Acer America社

カスタマー・サービス・ソリューション
NLUおよびクラウド型プラットフォーム
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Acer America社
クラウド型音声認識ソリューション導入による
サービス品質の向上
最新の自然言語による音声認識技術を搭載したクラウド型 IVR プラットフォームを採用することで、
繰り返し寄せられる電話の割合が 15% 減少し、平均通話時間も 50 秒減少しました。
Acer America社の
サクセスストーリー
Acer America 社について
1976 年の創業以来、ユーザーが探求、創作、成長することを目指し、人間と技術の
間の垣根を取り除いてきました。Acer Group は全世界に 8,000 人の従業員を有し、
2013 年の売上は 120 億ドルに達しました。
企業情報:
マルチブランド戦略により、各ブランドにそれぞれ独自の役割をもたせ、世界の PC 市
場のさまざまなニーズに対応しています。PC 関連の製品を中心に、ノート型パソコン、
– 容易にプログラムを変更できない IVR アプリケーションの限界
– 旧型のクラウド型プラットフォーム
どを提供しています。ワールドワイドオリンピックパートナーとして、2010 年バンクー
ニュアンスのソリューション
デスクトップパソコン、サーバー、ストレージ、モニター、プロジェクター、タブレットな
バー冬期オリンピックおよび 2012 年ロンドンオリンピックをサポートしています。
Acer 社
Acer 社の課題
– OnDemand:アプリケーションの継続的な改善を実現するクラウド型 IVR ソリュー
ション
– 自然言語コールステアリング
– Nuance Professional Services:プラットフォームの移行、継続的なアプリケーショ
ンの管理および改善をサポート
結果:
– ニュアンスのクラウド型 IVR で 100% のアップタイムを実現。過去のクラウド型サー
ビスから 4% 向上
– 繰り返しの電話が 15% 減少
– 平均通話時間が 50 秒減少
– お客様の意図を認識できる割合が 10% 向上
– 通話料無料の電話番号を 30 件削減
– 1 分あたりのコストを 60% 削減
2.
Acer America 社の課題
外部のメーカーと協力し、2006 年 IVR システムにダイアログ型音声認識ソリュー
ションを導入しました。Acer America 社の顧客インサイト部門シニアマネージャー
Nicole Allen 氏は、この音声認識システムを導入することで、大きなコスト削減が実現
Nicole Allen 氏は、「プラットフォームの自動アップグレードが行われなかったため、
当社が使用していたメーカーは古いバージョンの Nuance Recognizer を使用してい
ました。システムからデータを十分に取り出すことができず、音声認識機能やルーティ
したと説明します。
ングにも限界がありました」と説明します。
Acer 社が Gateway を買収した後、同社はマルチブランド戦略をとるようになりました。
これらの技術的な課題は、顧客サービスを一から再評価し、必要な変更を特定する
この新しいアプローチが、お客様にサービスを提供するにあたり新しい課題をもたら
しました。
Nicole Allen 氏は、「比較的単純な環境であった頃は、すべて上手くいっていました。
良いシステムだったといえます。しかし、増えたブランドを追加し、さらに多くの通話
料無料の番号と運営部門を統合し始めると、非常に複雑になり、維持費も嵩むように
なりました」と説明します。
チャンスでもありました。
「当社の真の課題は、顧客サービスを継続的に改善していくことであると認識し始めま
した。費用を抑えて機能を強化する方法が必要でした。」
同社は IT サポートが最低限で済むクラウド型プラットフォームの利用は継続したいと
考えていました。しかし、直面している課題を克服する必要がありました。3 か月にわ
たり現状を評価した後、顧客サービスソリューションにおいてニュアンスと提携し、ニュ
当時使用していたクラウド型プラットフォームの IVR アプリケーションは、同社が成長
アンスのクラウド型サービスを使用することを決定しました。ニュアンスのクラウド型
んでした。
テム改善の機会を継続的に評価する Solutions Performance Team によるサポート
し、それに伴いサービス運営を調整するにあたり必要な柔軟性をもち合わせていませ
「アプリケーションのプログラムを容易に変更できないことが大きな課題でした」と
サービスでは、常に最新のニュアンスの技術を使用することが可能です。また、シス
と知見も提供されます。
Nicole Allen 氏は説明します。素早く簡単にプログラムを変更することができないの
です。同社が使用していたクラウド型 IVR 環境では、最新のニュアンス音声認識技術
は使用されていませんでした。
3.
