【 概 論 】 【 閉鎖性(気密性)確保について 】

株式会社 九州山光社
FAQ 2009/01/26
【 概 論 】
電気器の故障や障害の原因の多くは、機器の表面汚損によって生じます。そこで、
故障や障害を防ぐためには、機器の表面汚損の予防を行うことが必要です。
腐食の原因は、外界からの異物(霧や水蒸気ミスト・塩分・塵埃・土ほこり・火
山灰・虫)の箱内侵入に加えて、腐食が進むために必要な水分[結露した水]の両者
が揃って進みます。そこで、電気箱の閉鎖性を確認することと、結露予防が重要で
す。
気密性テスターは箱の閉鎖状態を確認し、結露防止器は結露・表面汚損の予防を
行います。
【 閉鎖性(気密性)確保について 】
右図のように、ほとんどの場合、下方から
配管配線(配線:黒色)が行われます。
ところで、水蒸気は空気より軽いため、配管の
下部より、水蒸気が箱内へ浸入してきます。
そこで、箱内への通線導入部を適切な手段で
封鎖する必要があります。
これらの封鎖方法は、従来のパテや融着
テープ、通線部材などを用いる、従来の工法で
十分です。
水蒸気
の流れ
地面
「水蒸気」と「空気」の重さのちがいについて
一般に、水蒸気(水)が空気より軽いということは、あまり知られていません。
水蒸気は空気より軽いため、水の溜まり部から蒸発して上昇します。
「水蒸気」と「空気」の重さのちがいについて
一般に、水蒸気(水)が空気より軽いということは、
あまり知られていません。
水蒸気は空気より軽いため、水の溜まり部から蒸発して上昇します。
100℃の場合、空気の比重量は0.916[ kgf/m3 ]、水蒸気の比重量は0.578[ kgf/m3 ]です。
引用:熱機関工学演習 1995年 7版発行 学献社
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株式会社 九州山光社
FAQ 2009/01/26
【 腐食の因果関係 】
箱内の機器の腐食や錆は、水分とほこり(粉塵)が重複することで発生します。
箱内の機器の保護は、箱内に水を浸入させない(結露予防すること)ことと、ほこり等の
外来異物を箱内に侵入させないことの、2つが重要です。
結露防止器は、箱内での結露発生を予防し、箱内の水蒸気の箱外への排出を促進します。
気密性テスターで、箱の封鎖性を確認できます。結露防止器を除く通気路は外界からの異物の
侵入路になりますので、あらかじめ確認して遮断する必要があります。
化学反応の
ための
水分
防 食 防さび
腐食(さび)が
進むための環境
さびの原因物質
霧などのミスト
火山灰、塩分、
ほこり、粉塵、
花粉、など
閉鎖性
水分の存在確率
結露防止器
気密性テスター
結露による
水の発生を予防
箱の気密性を確保し
異物の侵入を阻止
参考:さびのおはなし
1998年 第3刷発行
出版社 財団法人 日本規格協会
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株式会社 九州山光社
FAQ 2009/01/26
【 気密性の検査基準 】
箱内機器の保護や結露防止器の動作には、簡便な気密性確保が必要です。
そこで専用の気密性テスターによる検査を結露防止器の装着前に検査することを推奨して
おります。
<推奨テスト結果>
保護対象物へ収容される空間を、下図と表1を参照して安全性を考慮し圧力検査を
行って下さい。例えば、もし外気側環境が、常時高湿度の場合(トンネル内など)は、
パッキン等の劣化を考慮して、約100 cm 水柱まで専用の気密性テスターにて与圧できる
こと。および、約15∼30 秒で圧力が約0に降下しないことを満足すること。
リーク基準量は結露防止器が呼吸現象の
結果、発生する湿度下降量に相当する圧力
をもとに設定しています。(下記の表)
湿度下降が発生した空間は、逆の見方を
すれば、外気から湿度下降量に相当する
水蒸気圧で外気から与圧されます。(図2)
そこで、表1に示す与圧に耐えるように配慮
する必要があります。
前述の100 cm 水柱での与圧可能とは、
この圧に安全性を考慮した基準です。
また、15∼30 秒はバルーンの膨らみでも
確認できます。
表1
20℃と40℃の各相対湿度と圧力
%RH
35%RH
20%RH
20℃
8.35
約 0.82
4.77
約 0.47
40℃
26.36
約 2.58
15.06
約 1.48
備考
水柱[ cm H2O ]
[ kPa ]
水柱[ cm H2O ]
[ kPa ]
図1
飽和水蒸気圧曲線と結露防止器の関係
外気80%RH
外気100%RH
80%RH
80%RH
引用:電気と工事
2008年1月号 オーム社出版
20%RHの圧力
Dew Protecter® 結露防止器は気温の変化で箱と外気
の間に生じる呼吸現象や外気の温度の変化を用いて、
外気80%RH
外気100%RH
箱内
湿度の降下
箱内
湿度の降下
結露が保護空間内に生じにくいようにわずかな与圧を
もたらします。
また、箱内の水蒸気の外気への排出を促進します。
結露
防止器
乾燥空気
図2
3
結露
防止器
乾燥空気
外気の水蒸気圧を用いた与圧
株式会社 九州山光社
FAQ 2009/01/26
電気機器の故障や障害の原因に腐食やさびが知られています。
保護対象物の収容される空間を下図と表1を参照して圧力検査を行って下さい。
対象物の箱は、設置環境や設置期間によって、それぞれ閉鎖状態が異なります。圧力計の針が
動かない場合、パッキングやコーキング材で閉鎖施工をして下さい。
機器の重要度などを考慮して検査基準をお決め下さい。
下記に、結露防止器を使用した保護事例の箱の、気密性テスターによる検査結果事例を記載
しましたので、参考として下さい。
さびが
進む環境
水分
2) 常時高湿度以外の他の事例では、一般の
外気中への設定などの場合には、15秒以内に
圧力が0に降下しないこと。
水分
3) 通常の端子箱や、重要性の低い計器の表面
汚損保護には、圧力計の針が約2 kPaまで
振れる程度で使用し、表面汚損予防を重視
する。
水分
水分の存在確率
なお、箱の閉鎖性については、弊社は一切責任を
負いかねますのでご了承下さい。
4
水蒸気、ミスト、
火山灰、塩分、
花粉、ほこり、
など
表面汚損予防
さびが
進む環境
さびの
原因物質
防食 防さび
さびが
進む環境
防食 防さび
1) トンネル内などの外気側の環境が常時高湿度
である場合は、箱内に外気からの水蒸気の
常時侵入する場合への考慮が必要で、また、
保護対象の機能維持を重視しなければなら
ないケースも多いため、パッキン等の劣化も
考慮して、約100 cm 水柱(約10 kPa:約3倍
の安全率を考慮)まで専用の気密性テスター
にて与圧できることと、または15秒以内に
圧力が0に降下しないこと。
さびの
原因物質
水蒸気、ミスト、
火山灰、塩分、
花粉、ほこり、
など
さびの
原因物質
水蒸気、ミスト、
火山灰、塩分、
花粉、ほこり、
など
閉鎖性
結露防止器
気密性テスター
結露による
水の発生を予防
箱の気密性を確保し
異物の侵入を阻止
株式会社 九州山光社
FAQ 2009/01/26
【 粘土による扉の立て付けの確認 】
1)
箱の水の返し部分の角、各辺の中心に(図の破線
の部分)直径が約1 cm 程度の粘土をつけます。
2) 箱の扉を閉めます。再度閉まっているかを確認
して下さい。
3) 箱の扉を開けます。
4) 下記の蝶番写真(左上)のように、粘土が押し
潰されていれば閉鎖が出来ています。しかし、
反対側(右)では、粘土に厚みがあり、箱と扉には
隙間があることがわかります。
へりがなだらかである。
パッキングが十分に当たっている。
へりがなだらかになっていない。
パッキングが十分に当たっていない。
断面図
断面図
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株式会社 九州山光社
FAQ 2009/01/26
【 気密性試験の流れ 】
本説明書は「気密性テスターによる電気箱等の閉鎖性(気密性)の確認」の試験方法を示す
ものです。
気密性テスターによる電気箱等の閉鎖性(気密性)の確認
基準値を満足
基準値に未達
粘土による扉の立て付け確認、扉にパッキング、通線口にコーキング材
気密性テスターによる電気箱等の閉鎖性(気密性)の確認
基準値を満足
基準値に未達
施工不十分
ヘリウムによる漏えい位置特定での確認
リーク点の施工
気密性テスターによる閉鎖の確認
基準値を満足
基準値に未達
施工不十分
粘土による扉の立て付け確認、扉にパッキング、通線口にコーキング材
結露防止器の取付
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株式会社 九州山光社
FAQ 2009/01/26
よくいただく質問
1) Dew Protecter(R)結露防止器は,どうして結露予防ができるのですか?
