバルが減ることは、明らかに、わが社の成功率を高めますが、果たして競争力はどうなるでしょうか。
我々は、バルク commodity、産業用鉱産物、ダイヤモンド調査において、世界屈指の技術力を誇っ
ています。例えば、工業業界において、ダイヤモンド鉱床を発見することは、最も挑戦的な仕事の一
つであるにもかかわらず、当社のダイヤモンド部門は探鉱チームによる三度のダイヤモンド鉱床の発
見によって成立されたものです。ジンバブエの Murowa 鉱山での発見は記憶に新しいです。インドの
Bunder 採鉱有望地における規模調査の指令は、
四度目のダイヤモンド鉱床発見を導くかもしれません。
非常に見込みある新興の管轄区で効果的に作業できる我々の能力は、初動者としての特典を与えて
くれます。ギニアの Simandou 鉄鉱石鉱床の発見などはこうしたタイプの未開拓分野調査によっても
たらされたものです。我々の長期的視野は、中小企業では存続できないような複雑な、文化的、法律
的環境の中において、仕事を進めていくことを可能にしています。我々が何十年間にも渡って築き上げ
てきた協力的であるという評判は、ホストとなる政府や地域社会に、我々をより好ましいパートナーと
して認識させています。
素晴らしいプロジェクト管理と地下鉱体採掘(block cave mining)の評判とあいまった商業技術は、
アリゾナの Resolution、アラスカの Pebble、また最近ではモンゴルの Oyu Tolgoi における、主要
な銅採掘プロジェクトへの参入を可能にしました。我々の共同事業者としての評判のお蔭で、Norilsk
Nickel と、RioNor の合弁事業は、南及び東ロシアでの将来的発見を可能とする位置に我々を推進し
ました。
我々がもっている強力な競争優位は、既存鉱山地域での探鉱です。何年もの間に蓄積された地域の
地質学的知識は、西豪州の Hamersley Basin のように成熟した調査地域における、新しい資源の同
定を可能にします。こうした資源は、近接する既存鉱床を考慮すると、非常に価値があります。
探鉱は優れた記録を保持しており、過去 15 年間で 10 箇所の主要な発見という功績を成し遂げてい
ます。そのうち殆どの鉱床はすでにグループによって鉱山として稼動されているか、あるいは現在、評
価過程にあります。豊富な現在の好例に彩られたポートフォリオは、この功績が今後も続くであろうこ
とを示しています。
Ashish Vaidya は、リオティントの地質学者でインドの
Bundelkhand にあるダイヤモンド探鉱サイトから試錐コ
ア(ボーリングコア)より入手したサンプルを調査してい
ます。
Rio Tinto 2006
アニュアルレビュー
21
持続可能な発展
リオティントは、長期的かつ資本集約的な事業
で、鉱山資産は一般的に30年以上の操業を行
い、しばしば遠隔地に位置しています。この結果、
ホスト国の政府や地元地域社会、私たちの株主
に、経済的な利益を還元する為には、経済的か
つ社会的な安定性が必要です。その為、私たち
は持続可能な発展という行動指針を確約してい
ます。これにより、新しい機会へのアクセスや、
業務のパフォーマンス向上、そして、指針に基
づき行動する事を確約している私たち自身の活
発が促進されています。
おおよそ全ての私たちのパフォーマンスの測定
基準は、正しい方向に向かっている事が 2006
年の結果では示されています。概して、エネルギー
使用量の削減、温暖化ガスの排出量、淡水の新
規利用を含めた環境に対するパフォーマンスは、
目標に沿っているか、もしくはそれ以上です。安
全に関しては、私たちは、引き続き負傷による
時間的ロスの頻度及び全ての負傷の頻度を減ら
して行きます。残念ながら、2006 年は、リオティ
ント管理下の鉱山において発生した、3件の死
亡事故を記録する結果となってしまいました。
私たちは、現在のグループ内の持続可能な発
展への取組状況を評価し、この分野で先頭に立
つとの目標を設定しました。目標達成に向けて
の重点項目を定めた戦略を従来戦略の改訂版と
して策定しました。例えば、真に安全第一とする
風土を従業員間に植え付ける事です。私たちは、
Key Performance Indicator を構築し、コミュ
ニケーション・チャネルを改善し、サプライチェー
ンマネジメントやリスク管理及び長期計画にお
ける持続可能な発展の意味合いを定義付けしよ
うとしています。2006 年には、全社的にトレー
ニング及び意識向上の為のシステムを導入しまし
た。
このような行動を通して、私たちは、持続可
能な発展への取組みにより、更なる差別化や競
争力の向上を図るという目標に向けた前進を続
けています。
環境面での困難への対処
リオティントの地域社会の問題や環境へのアプローチは、引き続きグループの包括的なビジネス戦略
に基づき決定されます。このビジネス戦略とは、機会の最大化とリスク管理です。
私たちが環境へのパフォーマンスを改善する為に利用する枠組みは、ビジネスリスクの評価・対処に
関して首尾一貫した手法をもたらします。
業務計画、公的な目標、測定基準を利用する事により、グループの方針及び強制的な基準、主なリ
スクに対抗する為の戦略を纏め上げます。達成結果は、社内外に公表され、更なる戦略的、業務的な
進展を導く為に利用されます。
生物学的多様性、気候変動、水利用などの課題に対する効果的な対応は、ビジネスにおいて持続
可能な成功の中核を収める上での根幹となります。これらの課題は、それぞれ金銭的な側面及び意味
合いを持っています。
加えて、社会はこれらの課題に対して、ビジネスが解決に貢献する事を期待しています。逆に言えば、
どのようなビジネスにおいてもその期待を無視すれば、単に将来に向き合わなければ行けない課題を
追加しているに過ぎません。
リオティントとしての解決への貢献は、口先だけの問題ではなく、結果でありパフォーマンスです。
公に目標を設定し、目標に対する成果を報告する事によって、私たちが真剣に社会と環境に関与し、
利益をもたらす覚悟である事を示そうと努めています。
しかし、常に成功したか否かを判断が用意に下せる訳ではありません。特に、例えば生物学的多様
性などの分野における判断は困難です。
生物学的多様性に対してビジネス活動が与える影響が、総合的に判断してプラスなのかマイナスなの
かを理解・測定する手法を探るにあたっては、私たちは外部団体や専門の科学者との共同作業に取組
んでいます。
この作業は、長期的に行っていく必要が有ります。何故なら、生物学的多様性への影響を評価する
には何年もかかる上に、成功の為に必要な行動を明確化し、それらの行動から得られた教訓を別の場
所にも適用可能な形にしていく必要があるからです。
気候変動に関しては、私たちは3つのレベルでの取組みを行っています。これらのレベルとは、①
政府や全ての利害関係者と共に、更に有益な政策や作業方法を開発すること。②技術及び工程の改
善により、私たち自身の操業からの温暖化ガス排出を削減する事。③顧客と共に、バリューチェーン
における私たちの製品の更なる効率的使用を実現していく事。
先進諸国の生活水準を維持する為にも、発展途上国で貧困に苦しむ何百万もの人々を救う為にも、
私たちには生産量の増加が求められており、これらの取組みは世界的にきわめて重要です。 私たちの取組みは、気候変動の経済性に関して英国政府が発表した Stern Review 主な結論とも通
じています。Stern Review は、直ちに活動が必要であり、経済成長と温暖化ガス削減の両方が不可
欠だが、達成の為には様々な政策及び方策が必要となると結論付けています。
特に石炭は、機会とリスクは共存しており、解決の為には広範な努力が必要とされる事の良い例です。
例えば、中国、米国もしくは豪州などの国は、国内の大規模な資源を更に開発する事によって、エネ
ルギー保障を大幅に高める事が出来ます。課題は、エネルギー保障の強化により、CO2 やその他の
排出物の増加が許容範囲を超えることで、地元や地球環境に過度の負担を掛けない事を確実にする事
です。
私たちの事業(私たちの購入電力も含め)によって排出される CO2 は毎年 28.3 百万トンですが、
リオティントが販売する石炭を世界中の顧客が燃焼する事による CO2 排出量は、毎年約 3.5 億トンに
上ります。
その為、リオティントは、生産者側及び消費者側の双方における更なる操業効率化を通して、
「より
クリーンな石炭」を届ける為に、他社や科学者、政府との協同で技術的解決策の開発に取組んでいます。
水は、エネルギーと同じように、人類の生存と発展の為の主要な資産です。2006 年に、リオティン
トは、全てのグループ内の採掘現場及び加工現場において、水管理に関する戦略的なアプローチの導
入を続けました。私たちの目標は、
水に関連するビジネスリスクが理解され、
水が更に効率的に管理され、
ビジネスにとっても地域社会にとっても重要な財産だと評価される事を確かにする事です。これに関係
して、リオティントは豪州政府により、水管理の戦略的枠組みを開発する為の業界及び政府の代表に
よるタスクフォースの共同議長への就任を要請されました。タスクフォースの正式発足に当たり、水管
理に対して戦略的なアプローチを、業界がリーダーシップを取って促進している事が認識されました。
この取組みは、業界の水管理改善を促進し、リオティントが責任ある水の使用者という立場を確立
する一助となります。
ペルー北部の La Granja 銅プロジェクトの近くにある
La Iraca 村の学校の子供たちは、プロジェクトにより
道具や昼食を与えられるといった恩恵を受けています。
22 Rio Tinto 2006
アニュアルレビュー
ビジネスユニット別財務情報
12 月 31 日決算
億米ドル
リオティント
持分比率
%
鉄鉱石
Hamersley(含 Hlsmelt®)
Robe River
Iron Ore Company of Canada
Rio Tinto Brasil
100.0%
53.0%
58.7%
100.0%
合計
エネルギー
Rio Tinto Energy America
Rio Tinto Coal Australia
Rössing
Energy Resources of Australia
100.0%
(e)
68.6%
68.4%
当期純利益(a)
総売上高(b)
