第9章 施策の展開(P78〜P107) (PDF136KB)

三次市第6期高齢者保健福祉計画・第5期介護保険事業計画
第9章
施策の展開
次の体系のもとに施策を推進することにより,
「元気高齢者の割合 75%以上」をめざします。
基本理念と
重点施策
基本目標
基本施策
地域包括ケアシステムの構築
給付と負担のバランスの考慮
健康でいきいきと
暮らせるまちづくり
1-2「いきいき・ともえ・プロジェクト」との連携強化
1-3 社会参加と生きがいづくりの推進
2-1 地域包括支援センターの機能強化
2
自立した生活を支える
心豊かなまちづくり
2-2 介護予防の推進及び生活支援サービスの充実
3
3-1 地域における介護保険サービスの充実
2-3 地域の医療との連携強化
3-2 介護保険サービスの質の向上
3-3 給付の適正化の推進
安心して暮らせる
3-4 介護者への支援
まちづくり
自助・共助・公助の連携
家族の絆 地域のぬくもり 温かみと安心感のあるまち みよし
1-1「健康みよし 21」の推進
1
3-5 認知症高齢者への支援の充実
3-6 高齢者の虐待防止・権利擁護の推進
4-1 高齢者の住まいづくりの推進
4
地域で支え合う人に
やさしいまちづくり
4-2 人にやさしいまちづくりの推進
元気高齢者の割合 75%に!!
−78−
第9章 施策の展開 基本目標1健康でいきいきと暮らせるまちづくり
基本目標1 健康でいきいきと暮らせるまちづくり
1−1 「三次市健康増進計画(健康みよし 21)
」の推進
平成 19 年度に「三次市健康増進計画(健康みよし 21)」を策定し,この計画に基づき各世代
ごとの健康づくりに取り組み,市民一人ひとりがより健康で元気な高齢者が増加するよう総合
的な健康づくりを推進しています。
平成 24 年度に「三次市健康増進計画(健康みよし 21)後期実施計画」を策定することとして
いますが,健康づくりの目標である「健康寿命を延ばす」という方向性を継承し,若い頃から
の健康的な生活習慣により,要介護の原因となる脳卒中等の生活習慣病を予防する取り組みを
進めます。
また,すべての高齢者が生きがいをもって,住み慣れた地域で元気に活動し続けられるよう,
「介護予防対策」とともに,「こころの健康づくり」を重点とした健康づくりを推進します。
(1)高齢者の健康づくり事業の推進
①
ヘルスアップ健康教室事業
生活習慣病及びメタボリックシンドローム予防対策を目的に,バランスのとれた食事や運動
に関する知識の啓発など継続して取り組める内容について,講義や実技指導を行います。
②
生活習慣病予防相談事業
相談日を設け,健康づくりや生活習慣病予防に関する個別保健指導を保健師,管理栄養士,
歯科衛生士が実施します。
③
ウォーキング推進事業
高齢者が手軽に日常生活で取り組める運動として,安全で楽しくウォーキングに取り組める
よう,身近な地域でウォーキングコースを選定し,マップを作成するとともに,コースを利用
したウォーキング教室や出前講座を行います。
④
地域トレーニング拠点整備事業
運動マシンを設置している市内 11 か所の地域トレーニング拠点施設を活用した健康づくり,
介護予防事業の実施や運動指導員による巡回指導の実施等,高齢者が身近な地域で継続的な運
動ができる取組を推進します。
⑤
こころの健康づくり
高齢者の自殺者数が増加傾向にあることから,講演会や高齢者向けパンフレットの配布,出
前講座等の実施等により,自殺の要因となる「うつ病」等こころの病気に関する知識の啓発を
行います。また,引き続き相談支援体制の充実を図るために,庁内関係部署や地域の関係機関・
団体とのネットワーク構築につとめ,自殺予防を含めた心の健康づくりを積極的に推進します。
−79−
三次市第6期高齢者保健福祉計画・第5期介護保険事業計画
(2)特定健診・特定保健指導及び各種がん検診の受診促進
市民の主体的な健康づくりとともに,生活習慣病の予防及び早期発見・早期対応のため,メ
タボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)を対象とした特定健康診査・特定保健指導を引き
続き推進します。
特に健診対象者に対しては,健診受診の重要性について周知徹底するとともに,健診結果に
ついて十分な説明を行います。また,医師会をはじめ,市内の各種団体や健康関連の活動団体
等と連携し,受診率向上に向けた取り組みを引き続き推進します。
一方,がん予防に関する知識の普及啓発とともに,がん検診を受診しやすい機会づくりに努
め,受診率の一層の向上に取り組みます。
1−2 「いきいき・ともえ・プロジェクト」との連携強化
高齢者の健康づくり,介護予防のためには要介護の状態になる原因疾患である脳卒中等生活
習慣病の予防・重症化防止が重要です。
健康づくりや生活習慣病予防・重症化防止を重点的に推進する「いきいき・ともえ・プロジ
ェクト」との連携を強化し,「介護予防ラジオ体操」の啓発等,健康づくりや生活習慣病予防,
介護予防を一体的に取り組むとともに,若い世代からの介護予防に関する意識の啓発も併せて
推進します。
−80−
第9章 施策の展開 基本目標1健康でいきいきと暮らせるまちづくり
1−3 社会参加と生きがいづくりの推進
高齢者が主体的に自己の生き方を決定し,多様なライフスタイルを実践していくことができ
る環境づくりを進めます。
また,生涯現役の観点から,高齢者が様々な分野で若い世代とともに活躍できるよう,生き
がいづくりや就労を促進するとともに,社会福祉協議会や住民自治組織等と連携し,高齢者が
ボランティアやまちづくり等の活動に積極的に参画できる仕組みを構築します。
高齢者には,豊富な人生経験から得た知識,品性,道徳観,他者への思いやりや協調性を活
かし,老後において主体的に社会貢献に取り組み,地域のまちづくりや支え合いにおいて「担
い手」としての役割を果たすことが期待されています。そうした生きがいをもって社会で活躍
する高齢者を支援する取り組みを推進します。
(1)退職者等の地域参加と担い手の確保
高齢社会において,高齢者の地域活動・社会参加が活性化することは,本人の生きがいづく
りや介護予防・健康づくりのみならず,地域社会全体の活性化につながります。
「団塊の世代」が高齢期を迎える中,高齢者が地域社会の一員として活躍し,その知識や経
験を十分に活かしながら,地域の重要な担い手となれるよう,高齢者のライフスタイルや価値
観の変化に対応した社会参画の仕組みづくりが必要です。
このため,
「団塊の世代」をはじめとする今後高齢者となるシニア世代の地域での居場所づく
り・活躍のきっかけづくりとなる「地域デビュー」を支援するとともに,元気な高齢者が,生
涯現役で,主体的に地域活動・社会参加できる環境整備に努めます。
(2)老人クラブ活動の支援
地域を基盤とした高齢者の自主的団体である老人クラブの活動(友愛訪問,清掃奉仕,地域
見守り,健康づくり・介護予防,生涯学習など)の活性化を支援します。
表90
老人クラブ数・会員数(見込)
平成 24 年度
クラブ数
