区部東部地区における知的障害養護学校高等部 職業コース検討委員会

区部東部地区における知的障害養護学校高等部
職業コース検討委員会報告書
平成18 年3月
東京都教育委員会
はしがき
東京都教育委員会は、平成 16 年 11 月「東京都特別支援教育推進計画」を策定し、そ
の中で、区部東部地区の既存の知的障害養護学校高等部において、職業教育の一層の充
実を図ることができるよう暫定的に職業コースを設置することを計画しました。
この計画の実現に向けて、東京都教育委員会は、都立養護学校関係者、都内公立中学
校心身障害学級設置校関係者、民間企業、保護者代表等の委員で構成する区部東部地区
における知的障害養護学校高等部職業コース検討委員会を設置し、教育課程、施設・設
備の整備等について検討してきました。
その検討結果を取りまとめたものであり、東京都教育委員会教育長に対して報告され
たものを関係各位の参考に供するために発行するものです。
平成 18 年 3 月
東京都教育庁学務部
目
第1章
次
区部東部地区における知的障害養護学校高等部職業コースの設置
1
知的障害養護学校高等部の現状と課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
2
東京都における知的障害が軽い生徒を対象とした
養護学校高等部等の設置計画・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
第2章
第3章
第4章
第5章
3
設置の基本的枠組・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2
4
職業コース設置の理念と目指す生徒像・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2
5
職業コースの特色・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2
職業コースの教育課程
1
教育課程編成の基本方針・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
2
教育課程の構造・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
3
職業コースにおける各学年の主な教育内容・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6
4
各教科等の指導の重点・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7
5
その他の配慮事項・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10
6
作業学習の具体的な展開・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10
7
週時程(例)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13
就労支援
1
実習先、就労先の職場開拓の拡大や職業教育の充実・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14
2
職場定着への支援の充実・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14
3
保護者の理解・啓発促進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14
入学相談
1
入学相談の基本方針・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15
2
出願と入学相談の日程・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15
3
入学相談の方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15
施設・設備の整備
1
施設・設備の整備の考え方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17
2
施設の現況等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17
3
施設・設備の基本計画・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17
§参考資料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19
第1章
1
区部東部地区における知的障害養護学校高等部職業コースの設置
知的障害養護学校高等部の現状と課題
(1)
知的障害養護学校高等部の現状
現在、知的障害養護学校の高等部に在籍する生徒の約 60%は、中学校の通常の学級や心身
障害学級から進学してきた知的障害が軽い生徒であるが、養護学校中学部から進学してくる
知的障害が中・重度の生徒と一緒に在籍しており、障害の程度や教育的ニーズに十分対応し
たカリキュラムを編成・実施することが難しい状況となっている。
(2)
社会状況の変化と知的障害養護学校高等部の課題
都立の知的障害養護学校に在籍する児童・生徒数は、平成 6 年度 3,799 人(うち、高等部
2,261 人)であったが、10 年後の平成 16 年度は 5,149 人(うち、高等部 2,690 人)となって
おり、1,350 人が増加(増加率 35.5%)している。今後 10 年間でさらに 1,000 人程度が増加
することが予想されており、普通教室の確保として、学校の増設等が課題となっている。
また、近年、障害者の職域拡大等、雇用の拡大を図るため、特例子会社Aの設立促進に向け