営業資産 (c)
設備投資 (d)
2006
2005
2006
2005
2006
2005
2006
2005
16.60
4.61
1.45
0.13
12.19
3.62
1.48
(0.07)
44.16
13.79
10.51
0.92
33.87
11.13
9.54
0.43
43.21
15.93
6.51
0.97
25.55
14.87
4.51
0.81
16.96
1.04
1.51
0.18
9.35
1.60
0.98
0.36
22.79
17.22
69.38
54.97
66.62
45.74
19.69
12.29
1.77
4.90
0.27
0.17
1.35
5.72
0.02
0.24
14.28
23.44
2.29
2.39
11.97
23.02
1.63
2.05
10.97
13.97
0.68
2.01
9.08
11.47
0.66
1.80
2.62
2.51
0.38
0.31
2.04
1.71
0.03
0.34
合計
7.11
7.33
42.40
38.67
27.63
23.01
5.82
4.12
産業用鉱産物
2.43
1.87
26.23
24.87
26.82
23.11
3.60
2.35
(f)
7.46
3.92
34.93
27.44
36.07
33.61
2.36
2.42
100.0%
30.0%
(g)
57.7%
100.0%
80.0%
18.04
12.50
1.22
0.52
1.05
2.29
10.37
6.02
2.32
0.19
0.73
0.57
28.29
25.75
3.73
5.88
2.77
4.37
21.41
12.39
6.57
3.71
2.56
1.75
17.89
7.92
4.12
1.04
1.98
0.89
11.44
8.12
3.21
2.26
1.29
1.52
2.95
1.55
0.45
0.18
1.11
0.16
1.64
2.29
0.45
0.17
0.34
0.12
35.62
20.20
70.79
48.39
33.84
27.84
6.40
5.01
0.64
1.31
0.10
1.17
1.43
0.21
3.45
4.60
0.33
5.72
4.60
0.44
4.05
6.39
0.12
5.23
5.48
0.14
1.20
1.05
0.04
0.77
1.21
0.05
2.05
2.81
8.38
10.76
10.56
10.85
2.29
2.03
アルミニウム
銅
Kennecott Utah Copper
Escondida
Grasberg joint venture
Palabora
Kennecott Minerals
Northparkes
合計
ダイヤモンド
Argyle
Diavik
Murowa
100.0%
60.0%
77.8%
合計
その他事業
0.33
0.40
2.29
2.32
5.51
1.67
0.48
0.31
小計
77.79
53.75
254.40
207.42
207.05
165.83
40.64
28.53
その他
探鉱評価
金利
減)持分会計適用会社
(2.61)
(1.63)
(0.17)
(2.02)
(1.74)
(0.44)
(1.52)
1.16
(3.04)
(0.18)
1.69
0.05
0.41
0.04
(3.22)
(3.82)
根元的当期純利益
根元的当期純利益の除外項目
73.38
1.00
49.55
2.60
合計
74.38
52.15
39.16
25.16
206.69
162.61
減)純負債
(24.37)
(13.13)
リオティント株主持分
182.32
149.48
(a) 当期純利益は、リオティントグループに帰属する税引後利益を示します。子会社
の利益は、利息控除及び例外的項目控除前ですが、資産の間接償却後の数字で
す。持分会計適用会社に帰属する利益は利息を含んでいます。商品事業部に属す
る純利益は、根元的当期純利益算出時に控除されるものは除外されています。
(b) 総売上高は、子会社についてはその売上高の 100%、持分会計適用会社につい
てはその売上高に対するリオティントの持分相当額を示しています。
254.40
207.42
(e) この中には Rio Tinto Coal Australia(100%)及び Coal & Allied(75.7%)が、
リオティント持分の中に含まれています。
(f) この中には Comalco(100%)及び Anglesey Aluminium(51%)が、リオティン
ト持分の中に含まれています。
(g) 1998 年以降のグラスバーグにおけるジョイント・ベンチャー契約によれば、リオ
ティントは拡張及び開発の結果追加生産された部分の 40%の権益を保有します
(c) 子会社の営業資産は、純借入及び少数株主持分控除前の純資産で、これは関連
(h) ビジネスユニットは、グループの経営管理体系に基づき分類されます。一般的に
会社の純資産を参考にする上で計算されます。持分会計適用会社についてはリオ
この体系は、各ビジネスユニットにおける主要商品に基づきますが例外もござい
ティントの純投資額が計上されています。
ます。例えば、銅事業部には一定の金採掘活動が含まれています。よってこの要
(d) 設備投資は、土地、工場、備品の有形固定資産と探鉱費用を除いた無形固定資産
の合計取得額から合計除却分を差引いた現金流出の純額からなります。上図の詳細
約は、商品分析とは異なり、個々のビジネスの貢献が正しくは複数の商品に起因
する場合があります。
は、100%子会社の設備投資と持分会計適用会社に対するリオティント持分の設備投
資を含みます。
Rio Tinto 2006
アニュアルレビュー
23
要約財務諸表
ここに示されている要約財務諸表は監査人によって報告され、英国の会
社登録官及び豪州証券・投資委員会に提出された完全な財務諸表から抄
録されたものです。完全な財務諸表に対する監査人の意見は、無限定適
正意見であり、1985 年イギリス会社法の 237(2)ないし 237(3)条に
基づく意見を含んでいません。要約財務諸表は、完全な財務諸表によっ
要約損益計算書
て与えられているようなグループの財務成果でグループ会社及び親会社の
状態を完全に理解できるような情報は含まれていません。2006 年のア
ニュアルレポートの一部を構成している完全な財務諸表は、36 ページに
記載されているお問い合わせ先にご依頼頂ければ入手できます。
2006 年
2005 年
12 月末決算 12 月末決算
億米ドル
億米ドル
総売上高 ( 持分会計適用会社の持分相当額を含む)
(a)
連結上売上
営業費用 ( 減損組戻 / 費用を除く )
正味減損 組戻 /(費用)
事業の所有権売却益(投資を含む)
営業利益
持分会計適用会社持分相当額
254.40
207.42
224.65 190.33
(138.92) (124.36)
3.96
0.03
0.05
3.22
89.74
69.22
13.78
7.76
税引前経常利益 (財務項目を除く)
財務項目
外部純借入金とグループバランスの為替影響
ヘッジとして認められない金融派生商品
受取金利及びそれに類する収益
支払金利及びそれに類する費用
現在価値に換算した引当金の償却額
小計
103.52
76.98
0.46
0.35
1.06
(1.60)
(1.39)
(1.28)
(0.51)
0.82
(1.73)
(1.16)
(1.12)
(3.86)
税引前経常利益
102.40
73.12
当期納税額 (b)
(23.73)
(18.14)
当期利益
78.67
54.98
外部株主に帰属する利益
リオティント株主に帰属する利益 (当期純利益)
4.29
74.38
2.83
52.15
557.8c
555.6c
382.3c
381.1c
25.73
11.41
81.5c
110.0c
83.5c
-
64.0c
-
41.5c
110.0c
普通株式1株当たり純利益
普通株式 1 株当たり稀釈化利益
普通株式 1 株当たり純利益算定時の当期加重平均株式数は、Rio Tinto plc 及び
Rio Tinto plc が保有しない Rio Tinto Ltd. 株が 2.85 億株です。
Rio Tinto Ltd. 合計で 13.33 億株で、内訳としては、Rio Tinto plc が 10.47 億株で
当期支払配当金(億米ドル)
一株当たり配当金:当期支払分
−通常配当金
−特別配当金
一株当たり配当金:当期の営業結果発表時に公開された分
−通常配当金
−特別配当金
(a) 総売上高は、子会社への連結上売上のみならず、持分会計適用会社の持分相当
額 29.75 億米ドル(2005 年年間= 17.09 億米ドル)を含みます。
24 Rio Tinto 2006
アニュアルレビュー
要約貸借対照表
2006 年
2005 年
12 月末決算 12 月末決算
億米ドル
億米ドル
固定資産
営業権
無形資産
有形固定資産
持分会計適用会社への投資
合弁会社への貸付金
棚卸資産
売上債権及びその他の債権
繰延税金資産
回収可能税金
その他金融資産
8.41
10.20
3.84
2.20
222.07 176.20
22.35
18.29
1.36
1.59
0.99
1.41
9.83
7.03
2.25
0.55
1.35
1.22
3.74
4.53
276.19 223.22
小計
流動資産
棚卸資産
売上債権及びその他債権
合弁会社への貸付金
回収可能税金
その他金融資産
現金及び現金等価物
25.40
29.38
0.15
0.79
5.67
7.36
68.75
小計
流動負債
当座貸越の返済
借入金
仕入債務及びその他債務
その他金融負債
未払税金
引当金
20.48
24.88
0.30
5.36
23.79
74.81
(0.14)
(0.12)
(14.90) (11.90)
(26.93) (21.90)
(1.93) (0.86)
(10.24)
(9.87)
(3.66)
(3.21)
(57.80) (47.86)
10.95 26.95
小計
流動純資産
固定負債
中期および長期借入金
仕入債務及びその他債務
その他金融負債
未払税金
繰延税金負債
引当金
(20.07) (27.83)
(3.62) (2.69)
(2.33)