1回答)
結露防止器の正しい使用の結果,箱内部には微弱な除湿機能に加えて,弱い正圧が生じ,
この結果,結露を予防する効果が得られます。
Dew Protecter(R)結露防止器には,微弱な除湿機能があり,また,周囲の温度変化によって発生する,
箱内部の空気の膨張や収縮による箱内部の空気の呼吸現象を活用して,箱内部を結露から予防する装置で
す。
湿度調整過程で,外気の湿り空気の箱内部への侵入を予防するとともに,外気方向への湿り空気の排出
を促進する機能があります。また,結露防止器は,反加湿装置として機能する結果として,除湿機能が得
られる装置です。そこで,この経過で,除湿された結果として,ほぼ除湿した水蒸気圧に相当する微弱な
圧力で,箱内部は弱い正圧が得られ,前述した微弱な除湿機能に加えて,結露を予防する効果が得られる
のです。ある意味では,水蒸気の逆浸透効果を活用した装置です。しかし,この逆浸透現象は,吸気状態
で発生するため,反加湿装置として作用する結果,箱内圧が微弱な与圧を受ける結果,結露予防効果が得
られます。
詳しくは,弊社技術員にお問い合わせください。
2) Dew Protecter(R)結露防止器は,どうして初期設定時に気密性テスターによる,箱が閉鎖
した状態かどうかを確認する気密性テスト(箱や容器の閉鎖状態の確認)が必要なのですか?
2回答)
外気との通気路があるということは,箱内部に,外気からの水蒸気や埃が侵入する経路が存在
するということです。つまり,処理能力を上回る水蒸気の侵入を予防するためにも,また,呼
吸現象を,結露防止器でなるべく行わせて,箱や容器内部の湿度調整を行い,結露予防効果を
得るためにも必要な大前提です。
結露防止器は,呼吸現象を使用して,箱内に外気の高湿度空気が流入することを予防するとともに,箱内
部の高湿度空気の排出を促進する機能があります。
この動作エネルギーは,周囲環境の温度変化を活用しています。
また,除湿機能も微弱な効果ですが持続的に発揮する,複数の透湿膜を使用して,その両境界面が面する
分圧差を活用し,反加湿装置として機能する結果として,除湿効果が得られます。
この機能は,微弱ですが,持続性が高く,周囲温度の変化を活用するので,外部電源が得られない場所
でも,簡便な密閉機構を持つ箱や容器で使用可能です。(容積制限は原則として,500リットルを上限
とします。)
このご説明は,よくバスタブ(お風呂桶)を用いて説明しています。
電気箱など,箱の内外を貫通する孔や通気路は,この例では,給水経路に相当することになり,外気の
水蒸気が直接的に箱内に侵入してくることを前提とした構造とお考えください。
バスタブに収容する水が湿り空気と仮定した場合,排水口が結露防止器に相当するものと仮定します。バ
スタブに水を満たし,排水させると水位は下降します。
ところで,給水をこのバスタブに行った場合には,排水量を下回る給水では水位は下降しますが,一方,
排水量を上回る給水では水位は上昇します。
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株式会社 九州山光社
FAQ 2009/01/26
3) 呼吸現象とはなんですか?
3回答)
温度の上下動の変化による,箱の内部の空気の,温度上昇に伴う膨張と,温度下降に伴う収縮
による,空気の出入りを,呼吸現象と呼びます。
電気箱や機器収容箱では,一見閉鎖したつもりでも,呼吸現象によって,外気中の水蒸気や塵埃(埃)
などが,機器の収容スペースに侵入し,表面汚損を生じます。温度の上下動は,地球の自転に伴って,ほ
ぼ周期的に発生しています。
結露防止器では,湿り空気の通し易さや,空気の通過速度差の異なる,複数の透湿膜を活用して調整
しますので,呼吸現象がなるべく結露防止器で行われるようにする必要があります。電気箱では,厳密な
気密機構を設定することは,非常に困難な場合が多いので,結露防止器では,このような,ラフな気密性
に対応して,湿度調整機構が効果を発揮することができるように,多くの工夫が行われています。
しかし,外気との通気路を並存させている状態は,外気の湿り空気や埃などの侵入路を許容する構造
として,そもそも湿度調整の対象空間ではない空間として,Dew Protecter(R)結露防止器では考えなけ
ればならない状態と考えてください。
基本的設計時に,結露や塵埃などからの保護指針を明らかにして,ご検討いただきますようお願いい
たします。
箱
温度上昇
圧力上昇
空気や水蒸気
箱
温度降下
除湿
圧力降下+水蒸気圧
による微与圧
空気や水蒸気
結露予防
:結露防止器
4) メンテナンスフリーは,どの程度有効ですか?
4回答)
都市圏の屋上に設置した,屋外試験の結果では,10年以上経過した後も,機能が保たれていた
ことを検証済みです。
しかし,水をはじく性質(撥水性)を活用して,湿り空気の箱内侵入を予防しておりますの
で,逆に空気中に浮遊する多量の油成分によって,機能上の悪影響を受ける場合があることを
確認しております。
結露防止器は,呼吸現象の結果として設定する,人工的な箱と外気の通気経路です。そこで,呼気(排
気)の後の呼気(吸気)時には,外気中に含まれる埃や油など空気の汚濁度にも影響を受けることが考え
られます。
しかし,静電気などの対策を結露防止器の通気経路に工夫していますので,なるべく埃などの空気中の
汚濁成分の悪影響を受けない構造になっています。
水をはじく性質(撥水性)を活用して,湿り空気の箱内侵入を予防しておりますので,逆に空気中に浮
遊する多量の油成分によって,機能上の悪影響を受ける場合があることを確認しております。
ですが,このような成分も,直接調理の換気扇の近傍に敷設されるような場合であれば,極端に機能の減
弱が現れることが考えられます。そのような設定環境(敷設環境)でなければ,前記の屋外試験の結果で
も,重油などの排気ガスなどの成分が認められる空気環境で試験が行われたこともお伝えしたい結果です。
詳しくは,弊社技術員までお問い合わせください。(英文測定結果ありIEEJ)
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株式会社 九州山光社
FAQ 2009/01/26
5) メンテナンスの期間はどのように考えたらよいですか?