た認定要件の緩和や除外率制度Bの縮小、障害者の資格免許の取得などの欠格条項の改正があ
るとともに、
平成 14 年度から知的障害者等の雇用促進及び職場の安定を図るジョブコーチ(職
場適応援助者)制度が導入されるなど、就労の環境が変化してきている。
このような中、ここ数年、知的障害養護学校高等部の卒業生の企業就労C率は 30%程度を推
移しているが、都内企業の雇用率(法定雇用率Dは 1.8%)は 1.35%(平成 16 年 6 月現在)にと
どまっており、今後更なる就労率の向上が課題となっている。
2
東京都における知的障害が軽い生徒Eを対象とした養護学校高等部等の設置計画
こうした課題に対応するため、東京都教育委員会は、平成 16 年 11 月に策定した「東京都特別
支援教育推進計画」において、知的障害が軽い生徒を対象とした養護学校高等部の設置計画を示
し、平成 17 年 10 月には知的障害が軽い生徒を対象等した養護学校等基本計画検討委員会報告書
(永福学園養護学校(仮称)・青梅東学園養護学校(仮称)基本計画)を策定した。
第一次実施計画では、永福学園養護学校(仮称)
、青梅東学園養護学校(仮称)
、南多摩地区学
園養護学校(仮称)の 3 校を設置する予定であり、今後、生徒数の動向や地域バランス等を考慮
しながら第二次実施計画以降、学校配置の拡大等について検討していくこととしている。
その間、区部東部の既存の知的障害養護学校高等部において、職業教育の一層の充実を図るこ
とができるよう暫定的に職業コースを設置することとしている。
A 特例子会社(制度)
障害者雇用促進法上、特例として、事業主が障害者の雇用に特別の配慮をした子会社(特例子会社)をもつ場合、一定の要件の下に、
子会社の従業員も親会社の従業員と合わせて実雇用率を算定することができる。この制度を特例子会社制度という。
B 除外率制度
障害者の就業が困難とされる職種が相当の割合を占める業種に設けられた障害者雇用義務の軽減措置をいう。
C
企業就労
ここでは、知的障害養護学校等卒業生等が、
「民間企業」
「独立行政法人・特殊法人」
「国・地方公共団体」等に就労することをいう。
(福
祉就労以外の就労のこと。
)
D
法定雇用率
民間企業、国、地方公共団体は、
「障害者の雇用の促進等に関する法律」に基づき、それぞれ以下の割合(法定雇用率)に相当する数
以上の身体障害者又は知的障害者を雇用しなければならないとされている。
民間企業:一般の民間企業(56 人以上規模の企業)は 1.8%、独立行政法人・特殊法人(48 人以上規模の法人)は 2.1%、
国、地方公共団体:2.1%(ただし、都道府県等の教育委員会は 2.0%)
E知的障害が軽い生徒
ここでの「知的障害が軽い生徒」は、社会参加・自立に必要な知識・技能・態度を意欲的に獲得することができる程度(IQ が 50 か
ら 75 程度)の者及び社会生活等への適応が十分可能な者を想定している。
1
3
設置の基本的枠組
(1)
設置
区部東部地区における知的障害養護学校高等部に普通科職業コース(以下「職業コース」
という。
)を設置し、職業教育の一層の充実を図る。
(2)
設置予定年度
平成 19 年 4 月 1 日
(3)
設置場所
東京都足立区花畑七丁目 23 番 15 号、都立足立養護学校に設置する。
(4)
設置学部・学科等
高等部普通科職業コース(ビジネスコース(仮称))
(5)
学期
三学期制
(6)
職業コースの規模等
通学区域を設けず、都内全域から募集を行い、各学年 2 学級(16 人)で合計 6 学級(48 人)
の規模とする。
4
職業コース設置の理念と目指す生徒像
(1)
職業コース設置の理念
将来の職業的自立を目指した教育を推進することにより、知的障害のある生徒の自己実現と
社会参加・自立を促進し、社会に貢献できる人材を育成する。
(2)
目指す生徒像
ア
社会の一員として自立と貢献の意味を理解し、社会において果たさなければならない使命
に基づいて行動することのできる生徒
5
イ
自らの個性に応じて将来の進路を選択・決定することのできる生徒
ウ
社会参加・自立に必要な知識・技能・態度を意欲的に獲得していくことのできる生徒
職業コースの特色
(1)
職業コース(ビジネスコース(仮称))では、生徒全員の企業就労に向けて、職業教育の充
実を図る。
(2)
職業コース(ビジネスコース(仮称))で取り扱う作業種目は、「店舗・物流サービス分
野(仮称)
」及び「フードサービス分野(仮称)
」とする。
(3)
1年次に生徒の能力・適性を把握するための作業学習におけるトライアル実習(校内模擬現
場実習)等、2年次には生徒の能力・適性に応じた複数企業の実習、3年次には就職を目指し
た長期の企業等での実習を実施する。
(4)
企業就労に必要な学力や体力、社会性等を育成するため、基礎・発展・応用の各段階の各
教科の指導内容・方法等を具体化し、指導していく。
(5)
卒業後、地域で生活し生きていける力(生活自立)をはぐくむために、教科「家庭」、「職
業」の時数を拡大するなど生活自立に向けた教育内容の充実を図る。
2
(6)
卒業後の職業生活や地域生活への円滑な移行を図るため、企業や労働の関係機関等と連携
して、「個別移行支援計画」等を作成・活用する。
(7)
企業就労促進のための職業教育や進路指導の充実・改善に関しての調査・研究や区部東部
地区の就労支援の拠点となる活動を行い、他の養護学校に対しても企業就労促進を図るため
のノウハウや情報の提供を行うなどセンター的機能を発揮していく。
3
第2章
1
職業コースの教育課程
教育課程編成の基本方針
(1)
職業コース(ビジネスコース(仮称))の設置
生徒全員の企業就労に向けて、ビジネスコース(仮称)を設置する。
(2) 作業学習の系統化
ア 区部東部地区の知的障害者の雇用が期待される職域を踏まえ、作業で取扱う作業種目を系
統化し、「店舗・物流サービス分野(仮称)」、「フードサービス分野(仮称)」を設定す
る。