会員数(人)
平成 25 年度
平成 26 年度
130
130
130
5,240
5,290
5,360
(3)敬老行事の支援
地域において実施される敬老会行事に対して,運営費の一部を助成します。
表91
敬老行事実施団体数(見込)
平成 24 年度
対象数(団体)
平成 25 年度
84
−81−
平成 26 年度
86
87
三次市第6期高齢者保健福祉計画・第5期介護保険事業計画
(4)敬老のお祝い
高齢者の長寿を祝福し,敬意を表わすため敬老金を支給します。
表92
敬老金支給対象者数(見込)
平成 24 年度
平成 25 年度
平成 26 年度
対象人数100歳(人)
34
35
31
対象人数88歳(人)
489
497
505
(5)生涯学習・生涯スポーツの推進
①
生涯学習の推進
生涯を通じて,教養を高め,仲間と楽しめる趣味を持つ機会を積極的に持てるように,老人
クラブなどの活動を通じての教養講座や生涯学習の充実を推進します。
②
生涯スポーツの推進
老人クラブや体育協会,体育指導委員などとの連携を持ち,スポーツの楽しみ方,軽スポー
ツの普及,介護予防のための手軽で継続性のある運動などを推進します。
(6)世代間交流の推進
少子・高齢化,核家族化などによって,高齢者と子どもや青少年等との交流が希薄になる中,
世代を超えて,高齢者が様々な世代の市民と交流したり,高齢者がこれまで培ってきた豊かな
知識や経験を他世代へ伝えることにより,社会貢献としての生きがいを得られるよう,多様な
世代間交流事業を実施します。
(7)ボランティア活動の支援
地域社会の一員として地域に貢献していくことが,住民からも認められ,自分の存在感を達
成でき,より生きがいの持てる豊かな生活を送ることにつながります。
そのため,地域活動のなかで,高齢者がこれまで培った特技・才能が活かせる機会の創出を
図るためのボランティア活動を支援します。
表93
トレーニングマシン教室ボランティア養成講座開催回数・参加者数(見込)
平成 24 年度
平成 25 年度
平成 26 年度
開催回数(回)
8
8
8
実人数(人)
80
80
80
−82−
第9章 施策の展開 基本目標1健康でいきいきと暮らせるまちづくり
(8)雇用・就業対策の推進
労働力人口の減少が予測される中,就労意欲が高く,知識や経験の豊富な高齢者は,労働力
不足を補う貴重なマンパワーとして期待されており,高齢者等の多様な就労機会の確保と,職
業生活の充実が求められていますが,依然として高齢者をめぐる雇用情勢は厳しく,いったん
離職すると再就職は困難な現状があります。
高齢者になっても「働き続けたい」という高齢者は多く,
「団塊の世代」が高齢期を迎える際
には,さらにこうした高齢者が増加すると予測されることから,団塊世代をはじめとするシニ
ア世代や高齢者の個々の就労ニーズに対応するため,ハローワーク等の関係機関と連携し相談
事業を行うとともに,関係機関と連携し,高齢者の就労機会の拡充を図ります。
また,シルバー人材センター活動の会員の増強,組織・体制の充実等への支援を図ります。
−83−
三次市第6期高齢者保健福祉計画・第5期介護保険事業計画
基本目標2 自立した生活を支える心豊かなまちづくり
2−1 地域包括ケアをコーディネートする地域包括支援センターの機能強化
地域包括ケアは,医療や介護などの支援を必要とする高齢者が,住み慣れた地域で提供され
る多様な種類の住まいにおいて,介護保険や医療の各種サービス,地域の支え合いなどの社会
資源を活用して生活を続ける仕組みであり,これを構築する上で中核となる地域包括支援セン
ターの機能強化を推進します。
地域包括支援センターには,地域において各種サービス等を効果的にコーディネートする役
割等が期待されることから,とりわけ,ケアマネジャー,サービス事業所,医療機関,社会福
祉協議会,民生委員その他地域の関係者との連携強化による包括的支援事業の効果的な実施を
図ります。
(1)地域包括支援センターの基盤整備
これまで培ってきた信頼性を維持・継承しつつ,さらに地域に身近な地域包括支援センター
事業の展開を図るため,現在の体制の評価を行いながら,新たな運営形態を含めた抜本的な基
盤整備を図ります。
(2)地域包括支援センターの基本機能と事業展開
地域包括支援センターの基本機能(総合相談支援事業・権利擁護事業,包括的・継続的ケア
マネジメント事業,介護予防ケアマネジメント事業)を強化するため,センター職員の質的・
量的な充実を図り,地域の総合的マネジメント機能を向上させ,地域の実情を踏まえた地域包
括ケアを展開します。
①
総合相談支援事業・権利擁護事業
介護保険サービスや保健・医療・福祉に関すること,権利擁護に関することなど,高齢者の
様々な相談に応じて,最適な支援方法を検討し,地域における適切なサービス,機関または制
度の利用につなげるなどの支援を行います。
また,保健・医療・福祉に関するあらゆる相談やニーズに総合的に対応できるよう,ワンス
トップ総合相談窓口を機能強化します。
さらに,困難な状況にある高齢者に対して,権利擁護の視点に基づいて支援を行います。
①
地域における様々な関係者とのネットワークの構築
②
個別訪問等による高齢者の心身状況や家庭環境等の実態把握
③
サービスに関する情報提供等による初期相談や継続的・専門的な相談の支援
④
権利擁護の視点からの専門的支援
表94
総合相談件数(見込)
平成 24 年度
相談件数(件)
3,200
−84−
平成 25 年度
3,300
平成 26 年度
3,400
第9章 施策の展開 基本目標2自立した生活を支える心豊かなまちづくり
表95
高齢者虐待・権利擁護相談件数(見込)
平成 24 年度
相談件数(件)
②
平成 25 年度
90
平成 26 年度
100
100
包括的・継続的ケアマネジメント事業
主治医,ケアマネジャーなどの多職種との協働や地域の関係機関との連携により,包括的・
継続的なケアマネジメントを実現するための支援を行います。
①
日常的個別支援・相談
②
支援困難事例等への指導・助言
③
包括的・継続的なケア体制の構築
④
地域における介護支援専門員ネットワークの形成
表96
包括的・継続的ケアマネジメント相談件数(見込)
平成 24 年度
相談件数(件)
③
平成 25 年度
30
平成 26 年度
30
30
介護予防ケアマネジメント事業
ア
地域支援事業における介護予防ケアマネジメントの実施
介護予防が必要と判断された高齢者に対して,健康で活力ある生活を送ってもらうことを
目的に,一人ひとりの状況に合わせた介護予防ケアマネジメントを行います。
また,実態把握活動や日常の相談業務等の中から積極的に対象者の把握に努め,介護予防
事業につなげていきます。さらに,自主グループの立ち上げなど,介護予防事業終了者の自
立に向けた取り組みを継続して支援していきます。
表97
介護予防ケアマネジメント対象者数(見込)
平成 24 年度
実人数(人)
イ
平成 25 年度
50
平成 26 年度
50
50
