製品安全デ−タシ−ト(MSDS)

製品安全デ−タシ−ト(MSDS)
製造者情報
整理番号(MSDS・No.)
会 社
住 所
担当部門
TEL
FAX
作 成
改 定
SH−012
山王工業株式会社
東京都新宿区高田馬場2−4−23
研究室 小 林 勇
03−3202−0071(代)
03−3209−0186
平成 7年 6月 1日
平成14年 9月25日
ヘルメチックNo.FⅡ−V(R)
製品名(化学名・商品名等)
[物質の特定]
単一製品・混合物の区別 混合物製品
化学名
含有量
CAS,No.
アクリル樹脂
45〜55%
−
−
−
6-362
化審法No.
労働安全衛生法
−
通知物質政令No.
P R T R 法指定
−
化学物質政令No.
国連分類
1133(接着剤)
国連番号
*この数値は代表値です。
トルエン
*17.5%
108-88-3
−
−
(3)-2
その他
タルク
含水ケイ酸アルミニウム キシロ−ル
2〜3%
*7.5%
15〜20%
10〜15%
1330-20-7 141-78-6
14807-96-6
1332-58-7
−
7782-42-5
−
−
−
−
−
13463-67-7
(3)-3
(2)-726
−
−
(3)-2
−
−
(3)-3
(3)-2
第1種227
−
−
第1種63
−
3
1294
−
−
−
−
3
1307
−
1173
[危険有害性の分類]
分類の名称 :
・ 引火性液体、 急性毒性物質
危険性
:
・ 可燃性液体で、引火しやすく、また溶剤の蒸気と空気が混合して爆発性混合ガスを作り易い。
有害性
:
・ 溶剤の蒸気を吸入したとき、中枢神経への作用があり、めまい・頭痛などの症状を起こすことがある。
・ 皮膚に付着すると、かぶれ・薬傷を起こすことがある。
[応急措置]
目に入った場合 :
・ 直ちに多量の水で15分間以上洗眼し、医師の診断を受ける。
皮膚に付着した場合 :
・ 接触部を多量の水又は石鹸水で十分に洗浄する。
吸入した場合 :
・ 直ちに新鮮な空気の場所に移動し、保温、安静に努め、医師の診断を受ける。
飲み込んだ場合 :
・ 直ちに水を飲ませて吐き出させ、医師の診断を受ける。被災者に意識がない場合は、吐かせようと
したり、口から何も与えてはいけない。
[火災時の措置]
消火方法
:
・ 火災発生場所の周辺には、関係者以外の立ち入りを禁止する。
・ 火元への燃焼源を断ち、風上から消火剤を使用して消火する。
・ 初期の火災には水、粉末、炭酸ガス、乾燥砂等を用いる。
・ 大規模火災の際には、水、泡消火剤を用いて、冷却し、空気を遮断する。
・ 消火作業の際には必ず適切な保護具を着用する。
消火剤
:
No.FⅡ−V(R)
1 ページ
・ 水、粉末、炭酸ガス、乾燥砂、泡等
[漏出時の措置]
・ 付近の着火源を取り除き消火機器を準備する。
・ 流路を盛土等で囲って流出を防止する。
・ 火花の出ないシャベル等で密閉可能な容器に回収する。
・ 作業の際には保護具を着用する。
・ 漏出物が少量の場合は、紙や布で拭き取り廃棄する。
・ 漏出その他の事故が発生した時は、警察署・消防署等の関係機関に連絡する。
[取り扱い及び保管上の注意]
取り扱い
:
・ 火気厳禁とする
・ 常温で容器上部空間の蒸気濃度が爆発範囲に入っているので、取り扱いに注意する。
・ 蒸気・ミストの発散をできるだけ抑え、作業環境濃度を許容濃度以下に保つように努める。
・ 静電気対策を行い作業衣及び作業靴は導電性のものを用いる。また、設備等にア−スを取る。
・ できるだけ眼及び皮膚に触れないようにし、必要に応じて保護眼鏡、保護手袋を着用する。
また、粉塵の吸入をさける為、必要に応じて防塵マスクを着用する。
・ 取り扱い後は手洗い、洗顔を十分に行う。作業衣等に付着した場合は着替える。
保 管
