英 語 科 学 習 指 導 案 平成13年6月8日 1校時 1年1組 教室 指導者 栗

英 語 科 学 習 指 導 案
平成13年6月8日㈮ 1校時
1年1組 教室
指導者 栗和田 建夫
ALT Jeff Kiyooka
1 . 題材
Hello,English
入門期の音声指導
2 . 指導にあたって
(1) 題材観
つづりと発音のあいだの規則を覚えれば,英語は効果的に学べるはずである。
「英語嫌い」の原因は,ほとんどの場合,教科書が読めないことにある。英語のスペ
ルを見ても全く音が浮かばないのである。
一般に,生徒はどうやって単語の読み書きを覚えているのだろうか。また,教師は単
語の読み方やスペルを覚える方法をどのように指導しているのだろうか。
発音とつづりの関係が分かっていないと,単語の読み方も書き方もオーム返しと丸暗
記ばかりが強いられる。やがて,単語を覚えることが苦痛になり ,「英語嫌い」が次第
に増えていくことになる。私自身も,初めて英語を習った中1の時に,スペルを覚える
ための方法が見つからず,orange(みかん)という単語をわざわざ「オランゲ」とロー
マ字式に読み替えて10回も20回も書いて覚えた経験がある。
英語を,その独特のリズム・イントネーションで英語らしく発音できるようになるた
めには,その場その場の指導ではなく,体系的な音声指導が必要である。音声指導は,
文法事項がほとんど入って来ない中学一年生の一学期に位置づけたい。この時期に,た
っぷりと時間をかけて,つづりと発音のあいだの規則を覚えれば,生徒は独力で英語を
音読できるようなり,それ以後の英語学習のスピードも倍加するのではないかと考えて
いる。
(2) 生徒観
男子18名,女子16名,計34名の学級である。1年生ならではの活気のあるクラ
スで,あいさつの声にも元気がある。英語の学習に興味を持ち,活発に学習活動をして
いる。しかし,学習用具を忘れたり,宿題を怠ったりなど,基本的な学習習慣が身に付
いていない生徒も若干名いる。<資料1>
また,最近は小学校でのローマ字の学習時間が以前よりずっと少なくなったためか,
ローマ字の読み書きがきちんとできる生徒が非常に少ない。<資料2>
アルファベットの大文字・小文字については,毎回速く正しく書くコンテストを実施
しているが,26文字を4線上に正しく書ける生徒は,まだ半数である。<資料3>
英語の音声指導に関しては,教科書のp.10〜11に,ほとんどが外来語としてなじみの
ある英単語が32個あり,半数の生徒がそのほとんどを英語で言うことができた。しか
し,当然のことではあるが,どれもこれもその発音はカタカナ式であり,英語特有の発
音やアクセントなどはできていない。
<資料1>「家庭学習のアンケート結果」5月11日
1 毎日家庭学習をしていますか。
⑴毎日…2 ⑵時々…10 ⑶たまに…18 ⑷ほとんどしない…4
2 家庭学習で何に力を入れていますか。
⑴宿題…23 ⑵復習…9 ⑶予習…8 ⑷その他…2
3 何の教科を家庭学習しますか。
⑴教科名(数…8 英…3 国…3 社…3 理…1 音…1)
⑵とくに決めていない…23 ⑶ない…3
<資料2>「ローマ字のテスト結果」5月14日
・自分の名前をローマ字で正しく書ける…15名
・「 仙台・東京・名古屋・福岡」をローマ字で書ける…10名
<資料3>「アルファベット速書きコンテスト」
・5回目(5/24)大文字,小文字を正しく書けた…13名
・6回目(5/28)
〃
正しく書けた…15名
(誤答は,大文字Iの横棒がないのが6名,あとは小文字のd,h,j,k,l,n,
t,p,qなどの形や大きさのミスが見られた 。)
(3) 指導観
中学一年生の一学期,4月〜7月の約30時間を入門期として捉え,楽しい言語活動
と体系的な音声指導を取り混ぜながら,計画的に指導していきたい。
音声指導は,松香洋子著「英語,好きですか」のフォニックスの学習方法をベースに
単語のつづりと発音の関係を指導する。フォニックスは,10級から始まり1級そして
特1級で体系的な学習が仕組まれている。フォニックスを1ラウンド終えるのに1学期
の大半を費やすので,進度の面で心配がないわけではないが ,「つづりと発音の関係」
が身について来れば,自分で読める生徒が育つはずであると考える。教師の発音のリピ
ートもなしで,初めて開いた教科書のページを独力で読むことができたら,どんなにか
すばらしいだろうと思う。そのことによって,英語の文字は,基本的には,ひらがなや
