取扱説明書 - ワケンビーテック

取扱説明書
CoolCell FTS30 アルコールフリー細胞凍結コンテナー
CoolCell FTS30 について
CoolCell FTS30 は、⼤容量の 1〜2mL クライオ
チューブ 30 本⽤凍結システムです。⾼価なプロ
グラムフリーザーを使うことなく、多数のチュー
ブを⼀度に凍結することのできるユニークな製
品です。通常、多数のチューブを冷却する際、⼀
団の中央のチューブの凍結スピードが、まわりの
チューブによって作られる熱の影響を受け、均⼀
に冷却できません。CoolCell FTS30 は、凍結モ
ジュールの中への調整された対流システムの導
⼊によって、この問題を解決します。CoolCell FTS30 チャンバー内の暖かく密度の低い空気は上昇し、
上部の通気ベントから出て、下部ベントから冷気を引き込みます。冷気は下側チャンバーでミックスさ
れ、上昇しチューブの上を通過するときに、熱エネルギーを奪い上部ベントから排出されます。冷たい
空気が流れ続けることと、周りのチャンバー断熱による伝導性熱損失の組み合わせで、1 分間に-1℃の
理想的な温度降下曲線を実現します。
CoolCell FTS30 は、-70〜-80℃のフリーザーと組み合わせて、ほとんどの細胞株の凍結保存に理想的
な 1 分間に-1℃の凍結速度をもたらします。CoolCell FTS30 の調整された対流技術が、以前には、達
成不可能だったレベルの、全てのチューブで均⼀性の⾼い凍結速度が得られます。同じバイアル数、凍
結温度の場合には、バイアル間、サイクル間において、⾮常に再現性の⾼い結果が得られます。CoolCell
FTS30 の低い熱容量によって、冷凍庫内の温度を上昇させずにバイアルの凍結が実施されるので、周囲
のサンプルへの影響もありません。
使⽤⽅法

-70℃〜-80℃フリーザー内に最低直径 9 インチ(約 23cm)の何もないスペースを確保します。
凍結プロセス中の適切なエアフローの妨げになる可能性があるので、スペースに霜がないことを確
認してください。

凍結プロセス中は、フリーザーを暫く(最低 3 時間)扉を開けないでください。また、⼀時的に開
閉を制限することになりますので、周囲の⼈の実験を妨げにならないか確認してください。

CoolCell FTS30 を最近使⽤した場合は、容器に結露がないか確認してください。パーツを分解し
て、確認することをお勧めします。
①
下部ベントは簡単にベースから取り外せます。下部ベントの下から指を⼊れて、熱分散プレートを
押し出して外してください。構成部品はよく乾燥させてください。下部ベントが濡れていないこと
も確認してください。
②
下部ベントを下側からベースに差し込みます。下部ベントのフランジ(広がり)は、CoolCell FTS30
容器の外側になければなりません。
ベース
下部ベント
③
上部ベントを本体フタの上側から差し込みます。上部ベントのフランジ(広がり)は、CoolCell
FTS30 容器の外側になければなりません。
上部ベント
リッド
④
熱分散プレートをベース下側中央の空洞にはめ込みます。プレートに向きの指定はありませんので、
どちら側が上でも問題ありません。プレートがきちんとベースの⼀番下にセットされたことを確認
してください。
熱分散プレート
ベース
⑤
チューブトレイをベースに⼊れ、ベース内で平らに安定していることを確認してください。
⑥
1mL の凍結培地の⼊った 30 本のクライオチューブをチューブトレイに⼊れてください。あるいは
チューブトレイに先にチューブを⼊れてからベースにセットしても問題ありません。
注意:
チューブトレイ中央の⽳にはチューブを⼊れないでください。中央の⽳は、通気経路の⼀部ですので、
塞いでしまわないよう注意してください。
中央の⽳(通気⽤)
チューブトレイ
注意事項

CoolCell FTS30 は、1mL の凍結培地が⼊ったチューブを 30 本⼊れたときに理想的な凍結速度が
達成できるようにデザインされています。30 本以下の数を凍結する場合は、空いた場所にフィラ
ーチューブ(BSC-3105)か、1mL の凍結溶液が⼊ったダミーのチューブで埋めてください。

凍結プロトコルによっては、凍結前に細胞を冷やしておく必要があります。CoolCell FTS30 は、
細胞の最初の温度が 0℃〜4℃の間なら何度でも使えますが、
チューブの温度が上がらないように、
CoolCell FTS30 全体を、チューブの温度と同じにしておくことをおすすめします。

フタを CoolCell FTS30 ベースにセットした際には完全に密閉されているか確認してください。

移動の際はベース部分を持って、フリーザーに移動してください。本体の上に何も乗ってないこと、
上から何か落ちてくる可能性がないことを確認してください。

凍結プロセス中は、フリーザーのドアを開けないよう注意書を貼っておくことをおすすめします。
凍結プロセス中にドアが開けられると、凍結曲線の再現に逸脱が⽣じる可能性があります。CoolCell
FTS30 は、4 時間以内に最終平衡温度に到達します。
注意:CoolCell FTS30 を積み重ねないでください。それぞれのユニットは、適切な通気のために、
上に何も障害物がないようにしないといけません。
凍結したサンプルを保管⽤装置に移すときの注意
① 1 インチ(2.5cm)以上の深さのドライアイス、液体窒素を⼊れた断熱トレイ(CoolBox や発
泡スチロール容器など)を⽤意する。
② CoolCell FTS30 をフリーザーから取り出し、フタを軽く回しながら外す。
③ チューブは迅速に取り出し、速やかに①の容器の中に置いてください。
注意点

急激な温度上昇と細胞へのダメージを避けるため、細胞の⼊ったクライオチューブをフリーザー・
冷蔵庫等に移すときは、常にドライアイスを使⽤してください。室温にクライオチューブが晒され
た場合、バイアルの中⾝は、1 分以内に-50℃程度まで上昇します。

培養細胞を凍結前と融解後において⽣存率を確認することをおすすめします。
CoolCell FTS30 を室温に戻す
フタを外した CoolCell FTS30 は、通常 15〜20 分ぐらいで室温に戻ります。前述の分解⽅法に従って、
すべての構成部品が乾いているか確認してください。冷たい熱分散プレートに触るときには、凍傷を防
ぐために、⼿袋を使⽤してください。
トラブルシューティング
問題
解決法
CoolCell FTS30 ベースとリッドなどが、組み⽴て前に完全に
リッドがくっつきやすい
乾いていなかったことが考えられます。また CoolCell FTS30
へ暖かい空気が逆流しないよう、上部ベントを必ず差し込んで
ください。
⼿⼊れとクリーニング
CoolCell FTS30 は、独⽴気泡発泡体(ポリエチレンフォーム)と熱伝導コア(熱分散プレート)から
構成されています。CoolCell FTS30 は、⻑期間の超低温環境に耐性があります。ベース・リッドは⽔
と中性洗剤で洗えます。しっかりとすすいで乾燥させてください。更に CoolCell FTS30 はアルコール
と 10%漂⽩剤にも耐性があります。最⼤耐熱温度は 60℃ですので、オートクレーブはできません。ま
た、UV ライトへの⻑時間露出は避けてください。
お問い合わせ先:
ワケンビーテック株式会社
テクニカルセンター(営業推進部)
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