予防給付ケアマネジメントの実施
要支援1・2の方に対するケアマネジメントにおいて,利用者の状況に合わせ,自立を促
すためのプランの作成,モニタリング,評価を行い,インフォーマルなサービスを含めた効
果的なサービス利用と継続した支援を実施します。
また,要支援の認定を受けていながらも,サービス利用をしていない方に対しては,実態
把握を行い,必要な場合は,介護予防への意識付けを積極的に行い,自立に向けた取り組み
ができるよう働きかけます。
表98
予防給付ケアマネジメント件数(見込)
平成 24 年度
4月プラン作成件数(件)
1,180
−85−
平成 25 年度
1,200
平成 26 年度
1,220
三次市第6期高齢者保健福祉計画・第5期介護保険事業計画
(3)地域のネットワークの構築とケアマネジメント力の向上
介護予防事業の効果的な実施をはじめ,高齢者等が住み慣れた地域で必要とする適切なサー
ビスが総合的に利用できるよう,担当者レベルの「ケア会議」の開催など,地域の関係団体・
関係機関,サービス提供事業者等のネットワークの構築・拡充に努めます。
また,関係者との事例検討等の実施により,関係機関や事業者等の連携強化及びケアマネジ
メント力の向上とサービスの質の確保を図ります。
地域包括支援センターの運営に当たっては,その方針について地域包括支援センター運営協
議会において意見を聴き,公正・中立性を確保し,その円滑かつ適正な運営を図るとともに,
センターに求められる機能が十分に発揮されるよう,運営状況の点検・評価等を行います。
(4)職員のスキルアップへの取り組み
相談技術やケアマネジメント技術の向上等,業務に必要な知識・技術の習得を目的に,セン
ター職員の自己研鑽や研修参加時間が確保できるような人員配置への配慮や研修会への参加機
会の提供,高齢者介護を取り巻く最新の情報の提供や各圏域担当のセンター職員同士の交流・
つながりづくりのための機会提供など,センター職員の資質の向上を図ります。
(5)地域包括支援センターの周知と活用の促進
地域包括支援センターが設置されてから 5 年が経過しており,市民への浸透度は徐々に高ま
っていますが,まだ地域包括支援センターを知らない人も多いことから,広報誌や各種イベン
トなど,様々な機会を捉えて広報・周知活動を継続して行っていきます。
−86−
第9章 施策の展開 基本目標2自立した生活を支える心豊かなまちづくり
2−2 介護予防の推進及び生活支援サービスの充実
生涯を通じて心身共に健康であることは,市民すべての方の共通の願いであるといえます。
しかし,介護保険の基本理念である「自立支援」の実現をめざすには,介護保険サービスの充
実だけでは不十分です。
高齢者が要介護状態とならないよう,自らの心身の状態に配慮し,日ごろから健康の保持・増
進や介護予防に努めていくための情報や機会の提供を図るとともに,要支援・要介護度の軽減・
悪化防止のための,様々な介護予防の取り組みを推進します。
(1)一次予防事業の推進
地域において自主的な介護予防に役立つ活動が広く実施され,高齢者が積極的にこれらの活
動に参加していくよう,活動的な状態にある高齢者を対象に,介護予防に関する知識の普及・
啓発や地域における自主的な介護予防に役立つ活動を支援します。
事業の実施にあたっては,高齢者自身が積極的に参加したいと思えるようなメニューを企
画・実施するとともに,事業への参加を通じ,生きがいづくりや地域コミュニティの強化につ
ながるよう取り組みを工夫します。
①
介護予防普及啓発事業
高齢者に対し,介護予防に役立つ基本的な知識を普及啓発するため,身近な地域で行う「元
気ハツラツ教室」の開催などを通じ,自発的に介護予防に取り組んでもらえるよう支援を充実
します。
ア
高齢者トレーニング教室
特に運動機能の向上を目的に行うマシンを使った運動を中心とした教室を開催し,運動する
ことで,眠った筋肉を呼び起こし,活動性の高い高齢者の健康づくりを支援します。
表99
高齢者トレーニング教室参加者数(見込)
平成 24 年度
イ
平成 25 年度
平成 26 年度
実人数(人)
135
140
140
延人数(人)
2,700
2,800
2,800
トレーニングマシン巡回指導教室
体力の低下が気になる高齢者の方が元気に過ごしていけるように,会場数を市内9箇所に増
やしトレーニングマシンを使用したトレーニングの指導を行い,介護予防や健康増進の取り組
みを支援します。
表100
トレーニングマシン巡回指導参加者数(見込)
平成 24 年度
実施回数(人)
延人数(人)
平成 25 年度
平成 26 年度
450
450
450
4,000
4,000
4,000
−87−
三次市第6期高齢者保健福祉計画・第5期介護保険事業計画
ウ
水中運動教室
運動器の機能低下や腰・膝に負担をかけずに筋力の回復を促し,要支援・要介護状態への移
行を防ぐことを目的に実施します。利用しやすい教室にするために,会場数,教室数を増やし
て実施します。
表101
水中運動教室参加者数(見込)
平成 24 年度
エ
平成 25 年度
平成 26 年度
実人数(人)
60
60
60
延人数(人)
720
720
720
低栄養介護予防事業(楽々おたっしゃ料理教室)
食生活改善推進活動の高齢者施策の一環として,低栄養から要介護状態に陥らないように調
理実習を通して食生活について学びます。
表102
楽々おたっしゃ料理教室参加者数(見込)
平成 24 年度
オ
平成 25 年度
平成 26 年度
実人数(人)
90
100
100
延人数(人)
90
100
100
元気ハツラツ教室
高齢者がいつまでも地元で暮らせるように,介護予防に関する活動を行うことを目的として,
運動器の機能向上・栄養改善・口腔機能の向上を主として,閉じこもり予防・認知症予防に必
要な取り組みを行うことで,地域の介護予防意識の高揚を高める事業を実施します。また,教
室参加者が一堂に会して運動や交流を行う「元気ハツラツ大会」を実施し,介護予防の取り組
みを広めていきます。
表103
元気ハツラツ教室参加者数(見込)
平成 24 年度
平成 26 年度
実人数(人)
800
800
800
延人数(人)
8,000
8,000
8,000
表104
元気ハツラツ大会参加者数(見込)
平成 24 年度
実人数(人)
②
平成 25 年度
450
平成 25 年度
平成 26 年度
500
500
地域介護予防活動支援事業
介護予防に関するボランティア等の人材養成のための研修や介護予防に役立つ地域活動を行
う組織を育成・支援する事業等を実施します。
引き続き,認知症について正しい知識を普及し,認知症になっても安心して暮らせる地域を
つくるために,認知症サポーター養成講座を実施するとともに,講師役であるキャラバンメイ
トの養成に努めるなど,地域での自主的な介護予防活動を支援します。
−88−
第9章 施策の展開 基本目標2自立した生活を支える心豊かなまちづくり
ア
地域住民グループ支援事業(ふれあい・いきいきサロン支援事業)
