HDD 初期化操作ガイド

(Ver.1.1)
仮想サーバベーシック
HDD 初 期 化 操 作 ガ イ ド
 OS 提供オプションおよびディスク追加オプションの両方をご利用いただいている場合、また
は、ご利用中の仮想サーバーのディスクを追加契約された場合などに、お客様にて HDD の
初期化を行っていただく必要がございます。
 本書では、複数のパターン別に初期化操作手順の例を記載いたします。OS 及び利用する環
境により手順が異なる場合がございますので、お客様の環境に合わせ、実施してください。
HDD の操作は、十分に注意して行ってください。万が一、ご利用中のデータに損害が発生
した場合においても、弊社は一切の責任を負いかねます。また、外部のソフトウェアを利用
した初期化等、本項に記載していない手順につきましては、動作確認を行っておりません
ので、お客様の責任において実施していただけますようお願いいたします。
1. ディスクの構成について
オプションメニューの有無により、HDD の構成が異なります。
以下に、ディスクの初期化操作が必要なパターンの概要を図示します。
[OS 提供オプションをご利用の場合]
ご利用の際に、お客様にてディスクを
初期化していただく必要があります。
追加でご契約いただいた容量
Windows:C ドライブ容量
Linux: /boot
/
swap
合計容量
未割り当て領域
(未フォーマット)
50GB
OS ディスク
仮想 HDD
[ディスクの容量を追加された場合]
ご利用の際に、お客様にてパーティションの
作成/拡張をしていただく必要があります。
未割り当て領域
(追加ご契約分)
ご利用中領域
ご利用中領域
(当初ご契約分)
(当初ご契約分)
仮想 HDD
仮想 HDD
Copyright (C) TOYOTA DIGITAL CRUISE,INC.
1
2. 初期化/拡張方法について
ご利用いただく環境およびパーティションの構成により、拡張方法や利用出来るパターン
が異なります。
以下に、代表的な方法及び利用可否条件を記載しておりますので、ご利用形態に合わせて
対応した操作手順例をご確認下さい。
本書では、OS に標準で搭載されている以下のツール及びソフトウェアを用いた操作手順につ
いて、解説いたします。
・ Windows
「ディスクの管理」
、
「Diskpart.exe」
※WindowsServer2012 に関しては「Diskpart.exe」を利用すると、エラーが発生する事象が Microsoft 社より報告され
ておりますので、「ディスク管理」から実施いただきますようお願いいたします。
・ Linux
「fdisk」
Windows OS をご利用いただいている場合
…… P3∼P4
1. 既存のパーティションを拡張する
ご利用中のパーティションに対し領域を追加し、パーティションのサイズを拡張します。
本項で記載する手順にて拡張を行う場合、下記のとおり、拡張を行うための条件があります。
 拡張したいパーティションと、未割当領域が隣接していない場合、拡張を行うことができません。
(ベーシックディスクの場合)
上図のような構成となっている場合、「ボリューム(E:)」のみ拡張可能です。
「(C:)」を拡張する場合、一度「ボリューム(E:)」を削除する必要があります。
 WindowsServer2008 より古い OS をご利用いただいている場合、システムパーティションを
拡張することができません。
WindowsServer2003、Windows2000Server 等の OS では、OS がインストールされている
パーティション(システムパーティション、通常(C:))に対する拡張操作を行えません。
WindowsServer2008、2008R2、2012 等をご利用いただいている場合、
システムパーティションの拡張を行うことができます。
 拡張したいパーティションが、NTFS でフォーマットされている必要があります。
FAT32 等、他のファイルシステムでフォーマットされている場合、拡張操作を行えません。
2. 新しくパーティションを作成する(Windows)
…… P5∼P6
未割当の領域から、新しくパーティションを作成します。
OS のバージョンにかかわらず、ご利用いただけます。
Linux OS をご利用いただいている場合
3. 新しくパーティションを作成する(Linux)
…… P7∼P8
未割当の領域から、新しく領域を作成し、フォーマット及びマウントを行います。
Copyright (C) TOYOTA DIGITAL CRUISE,INC.
