PDF形式 - 宇部市 オープンデータカタログサイト

政府におけるオープンデータの取り組み
2016年12月18日
内閣官房 情報通信技術(IT)総合戦略室
峯苫 靖浩
政府におけるオープンデータの取組
オープンデータとは
オープンデータとは、政府や地方公共団体などが保有する公共データが、①「二次利用可能なルールの下」で、
②「機械判読に適した形」で、公開されること。
オープンデータへの取組により、新事業の創出、行政の透明性・信頼性の向上等が期待。
企業・個人等
国、独立行政法人、地方公共団体、公益企業等
C市
A省
公開データ
公開データ
多様なデータを
組み合わせた
加工、分析等
データカタログ
(ポータルサイト)
B機構
公開データ
保有データ
検索、収集
新サービス
新ビジネス
意義
利用例
経済の活性化、新事業の創出
気象、地質、交通その他の観測・調査データのような専門的
データを収集・分析したビジネス活用など
行政の透明性・信頼性の向上
補助金や政府支出について、府省、分野、地域、支出先等別
の分析など
官民協働による公共サービスの実現
子育て、教育、医療、福祉等の身近な公共サービスの内容、
品質等を利用者に分かりやすく示す、災害時に迅速に複数
の情報を組み合わせた情報発信など
政府のオープンデータの取組の推進状況
平成24年
「電子行政オープンデータ戦略」
7月
・オープンデータの基本原則(積極的な公共データの公開、機械判読
可能なデータ形式、営利目的を含む二次利用の促進等)を記載
・政府が取組を推進し、独立行政法人、地方公共団体、公益企業等の
取組に波及させる
・推進体制として、官民による実務者会議の設置を記載
平成24年12月 電子行政オープンデータ実務者会議設置
「世界最先端IT国家創造宣言」
平成25年 「世界最先端IT国家創造宣言工程表」
6月
「電子行政オープンデータ推進の
ためのロードマップ」
・特に経済活性化の取組としてオープンデータを位置づけ
・データカタログサイトの整備(平成26年度本格運用開始)
・2015年度末に他の先進国と同水準の公開の実現を目標
・創造宣言の目標実現に向けた関係府省の中長期的な施策
・当面3年程度を視野に、取り組むべき内容を網羅的に整理
・優先的に取り組むべき重点5分野の設定(白書、防災・減災情報、地理
空間情報、人の移動に関する情報、予算・決算・調達情報)を整理
・二次利用のルールの整備
(機械判読に適したデータ形式のガイドラインも合わせて整備)
平成25年12月 データカタログサイト「DATA.GO.JP」試行版
平成26年
「政府標準利用規約(第1.0版)」
6月
・各府省ホームページで公開するコンテンツについて、基本的に、
出典の記載を条件に二次利用を認める
平成26年10月 データカタログサイト「DATA.GO.JP」本格版
平成27年 「地方公共団体オープンデータ
2月 推進ガイドライン」
平成27年 「新たなオープンデータの展開に
6月 向けて」
平成27年
「政府標準利用規約(第2.0版)」
12月
・地方公共団体におけるオープンデータの取組を推進する観点から、
取り組むにあたって参考となるガイドラインと手引書を公表
平成28年
「オープンデータ2.0」
5月
・データ公開中心の取組からデータ利活用による諸課題の解決に向け、2020年まで
を集中取組期間と定め、「一億層活躍社会の実現」、「2020年東京オリパラ競技
大会」等の政策課題を強化分野と設定。
12月
官民データ活用推進基本法
・「課題解決型のオープンデータの推進」に発想を転換し、オープンデータ
利活用を課題解決にビルトイン化
・国際的にオープンライセンスとしてみなされるよう、禁止条項の削除、
利用ルール適用外コンテンツを記載し、CC BYとの互換性も明記
・国及び地方公共団体によるオープンデータに関する取り組みについて規定。
官民データ活用推進基本法の概要
目的 インターネットその他の高度情報通信ネットワークを通じて流通する多様かつ大量の情報を活用することにより、急速な少子高齢化の進展への対応等の我が国が直面す
