2012 年度中東文化論 A－イスラームとジェンダー資料 09 女性器切除／女子割礼とイスラーム 2012 年 5 月 31 日赤堀雅幸女性器切除とは割礼（ circumcision）ヒターン khiṭān 女子割礼（ female circumcision） khafd, khifād 女性器変工（ Female Genital Mutilation, FGM）女性器切除（ Female Genital Cutting, FGC）女性器切除の広がり上エジプトおよびスーダンその他の地域陰核切除（ clitoridectomy）／陰部切除（ excision）／陰部封鎖（ infibulation）スンナ式とファラオ式女性器切除の根拠イスラーム神の命じたものか、預言者の指示か衛生上の効果性的快感の抑制か増進か参照文献ウォーカー、 A. 1995 『喜びの秘密』柳沢由美子訳、集英社内海夏子 2003 『ドキュメント女子割礼』集英社エルサーダウィ、N. 1988 『イヴの隠れた顔 ― アラブ世界の女たち』村上真弓訳、未来社カシンジャ、 F. 1999 『ファウジーヤの叫び』大野晶子訳、ソニー・マガジンズキャディ 2008 『切除されて』松本百合子訳、ヴィレッジブックスディリー、 W. 2011 『砂漠の女ディリー』武者圭子訳、草思社富永智津子 2004 「『女子割礼』をめぐる研究動向 ― 英語文献と日本語文献を中心に」『地域研究』 6 (1): 169-197 バーンズ、 V. L. 1995 『裸のアマン ― ソマリ人少女の物語』高野裕美子訳、早川書房ホスケン、 F. P. 1993 『女子割礼 ― 因習に呪縛される女性の性と人権』鳥居千代香訳、明石書店 1 2012 年度中東文化論 A－イスラームとジェンダー資料 09 アブー・フライラは、アッラーのみ使いから聞いてこう伝えている「フィトラには次の五つがあり、それらは、割礼すること、恥毛を剃ること、口髭を切りそろえること、爪を切ること、腋毛を抜くことである。」「信仰の書」『日訳サヒーフ・ムスリム ― 預言者正伝集』 1、日本サウディ・アラビア協会、 1987年、 203頁、原著は 9世紀アブー・フライラはアッラーの使徒の言葉として次のように伝えている「イブラーヒームは 80歳の時に手斧で割礼をした。」「功徳の書」『日訳サヒーフ・ムスリム ― 預言者正伝集』 3、日本サウディ・アラビア協会、 1987年、 361頁アーイシャは伝えている「アッラーのみ使いは、『復活の日、人々は、裸足で裸身、割礼を受けてない状態で集合させられる』と言われた。私は、この時み使いに『その日、男も女も一緒にされ、お互いを見ることができるのですか』と聞いた。み使いは、『アーイシャよ、この時、お互いを見ることは大変困難であろう』と言われた。」「天国の書」『日訳サヒーフ・ムスリム ― 預言者正伝集』 3、日本サウディ・アラビア協会、 1987年、 714頁ウンム・アティーヤは伝えている「ある女がマディーナで割礼を人々に施していました。み使いはこの女に向かって『多少なら切り取っても良いが、深く切り込んではいけない。そちらの方が女子の顔に輝きを与えるし、夫にとっても好ましい。』と言われた。」『スナン・アブー・ダーウード』 B. 41 No. 5251 イブン・ハンバルによれば、シャッダード・イブン・アウスは伝えているみ使いは、『割礼は男性にとってスンナであり、女性にとっての栄誉だ。』と言われた。」（脆弱なハディース） 2