2
3. 既存のパーティションを拡張する(Windows)

「ディスクの管理」を利用した GUI での拡張手順
※画面は WindowsServer 2008 R2 のものです。ご利用の Windows のバージョンにより、画面や用語が
異なる場合がございます。
3−G1
「ディスクの管理」ツールの起動
Windowsを起動し、「スタート」メニューより、「コンピュータ」(「マイコンピュータ」)を右クリックし「管理」を選択してくだ
さい。「サーバー マネージャー」(「コンピュータの管理」)が起動しますので、左側のメニューより「記憶域」の項目内
にある「ディスクの管理」を選択してください。
「ディスクの管理」を選択すると、現在のコンピュータのディスク構成が表示されます。未割り
当ての領域があることおよびご利用いただいている構成と相違が無いことをご確認下さい。
3−G2
「ボリュームの拡張ウィザード」の開始
拡張したいボリューム(パーティション)を選択し、右クリックで表示されるメニューより「ボリュームの拡張」を選択します。
「ボリュームの拡張ウィザード」が起動したら、「次へ」を選択しウィザードを開始します。
※「ボリュームの拡張」を選択できない場合、対象のボリュームが拡張可能となる条件を満たし
ていない可能性があります。ファイルシステム、ディスク構成等の環境をご確認下さい。
3−G3
「ボリュームの拡張ウィザード」の操作
「ボリュームの拡張ウィザード」が開始されると、「選択されたディスク」欄内に自動的に未割り当ての領域が表示され
れます。容量を確認し、「ディスク領域(MB)を選択」欄に、追加したい容量を入力します。(※元々の容量と「ディスク
の領域(MB)を選択」欄に記載した容量を足したものが、拡張後の容量となります。)
入力した容量に間違いが無いことを確認し、「次へ」を選択
すると、拡張が完了します。
完了後、「ディスクの管理」画面上で領域が拡張されていることをご確認下さい。
Copyright (C) TOYOTA DIGITAL CRUISE,INC.
3

「Diskpart.exe」を利用した、コマンドラインでの拡張手順
※画面は WindowsServer 2008 R2 のものです。ご利用の Windows のバージョンにより、画面や用語が
異なる場合がございます。
3−C1
Diskpart.exeの起動
「スタート」メニュー内の「ファイル名を指定して実行」を選択してください。「名前」欄に「diskpart」と入力し、「OK」を
選択すると、diskpart.exeがコマンドプロンプトで起動します。
3−C2
ディスク構成の確認
現在のディスクおよびボリューム構成を確認します。diskpartでは、「LIST」コマンドで確認、「SELECT」コマンドで対
象の選択を行います。ここでは、「list disk」にてHDDの構成を、「list volume」にて論理ボリュームの構成を確認して
います。「list disk」にて、空き容量が表示されていることを確認してください。
DISKPART> list disk
DISKPART> list volume
diskpartのコマンドは、「help (コマンド名)」と入力すること
で確認できます。
3−C3
ボリュームの選択
「select volume」コマンドで、拡張を行うボリュームを選択します。ボリュームの番号は、「list volume」で確認したも
のを用います。今回の例の場合、CドライブがVolume 2となっているので、「select volume 2」とします。
DISKPART> list volume
DISKPART> select volume<番号>
3−C4
ボリュームの拡張
「extend」コマンドで、選択しているボリュームを拡張します。size=<N>オプションで、拡張する容量を指定することが
出来ます(MB単位)。オプションを指定しない場合、拡張可能な最大の容量に拡張されます。
DISKPART> extend size=<N>
※拡張を行う際に、警告等は表示されません。正しいボリュームを選択していることを確認してから、
実行するようにしてください。
3−C5
拡張結果の確認
「list volume」コマンドで、ボリュームが正常に拡張されていることを確認します。
DISKPART> list volume
以上で、拡張操作は完了です。
Copyright (C) TOYOTA DIGITAL CRUISE,INC.