る課題の解決に資する環境をより一層整備することが重要であることに鑑み、官民データの適正かつ効果的な活用(「官民データ活用」という。)の推進に関し、基本理念を定め、
国等の責務を明らかにし、並びに官民データ活用推進基本計画の策定その他施策の基本となる事項を定めるとともに、官民データ活用推進戦略会議を設置することにより、官民
データ活用の推進に関する施策を総合的かつ効果的に推進し、もって国民が安全で安心して暮らせる社会及び快適な生活環境の実現に寄与する。(1条)
第1章 総則
 「官民データ」とは、電磁的記録(※1)に記録された情報(※2)であって、国若しく
は地方公共団体又は独立行政法人若しくはその他の事業者により、その事務又は
事業の遂行に当たり管理され、利用され、又は提供されるものをいう。(2条)
※1 電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる
記録をいう。
※2 国の安全を損ない、公の秩序の維持を妨げ、又は公衆の安全の保護に支障を来すことになる
おそれがあるものを除く。
 基本理念
①IT基本法等による施策と相まって、情報の円滑な流通の確保を図る(3条1項)
②自立的で個性豊かな地域社会の形成、新事業の創出、国際競争力の強化
等を図り、活力ある日本社会の実現に寄与(3条2項)
③官民データ活用により得られた情報を根拠とする施策の企画及び立案により、
効果的かつ効率的な行政の推進に資する(3条3項)
④官民データ活用の推進に当たって、
・安全性及び信頼性の確保、国民の権利利益、国の安全等が害されないよ
うにすること(3条4項)
・国民の利便性の向上に資する分野及び当該分野以外の行政分野での
情報通信技術の更なる活用(3条5項)
・国民の権利利益を保護しつつ、官民データの適正な活用を図るための
基盤整備(3条6項)
・多様な主体の連携を確保するため、規格の整備、互換性の確保等の
基盤整備(3条7項)
・AI、IoT、クラウド等の先端技術の活用(3条8項)
 国、地方公共団体及び事業者の責務(4条~6条)
 法制上の措置等(7条)
第2章 官民データ活用推進基本計画等
 政府による官民データ活用推進基本計画の策定(8条)
 都道府県による都道府県官民データ活用推進計画の策定(9条1項)
 市町村による市町村官民データ活用推進計画の策定(努力義務)(9条3項)
第3章 基本的施策
 行政手続に係るオンライン利用の原則化・民間事業者等の手続に係るオンライン利用
の促進(10条)
 国・地方公共団体・事業者による自ら保有する官民データの活用の推進等、関連する
制度の見直し(コンテンツ流通円滑化を含む)(11条)
 官民データの円滑な流通を促進するため、データ流通における個人の関与の仕組みの
構築等(12条)
 地理的な制約、年齢その他の要因に基づく情報通信技術の利用機会又は活用に係る
格差の是正(14条)
 情報システムに係る規格の整備、互換性の確保、業務の見直し、官民の情報システム
の連携を図るための基盤の整備(サービスプラットフォーム)(15条)
 国及び地方公共団体の施策の整合性の確保(19条)
 その他、マイナンバーカードの利用(13条)、研究開発の推進等(16条)、人材の
育成及び確保(17条)、教育及び学習振興、普及啓発等(18条)
第4章
官民データ活用推進戦略会議
情報利用開発等事業者
 IT戦略本部の下に官民データ活用推進戦略会議を設置(20条)
 官民データ活用推進戦略会議の組織(議長は内閣総理大臣)(22、23条)
 計画の案の策定及び計画に基づく施策の実施等に関する体制の整備(議長による重点
分野の指定、関係行政機関の長に対する勧告等)(20条~28条)
 地方公共団体への協力(27条)
附則
 施行期日は公布日(附則1項)
 本法の円滑な施行に資するための、国による地方公共団体に対する協力(附則2項)
官民データ活用推進基本法のオープンデータに関する規定
国及び地方公共団体等が保有する官民データの容易な利用等(第11条)
国及び地方公共団体は、自らが保有する官民データについて、個人・法人の権利利益、国の安全等が害されるこ
とのないようにしつつ、国民がインターネット等を通じて容易に利用できるよう、必要な措置を講ずるものとする。
