育成の現場をたずねて… - JFA Community

育成の現場をたずねて…
このコーナーでは、小野剛技術委員長が全国各地で
育成に携わっている指導者をたずねて、紹介していきます。
今 月
の 人
越智敏博
(ベアフット
北海道監督)
全国高校サッカー選手権北海道大会決勝
に合わせ、100名を超える指導者が集まっ
程度のことだったので、それが今のように
サッカーにどっぷりと浸るようになるとは
それを乗り越えたときの本当の笑顔。これ
がある限り指導をがんばっていきたいと思
てのカンファレンスが北海道札幌市で行わ
れ、ゲストスピーカーとして岡田武史元日
思ってもいなかったです。
でも、高校生を指導しているうちに、こ
っています。さらに言うと、その子どもた
ちに身近な目標をつくってあげたいという
本代表監督とともに当地を訪れることにな
った。
れは中学生年代からしっかりと積み上げて
いかなくてはいけないという思いから、ジ
のが夢です。
北海道では多くの方々が北海道のサッカ
そこで感じたのは、冬場の環境やゲーム
ュニアユースを立ち上げることにしまし
ーを良くしようと、身近な中でも、加藤孝
シーズンの短さ、あるいは道内の移動距離
などといった厳しい問題に直面しながら
た。コーチ仲間の大島さんがとても尽力し
たと記憶しています。
敏氏(北海道ユースダイレクター)、岩越
英治氏(SSS)など、多くの方々が頑張っ
も、北海道のサッカーをより良くしていこ
うという指導者の方々の情熱であり、実に
その後、いったん指導から離れた時期も
ありながらも、子どもたちの指導に深く携
ています。私のチームもジュニアユースか
ら細々と始め、今では小学生からユース、
印象的なカンファレンスであった。実際、
わるようになっていきました。
社会人、そして女子のチームも立ち上げま
現在、日本代表で活躍している山瀬功治選
手(横浜F・マリノス)やU-20日本代表で
小野:そしてベアフットを立ち上げること
になったのですね。
した。その中で社会人のチームがJFLでプ
レーできるようになったら、と思っていま
世界と戦った藤田征也選手(コンサドーレ
札幌)をはじめ、それぞれの指導者の、あ
越智:その頃、学校開放の流れを利用して
学校施設、特に冬場は体育館を借りて活動
す。
北海道で育った子どもたちが北海道でプ
るいは指導者間の努力から多くの選手が輩
をしていました。しかし、まあ、壁にバン
レーできるように、その中からコンサドー
出されている。力の入った決勝を観た後
は、札幌市内にある町クラブに足を運び、
バンボールをぶつけながらのゲームがはや
っていたので、仕方なかったのでしょうけ
レ札幌をはじめJリーグに巣立っていき、
またJリーグでプレーした後、もう何年か
そのサッカー専用体育館でユース選手たち
と汗を流す越智敏弘氏(ベアフット北海道
ど、「サッカーには体育館を貸せない」と
いう時期が来てしまい、子どもたちが路頭
地元でプレーしたいという選手たちが帰っ
てきてくれ、自分でプレーしながら子ども
監督)を訪ね、話を聞かせてもらうことに
に迷うことになってしまいました。
たちに還元してくれる。そんな北海道の姿
した。
それでも初めは、小樽まで行ってホテル
の体育館を賃借したりして活動していたの
を見てみたいと思っています。
小野:サッカーを始めた頃の話を聞かせて
ください。
ですが、帰りは夜中になってしまうし、子
どもたちにとってどうなのだろうか。だっ
越智:小学校の頃は、野球に明け暮れる野
球少年だったんです。サッカーは、中学に
たらいっそのこと「自前で施設をつくって
しまおう」と思ったのです。当初の計画で
入って少年野球の先輩に誘われ、何気なく
は、小さい規模でとりあえずボールを蹴っ
始めたらいつの間にかはまっていった感じ
ですね。第一高校に入って2年生の時にそ
て遊べるくらいを考えていたのですが、ど
うも屋根の高さや強度やらを考えると、小
れまでのFWからGKをやってみないかと
言われ、GKに転向したんです。最初は大
さくても多少大きくてもさほど投資は変わ
らない。だったらスモールゲームを楽しめ
変でしたけど、試合をこなしているうちに
る広さにしようと…。
ディフェンダーと連携を取りながらプレー
していくことが本当に面白くて、むしろ
仲間たちからは「お前は馬鹿か」とずい
ぶん言われました。完成したときは感激と
GKに転向してからサッカーにさらにのめ
りこんでいった気がします。
いうよりも、
「これからどうなるんだろう」
とびくついていたというのが本音なのです
小野:指導に携わるようになったきっかけ
が、子どもたちの喜ぶ姿を見るとすべてが
は?
越智:それが比較的遅くて33歳の頃、当
吹き飛びますね。
小野:ご自身をそこまでサッカーに駆り立
時、札幌第一高校のコーチをしていた同級
生に声を掛けられ、指導の手伝いをするよ
てるものとは何ですか?
越智:『子どもたちの笑顔』、これに尽き
うになったのが始めでした。本当に手伝い
ますね。泣く姿もいいなぁと思いますが、
ベアフット北海道の選手とスタッフの方々
プロフィール
越智敏博(おち としひろ)
1955年7月28日 北海道生まれ
札幌第一高校卒業。1988年、3級審判員資格取
得。1993年、JFA公認C級コーチライセンス取
得。1988∼1994年、札幌第一ジュニアユースコ
ーチ。2001年、北海道リーグ、ベアフット北海
道監督。
[ベアフットホームページより]
43
熱のこもった講義を行う大塚一朗氏
日本人参加者とシンガポール人参加者が押し相撲
シンガポールで
JFA公認キッズリーダー
養成講習会を開催
1. 概要
開催日:2007年9月8日、9日
開催時間:13:15∼17:00
場所:シンガポールサッカー協会(FAS)会議室
ジャラン・べサール・スタジアム(FASが提供)
ガポール人参加者も非常に感心していました。
3. まとめ
今回の講習会を通して一番感じたのは、
「絶対に継続すべき」と
いうことです。その理由は下記の通りです。
①日本とは全く違う環境です。指導者も子どもたちもサッカー協
講師:大塚一朗(ナショナルトレセンコーチ)
会の考えや情報が全くないに等しい状況です。海外で初めてサ
参加者:55名
日本人45名(うち女性6名、18歳未満1名)
ッカーに出会うご両親もいます。
シンガポール人10名
2. 内容
(1)講義
Kids Allは盛りだくさんの内容なので大変だったと思いますが、
プレゼンテーションの間に具体的な実例や体験談を多く入れてお
話されていたので、説得力に富み、非常に興味を引く内容だった
と思います。実際に参加者の受けも良かったと思います。
ビデオも非常に良かったと思います。最初のFIFAワールドカッ
②上記①と似ていますが、指導者、子どもたちはどうしたら楽し
くサッカーができるかを模索しています。気持ちはあってもど
うしてよいか分からない方が多い。
③今回の実施で「あればやりたい」という声が多かったため(あ
きらめている方も多かった)
。
④今後、東南アジアで邦人人口は必ず増えていくと考えるため。
4. JFAへの要望
①公認キッズリーダー養成講習会は、シンガポールおよび海外で
継続して行ってほしいと思います。
プのビデオは「始まるぞ!」という印象を強く持たせるために非
すでに香港、マレーシア等、講習会を開催したいと、具体的な
常に効果的でした。途中で流した実際の練習風景も講義で聞いた
依頼が来ています。話を持ちかけることでアジアの国での需要
内容をビジュアルで確認でき、次の実技へとスムーズに入ること
は高いと考えています。
ができました。
(2)実技
正直、圧巻でした。参加者の目の輝きを見れば一目瞭然。シン
44
②公認C級コーチ養成講習会、同D級コーチ養成講習会、審判員養
成講習会等も実施してほしいです。
③もっと幅広くサッカーを認知してもらえる(「生涯サッカー選
手・ファン」を増やす)ために海外の日本人学校や日本人会に、
本のこととあきらめていた親御さん方に夢と希望を与えていただ
もう少し講演を増やしてほしいと思います(例えば「夢先生」
き、厚く御礼申し上げます。
の実施など)
。
今回は初めの一歩としては小さいものかもしれませんが、この
一歩が海外で生活する日本人や日本を理解したいと思っている外
5. 最後に
国人の方々にとって、大きな花を咲かせる第一歩であることを切
JFA、FASの皆さんの温かいご協力のお陰で、いつもは遠い日
に願っています。
参加者のコメント
Bさん
私は、サッカー経験が全くありません。そんな私でも、なるほどと納
得のいく講習会でした。
講義内容などは、サッカーだけでなくすべての子育てに共通する部分
が多かったように思います。
「キッズリーダー講習会」ということでなく、シンガポールにあるす
べてのサッカーチームの保護者を対象に講義をしていただきたいくら
いです。
Hさん
良かった点
①企画自体が素晴らしかった。海外でまさかこのような講習会に参加
できるとは思っていなかっただけに大変満足しています。
②講師の大塚さんが以前、シンガポールに滞在されていたこともあり、
現地の実情にあった説明をされていた。
③参加者を楽しませる内容だった。講義、実技ともに退屈させないよ
う工夫がされていた。例えばゲームを取り入れたり、また講義で
はビデオを入れたりされていた点。
Jさん
しばらくサッカーから離れていたのですが、息子がグローバルに入っ
たのをきっかけに、またサッカーに触れることができ、大変楽しませ
てもらっています。
その勢いでこの講習会も参加させていただいたのですが、お世辞では
なく非常によく運営されていたと思います。
子どもがサッカーを続けていくのに、何より大切なのは「体を動かす
楽しさ・サッカーの楽しさ」を実感することだと思いますが、おかげ
さまで自らその楽しさを再確認することができました。
真剣なまなざしで、講義を聞く参加者の皆さん
女性も楽しく参加
昔話で恐縮ですが、私がサッカーをやっていた学生時代、
「世界で一