5回答)
最下方のメッシュ部の色調が,緑色や黒色に変色した場合には,交換の時期です。これは,
高所設置などに準備した機構です。
呼吸経路への通気性の減弱は,主として結露防止器によるよりも,経験的に,箱や容器のシ
ール特性に影響を強く受けやすいことがわかっておりますので,定期点検などの際は,箱や容
器のシール特性の劣化について,気密性テスターを活用して点検してください。
都市圏の屋上に設置した,屋外試験の結果では,10年以上経過した後も,機能が保たれていたことを検
証済みです。
結露防止器の屋外試験の経過では,箱の気密性に影響するパッキンについては,交換を行いました。
呼吸現象の結果,湿度調整や結露予防を発揮する装置であるために,外気の空気汚濁度に影響を受けるこ
とが予測されます。
最下方のメッシュ部の色調が,緑色や黒色に変色した場合には,交換の時期ですので早めに交換してく
ださい。また,この際,箱や容器のシールについても,十分な点検や交換も必要になりますので,ご注意
ください。通常は扉パッキンなどを点検してください。推奨のパッキンなども準備しておりますので,詳
しくは,技術員までお問い合わせください。
6) Dew Protecter(R)結露防止器は,排水機能があるそうですが,一度排水が生じたら交換しな
ければならないのですか?
6回答)
排水が生じても,排水機構部の装置内部のエアーフィルタは,外気中の塵埃の箱内侵入を予
防しますが,なるべく早い時期の交換をお勧めします。
基本的に,結露防止器は,水蒸気ガスの移動制御を行う装置です。排水機構の作動による排
水は,箱や箱などの接続先からの多量の水蒸気の流入や,箱のシールやテーピングなどの劣化
を意味しますので,これらの交換も必要となります。
電気機器を収容する箱や容器のシールやパッキング・パテなどは,経年的に劣化します。この結果,予
測しなかったような外気との通気路が発生してしまう場合もあるわけです。結露防止器では,長期メンテ
ナンスフリーを目標として,機器の保護を行うために使用する場合が多いので,このような対策にも準備
を行っています。すなわち,電気機器を収容する箱や容器のシール性の劣化が原因となる,大きな外気側
からの水蒸気の侵入に備えた装置が,異常時排水機構です。そこで,異常時排水機構は,常時作動してい
るわけでは無く,あくまでも,収容箱や容器側に問題が発生した場合のフェールセーフ機構です。
原則として,排水機構は,水溶性物質を使用して, 外気が高湿度の場合でもシールされています。排水
機構は,結露防止器の通気経路の外気中の汚濁物質などによる目詰まりの結果生じることが予測される機
能不全や,箱や容器のシール破壊による直接的な水の浸入や多量の水蒸気の箱内への侵入の結果,電気箱
では生じては困る水の箱内貯留を防止する機構として設定した機構です。
そこで,排水が生じた状況では,特に,箱や容器のシール破壊による影響を主に点検してください。
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株式会社 九州山光社
FAQ 2009/01/26
7) 膜を使用した除湿膜がありますが,どこが違うのですか?
7回答)
Dew Protecter(R)結露防止器では,透湿性や空気の通し易さの異なる複数の透湿膜を用い
て,外気が高湿度になっているとき,または,温度の上昇経過には,外気の水蒸気のエネルギ
ーを使用して,箱内の湿り空気の箱外への排出を促進するとともに,外気の高湿度空気の箱内
侵入を予防し,同時に箱内部に微弱な与圧を行い結露予防も行います。また,フェイルセーフ
の排水機構や,難燃性仕様 (結露防止器 難燃仕様 Dew Protecter® Fret のみ)の機能も持ち
ます。
単一の透湿膜では,通気はできますが,移動遅れが発生するだけで,除湿効果は得られませ
ん。
単一の膜を使用した,透湿膜を活用した除湿膜では,分界する二つの空間の濃度が等しくなるまで移動
が継続します。この移動の遅れは,移動抵抗として考えることができますが,外気が持続的な高湿度に曝
された測定事例では,単一の膜では,次第に外気湿り空気は,箱内に移動遅れとして発現します。
Dew Protecter(R)結露防止器では,透湿性や空気の通し易さの異なる複数の透湿膜を用いて,外気が
高湿度になっているとき,または,温度の上昇経過には,外気の水蒸気のエネルギーを使用して,箱内の
湿り空気の箱外への排出を促進するとともに,外気の高湿度空気の箱内侵入を予防します。また,保護空
間内部に微弱な与圧を生じ結露予防も行います。
単一の膜では,このような分圧調整能力は微小なので,結露予防効果は弱く,また,ラフな気密性しか
確保しにくい電気箱では,透湿量を抑制するために微小な通気孔を持つ単一膜の適用は困難です。また,
単一膜の除湿膜では,異常時排水機構を備えていませんので,異常時に排水することもできません。
8) 防爆性機器として使用することはできますか?
8回答)
結露防止器の通気路は,1μmから3μmの多孔質膜から構成されています。決して引火性ガ
スの雰囲気の環境では,使用しないでください。
結露防止器は,箱や容器内部と外気側との間に,1μmから3μmの孔径の通気経路がありますので,
原則として,防爆性が要求される場合には,ご使用にならないでください。
また,外気中の引火性ガスが,呼吸現象の結果,箱や容器内に侵入する場合がありますので,引火性ガ
スの雰囲気の環境では,使用しないでください。
箱
:結露防止器
:可燃性ガス
:爆発のおそれあり
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株式会社 九州山光社
FAQ 2009/01/26
9) Dew Protecter(R)結露防止器の,動作機構について説明してください?
