日本原子力学会標準 「原子力発電所に対する津波を起因とした 確率論的

日本原子力学会標準
「原子力発電所に対する津波を起因とした
確率論的リスク評価に関する実施基準」
津波ハザード評価の概要
2016年10月21日
日本原子力学会 標準委員会 津波PRA作業会
電力中央研究所 NRRC
松山 昌史
設計基準を超える地震随伴事象に対するリスク評価に関するワークショップ
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概要
津波PRA標準(SC‐RK004:2011) (2012年2月)発行
津波PRA標準改定案(2016)での変更
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KT2
評価の流れ
津波評価モデルの設定
津波発生領域
断層モデル
マグニチュード範囲
地震発生確率(連動の設定)
ロジックツリー分岐項目設定
KT1
KTR1
JTN1
JTN3
JTT
JTN2
JTNR
JTS2
JTS1
津波発生・伝播の
数値モデルの設定
海底地殻変動モデル
津波海域伝播モデル
ロジックツリー分岐項目の設定
フラジリティ評価用
津波水位作成
超過確率,超過頻度
ロジックツリーの作成と数値計算
津波ハザード曲線
偶然的不確実さを考慮
認識論的不確実さを考慮
津波ハザード曲線の作成
津波高さ
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津波の評価の特徴
 主に大きな海洋性地震のみ対象
 M7程度以下の地震では,大津波は発生しづらい
 シナリオ毎に津波の数値計算を行うことが一般的
 発生領域から伝播に至る経路の地形が津波挙動に大きな影響
 遠くで発生する津波(例:チリ津波)が影響することも
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ロジックツリー例
津波発生域の マグニチュード
組み合わせ
分布
発生頻度
津波高さ
推定方法
津波ハザード
計算ケース
A2, B2, C2, D1
A1
A2
A3
B1
B2
B3
C1
C2
C3
D1
D2
D3
A2, B2, C2, D2
A2, B2, C2, D3
ロジックツリーによる認識論的不確定性の評価
→SSHACの津波版(レベル1~3,アンケート調査)
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概要
津波PRA標準(SC-RK004:2011) (2012年2月)発行
津波PRA標準改定案(2016)の変更
 本文
 7.3.8, 7.4.5 地震以外の要因による津波の記述追加
 7.7.5 地震動と津波の結合確率の記述追加
 7.8.1 コントロールポイントの記述追加
 附属書(参考)
 G.1, G.3 東北地方太平洋沖地震に関する記述追加
 I ハザード再分解に基づくフラジリティ評価用津波群の設定方法
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7.3.8, 7.4.5 地震以外の要因による津波
 山体崩壊の海面突入
 海底地すべり
 火山現象(山体崩壊またはカルデラ陥没)
Wikipediaより
Google Mapより
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G.1, G.3, G.4 東北地方太平洋沖地震に関する記述
2011年以降の大地震の震源域
従来の固有地震モデルのみならず統計的考
え方(Gutenberg‐Richter式)によるモデル化
特性化波源モデル
原子力安全基盤機構
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I ハザード再分解に基づく
フラジリティ評価用津波群の設定方法
発生超過頻度
(発生超過確率)
コントロールポイント
フラクタイルハザード曲線
津波ハザード曲線
0.95
津波高に対する貢献度
ハザード
再分解
0.75
0.50
0.25
津波高 領域A
領域B
領域C
XXm
0%
5%
18%
〇〇m
20%
3%
8%
◯△m
24%
0%
11%
0.05
津波高
赤枠の津波波源で対
応津波高に近い津波
高となる波源を抽出
対応する津波
高になるよう
に波源を調整
津波計算結果に
ばらつきを考慮
しているため
浸水計算
各津波波形に発
生確率を対応さ
せること可能
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KT2
評価の流れ
KT1
KTR1
JTN1
JTN3
JTT
JTN2
津波発生モデルの設定
津波発生領域,断層モデル
マグニチュード範囲
地震の発生確率,(連動の設定)
ロジックツリー分岐項目設定
JTNR
JTS2
JTS1
地震以外の要因の津波発生モデルの設定
異なる要因の津波の組み合わせ設定
津波発生・伝播の数値モデル設定
海底地殻変動モデル
津波海域伝播モデル
ロジックツリー分岐項目設定
地震以外の要因の津波発生・伝播の数値モデルの設定
ロジックツリーの作成と数値計算
コントロールポイントの設定
フラジリティ評価用津波パラメータ算定
年超過発生確率もしくは年超過発生頻度
超過確率,超過頻度
津波ハザード曲線の作成
潮位の影響の考慮
津波ハザード曲線
偶然的不確実さを考慮
認識論的不確実さを考慮
津波高さ
津波高さ(水位下降)
10
0.0
津波高さ(水位上昇)