番盛んなスポーツは野球ではなくてサッカーである」ことを、一生懸
命周りに説明していたものです。シンガポールでこういった講習会が
開かれること自体、当時のことを考えると信じられない感じがします。
Oさん
限られた時間で多くのことを伝えようとしたからだと思いますが、も
う少し的を絞る(U-6/8だけ、U-10だけ)とか、時間に余裕を持って
(講義に3時間をあてるなど)予定を組むなどで改善できると思います。
実習の時間は本当に良かった。自分にとってもいい刺激になったし、
翌日、子どもたちに教えてあげると、楽しそうにプレーしていました。
講義の別売りのキッズドリルのようなものは、こちらでは本当に手に
入りにくいと思う。私の場合は、今でも指導方法に自信がないので、
キッズドリルは参考になります。
Pさん
突然、ついて来た息子たちまで温かく迎えてくださり、一緒に参加も
させていただきありがとうございます。息子たちも楽しかったと喜ん
でいました。
グリーンカードがあったなんて知りませんでした。
サイドコーチという言葉もあったんですね。
子どもの試合観戦が知らぬ間にコーチに変身…、よくあります。自分
自身にイエローカードです。
大塚氏も6歳児に接するかのごとく、やさしく、実際の6歳児の気持ち
がよくわかりました。
私自身、ループシュートでゴールが決まり、そのあと、皆とハイタッ
チをして、大塚氏にもハイタッチで迎えられ、大変うれしかったです。
子どもは大人以上に喜ぶのでしょうね。
実技の場面。真剣に大塚氏の話を聞く参加者
45
リフレッシュ研修会の
検索&申込み機能
について
ここを
クリック
JFAホームページより、Kick Off サイト
(http://www.jfa.jp/jfatop/kickoff.html)へアクセスしてください。
リフレッシュ研修会のご案内や募集は、これまでは主管団体によ
ってさまざまな方法で行われていました。都道府県サッカー協会の
の構築が課題となっておりました。
そこで、今回、KickOffサイト(指導者登録サイト)にて、リフレ
ホームページで告知、所属指導者に対してダイレクトメールで告知
シュ研修会情報を検索することができ、なおかつリフレッシュ研修
等の方法で行われていました。
「どのようなリフレッシュ研修会が開
催されているのか?」
「いつ・どこで開催されているのか?」
「どの
会の申込みができる仕組みを開発しました。下記の画面遷移ごとの
説明をご確認の上、本機能をぜひご活用ください。
ように申込みを行えばよいのか?」等々のお問い合わせをいただい
ており、リフレッシュ研修会情報をわかりやすくお伝えする仕組み
公認A級・B級・C級コーチのリフレッシュポイント獲得期間が、
一番早い方で2008年4月30日に切れます。ご自身の獲得ポイント、
①
②
ここを
スクロールすると、
各都道府県を
選択することが
できます。
ここを
クリック
46
リフレッシュ期間をご確認の上、積極的にリフレッシュ研修会を受
する研修会の詳細を再度ご確認ください。最後に、入力されたeメ
講くださいますようお願いいたします。
これまでの画面に「リフレッシュ研修会申込/確認」を追加しま
ールアドレスと連絡欄が表示されますので、再度ご確認の上、すべ
て問題がなければ、右下の「申込み」ボタンを押してください。
した(①)
。ここをクリックすると、リフレッシュ研修会の検索画面
が表示されます。
最後に受講申込完了画面(⑥)が表示されます。
申込み後、申込内容(eメールアドレス等)を修正したい場合は、
主催箇所で、主催団体(JFA、各都道府県、Jリーグ他)を選択し、
検索ボタンをクリックすると、その団体が開催するリフレッシュ研
再度上記の手順で申込の操作を行い、画面下の「修正」ボタンをク
リックしてください。受講申込み画面が表示されますので、申込内
修会の一覧が表示されます(②)
。名称箇所をクリックすると研修会
容を修正して、再度「申込み」ボタンをクリックしてください。
詳細が下記(③)の通り表示されます。ステータス欄には、申込み
状況、研修会実施状況が表示されます。
申込み後、申込みを取り消したい場合は、再度上記の手順で申込
の操作を行い、画面下の「取消」ボタンをクリックしてください。
申込みボタンをクリックすると、下記(⑥)の受講申込完了画面
が表示されます。
③
「学ぶことをやめたら、教えることをやめなければならない」と
いう言葉は、JFA指導者養成事業の合言葉として、各種講習会・研
修会での皆さまにお伝えしてきました。リフレッシュ研修会の目的
は、ポイントを貯めることではなく、常に自己研鑽する気持ちをも
ち、より良い指導を目指す気持ちを大切にしている指導者の皆さま
に、常に世界をスタンダードにした各種最新情報をお伝えしたり、
指導者間での情報交換を行う場を提供したりすることを目的に研修
会を開催しております。
ぜひ、今回ご紹介した機能をご活用いただき、できるだけ多くの
方にリフレッシュ研修会を受講していただきたいと考えております。
そのための環境整備は今後も継続して行っていきます。
本システムに関する操作に関するお問い合わせは下記までご連絡
ください。リフレッシュ研修会の内容に関するお問い合わせは、
「リ
フレッシュ研修会の詳細」の内容に記載されている主催団体連絡先
までお問い合わせください。
⑤
上記③の画面は申込期間外の研修会詳細画面となります。申込期
間中の研修会を選択すると、下記④の通り、受講申込ができる画面
が表示されます。
④
ここでeメール
アドレスを入力
し、特記事項があ
れば連絡欄に記入
して、「申込内容
確認」ボタンをク
リックしてくださ
い。ここで入力さ
れたeメールアド
レスに受講の可否
の連絡、変更の連
絡等をしますの
で、必ず連絡の取
れるアドレスを正
⑥
確にご記入くださ
い。
「申込内容確認」
ボタンを押すと、⑤の画面が表示されます。最初に「指導者基本情
報」の確認画面が表示されます。ここには現在KickOffシステムに登
録されている情報が表示されます。この連絡先にテクニカルニュー
ス等、各種ご案内を発送しております。
変更・修正がありましたら、
「基本情報修正ボタン」をクリックし
て、変更・修正を必ず行ってください。
次にリフレッシュ研修会の詳細が表示されますので、受講を希望
お問い合わせ先
(財)日本サッカー協会 指導者登録窓口
TEL:03-6713-8180 FAX:03-6713-9968
47
審判員と指導者、
ともに手を取り合って・・・
審判トレーニングセンター(第1回中央トレセン)
より
C O O R D I N A T I O N
B E T W E E N
T H E
F I E L D S
O F
R E F E R E E I N G
A N D
T E C H N I C A L
審判中央トレセン報告
∼ナショナルトレーニングキャンプU-16に参加して∼
小幡 真一郎(審判トレーニングセンター チーフダイレクター)
今年4月にスタートした9地域(年8回)
、各
都道府県(年1回)
、中央(年2回)の審判ト
レーニングセンター(以下、審判トレセン)
3.成果と課題
技術委員会との関わりの中では、
ストラクターが3回までゲームを止めて直
接審判員に指導する機会を設けることを
許してもらい、適時に、かつより具体的
の目的はあくまで、日本の各年代のサッカー
のボトムアップ=底上げです。地域のサッカ
・同じ宿舎で技術の指導者とわれわれが顔を
合わせることができ、短い時間であって
に指導することができ、その内容を技術
指導者の方々にも知っていただくことが
ーレベルの進展が見られない以上、日本全体
のレベルアップはあり得ません。だからこ
も、簡単な話ができる環境を持てたこと
は非常に大きなことであり、お互いの距
できたと思います。
・15分間の8対8のスモールゲームでは、1人
そ、技術委員会の取り組みを参考に審判トレ
離感がこれまで以上に近づいたという感
レフェリー制を実施することができまし
センを立ち上げ、審判員の指導者の養成と、
審判員の育成を図ろうとしています。
じがしました。
・U-16年代の選手の育成に関して、審判や
た。技術レベルの高いゲーム展開の中で、
動きの切り替えの速さ、的確なポジショ
今回の第1回審判中央(セントラル)トレ
センは、8月31日から9月2日まで、JFA審判
審判指導者が技術指導者の考え方や姿勢
を理解することができ、一方で技術指導
ンニング、幅広い視野の確保と次の展開
の素早い予測など、日頃審判員に要求し
ダイレクター4名、9地域からの審判員の指
者の方々も、審判の取り組みや活動内容
ているスキルを身につける大変有意義な
導者10名、審判員9名がJヴィレッジに集ま
って行われました。そして、ナショナルトレ
を実際に見て理解していただくことがで
きたように思います。
トレーニングとなりました。さらには、そ
の指導方法を身につけることが、審判イ
ーニングキャンプU-16東日本に同調させて
いただき、布啓一郎技術委員会副委員長はじ
・現在、審判委員会が掲げているスピーディ
ーで、フェアで、タフなプレーについて、
め、多くの技術委員会の皆さんのご理解とご
技術委員会の方々からご指摘を受け、そ
士、審判員同士の情報交換が活発に行わ
協力があって成功に終わったと思っていま
す。
れを審判指導者が理解し、審判員に指導
するということができました。特に、フ
れ、お互いに刺激を与え合い、さらなる
課題や目標が明確になり、早速、9月から
1.目的
リーキックの再開に関わって、どのタイ
ミングで介入するのか、選手の意図やプ
の地域審判トレセンに強く反映されてい
ます。
①ナショナルトレーニングキャンプU-16に
参加し、JFA審判トレセンダイレクターに
レーの流れをどのように感じるかなどを
考えることができました。また、タフな
・今後、さらに、この中央トレセンで実施さ
れた技術と審判との協調が、各地域でも
よる、審判インストラクター、審判員に