9回答)
結露防止器では,通気路に水蒸気や空気の通し安さが異なる3種類の膜を使用しています。
これらの3種類の膜は,隣り合わせの空間からの,水蒸気圧や空気圧・温度などの影響を受け
ますが,水蒸気が外気に排出しやすく,かつ結露から予防するために箱方向への水蒸気の移動
を抑制するようになっています。
結露防止器内には,3種類の透湿膜を使用しています。
これらの膜は,2つの小室を形成するように通気路を構成し,エネルギー交換の熱回路では直列に配列
されています。
従って,一つの空間で発生した圧力変化や温度変化は,同時に臨在する空間にも影響をおよぼします。
これらの膜の透湿性や通気性は,異なります。また,吸湿性はP1(最外気側)では高くP2,P3では
小さく設定しています。
この結果,移動特性の箱から外気と,外気から箱方向への,移動特性の差が現れます。
一般に,物質移動には,熱の移動が伴いますが,仕事量が小さな移動手段を選びます。
この結果,一定容積である箱や外気から小室への移動では,仕事量の発生が必要になります。一方,箱内
部が外気よりも水蒸気圧が高い場合には,外気への移動を妨げない工夫があれば外気方向への移動が生じ
ます。それでは,模式図を使用して,ご説明いたします。
[a. 箱内部から外気方向への移動
箱内部95%RH 外気65%RHの場合]
箱内部から外気方向に向けて,水蒸気の通し安さは小さく絞られています。
そこで,P3→P2→P1と通過するに従って,次第に水蒸気の密度が高くなるので,移動に従って発生
する水蒸気の持つ熱エネルギーのロスが補われ,移動は促進されます。
[b. 外気方向から箱内部への移動
外気95%RH 箱内部65%RHの場合]
外気から箱内部方向に向けて,水蒸気の通し安さは大きくなります。
そこで,P1→P2→P3と通過するに従って,次第に水蒸気の密度は小さくなるので,移動に従って発
生する水蒸気の持つ熱エネルギーのロスが大きくなり,箱方向への移動では水蒸気の圧が等しくなるよう
になろうとする力にブレーキがかかることになり,箱方向への移動速度が遅くなります。
さらに移動最外気側に配置されるP1では,水蒸気の吸着が発生しやすい透湿膜が使用されます。
そこで,ベクトルP1⇒P2が発生します。しかし,P1→P2の経過にともなって,
P2→P3の圧力変動も発生します。
ところで,水蒸気の通し安さは,P1→P3の経過では,P1<P3,P3<P2なので,結果的に,P1
を通過した水蒸気の移動に随伴した空気が,P2⇒P3を通過して箱内部に侵入します。この結果,箱内部
が微弱な与圧を受けます。
何故ならば,使用している透湿膜は,空気にも移動抵抗を与えますが,水蒸気にたいする移動抵抗量が大き
な膜であるためです。
すなわち,結露防止器は,外気側に存在する水蒸気圧を活用して,保護空間内の水蒸気の結露予防を行うこ
とになります。
これらの経過は,膜の水蒸気の時間経過に伴う移動特性の差を活用したものです。
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株式会社 九州山光社
FAQ 2009/01/26
模式図
b.外気から箱方向
a.箱から外気への拡散
BOX
BOX
P3
P3
内側小室
P2
P1
P2
外側小室
P1
水蒸気の
透過圧比
Dew Protecter(R)
結露防止器
単一の膜を使用した,透湿膜を活用した除湿膜では,分界する二つの空間の濃度が等しくなるまで移動
が継続します。この移動の遅れは,移動抵抗として考えることができますが,外気が持続的な高湿度に曝
された測定事例では,単一の膜では,次第に外気湿り空気は,箱内に移動遅れとして大きく発現します。
Dew Protecter(R)結露防止器では,透湿性や空気の通し易さの異なる複数の透湿膜を用いて,外気が高湿度
になっているとき,または,温度の上昇経過には,外気の水蒸気のエネルギーを使用して,箱内の湿り空気
の箱外への排出を促進するとともに,外気の高湿度空気の箱内侵入を予防します。
結露防止器は,呼吸現象を使用して,箱内に外気の高湿度空気が流入することを予防するとともに,箱内部
の高湿度空気の排出を促進する機能があります。
この動作エネルギーは,周囲環境の温度変化を活用しています。
また,除湿機能も微弱な効果ですが持続的に発揮する,複数の透湿膜を使用して,その両境界面が面する
分圧差を活用し,反加湿装置として機能する結果として,除湿効果が得られます。ある意味では,Dew
Protecter(R)結露防止器は,水蒸気版のノイズフィルターとしての機能によって,湿度調整をする装置と
いうこともできますが,単純なノイズフィルターのみの機能ではなく,弱い除湿機能をも持つ装置である点
が異なります。
結露防止器の除湿機能は,微弱ですが,持続性が高く,周囲温度の変化を活用するので,外部電源が得ら
れない場所でも,簡便な密閉機構を持つ箱や容器で使用可能です。(容積制限は原則として,500リット
ルを上限とします。)
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株式会社 九州山光社
FAQ 2009/01/26
10) 今迄に,電源を不要とする湿度調整システムは無かったと聞きましたが,Dew Protecter(R)
結露防止器は電源を使用しないということですが本当ですか?
10回答)
本当です。結露防止器では,水蒸気の拡散速度差や水蒸気分圧を利用し,また,周囲環境の
温度変化に伴う呼吸現象も活用して結露予防を行います。
従来は,外気に水抜き穴を通じて,開放された,機械的外力からの保護箱として使用されていた電気箱
が現状でした。
この点が,特に屋外設定の電気箱で,特に問題になることが多く,従来は対策のための方法として,電源
不要なシステムは皆無でした。
ところで,結露防止器は,非常用電源などが得られない場所でも,周囲の温度変化を活用し,呼吸現象を
使用して,箱内に外気の高湿度空気が流入することを予防するとともに,箱内部の高湿度空気の排出を促
進する機能があります。
この動作エネルギーは,周囲環境の温度変化を活用していますので,設定のための規定の気密性テスト
(箱や容器の閉鎖状態の確認)が必要です。
11) 塩害地区で使用できますか?
11回答)
使用できます。
実施例では,海岸から約300m以内での使用例があります。
機能的には,塩分など海水中に含まれる電解質成分の空気中の分布量が問題になるものと考えられま
すが,Dew Protecter(R)結露防止器では,水蒸気のまま,湿度調整や結露予防を行いますので,基本
的な物性構造として,塩害に強い機構を備えています。
具体的な適用箇所につきましては,弊社技術員にお問い合わせください。
12) 0℃以下で使用できますか?
12回答)
使用できます。(使用温度範囲 ‒ 15 ∼ 45 ℃)
機能的には,結露予防システムを構成する,通気経路では,水蒸気のまま移動調整が行われます。そ
こで,塩分など海水中に含まれる電解質成分の空気中の分布量や,膜の汚濁状況などが影響するものと
考えられます。
Dew Protecter(R)結露防止器では,水蒸気のまま,湿度調整や結露予防を行いますので,基本的な物
性構造として,0℃以下でも十分に強い機構を備えていると考えることができます。
試験室では-15℃での安全動作を確認しておりますが,排水機構は,外気が0℃以下の環境では動
作しないことをお断りいたします。
そこで,万が一,パッキンなどの著しい損傷や箱の閉鎖機構の損壊があり,水が箱内に侵入してしま
っているときに,外気が0℃以下にあれば,排水は外気が0℃以上になってから発生することが考え
られます。
具体的な適用箇所につきましては,弊社技術員にお問い合わせください。
13
株式会社 九州山光社
FAQ 2009/01/26
13) 振動する機器に使用したいのですが,使用できますか?
13回答)
使用できますが,結露防止器本体の脱落を予防するための対策が必要です。
振動による脱落予防の,スプリングワッシャを準備しています。
結露予防などの機能には,振動は影響しない構造です。しかし,箱側固定ナットの緩みによる脱落の
危険性予防の目的で,高所作業用振動対策用兼用の,ナットの逆緩み防止スプリングワッシャを準備し
ています。
このスプリングワッシャを箱内側から,結露防止器の上部ネジ構造にはめて, 箱側固定ナットを締
めると,箱とナットのロックが行われ結露防止器本体と箱の緊張を保ち,脱落を予防し, かつ排水経路
を維持します。このナットロックスプリングワッシャをご使用される場合には,結露防止器本体のパッ
キンも特殊な仕様になります。
必ず,弊社指定のスプリングワッシャをご使用ください。弊社指定のロックスプリングワッシャは,
排水機構を妨げません。
ご使用条件や環境について,弊社技術員までご相談ください。
箱
箱
:結露防止器
:スプリングワッシャ−
14) 腐食性ガスが漂う環境で,例えば温泉のような硫化ガスなどが多く含まれる環境で使用でき
ますか?