イ 「店舗・物流サービス分野(仮称)」では、クリンリネス(店舗衛生管理)、物流実務、
事務・情報処理などに関する内容を中心に実習を行い、将来の職業生活に必要な基礎的な知
識、技能・態度を培う。
ウ 「フードサービス分野(仮称)」では、フードサービス、事務・情報処理などに関する内
容を中心に実習を行い、将来の職業生活に必要な基礎的な知識、技能・態度を培う。
(3) トライアル実習(校内模擬現場実習)及び産業現場等における実習の充実
高等部1年次は、生徒の能力・適性を的確に把握するために、トライアル実習(校内模擬現場
実習)、企業等との連携によるインターンシップ(就業体験)を行うとともに、2年次、3年次は、
卒業後の企業就労に向けて産業現場等における実習を十分に確保する。
(4) 教科等の指導の充実
ア 国語・数学等の教科指導の充実
企業就労に向けて、職業生活に必要な学力の伸長を図るため、国語、数学等の教科指導を
段階的(基礎・発展・応用)に行う。
イ 家庭、職業の教科指導の充実
生活自立や職業自立に向けて、地域生活に必要なライフスキルや、職場における表現能力
や対人関係能力等のソーシャルスキルの伸長を図るため、地域の生活・就労支援機関等と連
携して、家庭、職業の指導を段階的(基礎・発展・応用)に行う。
(5) 進路指導、生活指導の充実
ア 安定した職業生活を図る進路指導の充実
卒業後の職業生活や地域生活への円滑な移行を図るため、企業や労働の関係機関等と連携
して「個別移行支援計画」等を作成・活用し、生徒一人一人に応じたきめ細かな就労支援を
行う。
イ 生活指導等におけるガイダンス機能の充実
分野を主体的に選択することができるよう、ガイダンス機能Fの充実を図るとともに、生徒
が自ら現在及び将来における自己実現を図っていくための自律心や、よりよく問題解決を図
る能力や態度を育てる。
2
教育課程の構造
(1) 基本的な考え方
ア 1年次は、知的障害者の雇用に関する企業等のニーズに対応したトライアル実習(クリン
F ガイダンス機能
児童・生徒のよりよい適応、主体的な選択、よりよい自己決定のために、適切な情報提供、案内・説明、活動体験、各種の援助・相談
活動を学校全体として行うこと。
4
リネス(店舗衛生管理)、物流実務、フードサービス、事務・情報処理)を生徒全員に体験
させ、生徒の能力・適性等を的確に把握する。
イ 2年次は、生徒の特性に応じて「店舗・物流サービス分野(仮称)」、「フードサービス
分野(仮称)」に所属し、各分野の実習内容を選択できるようにする。各分野のグループ編
成は、学級定数と同規模程度とする。
ウ 3年次は、企業への就職を目指し、各分野の産業現場等における実習を中心に職業教育を
行う。
エ 作業学習は、企業等の実際の職場を活用して実施する。
1年・基礎
○基礎的な国語・数学、
家庭、職業の教科指導
○作業学習におけるトライア
ル実習等
3年・応用
2年・発展
○発展的な国語・数学、
○応用的な国語・数学、
家庭、職業の教科指導
家庭、職業の教科指導
○作業学習で取扱う作業種目の系統化(2分野の設定)
○企業等の実際の職場を活用した作業学習の展開
○生徒の能力・適性に応じた
○就職を目指した特定の企業
等での実習
複数の企業等での実習
○職場定着に向けた指導
作業種目の系統化
作業学習における
トライアル実習等
(1 年)
○クリンリネス(店舗
衛生管理)
○物流実務
○フードサービス
(事務・情報処理は共通)
生徒の能力・適性の把握
○店舗・物流サービス分野(仮称)
(2〜3年)
クリンリネス(店舗衛生管理)、物流実務、
事務・情報処理などに関する内容を中心
に実習を行う。
○フードサービス分野(仮称)
(2〜3年)
フードサービス、事務・情報処理などに関
する内容を中心に実習を行う。
5
企
業
就
労
3
職業コースにおける各学年の主な教育内容
(1) 各学年の教育内容の構造図
週当たり30単位時間
1
年
次
トライアル実習
国
語
数 社理音美
学 会科楽術
保
健
体
育
職
業
家
庭
H
作業学習
英 情 R ①クリンリネス ②物流実務 ③フード
語 報 活 サービス 等 (事務・情報処理は共
動 通)
総
合
的
時
な
間
学
習
の
週当たり30単位時間
2
年
次
店舗・物流
サービス分野
フード
サービス分野
国
語
国
語
数 社理音美
学 会科楽術
保
健
体
育
数 社理音美
学 会科楽術
保
健
体
育
職
業
職
業
家
庭
H
作業学習
情 R クリンリネス、物流実務、事務・情報
報 活 処理などに関する内容
動
総
合
的
時
な
間
学
習
の
家
庭
H
作業学習
情 R フードサービス、事務・情報処理など
報 活 に関する内容
動
総
合
的
時
な
間
学
習
の
週当たり30単位時間
3
年
次
店舗・物流
サービス分野
フード
サービス分野
国
語
保
数 音美 健
学 楽術 体
育
国
語
保
数 音美 健
学 楽術 体
育
職
業
職
業
家
庭
H
情R
報活
動
家
庭
H
情R
報活
動
作業学習
クリンリネス、物流実務、事務・情報
処理などに関する内容
作業学習
フードサービス、事務・情報処理など
に関する内容
総
合
的
時
な
間
学
習
の
総
合
的
時
な
間
学
習
の
※総合的な学習の時間は、特定の期間に実施する。
企業就労
6
(2)
週当たりの授業時間数
1学年
国
語
数
学
社
会
理
科
音
楽
美
術
保健体育
職
業
家
庭
英
語
情
報
ホームルーム活動
作業学習
合
計
1.6
1.6
0.8
0.8
0.8
0.8
3.6
2.4
3.6
0.8
0.8
0.8
11.6
30
職業コース
2学年
1.6
1.6
0.8
0.8
0.8
0.8
3.6
2.4
3.6
0.8
0.8
12.4
30
3学年
1.6
1.6
0.8
0.8
1.8
2.4
3.6
0.8
0.8
15.8
30
・普通教科の基本的な授業時数は、様々な教科等を設定できるよう、40分(標準の1単位時間が