プレーにおいては、些細な接触や影響の
取り組まれれば、非常にうれしいことだ
対する集中的な指導と実践を行う。
②各地域の審判インストラクター、審判員が
少ない接触の考え方についてすり合わせ
をすることができたように思います。さ
と思っています。
・残念ながら課題として残されたことは、11
お互いに情報交換と意見交流を行う。
③技術指導者の方々との積極的な意見交換を
らには、ゴールキーパーのボールのコン
トロールという競技規則の解釈について
月の第2回中央トレセンで解決していきた
いと思っています。例えば、技術指導者
もディスカッションができました。この
と地域の審判インストラクター、審判員
ように、具体的な検討がすぐに繰り返し
できたことは大きな成果であったと感じ
との意見交換の場を意図的に、時間は短
くても設定していきたい。そして、実際
ます。
・U-16の実際のゲームの審判を担当するこ
のゲームを見ながら、そのプレーの審判
の判定や選手との対応について、選手・
2日目の8対8のトレーニングマッチ、そして
とによって、審判指導者と技術指導者が
技術指導者の視点と審判の視点のすり合
最終日のトレーニングマッチのゲームを担当
し、非常に有意義な日程でした。
同じ事象を見ながらその場で即座に意見
交換ができました。ゲーム中、審判イン
わせをさらに行っていきたいと考えてい
ます。
図る。
2.日程・スケジュール・内容
講義やトレーニングのほか、ナショナルト
レーニングキャンプU-16の1日目の練習試合、
48
ンストラクターにも求められました。
・その他、各地域の審判インストラクター同
財団法人日本サッカー協会機関誌
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49
FIFA女子ワールドカップ
中国 2007 報告
FIFA女 子 ワー ルド カップ 中 国
2007が2007年9月10日から
30日、中国の上海ほか5会場で開
催されました。
5大会連続出場を果たした日本女
子代表(なでしこジャパン)は、1勝
1分け1敗の成績でグループ3位と
なり、決勝トーナメントへ駒を進め
ることができませんでした。
なでしこジャパンを指揮した大橋
浩司監督の報告です。
훿Jリーグフォト㈱
1
概要
日時:2007年9月10日∼30日
(日本は9月6日に入国し、18日に帰国)
会場:上海、杭州、武漢、天津、成都の5会
場で開催。
日本は1・2戦目を上海、3戦目を杭州で
行った。
2
目的・目標
世界大会での日本代表の実力把握。決勝
トーナメントに進む。
3
結果
優勝:ドイツ、2位:ブラジル、
3位:アメリカ、4位:ノルウェー
日本:1勝1分け1敗(グループステージ敗
退)
4
滞在先
上海は、中国最大の国際都市で、人口は
1,342万人。杭州は上海からバスで2時間30
分の距離で、人口は640万人。
中国の8月の気候は最低20度、最高35度
程度で、日本と変わらない。
滞在したホテルはHua Ting Hotelで、空港
から約70分の距離にあり、トレーニング場、
スタジアムにも比較的近い距離であった。
50
【報告者】大橋浩司
(なでしこジャパン監督)
食事は3食ともビュッフェスタイルで、内
日本から補助食品を持っていったが、十分
容はFIFA選定の統一メニューが用意された。
な内容であった(ドイツ・イングランドは
FIFA女子ワールドカップ 中国 2007
■グループステージ
グループA
ドイツ
イングランド
日本
アルゼンチン
グループB
スウェーデン
アメリカ
ナイジェリア
朝鮮民主主義人民共和国
グループC
ノルウェー
オーストラリア
カナダ
ガーナ
グループD
ブラジル
中国
デンマーク
ニュージーランド
ドイツ
イングランド
日本
0△0
2○0
2△2
0△0
0●2
0 ● 11
2△2
1●6
0●1
スウェーデン
アメリカ
ナイジェリア
0●2
1△1
1○0
2○0
1△1
1●2
ノルウェー
1△1
1●2
2●7
ブラジル
0●4
0●1
0●5
■決勝トーナメント
ドイツ
(グループA 1位)
朝鮮民主主義人民共和国
(グループB 2位)
ノルウェー
(グループC 1位)
中国
(グループD 2位)
アメリカ
(グループB 1位)
イングランド
(グループA 2位)
ブラジル
(グループD 1位)
オーストラリア
(グループC 2位)
0●1
2△2
アルゼンチン 勝点
11 ○ 0
6○1
1○0
朝鮮民主主義
勝点
人民共和国
2△2
1●4
カナダ
2○1
2△2
2●3
0●2
0●2
分
敗
得点
失点
差
順位
2
1
1
0
1
2
1
0
0
0
1
3
13
8
3
1
0
3
4
18
13
5
-1
-17
1
2
3
4
勝
分
敗
得点
失点
差
順位
4
7
1
4
1
2
0
1
1
1
1
1
1
0
2
1
3
5
1
5
4
2
4
4
-1
3
-3
1
3
1
4
2
ガーナ
7○2
4○1
4○0
勝点
7
5
4
0
勝
2
1
1
0
分
1
2
1
0
敗
0
0
1
3
得点
10
7
7
3
失点
4
4
4
15
差
6
3
3
-12
順位
1
2
3
4
ニュージーランド 勝点
5○0
9
2○0
6
2○0
3
0
勝
3
2
1
0
分
0
0
0
0
敗
0
1
2
3
得点
10
5
4
0
失点
0
6
4
9
差
10
-1
0
-9
順位
1
2
3
4
0●4
デンマーク
1○0
3○2
中国
4○0
勝
2○1
2△2
0●2
2○0
オーストラリア
1△1
7
5
4
0
3
0
1
3
0
0
2
0
3
0
3
2
0
4
優 勝:ドイツ
準優勝:ブラジル
第3位:アメリカ
・3位決定戦
ノルウェー
1
アメリカ
4
特集③ 女子サッカー
シェフが帯同していた)
。
5
スタジアム・練習会場
1戦目、2戦目は上海のShanghai Hongkou
Football Stadiumで行った。今年改装したば
多彩なセットプレー
セットプレーの質の向上
7
課題
①柔軟で速い判断
かりのスタジアムで、ピッチ以外は問題な
かった。ピッチ内は芝生が根付いていなく、
速い判断力の向上(速さを要求すれば質
が落ちる)
硬い土の上に芝を置いてあるような状態で
あった。凹凸も見られ、非常にコンディシ
ゲームの流れを読む柔軟な判断
プレッシャー下でのスペースの認識
ョンは悪かった。また、前日練習もできな
い状況であった。
杭州のHangzhou Dragon Stadiumは、非常
②選択肢を増やし実践する
シュート・ドリブル・パスを選択し、実
践するスキル
に良いコンディションであった。
練習場は、ピッチに問題はないが、大学
③動きの中でのプレーの質
運動量を増やし、動きながらのスキルの
の施設のため、完全に非公開にはできない
環境であった。
向上
スピードアップした中でのプレーの質
6
成果
①個のスキルアップ
1対1のしかけ・守備
コンタクトスキルの向上
スライディング・ヘディングのスキル
パス・サポートの質
クロスの質
②ビルドアップ
GK・DF・MFのビルドアップ(ワンタッ
チを使って)
意図的なポゼッション
トライアングルをつくってボールを運ぶ
③コンパクトフィールド
DFのラインコントロール(GKとの連携)
連動した組織的な守備
高い位置で積極的にボールを奪う
④攻守においてのスピードアップ
④プレッシャー下でのスキル
グラウンドコンディション・環境に左右
されないスキル
体格・パワーの優る相手に対するプレー
の質
⑤ペナルティーエリア付近での攻守
ゴール前での突破・シュート
ゴール前での守備
⑥「学ぶ」から「慣れる」
外国人選手とのプレー経験
8
大会を終えて
2004年アテネオリンピック以後、なでし
この強化を図って約3年が経過した。
最初に、世界のトップレベルの把握と、
日本選手の現状を見て、そのギャップをど
のように埋めるかプランを立てた。
今後、世界の強豪国と肩を並べるには、
スローイン・セットプレーのクイックス
タート
リアクションのサッカーではなく、アクシ
ョンを起こすサッカーへの転換が必要だと
攻守の切り替え
GKからのフィード
感じた。特にボール保持率を上げて、主導
権を握る時間を多くし、体格のハンディを
⑤セットプレー
補うゲーム展開を目指した。
훿Jリーグフォト㈱
また、世界の女子サッカーは急速に発展
することも感じていた。各国ともより組織
的で男子並みのゲーム展開になるだろうと
いう予測もあった。その上で1年目は個のス
キル・戦術の強化を重点的に行った。2年目
にはグループでの攻守、3年目でチームづく
りを行ってきた。
目標は2008年北京オリンピックの出場権
獲得とFIFA女子ワールドカップ 中国 2007
の出場権を得ることであった。FIFA女子ワ
ールドカップは、世界との差を図る上では
重要な大会であった。
今大会のグループステージはイングラン
ド、ドイツのヨーロッパ勢と、南米のアル
ゼンチンと対戦した。
第1戦は上海でイングランドと対戦した。
イングランドは、初出場であったが、アー
セナルがヨーロッパのクラブチャンピオン
になり、急速に力をつけたチームであった。
特にサイドのスピードとテクニック、トッ
プの得点能力は世界でも十分通用するレベ
ルであった。立ち上がりから日本が押し込
まれる展開が続いたが、FKにより先制点を
奪う。後半残り10分から2失点したが、ロ
スタイムで同点に追いつきタイムアップ。
ポゼッション率は52%対48%と日本が上回
ったが、シュートの本数では10対19でイン
グランドが上回った。
第2戦はアルゼンチンと対戦した。アルゼ
ンチンは南米1位で予選を勝ち抜き、若手が
力をつけてきたチームであった。体格は大
きくないが、一人一人のテクニックがしっ
かりしており、フィジカルも強さがあった。
前半の立ち上がりから日本が猛攻をしかけ
るが、逆にそれがゲームの閉塞感を生んで