(1.13)
(0.86)
(0.51)
(23.39) (21.97)
(43.02) (38.65)
(93.29) (92.78)
小計
193.85 157.39
2006 年 2005 年
純資産
資本金及び資本準備金
株式資本
-Rio Tinto plc
-Rio Tinto Ltd.(Rio Tinto plc持分除く)
資本準備金
その他準備金
利益剰余金
リオティント株主持分
外部株主持分
1.72
10.99
19.19
6.41
1.72
10.19
18.88
(0.24)
144.01 118.93
182.32 149.48
11.53
7.91
資本合計
193.85 157.39
2006 年12 月31日時点で、
Rio Tinto plc は普通株式を10.23 億株発行しており、
Rio Tinto plc 保有分を除くRio Tinto Ltd. は 2.58 億株を発行しています。
2006 年の全ての財務諸表は 2007 年 2 月 23 日付けの取締役会により承認され、その証として署名されるものです。
Paul Skinner
会長
Leigh Clifford
最高経営責任者
Guy Elliot
財務担当取締役
Rio Tinto 2006
アニュアルレビュー
25
豪州 IFRS との調整
グループの財務諸表は、EU によって受理された IFR(EU IFRS) に準拠して作成されましたが、豪州の IFRS とは若干相違する箇所があります。 EU IFRS への移行は、2004 年 1 月 1 日付けの英国 GAAP 財務諸表に基づくものです。英国 GAAP 下では 1998 年前に取得した営業権について純資
産から直接償却されます。IFRS 1 条の下では、既に純資産から直接償却された営業権は IFRS への移行時に復活されることはありません。豪州のそれと
同種の AASB 1 条の下では、このような取引は認めらませんので、株主資本は豪州 IFRS 下においては営業権を加算しなければなりません。2006 年 12
月末における営業権は、7.40 億米ドルでした。
(2005 年は、7.43 億米ドル)
上記の例外事項を除き、EU IFRS に基づいて作成された連結財務諸表は、豪州 IFRS と同一です。
「当期純利益」と「根元的当期純利益」について
根元的当期純利益
根元的当期純利益除外項目
事業の所有権売却損益 (a)
減損の純額 戻し額 / 費用発生額 (b)
為替変動及び金融派生商品
−外部純借入金とグループバランスの為替影響 (c)
−ヘッジ会計として認められない通貨及び
金利デリバティブによる損益 (d) (e)
−持分会計適用会社のヘッジ会計として
認められない外部純借入金の損失(税引後)(c) (d) (e)
環境改善対策引当の調整 (f)
当期純利益
2006
億米ドル
2005
億米ドル
73.38
49.55
0.03
0.44
3.11
0.04
(0.16)
(0.87)
0.30
0.02
(0.40)
(0.12)
0.37
0.84
74.38
52.15
根元的当期純利益(Underlying Earning)とは、Rio Tinto がその根底にある操業のビジネス・パフォーマンスをより忠実に表現すべく用いた表現です。根
元的当期純利益及び当期純利益は、両方ともにリオティント持株帰属分です。根元的当期純利益は、当期純利益から以下の(a)から(f)を控除したも
のです。
(a) 事業の権益(投資を含む)及び未開発財産の処分に伴う損益
(e) 基準通貨が米ドル以外の組織における米ドルデリバティブ契約に基づく時価評価額
(b) 固定資産の減損に関連した費用及び便益
(f) 根元的なビジネス・パフォーマンスの追加的な洞察ができるようにするため除外さ
(c) 米ドル債務及び関連会社間債権債務の為替差損益
れるべき損益項目
(d) 純粋な商取引以外のヘッジ会計として不適格な通貨及び金利デリバティブの再評価
0.37 億米ドルの環境改善対策引当の調整(2005 年度は、0.84 億米ドル)は、Kennecott Utah Copper の債務に関連したものです。これは、2002 年
に特別費用計上されたもの戻し分で、当時は調整利益から除外されていたものでした。そのため、この戻し分は、根元的当期純利益からも除外されるべき
ものです。
リオティントは最近開発費調達の為、未開発の土地を売却しましたが、このような活動もグループの通常営業活動の構成要素に含まれています。そのた
め 2006 年に根元的当期純利益の定義を変更し、未開発の土地の売却損益及びそれらに関連した減損費用も含めることにしました。定義の変更により、
2006 年の連結上の根元的当期純利益は 0.46 億米ドル上がりました。
(2005 年度の根元的当期純利益には、影響なし)
26 Rio Tinto 2006
アニュアルレビュー
要約キャッシュフロー計算書
2006 年
2005 年
12 月末決算 12 月末決算
億米ドル
億米ドル
連結活動によるキャッシュ・フロー
持分会計適用会社からの配当金
94.69
17.27
76.57
6.00
事業活動によるキャッシュ・フロー
受取金利−支払金利
外部株主に対する配当金支払
税金
111.96
(1.28)
(1.93)
(27.99)
82.57
(1.28)
(1.69)
(10.17)
営業活動によるキャッシュ・フロー
80.76
69.43
投資活動によるキャッシュ・フロー
合併会社及び子会社の売買差額
有形、無形固定資産の購入
探鉱評価費用
その他投資の売却
その他金融資産の購入
その他の投資活動によるキャッシュ・フロー
(2.79)
(39.20)
(3.45)
2.93
(1.67)
0.56
3.21
(25.52)
(2.64)
1.33
(2.31)
1.10
投資活動によるキャッシュ・フロー
(43.62)
(24.83)
37.14
44.60
財務活動によるキャッシュ・フロー
リオティント株主への持分権益配当の支払
リオティント株主からの株式買戻し
リオティントにおける普通株式発行による収入
子会社の外部株主に対する普通株式発行による収入
負債純額の変動額
(25.73)
(23.70)
0.31
0.52
11.46
(11.41)
(8.77)
1.00
0.04
(25.46)
財務活動によるキャッシュ・フロー
(37.14)
(44.60)
財務活動前のキャッシュ・フロー
豪ドル、英ポンド、米ドルによる財務データの要約
2006 年
12 月末
億豪ドル
2005 年
12 月末
億豪ドル
2006 年
12 月末
億ポンド
2005 年
12 月末
億ポンド
338.10
271.95
138.18
113.90
総売上高
254.40
207.42
298.56
249.54
122.03
104.51
連結上売上
224.65
190.33
136.09
95.87
55.62
40.15
税引前利益
102.40
73.12
104.55
72.08
42.73
30.19
当期純利益
78.67
54.98
98.85
68.37
40.40
28.64
リオティント株主帰属分の当期純利益
74.38
52.15
64.97
根元的当期純利益 (a)
97.52
39.86
27.21
501.2c 303.0p
476.2c 298.9p
209.9p
199.4p
252.76c 108.85c 106.66p
82.84c 200.28c 32.63p
45.69p
85.24p
741.3c
731.3c
2006 年
12 月末
億米ドル
2005 年
12 月末
億米ドル
73.38
49.55
普通株式1株当たり純利益 (c)
普通株式1株当たり根元的当期純利益 (a)(c)
557.8c
550.3c
382.3c
363.2c
リオティント株主に対する 1 株当たりの配当金
- 支払額(特別配当金含む)
- 配当案(特別配当金を含む)
191.5c
64.0c
83.5c
151.5c
37.14
44.60
49.36
58.48
20.17
24.49
財務活動前のキャッシュ・フロー
(30.84)
(17.93)
(12.41)
(7.60)
純借入金
(24.37)
(13.13)
230.69
204.07
92.83
86.50
リオティント株主に帰属する持分
182.32
149.48
(a)「根元的当期純利益」は、26 ページに記載されている項目が 1 億米ドル
(2005 年度:
2.60 億米ドル)除外されています。
(b) 上図の財務データは、24-27 ページに記載された主要な財務諸表から抜き出した
ものです。豪州ドル及び英ポンドは米ドルに基づき計算されたもので、平均レート
や期末レートを用いて適切に換算されていますが、配当金については、実際の支
払額、支払予定額が記載されています。
(c)「普通株式 1 株当たり純利益」及び「普通株式 1 株当たり根元的当期純利益」は、
株式オプション行使の結果による希薄化は認識していません。
Rio Tinto 2006
アニュアルレビュー
27
豪州会社法
2001 年会社法(会社法)の第 340 条に則り 2006 年 1 月 27 日オースト
ラリア証券投資委員会よりだされた指令により、リオ ティントが会社法に
基づき提出すべき財務諸表について一部緩和されました。その指令によって、
1995 年の二元上場会社成立以降継続して適用されてきた報告義務緩和措
置について、リオ ティント リミテッドの 2005 年 12 月 31 日から 2009
年 12 月 31 日までの中間及び本決算に関する財務諸表についても継続され
ることになりました。 本質的に、この指令はリオ ティントが中心企業として自身の財務諸表
を作成し、またその関連支配企業のために Rio Tinto Limited と Rio Tinto
plc 及びその支配会社の結合財務諸表を、あたかもグループが一つの経済
組織を構成しているかのごとく連結財務諸表であるかのように作成し且つ取
り扱うことを許可したものです。それに追加してこれら結合財務諸表は以下
のように作成されなければなりません。
−本財務諸表は、
(簡易な帳票を除いて)豪州の国際財務報告基準 (A
IFRS) によるものではなく、EUによって受理された国際財務報告基準(E