(事業者が保有する官民データであって公益の増進に資するものについては、同様の措置を講ずる努
力義務が規定されている。)
1.二次利用可能なルールの整備
【二次利用可能なルール】
【ルール未整備】
●ホームページの情報を利用する際、著作権処理
(使用許可等)に手間、時間、費用等がかかる
●利用に制約があり、自由に編集・加工が出来ない
●出典を明記すれば、許可を得ずとも自由にホーム ページ情報の二
次利用が可能
●自由に編集・加工が出来るため、他のデータとも組み合わせて利用
拡大が見込める
2.機械判読性のあるデータの価値
(例)感染症週報データを地図情報に重ねた「全国感染症マップ」を作成
【機械判読性のないデータ(画像等)の場合】
1秒
90分
(5分/1種類×18種類)
感染症
週報データ
人手によるデータ入力が必要
● 時間がかかる
● 転記ミスの恐れ
● データが自動で連携するため、
迅速かつ正確
5
オープンデータ2.0の概要
データ公開中心の取組からデータ利活用による諸課題の解決に向け、
「課題解決型オープンデータ」(府省庁の政策決定過程にオープンデータによる対応の検討
をビルトイン化 等)の具体的な「実現」を目指し、これまでの取組を更に強化。
2020年までを集中取組期間と定め、「一億総活躍社会の実現」、「2020オリパラ」等の
政策課題を強化分野として設定、オープンデータの更なる深化を図る。
オープンデータ2.0
※なお、オープンデータの推進に当たっては、オープンデータの利活用に加え、オープンデータと企業が保有するデータ等の組み合わせによる付加価値の高い
データの利活用が有効であることや、自治体においては各地域の特徴を踏まえた自主的な対応を促すことが重要であることに留意。
今後の方針
強化分野
① 政策課題を踏まえた強化分野の設定
① 一億総活躍社会の実現
利用者が課題に気付き・解決に取り組む中で、別のデータ公開の
ニーズ等が生まれ、更なるオープンデータ化が進む「オープンデータサ
イクル」を促進
② 民間企業等におけるオープンデータ的な取組につ
いても一定の範囲内で協力を依頼
競争領域ではなく、協調的な領域
③ 地方公共団体における取組
防災等の地域を跨いだ共通的な分野とともに、各々の地域特性に
応じた自主的な取組も併行して促進
※平成28年5月19日IT総合戦略本部決定。
強い経済、子育て、社会保障
② 2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会
大会の円滑な準備及び運営、大会を通じた新しい日本の創造等
その他
① 地方及び海外(アジア)への横展開
② 体制強化(情報セキュリティ・情報化推進審議官を筆頭とし
た体制整備)
③ 標準化、普及啓発・人材育成 等
6
【事例紹介】 厚生労働省 オープンデータ2.0での取組を予定している主なもの
○ オープンデータ2.0で示された強化分野(「一億総活躍社会の実現」、「2020年東京オリンピック・パラリンピック
競技大会」)における政策課題の評価や推進に資するデータを政府データカタログサイトに順次登録。
保育サービスの充実
働き方改革
①待機児童の情報(人数)
②保育所等の情報(か所数、定員、利用児童数)
③保育施設に従事する保育士等の数
④保育士の賃金等の状況
①一般労働者、パートタイム労働者に係る賃金・労働時間等の状況
②民間企業における賃金決定の資料・同業種の賃金の状況、就業形態
別賃金等の比較・就業形態、年齢別等の平均的な賃金の状況
③地域別最低賃金額改定の目安
介護サービス基盤の確保
女性活躍の推進
①被保険者数、要介護(要支援)認定者数、各種サービスの受給者数・
給付費 等の状況
②介護保険施設等における定員、介護保険施設等に従事する介護職員
等の数等の状況
元気で豊かな老後を送れる健康寿命の延伸
①健康寿命
②メタボ人口
③健診受診率
④特定健診受診率
⑤特定保健指導実施率
⑥メタボリックシンドローム該当者割合
⑦検診受診の状況等の情報
①女性新法行動計画策定率に係る情報
②セクハラ防止に取り組んでいる企業の情報
③女性管理職の比率に係る情報
④性別、役職別の賃金等の状況