しまった。前半のうちに先制点を取りたか
ったので、システムを変更して戦ったが、
0-0で終える。後半、アルゼンチンのDFを
中央に集めながら、サイドからの攻撃で得
点を狙った。ロスタイム、サイドを揺さぶ
りシュートのこぼれ球を押し込み1-0で何と
か勝利する。ポゼッション率は66%対34%
훿Jリーグフォト㈱
と圧倒的に上回り、シュート本数も16対7
51
の質を上げることも重要になってくる。
国内レベルでは慌てない選手でも、スピ
ードアップすれば慌ててしまう現状がある。
また、判断スピードはもっと上げていかな
いと世界の上位には通用しないであろう。
これはパススピードと同様、日本の選手は
速さを要求すれば質が落ちてしまうので、
日頃のトレーニングでの意識が大切である。
ヨーロッパ・アジア・南米の強化は急速
훿Jリーグフォト㈱
と圧倒したが、1得点しか奪えなかった。
過去のドイツとの対戦に比べてボール支
1、2戦ともグラウンドコンディションが
悪く(芝が根付いてなくてはがれる状態)
、
配率は日本が上回ったが、最後のところで
の差はなかなか埋めきれなかった。
パスが思うように通らなかったのは予想外
であった。
3戦目にしてやっと日本らしいサッカーが
できた。どんなコンディションでも対応で
第3戦は場所を杭州に移し、ドイツと対戦
きるチームにしてきたつもりであったが、
した。前回大会の優勝チームであるドイツ
には、昨年は3-6で敗れている。また、勝利
ハイプレッシャー下でのスキルの差があっ
た。
しないと決勝トーナメントに進めない状況
での対戦となった。
特に、上位国はトップトップの選手の数
が、1チームに多く存在していることを強く
ドイツのダイナミックな攻撃を消しなが
ら、日本のパスサッカーがどこまで通用す
感じた。トップトップな選手とは、ハイプ
レッシャー下でもプレーの質が落ちないで
るかがゲームのポイントとなった。立ち上
正確なプレーができる、ペナルティーエリ
がりからドイツの攻撃に圧倒されるものの、
日本も中盤では対等に戦っていた。前半、
ア付近で決定的な仕事(攻守)ができる選
手である。
CKより失点したが、日本も攻めの姿勢を続
けていた。後半、メンバーを代えながら攻
月並みではあるが、日本が今後、世界の
強豪国と肩を並べるには、世界で通用する
撃の糸口をつかんでいたが、ドイツの守備
選手を1人でも多く強化育成する必要がある
を崩せなかった。
PKにより失点し、結局0-2で敗れて、決
と感じた。今後も、ボールを失う回数を少
なくし、ボールを奪う回数を多くするため
勝トーナメントに駒を進めることができな
かった。
のスキルの向上は、さらに追求しなければ
いけない。そして、柔軟な判断・速い判断
公認指導者海外研修 報告
「JFA公認指導者海外研修 FIFA女子ワールド
カップ 中国 2007」を2007年9月13日∼18日の6
日間、当地で開催した。女子としての海外研修
は初めて実施であった。参加者については、全
国各地の指導者15名が参加。育成年代にかかわ
る指導者からトップリーグの指導者、男子に関
わる指導者など、さまざまなカテゴリーからの
参加であった。
1
目的
今回の研修の目的は3つある。
①FIFA女子ワールドカップの試合を現地で観戦
する。
②世界のチーム・選手と日本のチーム・選手の
比較分析を行う。
③本研修を通じて得られた成果を、地域・都道
府県のトレセンや指導チームなどで、トレー
ニング・選手育成に活用する。
2
スケジュール
9月13日 上海到着、ガイダンスおよびゲーム
52
は最後まであきらめないで戦う、ひたむき
に戦う姿勢は十分発揮してくれた。世界大
会でも“なでしこらしさ”は通用したと思
っている。
また、日本の目指す方向は間違っていな
いことも選手たちは肌で感じたと思う。オ
リンピックまでの1年間、所属チームでのさ
らなるレベルアップに期待したい。
関係者の皆様、なでしこリーグ各クラブ
の皆様のご理解とご協力に心より感謝いた
します。
훿Jリーグフォト㈱
【報告者】今泉守正
分析講義
9月14日 上海 グループステージ観戦(日本
vsアルゼンチン、イングランドvsドイツ)
9月15日 杭州 グループステージ観戦(カナ
ダvsガーナ、オーストラリアvsノルウェー)
9月16日 杭州 グループワーク、ゲーム分析
発表、なでしこジャパン公式練習見学
9月17日 杭州 グループステージ観戦(日本
vsドイツ)
9月18日 帰国
3
に進んでいる。日本も遅れをとらないよう
な強化策も必要である。しかし、選手たち
講義
(1)ガイダンス
本研修会の考え方、日程を確認。
・グループワーク(2人or3人組×6グループ)
でゲーム分析中心の研修
・各グループが1試合1チームを担当する。
・担当試合は、日本戦を除くグループステー
ジ3試合。
イングランドvsドイツ、カナダvsガーナ、
オーストラリアvsノルウェー
(女子ナショナルトレセンチーフコーチ)
(2)ゲーム分析のポイント
・試合で何を観るか。ゲームの中から探した
いポイントの整理方法
・サッカーの重要な4つの局面(攻撃・守
備・攻撃から守備への切り替え・守備から
攻撃への切り替え)の視点
・主観的なものを客観的にする。
・発表については、どのように伝えるかとい
うことを各グループ創意工夫する。
4
グループワーク・分析発表
(1)グループワーク
グループワークについては、宿舎の関係で会
議室が十分に確保することができなかったた
め、各グループの部屋やロビーで行った。各グ
ループともにそれぞれ役割を分担し、スタジア
ムでの分析、まとめを行った。
(2)ゲーム分析の発表
各グループの持ち時間を20分とし、発表とデ
ィスカッションを行った。各グループともにそ
れぞれ創意工夫を図り、充実した内容となって
特集③ 女子サッカー
いた。
ディスカッションについては、お互いに意見
を出し合い、白熱したものとなった。その主な
内容については、以下の通りである。
・戦術行動について
・戦術行動に関しての観点
・サッカーのゲームにおけるフィジカル的アプ
ローチ
(3)日本の課題
この時間の最後に参加者とともに本研修の目
的である「世界のチーム・選手と日本のチー
ム・選手の比較分析」からディスカッションを
行い、以下のことを向上せていくことが大切で
あるというまとめとなった。
・基本の質
・個の能力(パワー・スピードをアップさ
せる)
・しかける ・組織力
・GKの要素 ・メンタル
5
まとめ
今回の「JFA公認指導者海外研修 FIFA女子ワ
ールドカップ 中国 2007」は、ハイレベルなゲ
ームを観ることができ、参加者にとっては貴重
な経験になったのではないかと思う。
ゲーム分析を中心とした研修を実施したが、
それぞれのサッカーに対する考え方、思いなど、
さまざまな場所で話をすることができた。自分
自身のフォルダに新しいファイルがたくさん入
ってきたのではないだろうか。もちろんそこに
は納得できるものもあり、できないものもあっ
たのではないかと思う。大切なことは、ここを
新たなスタート場所として参加者の皆さん(も
ちろん私を含めて)がサッカーをさらに学んで
いくことなのではないだろうか。
今後の要望として、参加者から声として挙が
った主なものは以下の通りである。
・ナショナルコーチングスタッフのレクチャー
・現地の施設、クラブチーム訪問
・外国指導者のレクチャー
皆さんのサッカーに対する熱い思いからパワ
ーをいただくことができた。そして、多くのこ
とを共有できたことを感謝したいと思う。参加
者の皆さんからの「このネットワークを大切に
しよう」という言葉をまとめとしたい。
第4回FIFA女子サッカーシンポジウム
第4回FIFA女子サッカーシンポジウムが、
2007年9月28日から中国・上海で開催された。
加盟208協会のうち200協会が参加、各協会の多
くの会長・専務理事が出席し、総勢500人規模
で盛大に行われた。
"Future of Football is Feminine"をスローガンに
掲げ、女子サッカーの発展を促すものだった。
現在、世界でサッカープレーヤーは2億6,500万
人で、うち女子の選手数は2,600万人。10人に1
人は女性である。そして2000年から全体で
2,300万人増えているが、新しい選手の5人に1
人は女性である。女子サッカーの成長はペース
を速めていると言えるだろう。
(日本の女子の登録数は2006年度約35,000人で、
約28人に1人が女性である。2002年から2006年
まで新しく登録された選手の約6人に1人は女性
となっている。しかし、女子の登録数は全体の
4%あまりにとどまっている)
。
このシンポジウムでは、7つのキーワードを
挙げ、その必要性と成功例としてのケーススタ
ディを紹介。分かりやすく参考になるものだっ
た。日本としてもすぐに取り組んで、発展に役
立てられるものもあった。
以下に7つのキーワードと参考になった取り
組みを記述する。
7 Key words
①Striking partnership with Government.
政府との特筆すべきパートナーシップ
②Supporting growth.
発展をサポートする
③Developing grassroots programmes.
グラスルーツプログラムの開発
④Organising competitions and player development.
競技会のオーガナイズとプレーヤーの発達
⑤Creating own coaches and referees.
女性コーチ、レフェリーの育成
⑥Marketing, promotion and building awareness.
マーケティング、プロモーション、認知度を
高める
⑦Overcoming cultural barriers.
文化的障壁の克服
ケーススタディ
(1)イングランドの成功例
(Striking partnership with Government.)
