2009年春号 - 東海大学文学部ヨーロッパ文明学科

2009 年 5 月 20 日
東海大学文学部
ヨーロッパ文明学科ニュースレター 2009年春号
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http://www.hum.u-tokai.ac.jp/europa/
ポーランド・フランス・イタリアの文化遺産に大いに触れる!
(第4回ヨーロッパ実地研修『中世キリスト教の文化遺産探訪の旅』2008 年夏)
2008 年夏、ヨーロッパ文明学科で企画する「実地研修」が行われ、多くの学生がポーランド、フランス、イタリアでさ
まざまな街を訪れ、各地のキリスト教を中心とした文化遺産に触れました。企画と引率は、ヨーロッパ文明学科の土谷直
人教授でした。今回の研修旅行で特にユニークなのは、普通の海外旅行ではあまり訪れる機会の少ないポーランドを訪れ
たことでしょう。土谷教授はポーランドの文学や文化を専門に研究しています。
♪参加した学生のことば♪
「今回の研修旅行では、フランスやイタリアにも行きましたが、
その二つの国に比べるとあまり日本人が訪れることのないポーラ
ンドに行くことが出来たのがとてもよかったです。私にとってポ
ーランドは、ヨーロッパの小さな国の一つだという印象だったの
ですが、とても街並みが綺麗で食事も美味しく、今では私の大好
きな国の一つになりました。絶対にまた行ってみたいと思いま
す!」
(2年生・鈴木美樹さん)
フランス・ブルゴーニュ大学留学だより
2009 年 2 月~ 3 月、東海大学と留学協定を結んでいるフランスのブルゴーニュ大学(ディジョン市)に、ヨー
ロッパ文明学科から3人の学生が留学しました。引率教員はやはりヨーロッパ文明学科の中川久嗣教授で、全学か
ら集まったその他の学部学生 12 名とともに、1ヶ月の留学生活を体験しました。
最初の3日間はパリでの自由研修で過ごし、そのあとはブルゴーニュ大学付属フランス語学院(CIEF)で、い
ろいろな外国からの留学生たちとともに勉強しました。最初は慣れない授業も、時間がたつにつれどんどん分かる
ようになり、1ヶ月過ぎる頃にはフランス語を聞き取る力と話す力がかなりついたと言えます。
週末の土曜日には、ブルゴーニュワインの中心的な街ボーヌ(Beaune)に遠足に行きました。そこの有名なワ
イン・メーカー「ブシャール・ペール・エ・フィス社」のワインカーヴ見学とワインの試飲をしました。この会社
には、本学科中川研究室の卒業生の西山雅巳さんが初めての外国人正社員として働いておられ、西山さんのガイド
による東海大学だけのスペシャル見学・試飲が実現したのでした。
ディジョン・ダルシー広場の凱旋門
ブシャール・P. & F.社のカーブ見学と試飲
★新任教員紹介★
金沢百枝(かなざわももえ)准教授
2009 年4月から学科新任教員として、金沢百枝(かな
ざわ・ももえ)先生が着任されました。金沢先生の専門
は中世キリスト教美術、とくに11世紀~12世紀のロ
マネスク美術研究です。スペイン・カタルーニャ地方の
ジローナ大聖堂にあるロマネスクの刺繍布に関する研究
で学位を取られました。その成果は『ロマネスクの宇宙
ジローナの《天地創造の刺繍布》を読む』(東京大学出
版会、2008 年)として出版されています。南はスペインから北は北欧まで、
壮大なスケールでヨーロッパ文明の成立について考える仕事を目指していま
す。今年中には中公新書から『楽園めぐり』を刊行される予定です。
7月26日(日)にはオープンキャンパスで体験授業の予定です。ご期待下
さい!
学科教員の活動など
久保田忠利 教授
岩波書店『ギリシア喜劇全集』を編集!
今回久保田教授が編集を手が
けた『ギリシア喜劇全集』
(京
都大学・中務哲郎氏と共同編
集)は、20世紀にエジプトで発
見されたパピルスから甦った作
品や、今まで訳されていなかっ
た断片なども収録されており、
最新の研究成果が盛り込まれた
ギリシア喜劇の新しい集大成で
す。
藤藤盛美郎 先生
「21世紀の大発見 よみ
がえる黄金文明展
~ブルガリアに眠
る古代トラキアの秘宝」
展
ブルガリアは紀元前5000
年頃から世界最古の黄金文
明を開化させていました。バルカン半島・ビザンツ史を専門
とする藤盛美郎先生(この 3 月まで本学科教授)は、この古
代トラキアの黄金の秘宝展の企画にも携わりました。この黄
金の秘宝展の目玉は、2004年8月にブルガリアのバラの谷で
発見された「トラキア王の黄金のマスク」で、紀元前5世紀
後半のものです。
2009年5月下旬~ 7 月は、福岡市博物館にて開催
2008 年度卒業論文の紹介
ただ単なる観光だけでは、よくありがちな日本人団体ツアー客と変わりありません。ヨーロッパついての深い
知識があってこそ、本当の満足が得られます。「卒業論文」は、4年間の勉強と研究の集大成です。以下はこの
3月に卒業した学生の執筆した卒論の一例です。
ö ギリシア神話に登場する怪物メデゥーサについて
ö レオナルド・ダ・ヴィンチによる円の求積
-ルネサンス期における数学概念の把握の一断面-
ö ヨーロッパのカフェ -都市文化発展の場-
ö イタリアの都市景観保存と街づくり
ö ゴッホ ~その光と影~
ö ヨーロッパのおとぎ話における民族衣装
ö ルーカス・クラナハの《ヴィーナス》
ö ジュラシックパーク再考 -現代科学論からの検討
ö ヨーロッパにおける旅の形とその変遷について
ö ミケランジェロとシスティーナ礼拝堂
ö ルネサンス美術に見られる聖母マリアについて
ö 環境先進国ドイツから学ぶ環境問題への取り組み
ö ニーチェと同一性の問題
ö ヴェネツィアの貴族制について
オープンキャンパスの予定
7/26:体験授業(金沢百枝准教授「中世イギリスの世界地図にみる幻獣と怪物たち」)
6/14:各種進学相談
8/2 :体験授業(中川久嗣教授「ナポレオン戦争とヨーロッパ文明」)