5.5 F5ラジオ・コントロール電動模型

5.5 F5ラジオ・コントロール電動模型
5.5.1
一般規則
5.5.1.1.電動模型の定義
飛行中,固定された翼面(舵面は除く)に生じる空気力学的力によって揚力を発生する
模型航空機で,地上のパイロットによって,ラジオ・コントロール・コネクションによっ
て操縦される。推進力は,飛行中に制御可能な電動モーターによって駆動される固定プロ
ペラあるいは折たたみプロペラによって生じる。電動モーターに用いるパワーパックは地
上や他の飛行中の模型と接続されてはならない。飛行中に太陽電池によってパワーパック
を充電することは許される。
5.5.1.2.模型の製作者
セクション4bの規定
B.3.1(模型の製作者)は,クラスF5には適用されない。
〔訳注:競技者が模型の製作者である必要はない〕
5.5.1.3.RC電動模型の―般的諸元
150dm2
最大翼面積:
5kg
最大飛行重量:
翼面荷重:
12〜75g/dm2
動力源は,ニッカド電池のみ,最大 30 セルの使用が認められ,電圧は最大 42Vを越えて
はならない。もし電圧を測定する必要が生じた場合は,飛行前の準備時間に行う。測定後,
パイロットには5分の準備時間が与えられる。(5.5.2.4.参照)。
個々のセルを機械的あるいは化学的に改造すること,たとえば重量を軽減することは禁
止する。ただし,個々のセルの絶縁スリーブの変更はこの限りではない。
5.5.1.4.模型からパイロットヘ情報を伝達する装置の使用は禁止する。
5.5.1.5.競技者は2機の模型を使用することができる(電動パイロン・レースでは3
機)。競技者は,2つの模型の部分を組み合せることができるが,その結果として飛行に供
する模型は規定に合致していなければならず,またすべての部品は競技会開始の前に承認
されたものでなければならない。
5.5.1.6.競技者と助手
各競技者(パイロット)は,自分の無線装置を自分だけで操作しなければならない。飛行
中,各競技者は2名の助手を持つことができる。当該競技者のチーム・マネージャーは助
手を務めることができる。
5.5.2.競技会規定
5.5.2.1.公式飛行の定義
2分間の開始時間(スターティング・ピリオド)の間,競技者は何回でもアテンプトを
●
J6.2.
F5B
*
すべて 2001 年発効
a〉定義
5.5.4.1.a)定義
この競技は、RC 電動モーター・グライダーのためのマルチ・タスク競技で、以下の2つ
のタスクを含む。
a)距離
b)滞空および着陸
これら2つのタスクは一回の飛行の中で中断することなく実施されなければならない。
最少、2回の飛行を実施しなければならない。
5.5.4.1.b)模型の諸元
最少重量・・・・・・・・・・・・・2000g
バッテリー最大重量・・・・・・・・1100g
最大セル数・・・・・・・・・・・・30
最大翼面荷重・・・・・・・・・・・75 g/dm2
5.5.4.1.c)発航順
最初のラウンドの発航順は、無作為の抽選によって決定される。続くラウンドの発航順
は、直前のラウンドまでの順位の逆順とする。ただし、同じ周波数が連続してはならず、
同じチームのメンバーが連続してはならない。
b)5.5.4.2.
コース配置と組織
距離タスクの終了と滞空タスクの開始を同時に示す音響信号を発することが推奨される。
着陸用に、主催者は直径がそれぞれ 30m、20m、15m の同心円を3箇所、フィールド上
に設定しなければならない。この設置場所は、距離タスクおよびゲート・タスクが複数の
模型によって同時に行われても衝突の危険がないように配慮されなければならない。
c)5.5.4.5.
5.5.4.5.a)
このタスクは模型が手投げ発航された瞬間から 200 秒以内に完了しなければならない。
1名の計時係が手投げの瞬間から計時を開始する。
5.5.4.5.h)
このタスクの 200 秒後、直ちに滞空タスクを開始しなければならない。
d)5.5.4.6.