イングランドはここ数年で急速に力をつけた
と思われるが、それなりの理由があった。サッ
カーが教育や健康に良いスポーツという位置づ
けで、政府予算で全国的にガールズプログラム
を展開し、サッカーをする少女が大幅に増えた
のである。
そしてプレミアリーグのクラブは女子のチー
ムを持つことが義務化され、昨年は女子の
UEFAカップで、アーセナルが優勝し、クラブ
としてヨーロッパチャンピオンとなり、確実に
強くなった。
イングランドは女子を男子と一緒に取り上げ
ることで、多くの関心を呼び、その地位を高め
たと思われる。上記写真のように、デビッド・
ベッカムと一緒に女子代表のキャプテンが写真
に納まり、プロモーションも行った。日本でも
女子だけではスポンサー獲得は難しいが、男子
と一緒にすればニーズはあるかもしれない。
下記の写真は、アーセナルの男子と女子の集
合写真である。写真の右上に"CLUBBING
【報告者】上田栄治
(JFA女子委員会委員長)
TOGETHER" と記されているが、一緒にクラブ
をつくっていこうという意思表示と受け取れ
る。
Jリーグの百年構想の中に女子も一緒にとい
う考えは含まれているであろうが、そこをクロ
ーズアップすることは女子への関心を呼ぶこと
に効果があると思われる。なでしこリーグとし
てもよりJリーグとの連携・協力を積極的に考
え、なでしこリーグ所属各クラブに地域密着を
啓蒙していく必要がある。男子の協力、Jリー
グの協力を得て、新たなスポンサーの獲得がで
きないだろうか。
(2)ドイツの成功例
(Creative own coaches and referees.)
ドイツでは代表選手に対して、できるだけ早
くコーチングライセンスを取得することを勧め
ている。
ゲロ・ビザンツ氏がドイツ女子代表監督だっ
た頃から、選手にはなるべく早くコーチングコ
ースを受講させ、戦術理解の一助とした。また、
引退後にいろいろな方面で活躍できるコーチを
育成する、将来の女子代表監督を育成するとい
う目的もあった。
2003年FIFA女子ワールドカップに出場した代
表選手のうち6人(上記写真○印)は、ドイツA
級の資格を持っている。この中の2名がU-20ド
イツ女子代表の監督、コーチとして、昨年の
FIFA U-20女子ワールドカップに出場している。
われわれも早く選手たちに資格取得を勧め、あ
るいはその機会をつくり、適性を見極めて育て
ていきたい。
以上、2つのケースについては非常に参考に
なり、すぐにでも日本の事情に合わせて、実現
させたいと考える。
53
AFC U-19女子選手権 報告
19歳以下のアジア女子チームナンバー1を決するAFC U-19女子選手権が2007年10月5日から16日、
中国の重慶で開催されました。2002年大会以来の優勝を狙うU-19日本女子代表は、準決勝で韓国に勝利し、
来年チリで行われるFIFA U-20女子ワールドカップの出場権を獲得しました。
しかし、決勝戦で朝鮮民主主義人民共和国に敗れ、惜しくも優勝を逃しました。
【報告者】佐々木則夫(U-19日本女子代表監督)
1
U-19日本女子代表メンバー
概要
(1)日時
2007年10月5日∼10月16日
日本は10月1日に出国、17日帰国(大会
期間中は重慶に滞在)
(2)会場
①Chongqing Olympic Sports Centre Stadium/重慶
②Datianwan Stadium/重慶
※練習会場はChongqing Olympic Sports Centre Stadiumサブグラウンド
Pos.
GK
GK
GK
DF
DF
DF
DF
DF
DF
DF
DF
MF
MF
所属
日テレ・ベレーザ
吉備国際大学
JFAアカデミー福島
日テレ・ベレーザ
日テレ・ベレーザ
福岡J・アンクラス
INACレオネッサアマチュア
アルビレックス新潟レディース
常盤木学園高校
常盤木学園高校
吉備国際大学
TASAKIペルーレFC
神村学園高等部
名前
小林詩織
菅原未紗
山根恵里奈
松原萌※1
宇津木瑠美
内堀律子
柳井里奈
川村優理※1
櫻本尚子
熊谷紗希
磯金みどり
田中明日菜
堂園彩乃※2
Pos.
MF
MF
MF
MF
MF
MF
MF
FW
FW
FW
FW
FW
名前
小山季絵
原菜摘子
與山このみ
山崎円美
有町紗央里
櫨まどか
川村真理※2
中出ひかり
永里亜紗乃
大滝麻未
後藤三知
吉良知夏
所属
早稲田大学
日テレ・ベレーザ
アルビレックス新潟レディース
ASエルフェン狭山FC
大原学園JaSRA女子サッカークラブ
INACレオネッサアマチュア
福岡J・アンクラス
吉備国際大学
日テレ・ベレーザ
横須賀シーガルズFC
常盤木学園高校
神村学園高等部
※1:ケガのため離脱、※2:追加招集選手
しているPOLKINGHORNE Clare(No.4)を
ィショニングを考慮し、初戦とスターティ
含め、長身の選手をそろえていた。
オーストラリアがリトリートした守備か
ングメンバーを8人入れ替えてこの試合に臨
んだ。ミャンマーは身体能力の高いGKと5
①狙いを持った(攻守においてアクション
らのカウンターが多かったのに対し、広が
枚のDFラインを中心としてしっかりと守備
する)サッカーで世界大会を勝ち取る。
②なでしこにつなげる選手の育成。
りを持ったビルドアップで相手を分散させ、
優位にボールを動かしながらしかけること
を固め、代表経験のあるKHIN Marlar Tun
(No.10)のスピードを生かしたカウンター
ができた。
前線からの積極的なプレッシングでオー
を狙う、特徴を持ったチームであった。
日本は序盤、リズムの悪い時間帯が続い
2
3
目的
大会結果
たが、中出ひかりのゴールから徐々にミャ
ンマーを圧倒してゴールを重ねることがで
AFC U-19女子選手権 中国 2007
■グループステージ
グループA
朝鮮民主主義人民共和国
日本
オーストラリア
ミャンマー
グループA
韓国
中国
タイ
チャイニーズ・タイペイ
朝鮮民主主義
人民共和国
4
オーストラリア
ミャンマー
勝点
勝
分
敗
得点
失点
差
順位
2○1
1○0
3○0
8○0
2○1
9
6
3
0
3
2
1
0
0
0
0
0
0
1
2
3
8
10
3
1
2
3
4
13
6
7
-1
-12
1
2
3
4
勝
分
敗
得点
失点
差
順位
2
2
1
0
1
1
0
0
0
0
2
3
10
8
3
0
2
1
5
13
8
7
-2
-13
1
2
3
4
1●3
1●2
0●3
0●1
0●8
1●2
韓国
中国
タイ
1△1
3○1
2○0
1△1
1●3
0●6
■決勝トーナメント
朝鮮民主主義人民共和国
・3位決定戦
日本
3○1
中国
韓国
日本
0●2
0●5
チャイニーズ・
勝点
タイペイ
6○0
5○0
2○0
0●2
7
7
3
0
4
PK5-6
1
0
1
0
優勝:
朝鮮民主主義人民共和国
準優勝:日本
■大会各賞
・得点王:RA,Un Sim(DPR K.)
・MVP:RA,Un Sim(DPR K.)