2020年東京オリ・パラ関係
①県別、月別、原因食品別、病因
物質別等食中毒発生状況
② 外国人患者受入れ医療機関認
証制度認証医療機関一覧
③受動喫煙防止措置の実態調査
(出典)内閣官房情報通信技術総合戦略室 第1回オープンデータワーキンググループ(28.10.14)資料より抜粋
7
2012 オリンピック・パラリンピック ロンドン大会でのオープンデータの取組
○ オープンデータ等の取り組みに加え、交通行動変容を促したことで、オリンピック期間中のピーク時におけ
る通常の交通需要の20%削減を実現するとともに、全体として大規模な交通需要に対応した。
○ 94%の市民が、ロンドン交通局は大会の交通をうまく管理したと回答。
ロンドン交通局(TfL:鉄道、地下鉄、トラム、バス、ゴンドラ、旅客船、道路網、
レンタサイクル等を運営管理)の取り組み
アプリ:Citymapper
地下鉄がストライキ等による
運行休止時でも、目的地まで、
レンタサイクルや、バス、鉄道と
組合せた回避手段を調べられ
る。
■2007年 運行情報、路線図、経路検索に関するウィジェットを公開。
■2009年 Webサイト上で、アプリ開発者向けに(主に静的な)データ提供を
開始。
■2010年 ロンドンデータストアを立ち上げ、リアルタイムデータを追加提供。(登
録アプリ開発者:数百)
■2011年 ロンドン地下鉄車両の位置情報等を提供するためのAPIを公開。
(登録アプリ開発者:1000超)
■2012年 ライブのバス到着情報等を提供するためのAPIを公開。オリンピック
専用交通データ統合サイトを公開。(登録アプリ開発者:4000超)
混雑予測情報等を提供するサイトGetAheadoftheGames.com.を開
設。
■2013年 30以上のデータセットを公開。 (登録アプリ開発者:5000超、アプ
リ:数百)
■現在 地下鉄やバスの運行情報、道路のカメラ映像、レンタサイクル及び駐輪
場空き情報等のリアルタイムデータを含む62のデータセットを公開。
※ データを活用する者に対し、登録を義務付け。
(参考文献)TRANSPORT FOR LONDON GET SET, GO!
By Becky Hogge, Janualy, 2016
国土交通省「英国政府における交通分野のオープンデータの取り組みについて(海外現地調査報告)」 等
(出典)内閣官房情報通信技術総合戦略室 第1回オープンデータワーキンググループ(28.10.14)資料より抜粋
8
2016 オリンピック・パラリンピック リオデジャネイロ大会でのオープンデータの取組
■2014年に開設されたRioのデータポータルサイト。
■鉄道、地下鉄、BRT(Bus rapid transit, バ
ス高速輸送システム)等の公共交通機関などのリアル
タイムデータを取得できるAPIを公開。
■上記データを活用して、バリアフリーや交通・観光支
援など様々なアプリが提供されている。(リトアニア、
オーストラリア等、ブラジル国外の企業もアプリを提
供)
アプリ: Rio Go
宿泊先と観戦予定イ
ベントを選択すること
で、最適な移動手段
等の情報が提供され
る。
アプリ: Livrit
障害者向けに地図上
に施設や通行上の障
害情報等を提示。
ユーザーからの投稿を
反映する機能あり。
■オリンピックの交通に関するアプリコンテストを実施。
http://transportchallenge.rio/
(出典)内閣官房情報通信技術総合戦略室 第1回オープンデータワーキンググループ(28.10.14)資料より抜粋
9
データカタログサイト「DATA.GO.JP」について
平成25年12月:データカタログサイト「DATA.GO.JP」の試行版公開
平成26年10月:データカタログサイト「DATA.GO.JP」の本格運用開始
URL
http://www.data.go.jp/
主な機能
①公共データの横断検索機能
府省が公開しているデータを横断検索できる機能。検
索結果から、そのデータに関する説明(メタデータ)を
確認でき、府省の公開URLからダウンロードできる。
②関連の取組のリンク等
利活用の参考にできるよう、政府の方針・決定、公共
