#51 JMS LMcorsa Z4 /新田守男・脇阪薫一 18 位/1 分 38 秒 791

2015 SUPER GT
LM -corsa・ I N G I N G R a c e
第2戦
◆ 5 月 2 日 (土)
< 予
Report
富士スピードウェイ
選 > 天候:晴れ | コース状況:ドライ
#51 JMS LMcorsa Z4/新田守男・脇阪薫一
18 位/1 分 38 秒 791
4 月に岡山国際サーキットで開幕した 2015 年 AUTOBACS SUPER GT シリーズ。1 ヶ月のインターバルを経て、ゴールデンウィーク
真っただ中の富士スピードウェイでシリーズ第 2 戦が開催された。LM-corsa とジョイントし、チームの 2 号車を走らせる INGING の
スタッフにとっては我が庭も同然のサーキット。2 号車となる BMW Z4 GT3 は、昨年も参戦しており、データはそのままでは使えない
ものの、3 月にメーカーテストで新データがある程度蓄積されているのは、ぶっつけ本番だった開幕戦よりも心強い。これを操るドラ
イバーは 3 度のチャンピオンに輝く新田守男と、久々にシリーズカムバックした脇阪薫一のベテランコンビ。開幕戦では粘り強い走
りでシングル入賞を果たしていたが、FIA-GT3 マシンである BMW Z4 が、本来得意とする富士スピードウェイでの活躍が期待され
た。
土曜日の午前 8 時 50 分から 1 時間 45 分に渡って公式練習が行われ、午後 2 時 15 分からはいよいよ公式予選が始まる。いつも
のノックアウト・スタイルで GT500 と GT300 が、それぞれ 15 分の Q1 を走り、GT300 では上位 13 台だけが 7 分間の Q2 に進むこと
ができる。こうして予選グリッドを決めるのがレースウィークの初日、土曜日のタイムスケジュールとなっている。
青空が拡がる中、午前 8 時 50 分から行われた公式練習は完全ドライのコンディション。最後のパート、GT500 クラスの専有走行時
間帯になってメインストレート上の落下物を回収するために赤旗中断があったが、GT300 クラスが走行している間はセッションの中
断もなく、各車充分な走り込みをすることができた。#51 JMS LMcorsa Z4 は新田のドライブでコースインしてセッションの前半を走行。
セッション後半を脇阪が担当するパターンとなった。セッションを通じて黙々と走り続けた#51 JMS LMcorsa Z4 だったが、トップとの
タイム差は 1 秒強で推移。何とかタイムを削って見せても、今度はトップもタイムを詰める、という展開で、結局 12 番手でセッション
を終了。Q1 突破のボーダーラインとなる 13 位以内には着けていたため、開幕戦で逃した Q2 進出に期待が高まった。
公式予選は午後 2 時 15 分から。#51 JMS LMcorsa Z4 は開幕戦と同様に、新田がアタックを担当する。インラップから速いペース
で周回した新田は、5 周目に 1 分 38 秒 791 をマーク、タイミングモニターの上位に名を記す。トップ 10 の中にいれば Q1 突破は間
違いない。ただしそこから先のひと伸びに苦しみ、1 台、また 1 台と追い越すマシンが出てきてポジションダウン。最終的には 18 番
手となり、開幕戦に続いて Q2 進出はならなかった。
決勝レースは日曜日の午後 2 時 15 分にスタート。1 周 4.3km のコースを 110 周、約 500km のレースとなる。午前 9 時から 30 分間
に渡って行われるフリー走行では、ピットインのシミュレーションとともに決勝用のセットを再確認する。通常よりもレース距離が長く、
ルーティンのピットインも 2 回義務付けられ、よりチーム総力戦の意味合いが強くなっている。18 番手からスタートする#51 JMS
LMcorsa Z4 には、開幕戦以上の上位入賞が期待されるところとなった。
ドライバー/新田守男 Q1:1 分 38 秒 791/18 位
「難しいですね。チームも頑張ってくれて、クルマは確かに進化している。もち
ろん、まだまだ完璧、という訳じゃなくて、良くしなきゃいけないポイントもあり
ます。でも今回は何とか Q2 に残れると思っていました。ちょうどタイム差が
僅差でシビアな位置だけに僅かの差でポジションが 3 つも 4 つも変わってし
まう。そんな状況と、今回はタイヤを上手く選び切れなかったことも響きまし
たね。開幕戦の岡山と違って、今回の富士はテストで来ていたのですが、や
はり甘くなかったですね。ただいまは気持ちを切り替えて、明日の決勝に集
中します。500km の長丁場だから不確定な要素も少なくないと思うし、最後
まで粘り強く走ることができれば…。先ずは自分たちがノーミス/ノートラブルのレースをすること。そうすれば結果に繋がるんじ
ゃないかな」
ドライバー/脇阪薫一 Q2: 未出走
「厳しいけれど、クルマは間違いなく良くなっています。ただクルマは、もっともっと
速くする必要がありますが、特別なテストも出来ないからレースウィークにいくつも
の改良点を同時に試すしかなくて、一つ一つの評価が上手くできない。そんなジレ
ンマがあります。ただ、チームも一生懸命頑張ってくれているので、1 戦 1 戦、頑張
っていくだけですね」
監督/小林敬一
「また今回も(Q2 進出には)一歩届きませんでした。でも、決勝レースに関して
は全く心配していません。今回は 500km レースですが、BMW はもともと長い
