テレビの画面構造 テレビのモニターは大別すると3種類に分けられる

テレビの画面構造
テレビのモニターは大別すると3種類に分けられる。
ブラウン管とプロジェクションとLCD(液晶)の3種類。
発射される同一の放送電波に対し、テレビは自分の画面にそれぞれの方法で映
像を映し出す。
映像信号の検出
カメラのレンズを透して入ってくる映像はプリズムやCCDを通じて3種類の
信号に分類される。
その3種類の信号を説明すると、画面の構成の中をR(赤)、G(緑)、B
(青)の要素に分離したもので3種類の要素毎の白黒画面を作成する。
つまり白黒TV画面を3つ用意し、逆に電波を受けたTVは黒の部分をRGB
それぞれに着色したものを重ね合わせカラー画面を作成する。
写真や映画は光の前にステンドグラスをおくような状態で色をスクリーン上に
表現するので3原色が揃った場合光が通過せずに黒を表し3原色が何も揃わな
い状態で白を表す。そのために映画館は白いスクリーンを使用し光が当たらな
い部分を黒にするために館内を暗くするのである。
TVの場合は色そのものを画面上に照射するので3原色が揃った場合、光がす
べて照射されるので白くなり、3原色が何も揃わない状態は光が何も照射され
ないので黒になる。そのためにTVの画面は黒い。
ブラウン管
ブラウン管とはTVの中に3つのビーム照射機が入っており走査線順に色の点
を配置していく。この色の点はRGBが重なっているわけではなく順に並んで
いる。点が小さいことと光の照射によるにじみで重なったように錯覚を起こさ
せ色を表現する。
光が照射することで色を表現するので完全な黒の部分はTVを消した状態のモ
ニターの色が限界である。
各社TVメーカーが黒をPRするのはその限界をできるだけ0レベルに近づけ
ようとする企業努力の結果である。
またTVそのものが奥行きを持ってしまうのは中心位置から画面全体に向かっ
て等距離でビーム照射をできるようにするためで、TVを薄型にするためには
ビーム照射をレンズにより広角に発射する必要があり、その結果距離の変化を
発射側の回路で正確に微調整がなされなければならず非常に困難な開発を強い
られる。
プロジェクション
TVの画面を映画のようにスクリーンに照射するシステムで3つの光源の前に
RGBそれぞれの要素画面をフィルター状にして光によってスクリーンに重ね
る。
したがってブラウン管の時と違い白と黒の要素を逆にする必要がある。
完全に部屋を暗くしても画面の光が照明効果をもたらし、結果黒の表現が甘く
なり画面の切れが悪くなる。
また、従来のTVのような据え置き型のプロジェクションTVも存在する。こ
れはブラウン管のかわりに半透明のスクリーンを配置し裏側から照射する。
ブラウン管に比べ画面の大型化に伴うコストアップが少ない利点があるが、や
はり画面の切れは悪い。
LCD(液晶ディスプレイ)
バックライトを光源とし液晶マトリクス部分がフィルターとなり光に色をつけ
たり遮断したりする。
LCDの方式にはTFTとSTNがある。両者の違いは液晶の駆動方式にある。
STNは単純マトリクス方式、TFTはアクティブマトリックス方式と分類さ
れる。
単純マトリクス方式は液晶材料を挟んで電極が上下に分かれており両者は直角
に交わっており、X電極とY電極にタイミングを合わせ電圧をかけることで両
電極の交わる部分を制御する。つまりX軸とY軸により座標化させて制御する。
この方式は構造が簡単で製造コストが低く電卓など価格が低いものに使われる。
STNは画像品位が低くTVやパソコンのディスプレイには向かなかったが、
画面を上下に2分割し半分ずつ制御するD−STN(デュアルスキャンST
N)方式が実用化され応答速度と画質が向上した。
一方アクティブマトリクス方式は画素のひとつひとつにスイッチの役割をする
アクティブ素子が作り込まれており、制御したい画素を確実に制御する事がで
きる。つまり画素のひとつひとつにトランジスタが作り込まれているのがTF
Tである。
この方式は構造が複雑なので製造コストが高いがSTN方式のX軸とY軸による縦横
方向の偏光フィルター状態と違い、画素のひとつひとつが独立したTFT方式は正面
以外の角度から画面に相対しても映像を認識できるのである。これは画質とは別の
事だが実際の使用に於いて重要な差であるといえる。