データ活用事例、府省等のデータベースサイトを紹介。
③利用者からの意見受付コーナー
掲載しているデータのデータ形式、現在掲載されていな
いデータの掲載等に関する意見を受け付ける。
④更新情報の通知機能
サイトの新着情報やデータの更新について利用者に通
知する。
⑤メタデータダウンロード機能
複数のデータセットを選択し、メタデータをダウンロードで
きる。
10
データカタログサイトのデータセット登録数
府省名
合計
データセット数
(2015年3月)
データセット数
(2015年9月)
データセット数
(2016年3月)
データセット数
(2016年9月)
2015年9月からの 2015年9月からの
増減数
増減率
12970
14731
16308
17678
2947
22.7%
国土交通省
3202
3416
3619
3681
265
8.3%
経済産業省
1512
2165
2347
2861
696
46.0%
厚生労働省
1096
1268
1488
1803
535
48.8%
文部科学省
1299
1431
1477
1550
119
9.2%
内閣府
812
1186
1417
1434
248
30.5%
財務省
765
774
1166
1192
418
54.6%
環境省
1025
1035
1037
1037
2
0.2%
総務省
746
721
849
874
153
20.5%
農林水産省
536
536
543
605
69
12.9%
法務省
531
565
584
599
34
6.4%
警察庁
388
463
422
468
5
1.3%
防衛省
278
307
326
351
44
15.8%
金融庁
152
163
228
243
80
52.6%
人事院
122
141
197
214
73
59.8%
公正取引委員会
129
136
145
148
12
9.3%
136
個人情報保護委員会
外務省
120
126
131
131
5
4.2%
宮内庁
93
96
121
128
32
34.4%
消費者庁
53
82
83
85
3
5.7%
内閣官房
63
71
74
76
5
7.9%
内閣法制局
37
38
43
49
11
29.7%
復興庁
11
11
11
13
2
18.2%
11
地方公共団体におけるオープンデータの取組
オープンデータに取り組む地方公共団体の推移
(内閣官房IT総合戦略室調べ)
取組済み団 取組済み基礎自治体
備考
体数
の合計人口
4
832,649
30
13,707,356
103
28,630,967 「地方公共団体オープンデータガイドライン」公表
154
37,607,306 「新たなオープンデータの展開に向けて」公表
205
50,859,261
233
56,069,787
確認時期
平成25年3月
平成26年3月
平成27年2月
平成27年6月
平成28年3月
平成28年9月
※47都道府県、1741市区町村、計1788団体を対象。上記の取組済み基礎自治体の人口カバー率に都道府県は含まない
各時期における取組開始地方公共団体の例と当該団体の人口
団体数
神奈川県藤沢市(424,103人)
埼玉県さいたま市(1,264,253人)
東京都品川区(386,687人)
長野県須坂市(50,743人)
250
233
205
千葉県千葉市(972,639人)
静岡県(3,701,181人)
神奈川県横浜市(3,726,167人)
福岡県福岡市(1,538,510人)
200
青森県八戸市(231,379人)
宮城県(2,334,215人)
群馬県(1,973,476人)
鹿児島県鹿児島市(600,008人)
154
150
100
103
福井県鯖江市(68,337人)
福島県会津若松市(124,085人)
千葉県流山市(174,417人)
石川県金沢市(465,810人)
30
50
4
青森県弘前市(177,549人)
宮城県石巻市(147,236人)
東京都千代田区(58,344人)
愛知県小牧市(149,540人)
北海道旭川市(339,797人)
神奈川県平塚市(258,246人)
兵庫県尼崎市(452,571人)
