WSJT User`s Guide

WSJT
User’s
Guide
Supplement for Version 4.9
Copyright
by
Joe
日本語訳 Toshihisa
Taylor、K1JT
Takahashi、JH1OQW
このドキュメントは Ver.4.7.0 から引き続いての新しい WSJT バージョンの特長を説明する。WSJT4.7 の
ユーザーガイドを一読してからこれを読んで欲しい。このガイドは
http://plusar.princeton.edu/ joe/K1JT/WSJT̲User̲470.pdf
から入手できる。WSJT をインストールするか、アップグレードする時にコピーすべきである。
CW
Mode
今回の WSJT バージョンは送信のみ可能な CW モードが追加されている。このモードはモード
(Mode)メニューまたはキーボードのショートカット Shift+Ctrl+F8 から選択することが出来る。
このプログラムは EME‑style メッセージを 15WPM のスピードのキーイングで 800Hz のオーディオトーン
を用いて送信され、送信時間と T/R スイッチを設定する。受信は貴方であるオペレータに任される。
T/R シーケンスの継続時間をセレクトすることが出来る。現在のコンテストでは習慣的に 432MHz では
2.5 分、144MHz では 1 ないし 2 分、50MHz では 1 分を用いる。T/R
Period のラベルの Box にこのシー
ケンスの長さを秒単位で入力する。
Callsign
すると To
Double‑Click.
Radio
テキストウインドーに示される解読されたコールサインをダブルクリック
ボックスにそのコールサインがコピーされる。これに対応するグリッドロケータと
コールサインをデータベースから探し出して送信メッセージボックスの Tx1 と Tx2 に挿入する。もし解
読されたテキストラインに、セレクトされたコールサインの前に CQ を含んでいるならば、Tx1 のメッセ
ージは次の送信時に選択される。さもないと Tx2 が選択される。
Deep
Search
Decoder
JT65 のデコーダ(解読器)は今回2重構造の処理になっている。これがどのよ
うに働くかの詳細説明は次のところから入手出来る。
HTTP://pulsar.Princeton.edu/ joe/K1JT/JT65.pdf
もしソフト判定のリードソロモンデコーダが解読に失敗した時には、更に深層(deep)のサーチとして
組み合わせフィルターが使用される。このデコーダは仮のメッセージのリストを作る。このリストは CQ
のコールサインとユーザーのホームコールサインからコールサインデータベースの中から候補を各々
参照しながら抽出する。各々のトライアルメッセージは送信時に行われるようなリードソロモンのエラ
ーコントロール符合を含めて符号化される。この仮のメッセージリストパターンは受信された波形ファ
イルパターンと良くマッチするか比較テストが行われる。このような方法を用いて選択したコールサイ
ンのリストの中から答えを明確に得ることが出来る。WSJT が用意したファイルとして VHF/UHF での weak
−signal 通信にアクティブで知られている世界中の約 5000 局を網羅している。
全てのデコーダは誤りを起こすことがある。このデコーダも例外ではない。これは丁度CWを受信する
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ように、JT65のデコーダもその解読にグレーエリア(判然としない領域)をもっている。その中にはほぼ
信頼できるものも含まれている。そのような場合には解読されたテキストに?マークが付けられる。オ
ペレータはその解読が信頼できるものか、最終判断をしなければならない。数学的なメッセージの構文
のために、最もそれらしい幾つかの文字(間違ったコールサイン)の中から正しい1つを判別すること
が出来ないということに気付いて欲しい。貴方は正しいメッセージの同期(Sync, dB, DT, DF, W, and
the green, red,blue curves)、
birdies
の効果及びその他の混信などの グラフィカル
と数学的な表示認識の経験を積むことによって、偽の解読の排除と正しい解読の採用などに精通するよ
うになる。思いがけないまたは外国の局が貴方を呼んでいるのが現れた時には、そのメッセージが正し
いか再び解読されるまで待つ必要がある。ランダムレコードのエラーはほとんど同じことを繰返さない。
Decode
Menu
幾つかのオプションによって、貴方の好みに合わせて解読の手順を調整することが出来る。もし JT65
モードで Decode のアイコンを開き Only
EME calls にチェックを入れると、deep サーチに使用される
EME フラグの中のデータベースのコールサインを小さな一組に分ける。Decode のなかの同じサブメニュ
ーの Aggressive にチェックを入れると、その解読の信頼性が低いとしても、deep サーチによって全て
を見ることが出来る。このような場合には、解読された文字列の終わりに2つの数字が現れる。初めの
数字はソフト判定のリードソロモン解読が成功の場合は(1)、解読に失敗の場合には(0)を示してい
る。第2の文字は deep サーチデコーダによる解読結果の信頼レベルを相対的な数字として 0 から 10 ま
でのスケールで表示する。
No Shorthands if Tx 1にチェックをいれると、ファーストテキストメッセージを送信中ならば、シ
ョートハンドメッセージの解読を抑圧することが出来る。既知の局とスケジュールのために送信中であ
る場合とあなたのQSOにdeepサーチ解読を望まない場合にはメインスクリーン上のSkedにチェックを入
れる。
Decode │ FSK441 │ No shorthandsにチェックを入れると、FSK441のモードでのデコーダはショー
トハンドメッセージを探すことはしない。
Expanded Signal Reports.WSJT4.7以降のバージョンではJT65に限り、信号リポートをdBでの数値を
サポートしてきている。ノイズパワーに対する有効バンド幅は2500Hzであり、WSJTモードの全てに適用
している。シグナルリポートを持つメッセージは次のように表せる。
G3LTF DL9KR ‐24
JM1GSH OK1DFC R‐27
WSJTバージョン4.9.5では更に下記のような記述も可能になっている。
VK7MO K0AWU RO
K1RQG SM2CEW RRR
K5JL W7GJ 73
非常に高いアクティブな状況下ではこれらのメッセージはコールサイン無しのショートハンドメッセ
ージを送るほうが望ましいかもしれない。
上記の例では解読するために約2dBほど高いS/Nを必要とする。
Long Callsigns.
(長いコールサイン)JT65モードは今回長いコールサインであるZA/PA2CHR や
G8BCG/P等の表記をフルサポートしている。コールサインにprefix(接頭辞)または suffix(接尾辞)を付
けて使用する場合には送信メッセージにグリッドロケータを付けることは出来ない。注記としてWSJTバ
ージョン4.9.2またはそれ以前のバージョンでは他の方法でのPrefixの使用が可能である。
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表記方法を広げるために、これを使用する送信局と受信局はWSJTバージョン4.9.5またはそれ以降のバ
ージョンを使用する。次のメッセージは正しいホーマットを示す。
PA0JMV V5/ZS5Y
G8BCG/P W7GJ
ZA/PA2CHR K1JT OOO
さポートされるPrefixは/Pと/0から/9を含み、全Prefixリストを下記に示す。
Prefixリストの最後のKC4はバージョン4.9.7に加えられている。
New Format for Callsign Database.(コールサインデータベースの新しいフォーマット)
WSJTに使用されるコールサインはCALL3.TXTと呼ばれている。これはMoonSked (by GM4JJJ),やTracker
(by W7GJ),そしてVHF/UHFに関連するその他のソフトウエアに使用されるフォーマットと同じである。
このファイルはコンマで区切りをつけたコールサイン、グリッドロケータその他必要な情報を含んでい
る。フォーマットの表現は配布用のファイルのトップに置かれている。WSJTはCall3.txt中の3区切りの
第1区切り(コールサイン部分)のみに注意を払う;もしそのステーションがEMEにアクティブとして
知られているならば、この第1区切りにEME局として含まれている。
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