14回答)
オプションで,メッシュ部の耐食性を向上させた仕様として,適用可能です。
結露防止器の最外側のメッシュは,主に交換時期を明らかにする目的で変色いたしますので、銅製メ
ッシュがデフォルトです。
硫化ガスなどは,ガス自体が腐食性を持ちますが,腐蝕反応には,水分が関与することが知られてい
ますので,結露防止器でプロテクトされた箱内は,使用しないで外気に開放状態または近似した直接的
な通気路を有する状態よりも腐蝕速度が遅くなることが予測されます。
ただし,最外側のメッシュを,硫化ガスなどが高濃度で検出されたり,イオウ臭がするような環境で
使用する場合には,耐蝕性メッシュを使用する必要がありますので,最外側メッシュなどを,オーダー
メードで対応することも含めて,技術員にご相談ください。
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株式会社 九州山光社
FAQ 2009/01/26
15) 粉塵などの影響はどうですか?
15回答)
結露防止器では,通気路にたいして,目詰まりが生じにくい工夫を行っています。
屋外試験例では,10年間以上メンテナンスフリーの実績があります。
結露防止器の劣化よりも,箱やパッキン・コーキング・パテなどの劣化の方が早く発生することが,
経験的にわかっています。そこで,結露防止器の屋外試験の経過では,箱の気密性に影響するパッキン
については,交換を行いました。呼吸経路への通気性の減弱は,主として結露防止器によるよりも,経
験的に,箱や容器のシール特性に影響を強く受けやすいことがわかっておりますので,定期点検などの
際は,箱や容器のシール特性の劣化について,気密性テスターを活用して点検してください。
呼吸現象の結果,湿度調整や結露予防を発揮する装置であるために,外気の空気汚濁度に影響を受け
ることが予測されます。
最下方のメッシュ部の色調が,緑色や黒色に変色した場合には,交換の時期ですので早めに交換して
ください。また,この際,箱や容器のシールについても,十分な点検や交換も必要になりますので,ご
注意ください。
また,微細な火山灰などが目詰まりするような場合も考えられますが,このような状況下で,結露防
止器の通気路を構成する膜が早期に目詰まりを生じることも考えられます。しかし,異常時排水機構は,
強力に収容箱内部を外部塵埃からガードするとともに,収容箱内部の表面汚損のエアーフィルタリング
機構として,通気路に設けられた膜機構が作用します。
空気の汚濁性状で,最も警戒しなければならないのは,オイルミストです。前記の屋外試験でも,大
容量エアーサンプリングを行い確認しましたところ,市街地での試験でしたので,かなりの鉱物油が検
出されましたが,10年間以上のメンテナンスフリーという結果を得ました。
最悪の状態である,膜自体の目詰まりによる機能不全が生じた場合でも,異常時排水機構があり安全
です。
16) 強い風力下で使用できますか。また吹き上げなどがある場合にも正常に機能するのですか?
16回答)
電柱での使用事例などでは,使用に問題はありません。
ただし,ビル風などの特殊な場所で,最下端部に強い(5m/sec以上)の風が常時吹き付ける
ような場所では使用しないでください。
最外側のメッシュ部に,強い風が常時吹き付けるような場所では,使用しないでください。呼吸現象
が,温度の局所的な変化によって,周期的温度変化が乱されるおそれがあります。
しかし,電柱での使用事例では,問題は全く発生しておりません。
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株式会社 九州山光社
FAQ 2009/01/26
17) 冠水した場合にはどのようになります?
17回答)
結露防止器付き電気箱が,冠水した場合には,結露防止器の異常時排水機構から,水が箱
内に浸入します。
冠水することが,事前にわかっている場合には,排水機構を除去した特殊仕様の結露防止
器も準備しておりますので,弊社技術員にご相談ください。
結露防止器を使用しない場合,箱側の気密性に依存して,箱が冠水したときに箱外の水が箱内に浸入
する可能性があります。また,一旦冠水すると,膜部の著しい表面汚損が原因となり,湿度調整能力が
低下する可能性もあります。
冠水時の水の箱外から箱内方向への侵入は,箱の気密性や冠水した深度に従って,Dew Protecter(R)
結露防止器の排水機構から逆流する可能性がありますが,冠水時に箱側から空気が抜けると,この侵入
は助長される可能性があります。
しかし,異常時排水機構は,外気側から見て,最深部に位置するように設計しておりますので,この
速度は箱側自体の気密性破壊に依存して発生しやすいことが考えられます。
冠水と乾燥を反復することが予測される場合には,異常時排水機構として設定している排水器を外す
ことも可能です。詳しくは弊社技術員までご相談ください。
18) 装着する予定の箱が,プラスチック製です。Dew Protecter(R)結露防止器は,使用できる
でしょうか?
18回答)
電気箱や容器の熱的変化速度を考慮して,結露防止器には,金属箱用とプラスチック箱用
の二種類を準備しております。
金属箱用結露防止器をプラスチック箱に使用できます。
詳しくは,弊社技術員にご相談ください。
Dew Protecter(R)には,金属箱用とプラスチック箱用の二種類があります。
プラスチック製箱や,断熱材入りラミネート板製箱では,保温性が箱の温度変化の特性には違いがあ
ります。
著しい場合には,金属製箱とプラスチック製箱では,箱内部と外気との熱量関係が逆転している場合
があります。二種類の箱用の結露防止器は,この相違点を考慮して設計したものです。
おことわり: 金属箱用結露防止器をプラスチック製箱や保温性ラミネート板製箱に使用することは
できます。
逆に,プラスチック箱用結露防止器を,金属製箱には使用しないでください。箱内安定湿度が高めに
なり,結露予防効果が十分に得られないことが予測されますので,プラスチック箱用結露防止器を,金
属製箱には使用しないでください。また,試験的なご試用の際には,試験方法などをご相談ください。
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株式会社 九州山光社
FAQ 2009/01/26
19) 装着する予定の箱に,発熱体を収容します。Dew Protecter(R)結露防止器は,適用できま
すか?
19回答)
気密性排熱装置を併用することで,適用可能です。
発熱するということは,その箱に電源が確保されているということです。
そこで,その電源を使用して気密性排熱装置を駆動してください。
発熱による上限の温度規制があるようでしたら,気密性排熱器(市販品)を併用
ください。
外気との通気による排熱機器や排水口を持つ通気機器は,結露防止器との併用を
行わないで下さい。
詳しくは,http://www.qsan.co.jp ⇒開発技術のご案内
⇒Dew Protecter(R)結露防止器の適用チェックシート をご参照ください。
気密性
排熱装置
発熱体
20) 装着する予定の箱は,発熱体を収容しています。そこで,外気から換気扇で通風する方式を
採用しています。または,気密性を確保するつもりはありません。Dew Protecter(R)結露防
止器は,使用できますか?
20回答)
外気との通気路が,通風という手段で行われている場合,外気中の高濃度水蒸気も,換気
扇で保護空間である電気箱内に侵入します。このとき,急激な温度が発生してしまった場合
には,多量の結露が電気箱内で発生し,表面汚損がおこります。
外気との間で,換気扇などの通気路がある場合には,結露予防装置としての機能は期待す
ることはできません。排水器のみ動作することを,ご了承いただけましたら併用可能です。
原則として,外気との通気による排熱方式では,箱内と外気との空気の流れや,通気装置または外
気に通じる排水経路などの通気路がありますので,結露防止器との併用を行わないでください。
21) 装着する予定の箱は,既にペルチェ型除湿機を用いていますが,Dew Protecter(R) 結露
防止器との併用は可能ですか?