:
・ 直射日光を避け、乾燥した冷暗所に保管する。
・ ボイラ−等熱源のある場所を避け、風通しをよくする。換気の悪い場所には保管しない。
・ 保管場所で使用する電気機器は防爆構造とし、機器類は全て接地する。
[暴露防止措置]
溶剤の種類
管理濃度
日本産業衛生学会
(1994年度)
許容濃度 A C G I (TLV)
(TWA 8時間)
93〜94年度版
トルエン
50ppm
50ppm
188㎎/m3
皮膚
50ppm
180㎎/m3
キシロ−ル
100ppm
100ppm
430㎎/m3
皮膚
100ppm
434㎎/m3
酢酸エチル
400ppm
200ppm
720㎎/m3
皮膚
400ppm
1,440㎎/m 3
設備対策
:
・ 屋内作業場での使用時は、密閉された装置・機械を使用する。又は局所排気装置を設置する。
・ 機器類の設備は静電気対策を講じ、必要に応じて防爆構造のものとする。
・ 取り扱い場所の近くに洗眼及び身体洗浄の為の設備を設ける。
保護具
:
・ 必要に応じて保護具を使用する。
呼吸保護具 ; 有機ガス用防毒マスク、 空気呼吸器等
保護眼鏡 ; ゴ−グル等
保護手袋 ; ゴム手袋
保護衣
; 不浸透性作業衣、 ゴム長靴、 ゴム前掛け等
[物理/化学的性質]
外 観 : 赤茶色の液状、乾性固着型
沸 点 : 77.1℃(酢酸エチル)、110.625℃(トルエン)、138〜141℃(キシロ−ル)
蒸気圧 : 20 ㎜Hg ; −3.0 (酢酸エチル)、 2.9kpa(トルエン)、 1.2kpa(キシロ−ル)
揮発性 : 含有する溶剤は揮発性有り
比 重 : 1.10
蒸気密度 : 3.04(酢酸エチル)、 3.18(トルエン)、 3.66(キシロ−ル)
溶解度 : 水に不溶(完全乾燥時)、16℃で100㏄に0.047g(トルエン)
15℃で100㏄に0.014g(キシロ−ル)
融 点 : −82.4(酢酸エチル)、 −94.991(トルエン)、 −25.0(キシロ−ル)
No.FⅡ−V(R)
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[危険性情報]
引火点 : −11℃(製品) −4℃(酢酸エチル) 5℃(トルエン) 27℃(キシロ−ル)
発火点 : 427℃(酢酸エチル) 480℃(トルエン) 463℃(キシロ−ル)
爆発範囲 : 2.2〜11.4%(酢酸エチル) 1.27〜7.0%(トルエン) 1.0〜5.3%(キシロ−ル)
安定性・反応性 : 通常の取り扱い条件においては安定。
[有害性情報]
刺激性
:
・ 皮膚に触れると脱脂作用がある。
・ 蒸気は眼に対して中程度の刺激性がある。
亜急性毒性 :
トルエン : 人に8時間吸入では、200ppmで疲労・頭痛・吐気・筋力低下・判断力低下・知
覚異常・協同運動障害が現れ、濃度上昇とともに症状が強くなる。大量に吸入し
た場合、人の肝・腎に可逆的であるが障害を起こす。
キシレン : ラット
1,500ppm〜2,000ppm×4hr
血清酵素活性上昇
2,000ppm×2hr〜4hr
疲労・運動失調
ラット・マウス 6,300ppm〜6,700ppm×4hr
中枢神経抑制・振せん
呼吸器刺激
酢酸エチル :15㎎/l(約4,000ppm), 60日/日 ウサギに40日間暴露した結果、二次性
貧血、白血球増加、内臓浮腫,脂肪変性がみられた。
375〜1,500ppmの酢酸エチルに数ヶ月暴露された作業者に異常な兆候や症状
は見られなかったという報告がある。
急性毒性
:
トルエン : 経口ラット
LD50
636 ㎎/kg
経皮ウサギ LD50
14
g/kg
皮下ラット
LDLo
5,000 ㎎/kg
吸入ラット
LC50
1,332 ㎎/kg
吸入マウス LC50
400 ppm×24hr