カタカナと同様に「表音文字」であることを実感できるであろう。
フォニックスの指導を行って,期待できる学習効果は以下の通りである。
1
2
3
4
発音と文字の関係を組織的に学ぶことができる
発音記号を使わなくとも単語が読める
体系的に学ぶので,短期間で効果があがる
生徒の主体的な学習が期待できる
3.指導目標
◎ フォニックスの学習を通じて,英語のつづりと発音の基本的な規則が分かり,単
語を独力で読んだり,つづりを書くことができるようにさせる。
4.指導計画(入門期:35時間扱い)
月別
時数
教科書および言語活動
4月
3
Hello,English(p2〜13)
ABCの歌
学習用具,学習方法
英語のあいさつ,自己紹介
アルファベットの発音
大文字と小文字の正書法
ABCカードゲーム
「アブクド読み」導入(a,b,c,…)
Unit 1 (p14〜19)
10級:6つの子音文字
5月
12
I am 〜.
You are 〜.
Are you 〜? と応答
音声指導
(p,t,k,b,d,g)
9級:5つの母音文字
その他
ローマ字①(Aiueo)
ローマ字②(Kappa)
ローマ字③(詩「悪口」)
(a,e,i,o,u)
8級:一文字子音
文の正書法
(mnfvszcglrpxhwjy)
6月
12
Unit 2 (p20〜25)
This is〜,That is〜.
Is this(that)〜?
He(She) is 〜.
Is she 〜? の疑問文・応答文
7級:eのついた母音[本時]
冠詞(a,an)
(a‑e,e‑e,i‑e,他2)
6級:二文字子音
(ch,sh,wh,th,ck,他2)
5級:二重母音,長母音
(ai,ay,ee,ea,ey,他6)
4級:連続子音
(bl,br,sc,str,他19)
3級:二文字母音
(au,oi,ou,ow,oo他4)
7月
7
Unit 3 (p26〜31)
I like 〜.
I don't like〜.
Do you like〜?
2級:よわ母音
(ar,or,er,air,他13)
1級:黙字の子音
(kn,wr,mb,dge,他12)
特級:特別なルール
(ost,ld,nd,y,他7)
期末テスト
5 . 本時の指導計画
(1) 題材名
:‑eのついた母音の発音(フォニックス7級)
(2) 本時の指導目標
◇ eのついた母音の発音(フォニックス7級)の学習を通じて,それらの単語を独
力で読んだり,つづりを書くことができるようにさせる。
文
字
キーワード
a−e
e−e
i−e
o−e
u−e
cake
eagle
ice cream
rose
cute
練
gate
eve
bike
hole
cube
習
game
Steve
dive
rope
Jane
単
語
cake
Pete
wine
rose
cute
◇ 下位目標行動
① アルファベットの文字が正書できる 。(復習)
② 5つの短母音の発音ができる 。(復習)
③ ‑eのついた母音の発音が聞き分けられる 。(アルファベット名前どおり)
④ つづりを意識しながら正しく発音できる。
⑤ ‑eのついた,たいてい4文字の単語を速く読める。
⑥ 声に出しながら単語を書ける。
(3) 本時の指導にあたって
①「つづりと発音を結びつける」段階では,フォニックスの文字を提示しながら,絵
の中にあるものを発音する。可能な限り生徒自身に『法則』の発見をさせて,自ら
学んでいく姿勢を養いたい。
②「つづりを見てすぐ発音ができる練習」の段階では,すぐ発音が思いつかない生徒
には,絵を示したり「フルーツのひとつだよ。」などのヒントを与える。また,と
きどき,絵のどれのことかを確認し,音声と意味とを結びつけていく。
③仕上げは ,「早読み練習」と「書く練習」で定着させる。ここでは,とにかく発音
して読めればよいことにする。また,もし1時間内での達成が難しい場合は,早読
み60秒は宿題としたい。書く練習プリントは,4人グループの共同学習にさせる。
(4) 教科重点努力目標への取り組み
◇英語科重点努力目標:「 基礎基本の習得の徹底を図り,自己表現やコミュニケーシ
ョン活動の喜びを味わわさせる」
本時は,基礎基本の習得の徹底を図ることに重点が置かれているが,コミュニケー
ション活動については,教科書 Unit 3での学習において,次のような自己表現活動
の場を用意しておきたい。
《ALTに自分の事について紹介する文を書こう!》
Hello, Jeff. I'm (自分の名前). I'm from (地区名).