21回答)
ペルチェ型除湿機には,外気との交通路の排水経路がありますので,併用しないでください。
結露防止器では,除湿結果として微弱な正圧性与圧が発生します。
これは,呼吸現象の結果現れ,恒常的に与圧が発生するのではありません。
この原因は,外気が高湿度になり,Dew Protecter(R)結露防止器を装着した箱内に外気の高湿度
空気が入ろうとする経過で,わずかに外気よりも乾燥した空気が結露防止器の通気経路を通じて流入す
る機構を結露防止器がもっているために生じる結果として,微弱な正圧性与圧の結果,箱内の結露は著
明に予防され,また,箱内に錆の発生の危険湿度になりにくい結果が箱の蓋を閉鎖した後に次第に得ら
れます。また,一般的に,錆の発生危険湿度は,相対湿度80%以上といわれています。
一方,密閉空間として閉鎖された空間にたいして,ペルチェ型除湿機を使用した場合には必ず,高湿
度の排水経路が,箱内部と外気との通気路として介在することになりますので,ペルチェ型除湿機と結
露防止器とは併用しないでください。
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株式会社 九州山光社
FAQ 2009/01/26
22) 装着する予定の箱は,既に水を電気分解する方式の除湿装置を用いています。
Dew Protecter(R)結露防止器との併用は可能ですか?
22回答)
水の電気分解を行う形式の除湿装置と,結露防止器との併用はおこなわないでください。
結露防止器では,除湿結果として微弱な正圧性与圧が発生します。
これは,呼吸現象の結果現れ,定常的に常時与圧が発生するのではありません。
水の電気分解方式による除湿装置では,結露防止器が結露防止効果を発揮する正圧状態とは反対に,
箱内は圧力が下降状態になります。
水の電気分解による除湿装置を使用する箱は,一般的には気密性に施工されていますが,この結果,
箱内は除湿された水分の移動による減圧が発生しますので,Dew Protecter(R)結露防止器との併用に
より,結露防止器の機能不全が発生するおそれが高いので,併用しないでください。
23) 装着する予定の箱は,コンプレッサを使用した一般的なエアコンと同様の除湿装置を用いて
います。Dew Protecter(R)結露防止器との併用は可能ですか?
23回答)
コンプレッサ型の,一般的なエアコンでは,ドレン(排水路)が必ず存在しますので,結露
防止器との併用は行わないで下さい。
コンプレッサ型除湿機では,排水経路が,外気との通気路を設定することになるので,結露防止器と
は併用しないでください。
一般的に,コンプレッサ型除湿機などの排水経路からは,水蒸気の蒸発が,箱や容器内に発生し,箱や
容器内に高濃度水蒸気が充満する可能性が考えられますので,排水経路または水貯留タンクなども含め
て,併用しないでください。
24) 装着する予定の箱は,制御用のスイッチや,表示灯などが前面パネルに露出しています。Dew
Protecter(R)結露防止器は使用できますか?
24回答)
通気路が結露防止器のみになるようであれば,表示灯や制御用のスイッチなどが前面パネ
ルに開く箱でも使用可能です。
防水型の表示灯や制御スイッチであれば,通気路にならない場合もありますので,ご確認く
ださい。
一般的に,露出した表示灯やコンソールユニットなどは,スイッチ部や表示灯などの部分で,多くは
気密性が無く,箱内と外気との間の通気路になってしまいます。この結果,重要なスイッチやコンソー
ルユニットなどが早期に外気の水蒸気や埃に曝されて機能異常を生じる原因になる場合が多いことが
わかっています。
そこでどうしても結露対策や埃対策などで,Dew Protecter(R)結露防止器を使用される場合などに
は,操作パネル面を透明ボックス状のカバーなどで保護し,外気との通気路を遮断してください。
また,制御操作などが終わったら,操作パネル面の透明ボックス状のカバーなどを閉めて,なるべく
外気に直接,重要なスイッチやコンソールユニットなどを,外気の水蒸気や埃に曝されないように保護
してください。
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株式会社 九州山光社
FAQ 2009/01/26
25) 装着する予定の箱は,密閉構造が不可能な構造です。Dew Protecter(R)結露防止器の使用
は可能ですか?
25回答)
密閉不可能であれば,結露防止器で保護する以前に,多量の水蒸気や塵埃(埃)が外気か
ら,保護空間である電気箱内に侵入するので,結露防止器による保護策は無効になります。
結露防止器は,簡便な気密性の確保(箱や容器の閉鎖状態の確認)を前提としてご使用ください。
箱や容器の閉鎖状態の確認(気密性確保)が不可能であることが明らかな構造である場合には,使用
しないでください。このような使用では, 窓を開けてエアコンをかけても, エアコンの効果が得られな
いことと同じ状態になります。
26) 装着する予定の箱は,水抜き穴が既に空いています。既設の箱ですが,適用できますか?
26回答)
既設の箱でも,適切な後処置を行えば,適用可能です。しかし,新設の場合に比べると,
既設の箱への適用事例では,多くの場合煩雑です。
気密性確保が不可能であることが明らかな構造である場合には,使用しないでください。
また,気密性テスターによる確認を必ず行ってください。
既設の電気箱では,パッキンやコーキング・パテなどのシールの劣化が著しく発生している場合があ
りますので,これらのシール材の交換も必要になります。
また,既設の箱に,後付けでDew Protecter(R)結露防止器を装着する場合には,パッキンの著しい
劣化,通線部などのテーピングなどの著しい劣化などが既に発生しており,気密性の改修工事さえも困
難な場合が多いことが知られております。特に扉のたてつけへのパッキング,箱の構造的な板と板のス
ポット溶接接合部のスリット状の隙間などにも注意して気密性施工を行ってください。
また,気密性テスターによる初期テストを必ず注意深く実施の上,ご使用ください。また,気密性施
工については,お客様の裁量に依ることをご了承の上,ご使用ください。また, 箱のパッキングやシー
ルなどの気密性機構に影響する機構の劣化などは責任外とします。
27) 装着する予定の箱は,気密機構になっていると思います。いくら気密性に施工しても,どこ
から気密性が得られないのかわかりません。どうしたら,気密性の漏洩箇所がわかりますか?
27回答)
ヘリウムガスとヘリウムガスディテクターを用いる方法で,リーク箇所の特定方法を準備し
ています。
また,多くの場合,扉のたてつけ不良が大きな気密性障害となっている場合があります。
粘土などを用いて,扉のたてつけやパッキングのあたり具合をご確認ください。
また,両開きの扉では,気密性確保が困難です。扉は1枚扉で設計ください。
気密性テスターのオプションとして,ハンドポンプの端に,ヘリウムガスボンベを接続するためのア
ダプターを準備しております。
このアダプターを,気密性テスターの,ハンドポンプの端の吸気口に嵌め込んで,ヘリウムガスを箱
側に減圧弁を使用して気密性テスターへ送り,ヘリウムガスディテクターを使用して,漏洩箇所を特定
します。
このとき,直接ヘリウムガスボンベを,電気箱に接続すると,過剰な与圧を行ってパッキンなどを損
傷させないようにしてください。
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株式会社 九州山光社
FAQ 2009/01/26
直接気密性テスター附属のエアバック接続することなしに電気箱に接続しないでください。電気箱側
の,その他のシール部などの,箱内与圧による不要な破損を回避する目的で,気密性テスターのエアバ
ックや圧力ゲージを介在させて漏洩箇所を特定してください。
ヘリウムガスなどの使用の際は,酸欠事故のおそれがありますので,換気に注意して検査を行ってく
ださい。
28) 装着する予定の箱は,扉または蓋が両開き(観音開き)の構造です。Dew Protecter(R)結
露防止器を適用できますか?