香川県高松市(420,943人)
0
平成25年3月
平成26年3月
平成27年2月 平成27年6月
平成28年3月 平成28年9月
13
地方公共団体の取組支援策
第12回オープンデータ
実務者会議資料抜粋
超少子高齢社会を迎える中で地方公共団体の保有するデータの活用は地域住民への
サービスの向上、地域経済の活性化等を通じ、一億総活躍社会の実現にも資するも
の。
オープンデータの利活用の促進
地方公共団体における
オープンデータの取組促進
モ
ノ
ヒ
ト 人材の派遣(※)
ツールの提供
自治体ガイドライン・手引書
地方公共団体向けパッケージ
フォーマット標準例
オープンデータ100
一体的に実施
オープンデータ伝道師
※政府CIOによる首長の
訪問等も実施
(地方公共団体でワークショップを実施)
14
オープンデータ伝道師
 オープンデータに造詣の深い有識者を「オープンデータ伝道師」として任命
(3月30日に8名を任命)し、平成28年度より活動開始、地方公共団体に派遣
 ツールとして、国の取組成果をまとめた自治体ガイドライン(手引書含む)
の地方への展開や、地方公共団体向けパッケージ、オープンデータ100を携え
オープンデータの普及啓発及び立ち上げを支援
伝道師
地方公共団体
地方公共団体
ガイドライン(手引書)
ツール
地方公共団体
OD100
15
オープンデータ伝道師任命者
氏 名
主な活動
地域
これまでの主な実績等
所属団体等
藤井 靖史
東北
地方
Code for AIZUを立ち上げ、会津若松市と連携してITを活用した地域課題の解
決に貢献
Code for AIZU
越塚 登
関東
地方
政府関係の施策の検討を積極的に推進するとともに、全国各地の交通分野のオー
プンデータ化を積極的に推進
東京大学
庄司 昌彦
関東
地方
IT室にて作成したカタログサイト&ダッシュボードパッケージの導入に、奥出雲・安来・
阿波の3地域にて全面対応
OKFJ
関 治之
関東
地方
Code for Japan代表理事として、東日本大震災に対して「sinsai.info」を構築・
提供するとともに、全国各地でオープンデータを活用したアイデアソン・ハッカソンの実
行推進
Code for Japan
村上 文洋
関東
地方
VLED事務局の中心メンバとして、政府施策の実行に積極的に貢献するとともに、
福井県オープンデータビジネス利活用研究会の座長として、県内食品営業許可取
得施設のオープンデータ化等に貢献
VLED
新井 イスマイル
関西
地方
「Night Street Advisor」をはじめ、オープンデータを活用した地域課題解決のア
プリ等を制作・提供
奈良先端科学技
術大学院大学
福野 泰介
北陸
地方
福井県鯖江市におけるオープンデータの積極活用を中心的に支え、それらの事例展
開を全国へ積極的に推進
Jig.jp
牛島 清豪
九州
地方
「わいわいWi-Fiマップ」の企画・制作を通じた佐賀県内Wi-Fiスポットのオープンデー
タ化等、佐賀のオープンデータによる地域課題解決を推進
Code for Saga
16
利活用事例集(オープンデータ100)
オープンデータ利活用啓発に向け、オープンデータの利活用事例を課題の類型毎に
整理した事例集(オープンデータ100)をとりまとめ、公開。(現在25事例程度)
 オープンデータ100
アプリ・サービスの
概要を整理
開発のきっかけや効果など、
関係者の「声」を掲載
17
御清聴頂き、ありがとうございました。
オープンデータの活用事例の紹介
介護を支える、新しいカタチ
ミルモ
防災
減災
少子
高齢
産業
創出
By 株式会社ウェルモ
防犯
医療
教育等
介護現場で課題とされている、適切な施設探し。1つの施設を探すのに3日かかることも。
もしそれを30分にまで縮めることができたら…?そんな願いを実現した、介護者を支えるサービス。(2014年4月頃
サービス開始)
介護に必要な情報がタブレット上で確認できる
(ミルモタブレットの使用画面例)
ミルモ 誕生の キッカケ
 介護に関する情報は散在しており、
情報を集約して介護現場に伝えられていなかった
ミルモ でこう 変わった!