ボランティアで「いきいきサロン」など,介護予防に資する活動を行う住民の自主グループ
に対して活動育成支援を実施します。また,いきいきサロンの普及を図るとともに,サロンを
通じて閉じこもり・うつ予防を促進します。
表105
地域住民グループ支援事業(ふれあい・いきいきサロン支援事業)(見込)
平成 24 年度
サロン数(か所)
実人数(人)
イ
平成 25 年度
平成 26 年度
155
160
165
3,400
3,450
3,500
認知症サポーター養成講座
認知症について正しい知識を普及し,認知症になっても安心して暮らせる地域をつくるため
に,認知症サポーター養成講座を実施するとともに,講師役であるキャラバンメイトの養成に
努めます。
表106
認知症サポーター養成講座受講者数(見込)
平成 24 年度
実人数(人)
③
平成 25 年度
500
平成 26 年度
500
500
生活管理指導短期宿泊事業
介護保険の認定者を除く,概ね 65 歳以上の方で,生活習慣の指導が必要で,家族の援助を受
けることができない高齢者が,老人ホームで一時的に宿泊し,援助を受けることができます。
表107
生活管理短期宿泊事業利用者数(見込)
平成 24 年度
実人数(人)
④
平成 25 年度
5
平成 26 年度
5
5
一次予防事業の事業評価
一次予防事業について,事業が効果的・効率的に実施されたか,プロセス評価を中心に,各
地域の実態に応じた事業の啓発方法,実施内容及び参加者の満足度等を分析・評価し,事業の
改善を図ります。
(2)二次予防事業の推進
要介護(要支援)認定者を除く,生活機能の低下が認められる 65 歳以上の高齢者(二次予防
事業対象者)を対象に,
「運動器の機能向上」
「栄養改善」
「口腔機能の向上」など介護予防に役
立つ事業を実施します。
①
二次予防事業対象者把握事業
介護保険の要介護(要支援)認定を受けていない 65 歳以上の全高齢者を対象に,運動や栄養,
口腔,物忘れなどの生活機能の程度を測定する基本チェックリストを実施し,将来的に要支援・
要介護状態になる可能性が高い高齢者(二次予防事業対象者)を把握し,介護予防事業のプロ
グラムを引き続き提供します。
−89−
三次市第6期高齢者保健福祉計画・第5期介護保険事業計画
表108
二次予防事業対象者数(見込)
平成 24 年度
二次予防事業対象者数
(人)
②
平成 25 年度
4,000
平成 26 年度
4,200
4,200
通所型介護予防事業
二次予防事業対象者を対象に,地域包括支援センターによる介護予防ケアプランに基づき,
「運動器の機能向上」「栄養改善」「口腔機能の向上」に関する教室等を通じ,生活機能の向上
を図り,要介護状態になることを防ぐ取り組みを引き続き実施します。
実施にあたっては,開催場所の確保,開催時期や時間帯を工夫することで事業対象者の参加
を促すとともに,教室終了後も継続した機能の維持・向上を図る取り組みを推進します。
表109
通所型介護予防事業利用者数(見込)
平成 24 年度
実人数(人)
③
平成 25 年度
30
平成 26 年度
30
30
訪問型介護予防事業(訪問指導事業)
閉じこもり,認知症,うつ等のおそれのある(またはこれらの状態にある)二次予防事業対
象者を保健師等が訪問し,生活機能に関する課題を総合的に把握・評価し,必要な相談・指導
を実施します。
表110
訪問指導対象者数(見込)
平成 24 年度
実人数(人)
④
平成 25 年度
20
平成 26 年度
20
20
二次予防事業の事業評価
二次予防事業について,アウトカム評価(事業効果),アウトプット評価(実施量・実施率)
,
プロセス評価(企画・手順・過程)を通じて,要介護状態への移行の状況等を分析・評価しま
す。
(3)生活支援サービスの充実
少子高齢化や過疎化等の社会情勢の大きな変化に伴い,買い物場所や移動手段等の日常生活に
不可欠な社会基盤が弱体化する地域が生じています。また,ひとり暮らし高齢者や高齢者のみの
世帯が増加するなかで,見守り,配食,買い物,外出支援,ゴミ出し等の日々の暮らしにおける
様々な生活支援に対するニーズが高まっています。
高齢者が支援や介護を必要とする状態になっても,住み慣れた地域で自立した生活が引き続
き送れるよう,介護保険事業と整合を図りながら,在宅生活を総合的に支援するための福祉サ
ービスを充実するとともに,地域の支え合い・助け合いのもと,支援が必要な高齢者に対する
見守りを強化し,必要に応じて適切な支援機関やサービスに橋渡しできる体制づくりを充実し
ます。
−90−
第9章 施策の展開 基本目標2自立した生活を支える心豊かなまちづくり
①
「見守り」体制の整備と「つなぎ」のための取り組み
地域のネットワークを通じ,地域の支援が必要な高齢者の安否確認,身体状況の低下や認知
症の進行等を把握するとともに,専門的な相談支援機関等との連携を強化します。
また,関係機関との連携を通じ,必要に応じ支援が必要な高齢者を介護保険サービスや福祉
サービスにつないだり,利用を促進するための支援の取り組みを推進します。
ア
高齢者実態調査事業
民生委員等により,高齢者等の状況及びその家族の状況等の把握を実施します。
表111
高齢者実態把握事業(見込)
平成 24 年度
対象人数(人)
イ
900
平成 25 年度
平成 26 年度
900
900
高齢者等見守り隊事業
巡回相談員(民生委員・児童委員)を中心として,概ね 65 歳以上のひとり世帯や高齢者の
み世帯を定期的に訪問することにより,安否確認や相談を行っています。
高齢者の生活実態を把握することにより,福祉保健施策に生かすことや,災害時の要援護者
リストの作成に役立てるために実施します。
表112
高齢者等見守り隊事業(見込)
平成 24 年度
対象者数(人)
ウ
2,440
平成 25 年度
2,460
平成 26 年度
2,500
緊急通報装置給付事業
概ね 65 歳以上の病弱なひとり暮らし高齢者等を対象として,緊急事態のときボタンを押す
ことにより,自動的に消防署等へ連絡できる緊急通報装置を給付し,迅速かつ適切な対応がで
きる事業を促進します。
表113
緊急通報装置給付件数(見込)
平成 24 年度
給付件数(件)
②
120
平成 25 年度
120
平成 26 年度
120
生活支援サービスの確保
住み慣れた地域で安心して自立した生活を送ることができるよう,支援が必要な高齢者の自
立生活や健康を支えるとともに,安否確認や見守りを兼ねたサービスを確保,充実します。
また,近年ニーズが高まっている買物支援サービスの実施について,事業内容,実施方法等
を検討します。
ア
日常生活用具給付事業
概ね 65 歳以上のひとり暮らし高齢者等に対して,火災報知器,電磁調理器等介護保険対象
外の日常生活用具を給付することにより,高齢者の在宅生活の支援を引続き行います。
−91−
三次市第6期高齢者保健福祉計画・第5期介護保険事業計画
表114
日常生活用具給付数(見込)
平成 24 年度
給付件数(件)
イ
平成 25 年度
20
