10.その他地域の自立促進に関し必要な事項

10.その他地域の自立促進に関し必要な事項
(1)現況と問題点
1.自然エネ ルギー
化石エネルギー は有限の資源 であり、そ の大 部分を海外から の輸入に依存 している
わが国において は、今後、エ ネルギーの 安定 確保が大きな課 題となる。
また、化石エネ ルギーの大量 消費に伴い 、二 酸化炭素等の温 室 効果ガスに よる地球
温暖化が進行す る中、平成 9 年に京都で 開催 された先進国の 温室効果ガス の削減目標
を定めた「京 都議定書 」が採択さ れ、世界 規模 で地球温暖化防 止対策がとら れている。
平成 27 年 12 月にパリで 開催された「 国連気候 変動枠組条約 第 21 回 締約国会議( COP21)」
では、平成 32 年以降の新たな 温暖化対策 の法 的枠組みとなる「 パリ協定」が 採択され、
史上初めて、世界 196 カ国・ 地域が全て 温室 効果ガスの削減 に参加する枠 組みが誕生
した。
このような状況 の中、わが国 でも石油に 代わ るエネルギーの 開発や省エネ ルギーに
関する様々な取 組みが行われ てきた。
当市においては 、平成 20 年 2 月に、太 陽エ ネルギー、風力 エネルギー、 バイオマ
スエネルギー等 の環境負荷の 少ない新エ ネル ギーの導 入を検 討するため、 地域の特性
を活かした総合 的な「大田市 地域新エネ ルギ ービジョン」を 策定し、新エ ネルギーの
導入へ取り組ん できた。また 、平成 24 年度 から平成 26 年度にかけて実 施した「大 田
市地域新エネル ギー導入調査 検討事業」 にお いて、今後重点 的に取り組む 新エネルギ
ーを「木質バイオマ ス」
「太陽光発 電」として 定め、今後推進すべ き新エネル ギーの導
入促進の方向性 を掲げている 。
2.行財政改 革
新生大田市誕生 後、効率的で 質の高い市 政運 営及び市民サー ビスの向上を 図ること
を目的として、
「 大田市行財政 改革推進大 綱」及び「第 2 次大田市行財政改 革推進大綱 」
を策定する中で 、事務事業の 見直し、職 員の 適正配置、経費 節減など、全 庁を挙げて
行財政改革に取 り組んできた 。
その結果、約 43 億円の行財 政改革によ る効 果額となり、実 質公債費比率 や基金残
高等の財政数値 も改善され、 一定の成果 が得 られている。
しかしながら、 歳入において は、今後も 市税 の伸びは期待で きず、大部分 を占める
普通交付税は 、合併特例 措置の終了に 伴い段 階的に削減され 、また 、歳出にお いては、
大型プロジェク ト事業の本格 的な始動に 伴い 多額の経費が必 要とされてい る。更には、
施設の老朽化に 伴う維持管理 費の増大、 耐震 化への対応や将 来的な大規模 改修、建て
替えなどの更新 費も見込まれ ている。
これらのことか ら、これからの 10 年 ・20 年 先の未来を見据 えながら、市 民が愛着
を 持 ち 、 安 心 し て 暮 ら し 続 ける こ と の で き る持 続 可 能 な 大 田 市 を 目 指 し て、 平 成 27
年 3 月に、平成 26 年度までの計画期間 であ った「第 2 次大田市行財政改 革推進大綱 」
の方針を継承し つつ、新たな 視点に立った 5 ヶ年間の「第 3 次大田市行財 政改革推進
大綱」を策定し 、全庁を挙げ て更なる行 財政 改革に取り組 ん でいる。
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3.安全・安 心
① 防災体 制
当市の地域防災 計画は、旧 1 市 2 町の地域防 災計画及び様々 な諸課題を踏 まえて平
成 18 年度末に策定した。
総合的な地域防 災体制の充実 強化が課題 とな っており 、主要 課題を整理し 年次計画
的に対策に取り 組んでいる。
また、島根県を はじめとした 関係機関と 連携 を図りながら、 防災情報シス テムの運
用等を行ってい る。
② 交通安 全対 策
交通事故の現状 は、特に夜間 、国道での 交通 死亡事故が多発 しており、高 齢者の交
通事故の増加が 大きな問題と なっている 。
当市は、大田 市交通対策協 議会に交通 安全 対策業務を委託 し、交通事故 の防止対策
を推進しており、更に、平成 18 年度から は大 田市全域に交通 指導員 25 名を配置して 、
児童・生徒の登 下校時の交通 安全指導を 実施 している。
また、交通安全 環境について は、住民要 望に 基づいて、交通 安全施設(カ ーブミラ
ー設置等)の整 備を実施して おり、今後 、よ り交通安全の推 進を図る ため に、地区の
交通安全活動の 推進と交通指 導員の指導 力の 向上が課題であ る。
③ 防犯対 策
近年、青少年や 児童に関わる 凶悪犯罪事 件が 多発しており、 防犯対策の充 実を求め
る機運が高まっ てきている。
当 市 は 、 大 田 市 防 犯 協 力 会 への 補 助 を 行 う など 、 防 犯 対 策 を 推 進 し て お り、 特 に 、
防犯協力会の活 動を通じて、 市内全域に 子供 の見守り隊や青 色回転灯 防犯 パトロール
隊等の自主防犯 組織が結成さ れる など、 住民 による自主防犯 の取組みが進 められてお
り、犯罪認知件 数は減少傾向 にある 。
