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卵子を知り、卵子を活かす
星野 由美 (農学研究科)
■ 研究紹介
■ キャリアパス
・遺伝的価値の高い家畜を効率的に生産したい
(= おいしい肉・ミルクを生産する動物 など)
・希少動物種を保護したい
・疾患モデル動物を作りたい
・ヒトの不妊治療をサポートする技術が必要
⇒
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これを生殖工学技術を用いて
実現させようとする研究領域です。
生殖工学技術
>
・卵子の体外成熟、体外受精、体外培養
・顕微授精 (卵子に精子を注入する方法)
・遺伝子組換え動物、クローン動物の作出
・卵子(卵巣)、精子(精巣)の凍結保存
など
・胚性幹細胞(ES細胞)の樹立
これを実現させるためには、たくさんの質の高
い卵子が必要になります。また、現行の技術は、
問題点や課題が多くあり、それをひとつずつ、
解決する必要があります。
①卵巣内卵子を有効利用する
→ 卵子はどのように形成され、受精可能な
状態になるのか?たくさんの卵子をどの
ように獲得するのか?
②質の高い卵子を選別する
→ 質の高い卵子の特徴は?どのように質の
高い卵子を選抜するのか?
③貴重な遺伝子資源を保存する
(卵子・精子バンクの設立)
→ ダメージを与えない凍結保存法は?
1994年
群馬県立高校入学
在学中、群馬県の交換留学プログラムで
ニュージーランドに滞在(1年間)
1997年
茨城大学農学部入学
動物生産学(畜産)を学ぶために選択
地域の国際交流協会で学生委員として活動
2001年
同卒業
東北大学大学院農学研究科(博士前期課程)へ入学
複数の研究室を訪問して、研究室を選択
2003年
博士前期課程を修了・博士後期課程へ進学
共同研究でスウェーデン、イタリアに滞在
海外で、研究生活の面白さを再認識
2006年
博士後期課程を修了・学位取得(農学博士)
日本学術振興会特別研究員として研究活動
2007年
東北大学大学院農学研究科・助教(5年任期)
研究をしながら、就職活動を行う
2010年
東北大学大学院農学研究科・助教
任期のない仕事(ポジション)に就けたことにより、
研究に集中できるようになる
2011年
スタンフォード大学(アメリカ)の医学部産婦人科で
研究プロジェクトの立ち上げに従事(1年間)
2012年
現在
新しい研究プロジェクトを展開中
人とのつながりの大切さを実感している
■ 研究の概略
卵巣内には数十万個の卵子が
存在しますが、卵巣内で選抜
が行われるため、排卵し受精
のチャンスを獲得するのは、
0.1%以下とごくわずかなの
です。
このような疑問を解くために、私は分子レベル
で卵子内の現象を解明しようとしています。
得られた成果に基づいて、新しい知見や技術を
業界に発信したいと考えています。
動物生殖科学は
農学
生命
科学
医学
農学、生命科学、医学と関わりを
持ち、産業やヒトの健康・福祉への
貢献を目指す研究領域です。
排卵に至らない健常な卵子を体外に
取り出し、生殖工学技術を用いて、
有効利用することを目指しています。
■ 所属研究室の紹介 (研究室名: 動物生殖科学分野)

哺乳動物の生殖現象を分子レベルで解明するとともに、生殖現象の人為操作技術や
発生工学技術を開発し、実用可能なものにするための研究を行っています。

研究材料は、卵巣、卵子、受精胚、精子 で、畜産領域のみならず、
希少動物種の保全や生殖補助医療(不妊治療)への貢献を目指しています。
私の共同研究者,アメリカ地
質調査所Kirby教授 ↓
底には地震計が埋め込ま
れてました.2008年
地震波の収録装置

卵子のサイズは、0.1mmと小さく、顕微鏡下での作業が不可欠です。
一連の操作には熟練を要しますが、慣れてしまえば独創的な研究も展開できます。

夢をもつこと、考えること、粘り強く取り組むこと、これが研究には大切です。
顕微鏡下での卵子
の操作(上)
マウス卵子への
顕微授精(下)