Japan Update 長島・大野・常松法律事務所銀行代理業と銀行代理業者の義務藤井豪昨今の法改正により、銀行代理店に対する従前の厳しい規制るものとしている。が改正され、やや緩和された。一般に、かかる改正は預金者等の利便性の向上に資することを企図したものであるとされる。銀行代理業者と金融商品取引法平成18年6月14日に公布され、その日から1年6ヶ月以内で定められる日に施行されるとされている金融商品取引法により、銀行法は、近い将すなわち、平成17年11月2日、銀行法その他の関係法令を改正する「来に再度改正されることとされている。当該改正により、銀行代理業者が銀行法等の一部を改正する法律」(以下「銀行法等改正法」という)が公布行う特定預金等(金利や通貨の価格その他の指標に係る変動によりそのされ、同法は平成18年4月1日に施行された。銀行法等改正法の目的は、元本について損失が生ずるおそれがある預金または定期積立等として内預金者等の利便性と銀行業務の効率性の向上を企図して、従前の銀行閣府令で定めるものをいう)の受入れを内容とする契約(特定預金等契代理店制度の見直しを行い、銀行代理業制度を創設するとともに、一定約)の締結の代理または媒介につき、取引内容の事前説明義務や顧客にの規制を緩和しつつ、かつ、銀行による適切な業務の運営を確保するため対する損失補てんの禁止その他の金融商品取引法上の様々な規制が適の措置を講ずるものである。用されることとなる。銀行法等改正法以前の法制度下では、法人の銀行代理店は銀行のこのように、銀行法の再度の改正により、一旦緩和された現行の銀行 100%子会社等に限定されており、また、代理店業務以外の業務を営む法等改正法下の銀行代理業者に対する規制が強化されることとなるが、ことは禁止されていた。しかしながら、銀行法等改正法により、かかる出資銀行代理業者の顧客の利益保護の要請は、金融商品取引法下の投資家規制が撤廃され、銀行代理業者が監督官庁の承認を得て銀行代理業以の利益保護の要請と本質的に異ならず、かかる要請は銀行代理業者に課外の業務を営むことができることとなった。これらの改正は、コンビニエンせられる行政上の義務負担の増大による不利益を上回るものといえるでスストアその他の一般事業会社を通じて顧客の金融サービスへのアクセあろう。スを改善することを実現しようとするものであるといえる。銀行代理業制度の概説銀行法等改正法において、銀行代理業は、銀行のために、①預金または定期積立金等の受入れ、②資金の貸し付けまたは手形の割引、③為替取引のいずれかを内容とする契約の締結の代理または媒介を行う営業をいうものとされる。銀行代理を営もうとする者は、あらかじめ監督官庁の許可を受ける必要があるものとされる。かかる許可を受けるためには、(i)銀行代理業を遂行するために必要と認められる財産的基礎を有する者であること、(ii)人的構成等に照らして、銀行代理業を的確、公正かつ効率的に遂行するために必要な能力を有し、かつ、十分な社会的信用を有する者であること、 (iii)他に業務を営むことによりその銀行代理業を適正かつ確実に営むことにつき支障を及ぼすおそれがあると認められない者であること、という基準に適合することが必要とされる。銀行法等改正法下の新制度において、銀行代理業者は、所属銀行の商号その他の事項に関する顧客への説明を行う義務を負い、さらに、銀行代理業に係る禁止行為として、顧客に対し虚偽のことを告げる行為や、不確実な事項について断定的判断を提供し、または確実であると誤認させるおそれのあることを告げる行為等が定められている。また、銀行法等改正法はさらに銀行代理業者が所属銀行の指導と監督官庁の監督に服す長島・大野・常松法律事務所〒102-0094 東京都千代田区紀尾井町3番12号紀尾井町ビル Tel: (81-3) 3288 7000 Fax: (81-3) 5213 7800 Email: [email protected] Website: http://www.noandt.com This article was published in the January 2007 issue of Asialaw Japan Review by Asia Law & Practice. To obtain the January 2007 original version, or copies of any other Asia Law & Practice publications, please email [email protected]. © Euromoney Institutional Investor (Jersey) Ltd 2007 asialaw Ja p a n R ev i e w - 19