人生に選べる楽しみを~小さな楽しみをお届けします~ 当社のサービスが

今回はある会社の取り組みをご紹介します。
洋服屋を営んでいた兄と、介護の現場にいた弟。介護の現場であがっ
∼出張デパートはどこまできてくれるの?∼
た「服を買いたい」
、
「買物がしたい」という入居者の声をきっかけに、
大阪を中心に 500 施設ほど廻っています!!廻る施設も少しずつ増えてきました。また、初めは並べてい
会社を立ち上げ、 出張デパート を高齢者施設の現場で開いています。
人生に選べる
そこにはどんな背景や想いがあるのでしょうか?今回は株式会社フ
ルカウントの池上僚氏にお話を伺いました。
楽しみを
∼小さな幸せを
お届けします∼ ∼介護現場で体験した
違和感が起業のきっかけに∼
た商品の数も少なかったのですが、いろいろな施設やホームを廻る上で、聞きとりを行ない商品の数を増やし
大学卒業後、住宅型有料老人ホームを運営する会社に
池上 僚氏
就職しました。営業を経てホームでの介護の現場に異動と
大学卒業後、高齢者住
宅会社に就職。
営業職・介護職を経て、
現在株式会社フルカウ
ントを兄:恭介氏と立
ち上げ、高齢者施設等
を廻り「出張デパート」
を開いている。
なりました。そこは、朝起きてから晩寝るまでサービスとい
う名の下に、決められた生活。「安心」と引き換えに、自分で
何かを選ぶということが極端に少なくなるということに違和感
ていきました。商品は服に靴、お菓子に文房具などなど…様々です。
また、販売するスタッフも、介護の事に詳しいヘルパーなどの資格を持った者が対応しています。商品の陳
列も当社が行ないますので、施設にとっても、負担がかからず、安心して気軽に呼んで頂けるようになってい
ます。現場のニーズに応えることで、商品だけではなく、サービスの多様化も考えていきたいです。
∼出張デパートに参加した方の
声をご紹介∼
入居者の声
施設スタッフの声
孫が(施設に)来るということで、子供
向けの商品をお願いしました。孫が嬉し
そうに商品を選ぶ姿を見て、思わず嬉し
くなりました。いつもこちらがお土産を
持って来てもらっていたから・・・!
買物を終わった後の利用者さんの様子は
いつもより明るく元気に見えます。購入
された物を身につけ、
「昨日買ったんよ
∼」とスタッフに見せて喜んでくださる
ので、こちらも嬉しくなります。
を持ちながら仕事をしていました。
でも、こうしたことを施設の中で改善しようと思っても難し
様々な商品の中か
ら選ぶ楽しさ、何
を買うか悩む楽し
さがある!!施設
に入る時に、買物
をあきらめたの
で、とても嬉しい
です。
い。たとえば、施設から買物に出かけようと企画しても、実行
するには施設のマンパワーや時間、経費の問題など、様々な調整が必要です。
たまたま兄が洋服屋をやっていたので相談したら、「来てもらえないなら、
行ったらええやん!」となり、「出張デパート」としてやってみることにな
りました。
∼今後の展望は??∼
∼なぜ、出張デパートなのか?∼
先程も話しましたが、施設から買い物に出かけることは、さまざまな調整が必要になります。
スタッフも利用者様の日頃
見ない生き生きとした表情
に出会い、いつも以上に利
用者様との会話が弾んでい
るようでした。
もっと介護業界を盛り上げたいですね!!フルカウントが施設に訪問してサービスを提供することで、施設
スタッフや入居者様・利用者様に賑わいを!と考えています。やはり介護の現場が賑わうことで、今、世間が持っ
それであれば、自分たちが施設に行くことで、調整も最小限に抑えることができるのではないか?
ている介護の仕事に対するイメージを変えていけると思っています。「介護
と考えました。実際に出張デパートを始めて、買物をしている人たちの表情を見ていると、友人
のお仕事ってなんだか大変そう・・・。」と思われていますが、介護の仕事では、
同士でお話しながら買物ができることも生活の楽しみとなっているのかなと感じています。
買物は社会参加の一つです。自分でお金を払って、買物をする行為が介護施設で暮らすお年寄
りにとって、もう一度、社会との接点を得る機会になればと願っています。
施設内でお買物をし
て頂くのは職員に
とっても安心です。
ゆったりとしたス
ペースの中、車イス
で時間を気にせず、
お買物を楽しんで頂
いています。
人と人とのふれあいから、素敵なエピソードがたくさん生まれています。
そこで、【かいご男子 かいごガール】では、そんな介護の仕事で頑張って
いる“イケてる男女”を取り上げ、紹介しています。介護の現場で頑張る
若い人たちの姿にスポットを当てて、少しでも多くの方に見て頂き、サポー
ターになって頂けたら、現場が賑わい、この業界の人手不足も少しは解消
できるのではと思います。
まとめ
今回、「買物」という行為をきっかけに、“出張デパート”
というサービスを通して見えてきたのは“自分で選ぶ”とい
うことの大切さでした。高齢や障害、病気により、“生活のしづらさ”を持
つ方は多いと思われます。家族や周りの支援者が、どれだけ本人に寄り添
いながら、本人の“選択”“自己決定”を応援できるのか?ということを考
えさせられました。
“人生は選択の連続である(Life is a series of choices)”By William Shakespeare
いつまでも自分の“選択”に悩み、楽しみながら進んでいける人生は素敵なことですね。
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