 自治体が提供する介護事業所情報(約2,100か所)をまとめて提供
できるため、介護現場の負担を大幅に減らした
 リリース後1年半で、ケアマネージャの半数以上が使用する
アプリに成長
 オープンデータを介護者に対し活用することにより
“高齢者を支える人向け”として新たな可能性を示した
20
介護を支える、新しいカタチ
ミルモ
防災
減災
少子
高齢
産業
創出
By 株式会社ウェルモ
公共データは+αで新ビジネスに
ミルモの基礎を構築しているの
は、厚生労働省が公開している介
護事業所データなどのオープンデ
ータである。これまでケアマネー
ジャーは、福岡市内で約2100ヶ
所を超えるそれらの事業所につい
てを自ら調べ、必要な際には直接
電話をし、要介護者に適切な施設
を選ぶのに平均して3日の時間を
かけていたという。
株式会社ウェルモは福岡市から
住所・介護保険のあらまし・事業所番号・福岡市の障がい福祉加算情報・
各窓口・連絡先一覧等・人員配置等の情報デジタル化許可を受け、さらに
は独自に収集した各所の配食やボランティアの情報などデータを情報プ
ラットフォーム上に集約し、ミルモをつくりあげた。これによりケアマネ
ジャーや家族の負担は大幅に軽減された。行政が公平性を担保しつつ公開
するオープンデータに民間だからこそできる工夫を加えることで、新たな
ビジネスを構築している。
リリース後18か月時点で、福岡市内では包括支援センターでは95%のシェ
ア、ケアマネジャー向けタブレットサービスは 66%のシェア、施設向けク
ラウドCRM対象介護事業所は27%シェアという圧倒的なシェア獲得を実現
した。
厚労省・福岡市・福岡県警提供の
介護事業所情報
使用データ
データ形式
提供形態
HTML、PDF、XLSほか
Webアプリ、タブレットアプリ、CRMシス
テム
受賞歴
地域
防犯
医療
教育等
福岡ビジネス・デジタル・コンテンツ賞
2015
−優秀賞、地域情報化対象2015ほか
福岡市
電子行政
オープンデータ戦略
日本政府は平成24年7月に「電子行政オープンデータ戦略」を発表し
ている。これは政府が積極的に公共を公開することや営利・非営利目的
に関わらず活用を促進することなどを原則とした取組である。これ以降、
各省や自治体はこぞって公共データを公開している。つまり、ミルモの
ように新ビジネスや新サービスになり得るデータがまだ眠っている可能
性があるということだ。日本のオープンデータへの取組はまだ始まった
ばかり。とりかかるなら今がチャンスである。
21
乗りたいあのバスは、今どこ?
鯖江バスモニター
防災
減災
少子
高齢
産業
創出
By 鯖江市
防犯
医療
教育等
「バスがなかなか来ない…!」あきらめてタクシーに乗るべき?それとももう少し待つ?
これからはそんなハラハラはありません。リアルタイムでバスの動きが確認できるブラウザアプリ。
(2012年11月サービス開始)
全体図:全ルートの経路と
バスの現在地を表示する
鯖江バスモニター 誕生の キッカケ
 バスの遅れなどの運行状況や、
現在バスがどの辺りを走っているのかという位置情報は
市民から見えにくかった
 冬季では降雪による遅れなどがあり、
市民からの苦情も多かった
バスのアイコ
ンをクリック
すると…
拡大図:確認したいバスのアイコンをクリック
するとより詳細なバスの現在地が確認できる
鯖江バスモニター でこう 変わった!
 市民もスマートフォンやパソコンから地図上で
リアルタイムのバス運行情報が確認できるようになった
 急なバスの遅れなどにも対応しやすくなったため
市民からの苦情や市の負担が軽減した
22
乗りたいあのバスは、今どこ?
鯖江バスモニター
防災
減災
少子
高齢
産業
創出
By 鯖江市
“データシティ鯖江”への道
鯖江バスモニターで現在地を確認す
ることのできるつつじバスは鯖江市を
走る市営バスである。路線や時刻表、
現在走っている場所のデータが市のオ
ープンデータサイトで公開されていて、
市民はそれらを自由に使用することが
できる。誰でもデータを利用してアプ
リを作成することが可能である。
さらに注目すべきは、そこにかけて
いるコストだ。実はこのデータはバス
にタブレットを載せてそのGPS機能を
使用して集められており、以前のような専用システムの開発などは行われてい
ないため低コストで情報の公開ができている。
データの公開は前述のオープンデータサイト”データシティ鯖江”で公開され
ている 。これは鯖江市が2014年6月から運営している五つ星オープンデータ
のポータルサイトで、ホームページで公開する情報を多方面で利用できる
XMLやRDFという形式で積極的に公開しくいための基盤となっている。行政
機関がウェブを活用して積極的にデータの提供や収集を行うことを通じて、行