U IFRS)及び英国における会計基準に基づいて作成されています。
−本財務諸表は今年初めてIFRSを採用しましたので、その経過措置と
して、昨年までの前提であった、リオ ティントは 'merger"(合併)したの
であって "acquisition"(吸収)されたのではなく、英国GAAPを適用する
ということです(即ち Rio Tinto Limited は Rio Tinto plc に吸収されたので
はなく、支配されているのでもなく、グループが二元上場会社を構成した時
の資産価値の評価は簿価を使うべきであって、公正時価に評価替えするべ
きものでもない)からの変更のための引当金を計上することになります。
− Rio Tinto Limited と Rio Tinto plc が一つの会社である(それぞれの株
主は一つの会社の株主である)という前提に立ち、
独立監査人の意見表明
リオティントグループの 2006 年 12 月末の要約財務諸表は、年間財務諸表、
取締役報告書 j、及び報酬報告書と首尾一貫性を保っており、1985 年イギ
リス会社法 251 条の要求事項に遵守し、さらに 2006 年 1 月 27 日に豪州
証券取引委員会によって、改正された豪州会社法 314 条の法令に遵守して
います。
PricewaterhouseCoopers LLP
勅許会計士及び登録されている監査人
ロンドン
2007 年 2 月 23 日
Rio Tinto plc のメンバーに対して
PricewaterhouseCoopers
勅許会計士
パース
2007 年 2 月 23 日
Rio Tinto Limited のメンバーに対して
28 Rio Tinto 2006
アニュアルレビュー
−GAAPは豪州ではなく英国GAAPを適用し(簡易報告書作成の場合を
除く)原則英国財務報告義務に従う
− EU IFRS から豪州GAAPへの調整表記をすること(29 ページ参照)。
結合財務諸表も関係英国会計規準に則って監査を受けなければなりませ
ん。Rio Tinto Limited は(連結会社はグループであるとの認識の下)豪
州会社法の要求を満足させる取締役報告書を作成しなければなりませ
ん。Rio Tinto Limited はまた連結財務諸表(簡易報告書を含む)
、監査
報告書、取締役報告書について、原則会社法の提出と配布に関する規制
(期日の規定も含みます)にも遵守しなければなりません。
Rio Tinto Limited は Rio Tinto Limited そのものの及びその支配企業の
連結財務諸表の作成を義務付けられていません。リオ ティント リミテッ
ドは、豪州GAAPの方針及び要求に基づきそれぞれの会計年度について豪
ドル建てにて、親会社財務諸表を作成し提出することが義務付けられてい
ます。またこれらの書評は監査を受けなければなりません。これら財務諸表
は年次株主総会以前に提出する必要はなくまた当然株主にも配布する必要
はありません。しかし Rio Tinto Limited は
−グループ結合財務諸表の中に注釈として、Rio Tinto Limited の要約親
会社財務諸表(即ち豪州GAAPに基づいた豪ドル建て財務状況概要書、
財務成績及びキャッシュフロー報告書)も含まねばなりません。
−完全なる親会社財務諸表を株主から要求があれば無料で配布し、グルー
プのウェブサイト上にもそのコピーを掲載しなければなりません。
親会社の財務諸表はリオティントのウェブサイト www.riotinto.com からダ
ウンロードできます。また、カンパニーセクレタリーまでご請求いただけれ
ば無料でコピーを差し上げます。
コーポレートガバナンス
当取締役会はコーポレートガバナンス ( 企業統治)を常に高レベルに維持す
ることこそが、ビジネスを高潔に保ちかつパフォーマンスを向上させるのに不
可欠であると確信しています。この経営哲学を実際の場面でどのように実践
しているのかを以下に説明します。
リオティントはロンドン、メルボルン、ニューヨークに上場しておりますの
で、このレポートを作成するにあたり、当取締役会は添付の英国上場監査
基準(United Kingdom Listing Authority Listing Rules=The Code)、オー
ストラリア証券取引所企業統治ガイダンス (ASX Principles) 及び事例集
(Best Practice Recommendations)、ニューヨーク証券取引所(NYSE) 企
業統治上場指針 (Corporate Governance Listing Standards) 及び 2002
年 Sarbanes & Oxley 法全てを参考にしました。
2006 年を通じて当社は後述の通り英国上場鑑査基準 (The Code) の第
一章の原則並びに、オーストラリア証券取引所の企業統治ガイダンス(ASX
Principles)の基準もクリアーしました。ニューヨーク証券取引所企業統治
上場指針のコンプライアンス(倫理・法令順守)に関する記述も以下掲載さ
れています。
取締役会
当社では共同してグループの成功に関して責任があり株主に対してビジネ
スのパフォーマンスに対して説明責任を有する取締役会が存在します。この
取締役会のことを以後このレポートでは単に取締役会(Board) と記載いた
します。
当取締役会は現在 14 名の取締役で構成されています。その内訳は会長、
3 人の常勤取締役と 10 人の非常勤取締役です。その時々の状況に応じて、
常勤取締役及び非常勤取締役の人数及びバランスの妥当性を維持するた
め、取締役指名委員会が常時査定しております。取締役会の役目は、高度
の統治能力と戦略的な方向性を当社に提供することです。取締役会はグルー
プの管理と説明責任の体制について吟味精査します。各取締役は、戦略、
主要投資案件及び買収等の需要案件については、特別に公式に取締役会の
決定に委ねられるということに関して同意しています。これら取締役会専管
事項につきましては英語版 30 − 31 ページをご覧ください。
取締役会の役割と責任
取締役会の役割と責任とは、グループに対してすばらしい企業内統治と
戦略的決断を提供することです。取締役会はグループ統制と説明責任の枠
組みをレビューします。取締役は、戦略、主要投資及び買収に関する、特
別に取締役会の決定に委ねられた事項について、正式な決定手順を踏襲
することについて同意しています。それらに関する事項は全てウェブサイト
(www.riotinto.com) で見ることが出来ます。
日々のビジネスのマネジメントにおける責任は経営執行部チームに存し、
また取締役会においてはグループの財務計画に対するマネジメントの年間パ
フォーマンス目標において責任があります。取締役会は、株主に対するビジ
ネスパフォーマンスについては 100%責任があります。
その過程の効率化を確実なものにするために、取締役会議は定期的に開
催されます。特に 2006 年中には 8 回の定期会合と 1 回の臨時取締役会が
ありました。取締役個々の取締役会の出席状況は英語版 36 ページをご覧
ください。
取締役会は様々な角度からグループの戦略を討議するための定期会合と
その過程の効率化を確実なものにするために、2 つの戦略レビュー会議(1
つは半日、もう一つは 2 日間)を定期的に開催します。
取締役はその任務を全うするために常時、定期的必要に応じてマネジメン
ト情報及びその他情報を適時敵に受理します。取締役会は各取締役が会社
のコストで外部の独立した専門家と接触しアドバイスを受けること及びカン
パニーセクレタリーからの助言及びサービスを受けることについて同意して
います。
またそれとは別に、各取締役は定期的に他のプロダクト ・ グループの上
級執行役員と正式非公式問わず、連絡をコンタクトをとっています。そうす
ることによりマネジメントと非常勤取締役の間の知識と経験の定期的交換
に役立っています。正規の導入プログラムを継続するだけではなく、新任非
常勤取締役はいつでも実際のグループのオペレーションを視察するよう奨励
しています。また、オーストラリアで開催される年次株主総会や 2 日間に及
ぶ戦略レビューミーティングの出席する際、全役員は現地の最前線オペレー
ションサイト視察を行い現地従業員との交流も深めています。
会長も自ら、非常勤役員とのみのミーティングも定期的に行っています。
取締役会のパフォーマンス
2006 年取締役会は外部コンサルタントの作成した、取締役会、取締役
委員会及び個々の取締役のパフォーマンス評価プロセスを採用しました。
全ての取締役のパフォーマンスは会長によって査定されまた、独立した上
級非常勤取締役が議長を勤める会において非常勤取締役が同僚取締役の
意見を参考にしながら会長のパフォーマンスを査定しました。この査定会議
は毎年一回開催され、そこでは取締役会のダイナミクス、能力、家庭、構
成、コーポレートガバナンス、戦略的透明性、提携、個々の取締役のパ
フォーマンス等について討議されます。それにより当取締役会は ASX Best
Practice Corporate Governance Guidelines の規則 A-6 の基本方針 8 及
びNYSE(ニューヨーク証券取引所)の関連条項に準拠するものと確信し
ています。
取締役の独立性
取締役の独立性検査につきましては、リオティントが上場している国々全
ての統治管轄に対して完璧ではありません。そこで取締役会は以下の標準
的な独立性項目を採用しています。その方針とは取締役会によって承認され
た重要性の最低許容限度を含み、リオティントのウェブサイトでもご覧にな
れます。その主要なものとしてはマネジメントの独立性、取締役の独立性の
判定や取締役会の慎重さに対して著しくマイナスの影響を及ぼす業務上の
利害関係の排除、取締役が会社に対し最大の利益を与えるように行動でき
る環境を妨げるものを一切排除します。これらはplc及び Ltd. 両社におい
てその重要性について継続審査されています。
これらの標準項目を適用することによって、取締役会はほとんどの取
締役、即ち Ashton Calvert、Sir David Clementi、Vivienne Cos、Sir
Rod Eddington、Michael Fitzpatrick、Richard Goodmanson、Andrew
