資料4-4:省エネ運用改善・チューニング事例・設備導入事例

資料4-4
省エネ 運用改善・チューニング事例
設備導入事例
※
経済産業省北海道経済産業局
※「運用改善・チューニング事例」では、同業種・あるいは同一地域に立地する複数の事業者がグループを形成し、省エネ機器・手法の
勉強会や各社の運用改善活動(チューニング)に関する意見交換等を通じて、省エネ対策を実施した事例を紹介
<運用改善・チューニング取組事例>
製造・運輸
【芽室町の事例】
・三ツ輪運輸(株)
・横浜冷凍(株)
・ニチロ食品(株)
・ヤマト運輸(株)
・北海運輸(株)
・(株)安西製作所
・(株)米澤通商
運用改善等を実施し省エネ効果を計測
☆ エネルギー使用量削減6社
エネルギー消費原単位改善4社
☆ 7社全体で(対前年同期比)
・▲4.7%のエネルギー使用量削減
・▲1.3%の原単位改善
(平成22年度)
個別の取組例:
【運転時間等の見直し】
・ 事務所内の照明点灯を見直し
【ソフト面の取組】
・ 3ヶ月に1度の社内会議において、省エネの目標値を確認し、そ
の内容を社内で掲示
【設備のメンテナンス】
・ 洗車場建物内部に保温材取付(暖房用灯油使用量を削減)
・ ショートサーキット対策のために外壁を撤去(冷蔵冷凍庫外調
機の熱交換効率が向上)
【設備導入】
・ 倉庫内照明のリニューアル(水銀灯・旧式蛍光灯混在から高効
率高輝度蛍光灯へ)
・ 倉庫内の設備監視システムを改修し照明電力量を把握可能に
・ 熱交換器作動スイッチの増設(スイッチを作業場に手元化して
こまめに入力可能に)
・ 工場内の照明を水銀灯からメタルハライドランプへ交換しスイッ
チ増設
・ デマンド監視装置を導入、最大電力を低減
【帯広工業団地の事例】
・帯広電子(株)
・河合鉄工(株)
・(株)サトウ
・デリカファクトリー十勝(株)
・東洋農機(株)
・十勝冷凍食品(株)
・(有)中田食品
・東北海道いすゞ自動車(株)
製造
運用改善等を実施し省エネ効果を計測
☆ 8社中、エネルギー使用量削減4社
エネルギー消費原単位改善5社
うち、2社については、使用量・原単
位とも改善
個別の取組例:
【ソフト面の取組】
・会社全体で「チーム・ECO」を結成し、省エネ活動を実施
・電力使用量の時系列グラフと機器の使用状況を照らし合わせて検
証(電力量の平準化と負荷低減)
【運転時間等の見直し、設定変更等】
・作業手順の見直しを行い、機械類の稼働時間を短縮
・自動販売機の保温・冷却を夜間停止
・暖房機器設置場所の見直し(撤去)
・昼休み、不要時の消灯の奨励
【保温、断熱】
・ボイラー室の無断熱の蒸気配管・バルブに保温材を取り付け
・冷凍庫出入扉に冷気逃げ防止対策
【設備導入・改修】
・照明人感センサーの導入
・コンプレッサーの排熱利用
・コンプレッサーを省エネタイプに更新
・高効率照明器具の導入 (メタルハライドランプ、LED)
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<運用改善・チューニング取組事例>
製造
【発寒鉄工団地の事例】
・(株)協和機械製作所
・(株)マルキンサトー
・(株)池田歯車製作所
・札幌鋳物工業(株)
・札幌高級鋳物(株)
・札幌電鉄工業(株)
・日本鍍金工業(株)
・(株)樋口
・日詰工業(株)
・北興化工機(株)
運用改善等を実施し省エネ効果を計測
☆出荷額(量)との相関が顕著
出荷増(4社) →
エネルギー使用量増、エネルギー消費
原単位改善
出荷減(6社) →
エネルギー使用量減、エネルギー消費
原単位悪化
(平成21~22年度)
個別の取組例:
【運転時間等の見直し】
・ 事務所内のエアコン設定温度を1℃上げ、できる限りスイッチOFF
【ソフト面の取組】
・ 生産スケジュールを見直し稼働時間を削減
・ 時間帯、天候、作業内容などの条件毎に照明の点灯をルール化
・ 工場内の窓清掃を実施し採光率向上
【保温、断熱】
・ 天井・壁の断熱
・ 浴場給湯配管の保温を補修
【設備導入】
・ トラック出入口にエアカーテン設置
「窓ふき」と「一列とばし」による照明の削減
・ 天井にダウンフロー用のファンを取付
・ 照明を省エネ用の水銀灯に変更
【十勝の食品産業の事例】
・アグリシステム(株)
・イズヤパン(株)
・(株)クランベリー