28回答)
両開き(観音開き)の箱では,扉部の気密性確保が困難ですので,片開きの箱にご使用く
ださい。
両開きの箱では,扉や蓋は気密性構造には改修工事をしにくい構造です。
可能ならば,1枚ものの扉または蓋に,設計または改修を行ってください。
両開きの扉では,扉どうしの嵌めあいの部分が,大きな外気との通気路として存在します。
両開き(観音開き)の扉どうしの嵌めあいの部分には,簡便な改修は不可能ですので,両開きの箱には
適用しないでください。
29) 通線部のシールはどのように施工すればよいでしょうか?
29回答)
防水性パテや,シリコンコーキング,融着テープなどを使用して,通常の施工方法を用い
て施工してください。
一般的なシール施工方法では,特に通線部,線と線の間に残りやすい,つつみ形の隙間を,確実にシ
ールするように注意して施工してください。詳しくは,8Pパンフレットの4Pのポイント切り替えス
イッチボックスの,施工例写真を参照ください。
従来の,防水型の箱は,一見して気密性の箱のように見える場合が多いので,注意して気密性テスト
を実施し,施工してください。
封鎖
通線部
パテで隙間を封鎖
テーピングと
コーキング材等で隙間を閉鎖
30) 箱のパッキンはどのようなものを選択したらよいでしょうか?
30回答)
一般的な,耐候性の良い,パッキンやシール材・パテなどをご使用ください。
結露防止器の使用のためには,通常のパッキンでよく、特殊な種類のパッキンを、特に選択する必要
はありません。
弊社では,耐候性や経年劣化などに配慮した,改修用の推奨品を販売しております。
弊社技術員に,ご使用条件などをご連絡いただきますようお願いいたします。
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株式会社 九州山光社
FAQ 2009/01/26
31) 箱が閉鎖した状態にするための閉鎖性施工(箱や容器の閉鎖状態の確認)の注意点について,
説明してください?
31回答)
必ず,指定の気密性テスターを用いて,箱の閉鎖性の確認を行ってください。
通常仕様の防滴型電気箱を使用するにあたって,下記の注意点を考慮してください。
簡便な気密性テスターを使用して,箱の閉鎖状態を確認しない場合には,外気と箱との通気路が存在す
る状態で結露防止器を使用する場合があります。この結果,外気の高湿度空気(ミスト(霧状の微小水滴)
など)が箱に容易に侵入して,結露予防効果が妨げられますので,下記の注意点についてご配慮くださ
い。
31−1)防水性の扉レバーまたは,ラッチの使用は,推奨される閉鎖具です。特に,ラッチは扉の
貫通構造が無く,扉の良好な閉鎖が期待できます。
31−2)通常使用されている,耐候性の高いシールテープやパテ,シリコンコーキング材などを使
用して,通線導入部のシールを行ってください。
特に通線孔の中の,線と線の間の隙間については,8Pパンフレットの4Pの左下写真のように,慎重
にシールしてください。
また,その他の水抜き穴やスリット通気孔などがあれば,外気との通気路になりますので,耐候性を
考慮して確実に封鎖してください。
31−3)箱の製作時に,スポット溶接により組み立てられた箱では,スリット状の隙間が,箱に存
在する場合があります。そのような箱内と外気の通気路になるスリット状の隙間の封鎖には,塗料の
使用は有効な方法です。
31−4)扉には単一のものを使用してください。両開き(観音開き)の扉では,両方の扉の合わさ
る中央部の気密性確保が困難です。
31−5)蝶番部の設計の見直しか,もしくはパッキングの厚みの変更が基本的な扉の閉鎖方法の改
善策です。
その他,防滴型の箱の水の返しの扉に面した面にパッキングを付与し,相対する扉の水の返しに対応
する面にもパッキングを付与することによって,気密性に問題のある,たてつけ不良になりやすい防
滴箱の扉部の気密性を,容易に確保することができます。(この事例として,パンフレットの3Pの左
手中央部の写真に,ポイント切り替えスイッチボックスへの適用事例を示します。)
31−6)防滴型の箱でも,扉部のパッキンは付与されているけれども,扉のたてつけ(扉と箱との
密着構造)は確保されていない場合が,経験的に非常に多いことが知られています。
特に,扉の蝶番側のパッキンは扉の閉鎖に伴って圧縮を受けるように封鎖が行われるために,扉の開
閉時の抵抗感のみでは,扉が4辺(蝶番側,上下の辺,開閉具側の辺(扉の横開閉方向の場合))で
箱に密着しているかどうかを確認することが困難で,多くの場合,扉の開閉時に抵抗感が得られると
いうことを理由に,扉の開閉部のパッキンの密着状態の確認が,見落とされている場合が多いことが
知られています。
この場合,大きな外気との通気路が,扉の開閉部の特に開閉具(レバー等)側に,縦方向(扉の開閉
が横開きの場合)に開いたままの状態になっています。
この状態のままでは,外気から多量のミスト(霧状の微小水滴)が箱内に侵入することを許す構造とな
ってしまいますので,扉の開閉部には特に注意をはらっていただきますようお願いいたします。
扉部のたてつけの確認は,気密性テスターを使用する前に行ってください。
また,扉の閉鎖性の評価は,粘土などを扉の閉鎖パッキン部などに付着させて
一旦扉を閉めると,扉と箱側への密着状態を簡単に確認することができます。この方法で扉の密着
状態(たてつけ)を確認された後に,検査に用いた粘土などは完全に除去し,粘土の仮着面などの,
パッキン部を清拭してください。
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株式会社 九州山光社
FAQ 2009/01/26
31−7)気密性テストは,コーキング材の硬化などに配慮して,気密施工が完了してから実施して
下さい。シール材などの未硬化状態で,気密性テストを行わないで下さい。
32) 箱の開閉具は,どのようなものを使用したらよいでしょうか?
32回答)
一般的な,防水型の開閉具をご使用ください。外部ラッチ(パッチン)は最適です。
扉を貫通した構造の,扉の開閉具(ノブや埋め込み型)の場合,防水型では,内部にパッキンが設定
されており,箱内と外気との通気路を遮断する構造になっています。可能であれば,防水性ノブよりも,
外部ラッチ(パッチン)による開閉具もご検討ください。
防水型ではない,一般的なレバーでは,扉の貫通部にパッキンが装着されておらず,外気との通気路
が,レバーの軸受けとレバーの軸の間に存在します。
発見も比較的困難な場合がありますが,防水型レバーでは,レバーを回転するときに,抵抗感があり
ますので,識別できます。
33) 気密性テスターの使用には,電源は使用しないのですか?