Gould、Lord Kerr そして Sir Richrd Sykes についてその独立性について満
足しています。
取締役会は 1997 年から現在に至るまでの Sir Richard Sykes の非常勤
取締役としての当取締役会に対する貢献度及び自身の強靭で目的意識の高
い能力に大変満足しております。Sir Richard はもちろん完全に独立した取
締役でかつこれからもそのように看做します。取締役会は Sir Richard に対
して、次の年次株主総会において更なる 1 年間の重任し最高経営責任者の
交代の時期のサポートを依頼しました。Sir Richard は上席独立取締役であ
り現在給与裁定委員会の議長も務めております。
リオティント plc の株式取り扱いブローカーの一つである会社の会長を務
める David Mayhew は英国上場鑑査基準の下では独立取締役とは看做さ
れません。
Paul Skinner は 2003 年に会長に就任するまで英国上場鑑査基準に準拠
した独立した非常勤取締役でした。Paul につきましては就任にあたり、豪
州証券取引所の Best Practice Corporate Governance Guidelines 及び
ニューヨーク証券取引所の審査をパスしています。
各取締役の略歴は英語版 30・31 ページに掲載されています。
取締役の選出及び重任
取締役の選任はその任命後最初に到来する株主総会の場で行われ、その
後は少なくとも 3 年間に一度再選を自薦します。非常勤取締役は通常一期
3 年の任期で少なくとも 2 期務めることとなっており、よほどの正当な理由
が無い限り 3 選はありません。
会長及び最高経営責任者
会長及び最高経営責任者の管掌は分離されており取締役のそれぞれの事
業部の管掌については取締役会において正式に決定 ・ 承認されます。
取締役委員会
当取締役会には、指名委員会、監査委員会、報酬委員会、社会 ・ 環境責
任委員会の 4 つの委員会があります。それぞれの委員会はグループ全体で
最良の企業統治が実現されるために重要な役割を果たしています。これら委
員会の活動については常に取締役会及びその委員会自身によってレビューさ
れており、ウェブサイト上でもご覧になれます。これらの定期的報告及びそ
の議事録は全取締役に回覧されます。常勤取締役はこれらのどの委員会の
メンバーではありません。
Rio Tinto 2006
アニュアルレビュー
29
監査委員会
監査委員会の主要な業務は会計原則、会計方針及び実施状況、財務諸
表の公開の準備に関するレビュー、財務及び資本支出管理に関する実施状
況の審査、内部監査計画及び報告、外部監査法人との監査方針及び監査
結果に関するレビュー、株主総会での監査役承認のための監査役候補者の
指名、リオティントの危機管理に関する取締役会への勧告を含みます。年
金基金により支えられているグループの企業統治実施状況のレビューも本
委員会の重要な役割です。当委員会は様々な法改正やその他重要情報をを
カバーする研修会を主催します。当委員会の出席者は外部監査役、財務担
当役員、グループ・コントローラー、グループ内部監査役です。監査委員会
の宣言文が英語版 55 ページに掲載されておりますが、ウェブサイトでもご
覧になれます。
監査委員会の議長は Andrew Gould が務めます。また、そのメンバーは、
Sir David Clementi、Vivienne Cox、Michael Fitzpatrick そして Lord
Kerr です。David Mayhew は相談役として参加します。
報酬委員会
報酬委員会は執行役員の報酬体系の決定及びひとりひとりの執行役員
の報酬及び福利厚生に関する方針の決定をします。グループの報酬方針及
び全取締役及び関連上級執行役員の報酬につきましては英語版 37 ページ
から 43 ページ ( 日本語訳省略)をご参照ください。報酬委員会の議長は
Sir Richard Sykes が務め、そのメンバーは Sir David Clementi、Michael
Fitzpatrick、Richard Goodmanson そして Andrew Gould です。
指名委員会
指名委員会はリオティント会長の Paul Skinner が議長となり、明白・適
切且つ透明な新任役員の選考・指名過程を確保します。指名委員会の役割
は技能バランスの評価、取締役の知識及び経験の評価、欠員が発生したと
きの代替役員選考に関する取締役会の任命承認のための全ての必要な手続
き作業を含みます。当委員会は常に取締役会の規模・構成及び構造につい
て吟味し、もし変革が必要で且つ適切と認められれば変革の勧奨もします。
取締役会の委任を受けて上級執行役員の選任及びその後任の人選について
の審査も行います。
当委員会は非常勤取締役の拘束時間の妥当性及び非常勤取締役がその責
任を全うするため充分な時間をかけているかどうかも監視しています。メ
ンバーは、Paul Skinner 以外では Ashton Calvert、Sir Rod Eddington、
David Mayhew 及び Sir Richard Sykes です。
Paul Skinner 及び David Mayhew の 2 人の独立性に関して英国上場鑑
査基準に準拠しておりません。即ち Paul Skinner は英国上場監査基準の
特別な許可の下指名委員会の議長を務めております。上述の通り取締役会
は Sir Richard の独立性が引き続き維持されていると認識しており、従って
当委員会の構成は英国上場基準に準拠するものであります。
社会・環境委員会
社会・環境委員会はリオティントの就業指針である "The Way We Work"
の中に謳われた標準の実施過程及び経営方針のレビューにあります。この
就業指針は決して他のどの取締役委員会の権限下に置かれるものではなく、
特にこれらは健康・安全・環境及び社会問題に関する重要なものなのです。
当該委員会の全般的目標はグループ全体でのビジネス実践の開発促進と必
要な明確な説明責任の発掘にあります。当委員会のメンバーは、Richard
Goodmanson( 議長)、Ashton Calvaert、Sir Rod Eddington 及び Lord
Kerr です。
30 Rio Tinto 2006
アニュアルレビュー
取締役職の兼任
常勤取締役は他の会社の非常勤取締役として招聘されることもあります。
グループポリシー全文及び手数料体系については英語版 42 ページをご覧く
ださい。
取締役の株式取引
リオティントは、
取締役及び従業員のリオティント株式取引に関するグルー
プ・ポリシーを有します。それはリオティント株式の価格情報に関係する部
署に在籍する間、及びリオティントの業績発表直前における株式の取引を
禁止しています。当該ポリシーについてはウェブサイト上でもご覧になれま
す。
コミュニケーション
リオティントは株主及び一般的投資会社との効率的なコミュニケーション
の重要性を強く認識しています。株主に対して常時適時に最新情報を提供
できるようにグループは外部からディスクロージャー指針を採用しました。こ
ちらもウェブサイト上に掲載されています。
法的なドキュメントに追加して、一般投資家向け情報やグループポリシー
のみならず、包括的な健康・安全そして環境に関する詳細情報を最近デザイ
ンを一新しましたウェブサイトに掲載しています。
株主総会は、株主に対する現状報告の場として、また株主からの質問
の場として最大限有効活用されています。豪州証券取引所(ASX)指針推
奨を受けてリオティント Ltd の外部監査人は、監査状況及び監査役報告
の内容及び準備に関する株主からの質問に回答するために出席しました。
Limited の株主は会社を通じて監査役宛て法定監査に関する文書にて質問
状を送ることも出来ます。これら全ての質問及びその回答は 2007 年 4 月の
株主総会の場において公表されます。plc の監査役は通常通り株主総会に
出席してその場で監査に関する質問について回答いたします。
通常一般投資家との関係は会長、CEO, CFO が窓口となり、彼らはリオ
ティントの主要株主とは定期的に意見交換を行っています。非常勤の取締
役及び上級独立取締役は適宜窓口の役割を果たします。
グループは定期的投資家セミナーを開催します。このセミナーは投資家及
びアナリストとリオティントとの間の双方向型ミィーティングで重要なフィー
ドバックについては取締役会に報告されます。主要株主に対して年に一度、
投資家の意見とグループの評判についてアンケートが開催され、グループの
IR アドバイザーによって取締役会にフィードバックされます。
営業報告
The way we work は、高度のガバナンスとビジネス標準がグループ全体
において広く伝達されまたそれらが達成されるためのグローバル・ポリシー
及び行動管理を、取締役及び全ての従業員に対して規定したものです。
グローバル・ポリシーは外部及び内部の様々な助言を仰ぎ、取締役会に
よって最終承認されました。一旦承認された以上そのポリシーは導入のため
の主要な標準と共に世界中のビジネス・ユニットに広く伝達されました。ビ
ジネス・ユニットは、各マネジメントに対してその実施とその報告のために必
要な行動に専心するよう要求しています。
2006 年、リオティントはそのグローバル・ポリシーのレビューを行いまし
た。現在存在するものは、土地へのアクセス、地域社会、コーポレートガ
バナンス、雇用、環境、人権、情報管理、職業病対策、政治的関与、安
全及び持続的発展に関するポリシーがあります。ポリシーを完全にするため、
誠実なビジネス、情報の安全性、マネジメント及び情報技術、内部統制及
びレポーティング及び透明性及びリスクに関するポリシーの変更を実施しま
した。これらすべては独占禁止法、ディスクロージャー法、法令順守、安全
健康及び環境に関する必要最低限の基準を満たすべく作成されています。
コーポレートガバナンス(続き)
また、グループには”Speak-OUT" と呼ばれる”Whistle Blowing" 内部告
発システムが存在します。全従業員はいつでも、グループの財務報告及び環
境手続きに関する法律違反の疑い、どんな些細な懸念についても、そのこ
とによる報復の心配なく第三者機関にたいして告発することが出来ます。本
システムはすでに全グループにおいて定着しており、正式なルート及び責任