キシロ−ル : 吸入ラット
経口ラット
腹膣ラット
LC50
LD50
LD50
6,700 ppm×4hr
4,300 ㎎/kg
2,000 ㎎/kg
5,620 ㎎/kg
酢酸エチル: 経口ラット
LD50
経口マウス LD50
4,100 ㎎/kg
吸入ラット
LD50
1,600 ppm×8hr
吸入マウス LCLo
31 g/m3×2hr
慢性毒性
:
・ トルエン含有率 80vol.%溶剤を3年間、嗜好的に吸入した人の肝・腎に対する可逆的障害、
トルエン230ppm以上で4年間、シンナ−の職業暴露を受けた労働者の脳・神経系障害、トル
エン60〜100ppm(他にガソリン20ppm)の職業暴露を受けた女子労働者の月経異常が報告
されている。
・ 10gのトルエンを毎日、経口摂取した者の白血球数に変化はないとの報告がある。
・ 慢性的接触により皮膚の乾燥、亀裂、炎症を起こす。
・ ラットのコントロ−ル、30,100,300ppm,6hr/日×5日/週×106週の吸入で血液学、血液
化学、尿分析、組織病理学による検査では毒性作用は認められない。
・ 最高100ppm以上の暴露と推定される労働者206名の調査によると神経衰弱性の症状及び、
自律神経障害18%、血管運動障害14%であり、勤続5年以上の群では、5年以下の群に比べ
て2〜4倍の高率であった。
・ 濃度、暴露日数と症状
濃度(ppm)
暴 露 条 件
77
24hr/日×127
300
6hr/日×14
300
6hr/日×126
690
8hr/日×130
770
8hr/日×30
1,150
8hr/日×50
がん原性
動
物
症
状
ラット・イヌ・モルモット・サル 血液像に異常認めず
ラット
肝/腎のモノオキシナ−ゼ活性上昇
ラット
毛づくろい行動の低下、運動量増加
ウサギ
糸球体腎炎
ラット・イヌ・モルモット・サル 血液像に異常認めず
ウサギ
血液像に変化、腎障害あり
:
No.FⅡ−V(R)
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・ NTPの行ったラット・マウスを用いた生涯吸入試験(濃度1,200ppm)においても発がん作用は
認められなかった。その他においても、トルエンにがん原性があるとの証拠は得られていない。
変異原性
:
・ サルモネラ菌によるS9mix有無の両ケ−スでのテスト及び大腸菌によるテストで共に変異原性は
なかった。人のリンパ球によるテストでは姉妹染色分体変換の頻度は増大しなかった。
・ 平均200ppmの純トルエンに長期間職業暴露した労働者の未梢血リンパ球の染色体変化は有
意でなかった。
生殖毒性
:
・ 知見なし
催奇形性
:
・ ラット(266,399ppm)及びマウス(133,399ppm)での吸入試験で胎仔の発育遅延が認められた
が、催奇形性はみられなかった。
・ CD-1妊婦マウスに工業用混合キシレンを経口授与した実験で致死量に近い2.4及び3.0ml/
㎏・dの授与群で催奇形性がみられた。その主なものは、三ツ口,筋骨異常等である。
[環境影響情報]
分解性 :
・ 通商産業省の既存化学物質点検では生分解性の良好なことが認められている。
蓄積性 :
・ Pacific,herring(にしんの一種)による100ppbの実験では濃縮率に臓器によって異なり、4.4〜
3,40倍であった。
魚毒性 :
トルエン :
金魚
LC50(96h)
22.8ppm
スズキ
LC50(96h)
7.3ppm
小エビ
LC50(96h)
20.2ppm, 4.3ppm
紅ザケの幼魚
LC50(96h)
7.6ppm
Sheepshead Minnows(タイ科の食用魚 LC50(96h) 13㎎/l, 280〜480ppm
キシレン
:
コイ
Goldfish
