河 合 隆 廣 先生

旧ホームページより転記し、再度掲載
(旧HP 平成 20 年 10 月 紹介分⑰)
恩師お名前
河 合
隆 廣
先生
(神戸市西区在住)
新県商15回生(平 成 2 0 年 5 月 2 4 日 撮 影 )
≪在職期間≫
昭和45年度~昭和55年度の11年間
担当教科
商業
≪在職中の思い出や教え子のこと≫
県商は、大学を卒業して初めて勤めた学校なので、特に愛着のある学校です。昭和45年
といえば学園紛争直後の着任でしたから、教育の在り方だけでなく複雑な人間関係も勉強
し、いろいろな意味で教師として成長させて戴いた内容の濃い11年間でした。私の教職生
活38年の間、貫いてきた「徹底的に仕込む」という教育姿勢も、紛争解決の中から身に
ついたように思います。着任早々、学園紛争に対する生徒たちの思いを聴くにつれ、生徒
・先生ともに心に大きな傷を負ったことを痛感しました。そこで、教師の使命は「生徒が
自立するために、夢を持ち思いやりと実力をつけることだ。」と確信したのです。
翌年の昭和46年4月、第1学年の担任をしました。学年主任の宇野先生のもとに若い先
生が集まり、生徒と先生が一体となった教育を展開したので、その学年の生徒たちは学園
紛争の意識を持つことは無く、学校は正常化に向かいました。それまで任意受験だった簿
記検定試験を学年全員受験とし、若い先生方が「全員1級合格!」を合い言葉に、互いに
競い合って生徒を伸ばしました。それからの私は、頑張る生徒には全力で後押しをし、道
を外れそうな生徒には自分を大切にするまで徹底的に指導をしてきたので、生徒にとって
は、「怖い存在」だったのではないでしょうか?(本当は優しいのですが、・・・。)
その後も、精一杯生徒に関わってきましたが、充分に関われなかった学年もあり、甘辛
両面の思いのある11年間でもありました。しかし、関わってきた生徒はみんな可愛いです。
昭和56年3月に県商を去りましたが、県商での経験が教育の原点となり、転任するたびに
学校改革に関わる等、お陰で教職生活を全うできたことを心から感謝しています。
県商生は人なつっこく、明るく素直な生徒が多く、教師として悩んだときにいつも救わ
れたのがやはり生徒たちの笑顔でした。いまも、県商生とのすばらしい出会いに感謝して
います。県商はいつまでも私の「心の故郷」であり、生徒たちは私の「心の財産」です。
≪教え子へのメッセージ≫
県商在任中に関わった皆さんは、社会の第一戦で活躍されている成熟した年代にありま
す。また、子育てでも高校生や大学生の段階にあり、次代を育てるという大切な時期でも
あります。そこで、皆さんにぜひとも伝えたいのが、次の「人生成功の方程式」です。
成功=能力×生き方×情熱
この人生成功(幸せ)の方程式は、能力、生き方、情熱の3つの要素から成り立ちますが、
注意すべきは、足し算でなく掛け算であるということです。
人には、それぞれ持って生まれた才能や学校で学んだ知識があります。能力が優れてい
ることは素晴らしいことですが、だからといって成功するというわけではありません。
「能力」が高くても、プラス方向に進むか、マイナス方向に進むかで大きな違いが生じま
す。掛け算ですから、賢くても悪事に進めばとんでもないことになります。
「生き方」とは心の持ち方をいいますが、決して難しいことではありません。いつも
「好き」「ありがとう」「おかげさま」という気持ちを持つことです。人は誰でも挫折を
味わうことがあります。自分の思うように事が運ばないと、人を恨んだり、妬んだりしま
す。しかし、そのような心は、物事を素直に見る力を失います。よく考えてみると、不幸
やもめごとは自分の心の持ち方(マイナス思考)が原因していることが多いのです。
人生、辛いときこそ“試練”と思い、「ありがとう」という謙虚と感謝の心でいれば人
生は必ずプラス方向に向かいます。そして、何歳になろうと“夢”を持ち、それを実現す
るために諦めない情熱と勇気を持ち続けてください。
≪現在の生活≫
私は今年の3月、兵庫県立須磨友が丘高等学校での校長職を最後に退職しました。
現在は、高校生を教えることは無くなりましたが、流通科学大学で入試部参事の仕事を
しています。キャリア教育に熱心で就職率が高く、学生個々を大切にしている大学なので
勤め甲斐があります。
他に、兵庫県産業教育振興会事務局長として、商業科だけでなく、農業、工業、家庭、
福祉・看護など、兵庫県の専門高校の生徒や先生方の研究や活動を支援する仕事をしてい
ます。そして、教育に貢献してきた先生方や成績優秀な卒業生を表彰しています。
さらに、他の大学では「商業科教育法」の講義を担当し、将来商業科の先生になりたい
人の教育をしています。
いままでお世話になってきた商業科に、少しでも恩返しができれば・・・と、頑張ってい
ます。仕事もそれぞれ違うので、やることが多く、充実した生活を送っています。
しかし、時間の都合をつけながら、余裕を見つけて旅行やコンサート、スポーツに・・・
と、大いに人生を楽しんでいます。今後も卒業生との親交を大切にしていこうと思ってい
ます。いつでも声を掛けてくださいね。(感謝)