5.5.4.6.a)
このタスクは、600 秒以内に完了しなければならない。
5.5.4.6.f)
着陸について追加点が与えられる。すなわち模型が 30m 円内に停止した場合 10 点、20m
円内に停止した場合 20 点、10m 円内に停止した場合 30 点力が与えられる。この距離は、
円の中心から機種(ノーズ)までを測定する。
行うことが認められる(手投げあるいは滑走離陸)。模型がモーターを回転し,競技者ある
いは助手の手を離れたとき,1回のアテンプトが開始される。最初のアテンプトの後は,
模型を変更することは許されない。計時係は,アテンプトのたびにストップウォッチを始
動させる。2分後は手投げあるいは離陸は認められず,模型が空中にあってもなくても,
公式飛行が成立したものとみなされる。以下の条件のもとでのみ,パイロットは2
分間の開始時間の追加を認められる。
a) 外部からの妨害により、飛行が不可能だったことが証明された場合。
b) パイロットのコントロール以外の外的要因により、計測がなされなかった場合。
これらの場合,コンテスト・ディレクターの指定する他の時間に再飛行することができる。
5.5.2.2.飛行の取り消しと失格
以下の場合,飛行は取り消しとなる。
a) パ イ ロ ッ ト が , F A I 規 定 に 適 合 し な い 模 型 を 用 い た 場 合 。 こ の 違 反 が
意図的な場合,あるいは,はなはだしい場合、コンテスト・ディレクターの判断により、
当該パイロットは失格となることがある。
b) 飛 行 中 に 模 型 が 部 分 を 失 っ た 場 合 。 た だ し 着 陸 時 に 部 分 を 失 っ た 場 合 ( 地
面と接触して部品を失った場合)はその限りではない。
c) 同 一 の 競 技 会 に お い て 、 他 の 競 技 者 が す で に 使 用 し た 模 型 を 飛 行 さ せ た
場合。
d) パイロットが、2名を超える助手を使用した場合。
e) すべての模型の部分が,着陸点から 100m以内の地点で静止状態にないとき。電動グラ
イダーの場合、この規定は滞空・着陸タスクが開始した後にのみ、適用される。
〔訳注:ゲ
ート通過に失敗して模型が大破した場合でも,距離タスクは成立する、という趣旨と思わ
れる。〕
f)
電動グライダーにおいて、滞空・着陸タスクが開始されておらず、かつ着陸がセーフテ
ィ・ラインの指定された側で行われておらず、かつセーフティ・ラインと基線 A あるいは
基線Bとの交点から 100m以内に着陸していない場合。
g) パ イ ロ ッ ト の 申 告 に 反 し て , 模 型 が モ ー タ ー の 動 力 源 と し て 30 セ ル を 越
えるセルを搭載していた場合。
模型が,競技者以外の人物によって操縦された場合,その競技者は失格となる。
模型が着陸操作中にパイロットあるいは助手に接触した場合,着陸点は与えられない。
5.5.2.3.競技会の編成
送信機と周波数の管理については,セクション4b.B.8節を参照。
役員は,5.5.2.4.により、準備時間の開始時に競技者に送信機を渡す。
5.5.2.4.スタートの編成
パイロットは,同時に可能なかぎり多数の飛行が実施できるように、使用される周波数
にもとづいてグループに分けられる。この組み合わせ、できるだけ,同じ国(あるいはチ
ーム)のパイロットが同一グループに入らないように組織される。グループの飛行順は,
使用周波数にしたがって決定される。競技者には,スタートの呼びだしの前に、5分間の
準備時間が与えられる。
5.5.2.5.審 判
主催者は最少3人の審判からなる審判団を任命しなければならない。この審判は国籍が
異なることが望ましく,公式のCIAM審判名簿から選ばれることが望ましい。
注:これらの一般規定と競技規定は,F5クラスの曲技(5.5.3.)、電動グライダー(5.5.4.)、
ヘリコプター(5.5.5.)、パイロン・レース(5.5.6.)に適用される。
5.5.4 F5B電動モーター・グライダー
5.5.4.1.定義
この競技は,下記の2つのタスクを含むRC電動グライダーのためのマル
チ・タスク種目である。
a)距離
b)滞空と着陸
これらの2つのタスクは,中断することなく,ひとつの飛行で実施される。最少,2回
の飛行を実施しなければならない。
絶縁材,ケーブル,コネクターを含んだ動力源の重量は 1.1kg を越えてはならない。
動力源の重量とセル数を検査する必要が生じた場合は,飛行直後に行われなければなら
ない。
5.5.4.2.コース配置と組織
150mの間隔で置かれた2つの平行な仮想重直面が旋回点を決定し,この2つの仮想垂直
面を,それぞれ基線A,基線Bと呼ぶ。これらの平面に対して直角に,セーフティ・ライ
ン(安全面)を設定する。基線A,基線Bの通過を監視するための観測装置は,セーフテ
ィ・ラインから5m離れた位置に置かれる。
基線Aには,幅 50m,高さ3mの仮想ゲートを置く。ゲートの幅は,地上に表示されな
ければならない。着陸用に,主催者は直径がそれぞれ 30mと 15mの同心円を2箇所,フィ
ールド上に設定しなければならない。この設置場所は,距離タスクおよびゲート・タスク
が複数の模型によって同時に行われても衝突の危険がないように配慮されなければならな
い。