33回答)
ハンドポンプを使用する形式ですので,電源は不要です。
気密性の確認と,リーク箇所の確認の両者に用いることができます。
容積が比較的大きな場合(250リットル以上など)では,ハンドポンプの与圧結果が得
られるまでのポンピングがたいへんなので,比較的大きな容積の箱ほど,たてつけに歪みが
多くエアーリークの可能性も高いので,リーク箇所の特定も兼ねて,ヘリウムボンベによる
与圧を推奨します。
必要になる場合が使用対象の箱が,500リットルまたは1.5トンのような大容量の検査の場合,
ハンドポンプでの与圧はほぼ不可能です。
この場合には,ヘリウムガスによる与圧を行う必要があります。
多くの場合,箱の容積が大きくなればなるほど,扉や蓋のたてつけや,通線機構,パネル部やのぞき
窓,など多数のリーク箇所が発見されることも多くなりますので,ヘリウムディテクター等を使用して,
漏洩箇所を特定し,十分なシール対策の後,再度,気密性テストを実施の上,Dew Protecter(R)結露
防止器をご使用ください。
ヘリウムガスなどの使用の際は,酸欠事故のおそれがありますので,換気に注意して検査を行ってく
ださい。
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株式会社 九州山光社
FAQ 2009/01/26
34) 装着する予定の箱は,500リットルを上回る容積です。Dew Protecter(R)結露防止器を
適用したいのですが,適用できますか?
34回答)
適用可能ですが,容積が大きくなればなるほど,通線箇所や,扉のたてつけ,排熱などの
課題が多くなります。
適切な気密性確保が行えるようでしたら,結露防止器の適用は可能です。
ただし,あまり大きな箱体では,直射日光に曝された箇所と,日陰の場所での温度差が大
きくなり,結露予防が困難になる場合もあるため,500リットル程度までを推奨しており
ます。
Dew Protecter(R)結露防止器では,透湿性や空気の通し易さの異なる複数の透湿膜を用いて,外気
が高湿度になっているとき,または,温度の上昇経過には,外気の水蒸気のエネルギーを使用して,箱
内の湿り空気の箱外への排出を促進するとともに,外気の高湿度空気の箱内侵入を予防します。
結露防止器は,呼吸現象を使用して,箱内に外気の高湿度空気が流入することを予防するとともに,
箱内部の高湿度空気の排出を促進する機能があります。
この動作エネルギーは,周囲環境の温度変化を活用しています。
また,除湿機能も微弱な効果ですが持続的に発揮する,複数の透湿膜を使用して,その両境界面が面
する分圧差を活用して,反加湿装置として機能する結果として,除湿効果が得られます。ある意味では,
Dew Protecter(R)結露防止器は,水蒸気版のノイズフィルターとしての機能によって,湿度調整をす
る装置ということもできますが,単純なノイズフィルターのみの機能ではなく,弱い除湿機能を持つ装
置である点が異なります。
この除湿機能は,微弱ですが,持続性が高く,周囲温度の変化を活用するので,外部電源が得られな
い場所でも,簡便な密閉機構を持つ箱や容器で使用可能です。(容積制限は原則的に500リットルを
上限とします。)
箱や容器の気密性が良好に確保され,如何に良好な湿度調整が行われている状況下にあっても,電気
機器の使用上,霧の中での作業や,雨天での作業なども考慮にいれなければなりません。また,箱が大
きくなればなるほど,直射日光を受ける面と日陰の面では大きな温度差(20℃以上)が発生すること
も稀ではありません。
これらの過酷な使用条件を考慮して,500リットル以下の箱への適用を推奨しております。
しかし,適用できないのではありません。もしも,適用した場合には,下降速度が遅くなることは予
測されます。結露防止器の使用は,125リットルにつき1個使用することを強く推奨します。
35) 適用容積が,125リットルにつき1個使用するようになっていますが,容積が10リット
ルの箱に使用できますか?
35回答)
125リットル以下での使用も可能です。
結露防止器以外の,保護対象となる機器の保護手段も,再度ご検討ください。
小容積の場合には,収容する機器が小さく,結露防止器を使用しない手段として,パーツなどを,シリ
コンによる包埋処理することで結露対策に十分な効果が得られる場合もありますので,ご検討ください。
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株式会社 九州山光社
FAQ 2009/01/26
36) 装着する予定の箱は,消毒を行うため,ほぼ毎日水で洗浄します。
Dew Protecter(R)結露防止器は適用できますか?
36回答)
結露防止器は,温度の変化が,日周期で発生する場合を標準として設計しています。
そこで,洗浄などの結果発生する温度変化は,呼吸現象が吸気に偏ることも予測されます。
少なくとも,外気側からの多量の水蒸気の,箱内方向への流入は抑制されるものと考えら
れますが,適用は,お客様の裁量により,ご試用の範囲でお試しください。
Dew Protecter(R)結露防止器では,透湿性や空気の通し易さの異なる複数の透湿膜を用いて,外気
が高湿度になっているとき,または,温度の上昇経過には,外気の水蒸気のエネルギーを使用して,箱
内の湿り空気の箱外への排出を促進するとともに,外気の高湿度空気の箱内侵入を予防します。
結露防止器は,呼吸現象を使用して,箱内に外気の高湿度空気が流入することを予防するとともに,
箱内部の高湿度空気の排出を促進する機能があります。
この動作エネルギーは,周囲環境の温度変化を活用しています。
ご使用予定の環境下では,洗浄などによって,結露防止器を装着した箱の周囲温度が下降するととも
に,外気側の湿度上昇が同時に発生することになり,周囲温度変化との周期特性が,箱内部に収容する
箱内発熱体の温度下降によって,呼吸現象の周期特性も乱される可能性があります。つまり,吸気時(洗
浄開始時や電源OFFなどによる)に高濃度水蒸気が外気側に充満しており,呼気時には外気側は乾燥し
ている可能性が高いことが予測されます。そこで,結露防止器による箱内の湿度下降速度が妨げられる
ことも考えられます。
結露防止器では,呼吸現象を活用した結露予防効果のほかに,水蒸気の分圧差を活用した微弱な除湿
機構も併用しております。
少なくとも,外気側からの多量の水蒸気の,箱内方向への流入は抑制されるものと考えられますが,
適用は,お客様の裁量により,ご試用の範囲でお試しください。
37) 装着する予定の箱は,制御用のスイッチボックスで,スイッチや表示灯などの部分があって,
外気との通気路になっているようです。しかし,結露や埃などの影響を避けるために,どうし
てもDew Protecter(R)を適用したいのですが,方法はありませんか?
37回答)
保護したい機器が,適切に閉鎖空間内に在れば,結露防止器で保護することができます。
スイッチや表示灯などは,防水型であり,気密性テストを行って,結露防止器をご使用くだ
さい。
露出した表示灯やコンソールユニットなどは,多くは気密性が無く,箱内と外気との間の通気路にな
ってしまいます。この結果,重要なスイッチやコンソールユニットなどが早期に外気の水蒸気や埃に曝
されて機能異常を生じる原因になる場合が多いことがわかっています。
そこでどうしても結露対策や埃対策などで,Dew Protecter(R)結露防止器を使用される場合などに
は,操作パネル面などを透明ボックス状のカバーなどで保護し,外気との通気路を遮断してください。
基本的設計時に,結露や塵埃などからの保護指針を明らかにして,ご検討いただきますようお願いい
たします。
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