平成 26 年度
20
20
軽度生活援助事業
要介護認定を受けていない概ね 65 歳以上のひとり暮らし高齢者等で,日常生活上援助が必
要な方に対して,在宅で自立した生活を維持できるよう家事援助サービスなどの支援を引続き
行います。
表115
軽度生活援助事業利用者数・利用回数(見込)
平成 24 年度
ウ
平成 25 年度
平成 26 年度
利用者数(人)
10
11
11
利用回数(回)
390
400
400
地域自立生活支援事業
自立した生活が継続できるよう,栄養改善が必要な高齢者(二次予防事業対象者を除く。
)
に対し,「食」の自立支援事業(配食サービス)を手段として活用し,状況を定期的に把握し
ます。
表116
配食サービス利用人数・配食数(見込)
平成 24 年度
実人数(人)
延配食数(食)
平成 25 年度
平成 26 年度
300
320
320
37,000
38,000
38,000
(4)介護予防・日常生活支援総合事業の検討
様々な課題を抱える高齢者に対して,それぞれの状態に応じて,多様なマンパワーや社会資源
の活用を図りながら,必要な時に必要なところで,必要なサービスが切れ目なく円滑に提供され
るよう,介護予防,生活支援(配食,見守り等)
,権利擁護,社会参加等,総合的で多様なサー
ビスを提供する「介護予防・日常生活支援総合事業」の実施に当たっては,サービスの水準を維
持しつつ,予防給付で対応するのか,総合事業で対応するのか,高齢者本人にとってよい方を選
択できるよう,適切にケアマネジメントを行える体制を整備する中で,実施を検討します。
−92−
第9章 施策の展開 基本目標2自立した生活を支える心豊かなまちづくり
2−3 地域の医療との連携強化
医療ニーズの高い重度者をはじめとした要介護高齢者が,必要なサービスの提供を受けなが
ら在宅で生活できるよう,また,入院,退院,在宅復帰を通じて切れ目なく必要なサービスの
提供を受けられるよう,医療と介護の効果的な連携による支援する体制を整備します。
また,在宅で長期に療養する要介護高齢者が,医療と介護の適切な支援を受け,安心して在宅
療養ができるように,かかりつけ医,医療機関が設置する地域連携室,ケアマネジャー,訪問看
護ステーションなどのサービス事業者,地域包括支援センター等との連携を図るためのネットワ
ークの構築などの取り組みを進めます。
(1)医療と介護の連携強化
高齢者に対する保健・医療,福祉,介護などの多様なサービスが身近なところで包括的に提
供ができる支援体制を確立するため,保健,福祉,介護の関係機関や三師会(医師会,歯科医
師会,薬剤師会)との連携を強化します。
また,在宅を中心としたケアを支援するためには,保健・医療,福祉,介護などの各サービ
スが一体となった提供体制が必要であり,地域包括支援センターと連携のもと,地域ケア会議
等の取り組みの中で関係機関との情報共有に努め,各サービスが切れ目なく効果的に提供され
る体制づくりをめざします。
(2)在宅医療の充実
介護療養型医療施設の今後の動向を踏まえ,退院した要介護者が在宅医療を必要とする場合
に必要な医療サービスが利用できるよう,三師会との連携のもと,在宅医療の提供体制の充実
に努めるとともに,
「かかりつけ医制度」の普及をより一層推進し,医療機関,保健福祉関係機
関等との連携が円滑に図られるよう努めます。
また,保健・医療,福祉,介護の連携を一層進める中で,地域包括支援センターにおいても
医療ニーズと介護ニーズを併せもつ要介護(要支援)高齢者に対し,医療ケアに関する相談・
情報提供が図れるよう支援体制を充実していきます。
さらに,在宅での療養生活を支える訪問看護など医療が含まれたサービスについて,利用者
のニーズを十分把握するとともに,情報提供を行い,計画的な整備・充実を図ります。
−93−
三次市第6期高齢者保健福祉計画・第5期介護保険事業計画
基本目標3 安心して暮らせるまちづくり
3−1 地域における介護保険サービスの充実
高齢者一人ひとりの生活環境や心身の状況に応じたサービスを市内全域において確保するた
めに,介護保険サービスの基盤整備に計画的に取り組みます。
(1)居宅系サービスの整備
居宅系サービスは,多様な事業者の参入により,必要量に応じた供給量が概ね確保されてい
る状況であり,引き続き地域包括ケア体制の確立に向けた制度の充実・強化に努めます。特に,
重度者や認知症高齢者の増加等を踏まえ,ひとり暮らしや重度の要介護者が在宅で多様なサー
ビスを利用しながら,一人ひとりができる限り住み慣れた地域で生活できるよう,日常生活圏
域を基本に,従来の介護保険サービスに加え,夜間対応型訪問介護や 24 時間対応の定期巡回・
随時対応型訪問介護看護の整備に向けた取り組みを進めます。
その他の居宅サービスについても,広島県の平均的整備状況より多くのサービスで整備が進
んでいることから,事業者と協議を進める中で適正な整備について理解を得る取り組みを進め
ます。
(2)施設・居住系サービスの整備
本市の要介護認定者数(要介護 2∼5)に対する施設・居住系サービス利用者の割合は 40.4%
(平成 23 年 9 月末現在)と,広島県の示す整備水準の 37%を大きく上回っていることから,本
計画期間では原則,施設・居住系サービスの整備は行わないこととします。また,「介護保険 3
施設利用者の重度者への重点化」については継続しており,引き続き,重点化を進めます。
−94−
第9章 施策の展開 基本目標3安心して暮らせるまちづくり
3−2 介護保険サービスの質の向上
安定的かつ良質なサービスの提供のためには,訪問介護員,看護師,ケアマネジャーなどの
居宅サービスを担う職員や介護保険施設の職員など,サービスを支える人材の確保,資質の向
上が極めて重要となります。
人材の確保については,広島県と連携を図りながら,広島県社会福祉人材育成センターの周
知に努めるとともに,サービス事業者への介護保険関係情報の提供を行い,サービス事業者の
計画的な人材の確保を促進します。
また,利用者への情報提供,相談・受付・苦情処理体制の充実により,利用者本位の利用し
やすいサービスの実現を図ります。
(1)介護支援専門員(ケアマネジャー)の質の向上
ケアマネジャーの研修や地域ケア会議などで行うケーススタディへの参加を促進します。
また,ケアプラン作成にあたっては,要介護者(要支援者)の状態に応じて,状態の改善に
つながるような適切なアプローチを行うとともに,ケアプランの目的が本人やその家族の理解
を十分得られるようにケアマネジメント技術の向上を図ります。
(2)居宅サービスの質の向上
①
状態改善をめざしたサービス提供の推進
各介護保険サービス担当者が,ケアプランの改善目標を十分に把握し,サービス提供担当者
会議等の継続的実施や指導,支援を推進します。
②
サービス提供者の研修
接遇や介護予防重視のための研修を行っていきます。また地域ケア会議などでのケーススタ
ディなどへの参加を促進します。
(3)施設サービスの質の向上
①
介護老人福祉施設における個室化,ユニット化の推進