5.5.4.3.得点計算
a)各飛行ごとに,部分得点Aと部分得点Bを合計して合計得点を算出し,
各競技者に与える。
b)飛行が2回以上実施された場合は,各競技者の最低飛行得点を破棄し,
残りの飛行得点を合計して最終得点とし,これに基づいて当該競技者の最終順位を決定す
る。
c)1位と2位が同点の場合,優勝者を決定するために,距離競技を1回行う。
5.5.4.4.発 航
a)発航前に,パイロットは自分の送信機で,モーターのオン,オフ,逆転をどのように
制御するかを計時係に示さなければならない。
b)発航はコースの外で,基線Aから 10m以内の地点で行う。
c)模型はモーターが回転している状態で,パイロットあるいは助手の手か
ら直接,投げられることにより飛行状態に入らなければならない。発航のための補助装置
の使用は認められない。パイロットや助手が地上において通常の状態で到達できる高さよ
りも高い位置から模型を発航してはならない。
5.5.4.5.距離タスク
a) こ の タ ス ク は , モ ー タ ー が 回 転 し て い る 模 型 が 手 投 げ 発 航 し た 瞬 間 か ら
180 秒以内に完了しなければならない。 1名の計時係が手投げの瞬間から計測を開始する。
このタスクでは,最少2回,モーターを回転させて上昇を行わなければならないが,10
回を超えるモーター・ランは認められない。
パイロットは,各上昇(モーター・ラン)と滑空に,どれくらいの時間を用いるか,決
定しなければならない。
b)競技者は,モーターの始動と停止を,計時係に申告しなければならない。
c)モーター停止後,模型が基線Bに向かって基線Aを最初に通過したとき
から,計時係はラップの計測を開始する。模型は基線 A から基線Bへ,また基線Bから基
線Aへ可能な限りの回数,ラップを達成しなければならない。
d ) モ ー タ ー が 再 始 動 さ れ た な ら , ラ ッ プ の 計 測 は 停 止 さ れ る 。 180 秒 を 経
過した場合も,ラップの計測は停止される。
e)計時係は,模型が基線Aを通過したとき,および基線Bのフラッグマン
(あるいは音響装置)が基線B通過を示す信号を発したとき,その事実を競技者に告げる。
信号が発せられない場合,模型が垂直平面の通過に失敗したことを意味する。仮想垂直面
の通過を監視する器具は,平面が平行であることを保証しなければならない。
このタスクの計側かおこなわれている間,模型は,セーフティ・ラインの,ゲートが置
かれている側を飛行しなければならない。もし,模型の一部分でも,セーフティ・ライン
の,飛行禁止をされている側を飛行した場合,このタスクの得点は0点となる。
f)パイロット,その助手とチーム・マネージャーは,距離タスクが完了す
る
まで,基線Aにとどまっていなければならない。フラッグマン以外は基線Bに留まって信
号を発してはならない。
g ) す べ て の 完 了 し た ラ ッ プ に 対 し て , 10 点 が 与 え ら れ る 。 模 型 が , 最 初 の
2回の上昇のいずれかの後に1ラップを飛行しなかった場合,距雛タス
クの得点から 30 点を減ずる。
h)距離タスクの後,パイロットは1分以内に,基線Bから基線Aの方向に,
ゲート(5.5.4.2.参照)を通過しなければならない。最終ラップの最後にモーター・
オフの状態でゲートを通過することは許されるが,少なくともゲート通過の 50m以前に,
「リンボーLIMBO」という語によってゲート通過を宣言しなければならない。
5.5.4.6.滞空および着陸タスク
a ) こ の タ ス ク は , 模 型 が ゲ ー ト を 通 過 し た 後 300 秒 以 内 に 完 了 し な け れ ば
ならない。
b)パイロットは,何回,どれくらいの時間,モーターをオンするか,決定しなければな
らない。
c)滑空時間計時係(1)は,モーターがオフされるごとに,ストップウォッチを始動さ
せる。モーターがオンされたとき,あるいは模型が着陸後,停止したとき,滑空時間は終
了する。パイロットは「オン」「オフ」の語を用いて,計時係にモーターのスイッチ・オン
とスイッチ・オフを申告しなければならない。
d)滑空時間は合計され,模型が滑空した完全1秒につき1点が与えられる。
e ) 300 秒 を 越 え る 飛 行 に つ い て は , 300 秒 を 越 え た 完 全 1 秒 に つ き 1 点 を 減
ずる。
f)着陸について追加点が与えられる。すなわち,模型が 30m円内に停止した場合 15 点,
15m円内に停止した場合,30 点が与えられる。この距離は,円の中心から,模型の機首(ノ
ーズ)までを測定する。
g)滞空タスク開始後,330 秒経過した後に着陸した場合は,追加点は与えられない。
(5.
5.4.6.a.参照)
5.5.4.7 競技場
この競技は,充分平坦で,スロープ・ソアリングあるいはウェーブ・ソアリングの可能
性が充分低い場所で実施されなければならない。
【滞空タスクの計時に関するローカル規定】
300 秒の滞空時間を計測する場合,わが国における競技会においては,5.5.4.6.c)
にかかわらず,モーターをオンさせた時間(動力飛行時間)を計時し,全飛行時間よりこ
のモーターをオンさせた時間を引いて滑空時間を求める。