I like 〜(好きなもの). I have a (飼っているペットなど).
I play (the) (スポーツまたは楽器).
したがって,li k e , h a v e , c a k e , TV g a m e , b a s e ball, fl u t e などこのフォニック
スで学習したことは,その後の言語活動でもきっと役立つであろう。
(5) 資料,準備物
ピクチャーカード,単語カード,ワークシート(全て,フォニックス7級用)
(6) 本時の指導過程(別紙)
(7) 評価
評価の観点
観点別評価
のポイント
コミュニケーションへの
関心・意欲・態度
表現の能力
(話す・書く)
理解の能力
(聞く・読む)
言語や文化についての
知識・理解
・フォニックス
の学習に興味・
関心を持って参
加した。
・声に出しなが
ら7級の単語を
書ける。
・‑eのついた母音の発音が聞
き分けられる。
・つづりを意識しながら正しく
発音できる。
・‑eのついた,たいてい4文
字の単語を速く読める。
・‑eのついた母音の発音
がアルファベットの名前ど
おりであるという法則がみ
つけられた。
(8) 座席表(1年1組
教室)
① 関心・意欲・態度,②表現,③理解,④言語文化
【
教
(○良好 ,・普通,△努力を要す)
卓
】
男△・・・
集中させたい,忘れ物
女○○・・
速書きよい
男○・・○
速書きよい
女○・・・
速書きよい
男・・・・
作業に時間がかかる
女○・・◎
ローマ字よい
男・・・△
ローマ字が苦手
女・・・・
男○○・◎
知識あり,筆記体も
女・○・・
ローマ字苦手
男・○・○
ローマ字得意,欠席多
女○・・◎
速書き,ローマ字よい
男△・・△
あきっぽい,提出物
女○○・◎
速書き,ローマ字よい
男△・・・
集中させたい,提出物
女・・・・
欠席多,ローマ字苦手
男△・・・
集中させたい,遅い
女△○・・
あきっぽい
男○・・△
ローマ字苦手
女・・・・
男・○・・
正しく書ける
女○・・・
速書きよい
男△・△△
集中させたい,提出物
女○・・・
速書きよい
男○○・・
学習係として活躍中
女・○・◎
ローマ字得意
男△・・・
あきっぽい,欠席多い
女○・・・
速書きよい
男◎◎○○
授業をリードする
女○○・・
速書きよい
男△・・△
あきっぽい,作業遅い
女○○・◎
速書き,ローマ字得意
男○○・○
ローマ字得意
男△・・・
あきっぽい,提出物
(6) 本時の指導過程
学
段階
導入
1.あいさつ
10分
2.アルファベット復習
(速書きコンテスト)
8分
活
動
授業
3.本時の学習目
標の提示
−eのつく母音
−a−e
−e−e
−i−e
−o−e
−u−e
の聞き分けと
ルールの発見
教 材
評
価
指 導 上 の 留 意 点
教
展開
習
指 導 内 容
師
の
働
(JTE)
Good morning,class.