4
4. 新しくパーティションを作成する(Windows)

「ディスクの管理」を利用した、GUI での拡張手順
※画面は WindowsServer 2008 R2 のものです。ご利用の Windows のバージョンにより、画面や用語が
異なる場合がございます。
4−G1
「ディスクの管理」ツールの起動
Windowsを起動し、「スタート」メニューより、「コンピュータ」(「マイコンピュータ」)を右クリックし「管理」を選択してくだ
さい。「サーバー マネージャー」(「コンピュータの管理」)が起動しますので、左側のメニューより「記憶域」の項目内
にある「ディスクの管理」を選択してください。
「ディスクの管理」を選択すると、現在のコンピュータのディスク構成が表示されます。未割り
当ての領域があること、ご利用いただいている構成と相違が無いことをご確認下さい。
4−G2
「新しいシンプルボリュームウィザード」の起動
未割り当ての領域を選択し、右クリックで表示されるメニューより「新しいシンプルボリューム」を選択します。
「新しいシンプルボリュームウィザード」が起動したら、「次へ」を選択しウィザードを開始します。
4−G3
ボリュームサイズ、ドライブレターの指定
「ボリュームサイズの指定」画面で、「シンプル ボリ
ューム サイズ(MB)」の欄に、新しく作成するボリュ
ームのサイズを指定してください。初期状態では、
作成可能な最大値が入力されています。
4−G4
「ドライブ文字またはパスの割り当て」画面で、ドラ
イブレターを割り当てます。初期状態では、自動的
に空いているドライブレターを割り当てる設定となっ
ています。
パーティションのフォーマット
パーティションのフォーマット方法を指定します。基本的にはデフォルトから変更する必要はありませんが、
FAT32でフォーマットを行う場合やボリュームラベルを変更する場合は、項目を修正してください。
「完了」を選択すると、フォーマットが開始されます。
以上で、パーティションの作成は完了です。
Copyright (C) TOYOTA DIGITAL CRUISE,INC.
5

「Diskpart.exe」を利用した、コマンドラインでの拡張手順
※画面は WindowsServer 2008 R2 のものです。ご利用の Windows のバージョンにより、画面や用語が
異なる場合がございます。
4−C1
Diskpart.exeの起動
「スタート」メニュー内の「ファイル名を指定して実行」を選択してください。「名前」欄に「diskpart」と入力し、「OK」を
選択すると、diskpart.exeがコマンドプロンプトで起動します。
4−C2
ディスク構成の確認
現在のディスクおよびボリューム構成を確認します。diskpartでは、「LIST」コマンドで確認、「SELECT」コマンドで対
象の選択を行います。ここでは、「list disk」にてHDDの構成を、「list volume」にて論理ボリュームの構成を確認して
います。「list disk」にて、空き容量が表示されていることを確認してください。
DISKPART> list disk
DISKPART> list volume
diskpartのコマンドは、「help (コマンド名)」と入力すること
で確認できます。
4−C3
ボリュームの選択
「select disk」コマンドで、操作を行うディスクを選択します。ディスクの番号は、「list disk」で確認したものを用いま
す。今回の例の場合、ディスクは1台しかありませんので、「select disk 0」とします。
DISKPART> list disk
DISKPART> select disk <番号>
DISKPART> list partition
list partitionコマンドで、パーティション構成を確認できます。
4−C4
パーティションの作成
「create partition」コマンドで、新しくパーティションを作成します。作成したいパーティションの種類により、
「primary」、「extend」といったオプションを付与します。また、size=<N>オプションで、拡張する容量を指定すること
が出来ます(MB単位)。sizeオプションを指定しない場合、作成可能な最大の容量で作成されます。
プライマリパーティションを作成
DISKPART> create partition primary size=<N>
拡張パーティションを作成
DISKPART> create partition extend size=<N>
拡張パーティション内に論理ドライブを作成
DISKPART> create partition logical size=<N>
特別な理由が無い場合は、プライマリパーティ
ションを作成します。
4−C5
拡張結果の確認
「list partition」コマンドで、パーティションが正常に作成されていることを確認します。
DISKPART> list partition
以上で、パーティションの作成操作は完了です。
Copyright (C) TOYOTA DIGITAL CRUISE,INC.