・フェアプレー賞:日本
0
韓国
0
中国
1
第3位:中国
※上記3チームが2008年チリで開催予定の
FIFA U-20女子ワールドカップへの出場権を獲得
日本戦大会経過
きた。後半はボールを動かしながら相手を
揺さぶり、積極的にしかけることができ、
一方的な展開となった。また、同日行われ
た、オーストラリア対朝鮮民主主義人民共
和国の結果(1-2)で、日本は準決勝に進む
ことが決定した。
〔グループリーグ第3戦〕
日本 1-3 朝鮮民主主義人民共和国
雨の中行われた試合であったが、試合を
重ねるごとに調子を上げていた朝鮮民主主
義人民共和国が高いパフォーマンスを発揮
した。4-4-2で非常に活動性とパワーを生か
したサッカーを展開してきた。朝鮮民主主
義人民共和国が終始、シンプルなハイボー
ルをトップのターゲットに当てる攻撃を徹
ストラリアのDFからのロングボールを押さ
底していたのに対し、日本は予測、判断の
え、単調な攻撃に対して安定した守備を見
せた。オーストラリアの高さとパワーを、
面で相手に劣り、また相手に臆したプレー
が多く見られ、なかなかペースをつかめな
日本にとってこの試合は、予選リーグを
突破するための重要な試合であった。オー
日本の技術と組織力で抑えた試合となった。
〔グループリーグ第2戦〕
かった。
試合の終盤にいい流れの時間帯をつくる
ストラリアは4-1-4-1のシステムで、守備ラ
日本 8-0 ミャンマー
中1日のグループリーグから選手のコンデ
ことができたが、全体を通して戦う意識を
持ち続けた朝鮮民主主義人民共和国に軍配
〔グループリーグ第1戦〕
日本 1-0 オーストラリア
インにはFIFA女子ワールドカップにも出場
54
特集③ 女子サッカー
が上がった。
攻守ともに課題が露呈され、甘えの許さ
れないサッカーを選手やスタッフの全員が
学ぶ試合となった。
〔準決勝〕日本 0-0(PK6-5) 韓国
(2)成果
①組織と連動の守備
個々が状況を観て、チームコンセプトの3
ライン(ユニットを形成)が連動した守備、
また、縦、横多様なチャレンジとカバーで
・ハイプレッシャー下でのビルドアップ。
トップへのフィードパスの精度、トップ
のホールドの技術、駆け引き不足。
・フィジカル面では、スピード、パワーの
不足
この試合も強い雨が降りしきる中行われ、
スリッピーなピッチコンディションであっ
相手の攻撃を摘み、攻撃に転じることがで
きていた。
た。韓国は中盤、前線の攻撃陣に非常に個
の力を持った選手が多く見られるチームで
②積極的なしかけ
ミドル、ロングシュートを数多くうち、
2007年3月末、U-19日本女子代表チーム
として立ち上げ、約半年、6回のキャンプで
ある。日本はそれに対して数的優位な状態
でボールを奪う狙いがしっかりと行われ、
またドリブルでのしかけも臆することなく
ゴールを目指していた。
約70名の対象選手を見極め、最終30名の登
録対象のうち23名が参加。鈴鹿での事前キ
特に両サイドのしかけの面では相手の思う
ビルドアップについては、プレッシャー
ャンプ、中国入国後での故障、怪我等で4名
ようにはさせなかった。しかし、決定機を
幾度かつくるも5枚のDFを置く強固な守備
下で臆することもあったが、センターDFと
ボランチを中心に動かし、また相手とマッ
の変更を行った。
また、キャンプ6回のうち、オーストラリ
の前に得点できなかった。
後半の早々にGK菅原未紗が相手との接触
チアップした際には、4人のDFから3人の
DFでのビルドアップを流れの中で変化させ
ア対策としてスウェーデン遠征を実施し、
手応えを感じるチーム強化を図ることがで
でプレー続行が不可能となるアクシデント
る等、今大会参加チームでは一番ボールが
きた。
に見舞われる。交代した小林詩織が決定的
な場面でシュートを防ぐと、自分の調子を
動いていた。
③運動量
強化日数等としては満足のいくものでは
なかったが、過去にU-17アジア選手権での
つかみ、延長戦でもPKを止める活躍を見せ
た。試合のほとんどを主導権を持って進め
攻守等の切り替えは反省する面もあるが、
1試合総体的な活動性は、現時点で満足でき
経験(韓国大会、優勝)、前回大会(4位)
経験者(5名)の経験もあり、大会に向けて
るものであった。
の選手間のまとまりがスムーズに図られて
ることができたものの、延長後半では押し
込まれる時間帯が増えてしまった。最後は
PK戦7人目の末にアジアの代表権を獲得す
ることができた。
〔決勝戦〕日本 0-1 朝鮮民主主義人民共和国
(3)課題 「プレーの質」
・動きながらのコントロール
5
まとめ
いった。
アクションするチームのコンセプトの中
・プレッシャー下で、駆け引きの伴ったコ
ントロール(相手のプレスを逆手にとる)
で、朝鮮民主主義人民共和国のチームレベ
ルでは、現在まだ確実に勝ちきれるレベル
ようやく天候が回復し、久々に最高のピ
ッチコンディションで試合を行えることと
・コンタクトしながらのファーストコント
ロール
にはないが、現時点で朝鮮民主主義人民共
和国は完成度が高いのに比べ、日本はまだ
なった。再び対戦することになった朝鮮民
・キックの球種
完成度が半分程度で、伸びしろがある。
主主義人民共和国に対し、序盤は自分たち
のリズムで試合を展開できたが、徐々に朝
・フィニッシュの精度
・ヘディングの質と競り合い(前線の選
今後、個のプレーの質のレベルアップと
チームとしての経験を積むことにより、間
鮮民主主義人民共和国に押し込まれるよう
になり、CKの混戦から失点を喫してしまう。
手:胸コントロールの質)
・コンタクトスキル(守備)
違いなく来年11月からのFIFA U-20女子ワー
ルドカップチリ大会までには、アジアのト
何度も攻め込むもクロスバーとポストに2度
・しかけながら観てオプションを生かす質
ップ・朝鮮民主主義人民共和国のチーム力
ゴールを阻まれ、得点には至らなかった。
前回の対戦から修正点は改善されつつ試
・状況に応じたショートコンビネーション
(壁、スイッチ、けん制の動き等)
に勝るフィーリングを、強く感じることが
できた。
合を進めることができた。しかし、朝鮮民
主主義人民共和国はモダンではないが、相
・クロスの守備の対応
・クロスの攻撃の質
これまでの活動へのご支援に感謝すると
ともに、FIFA U-20女子ワールドカップチリ
対的に質の高い選手が一人一人そつのない
・1対1の守備の質(チャージの深さが足り
大会に向けての今後のご支援等もよろしく
パフォーマンスを見せ、非常に完成度の高
いサッカーを展開していた。
ない)
・1対1の攻撃の質(相手との間の柔軟性)
お願いします。
5
日本の闘いと成果・課題
(1)チームコンセプト
ゲーム状況を感じ、変化の対応などもチ
ャレンジさせたが課題が多く見られた。
・セットプレーを得た際にチャンスのある
「攻守にわたってアクションする(情報
を収集し能動的にプレーする)サッカー」
局面が感じられていない。
・相手のセットプレーの際のマーキングの
常に、攻守において観て情報をとり、判
断のもとに実践する。攻撃については、日
技術、相手の変化が観られない、セカン
ドプレーに集中できていない。
本の特質を生かしてボールも人も動き、積
極的にしかけることをトライさせた。
・失点後に自らのプレーの質で、再度相手
にリズムを与えている。
システムは、4-4-2(フラット)をベース
・リアクションの単調な展開への対応。ラ
に4-1-4-1も導入。
インコントロールとチャレンジ&カバー、
GKとDFとの連携対応に課題。
훿Jリーグフォト㈱
55
国内大会視察報告
第16回全日本高等学校
女子サッカー選手権大会
【報告者】
北川ちはる
(女子ナショナルトレセン
コーチ)
開催期間:2007年7月29日∼8月5日 出場チーム数:24チーム
開催地:磐田スポーツ交流の里ゆめりあサッカーグラウンド・多目的グラウンド、磐田市陸上競技場、
竜洋スポーツ公園、ヤマハスタジアム
(決勝)
優勝:鳳凰高校
(鹿児島県) 準優勝:神村学園高等部
(鹿児島県)
第3位:聖和学園高校
(宮城県)
、常盤木学園高校
(宮城県)
1
大会概要
今大会は、24チームを4チームずつ6グル
多かった。ボールを失わないために、浮き
球をコントロールするボールの高さに合わ
せた技術も必要だと感じた。
ープに分けてリーグ戦方式の1次ラウンドを
②スライディング
行い(7月29日∼8月1日)
、各グループ1位
チームと各グループ2位のうち、成績上位2
随所で見られたが、やみくもに滑ってか
わされる場面もあった。判断を伴った実戦
チームがトーナメント方式による決勝ラウ
ンドを戦った。
形式のトレーニングが必要だと感じた。
③キック
暑い夏場の大会日程のため、2日に1度の
ミドルシュートでの得点が多かったこと
休息日が2度あり、選手はリフレッシュした
状態で闘えた。決勝ラウンドには、藤枝順
からも、以前より長い距離を蹴れる選手が
増えてきたといえるだろう。しかし、正確
心高校・聖和学園高校・鳳凰高校・湘南学
院高校・神村学園高等部・日ノ本学園高
性、球種、左右の足で蹴るといったキック
の質については、さらなる改善が必要であ
校・十文字中学高校・常盤木学園高校の8チ
ろう。
ームが進出し、決勝戦は、初の九州・鹿児
島勢対決となり、鳳凰高校が4年ぶり2回目
④パス&コントロール
「動きながらのコントロール」に課題が
の全国制覇を遂げた。
あった。止まってボールを受けるのではな
く、常に動きの中でボールを受ける、動い
2
視察ポイント
(1)基本技術
①ヘディング
多くの選手がゲームの中で積極的に行っ
ていた。特に優勝した鳳凰高校は、味方に
つなぐコントロールしたヘディングが多く
見られた。逆に、ヘディングの意識が強く
ている選手に対してパスをするなどのスキ
ルを、普段からのトレーニングで身につけ
てほしい。加えて、ボールと人がスペース
で出会うパススピードを考えたタイミング
の良いパスや、ボールに寄るという習慣も
身につけてほしいと感じた。
(2)観る
なったためか、浮き球のすべてをヘディン
ボールの移動中に、相手・スペース・味
グで処理してしまい、ボールを失う場面が
方・ゴール・ボールを観ることができてい
ないため、瞬間的に判断を変えてプレーで
にボールを下げているのに、アプローチを
連続させることができず、ボールを奪うチ
ャンスを逃す場面も多かった。
逆に、優勝した鳳凰高校は全員、守備に
対する意識が強く、ボールに近い選手が積
極的にアプローチに行き、組織でボールを
奪いにいくことが徹底されていた。
(4)攻撃
ボールがゴール方向にダイレクトで進み、
セカンドボールを狙って攻撃するチームが
多かった。相手守備ラインが浅い場合、裏
をロングフォワードパスで狙うことは攻撃
で優先すべきことだが、縦へのキックの質
が悪いため、ボールを失う場面が多かった。
逆に、予選リーグで敗退してしまったが
大阪桐蔭高校や常葉学園橘高校は、GKがボ