Zoea
Zoea
ミジンコ
LC50(48h)
LC50(24h)
LC50(96h)
LC50(24h)
LC50(3h)
56ppm
18㎎/l
12㎎/l
38㎎/l
32ppm
酢酸エチル :
コイ
TLm48 : 40ppm以上
ミジンコ
TLm48 : 40ppm以上
その他の分配係数
10g Pow=0.730
[廃棄上の注意]
・ 産業廃棄物(廃油と廃プラスチック類の混合物)として許可を受けた専門業者に委託する。
・ 乾燥し固形状になった物は、廃プラスチック類と同様に処理する。
・ 空容器を廃棄する時は、内容物を完全に除去しておく。
[輸送上の注意]
陸上輸送
:
・ 消防法(第4類 第一石油類) (危険等級Ⅱ)
表 示
:
① 第一石油類、危険等級Ⅱ
② 数量
③ 火気厳禁
積載方法
:
・ 運搬時の積み重ね高さは、3m以下にする。
・ 運搬に際しては容器に漏れのないことを確かめ、転倒、落下、損傷がないように積み込み荷崩れの
防止を確実に行う。
混載禁止
:
No.FⅡ−V(R)
4 ページ
① 第1類及び第6類の危険物
② 高圧ガス
[主な適用法令]
労働安全衛生法 :
・ 引火性の物(施行令別表第1,危険物)
有機溶剤中毒予防規則 :
・ 第二種有機溶剤(危険等級2),政令指定物質「通知対象物406番」
消防法 :
・ 危険物第4類 第一石油類(200ml)
船舶安全法 :
・ 中引火点,引火性液体類(危規則,危険物告示別表5 引火性液体類)
航空法 :
・ 危険物告示別表3 引火性液体
大気汚染防止法 :
・ 特定物質(令第10条6号)
海洋汚染防止法 :
・ バラ積み運送における有害性液体物質(C類物質)
毒物劇物取締法 : 劇物
麻薬及び向精神薬取締法 :
・ 指定3条麻薬向精神薬原料
悪臭防止法 :
・ 施行令第1条,特定悪臭物質
P R T R法 :
・ 指定化学物質
[その他]
引用文献 :
① 日本化学工業協会編「製品安全デ−タシ−トの作成指針」
② 日本接着剤工業会編「接着剤の製品安全デ−タシ−ト作成の手引き」
③ 酢酸エチルの製品安全デ−タシ−ト
④ トルエンの製品安全デ−タシ−ト
⑤ 化学防災指針・日本化学会編(1980)
⑥ threshold Limit Values For chemical Substances and physical agents and biological exposure
indices ACGIH
⑦ Chemical Industry Insutitute of Toxicalogy(1991)年報
⑧ サイデン化学㈱ 製品安全デ−タシ−ト(アクリル酢酸ビニル共重合体)
⑨ 丸善石油化学㈱ 製品安全デ−タシ−ト(キシレン・トルエン)
⑩ 富士黒鉛工業㈱ 安全デ−タシ−ト(粉体)
⑪ 富士タルク工業㈱ 安全デ−タシ−ト(粉体)
⑫ 土屋カオリン工業㈱ 安全デ−タシ−ト(粉体)
⑬ 古河機械金属㈱ 安全デ−タシ−ト(粉体)
その他参考文献 :
1.医歯薬出版「産業中毒便覧」
1.毒劇物基準関係通知集(改訂増補版,厚生省薬務局安全課監修) 薬務公報社(1991)
1.微生物を用いる変異原性試験テ−タ集(石館 基 監修 L I C)(1991)
1.A C G I H,許容濃度勧告理由書(石化協翻訳)(1983)
記載内容の問合せ先電話番号 : 03−3202−0071㈹
記載内容は、現時点で入手できる資料・情報・デ−タに基づいて作成しておりますが如何なる保証を
なすものではありません。又、注意事項は通常の取り扱いを対象としたものであって、特殊な取り扱い
の場合には、新たに用途・用法に適した安全対策を実施の上、御利用下さい。
No.FⅡ−V(R)
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