三次市内の介護老人福祉施設における個室化,ユニット化の割合が 70%になるように事業者
と調整を図ります。
②
入所者の状態改善に向けた支援
施設の中で,生きがいを持ってその人らしい生活が送れるように,趣味やアクティビティの
充実とともに,在宅生活が再度送れるように支援します。
③
身体拘束ゼロ運動の推進
身体拘束の全廃に向けた取り組みの支援や介護職員の資質向上のための研修を行い,拘束ゼ
ロに向けた達成度評価の実施を継続します。
−95−
三次市第6期高齢者保健福祉計画・第5期介護保険事業計画
(4)介護保険制度の普及啓発
高齢者やその家族が,介護保険制度の趣旨,要介護(要支援)認定の仕組み,サービスの種
類と内容,利用者負担,保険料等介護保険制度に対する理解を深めることは,介護保険の安定
的な運営やサービスの円滑な利用の基本となります。
このため,広報誌,ホームページ,パンフレット,出前講座や各種研修会への講師派遣など
により,介護保険サービスの利用の前提となる要介護(要支援)認定申請からサービス利用の
方法,利用者負担や保険料に係る各種軽減制度の手続きなど,市民啓発を積極的に行います。
(5)被保険者の負担軽減
①
特定(介護予防)福祉用具販売・住宅改修の現物給付化
現在償還払い方式により給付されている特定(介護予防)福祉用具販売・住宅改修の利用の
便宜及び促進を図り,在宅における継続的な介護を支援することを目的に,平成 24 年度から受
領委任払いによる現物給付化を導入します。
②
保険料の弾力化
一部の保険料負担段階について細分化を行うことにより,被保険者の負担能力に応じた保険
料設定とします。
(6)相談・受付体制の充実
円滑かつ迅速なサービス提供及び利便性の観点から,高齢者が身近な地域において要介護認
定申請やサービス利用手続きなどの相談が行えることが重要です。
このため,介護保険担当部署はもとより,地域包括支援センターと連携して,予防給付に関
することや地域の高齢者の実態把握,虐待への対応などを含む総合相談や権利擁護などに的
確・迅速に対応できる体制の充実に努めます。
(7)苦情処理体制の整備
介護サービスの利用に際しての苦情については,まずサービス事業者に申し立て,事業者が
迅速・適切に対応すべきとされています。
このため,利用者の権利を擁護し,より質の高いサービスを提供していくために,サービス
事業者に対して,苦情への適切な対応や処理ができるよう働きかけます。
また,市相談窓口への相談や苦情については,迅速・丁寧に対応するとともに,国民健康保
険団体連合会の行う研修会への積極的な参加や事例研修などにより,職員の資質向上を図りま
す。
(8)サービス事業者の指導・監査
介護サービス事業者による不正事案を防止し,介護事業の適切な運営を確保する観点から「経
済財政改革に関する基本方針2007」(平成 19 年 6 月 19 日閣議決定)により,平成 24 年ま
でに営利法人の全ての介護サービス事業者に対し監査を実施することとされています。
このため,引き続き,すべての営利法人の介護保険サービス事業所に対し,指導監査を実施
します。
−96−
第9章 施策の展開 基本目標3安心して暮らせるまちづくり
3−3 給付の適正化の推進
介護保険制度の円滑な運営を図るため,適切な要介護認定や介護保険事業にかかる評価・分
析,情報の公表,さらには「広島県介護給付適正化計画」における主要 5 事業(認定調査状況
チェック,ケアプランチェック,住宅改修の点検,医療情報との突合・縦覧点検,介護給付費
通知)を踏まえ,本市の介護サービス給付の適正化を推進し,保険者として介護保険制度の円
滑な運営の取り組みに努めます。
(1)要介護認定等の適正化
要介護(要支援)認定は,サービスを利用するための大前提です。要介護度により被保険者
が利用できるサービス量が決まるため,要介護(要支援)認定の適正な実施には,公正性・迅
速性が強く求められます。
このため,委託認定調査の内容点検を実施し,内容に不備等がある場合は委託先に照会等を
行い,内容を確認します。
また,認定審査の合議体間の格差について格差が生じているか検証を行い,必要に応じて模
擬審査に付する同一審査媒体を作成し,格差について是正します。
本市の認定率は,広島県内で最も高い状況にあります。三次市の高齢者が他の自治体に比べ,
なぜ介護(支援)を必要とする率が高いのか,その要因を分析し,改善に努めます。
(2)介護給付適正化事業の実施
介護給付の適正化の基本は,適切な要介護(要支援)認定を行った上で,利用者が真に必要
とするサービスを事業者がルールに従って提供するよう促すことです。
そのために,広島県が策定した「広島県介護給付適正化計画」に基づき,次の事業を介護給
付適正化の主要 5 事業と位置づけて,重点的かつ計画的な推進を図ります。
この事業を効率的かつ正確に実施するため,適正化支援システムを導入します。
主要事業
認定調査状況チェック
ケアプランチェック
住宅改修の点検
医療情報との突合・縦覧点検
介護給付費発送
表117
内容
認定調査を委託しているケースについては,その認定調査結果
に対して本市職員による点検を行います。
利用者の自立に資する適切なプランであるか,適切な方法によ
り作成されたプランであるか等に着目したケアプラン点検の
実施に努めます。
着工前の現地確認を行う等,適正な改修であるかの確認を行い
ます。
国保連介護給付適正化システムの医療情報との突合や,縦覧点
検により請求内容の点検を行います。
サービス利用者に対して,利用サービスの内容と費用総額等の
内訳を通知します。
介護給付費通知発送件数(見込)
平成 24 年度
給付費通知発送件数(件)
15,600
−97−
平成 25 年度
15,600
平成 26 年度
15,600
三次市第6期高齢者保健福祉計画・第5期介護保険事業計画
3−4 介護者への支援
高齢者を介護している家族等の様々なニーズに対応し,各種のサービスを提供することによ
り,身体的・精神的・経済的負担を軽減するとともに,介護者の心身の元気回復を図ります。
(1)介護者の慰労
家族介護教室や交流会などの場を設けることにより,当事者同士の連携・交流による心身の
リフレッシュを図るとともに,在宅介護に対する慰労金を支給します。
①
家族介護教室
在宅で高齢者を介護している家族に対して,介護知識・技術が習得できるよう教室を開催し
ます。身近な地域で参加できるよう会場数や開催回数を増やして実施します。
表118
家族介護者教室開催回数・参加者数(見込)
平成 24 年度
回数(回)
延人数(人)
②
平成 25 年度
平成 26 年度
60
60
60
1,200
1,200
1,200
家族介護者交流事業(元気回復事業)
在宅で高齢者を介護している家族が,一時的に介護から開放されるよう日帰り旅行などの交
流会を開催し,介護者相互の交流及び介護者の元気回復を図ります。より多くの方が参加でき,
交流が図れるよう開催回数を増やして実施します。
表119
家族介護者交流事業開催回数・参加者数(見込)