ールを保持するとフィールドプレーヤーが
幅と厚みを持ったポジションをとり、確実
にGKからのパスを受け、攻撃をしかけるこ
とを目指していた。
この年代では、1人でドリブルで抜き去る
ことに加えて、
「ボールを失わずにゴールを
奪う」=「ボールポゼッションをしながら
前に向かってプレーする」といった、グル
ープでの攻撃の楽しさをも感じてほしい。
りからのサポートも少ないことが考えられ
(5)GK
今大会では、ミドルシュートからの得点
が多く見られた。これは、ファーストディ
レーニングをゴールデンエイジではもちろ
んだが、高校生年代でも積極的に行うべき
フェンダーの徹底ができていないことと、
GKのポジショニング・構えるタイミングな
だと感じた。
ど、ゴールを守るためのリスクマネジメン
トが薄いことが挙げられるだろう。併せて、
(3)守備
ボールを失った後、奪い返しに行かなく
56
備意識が育っていないように感じた。また、
積極的に奪いに行って、相手が前を向けず
きずに、ボールを失うことが多かった。こ
れは、ボール保持者のスキルに加えて、周
る。出し手と受け手のタイミングとコミュ
ニケーションを養う、判断を伴った技術ト
훿AGC/JFAnews
第16回全日本高等学校女子サッカー選手権大会・決勝より
훿AGC/JFAnews
てもボールがこぼれてくる状況に甘んじて
いるため、
「失ったら奪い返す」という、守
GKを含めた最終ラインの組織的な守備の意
識の向上が今後も重要になってくると感じ
た。
特集③ 女子サッカー
3
最後に
の積極的な関わりが重要になる。守備にお
いても同様で、いろいろなボール状況で、
に関わるかを考えさせる日々のトレーニン
グは必要だと感じた。
今大会は、ロングボールを多用するゲー
「どのように」
「どのタイミング」で関わる
また、どんな状況でも“やりきれる”選
ムが多かった。ボール保持者の選択肢を増
やすためには、
「動いて相手から離れてパス
のかが必要になる。個人ではなく、グルー
プでサッカーをするためにも、ボールを奪
手の育成、世界で闘いきる選手を生み出す
ためには、大会ルールで「自由な交代」は
コースを増やす」
「動いてドリブルするスペ
ースをつくる」
「ボールを追い越して攻撃に
ったら広がり、失ったら絞るといったプレ
ーの原則を理解させ、ピッチに立ったら身
あるが、予選リーグからフルタイムで闘わ
せてほしいと感じた。
枚数を増やす」などのオフ・ザ・ボールで
体も頭も休むことなく、
「どのように」有効
第12回全日本女子
ユース(U-15)
サッカー選手権大会
【報告者】
山口小百合
(女子ナショナルトレセンコーチ)
西入俊浩
(女子ナショナルトレセンGKコーチ)
開催期間:2007年8月24日∼29日 出場チーム数:16 開催地:Jヴィレッジ
(福島県)
優勝:神村学園中等部(鹿児島県) 準優勝:鳴門ポラリスLFC(徳島県)
第3位:常葉学園橘中学校(静岡県)
、大和シルフィード98(神奈川県)
1
大会概要
今年で12回を数えるこの大会は、3年前
であるが、多くは、味方が有利であるかど
うかを判断してパスを送るというよりは、
そこに味方がいるから漠然とパスを送ると
からU-15年代の単独チーム日本一を決める
いうシーンが多く見られた。これは、味方
大会となった。8月25日∼27日の3日間、各
地域予選を勝ち抜いた16チームが、4チー
は観えているが、スペースや相手、味方の
状況などを観ることができていないことか
ムずつ4グループに分かれ、1次ラウンドを
戦った。各グループの1位が勝ち抜き方式の
ら起こる現象であると言える。プレーの意
図がないまま、ドリブルやパスをするシー
決勝ラウンド(8月28日∼29日)に進み、
ンも見られた。しかけた結果のミスで失う
頂点を目指す戦いが繰り広げられた。
決勝ラウンドに進出したのは、神村学園
のではなく、パスミスでゴールに向えない
ことが多い。ボールを受ける前に観ること
中等部、鳴門ポラリスLFC、常葉学園橘中
学校、大和シルフィード98の4チームであ
によって、情報を集め、その先のプレーの
アイデアを持ち、状況の変化にも対応しな
った。決勝戦は、神村学園中等部と鳴門ポ
がら、攻撃をしかけていくことができるよ
ラリスLFCの戦いとなり、前後半1点ずつ加
点した神村学園中等部が2-0で勝利して3連
うになってほしい。
一昨年からナショナルトレセン女子U-15
覇を成し遂げ、幕を閉じた。
で取り組んでいる、デイリートレーニング
の成果で、止める・蹴るという部分の向上
2
攻撃
全27試合の戦いが繰り広げられたが、全
は見られる。ただし、自分の意図したとこ
ろに正確に蹴る技術の発揮に関しては、ま
体を通じて、ボールを失わずにゴールに向
だ不安定な部分も見られる。また、ボール
かうことを考えてプレーしている様子が見
られなかった。U-15年代では、攻撃時にど
を奪ってから時間をかけずにゴールに向か
うシーンは見られるが、受け手の選手がス
こを狙ったら、得点に結びつく確率が高い
かについては理解されているので、より相
ピードアップしてゴール前に上がる、また
は受けるシーンが見られなかった。この状
手ゴールに近づく方法として前線=DFの背
況をチャンスだと思ってプレーしていない
後へのキックが優先順位の一番になってい
る選手が多い。もちろんダイレクトプレー
ことがうかがえる。どこを突いたらゴール
につながるのかを理解できていないのかも
という狙いを持った攻撃をすることは必要
しれない。
3
守備
守備になった瞬間、
「誰がボール保持者へ
のアプローチをするのか」
、
「誰がどの選手
をマークするのか」といった部分は、ある
程度できている。しかし、マークした相手
にボールが入ったときに守備の優先順位を
基にしたプレーができていない場面が多い。
そのため、簡単に前を向かれて不利な状況
から守備をスタートさせなければならない。
また、ボールが動き、同一視できない状況
になると、マーカーを観ることができない
現象も多く見られた。しかし、相手チーム
の攻撃時、特にアタッキングサードでのパ
スミスが多いため、DFはしっかりと対応し
なくても簡単に自チームのボールになる。
そのため、ポジション修正や1対1の対応、
守備の準備をしなくてもボールが取れる場
面が多く見られた。今後、守備になったと
きに、何を準備し、何を狙わなければなら
ないのかを、今一度、選手に伝えなければ
いけないと感じた。
4
その他
普段のトレーニングを芝のグラウンドで
行っているチームは、ごくわずかであろう。
したがって土と芝でのプレーの違いを感じ、
第12回全日本女子ユース
(U-15)
サッカー選手権大会
훿NORIKO HAYAKUSA
57
第12回全日本女子ユース
(U-15)
サッカー選手権大会
훿NORIKO HAYAKUSA
調整したプレーが必要になる。普段と同じ
感覚でプレーするため、芝にボールを取ら
れ、足元にボールが埋まり、次のプレーが
できなくなったり、キックに関しても、弱
いパスでチャンスを失うシーンが見られた。
またこの大会期間を通じ、ピッチに足を取
られ、思うようなプレーができない場面が
多く見られた。大事な場面に、クリエイテ
ャッチングがスムーズでなかったり、ロー
リングダウンでは怪我につながるような倒
する選手、リーダーシップを発揮している
選手など、良いプレーをしている選手を見
れ方をしている選手も見られ、あらためて
ることもできた。今後、この大会で挙げら
この年代での基本技術の習得が必要である
と感じた。
れた課題をトレセン活動などで、この年代
で習得すべき課題としても取り組んでいか
個人戦術では、ポジショニングに関して、
特にボールがサイドにあるときに極端に二
なくてはならないと感じた。
アサイドに寄ってしまうプレーが見られた。
6
まとめ
攻撃への参加に関しても、有効なダイレク
トプレーにつながれば良いのだが、ボール
一昨年からスタートした女子ナショナル
トレセンで、U-15年代での課題を抽出し、
を保持したときの選択として、単純に前線
ィブなプレーを発揮するためには、スパイ
クの準備も考えなくてはならないであろう。
にいる選手に蹴ってしまい、簡単にボール
この年代で身につけてほしい要素をトレー
ニングしたことにより、技術の向上が見ら
を失う場面が見られた。また、味方選手も
れた。特にデイリートレーニングの部分
また、前半と後半のパフォーマンスに大
GKがボールを保持したときにパスを受ける
準備をする選手がいなかった。チーム戦術
(コンタクトスキル・スライディング・ヘデ
ィング)は、プレーの中でスムーズに選択
にも関わってくる部分であるが、有効な攻
撃であるならば前線の選手への正確なキッ
され、プレーしている場面を多く見ること
ができた。また、どのチームも試合の中で
緊張から思うようなプレーができない選手
クは良いプレーだと思うが、ボールを簡単
に失わないために、味方選手に確実につな
声を出し、プレーの意図を伝え合うシーン
がたくさん出てきた。試合終了のホイッス
も見られた。
ぐ選択肢を持たせることも、チームとして、
ルが鳴るまでゴールに向かう姿勢は評価で
GKとして状況を観て判断することが大切で
あり、その上でボールの配球を考えていか
きる部分であるが、より確実にゴールを奪
うために、常に状況を観て、分析し、判断
なくてはならない。
全体を通して、このU-15年代に習得しな
したプレー=意図を持ったプレーができる
ようになってほしい。
きな違いがあるチームが見られた。全国大
会に出場するチームであっても、一週間の
トレーニングが十分に確保できていないと
いう状況も聞いた。また、実力があっても、
5
GK
課題としては、良い準備という部分でボ
ールが敵陣にあるときやミドルゾーンにあ
るときに良い準備ができておらず、構える
前にシュートをうたれる場面なども観られ、
ボールの位置に関係なく良い準備をする意
識が大切であると感じた。
基本技術の部分では良い準備にもつなが
るが、構えることができていないためにキ
くてはならない必要な要素が課題として見
られた。特に基本的な技術であったり、基
本的な戦術の部分であったりとさまざまな
形で見ることができた。その中でシュート
に対して常に準備している選手、積極的に
せ、サッカーの原則を理解した中で考えて、
駆け引きしながらプレーできる選手の育成
高いポジションをとり、ボールを奪おうと
をしていかなくてはいけないと感じた。
西入俊浩
スーパー少女プロジェクト【報告者】
(女子ナショナル
第2回トレーニングキャンプ
1
概要
期間:2007年9月28日∼30日
場所:アスコ ザ パーク TANBA(兵庫県)
2
参加選手
トレセンGKコーチ)
年生:5名・中学2年生:4名・中学1年
生:2名)
。
3
トレーニングテーマ
①シュートストップ
(基本姿勢・キャッチング・ローリングダ
2007年度第2回トレーニングキャンプ
は、第1回トレーニングキャンプで参加し