政への国民参加や官民協働の公共サービスの提供を可能とすることが狙いと
なっている。すでに作成されたアプリは100を超え、有益なオープンデータの
公開も積極的に行っている。
使用データ
路線と便を指定したバスの位置データほ
か
データ形式
提供形態
受賞歴
地域
防犯
医療
教育等
Web API
アプリ
LODチャレンジ2012
人の流れ賞
福井県鯖江市
オープンデータなら
自力で世界を変えられる
データシティ鯖江を支える人物として挙げられるのが、このアプリの作成
者である福野泰介氏である。氏は100以上のアプリを作成・提供しており、
データシティ鯖江が誇るオープンデータ活用アプリの数をほとんどひとりで
支えているといっても過言ではない。このように一個人が、自身の着眼点か
ら問題を発見し、実際に解決することができる、つまり世の中を良くするこ
とができるというのも、オープンデータが持つ魅力である。
23
みんなでつくる、街の地図サービス
室蘭市GIS情報の(一部)オープンデータ化事業
防災
減災
少子
高齢
産業
創出
By 室蘭市
防犯
医療
教育等
日本の地方自治体で初めて地理空間(GIS)情報をオープンデータとして公開した室蘭市では、
防災教育教材や民間の測量事業など様々な利活用例が生まれています。(2013年8月サービス開始)
GIS情報の(一部)オープンデータ化 の
青木和人 氏
「室蘭市オープンデータによる
防災教育地図教材」
 室蘭市は平成24年度に全庁型統合GISの導入に伴い、
市民向けGISの導入についても検討したが、市民向け
GISを導入すると新たな費用や、データ整備が別途必要
なことなど課題が多い。
株式会社ネオジーアイエス
「みんなのマップ for 室蘭市」
北海道地図株式会社
「HCCラボ Sparkling Night
View “Muroran”」
キッカケ
 データに住所や座標などがあれば、無料で使える民間の
地図サービスに簡単にデータを重ねることができるので、
GISで構築したデータの一部を公開したらどうか。
GIS情報の(一部)オープンデータ化 でこう 変わった!
 民間企業や個人が情報を付加することで、
市の負担なく新たなツールが生み出された
 上記のツールは誰でも自由に利用できるため、
市民がデータを気軽に活用できるようになった
24
みんなでつくる、街の地図サービス
室蘭市GIS情報の(一部)オープンデータ化事業
防災
減災
少子
高齢
産業
創出
By 室蘭市
オープンデータで“縦割り”をなくす
室蘭市オープンデータ 地理空間情報
総務省統計局 平成22年国勢調査小地域統計データ
データ形式
室蘭市は、地方自治体で初めて地理空間情報
(GIS)をオープンデータとして公開した。利
活用例のひとつである「室蘭市オープンデータ
による防災教育地図教材」を作成した青木和人
氏によると、これに取り組む室蘭市のメリット
は2つある。
1つは、GIS情報を公開することにより、市
の負担なく新たなツールが生まれた点である。
地元の測定業者などが利用するGISで利活用さ
れ、工事情報を付加して再利用・再配布される
ことで、市は多くの情報を基に効率的な業務を
行うことができる。
使用データ
提供形態
CSV(統計情報) Shape(空間情報) ほ
か
データカタログサイト
受賞歴
地域
(制作者:青木和人氏
あおきオープンデータ研究所HPより)
もう1つは、この再配布された付加価値の高いデータは市行政内部の部門を超え
て利用できるという点である。今まで部門ごとに持っていた専門的な情報を、ツー
ルを用いることで全ての部署が感覚的に共有できる。これにより、スムーズかつ正
確な情報共有が可能となった。
前述した「防災教育地図教材」は、Google Earth 上で津波・洪水浸水範囲など
の災害危険地域と人口・高齢者の多い地域を重ね合わせて確認することができる。
室蘭市がGIS情報を公開することにより、分かりやすい防災教育教材を民間人が加
工・流通させることが可能であるということを明確に提示したといえる。オープン
データは民間企業の新たな糸口になるだけでなく、自治体自身の行政内に抱える
縦割り構造といった諸問題を解決する力も持っている。
防犯
医療
教育等
ー
北海道室蘭市
“自由な”地図を
みんなの手で
現在、多くの自治体では商業用GISであるGoogle Mapにオープン
データをマッシュアップしているが、Google Mapはオープンデータ
として利用できない。
そこで、道路地図などの地理情報データを誰でも自由に参加・編
集・利用できる無料のオープンデータマップとして「Open Street
Map(OSM)」が有志によって運営されている。このデータはこれ
からのオープンデータ事業に欠かせないものとなるだろう。
25