50分であることから、0.8単位時間に換算する。)とする。
・「作業学習」「保健体育」「家庭」「音楽」「美術」の授業は、2時間続きで設定する。
・「総合的な学習の時間」は、特定の時期に設定する(年間35単位時間程度)。
4
各教科等の指導の重点
(1)
作業学習
ア 店舗・物流サービス分野(仮称)
クリンリネス(店舗衛生管理)や物流実務に関連する基礎的・基本的な知識と技術の習得
目
を図り、それらの意義と役割の理解を深め、店舗等への企業就労に関する必要な能力と実践
標
的な態度を育てる。
・店舗や商品の管理に関連する仕事への興味・関心を高め、意欲的に実習に参加する。
・企業等と連携し、クリンリネスや商品管理業務に関連する仕事や資格取得のための基礎的・
内
基本的な知識と技術を習得する。
・コンピュータ操作による情報の収集・処理、送信などの職業生活に必要な情報処理の基本
容
的な知識・技術を習得する。
・自分の立場や意見をはっきりさせながら、相手の立場や目的に応じて話すなどの対人関係
スキルを身に付ける。
イ
目
標
フードサービス分野(仮称)
フードサービスに関連する基礎的・基本的な知識と技術の習得を図り、それらの意義と役
割の理解を深め、フードサービス等への企業就労に関する必要な能力と実践的な態度を育て
る。
・フードサービスに関連する仕事(ファミリーレストラン、食品販売店等での接客を含めた
加工調理)への興味・関心を高め、意欲的に実習に参加する。
内
容
・企業等と連携し、フードサービスに関連する仕事や資格取得のための基礎的・基本的な知
識と技術を習得する。
・コンピュータ操作による情報の収集・処理、送信などの職業生活に必要な情報処理の基本
的な知識・技術を習得する。
・自分の立場や意見をはっきりさせながら、相手の立場や目的に応じて話すなどの対人関係
スキルを身に付ける。
7
(2)
普通教科
各教科の指導の重点
*基礎的段階では、話の内容の要点を落とさないように聞き取るなどの将来の職業生活の
基礎的な学力の定着を図る。
国語
*発展的段階では、相手に応じて敬語や言葉遣いを使い分けるなど発展的な学力の伸長を
図る。
*応用的段階では、企業等で使用されている伝票、指示書等の内容を正しく読み取るなど
応用的な学力の伸長を図る。
*基礎的段階では、生活の中で表示されている単位を理解し、適切な測定用具を選び正し
く測定するなど基礎的な学力の定着を図る。
数学
*発展的段階では、割引や割増の理解など発展的な学力の伸長を図る。
*応用的段階では、企業等で使用されている出納簿や請求書、領収書等の金銭に関する内
容を理解するなど応用的な学力の伸長を図る。
*基礎的段階では、自分の能力や適性などを理解し、進路選択するための基礎的な能力や
態度の定着を図るとともに、職場におけるあいさつ、会話、接客などの対人関係能力等
の向上を図る。
職業
*発展的段階では、将来への夢や希望を抱き、その実現を目指して主体的に自己の進路選
択・決定しようとするなど発展的な能力や態度の伸長を図る。
*応用的段階では、賃金の使い方や職業生活に必要な健康管理や休日等の余暇の活用方法、
離職防止等の対応方法などを理解し、職業生活に必要な能力や態度の伸長を図る。
*基礎的な段階では、生産・流通・販売・消費の経済活動の基本的な理解など基礎的な学
力の定着を図る。
社会
*発展的な段階では、社会の慣習、休日等の余暇の利用に関連の深い制度を適切に利用す
るなど発展的な学力の伸長を図る。
*(応用的な段階では、作業学習において、社会生活を送るのに必要なきまりを知り、守
ることを理解するなど応用的な学力の伸長を図る。)
*基礎的な段階では、自然の仕組みや働きなど基礎的な学力の定着を図る。
*発展的な段階では、生物についての理解を深め、生命の大切なことを知るなど発展的な
理科
学力の伸長を図る。
*(応用的な段階では、作業学習において、様々な物質の性質や機械・器具の種類、構造
及び働きについての基本的な知識を理解し、職業生活の中で適切に取り扱う能力や態度
など応用的な学力の伸長を図る。)
*基礎的な段階では、音楽活動への興味・関心を高め、表現する力や鑑賞する意欲を伸ば
すなど基礎的な学力の定着を図る。
音楽
*発展的な段階では、打楽器や旋律楽器、簡単な合奏などに親しみ、その演奏等の仕方に
慣れるなど発展的な学力の伸長を図る。
*応用的な段階では、今までに身に付けてきた音楽の学習を基盤にしながら、休日等の余
暇の利用を豊かにする態度など応用的な学力の伸長を図る。
*基礎的な段階では、造形活動への興味・関心を高め、表現する力や鑑賞する意欲を伸ば
すなど基礎的な学力の定着を図る。
美術
*発展的な段階では、いろいろな材料の性質や用具などの扱い方を理解し、創造的にかい
たり、つくったり、飾ったりするなど発展的な学力の伸長を図る。
*応用的な段階では、今までに身に付けてきた美術の学習を基盤にしながら、休日等の余
暇の利用を豊かにする態度など応用的な学力の伸長を図る。
8
*基礎的な段階では、いろいろなスポーツ、ダンスなどの運動の経験や健康・安全につい
ての基本的な理解など基礎的な学力の定着を図る。
保健
*発展的な段階では、いろいろなスポーツ、ダンスなどの運動を通して体力や技能の向上
体育
を図るとともに、生活に必要な健康・安全に関する技能・知識など発展的な学力の伸長
を図る。
*応用的な段階では、心身の発育・発達や生活に必要な健康・安全に関する知識を身に付
け、生活を明るく豊かにする態度を育てるなど応用的な学力の伸長を図る。
*基礎的な段階では、自立生活に必要な調理道具や器具などの知識や正しい使い方の基本
的な理解など基礎的な学力の定着を図る。
家庭
*発展的な段階では、自立生活に必要な調理道具や器具などの正しい使い方が分かり、安
全に実習をするなど発展的な学力の伸長を図る。
*応用的な段階では、被服、食物、住居などに関する実際的な知識と技能を習得し、生活