ウン・ステッピング・ポジショニング)
・シュートトレーニング
た選手を継続して招集した。全国大会県予
・ゲーム 4対4+GK
選や国民体育大会参加選手など、3名が不
参加となり、11名(中学1年∼中学3年)
でトレーニングキャンプを行った(中学3
58
指導者は「いつ」
「何を」観て「どこで」
「どのように」
「どのタイミングで」プレー
するのかを、選手に習慣として身につけさ
②ブレイクアウェイ
(フロントダイビング・DFとの連携・フィ
ード)
・1対1+1サーバー+GK
・2対2+1サーバー+GK
・ゲーム 2対2+2対2+GK
③クロス
(基本姿勢・キャッチング・ポジショニン
グ・ハイボールキャッチ)
④フィジカル測定
(身長・体重・10m/40mスプリント・ロ
ングキック・オーバースロー・バウンディ
ング・10mシャトル・反復横跳び・垂直跳
び)
4
キャンプにおける成果
今回のキャンプでも、前回行ったように
フィールドプレーヤーにもトレーニングに
特集③ 女子サッカー
課題として取り組んでいかなくてはならな
いと感じた。
参加してもらい、シュートトレーニングや
DFを付けたトレーニングなど、実戦に近い
たGK像などを熱く語っていただいた。ポジ
ションは違うが元代表DF選手から見た
形でトレーニングやゲームを行うことがで 「GK選手に必要・大切なこと」など、選手
きた。
基本的な技術に関しては、前回のキャン
プから継続してテーマに取り組み、また選
手個人が各チームでも取り組んでいること
にとって非常に貴重な話を聞けたのではな
いかと思う。
6
総括と今後への展開
今回のキャンプでも、フィールドプレー
ヤーもトレーニングに参加するという形を
行うことができた。また、前回キャンプの
キャンプにおける課題
反省も踏まえて、内容の濃いトレーニング
の選手に積極的に声をかけてコミュニケー
ションをとるシーンが見られ、DFの選手を
を動かされる状況のときにポジショニング
のミスが見られた。的確なポジショニング
た。今後のキャンプでは、今回見られた課
動かすコーチングによってDFと連携してゴ
をとる上で、ついボールばかりに集中して
題や12月に行われるナショナルトレセン女
子U-15での課題を含めながら、テーマを設
ールを守ることが大切であるということを
再認識できたのではないかと思う。
しまい、いつどのタイミングで自分のいる
ポジションを、目標物(ポスト・PKマー
定し、キャンプの中で選手が取り組みやす
い環境をつくり出していきたい。
クロスに関しても継続していることもあ
り、コーチから投げられたボールに対して
ク・ゴールエリアの角)などを見て確認す
るのかという習慣ができていなかった。前
の落下地点の予測やキャッチする位置など
後のポジショニングに対しても、極端に前
度新たに申し込みがあった新規募集の選手
対象のキャンプとなる。このキャンプの中
良くなっている面が見られた。また、ボー
ルを奪う意識も強くなり、積極的にボール
に出すぎてしまったり、ゴールライン上に
低くとってしまったりしていた。今後のキ
で新たな選手発掘・育成を目的としてトレ
ーニングを行い、新たにサッカーやGKに興
へチャレンジするプレーも見られた。そし
て、ボールを奪ってからの守備から攻撃へ
ャンプでも継続して取り組んでいかなくて
はならないと感じた。
味を持ってキャンプに参加する選手に対し
5
ができたのではないかと思う。
もあり、全体的に「良い準備・構えをする」
、
シュートストップに関しては、前回から
全体的に基本技術の成長が見ることがで
「安全確実にキャッチする」など、良くなっ 継続してポジショニングをテーマに行った。 きた。個人戦術など理解して頭で考えるこ
ていると感じた。また、前回キャンプでも 前回キャンプに比べると良くなっている部 とができているが、それをプレーの中で実
実施したフィールドプレーヤーとのトレー 分も見られるが、大きくボールを動かされ 践し、良いプレーとして見られる回数をも
ニングでは、2回目ということもあり、DF たときや、パスによって何度もポジション っと増やしていかなくてはならないと感じ
の切り替えや、攻撃への参加ということも、
クロスに関しては、コーチから出される
また、次回(11月)のキャンプは、今年
て、サッカーやGKの楽しさを伝えていき、
将来、可能性のある選手を発掘するととも
選手は意識して取り組んでいた。
初日のミーティングでは、選手個人に前
ボールを、スローよりもキックでのクロス
の割合を多く行った。投げられたボールに
に、1人でも多くの選手に今後もサッカーや
GKに興味を持ってもらいたい。また、2008
回キャンプからこの2ヶ月間でどのようにト
レーニングをしてきたかを振り返り、夏の
対してはある程度できていたが、蹴られる
ボールになると慌ててしまい、落下地点の
年1月の第3回キャンプは、高校生年代(U-
期間に行われた大会などでの成果や課題に
ついての発表を行った。2日目のミーティン
予測やキャッチするタイミング・位置がズ
レてしまうプレーが見られた。ボールが蹴
グでは、
『なでしこジャパンGK選手』のプ
レー映像を観て分析し、他の選手とグルー
プディスカッションを行い、発表するとい
う形を行った。キャンプで行っているテー
マのプレー映像を観て、あらためてなぜ良
18)でのキャンプも実施し、この年代での
課題やGKの専門的な指導を受ける環境にな
い選手の育成・強化も図っていかなくては
られた瞬間に慌てて判断するのではなく、 ならない。そしてU-19・U-16代表候補の選
しっかりとボールのコースや角度を観て判 手も継続して招集しながら選手の状況を把
断することを意識させた。U-15年代はゲー 握し、各年代の代表チームとの連携をより
きた。自分で考え、他の選手と話をするこ
と、聞くことで、選手は実際にトレーニン
ム中でのクロスの場面が少ない状況であり、 深め、育成・強化をこのプロジェクトを通
また、クロスを意識してトレーニングに取 して図っていき、近い将来、日本女子サッ
り組むことが少ない中で、今後のキャンプ カー界を背負って立つ可能性のある「スー
の中で継続して取り組んでいかなくてはな パー少女」を見守っていきたい。
らないと感じた。
グしているプレーに対して、ピッチ外でも
考えて意識することができたのではないか
全体を通して、前回と同じテーマで取り
組んできた中で、判断を伴うトレーニング
と思う。また、加治コーチ(女子ナショナ
や、個人戦術的な部分になると課題となる
ルトレセンコーチ関西担当)に関西トレセ
ン後に来ていただき、なでしこジャパンを
場面が多く見られた。今後のキャンプでも、
基本技術の部分は継続しながら、判断を伴
目指す上での心得や、DF選手から観て感じ
うトレーニングや戦術的な部分を含めて、
いプレーができたのかを理解することがで
59
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□2006FIFA ワールドカップドイツ大会 JFAテクニカルレポート/DVD
5,145円
□2002FIFA World Cup JFAテクニカルレポート/ビデオ
5,325円
□FIFAコンフェデレーションズカップ2003 JFAテクニカルレポート/ビデオ
3,435円
□FIFAワールドユース選手権2003 JFAテクニカルレポート/ビデオ
3,435円
□FIFA U-17世界選手権2003 JFAテクニカルレポート/ビデオ
3,435円
□FIFA U-17世界選手権ペルー2005JFAテクニカルレポート/DVD
3,435円
□第3回フットボールカンファレンス報告書/CD-ROM+DVD
7,875円
□JFAキッズドリル(指導者、キッズリーダー資格保有者・加盟登録チーム限定価格) 1,400円
□JFAキッズドリル(一般販売価格)
□第4回フットボールカンファレンス報告書
□第5回フットボールカンファレンス報告書
□AFCアジアカップ-中国2004 JFAテクニカルレポート
□アテネオリンピックサッカー競技総集編 JFAテクニカルレポート/DVD
□JFAフィジカル測定ガイドライン2006年版
□2006ナショナルトレセンU-16プログラム/ビデオ
□2006ナショナルトレセンU-14プログラム/DVD
□2006ナショナルトレセンU-12プログラム/ビデオ
□JFAキッズ(U-10)指導ガイドライン
□JFAキッズ(U-8)指導ガイドライン
□JFAキッズ(U-6)指導ガイドライン
□JFA 2004 U-16指導指針
□JFA 2007 U-14指導指針
□JFA 2007 U-12指導指針
□JFA チャレンジゲーム めざせファンタジスタ! DVDブック
□JFA チャレンジゲーム めざせクラッキ! 冊子
□JFA チャレンジゲーム めざせクラッキ! DVD
2004 U-14指導指針は、販売を終了し
ました。
お一人様1セットのみの販売となります。
1,800円×(
2,520円×(
2,520円×(
630円×(
4,410円×(
1,050円×(
2,520円×(
2,520円×(
2,520円×(
1,050円×(
1,050円×(
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1,575円×(
300円×(
700円×(
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合計金額
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フ リ ガ ナ
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住所 〒
申込者住所
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電話番号 ( )
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※領収書の発行はいたしません。払込取扱票の払込受領証が領収証となりますので、大切に保管してください。
※払込取扱票の「通信欄」には、商品名・数量・金額を明記してください。
保有資格
① 登録 No.
公認
No.C
級コーチ / □キッズリーダー
チーム名
② チーム登録番号
チーム名
チーム登録番号
※コピーしてご使用ください。
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テクニカル・ニュース Vol.22
○発行人:小野 剛
○編集人:財団法人日本サッカー協会技術委員会・テクニカルハウス
○監 修:財団法人日本サッカー協会技術委員会
○発行所:財団法人日本サッカー協会 〒113-8311
東京都文京区サッカー通り(本郷3-10-15)JFAハウス
電話 03-3830-2004(代表)
○発行日:2007年11月20日