を持って報告された事項についてはすべて調査されるようにシステムが構築
されています。
たとえオペレーションを持たないビジネス・ユニットにおいても、このリオ
ティントのポリシーは取引先にも公表され、取引先は彼ら独自のポリシーに
類似したポリシーに従ってビジネスを行うよう推奨されています。
リオティントの社会 ・ 環境に関するレポートはグローバル・レポーティン
グ・イニシアティブ及び英国保険協会 (Association of British Insurers'
guidelines) の指針に沿うものです。当該レポートはアニュアル ・ レポート英
語版 32 ページに掲載されています。更にグループの全体の及び個別のビジ
ネスにおける社会 ・ 環境パフォーマンスについてはウェブサイト及び持続的
発展のレビューの項をご覧ください。
取締役の責任
英国会社法及び豪州会社法によって、取締役は全ての会計年度に関して
財務諸表の作成を義務付けられています。取締役は、その財務諸表がグルー
プの会計期末における真性で公正な状態を表しており、またその会計期間
における損益及びキャッシュフローが真性であったことを保証しなければな
りません。その要求を充たすため、取締役はグループを通して財務報告書
が正しく作成されるよう、適切な内部統制体制を構築し維持していかなけれ
ばなりません。Rio Tinto plc に関して言えば、1985 年英国会社法の第 3
章7A及び豪州会計基準(AASB)第 124 条「関連部署情報開示について」
に基づき真正で公平な情報を提供する財務諸表を作成しなくてはなりませ
ん。Rio Tinto Limited の取締役の責任の詳細は 28 ページに掲載されてい
ます。
この責任が全うされることを担保するため、取締役は財務諸表作成のた
めの内部統制とその実施のための体制の確立及びその維持が義務付けられ
ています。
取締役は 2006 年財務諸表が適切な会計基準に基づき作成され、またリ
オティントのビジネスに最もふさわしい会計方針を採用して作成されること
によって真性かつ公正なるものになる様に注意し、また合理的かつ慎重な
判断に支えられるものとなる様配慮しなければなりません。会計方針は一
貫しており、変更はありません。本件につき、取締役は最高経営責任者及
び最高財務責任者より文書にて通知を受けています。豪州証券取引所指針
(ASX Principle)7.2 によると、この文書による通知は、危機管理の健全
なシステム及び取締役によって採用されたポリシーを実践する内部法令順守
及び内部統制の上に構築されたもので、グループのリスク管理及び内部法令
順守と管理システムが全ての重要な側面において効率的かつ有効的に運営
されていることを確認するものです。
取締役、上級執行役員、上級財務担当マネージャー及びその他財務諸表
の作成に関与する全てのスタッフは、特に高潔かつ正直で、倫理規定に沿っ
た行動が要求されます。1985 年英国会社法 (UK Companies Act 1985)
及び 2001 年豪州会社法 (Australian Corporation Act 2001) により、取締
役は適切な会計情報を維持するよう義務付けられています。また取締役は、
グループの資産を守り、詐欺行為を防止しその他法律違反を看破するとい
う全般的な義務もあります。取締役はまた、グループのウェブサイトの維持
及び完全な状態での保全が義務付けられています。ただし、本ウェブサイト
の内容についての監査は監査役の仕事には含まれておりませんので、ウェブ
サイト上で行われた財務諸表の変更等につきましては監査役は一切の責任を
負いません。
企業の継続性(Going concern)
財務諸表は企業継続前提の基に作成しております。弊社は予知しうる将
来まで企業を継続していくのに十分な財務的資力の裏づけがあり、取締役
も従ってグループが継続企業(going concern)であることを確信しており
ます。
内部統制に関する取締役会からの声明
リオティントの企業最優先事項は、鉱山業及びその関連事業に対する責
任ある持続可能な投資活動を行うことによって、株主価値を長期に亘って最
大化させることであります。株主価値の創造とは、あえてリスクを取りまた
そのリスクを容認することに対して与えられる対価であると取締役は認識し
ています。
取締役は株主に対して投資対価を提供するに際して、グループの内部統
制システム及びその有効性をレビューする責任があります。その責任とは、
責任あるリスク評価とリスク軽減に他なりません。これには財務管理、操業
管理、法令順守管理及びリスク管理手順のレビューも含みます。このような
システムには常に限界が内在するため、どちらかというとリスクを除去すると
いうよりはリスクを上手く処理するよう企画されています。従ってそれは重要
な虚偽の申し立て或いは損失に対して道理に合った対応は出来ても絶対的
な排除を保証するものではありません。
取締役はグループが現在直面している重大なリスクを認識し、評価し、対
処するプロセスを構築いたしました。この工程は 2006 年を通して実施され、
2006 年度のアニュアルレポート及び財務諸表が完成・承認された日まで適
用されています。このプロセスは毎年取締役の審理を受けており、内部統制
指針(取締役統合規範ガイダンス)とも一致します。
グループの 2 つの経営委員会(Executive Committee と Disclosures
and procedures committee)は、関連管理及び監視過程を駆使してグルー
プの主要なリスク情報に関してその完全性及び正確性のレビューを定期的に
行います。これらの情報は取締役に提出され取締役はその情報を分析して
内部統制の有効性を査定します。更に、取締役及びその委員会においてグ
ループの重大なリスクについて継続監視します。
内部統制及び健康 ・ 安全・環境の監査を含む保険機能として、管理状況
の監視と文書或いは口頭での取締役会及び経営委員会への報告がありま
す。取締役は、取締役会における前回取締役会以降に開催された会議の内
容についての口頭による説明に加えて、それぞれの取締役委員会の正式議
事録も受け取ります。
自然災害のような特定のリスクは、内部統制を用いても許容範囲まで下げ
ることはできません。このような重大なリスクは、適切と思われる水準まで
国際的な保険市場の第三者へ委譲されます。
毎年、グループビジネスのトップ及び管理部門長は内部統制質問状
(Internal Control Questionnaire=ICQ) を完成します。これは適切な内部
統制体制の確立とその効率的運用を担保し、我々の欠点及び弱点を把握し
評価し、もし問題があればすぐに対処で出来るようデザインされています。
これらの結果は執行部委員会においてレビューされた後監査委員会を経由し
て取締役会にグループの内部統制の追加監査として提出されます。このプロ
セスは継続して監視されかつより適切なものへと強化されています。
ディスクロージャー及び手続きに関する委員会は財務及び関連データの公
表に関するグループの管理及び手続きの妥当性を査定することです。当委
員会はこれらの結果をシニア・マネジメント及び取締役会に 2002 年の設置
以来また将来に亘って報告しています。
グループでは多くの合弁会社及び持分評価会社を通して重要な投資を
行っておりますが、リオティントが経営権を保有しない投資案件については、
必ずしも現地オペレーションサイトにおいてリオティントのスタンダード及び
目標が浸透しているわけではありません。従ってそれらの内部統制に関する
包括性は、グループが経営権をもつオペレーションに比べてより少ないもの
となります。
Rio Tinto 2006
アニュアルレビュー
31
取締役会よりディスクロージャー及び手続きに関して
Rio Tinto plc 及び Rio Tinto Ltd. それぞれのディスクロージャー管理及
び手続きの設計・評価に対する plc と Ltd. 共通の CEO や CFO を含む役
員は、ディスクロージャー管理や手続きだけが−その設計の良し悪しは別に
して−合理的な要求された目標達成を担保するものであるとの認識に立って
います。その際判定の基準となったのが可能な管理と手続きの費用対効果
の関係でした。そもそもすべての管理システムには固有の限界が存在するた
め、管理評価が plc 及び Ltd. 内における管理事項及び虚偽事例(もし存在
する場合)がもれなく発見されたということを担保するものではありません。
Plc 及び Ltd. の CEO・CFO を含むマネジメントは、2006 年アニュアル・
レポート及び財務諸表のディスクロージャー管理及び手続きの設計及びオペ
レーションの効率性について審議しました。その結果、plc 及び Ltd. の共
通 CEO と CFO はそれらのディスクロージャー管理及び手続きの効率性に
ついて問題は無いものとの結論に達しました。
直近の評価以後、内部統制及びその他 plc 及び Ltd. の内部統制体制に
対して著しい影響を与えるような大きな変化はありません。
ニューヨーク証券取引所 (New York Stock Exchange = NYSE)
米国預託株式 (American Depositary Shares = ADS) によって NYSE
に上場する外国籍企業は全て、コーポレート ・ ガバナンスの運用面で、上記
基準と大きく相違する点について公表する義務があります。
NYSE の上場基準について審議した結果、リオティントはある厳格な 1 つ
の項目を除いてその上場基準は全て準拠しているとの確信にいたりました。
その上場基準によれば、該当企業に独立した取締役のみによって構成され
る指名委員会及びコーポレート・ガバナンス委員会の設置を義務付けており、
取締役一人一人が就任の要件を充たしていることを証明するのみならず、取
締役会に対して開発し推奨するコーポレート・ガバナンス・ポリシーの文書
にて提出することが義務付けられています。リオティントは 30 ページにあり
ますよう指名委員会をもっております。当指名委員会は取締役会の承認を受
けるべくコーポレート ・ ガバナンス原則の策定は行いません。この作業につ
いては取締役会が独自で行い、グループの全体の統治及び内部統制のシス
テムについて承認を行います。