に生かすなど応用的な学力の伸長を図り、自立生活に必要な実践的な技術の習得を図る。
*基礎的な段階では、身近な生活場面でよく使う簡単な英語の語、句、文を使って、あい
英語
さつをするなど基礎的な学力の定着を図る。
*(発展的な段階では、作業学習において、日常生活や職業生活で見聞きする簡単な英語
の語、句、文を読んだり、書いたりするなど発展的な学力の伸長を図る。)
*基礎的な段階では、コンピュータが果たしている役割や、それらの活用に関心をもち、
実習をするなど基礎的な学力の定着を図る。
情報
*発展的な段階では、作業学習における事務・情報処理の基礎となる技能・態度を身に付
けるなど発展的な学力の伸長を図る。
*応用的な段階では、職業生活に必要なコンピュータの基本操作や情報の取扱いに関する
きまりやマナーについて理解し、実践するなど応用的な学力の伸長を図る。
(3) 特別活動
ア ホームルーム活動、生徒会活動、学校行事等における自発的・自治的な活動を通して、社
会生活に必要な公民としての資質を高める。
イ 移動教室等においては、農場体験や牧場体験等の自然体験の機会を積極的に取り入れてい
く。
(4) 総合的な学習の時間
社会奉仕に関する基礎的・基本的な知識等を総合的に体験することを通して、社会に役立つ
喜びや、他人に共感し、社会の一員であることを実感するとともに、地域社会で生活するうえ
での問題解決能力を培う。
(5) 生活指導
ア 生徒が学校や学級での生活によりよく適応するとともに、現在及び将来の生き方を考え行
動する態度や能力を育成することができるよう、学校の教育活動全体を通じ、ガイダンス機
能を充実する。
イ 生徒の健全育成の活性化及び充実を図るとともに、保護者・都民の参加のもとに、家庭・
学校・地域社会の連携による非行・犯罪被害防止に努める。
ウ 生徒一人一人の不安や悩み等に迅速かつ適切に対応することができるよう、臨床発達心理
士などと連携し、きめこまやかなカウンセリングを行っていく。
(6) 進路指導
ア 生徒が自らの在り方生き方について考え、将来への夢や希望を抱き、その実現を目指して、
自らの意志と責任で自己の進路を選択・決定する能力や態度を育成する。
イ 企業や労働の関係機関等と連携して「個別移行支援計画」等を作成・活用し、生徒一人一
人に応じたきめ細かな就労支援を行う。
9
5
その他の配慮事項
(1)
養護学校等就労サポーター(仮称)の活用により、専門的な職業教育を展開するとともに、
企業や労働関係機関等と連携し、就労後の職場定着に向けた進路指導(追指導)を行う。
(2) 生徒が主体となって運営する販売コーナーを設けるなど、生徒会活動の充実を図るととも
に、生徒会活動を通して校内全体での生徒交流を図る。
(3)
部活動への所属や、近隣の高等学校、地域のクラブ等との交流を通して、余暇の有効活用
や生涯学習の充実を図る。
6
作業学習の具体的な展開
(1) トライアル実習(1年次)
校内における作業内容(例)
クリンリネス︵店舗衛生管理︶
・店舗衛生作業に関する用具の名称の理解及び使用方法、片付け
方等の基礎的知識、技能・態度の習得
・ダストモップ等でのフロア清掃、窓清掃、トイレ清掃の基礎的
な技能の習得
就業体験等の内容(例)
・地域事業所等でのフロア清
掃、商品棚の管理、バック
ルームの衛生管理のうちの
一つの内容に絞った短期の
・流通小売業等における店舗衛生作業の基礎的なマナーに関する
知識、技能・態度等の習得
就業体験(インターンシッ
プ)
(年 3 回)
・簡易事務補助業務の基礎的な知識・技能の習得(文房具の扱い、
各種資料のファイリング作業等)
・地域の事業所等の見学
・物流実務に必要な用具の名称の理解及び使用方法、片付け方等
・包装、梱包作業、ピッキン
物 流
実
の基礎的な知識、技能・態度の習得
グ作業、商品陳列作業のう
・ピッキング作業の基礎的な技能の習得
ちの一つに絞った短期の就
・包装、梱包、値札付け作業の基礎的な技能の習得
業体験(インターンシップ)
・店舗等における商品陳列・補充作業の基礎的な技能の習得
(年 3 回)
務
・作業時の基礎的なマナーに関する知識、技能・態度等の習得
・簡易事務補助業務の基礎的な知識・技能の習得(文房具の扱い、
・地域の事業所等の見学
各種資料のファイリング作業、コピー機等の周辺機器操作等)
・用具の名称の理解及び使用方法、片付け方等の基礎的な知識、 ・簡単な食品製造に関わる短
技能・態度の習得
期の就業体験(インターン
フードサービス
・食品・公衆衛生上の配慮等についての基礎的な知識、技能・態
度の習得
シップ)
(年 3 回)
・明朗な音声での来客の迎えなどの接客に関する基礎的なマナー
の知識、技能・態度の習得
ちゅうぼう
・食器洗浄、厨 房 及びバックヤード等の清掃の基礎的な知識、技
能の習得
・パン、ピザ等の食品製造に必要な基礎的な知識、技能の習得
・簡易事務補助業務の基礎的な知識・技能の習得(文房具の扱い、
各種資料のファイリング作業、コピー機等の周辺機器操作等)
10
・地域の事業所等の見学
(2)
店舗・物流サービス分野(仮称)(2・3年次)
校内における作業内容(例)
就業体験等の内容(例)
クリンリネス(店舗衛生管理)の発展的な作業
就業体験(インターンシップ)
・店舗等におけるポリッシャー、真空掃除機等
・産業現場等における実習(現場実習)
の操作及びメンテナンスの発展的な技能の
前に、地域事業所等でのフロア清掃、
習得
商品棚の管理、バックルームの衛生管
・店舗等でのグループ清掃作業の発展的な技能
の習得
理のうちの複数を体験し、現場実習先
の選択を確かにする短期の就業体験
・地域の事業所等での店舗衛生管理実習
2 ・コンピュータの表計算ソフト、ワープロソフ
トを使用した事務・情報処理の発展的な知
年
識・技能の習得(名簿等のデータ入力、宛名
(年 2 回)
産業現場等における実習(現場実習)
・地域事業所で総合的な清掃作業の実
習
(年 2 回)
書き等)
次
物流実務の発展的な作業
就業体験(インターンシップ)