レースに強いんです。それにドライバーは 2 人ともベテランで、前回もキッチリ
とシングル入賞を達成してくれました。まだまだクルマは進化の途上ですが、レ
ースをちゃんと走りきることでデータも蓄積され、さらにレベルアップする。そん
な好循環も期待できると思います。ともかく、明日のレースもきっちり走りきるだ
けです」
2015 SUPER GT
LM-corsa・ I N G I N G R a c e
第2戦
◆ 5 月 3 日(日)
< 決
Report
富士スピードウェイ
勝 > 天候:晴れ | コース状況:ドライ
#51 JMS LMcorsa Z4/新田守男・脇阪薫一
9位
関東エリアにシーズン開幕を告げる 2015 年 AUTOBACS
SUPER GT のシリーズ第 2 戦、富士 500km レースの最終日は、
前日に引き続き快晴で明けた。朝一番のサポートレースに続
いて午前 9 時から 30 分間のフリー走行があり、その後サポー
トイベントの決勝レースやピットウォークを挟んで午後 1 時 05
分からは、SUPER GT の決勝レースに向けてウオームアップ
&スタート進行が始まる。500km レースとあってスタート時刻
は少し早められ午後 2 時 15 分には超高速バトルが幕を開け
ることになる。
9 時からのフリー走行は完全なドライコンディション。#51 JMS LMcorsa Z4 は新田守男と脇阪薫一が交替でドライブしながら 16 周
を走行。マシンの決勝セットを確認しつつ、決勝レースでのルーティンピットのシミュレーションも行っている。タイムとしては 12 周を
走った脇阪が 1 分 40 秒 390 まで詰め、4 周走っただけの新田も 1 分 40 秒 5 を記録。全体の中では 16 番手だがマシンのコンディ
ションもまずまずで、しかも 2 人ともに安定したペースで走れることをアピール、決勝レースに向けて期待を繋ぐ結果となった。
大盛況のピットウォークを終え、午後 1 時 05 分にはスタート進行が始まった。8 分間のウォームアップ走行は、スタートを担当する
新田がステアリングを握る。クルマのバランス的には“もう一つ”なところもあったが、スタート用のタイヤは指定されているから、別
のタイヤに履き替えることはできない。実際、スタートして見ると、直後の混乱でポジションダウンしてしまった新田は、その後もペー
スを上げることができないまま回に埋もれてしまうことになる。そこでチームは急きょ、新たな作戦に出た。一般的にはレースを 3 ス
ティントで走りきる場合には 3 分の 1 ずつに区切ってレースを組み立てるのだが、燃費の関係で満タンで走りきれる周回数を 2 ステ
ィント分を引いた周回数を走り終えたところで最初のピットインを行い、残りを 2 等分して 2 回のピットインで走りきろうと言うのだ。
12 周を走り終えて新田がピットイン。脇阪に交替してピットアウトして行った#51 JMS LMcorsa Z4 は、クラス 22 位からレースを再
開することになった。このスティントで脇阪はステディな周回をこなしていく。ライバルに比べると、決して速いペースではないのだが、
それでも着実に周回を続けていくうちにミスやトラブルで後退するクルマも出てくるから、結果的には着実にポジションアップしていく。
そして 41 周を終了するまで引っ張った結果、何とクラス 5 位にまで進出していたのだ。もちろん、ピットインのタイミングもあるから、
これがそのまま(実質的な)ポジションとはならない。それでも脇阪は、7 番手をキープしたまま 58 周を走り終えてピットイン。再びク
ルマに乗り込んだ新田がピットアウトして時点では 15 番手まで後退していたが、ここからは新田が頑張った。路面温度も少し下がり、
装着したタイヤがこのコンディションにマッチしたこともあったろうが、何度か自己ベストタイムを更新しながら先を急いだ。その甲斐
あって73 周目には入賞圏内である10位に進出すると続いて74周目には9位に。そしてそのポジションを保ったままチェッカーを受
け、2戦続けてのシングル入賞を果たすことになった。
次戦は6月のタイ・ラウンド。暑さとの戦いとなる海外遠征だが、2戦連続シングル入賞の勢いを継続、いや加速させてさらなる上
位入賞を期待したい。
ドライバー/新田守男
「辛かったけど、何とか2戦続けてポイントゲットすることができました。でもけっしてこれで満足し
ている訳じゃありません。同じパッケージング(BMW Z4 GT3+ヨコハマ・タイヤ)で走るチームが
いて、その時どんなタイヤを履いていたのかは分かりませんが、随分速く走っていました。もし、そ
れが自分たちと同じ種類のタイヤを履いていたのだとしたら、自分たちはセッティング(の方向性)
を間違っている。そのくらい(ライバルが)速かった。次回までにいろいろ考えて、クルマを速くした
いですね」
ドライバー/脇阪薫一
「今回もレースを戦ったというより、自分たちの出来る範囲で淡々と走った
だけ。9位入賞で喜んでいるわけにはいきません。自分たちが目指してい
るのはそこではなく、もっともっと高いところですから。チームと一緒に頑張
って、クルマを速くしていく必要がありますね」
監督/小林敬一
「2戦続けてシングル入賞。チームもドライバーも良くやってくれました。もちろん、これで満足するわけにはいきませんが、ちゃん
とは仕切りってくれたことで次に繋がるレースができました。今回はタイヤ選択など難しい局面も多かったのですが、これを一回
見直して、次回のタイ・ラウンドに臨みます。これからも応援してください」