ニュージーランド証券取引所 (New Zealand Stock Exchange)
Rio Tinto Limited は豪州証券取引所(ASX)以外に、ニュージーラン
ド証券取引所(NZX)にも上場しています。上場に際してニュージーラン
ド証券取引所にも独自の内部統制基準があります (Corporate Governance
Best Practice Code=NZX Code)。Rio Tinto Limited はASXに上場しな
がら同時に「外国の」法人としてNZX Code に遵守する必要があります。
さらにNZXは Rio Tinto Limited に対してアニュアルレポートにてNZX基
準とASX基準との内部統制基準の相違点について詳細に記述することを
義務付けています。もちろん基本的にASX基準とNZX基準に大きな差は
ありません。ASX 指針及びその他コーポレートガバナンスに関する規則は
ASX のウェブサイト (www.asx.com.au) をご参照ください。
主任監査人(Principal auditors)
グループの主任監査人の監査及びその他のサービスに対する報酬は及び
その他会計監査法人に対する報酬については 2006 年財務諸表の 41 ペー
ジをご覧下さい。
リオティントは、グループの主任監査人の独立性を確認するよう企画され
たポリシーを採用しました。そのポリシーとは監査役の独立性を損ないかね
ない幅広い経理及び専門サービスの提供にかかわることを禁止するもので
す。グループの主任監査人の法定監査人としてのサービス、特定保証サー
ビス、税務サービス、その他特別な業務サービスの提供によるものは監査
委員会によって事前承認されています。グループの主任監査人のその他法的
に許可されたサービス提供に関するものについては別途監査委員会或いは
監査委員会会長の個別承認が必要となります。
毎年会計年度の開始前に、グループの財務担当役員と主任監査人は、事
32 Rio Tinto 2006
アニュアルレビュー
前承認のためにその年における提供するサービスの内容及びスケジュールに
ついて監査委員会に提出します。監査委員会は提供される許可済みその他
サービスの価値について米ドル建ての限度を設定することが出来ます。主任
監査人によってなされた非監査的サービスによって、監査報酬が当初予算を
上回る場合は、通常の相見積もりを取った上で決定しなければなりません。
しかしながら、例外的ケースとして財務担当役員の裁量で、他の見積もりを
取ることなくグループの主任監査人を指名することが出来ますが、監査報酬
が250千米ドルを超えそうな場合はやはり監査委員会議長の個別承認が
必要です。
監査委員会は、グループの主任監査人が行った許可済みサービスの事前
承認に関するポリシーを採択しました。このポリシーを採択して以降の、グ
ループ主任監査人によってなされたサービスの関与は事前承認方針か、監
査委員会による承認方式かのどちらかとなりました。
監査委員会
監査委員会は豪州証券取引委員会及びニューヨーク証券取引所
(NYSE)
が要求している監査委員会に関するディスクロージャー水準をクリアーして
います。監査委員会は取締役会が承認した宣言書によって統治されています。
それは監査委員会によって毎年その適切性についてレビューされます。この
宣言書のコピーが 30 ページに掲載されています。
監査委員会は 5 人のメンバー(33 ページご参照)から構成されています。
2006 年 6 月付けで Michael Fitzpatrick がメンバーに加わりました。その
構成メンバーは全員独立性を維持し、その責任遂行上及び公平な判断の妨
げとなるいかなる関係も存在しません。David Mayhew は相談役として当会
に参加しています。
監査委員会からの報告
監査委員会は 2006 年度中 7 回会合を持ちました。そこではグループが
常に質の高い適切な標準に準拠できるよう、英国、オーストラリア、米国に
おけるコーポレート ・ ガバナンスの進展について観察・監視しています。
宣言書(33 ページご参照)は定期的討議を想定してかつ新要求事項及び
新たに現れつつあるベストプラクティスの観点からレビューされ続けてきたも
のです。
現在、非監査作業を行う外部監査人の選任の為の予算ガイドラインを含
む一連の手続きが存在します。これはグループにとって最高のサービスを最
廉価にて提供できる者を探す為の手続きです。委員会において、毎年定期
的に外部監査人の独立性を調査します。また彼らの効率性を計る手段も持っ
ています。それは、グループが外部監査人から継続して効果的で公平なサー
ビスを受けられることを確実にする為に行われます。監査委員会は取締役会
に対して豪州会社法 2001 に規定された監査役の独立性の一般的規則と、
リオティントで 2006 年一年間に行われた外部監査人の非監査的サービス
は一致していることに満足している旨発表しました。更にその責任の一環と
して開かれたコミュニケーションを育むために、当委員会はマネジメントと、
外部監査人と、そして内部監査人との間で各々会合を持っています。
財務専門家
監査委員会は SEC の要求項目及び統合規範(Combined Code)の要
求項目についてレビューしました結果、SEC は監査委員会に対し財務専門
家の選任を義務付け、統合規範は監査委員会のメンバーのうち少なくとも一
人は直近に関連した財務経験を有していなければならないとしています。そ
れらを踏まえて、監査委員会は取締役会に対して、Michael Fitzpatrick、
Andrew Gould 及び Sir David Clementi を監査委員会の財務専門家として
2006 年のアニュアルレポート及び財務諸表に掲載すべきである旨提案いた
しました。最終的に取締役会は、Michael Fitzpatrick、Andrew Gould そ
して Sir David Clementi は必要な技能、経験そして背景を持っており、統
合規範第3章第1条及び SEC の範疇に適合しているとの結論に達しまし
た。
2006 年財務諸表
監査委員会はマネジメントと共に、2006 年のグループ監査済財務諸表につ
いて審査 ・ 討論しました。
我々は、外部監査法人と、米国後任会計士協会規準第90条に規定され
ている案件、英国監査基準規定大610条について討議しました。我々は外
部監査法人の独立性及び米国独立性規準第1条の要求する監査法人及びそ
の文書による公開資料のチェックを行いました。
当委員会は外部監査人と彼らの独立性について討議しました。その結果
彼らから、米国独立性スタンダード取締役会スタンダード第1条、監査委員
会との独立性の考察、及びISA 260 条に要求されている項目について文
書によるディスロージャーを受けました。
上記レビュー及び協議の結果、我々は取締役会に対して上記財務諸表は
アニュアルレポートに含まれるべきであるとの推奨をいたしました。
Andrew F J Gould(議長)
Sir David Clementi
Vivienne Cox
Michael Fitzpatrick
Lord Kerr
指名委員会からの報告
2006 年一年間における活動は主に、常勤及び非常勤取締役の継承及び
選定にありました。即ち Tom Albanese の常勤取締役就任また、Michael
Fitzpatrick の非常勤取締役就任さらには 2007 年 5 月付けの Tom
Albanese の最高経営責任者内定に伴う 2006 年 12 月付けの Bret Clayton
の銅事業部本部長就任があります。
Michael Fitzpatrick はオーストラリア人独立取締役で、取締役会にオー
ストラリア及び国際社会におけるビジネスの経験を取り入れることに貢献大
であります。
各委員の略歴については英語版 30 − 31 ページをご参照ください。
個別の取締役の定期パフォーマンス査定の一環として、Paul Skinner は
指名委員会の議長としてグループビジネスに費やした時間を査定し、その結
果これらの所要時間は全て適切なものであったことをここに確認します。
Paul Skinner(議長)
Ashton Calvert
Sir Rod Eddington
David Mayhew
Sir Richard Syke
Rio Tinto 2006
アニュアルレビュー
33
株主情報
配当金
リオティントの掲げる長期的進歩的配当政策とは、たとえ景気後退期で
あろうとも、米ドルベースの配当額を常に前年と同額か、それ以上に増加し
続けるということです。
通年の米ドルベース配当総額は前年の実績と今年の見通しを考慮に入れ
て決定されます。中間配当は、前年度配当米ドル額の半分です。リオティン
トの配当政策により、年度末の通期最終配当額は、最低中間配当額と同じ
とします。
グループ総売上の大部分は米ドル建てですので、我々グループの全世界
における事業の実績評価はもっとも信頼できるものとなっております。米ド
ルはリオティントの公式な報告用使用通貨であり、従って配当もまず米ドル
にて決定されます。米ドルにて決定された配当は、配当支払い公表日 2 営
業日前にplcの株主に対してはスターリングポンドに、Ltd の株主には豪
ドルに、その 2 営業日前の公示為替レートを適用して変換し支払われます。
2006 年度の中間配当と期末配当の適用為替レートはそれぞれ、1 ポンド=
US$1.8674、US$1.96145 となりまた豪州ドルについてはそれぞれ、1 豪
ドル=US$0.7622、US$0.77255 でした。
Rio Tinto Group
単位:1株当り米セント
2006
40.0
64.0
0.0
104.0
中間
期末
特別
通年
2005
38.5
41.5
110.0
190.0
2004
32.0
45.0
77.0
2003
30.0
34.0
64.0
2002
29.5
30.5
60.0
Rio Tinto plc
単位:1株当り英ペンス
2006
21.42
32.63
0
54.05
中間
期末
特別
通年
2005
21.75
23.35
61.89
106.99
2004
17.54
23.94
41.48
2003
18.45
18.68
37.13
2002
18.87
18.6
37.47
Rio Tinto Ltd.