6
5. 新しくパーティションを作成する(Linux)
※画面はCentOS5.5のものです。ご利用のディストリビュージョンにより、画面や用語、コマンドが異なる場
合がございます。
5−1
fdiskの起動、構成の確認
※GUIの場合、ターミナル(端末)からコマンドラインで操作を行います。操作は、root権限で行う必要があります。
接続されているデバイスを確認します。通常、/ver/log/dmesgにデバイスの情報が記載されていますので、
「dmesg | grep sda」等のコマンドで情報を確認します。(本サービス上のHDDは、SCSI接続として扱われます。)
[sda]を含む起動時のメッセージを表示
# dmesg | grep sda
sdaでデバイスが見つからない場合、絞込み条件を変える
などして、接続されているHDDを確認してください。
「fdisk /dev/(デバイス名)」コマンドを入力して、fdiskを起動します。
コマンド(mでヘルプ):と表示されたら、「p」と入力し、現在の領域テーブルを確認します。
fdiskの起動
# fdisk / (確認したデバイス名)
現在の領域テーブルの確認
コマンド(mでヘルプ):p
fdisk起動時に、シリンダ数に対する警告文が表示される
場合がありますが、そのまま進めて問題ありません。
5−2
領域の作成
「n」と入力し、領域の作成に入ります。e 拡張、p 基本構成(1-4)と表示されたら、「p」と
入力します。今回の例では、/sda1、/sda2に続く領域を作成しますので、領域番号は「3」となります。
新たに領域を作成する
コマンド(mでヘルプ):n
コマンドアクション:基本領域(p)を選択
領域番号:デバイス数に応じて選択
(OS提供時の初期構成では、3となりま
す。環境に応じて変更します。)
最初 シリンダ:デフォルト
終点 シリンダ:作成する容量に応じ指定
シリンダの始点入力では、デフォルトのままで問題ありませんので(自動的に前のシリンダの最後尾に続く形となりま
す)、何も選択せずにEnterを押してください。
シリンダの終点入力では、シリンダ数または作成するサイズを記載します。今回の例では、+30000Mとしています。
値を指定せずにEnterを押した場合は、空き容量が全て割り当てられます。
※実行するとコマンド入力に戻りますが、この時点ではテーブル(設定)はシステムに反映されません。
5−3
設定内容の確認、書込み
「p」と入力し、先ほど作成したパーティションが設定されていることを確認します。今回の例では、/dev/sda3 が新た
に作成されています。
テーブルをディスクに書き込み、終了
コマンド(mでヘルプ):n
今すぐにシステムを再起動
# shutdown –r now
正しく設定できていることを確認したら、「w」と入力し、作成したテーブル(設定)をシステムに書き込みます。
誤った設定内容を書き込むことのないよう、注意してください。
内容が誤っていた場合は、「d」にて作成した領域を削除し、再度「n」にて領域を作成する等の対応を行います。
設定の書込みが完了したら、「shutdown –r now」コマンドを入力し、OSを再起動します。
Copyright (C) TOYOTA DIGITAL CRUISE,INC.
7
5−4
ディスクのフォーマット
再起動が完了したら、「sfdisk -l」コマンドで、パーティションが作成されていることを確認します。
パーティションの一覧を表示
# sfdisk -l
「mkfs –t ext3 /dev/sda3(デバイス名)」コマンドを入力し、作成したパーティションをフォーマットします。今回の例で
はext3にてフォーマットしています。この処理は、完了まで少し時間が掛かる場合があります。
※コマンドを入力すると、フォーマットが自動的に進行します。
フォーマットするデバイスを間違えないよう、十分に注意して
作業を行ってください。
ファイルシステムを指定してフォーマット
# mkfs –t ext3 / (デバイス名)
現在の領域テーブルの確認
コマンド(mでヘルプ):p
5−5
ファイルシステムの整合性チェック
「fsck.ext3 /dev/sda3(デバイス名)」コマンドを入力し、ファイルシステムの整合性チェックを行います。
ファイルシステムの検査(ext3)
# fsck.ext3 / (デバイス名)
cleanと表示されることを確認してください。
5−6
マウントポイントの作成
「mkdir /hoge(ディレクトリ名)」コマンドでマウントポイントを作成し、作成した領域をマウントする準備を行います。
ディレクトリの作成
# mkdir /(ディレクトリ名)
マウントポイントが作成できていることを確認します。
5−7
領域のマウント
「mount /dev/sda3(デバイス名) /hoge(ディレクトリ名)」コマンドで、作成したマウントポイントに領域をマウントします。
マウントが完了したら、dfコマンドでディスクの容量等の確認を行います。
デバイスのマウント
# mount / (デバイス名) / (ディレクトリ名)
ディスク容量の確認(-h:容量単位の付与)
# df -h
正常にマウントできていること、サイズが正しいことを確認します。
再起動後に自動的にマウントされるよう、/etc/fstabファイルを編集します。
viエディタで/etc/fstabを編集
# vi /etc/fstab
デバイス名、マウントポイント、ファイルシステムなどの情報を/etc/fstabに追記します。
以上で、HDDの初期化は完了です。
Copyright (C) TOYOTA DIGITAL CRUISE,INC.
8