・コスモ食品(株)
・日本缶詰(株)
・(有)林製パン工場
・(株)満寿屋商店
・(株)柳月
・六花亭製菓(株)
製造
運用改善等を実施し省エネ効果を計測
☆ エネルギー使用量削減3社
エネルギー消費原単位改善4社
☆ 9社全体で(対前年同期比)
・▲3.0%のエネルギー使用量削減
・▲1.7%の原単位改善
(平成21年度)
個別の取組例:
【運転時間等の見直し】
・ 定温倉庫内の撹拌ファンを極力停止
・ 暖房機の稼働時間の見直し
【ソフト面の取組】
・ 省エネ活動実施中の社内掲示
ボイラー周辺の無断熱弁類の断熱化
【設備のメンテナンス】
・ 冷凍機の空冷コンデンサー冷却フィンの掃除
・ ボイラー燃焼空気比の改善
・ エアコン温度の設定見直し
・ 給排気ファンの速度コントロール
【保温、断熱】
・ ボイラー関係の弁類・ヘッダーバルブの保温、熱水レトルト装置
等のバルブ・チャッキ弁等の保温
【照明器具の更新】
・ 屋外看板の照明をミニハロゲン球から水銀灯に変更
・ 照明(蛍光灯)の削減
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製造
製造
<設備導入事例>
植物工場への高効率LED照明導入でコストを削減
(社会福祉法人クピド・フェア(岩見沢市))
工場の照明の高効率化でコスト削減と作業環境
向上を両立((株)IHIスター(千歳市))
【導入設備概要】
*照明設備*
多量の電力を消費する植物工場にLED照明を導入。
従来のLED照明(83.2kw/パネル)に代わり、より高
効率で作物の成長に適した波長である660ナノメート
ルの赤色LED照明(28.8kw/パネル)を搭載した密閉
式照明パネルへ1,664個全てのパネルを更新。これに
より、消費電力量を削減するとともに、点灯時の室内
への発熱を抑制し、工場内の湿気による機器腐食防止
にも貢献
【導入設備概要】
*照明*
従来の水銀灯(400W)から高効率のセラミックメタルハラ
イドランプ(230W-397基)に更新することで、消費電
力量を削減。また、照度を高めるための高輝度反射
板(セード)を設置し、反射率を1割向上。さらに、従
来設置していた照明の安定器を交換
ここもポイント
ここもポイント
設備更新の副次的効
果として電気の最大
需要量(デマンド
値)の削減を実現。
(これにより固定費
(電気基本料金)の削
減にも効果!)
1日あたりの暖房コ
ストや1時間あたり
の照明コストを場内
に掲示することで、
社員のコストや省エ
ネに対する意識が向
上。
660ナノメートルの赤色LED照明
33.8%削減
36.5%削減
36.5%削減
エネルギー使用量(消費電力量)
159,690kwh削減
【事業費総額 約8,700万円】
※1~4月の比較
活用補助制度:平成22年度エネルギー使用合理化事業者支援事業
セラミックメタルハライド照明(工場1階)
エネルギー使用量(消費電力量)
約75千kwh削減
【事業費総額 約1,280万円】
※12~4月の比較
活用補助制度:平成22年度エネルギー使用合理化事業者支援事業
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オフィスビル
【オフィスビルの事例】
・札幌市時計台
・オーク札幌ビルディング
・札幌すみれホテル
・札幌時計台ビル
・北海道経済センタービル
<運用改善・チューニング取組事例>
運用改善等を実施し省エネ効果を計測
☆ 5施設中4施設で省エネを達成
☆ 5施設全体で(前年同期比)
・エネルギー使用量を4%削減
・約500万円のコスト削減効果
(平成20年度)
個別の取組例:
【運転時間等の見直し】
・ 空調機運転時間の短縮、調整(休日の運転を停止)
・ 屋外ライトアップ及びガス灯の点灯時間を10月から30分間短縮
・ 不要照明の消灯
・ ガス器具の適正運用(必要時以外は消す)
・ ロードヒーティング稼働時間及び使用面積の見直し
【テナントとの関係】
・ 各テナントに省エネルギーへの協力依頼
・ テナントに対する省エネ情報の提供、資料の配布、啓蒙活動
【設備のメンテナンス】
・ 外気取り入れ量の調整
・ ボイラー設定圧力調整
【照明器具の更新】
・ 出入口庇の照明器具23台を電球(54w)から電球形蛍光灯(12