・在庫管理、品質管理に関する発展的な知識の
・産業現場等における実習(現場実習)
習得
前に、包装、梱包作業、ピッキング作
・運搬、仕分け作業の発展的な知識、技能・態
度の習得
業、商品陳列作業のうち、複数を体験
し、現場実習先の選択を確かにする短
・検品等の発展的な知識、技能・態度の習得
期の就業体験
・伝票整理等の発展的な技能の取得
(年 2 回)
・コンピュータの表計算ソフト、ワープロソフ
トを使用した事務・情報処理の発展的な知
産業現場等における実習(現場実習)
・総合的な物流事務作業の実習
識・技能の習得(名簿等のデータ入力、宛名
(年 2 回)
書き等)
クリンリネス(店舗衛生管理)の応用的な作業
産業現場等における実習(現場実習)
・店舗衛生管理における安全基準の理解と、基 ・就職を目指した実践的な店舗衛生管理
準に基づく作業の知識、技能・態度等の習得
等にかかわる企業での実習
・職業人としてのマナーや資格取得に向けた応
(年 3 回)
用的な知識、技能・態度の習得
3 ・コンピュータソフトによる各種計算表や文書
作成及びメールの仕分け等の庶務補助作業
年
次
の応用的な知識、技能の習得
物流実務の応用的な作業
産業現場等における実習(現場実習)
・コンピュータを活用した発注処理、在庫管理、 ・就職を目指した実践的な物流事務作業
貨物追跡等の情報管理業務に関する応用的な
知識、技能の習得
にかかわる企業等での実習
(年 3 回)
・安全基準の理解と、基準に基づく作業の知識、
技能・態度等の習得
・フォークリフト等の資格取得の知識の習得
・職業人としてのマナー等の応用的な知識、技
能・態度の習得
11
(3)
フードサービス分野(仮称)(2・3 年次)
校内における作業内容(例)
就業体験等の内容(例)
フードサービスの発展的な作業
就業体験(インターンシップ)
・接客マナーの発展的な知識、技能・態度の習
・産業現場等における実習(現場実習)
前に、製菓製造、又は食品加工を体験
得
・テーブルセッティング、レジ等の発展的な技
2
期の就業体験
能の習得
年 ・ていねいな気配りのある立ち振舞などの接客
次
し、現場実習先の選択を確かにする短
(年 2 回)
に関する発展的なマナーの知識、技能・態度
産業現場等における実習(現場実習)
の習得
・パン、ピザ、保存食品等の製造・販売
・コンピュータを活用した食券、領収書、伝票
・地域事業所で総合的な食品販売の実習
(年 2 回)
の作成、整理等の発展的な知識、技能の習得
フードサービスの応用的な作業
産業現場等における実習(現場実習)
・パン、ピザ、保存食品等の製造・販売
・就職を目指した実践的な食品加工、又
・対人接客スキル等の応用的な知識、技能・態
(年 3 回)
度の習得
3
・マニュアルに基づいた清掃作業
年 ・安全基準の理解と、基準に基づく作業の知識、
次
は調理等にかかわる企業での実習
技能・態度等の習得
・職業人としてのマナーや資格取得に向けた応
用的な知識、技能・態度の習得
・コンピュータソフトによる各種計算表や文書
作成及びメールの仕分け等の庶務補助作業
の応用的な知識、技能の習得
12
7
週時程(例)
1年次
8:40 〜8:50
8:50 〜9:00
2年次
月
火
水
木
金
HR
HR
HR
HR
HR
9:00 〜9:40 1
9:40 〜9:50
国語
音楽/美
術
家庭
9:50 〜10:30 2
作業学習 作業学習
数学
〜8:50
〜9:00
9:00
〜9:40
9:40
〜9:50
9:50 〜10:30
10:30 〜10:40
理科
保健体育
家庭
10:40 〜11:20
作業学習 作業学習
社会
11:30 〜12:10
12:10 〜13:10
給食
12:10 〜13:10
13:10 〜13:50
国語
職業
13:50 〜14:00
14:00 〜14:40 6
保健体育 作業学習 作業学習
英語
職業
情報
作業学習
LHR
14:50 〜15:30
15:30 〜15:40
15:40 〜15:50
HR
HR
HR
HR
HR
15:30 〜15:40
15:40 〜15:50
3年次
月
火
水
木
金
HR
HR
HR
HR
HR
9:00 〜9:40 1
作業学習 作業学習 作業学習 保健体育
家庭
9:50 〜10:30 2
10:30 〜10:40
10:40 〜11:20 3
11:20 〜11:30
数学
作業学習 作業学習 作業学習
11:30 〜12:10 4
給食
数学
LHR
作業学習 作業学習
13:50 〜14:00
14:00 〜14:40 6
14:40 〜14:50
職業
職業
音楽/美
術
14:50 〜15:30 7
15:30 〜15:40
15:40 〜15:50
家庭
国語
12:10 〜13:10
13:10 〜13:50 5
金
HR
HR
HR
HR
HR
国語
作業学習 作業学習 保健体育
2
数学
3
国語
家庭
音楽/美
術
作業学習 作業学習
4
数学
給食
5
理科
職業
作業学習 作業学習
HR
HR
HR
情報
国語
HR
HR
13
LHR
作業学習 作業学習
6
社会
14:40 〜14:50
14:50 〜15:30 7
9:40 〜9:50
木
家庭
13:50 〜14:00
14:00 〜14:40
数学
14:40 〜14:50
8:40 〜8:50
8:50 〜9:00
水
1
11:20 〜11:30
11:30 〜12:10 4
13:10 〜13:50 5
火
10:30 〜10:40
10:40 〜11:20 3
11:20 〜11:30
8:40
8:50
月
保健体育
7
職業
HR
作業学習 作業学習
HR
HR
情報
HR
HR
第3章
1
就労支援
実習先、就労先の職場開拓の拡大や職業教育の充実
平成 17 年 10 月に知的障害が軽い生徒を対象とした養護学校等基本計画報告書を策定し、この