ソリューション
2011 年、米国とカナダを対象とした英語版 IVR を Nuance OnDemandクラウド型ソ
リューションに移行しました。新しいアプリケーションでは、お客様の意図を特定した
り、製品のシリアル番号を取得することで、ANI を取得しお客様を特定が可能となりま
した。これにより、同じお客様による繰り返しの電話を効果的に管理できるようになり
ました。
移行プロセスの一部として、Nuance Professional Services はシステムに多くの改善
を加えました。まず、アプリケ - ションポータビリティを実現するための標準的な言語
VoiceXML (VXML) でプログラムを書き直しました。次に、最新かつ高度な音声認識
ソフトウェアを使用する Nuance OnDemand に移行したため、この技術を同社のア
プリケーションに統合できるようになりました。新アプリケーションにはニュアンスの
自然言語音声認識技術が使用されているため、お客様は電話をした理由を自分の言
葉で説明することが可能です。以前のメニュー型のアプローチから、自然言語ソリュー
「ニュアンスのクラウド型 OnDemand ソリューションを採用するこ
とによって Acer は真の競争的優位を獲得しました。最新の技術を
利用できるだけでなく、ニュアンスのイノベーションを他のプラット
フォームに導入される前に利用できるのです。アプリケーションのパ
フォーマンスが上がり、経費削減を実現できます。また、Solutions
Performance Team を利用することで、段階的な調整を行い、継続的
に改善をすることができます。小さな改善の積み重ねは、大きなコス
ト削減に繋がります」
Gregory Pal
Nuance 社、マーケティング・戦略・事業開発部長
ションへと変更されました。さらに、段階的な機能強化も行われました。
4.
Acer 社の音声認識 IVR のサンプルを聞く
音声サンプルを再生するためには、音量を上げてアイコンをクリックしてください。
Natural Language Call Steering およびシリアル番号を使用して電
話を正しく転送
– お客様が電話をした理由を自分の言葉で説明しています:「注文の状況
を確認してください」
– 問い合わせをしている製品のシリアル番号を収集することで、製品が保
証下にあるか、サポートのためにオペレーターに繋ぐ必要があるかを判
断します。
一般的なリクエストをより詳しく聞く
– お客様が電話をした理由を自分の言葉で説明しています:「パソコンが
動きません。」
– この自動化ソリューションは、お客様の発言をフォローアップするための
質問をすることで、問題の本質を特定し、電話の転送先を決定します。
繰り返しの電話の扱い
– 自動システムが ANI を元に繰り返しの電話を自動的に特定し、お客様に
以前いただいた電話の内容をお知らせしています。
– 同じ理由で電話をしている場合、自動的にオペレーターに転送します。
5.
Agent Portal Web Tool
お客様とオペレーターをスムーズに繋ぐために、オペレーターがお客様の情報を回収
することができるウェブベースのツールを開発しました。これは、CTI ソリューション
と類似の役割を果たします。
Allen 氏は、「CRM を移行する心づもりでいました。CTI ソリューションが CRM に統
合されていたため、CRM にも変更が加わったのです。音声認識システムの導入がで
きなくなる事態を避けるための、一時的な対処法を実施することができました。」と説
明します。
電話がオペレーターに転送されると、オペレーターの電話のデジタル・インターフェ
イスに 5 桁のキーコードが表示されます。このコードをウェブポータルに入力すること
で、オペレーターはお客様の電話に関する情報を回収することができるのです。
「高度な CTI 統合ではありませんが、維持が簡単で、コストが低く、なによりもオペレー
ターがお客様に情報を再度聞く必要がなくなりました。お客様に繰り返し情報を聞く
ことは、質の悪い顧客サービスです」と同氏は説明します。
6.
Real-Time Application Change Tool
さらに、
ウェブベースのアプリケーションである Nuance Client Portal では、
アプリケー
ションパラメーターの値を更新し、アプリケーションの変更を簡単に行えるようになり
ます。
Allen 氏は、「これは非常に役に立っています。アプリケーションでお客様向けに伝え
るメッセージを自分たちで更新できます。そのため、各ブランドのポータルにログイ
ンし、入力内容に基づき異なるメッセージを選択することが可能です。たとえば、PC
のアクセサリーに興味をもっているお客様に対しては、アクセサリーに関連するメッ
セージを自動的に再生するようにシステムを設定することが可能です」と説明します。
これ以外にも、ポータルの設定変更を行う事が可能です。特定のフローをオンまたは
オフにしたり、標準的なルーティングに例外を設定したり、上書きしたりすることが可
また、通話料無料の電話番号をグループ分けし、各グループにアプリケーションパラ
メーターを設定します。
ITグループでは、電話をするのに使用された番号を情報として活用しています。これ
は、DNISグループの設定および hidden numbers に非常に役立ちます」
さらに、このポータルではレポーティングと解析ツールであるニュアンス OnDemand
Insight のインターフェイスを提供しています。高度なダッシュボードや詳細なレポー
トを含みます。
同氏は続けます。「当社の事業部門では、OnDemand Insight のレポートを活用して
います。統計的な情報を深く理解し、寄せられた電話をより詳細に分析します」
能です。
Allen 氏は続けます。「アプリケーションに読み込ませるためのルーティング表を用意
しており、標準のルーティングを上書きすることが可能です。これにより、必要に応じて、
特定のパーツ番号をもつ特定の製品に関する電話を特別のサービス班に転送するこ
となども可能です。同じ ANI つまり電話番号からの電話番号でも、その電話番号が企
業の電話番号の場合特別ルールを用意しています。同じ電話番号からの繰り返しの電
話に見えても、そうでない可能性があるためです。このような転送の例外を設定する
ことで、各お客様にとって最適なサービスを提供することが可能です。
7.