w)に更新
・ 館内の展示照明球の一部44個を20wハロゲンから3wLEDに更新
オフィスビル
【中小ビルの事例】
・(株)伊藤組
・STV興発(株)
・(株)山上カミヤマビル
・(株)昭和ビル
・(有)せんばビル
・(株)塚本ビル
・(株)平岸グランドビル
・(株)福山倉庫
・(株)北海道建設会館
・(株)まるいち
運用改善等を実施し省エネ効果を
計測
☆10社中、エネルギー使用量削減
3社、エネルギー消費原単位改善
3社
☆使用量・原単位の両方を10%近く
削減した社もあり。
(平成21~22年度実施)
個別の取組例:
【運転時間等の見直し】
・ 暖房開始時における換気運転の遅延
・ 外調機の間欠運転
・ 廊下の冷暖房使用を停止
・ 駐車場排気ファンの運転時間を短縮
・ 駐車場、共用部の夜間未使用箇所の照明を消灯
・ ビル外壁面の夜間照明を消灯
・ 自動販売機の照明を消灯
【ソフト面の取組】
・ ブラインドを活用した早朝冷房負荷の軽減
・ 各テナントの室内設定温度の見直し
・テナントも参加した省エネ推進委員会の実施
【設備の設定見直し】
・ 喫煙室に設置してある電気パネルヒーターを最低温度に設定
・ 廊下蛍光灯の間引き
【設備導入】
・ トイレ照明人感センサーや階段への消灯タイマーの設置
【設備改修】
・ エレベーターのインバータ化
・ 熱源システムの変更(設備改修に併せ蒸気と温水を温水のみに変更) ・ 空調の熱源を灯油から都市ガスに変更
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オフィスビル
<設備導入事例>
テナントビルへのヒートポンプエアコンと 高効率照明
導入でコストとCO2を削減
((有)プリモグループ(旭川市))
【導入設備概要】
*照明*
従来の照明から高効率な照明に変更。
(Hf型蛍光灯(47W)を41基設置)
~ Hf蛍光灯 ~
高周波点灯専用形蛍光ランプ。蛍光灯安定器(インバ
ータ式)と組み合わせたHf専用器具で使用され、高効
率・高出力を実現。
オフィスビル
我慢しない省エネで快適なオフィス空間を実現
((株)ネイビーズ・クリエイション(札幌市))
【導入設備概要】
*室内空気強制対流システム*
・天井からのダウンフローにより空気を対流させる
ことで、足下の温度が上昇。
*複層Low-E(低反射)ガラス内窓サッシ*
・断熱効果と防音効果で暖かく静かな室内を実現。
*駐車場天井への断熱材吹き付け*
・1階駐車場からの寒気の影響を低減。
*見える化システム(BEMS)・温湿度CO2無線センサ*
・省エネ対策の結果を「見える化」
ここもポイント
ここもポイント
ビルの各テナント毎
に操作リモコンを設
置し、実態に合わせ
た空調調整を可能に
したことによって省
エネ効果がよりUP!
Hf型蛍光灯
42.3%削減
42.3%削減
操作リモコン
【事業費総額 約2,000万円】
エネルギー使用量(原油換算値)
約11kl 削減
※1~4月の比較
活用補助制度:平成22年度住宅・建築物高効率エネルギーシステム導入促進事業
・入居テナントと定
期的に「省エネ勉強
会」を開催し継続的
に省エネに取組む。
・省エネ活動報告や
計測データを定刻に
ウェブサイト上のブ
ログへ自動投稿する
など省エネを「見せ
る化」
見える化システム(BEMS)
18.7%削減
エネルギー使用量(原油換算値)
7.2KL削減
※H21.10~H22.9とH22.10~H23.9との比較
【事業費総額 約2,700万円】
活用補助制度:平成22年度 住宅・建築物高効率エネルギーシステム導入促進事業
平成22年度 省エネルギー計測監視設備等導入事業補助金
5
学校
<運用改善・チューニング取組事例>
【大学での事例】
・学校法人札幌大学
・北翔大学
・学校法人北星学園
・学校法人北海学園
・北海道医療大学
・北海道工業大学
・学校法人酪農学園
☆ 各校では、不要な照明の消灯の徹底、
ボイラー運転時間の見直し、自販機の夜
間停止などの取り組みを実践
☆ 22年11月~23年1月までの計測で、
参加校全体でエネルギー使用量 ▲2.0%
エネ使用量を最大で8%程度削減した大学もあり
(平成22年度)
個別の取組例:
【ソフト面の取組】
・ シール貼付で省エネを呼びかけ
・ デマンド監視装置を導入し最大