平成 24 年度
③
平成 25 年度
平成 26 年度
回数(回)
12
12
12
延人数(人)
200
200
200
家族介護慰労金
介護保険サービスを利用せずに在宅で高齢者を介護している家族に対し,慰労金を支給しま
す。
表120
家族介護慰労金支給人数(見込)
平成 24 年度
実人数(人)
平成 25 年度
2
−98−
平成 26 年度
2
2
第9章 施策の展開 基本目標3安心して暮らせるまちづくり
(2)介護負担の軽減
①
在宅高齢者介護用品支給事業
在宅で高齢者を介護している家族に対して,介護用品を支給することにより,介護者の経済
的負担の軽減を図ります。
表121
在宅高齢者介護用品支給事業利用者数・支給回数(見込)
平成 24 年度
平成 25 年度
平成 26 年度
実人数(人)
30
30
30
支給回数(回)
90
90
90
−99−
三次市第6期高齢者保健福祉計画・第5期介護保険事業計画
3−5 認知症高齢者への支援の充実
認知症高齢者は環境の変化に適応することが困難であるため,住み慣れた地域における生活
の継続性を重視した介護保険サービスの充実を図ります。
また,地域包括支援センターでの認知症への相談支援,認知症予防の取り組みを強化し,認
知症に対する正しい理解と介護に関する知識や技術について,介護者を含めた地域全体への普
及啓発を図ります。
さらに,介護予防事業による閉じこもり予防の推進,権利擁護の取り組みの推進,認知症サ
ポーターの養成と活動支援,ボランティアや地域住民によるインフォーマルサービスの充実な
ど,総合的な支援体制の整備を推進します。
(1)認知症の早期発見と相談体制の充実
認知症への対策として,早期発見は重要であり,そのために,
「かかりつけ医」や「認知症サ
ポート医」との連携ができる体制を進めます。
また,本人,家族,
「かかりつけ医」及び地域からの相談等により認知症を早期に発見できる
よう,関係機関等が適切に連携できる相談体制の充実に努めます。
(2)医療との連携を含めた地域包括ケア体制の強化
認知症に対応する地域ケアを強化するため,医師,事業所のケアマネジャー,訪問看護師等
の専門職による認知症やその医療・介護に関する連携の強化とともに,自治会・ボランティア
団体等地域住民による対応ができる環境づくりを進めます。
(3)認知症予防の啓発
認知症に関する理解の普及を促進し,認知症の人や家族などを支援する地域づくりを推進す
る必要があり,このために認知症サポーター養成事業を積極的に実施するとともに,認知症サ
ポーター養成講座の企画・立案や講師となるキャラバンメイトの養成も継続します。
また,認知症予防の啓発のための講演会や情報提供,認知症予防対策としての生活習慣改善
を支援します。
(4)認知症高齢者を抱える家族支援の充実
認知症高齢者を抱えた経験を持つ介護経験者が中心となり,地域での交流集会や訪問相談な
どを行うことにより,認知症高齢者を抱える家族の支援を行います。
認知症に対する知識や技術の面へアドバイスだけでなく,精神面も含めその家族を支えるこ
とにより,認知症高齢者が穏やかに在宅生活を続けていくことができるよう支援します。
表122
交流集会・相談会開催回数(見込)
平成 24 年度
平成 25 年度
平成 26 年度
交流集会(回)
3
3
3
相談会(回)
19
19
19
−100−
第9章 施策の展開 基本目標3安心して暮らせるまちづくり
(5)認知症高齢者介護者の負担軽減
日常生活自立度がⅡ以上の認知症状がある,概ね 65 歳以上の高齢者を日常的に介護している
方に対して,介護保険サービスの対象とならない認知症高齢者の見守り等に対してホームヘル
パーを派遣することにより,介護者の負担軽減の支援を引き続き行います。認知症が増える傾
向にあることから利用の増加が見込まれます。
表123
認知症高齢者生活援助事業利用者数(見込)
平成 24 年度
延人数(人)
平成 25 年度
110
平成 26 年度
110
110
(6)若年性認知症者への支援
高齢者の方と同様に,現役世代の人が認知症を発症することがあり,現役世代の人は診断さ
れる前に症状が進行し,社会生活が事実上困難となるケースが見受けられます。
このような事例に対して,高齢者と同様に本人やその家族を支援するため,若年期認知症の
人と家族を支える会等と連携し支援を進めていきます。
−101−
三次市第6期高齢者保健福祉計画・第5期介護保険事業計画
3−6 高齢者の虐待防止・権利擁護の推進
地域包括支援センターを中心に,高齢者等が住み慣れた地域において尊厳のある生活を維持
し,安心して生活ができるよう高齢者等の虐待防止及び権利擁護の推進に取り組みます。
さらに,成年後見制度や日常生活自立支援事業など,判断能力に不安のある認知症高齢者等
の権利擁護のための取り組みを推進します。
また,地域の関係機関と連携を取りながら,弁護士,司法書士,社会福祉士等の専門職チー
ムを含んだ「権利擁護ネットワーク」を設立し,虐待の早期発見,養護者支援・介入の取り組
みを推進します。
(1)成年後見制度の利用促進
成年後見制度は,認知症高齢者等自分で判断することが困難になってきた人が,契約や不動
産等財産処分に関する法手続きを行う際に,不利益を受けないために,本人の権利や財産を守
り,本人の意思を尊重した支援を受けられる制度です。また,虐待や身寄りがない等の理由に
より,法定後見等の開始の審判の申立人が確保できない高齢者等に対し市長申立により後見等
開始審判請求を行い,成年後見制度の利用を支援します。
今後増加が予想される成年後見制度の利用者に対して成年後見人の確保や相談体制の充実の
ため権利擁護ネットワークと連携していきます。
表124
成年後見制度市長申立件数(見込)
平成 24 年度
市長申立件数(件)
平成 25 年度
3
平成 26 年度
3
3
(2)日常生活自立等の支援
認知症高齢者や知的障がいのある人などで判断能力が不十分なために,福祉サービスの利用
などを独自で行うことが困難な人を対象に,社会福祉協議会では日常生活自立支援事業(愛称
「かけはし」
)として利用手続きの代行などの支援をはじめ,生活支援事業と相談事業を行って
います。
今後も引き続き連携し,社会福祉活動の充実に努めます。
(3)高齢者の虐待防止対策の推進
「高齢者虐待防止,高齢者の擁護者に対する支援等に関する法律(高齢者虐待防止法)」の趣
旨を踏まえ,地域住民に対する虐待に関する知識・理解の普及啓発に取り組むとともに,高齢
者虐待への対応について取り扱い要領やマニュアルに基づき,早期に適切な対応ができるよう
に努めます。
また,権利擁護ネットワークの推進により,関係機関・団体等と連携協力し,虐待を受ける
おそれのある高齢者や擁護者・家族に対する多面的な支援を行うとともに,虐待が発生したと
きは,虐待を受けた高齢者の保護や養護者の支援等適切な対応をしていきます。
−102−
第9章 施策の展開 基本目標3安心して暮らせるまちづくり
(4)個人情報の適切な利用