How are you?
I'm fine,thank you.
「アルファベットの速書き
コンテストをします。」
本時①小文字2,大文字2で ABcdEFgh・・
②ローマ字で,地名と人名を4つ
⑴語群⒜および語群⒝につ
いて、つづりを指し示し
ながら、ALTの発音を
聞かせる。
⑵「語群⒜と語群⒝をくら
べるとどんな違いがある
と言えますか?」
・つづりと発音の法則
・意味もかわる
き
か
け
生
(ALT)
Good morning,class.
Fine,thank you.
I'm great.
Desides order of finish.
Praises the winners.
⒜
h at
r at
p et
p in
w in
n ot
h op
c ut
t ub
/
/
/
/
/
/
/
/
/
⒝
h ate
r ate
P ete
p ine
w ine
n ote
h ope
c ute
t ube
Pronunces words to show
the differences.
徒
の
活
動
(STUDENTS)
Good morning,Mr.Kuriwada & Jeff。
I'm fine,thank you. And you?
形態
一斉
資 料
(評価の方法)
・元気よく笑顔であいさつし、
楽しく学べる雰囲気をつくる。
①アルファベッ
トの文字を正し
く書くことがで
きた。(挙手)
・アルファベットの大文字・小文字
を競争で速く正しく書く。地名や人
名をローマ字で書く。
一斉
・速書きのルールを全員に分か
らせる。ローマ字については、
苦手としている生徒の支援をす
る。
4線シート
・語群⒜,⒝との違いについて,つ
づりと発音についてのルールについ
てグループで話し合い発見する。
4人
グループ
・模造紙に語群⒜と⒝を書いて
から⒝の単語の−eをマスキン
グしておく。
語群⒜⒝
の表
②5つの短母音
の発音ができた
か(観察→発表)
・導入の単語の4〜5は辞書で
調べさせ,残りはフラッシュカ
ードを用意しておく。
・単語の意味をあらわす絵を用
意したい。
・口形表を示し,短母音の場合
と比較するとよい。
フラッシュカード
③eのついた母
音の発音が聞き
分けられか。
(発表)
例) hat と hate では,
○最後に−eがつくと母音字aの発
音が変わる。
○この−eは音無しである。
○短母音のaがアルファベットどお
りの読み方に変わる。
○意味も「帽子」が「大嫌い」に変わる
絵や実物
口形表
10分
5.練習単語での
発音練習
・練習単語表のプリントを
配り,発音練習をさせる。
(全体→個人)
Helps students to pro‑
nounce the words.
・
「7級練習単語表」を用いて,発
音の練習をする。
(全体→個人)
一斉
個人
・全体で練習した後で、criss‑
crossで個人ごとに読ませる。
ワークシート
[7級練習単語]
10分
6.早読み練習
・早読みシートを使って,
早読み競争をさせる。
(ペア活動)
Helps the student who
has no pair‑mate.
・ペアを作り「7級早読みシート」
1人が早読みをし,1が時計を見て
判定する。2回行なう。
ペア
・判定者に手を挙げさせ,かか
ったタイムを教えてやる。
ワークシート
[7級早読み]
10分
7.書く練習
・書く練習シートを使い、
声に出しながら書かせる。
Pronounces the words
for filling the blanks.
・
「7級書く練習シート」を使って
ALTの発音する単語のつづりを完
成していく。
4人
グループ
・もし,時間が余ったら,「早
読みシート]でもう一度チャレ
ンジさせる。
ワークシート
[7級書く練習]
終結
8.まとめ
本時のまとめと次時の予告
を言う。
Comments on class for
today.
・ALTのコメントを聞く
一斉
・コメントは,生徒の励みにな
うな内容が望ましい。
9.あいさつ
Good‑by,everyone.
See you later.
・Thank you. See you again.
〃
・気持ちを込めてあいさつする
2分
④正しく発音で
きたか。
(観察→発表)
⑤eのついた,
たいてい4文字
の単語を読めた
か。(挙手)
⑥声に出しなが
ら書けたか。
(挙手)