電力を低減
・ 省エネパトロールの実施
学内の環境マネジメント推進委員(教員、
省エネパトロールの実施
職員)および省エネに強い関心を持つボ
ランティア学生による省エネWGを組織し、
校内を1日2回(各30分程度)、無駄な照明の消灯等を行う省エネパトロール
を実施
【運転時間等の見直し】
・ ボイラーの運転時間の短縮、教室の暖房温度設定の調整
中央監視室の空調コントロール設備により、室温を確認しながらボイラーの
台数制御運転及び、各棟温水循環ポンプの発停制御を効率的に実施
<設備導入事例>
倉庫
高効率水銀灯の導入で倉庫のエネルギーコストを削減
(苫小牧北倉港運(株)(苫小牧市))
【導入設備概要】
*照明設備*
寄託を受けた貨物を倉庫において保管する「トマホ
ク2号倉庫(面積:6,600㎡)」にて、倉庫の全照明器
具24台を更新。従来の水銀灯(消費電力:700W)
から、高効率水銀灯(消費電力:360W)へ更新した
ことで、消費電力を大幅に削減。高輝度反射板によ
り照明性能を大幅に向上させるとともに安定器も同
時に更新。
ここもポイント
・新たに夜間電力に
よる蓄熱式暖房シス
テムを導入
・省エネの取組をメ
ールにより社内周知
することで、社員の
省エネ意識も向上
倉庫天井に設置した高効率水銀灯
・ 自動販売機へのタイマー設置
23.0%削減
【設備改修・導入】
・ 熱の再利用
近接建物の地下機械室内ボイラー環水槽から放出されている熱をダクト
で引っ張り、外部の喫煙室内ベンチ下から排気できるよう試験的に設備
・ 図書館棟蛍光管リニューアル工事
【事業費総額 約210万円】
エネルギー使用量(原油換算値)
5.6KL削減
活用補助制度:平成21年度エネルギー使用合理化事業者支援事業
6
温浴施設
<設備導入事例>
温浴施設の排熱・潜熱を活用し施設運営を効率化
(サンカンパニー(有)(札幌市))
【導入設備概要】
*潜熱回収ボイラー
多量のエネルギーを消費するボイラーの熱(排ガ
ス)を、潜熱回収ボイラーにより回収し、加温熱と
して利用することにより消費エネルギー量を削減。
*排水熱回収(密閉型プレート式熱交換器)
掛け流しのオーバーフロー湯及び営業終了後の排湯
から熱を回収し露天床暖房熱及びカラン湯の加温と
して利用。
*LED・Hf照明…トイレ、喫煙所は人感センサーを設置。
*氷蓄熱エアコン…夜間電力で製氷し昼間の冷房に冷
気を利用。
ここもポイント
①配管の保温巻きを全館で導入
②お湯をつくり過ぎないよう貯湯槽の
湯量を監視
③天候に合わせた照明の点灯
④天候、外気温に応じた室温、空調の
切り替え(窓開閉と機器による自動調
整の使い分け)
⑤系列店の省エネ監視設備のデータを
共有し運用改善に活用
…など、使い方も工夫して省エネを実践
【事業費総額 約4,000万円】
スーパー
既存設備に省エネの“仕掛け”で店舗運営コストを削減
(生活協同組合コープさっぽろ(札幌市))
【導入設備概要】
*冷蔵ショーケースの省エネルギー制御システム
・店舗営業本部からの営業時間(開店・閉店)通知の
放送信号と連動し、店内冷蔵ショーケースの電源を自
動制御。(既存の冷蔵ショーケースと放送装置をその
まま活用)
*CO2センサーによる店内外気導入量制御システム
・店内のCO2濃度をセンサーにより検知し、店内の
換気ファンの作動を自動調節。入客数の変動に応じて
外気導入量を最適制御。(既存の換気設備をそのまま
活用)
*LED照明
・直管型LED照明を店舗バックヤード部分に導入。
ここもポイント
潜熱回収ボイラー
20.2%削減
エネルギー使用量
(原油換算値) 約52kl削減
※事業計画段階の数値
活用補助制度:平成22年度住宅・建築物高効率エネルギーシステム導入促進事業
・店舗設計から使用
するエネルギー、冷
蔵ケースにいたるま
で、さまざまな工夫
とアイデアを導入し
た新しいコンセプト
の店舗「ECO・OP
(イイコープ)」も
拡大中。
【事業費総額 約770万円】
店舗バックヤードLED照明
2.4%削減
エネルギー使用量(原油換算値)
19KL削減
※事業実施前と実施後の比較
活用補助制度:平成22年度エネルギー使用合理化事業者支援事業
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