地域において支援が必要な高齢者等に関して,行政をはじめ,地域包括支援センターや地域
の関係団体・関係機関,サービス提供事業者との情報共有にあたっては,
「三次市個人情報保護
条例」に基づき,個人情報の収集,保管,利用,提供などの取扱いについて厳正に対応します。
−103−
三次市第6期高齢者保健福祉計画・第5期介護保険事業計画
基本目標4 地域で支え合う人にやさしいまちづくり
4−1 安心して住み続けることのできる高齢者の住まいづくりの推進
高齢者が,住み慣れた地域において,安心して生活を継続できるよう高齢者の状態や意向に応
じた多様な住まいの提供に向けた取り組みを推進します。
今後も増加が見込まれるひとり暮らし高齢者や高齢者のみの世帯では,心身の機能低下,認知
症やその他の疾病,介護,地域からの孤立など,日常生活において様々な不安を抱えています。
自宅での生活が困難になったとしても,家族や近隣住民との「絆」が保たれ,住み慣れた地域に
おいて安心して暮らすことを可能とするよう,新たに創設された「サービス付き高齢者向け住宅」
などの必要な介護サービスを受けながら,地域社会の一員として暮らしつづけることができる,
多様な高齢者用の住まいの普及を図ります。
(1)住宅のバリアフリーの推進
高齢者世帯が住まいの中で,転倒による骨折や火災等による事故にあわないよう,安全かつ
快適な生活を営むことができる住環境の整備を推進します。
(2)福祉施設サービスの整備
高齢者が住み慣れた地域で,安心,安全,自立した生活を送るためには,それぞれの生活課
題に即した施設及び住環境の整備が必要です。
福祉施策と住宅施策の連携を緊密にし,介護を必要とする高齢者にも対応出来る施設や住環
境の整備を推進します。
①
養護老人ホーム
養護老人ホームは,
「環境上の理由及び経済的理由」により在宅において一人で生活すること
が困難であると認められる高齢者を措置します。また,入所後,加齢に伴い要介護状態となっ
た方については,住宅改修や居住系サービスを除く介護保険法の居宅サービスの利用が可能と
なっていますので,入所者が適切なサービスを利用できるよう啓発などを行っていきます。
表125
養護老人ホーム入所措置人数(各年度末)(見込)
平成 24 年度
入居者数(人)
②
155
平成 25 年度
155
平成 26 年度
155
生活支援
身体機能の低下や家庭環境等の理由により,在宅での生活維持が不安なひとり暮らしの高齢
者等が,住み慣れた地域で自立した生活ができるよう,住居と生活支援サービスが組み合わさ
れた軽費老人ホーム,生活支援ハウスなどの施設について,良好な住環境を維持します。
−104−
第9章 施策の展開 基本目標4地域で支え合う人にやさしいまちづくり
(3)サービス付き高齢者向け住宅等の適正な整備
「高齢者の居住の安定確保に関する法律」の一部改正を踏まえ,バリアフリー構造等を有し,
介護・医療と連携してサービスを提供することを目的に整備が進むと考えられる「サービス付
き高齢者向け住宅」等について,事業者の参入の動向を把握し,事業者に対する指導・助言な
ど,住宅の整備が適正に行われるよう取り組むとともに,利用者に対する情報提供に努めます。
また,市内でサービス付住宅が整備され,介護保険サービスが提供される場合は,ケアプラ
ンやサービス内容の評価,また必要に応じ事業者に対する指導・助言を実施し,サービス提供
の適正化に努めます。
−105−
三次市第6期高齢者保健福祉計画・第5期介護保険事業計画
4−2 人にやさしいまちづくりの推進
高齢者が積極的に社会参加できるよう公共施設等のバリアフリー化を推進し,やさしい生活
環境をめざしたまちづくりを引き続き推進します。
また,高齢者の安全を守るため,関係機関との連携を強化し,火災,災害及び犯罪の発生予
防のための普及啓発の充実に努めるとともに,交通安全教育の充実を推進します。
(1)バリアフリーの推進
高齢者が安全かつ安心して生活できるよう歩行環境,公共建築物のバリアフリー化,オスト
メイト設置などユニバーサルデザインの考え方を取り入れた設計・整備を図るとともに,
「高齢
者,障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー新法)
」や「広島県福祉のま
ちづくり条例」に基づき高齢者にやさしいまちづくりを推進します。
(2)外出支援の充実
①
高齢者外出支援サービス
ひとり暮らしや高齢者等で疾病や障害などにより自力歩行が困難であるため一般の交通手段
の利用ができない方に対して,移送用車両(リフト付車両及びストレッチャー装着ワゴン車)
で居宅から医療機関等へ送迎するサービスを引き続き実施します。
表126
高齢者外出支援サービス事業利用者数・利用回数(見込)
平成 24 年度
②
平成 25 年度
平成 26 年度
利用者数(人)
3
4
4
延利用回数(回)
56
70
70
介護予防事業等への参加促進
介護予防事業へ参加したいが交通手段がない高齢者の方に対して,既存の地域生活交通等の
路線を活用または準用する等により,介護予防事業への参加促進を図るための対策を実施しま
す。
(3)安心・安全まちづくりの推進
①
交通安全対策の推進
関連機関・団体と連携する中で,市民一人ひとりが交通ルールを守り,正しい交通マナーが
習慣づくよう,普及啓発活動を展開します。
また,高齢運転者マーク使用の啓発や交通安全教室を開催するとともに,交通安全指導者を
育成します。
−106−
第9章 施策の展開 基本目標4地域で支え合う人にやさしいまちづくり
②
防災対策の推進
住宅用火災警報器の設置義務について説明・指導を行うとともに,各種イベント等を通じて,
防火意識の普及・啓発を図ります。
また,
「三次市地域防災計画」に基づき,計画的な各種防災訓練の実施や,保存年限に応じた
災害用備蓄物資の更新や避難路の整備などを行うとともに,自主防災組織による高齢者に対す
る避難誘導計画作成などへの支援を行い,災害に強い安全なまちづくりに努めます。
さらに,災害避難時に支援が必要であると思われる高齢者等について,かかりつけ医や服用
薬,緊急連絡先など,災害発生時に有用な情報をあらかじめ把握するよう災害時要援護者支援
システムを整備・運用します。
また,万一救急の事態が発生したときに必要な医療や緊急連絡に関する情報をあらかじめ記
入した連絡票を室内の統一した場所に容器に入れて保管しておく「いのちのバトン事業」につ
いては,民生委員・児童委員の協力により,随時理解を得ながら拡大していきます。
③
防犯対策の推進
高齢者が住み慣れた地域で安心して生活できるよう,警察等の関係機関との連携により,地
域防犯活動の推進,地域の防犯組織の育成を図り,高齢者の状況に配慮した防犯対策の整備・
充実に努めます。
また,消費者トラブルの発生防止に向けた啓発を推進するとともに,関係機関との連携のも
と,高齢者の立場に立った,迅速な相談の対応に努めます。
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