結果
ニュアンスの OnDemand に移行して以来、非常に素晴らしい運営効率を実現してい
ます。成果としては次のようなものがあります。
– 通話料無料の電話番号を 30 件削減
– ニュアンスのプラットフォームで 100% のアップタイムを実現。以前使用していたベ
ンダーのプラットフォームと比較して 4% 上昇
「1 分あたりのコスト削減は最大で 60%となり、非常に喜んでいます。」
Nicole Allen 氏
Acer America 社、顧客インサイト部門シニアマネージャー
– 繰り返しの電話が 15% 減少
– 平均通話時間が 50 秒減少
– お客様の意図を認識できる割合が 10% 向上
– 当初の開発コストに関連するサービス料の償却後、1 分あたり60% のコスト削減が
期待できます。
「繰り返しの電話を 15% 削減できたのは、認識能力の向上に部分が大きいといえます。
平均通話時間が減少したのは、一部の自動トラブルシューティングを廃止したことによ
るものです。お客様はトラブルシューティングを使用した後にコールセンターに転送し
ていたため、廃止しました。電話のフローが向上し、認識率が上がったことにより、通
話時間が削減されました」とAllen 氏は説明します。
この改善は、大幅なコスト削減に繋がりました。同氏は「1 分あたりのコスト削減は
最大で 60%となり、非常に喜んでいます」と続けます。
8.
実践にまつわるアドバイス
Acer 社の Nicole Allen 氏のプラットフォーム移行の経験に基づいたアドバイスは次の
ようになります。
– コールセンターとIT 部門が共同開発をするアプローチが成功するためには必要不可
欠です。テストを何度も繰り返します。「これは実際に行い、非常に上手くいきまし
た。徹底的にテストを実施することをお勧めします。特に、バックエンドシステムの
統合には必要不可欠です。皆が別々にテストをして問題を別々にログするのではな
く、共同で行うことが何よりも大切です。これにより、プロセスや問題を全員が理解
することができるため非常に役に立ちます。」
– スコープおよび導入には段階的なアプローチを採用する「プロジェクトのスコープと
導入で段階的アプローチをとったことは正解でした。グループ分けし、グループ毎
の通話料無料の電話番号から開始し、導入していきました。たとえば、ウォルマート
からパソコンを購入したお客さま専用の電話番号のグループなどです。ある日シス
テムを導入し、何日にも渡りモニタリングをする作業を、リストアップしたグループに
対し順番に実施していきました。これまで、米国とカナダの英語版のみに導入して
「今後実施する、次の段階を楽しみにしています。顧客サービスをさら
に進化させるにあたり、音声認識システムを使用した顧客ソリューショ
ンでニュアンスを活用していきます。
さまざまな音声認識およびテキスト分析ツールを使用していますが、
当社がエネルギーを注ぎ込む部分にはニュアンスを使用しています。
ニュアンスのソリューションは、情報を収集・分析し、何が成功してい
て、どこに改善する機会があるのかを理解するのをサポートしてくれる
ため、製品ライフスタイルにその情報を組み込み時間の経過と共にシ
ステムを改善することが可能です。
Nicole Allen 氏
Acer America 社、顧客インサイト部門シニアマネージャー
いますが、他の地域での導入も検討しています」
– 電話の量を正確に予測:全員にとって役立ちます
– 投資と機能を最大化する専用のリソース
– 導入を行っている際の一時的なリソースはお勧めしません
9.
詳しく知る
弊社の Customer Success ウェブサイトから、ケーススタディ、動画、お客様の声な
どをご覧いただけます。
Acer 社が使用しているサービスやクラウド型 OnDemand ソリューション、自然言語技
術、Nuance Professional Services に関する詳しい情報は、ニュアンスのウェブサイ
トでご覧いただけます。
ニュアンス・コミュニケーションズについて
ニュアンス・コミュニケーションズは、人とテクノロジーの関係を改革します。音声および言語ソリューションを通じ、ニュアンスは私たちの周辺にある多くのシステム、デバイス、エレク
トロニクス、
アプリケーション、
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より人間味のある会話を創り出します。日々、何百万人もの人々、
そして何千ものビジネスが、消費者の生活や仕事を理解し、
学習し、
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組織の商標または登録商標です。
NUAN–CS–1796–01–EB–Jpa, Sep 2016
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