中で、知的障害養護学校における就労支援の現状と課題を整理し、それを踏まえた新たな就労支
援の仕組みづくりの必要性が示された。
区部東部地区における知的障害養護学校高等部職業コースでも養護学校等就労サポーター(仮
称)による実習先・就労先の開拓や職場定着支援等、同様の対応を行い、生徒全員の企業就労を
目指していく。
(1)
養護学校等就労サポーター(仮称)の活用
養護学校等就労サポーター(仮称)を活用し、生徒の企業等への就労に向け、専門的な取
組みを実施する。
(2)
ア
実習先、就労先の開拓
イ
実習時の助言等
ハローワーク(公共職業安定所)との連携
ハローワークが取組む「雇用指導官と連携した実習先・就労先の開拓」、「学校見学案内」
等をさらに活用するなど、連携を充実していく。
(3)
就労促進連絡協議会(仮称)等の参画
都教育庁他の関係部局、東京労働局、学校関係者、企業等により構成される就労促進連絡
協議会(仮称)や、企業向け説明会・相談会に参画し、生徒の企業就労の促進のための方策等
の協議を行う。
2
職場定着への支援の充実
東京障害者職業センターや区市町村の就労支援センター等、就労支援機関と生徒卒業前(在学
中)に情報交換を行いながら個別移行支援計画を作成し、その情報を企業や就労支援機関に引き
継いでいくなど学校における支援から他の就労支援機関による支援への移行を円滑に進める。
就労後の一定期間は、養護学校等就労サポーター(仮称)を活用し、就労先の訪問による生徒
の状況の把握や、トラブル発生時の初期対応など、企業と連絡調整を行い、職場定着に向けた対
応を行う。
3
保護者の理解・啓発促進
入学相談時に保護者と面接等を行い、十分、学校及び職業コースの方針を理解して、応募して
もらう。
また、入学後においても、生徒の企業就労のための理解・啓発を進めるため、保護者に対する
研修会等を実施し、企業就労に向けた家庭での支援の在り方について、理解・啓発を進めていく。
14
第4章
1
入学相談
入学相談の基本方針
(1)
知的障害のある生徒を対象しているため、入学を志願する者については、愛の手帳又は知的
障害が分かる診断書のコピーの提出を義務付ける。
(2)
通学区域を設けず、都内全域から生徒を募集する。
(3)
普通科に設置する職業コースであるため、普通科の学級編制基準に基づき、1 学級は 8 名と
し、1 学年 2 学級、合計 16 名を募集人員とする。
(4)
職業コースの設置目的や教育課程、応募資格等について、保護者及び生徒に十分な理解が得
られるよう、入学を希望する保護者及び生徒すべてを対象とした学校説明会及び事前相談を実
施する。
(5)
入学相談は、職業コースの設置目的に照らして、生徒の適性等を多面的に見ることができ
るような内容とし、これらの結果を総合的に判断して入学許可予定者を判定できるようにす
る。
(6)
入学許可予定者とならなかった生徒の進学先を考慮し、入学相談及び入学許可予定者の発
表の日程は、通学区域を設ける知的障害養護学校普通科の日程よりも前に設定する。
2
出願と入学相談の日程
(1)
提出書類
ア
入学願書
イ
調査書
ウ
校長の意見書
エ
愛の手帳又は知的障害が分かる診断書のコピー
(2)
3
入学相談日程(予定)
事 前 相 談
入学相談願書受付
入学相談日
入学許可予定者の発表
7 月から 12 月
1 月上旬
1 月中旬
1 月下旬
入学相談の方法
(1)
入学相談
ア
趣旨・方法等
(ア)
中学校若しくは知的障害養護学校中学部を卒業見込み又は卒業した者で、保護者と共
に都内に在住又転居することが確実で、既に愛の手帳(療育手帳)を所持若しくは取得
が確実な生徒又は知的障害があることを証明できる医師の診断書が提示でき、今後、愛
の手帳を取得する見込みのある生徒を対象とし、入学相談の結果等をふまえて総合的に
判断して入学許可予定者を決定する。
(イ)
相談内容に、学力・作業能力調査を加え、本人の適性等を的確に把握し、適切な入学
許可予定者を決定する。
15
イ
相談内容
(ア) 書類審査
(イ) 作文
(ウ) 学力・作業能力調査
(エ) 面接
(2)
他校との併願
都立高校及び通学区域のある都立知的障害養護学校高等部普通科の入学相談日と日程をず
らし、併願を可能とすることで、知的障害のある生徒の学校選択の幅を拡大する。
なお、次の者は、職業コースの入学相談を受けることができない。
ア
都立高校の推薦に基づく選抜等による合格者
イ
都立知的障害養護学校高等部職業学科前期入学許可予定者
ウ
都立知的障害養護学校高等部職業学科後期入学相談志願者
16
第5章
1
施設・設備の整備
施設・設備の整備の考え方
区部東部地区における知的障害養護学校高等部職業コースの施設・設備の整備は、足立養護学
校の施設等を活用し、教育課程の検討結果を踏まえ、将来の企業就労に向けた専門的な教育を行
い、特色ある教育を効果的に展開するという観点から検討した。
2
施設の現況等
足立養護学校には校舎棟と実習棟があり、校舎棟は老朽化が進んでいるため、大規模改修(外
壁改修、各種設備改修など)を、平成 18 年 3 月から平成 19 年 6 月まで実施する。そのため、校
舎棟の暫定使用として、屋外運動場に仮設校舎を建設し供用開始している。
また、既存校舎棟の大規模改修では、耐震補強工事を実施するとともに、バリアフリー化を図
る(エレベーター1 基を設置等)
。
(1)
足立養護学校の敷地面積は 16,783 ㎡、校舎面積(体育館含む)は 7,582 ㎡、実習棟は 2,736
㎡、屋外運動場面積は 3,908 ㎡である。
(2)
交通機関としては東武伊勢崎線「谷塚駅」東口下車、東武バス花畑桑袋団地行き、
「草加記
念体育館前」下車(所要時間約 8 分)徒歩 2 分、つくばエクスプレス「六町駅」下車、東武
バス花畑桑袋団地行き「草加記念体育館前」下車(所要時間約 15 分)徒歩 2 分である。
3
施設・設備の基本計画
(1)
既存校舎を有効に活用し、各諸施設をバランスよく配置する。職業コースの普通教室は、