単位:1株当り豪セント
中間
期末
特別
通年
2006
52.48
82.84
135.32
2005
50.56
54.86
145.42
250.84
2004
45.53
58.29
103.82
2003
45.02
44.68
89.7
2002
54.06
51.87
105.93
2006 年の期末配当金は、2007 年 4 月 13 日に支払われます
リオティント plc の在豪株主の皆様は豪ドル建てにて、リオティントLtd
の在英株主の皆様は英ポンド建てにて、配当を受け取ることも可能です。詳
しくは 36 ページの Computershare.com をご覧ください。
リオティントADR ( 米国預託証券)保有の株主への配当支払い
一株当たり 64 米セントの 2006 年度期末配当 ( 一ADR当たり 2.56 米ド
ル)は JP Morgan を通じて 2007 年 4 月 16 日に支払われます。2006 年
の通期一ADR当たり配当は 4.16 米ドルとなります。
リオティント株式再投資プラン(DRP)
DRPとは受取り配当金を再投資することによって、取り扱い手数料なし
で市場から新たに株式を購入することが出来るものです。本件につきまして
も Computershare.com にご照会願います。
配当の支払い方法
株主のご指定により、直接指定口座、住宅貯蓄組合或いはその他信用
組合にお振込みいたします。詳細につきましては Computershare にご照会
いただくか、ウェブサイトから必要書式をダウンロードしてお申し込みくださ
い。
34 Rio Tinto 2006
アニュアルレビュー
株価
Rio Tinto plc
1株当り英ペンス
2006 年
第一四半期
第二四半期
第三四半期
第四四半期
高値
2,981
3,322
2,901
3,015
安値
2,588
2,547
2,352
2,401
2005
2,655
2,657
1,472
2004
1,533
1,574
1,212
高値
78.85
87.97
78.56
82.00
安値
67.50
70.90
65.38
68.01
2005
69.00
69.10
38.82
2004
39.12
40.20
31.98
高値
212.94
253.33
216.11
231.15
安値
176.81
184.05
176.09
178.70
Rio Tinto plc
1株当り英ペンス
年度末
高値
安値
2006
2,718
3,322
2,352
Rio Tinto Limited
1株当り豪ドル
2006 年
第一四半期
第二四半期
第三四半期
第四四半期
Rio Tinto Limited
1株当り豪ドル
年度末
高値
安値
Rio Tinto plc ADR 1ADR 当たり米ドル
2006 年
第一四半期
第二四半期
第三四半期
第四四半期
2006
74.30
87.97
65.38
投資に関するご注意
過去の株価の動きは必ずしも将来の動きを示唆するものではありません。
投資元本及び投資収益は保証されておらず、株価は市場の動きによって上昇
することもあれば下落することもあります。従って投資した額と同額の元本
回収が出来ないことも考えられます。
株価情報
株価の終値はほとんどの新聞にて公表されておりますが、リオティントのウェ
ブ上では日中の株価情報もご覧になれます。リオティントplcの株価はCE
EFAX、TELETEXT或いはファイナンシャル タイムズ社のCityli
neサービス ( 電話 0906-843-3880、有料:一分当たり60ペンス)等に
て入手することが出来ます。
二元上場会社の構成
1995 年 12 月リオティントの株主は、2元上場会社方式による合併(DLC
合併)を承認しました。DLC 合併はplcとLtd双方の会社の株主があた
かも同一会社の株式を保有するかのようにデザインされた合併方式を言い
ます。本承認の条件として豪州政府はplcに対し、Ltdにおける株式保
有割合を 2005 年末までに 39%まで減少させることを要求しました。現在
の保有割合は約 37.5%です。
DLC 合併承認を受け、両社は DLC 合併株式保有に関する合意書を承認
しました。その内容とは
(a)plcとLtdの経営陣は同一のものとする
(b)両社の取締役は同一とする
(c)双方の株主に平等な経済的価値の分配を行う
DLC 合併承認を受け、両社は DLC 合併株式保有に関する合意書を承認
しました。その内容とは
上記(c)達成のため、本合意によりplc及びLtdの株主の配当受益
割合、議決権行使、資本分配権は、1対1で不変です。もちろん特別な場合、
例えばどちらかの会社においてのみ特定の資本修正(権利、賞与、株式分割、
株式併合)があった場合は1対1ではなく修正されます。これらの特殊なケー
スを除いてはこの平等割合は株主総会において " 集合株主権行動”の下に
おける承認過程を経た上で修正されることはあります。これら変更は全て、
上記承認に加えて監査役の確認も必要です。
DLC 合併の一つの帰結として、リオティントは世界中の多数の管轄下に
おけるさまざまな法律、規則および定期的監査を遵守する必要があります。
これらの基準レベルが国・地域によって相違する場合は、リオティントグルー
プとしては常に、もっとも厳格な基準に照準を合わせてこれをクリアーして
いるということです。
DLC 合併の下、単体の結合企業体の創造と同じであるため、取締役はそ
れぞれの株主の最大の利益を追求
(即ちリオティント全体の最大利益を追求)
します。もし、双方の株主利益が相反する場合は " 集合株主行動権”に則
り承認過程を経なければなりません。双方の取締役の同一性を担保するた
め、取締役の選任及び解任は双方の株主総会での統合承認(両社の株主
総会議題における”共同決定”)を必要とします。そしてたとえ両社の取締
役を兼任していても、この決定はどちらか一方の会社の決定に従わなければ
なりません。即ち、例えば、ある取締役がどちらかの企業で解任された場合、
必然的に他方の取締役も解任となります。
株主総会における議決権の行使
グループの二元上場構成の下、plc及びLtdの株主は、共同投票方式
により取締役選任等の重要項目に関する決議をします。この方式による決
定を受けるべき事項については、それぞれの株主に別個の会合において承
認のために提示され、最終的にplcとLtd両方の結果を合計して確定決
裁されます。
これはリオティントplcの株主総会における議決権行使とリオティントLt
dの株主総会における議決権行使を並行してそれぞれ互いの決議に反映さ
せるという特別な議決権行使協定により実現可能となります。リオティント
plcの場合、plcの保有するリオティントLtd.の株式に相当する議決
権は、リオティントLtdの株主総会においてすべてplcの株主の議決権行
使としてみなされます。共通事項に関する決議は、それぞれの株主総会にお
いて、それぞれ他方の株主総会が終わるまで最終決裁を留保し、その両方
の結果を合計して確定決裁となります。
双方共通ではない或いは、他方の株主に一切影響を与えない事項につい
ては別個に決裁されます。
ADR保有者は、JP Morgan を通じてそのADR相当の株主としての議
決権行使を行うことが出来ます。
共同決裁事項及び単独決裁事項の結果は、2007 年 4 月 27 日以降、株
式市場で公表しファイナンシャル タイムズ及び豪州の新聞にても発表しま
す。また、英国フリーダイヤル 0800-435021、
豪州 ( 豪州内からのみ)フリー
ダイヤル 1800-813-292 またはリオティントのウェブサイトにても入手可能で
す。
配当政策
合併契約にはplcとLtdの株式が、ネットキャッシュベースで平等(税
額控除は考慮していません)に取り扱われるよう明記されています。配当は
まず米ドル建てにて決定され、ADR保有者を除く株主に対してそれぞれ英
ポンド建て、豪ドル建てにて支払われます。両社は、配当の発表及びその
支払及び分配について、お互いができるだけ同じ時期に行う義務を負ってい
ます。
まずこのようなことはありえませんが、例えばplc或いはLtdどちらかが
公平な配当(或いは資本分配)のための資金が不足する場合、他方からの
補填を受ける権利を与えられています。この補填は二元上場配当株式に対
する配当として、平準株式(新規発行の場合)に対する配当として、或いは
約定支払の形で行われます。
もし平準配当の支払が、どちらかの会社に適用される法律に反する場合
は 1:1 の比率を変更せざるを得なくなります。しかしながら、そのような例
外措置が実施されれば、その企業は将来の株式に見合った支払原資の留保
を行います。
リオティントの株主は本合併契約書における当該配当平準化予備資金の
留保を強要する権利は持っておりません。
二元上場配当株式はしばしばグループ内部における債権債務の相殺・資
金管理の手段として柔軟に取り扱われています。もちろんこのような配当の
支払はグループ内での取引であり、対外的なグループの関係にはまったく影
響を及ぼさず、従ってそれぞれの株主に対する経済的重要性も存在しません。
Rio Tinto 2006
アニュアルレビュー
35
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CAN: 004 458 404
電話番号 : +61 3 9283 3333
ファックス : +61 3 9283 3707
URL: www.riotinto.com
Rio Tinto plc
Computer share Investor Servives PLC
PO Box 82
The Pavilions
Bridgwater Road
Bristol BS99 7NH
電話番号 : +44 (0)-870-702-0000
ファックス : +44 (0)-870-703-6119
(ロンドンからのみ)フリーダイアル : 0800-435021
URL:www.computershare.com/
Rio Tinto Limited
Computershare Investor Sevices Pty Limited
GPO Box 2975
Melborne Victoria 3001
電話番号 : +61 (0)3- 9415-4030
ファックス : +61 (0)3- 9475-2500
(オーストラリアからのみ)フリーダイアル : 1 800 813 292
URL:www.computershare.com/
36 Rio Tinto 2006
アニュアルレビュー
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