また、薄暮時や 夜間の声がけ 事案が発生 して おり、住民要望 に基づく防犯 灯の設置
整備及び自治会 防犯灯にかか る 更新補助 と新 規設置補助を実 施している。
防犯対策を推進 していく上で 、住民によ る自 主防犯の取組み の継続性が課 題であり、
また、防犯灯の 設置について も、市の設 置か ら自主的な住民 による防犯灯 の設置への
移行が課題であ る。
(2)その対策
1.自然エネ ルギー
(1)民間事業者 等による新 エネルギー 導入 事業に、積極的 に協力する。
(2)今後新たに 整備する公 共施設につ いて 、太陽光発電設 備の設置を積 極的に行う 。
(3)地球温暖化対策 等、環境問題の 観点から 、公用車 として環境 にやさしい電 気自動
車等を導入する 。
(4)木材供給を促 進し、木質燃 料活用機 器導入 に対する 補助事業等に より、木質バ イ
オマスの活用に 向けた普及啓 発を図る。
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2.行財政改 革
(1)「第 3 次大田市行財政改 革推進大綱 実施 計画」の年度別 目標を確実に 実施する た
め、適切な 進行管理に 努め、取 組み実績 等の 市民への情報公 開や情報共有 を徹底
し、透明性 のある行財 政改革を進 めると とも に、市政へ の積極的な 市民参画を 推
進していく。
(2)引き続き集中と 選択を行い、見 直すべき ことは直ちに見 直し、やるべきこ とは積
極的に取り組む という意識を 全職員が持 ち、 行財政改革を推 進してい く。
3.安全・安 心
① 防災体 制
(1)「大田市職 員災害時マニ ュアル」に より 、 防災体制と職 員災害時初動 体制の整備
を図る。
(2)「避難勧告 等の判断基準 」の設定や 災害 別の「緊急避難 場所」、「指定 避難所」の
見直し、災害弱者対 策、避難マニ ュア ル等の 作成により住民 の避難体制の 整備を
図る。
(3)災害時の食糧・資機 材の備蓄と 調達応援 体制の整備、防災訓 練の定期的な 実施 に
より災害予防体 制の構築を図 る。
(4)総合防災情 報システム を活用し、 広域 的な防災体制を 整備する。
(5)防災行政無 線等による 、災害時の 情報 伝達体制の強化 を図る。
(6)自主防災組 織の育成 に より、地域 防災 体制の充実強化 を図る。
② 交通安 全対 策
(1)交通安 全対策を推 進していく ために 、大 田市交通対策協 議会 が行う交 通安全にか
かる 啓発 活動 の推 進と 、 主に 高齢 者を 対象 と した 参加 体験 型の 交通 安 全教 室や、
薄暮時の交通事 故防止を図る ために市内 の小 学 1 年生に 対する夜光 反射材の配 布
を継続的に実施 する。
(2)地区交通対 策協議会へ の活動支援 を行 う。
(3)交通指 導員による 交通安全 指 導について は、定期的 な研修会の 開催により指 導力
の向上を図ると ともに、関係機 関との連携 を 図りながら、交通安 全にかかる 意識
啓発を図ってい く。
(4)交通安全施 設の整備に ついては、 今後 も継続して行う 。
③ 防犯対 策
(1)防犯対策の充実 のためには、住 民による 自主防犯の取組 みが重要で あ り、大田市
防犯協力会に対 する支援 によ り、民間パトロ ールの充実に向 けた青色回転 灯 防犯
パトロール隊の 市内全域整備 、小学 1 年生に対 する防犯ブザー の配布等を実 施し、
更なる自主防犯 活動の推進を 行う 。
(2)防犯対策の一環 としての防 犯灯の設置 に ついては、自治会連 合会や学校・保護 者
会等と連携を図 りながら、真に 必要な箇所 に 対しての設置を 行うと ともに、住民
による自主的な 防犯灯設置 の 促進・支援 を行 う。
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(3)計画
自立促進
施策区分
事業名
(施設名)
9 その他 (1)自然エネル
地域の ギー
自立促
進に関
し必要
な事項
事
業
内
容
公共施設再生可能エネルギー等導入事業
防災拠点施設への太陽光発電・蓄電設備設置
新エネルギー導入促進事業
太陽光発電設備設置補助、木質燃料活用機器設置
補助等
(2)過疎地域自立 防災対策事業
促進特別事業 総合防災訓練の実施、自主防災組織育成支援等
(3)その他
事業主体
大田市
大田市
大田市
交通対策協議会委託事業
大田市交通対策協議会への業務委託料
大田市
自治会設置防犯灯補助事業
自治会設置の防犯灯の新規設置・取替えへの補助
大田市
防犯協力会補助事業
大田市防犯協力会への補助
大田市
行財政改革推進事業
事務事業の見直し、簡素で効率的な行財政改革の
推進
大田市
避難行動要支援者名簿システム整備事業
避難行動要支援者についての名簿管理等システム
整備
大田市
防災行政無線増設整備事業
市内各地区への屋外拡声子局の増設、既設屋外拡
声子局スピーカー増設・増幅整備
大田市
交通安全施設整備事業
地元からの要望に基づく、カーブミラーやガード
レール等の交通安全施設整備
大田市
防犯灯整備事業
地元要望に基づく防犯灯の設置
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大田市
備考