校舎の 1 階から 3 階に合計 6 教室配置する。
(2)
職業コースに必要な設備を整備する。
・
店舗・物流サービス分野(仮称)
クリンリネス、物流実務、事務・情報処理などの実習に必要な設備を整備する。
・
フードサービス分野(仮称)
フードサービス、事務・情報処理などの実習に必要な設備を整備する。
17
≪施設一覧(普通科を含む。
)≫
分
野
管理諸室
普通教室
特別教室
自立活動室
その他
室
名
室
数
備
考
校長室
1
職員室
2 職業コース用 1
事務室
1
保健室
2 実習棟 1
教育相談室
1
保護者控室
1
印刷室
1
放送室
1
教材室
3 職業コース用 1、実習棟 1
進路相談室兼事務室
1 実習棟
主事室
1 実習棟
職員更衣室
2
高等部普通科
19
職業コース部門普通教室
6 職業コース用 6
音楽室
2 練習室含む。
美術室
2 準備室含む。
視聴覚室
1
パソコン室
1 準備室含む。
調理室
1
実習室
13 実習棟(準備室有り)
図書室
1
生徒会室
1
集会室
1 実習棟
生徒更衣室
7 職業コース用 2(男女)
社会開放事業室
1 実習棟
多目的ホール
1
給食室
1
食堂
1
体育館
1
プール
1
*上記は校舎棟改修後の施設一覧である。
18
参 考 資 料
資料1
区部東部地区における知的障害養護学校高等部職業コース検討委員会検討経過・・・・・・20
資料2
区部東部地区における知的障害養護学校高等部職業コース検討委員会設置要綱・・・・・・21
資料3
区部東部地区における知的障害養護学校高等部職業コース検討委員会委員名簿・・・・・・22
19
資料1
区部東部地区における知的障害養護学校高等部職業コース検討委員会検討経過
1
検討委員会の構成及び検討事項
区部東部地区における知的障害養護学校高等部職業コース検討委員会は、社会福祉法人関係者
1 人、民間企業関係者 1 人、保護者代表 1 人、労働局関係者 1 人、心障設置校長会代表 1 人、学
校関係者 3 名、東京都教育庁 8 名で構成(平成 18 年 3 月現在)し、教育課程、入学相談方法等
を具体的に検討した。
2
検討委員会の設置
年
月
日
平成 17 年 11 月 7 日
3
事
項
区部東部地区における知的障害養護学校高等部職業コース検討
委員会設置要綱施行
検討経過
年
月
日
回
議
題
(1) 設置に関する基本的事項ついて
平成 17 年 11 月 17 日
第1回
(2) 教育課程等について
(3) その他事項について
平成 18 年 1 月 25 日
第2回
(1) 教育課程(案)について
(2) 就労支援(案)について
(3) 入学相談(案)について
(4) 施設・設備(案)について
(5) その他事項について
(1) 区部東部地区における知的障害養護学校高等部職
平成 18 年 2 月 22 日
第3回
業コース検討委員会報告書(案)について
(2) その他事項について
20
資料2
区部東部地区における知的障害養護学校高等部
職業コース検討委員会設置要綱
(設置)
第1 区部東部地区における知的障害養護学校高等部職業コースの設置について検討するため、東
京都教育委員会に「区部東部地区における知的障害養護学校高等部職業コース検討委員会」(以
下「委員会」という)を設置する。
(所掌事項)
第2 委員会は、区部東部地区における知的障害養護学校高等部職業コースの設置について具体的
に検討し、その結果を東京都教育委員会教育長(以下「教育長」という。)に報告する。
なお、具体的な検討事項は、教育課程、入学相談方法等に関すること及びその他検討を要する
ことである。
(構成)
第3 委員会は、東京都教育庁(以下「教育庁」という。)関係者、東京都立養護学校関係者、都
内公立中学校心身障害学級設置校関係者、民間企業、保護者代表等のうちから、教育長が任命及
び委嘱する者をもって構成する。
(委員長等)
第4 委員会に委員長を置き、教育庁参事(特別支援教育推進担当)の職にある者をもって充てる。
2 委員長は、委員会を主宰し、会務を総括する。
3 委員会に副委員長を置き、教育庁学務部義務教育心身障害教育課長の職にある者をもって充て
る。
4 副委員長は、委員長を補佐し、委員長が不在のときは、その職務を代理する。
(設置期間)
第5 委員会の設置期間は、委員会が設置された日から平成 18 年 3 月 31 日までとする。
(会議及び会議記録)
第6 委員会の会議は、原則として非公開とする。ただし、委員会の会議要旨と会議資料について
は、原則として公開するものとする。
(庶務)
第7 委員会の庶務は、学務部義務教育心身障害教育課及び指導部義務教育心身障害教育指導課が
担当する。
(その他)
第8 この要綱に定めるもののほか、委員会の運営に関する事項は、委員長が定める。
附 則
この要綱は、平成 17 年 11 月 7 日から施行する。
21
資料3
区部東部地区における知的障害養護学校高等部
職業コース検討委員会委員名簿
氏
津 田
永村
中 島
名
望
晴美
顕
現
職
東京都知的障害養護学校PTA連合会会長
犬塚
喜久男
中井
孝吉
足立養護学校長
和 彦
葛飾養護学校長
鈴木
綾子
墨田養護学校長
伊藤
一博
教育庁参事(特別支援教育推進担当)
巧
区部東部地区心障学
足立区立第十三中学校長
級設置校長会代表
委員長
総務部教育政策室企画担当課長
敏也
学務部義務教育心身障害教育課長
石黒
洋子
学務部副参事(盲・ろう・養護学校改革推進担当)
尾崎
祐三
学務部主任指導主事(就学相談担当)
中 島
毅
人事部人事計画課長
小 林
進
指導部盲・ろう・養護学校教育担当課長
嘉博
護学校PTA連合会代表
東京労働局職業安定部職業対策課障害者雇用対策係長
内藤
半澤
区部東部地区知的障害養
オーク・フレンドリーサービス㈱業務部長
常博
江 藤
考
社会福祉法人のゆり会理事長
水戸
森
備
指導部主任指導主事(特別支援教育担当)
22
副委員長